JPH10263656A - 板圧延方法および板圧延機 - Google Patents

板圧延方法および板圧延機

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JPH10263656A
JPH10263656A JP9070152A JP7015297A JPH10263656A JP H10263656 A JPH10263656 A JP H10263656A JP 9070152 A JP9070152 A JP 9070152A JP 7015297 A JP7015297 A JP 7015297A JP H10263656 A JPH10263656 A JP H10263656A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板材の圧延において、圧延材の伸び率が
左右均等になるような圧延操業を実施するための板圧延
方法および板圧延機を提供する。 【解決手段】 4段以上の多段圧延機を用いた圧延方法
で、キスロール締め込み状態における、少なくとも補強
ロール以外のすべてのロールに作用するロール軸方向ス
ラスト反力の測定値と、上下補強ロールの各圧下支点位
置において圧下方向に作用する補強ロール反力の測定値
とから、圧下装置の零点と圧延機の変形特性の何れか一
方または双方を求め、これに基づいて、圧延実行時の圧
下位置設定・制御を行うこと、あるいは補強ロール以外
のロールのスラスト反力および補強ロール反力の圧延時
の測定値を用いて圧下位置設定・制御を実施する板圧延
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼等の金属板材を
圧延する際の圧延方法と、その圧延機設備に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板材の圧延操業における重要課題の
一つに、圧延材の伸び率を作業側と駆動側とで等しくす
ることがある。なお以下では、表記を簡単にするため作
業側と駆動側のことを左右と称することにする。伸び率
が左右不均等になった場合、キャンバーや板厚ウェッジ
という圧延材の平面形状および寸法精度不良を生ずるば
かりではなく、蛇行や尻絞りという通板トラブルを生じ
ることがある。
【0003】左右の伸び率を均等にするための操作手段
としては、圧延機の圧下位置の左右差すなわち圧下レベ
リング操作が用いられる。通常、圧下レベリングの操作
は、圧延前の設定、圧延中の操作ともに、オペレータが
圧延操業を注意深く観察しながら操作している場合がほ
とんどであるが、上述したキャンバーや板厚ウェッジの
品質不良や通板トラブルを十分に制御できているとは言
えない。
【0004】特公昭58-51771号公報には、圧延機のロー
ドセル荷重の左右差の和に対する比に基づいて圧下レベ
リング制御を実施する技術が開示されているが、圧延機
のロードセル荷重の左右差には、圧延材の蛇行量の影響
以外に種々の外乱が含まれており、上記左右差の比に基
づいた制御では、蛇行を助長するような制御になる場合
もあり、十分な効果をあげるまでには至っていない。
【0005】また、特開昭59-191510 号公報には、圧延
機入側の圧延材のずれ、すなわち蛇行量を直接検出する
ことにより、圧下レベリングを操作する技術が開示され
ているが、例えば、長尺材の圧延時やタンデム圧延時に
おいては、圧下レベリングが不適当であっても、当該圧
延機よりも上流側の圧延材の自重や上流側の圧延機によ
る拘束条件によって、実際に入側の圧延材に蛇行を生じ
ない場合が多く、このような場合には圧下レベリングの
不良があるにもかかわらず、蛇行量が検出できないた
め、これを放置することになり、圧下レベリングを最適
値に制御する手段としては使用できない。さらに、例え
ば、圧延材出側の蛇行量を検出する場合でも、その検出
値には、当該圧延機の出側材料速度の左右差と既に圧延
機出側に存在する圧延材キャンバーの移動による幅方向
変位が重畳されているので、蛇行量を測定した時点で当
該圧延機のロールバイト中にある圧延材の伸び率を左右
均等化するための圧下レベリング制御の最適化に利用す
ることは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように蛇行量
を直接検出する方式は、それ単体で圧下レベリングを最
適化することが不可能であることと、ロールバイト中で
生じている現象を直接測定している訳ではないので、外
乱が入りやすく、また圧下レベリング制御にも時間おく
れを生じるという本質的な欠点がある。
【0007】これに対して、圧延荷重の左右差は、ロー
ルバイトに生じている現象の左右非対称性に関する情報
を時間遅れなく伝えるので、圧下レベリングの最適制御
のために最も重要な情報となり得る。そこで、本発明で
は、ロードセルから検出された圧延荷重の左右差に含ま
れる外乱を特定し、圧延材と作業ロール間で生じている
圧延現象の左右差を正確に推定して圧下レベリングを最
適化するための板圧延方法およびこれを実現するための
板圧延機を開示する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、綿密な
調査および解析検討の結果、圧延機のロードセルで測定
される圧延荷重の左右差には、圧延材と作業ロール間の
圧延荷重分布のミルセンターに関する左右非対称性の他
に、例えば4段圧延機の場合、作業ロールと補強ロール
との間、6段圧延機の場合、作業ロールと中間ロール、
中間ロールと補強ロールとの間にロール軸方向に作用す
るスラスト力が最も大きな要因として含まれていること
を知見した。これらのロール間に作用するスラスト力
は、ロールに余分なモーメントを与え、このモーメント
に釣り合うように左右の圧延荷重差が変化するので、圧
延機のロードセルで測定された荷重の左右差から圧延材
〜作業ロール間で生じている圧延荷重分布の左右非対称
性を把握するという目的に対しては重大な外乱となる。
さらにこのロール間スラスト力は、圧延操業中にその大
きさばかりではなく、場合によっては方向までも反転す
ることがあるので、予め正確に推測することが非常に困
難である。また、圧延機の圧下零点調整は、キスロール
締め込みによって所定の零調荷重まで締め込むことによ
って実施される場合がほとんどであるが、このときには
上述のロール間スラスト力に加えて、上下作業ロール間
のスラスト力がさらに外乱として追加される。圧下零点
調整では、作業側および駆動側のロードセルで測定され
る荷重が所定の荷重に等しくなるように圧下位置がリセ
ットされ、圧下レベリングの零点も同時にリセットされ
る。このとき、上述したようなロール間スラスト力が作
用してロードセル荷重の左右差に外乱が含まれている
と、正確な圧下レベリングの零点調整は実行できなくな
り、以後の圧下レベリング設定には、常時この零点の誤
差が含まれることになる。さらに特開平6-182418号公報
に開示されているように圧延機の剛性すなわち圧延機の
変形特性のミルセンターに関する左右非対称性を把握す
る際にもキスロール締め込みテストを実施するが、この
場合にも上記したロール間スラスト力は深刻な誤差要因
となる。
【0009】本発明は上述した種々の問題点を解決した
もので、その要旨は以下のとおりである。 (1)4段以上の多段圧延機を用いた圧延方法で、キス
ロール締め込み状態における、少なくとも補強ロール以
外のすべてのロールに作用するロール軸方向スラスト反
力の測定値と、上下補強ロールの各圧下支点位置におい
て圧下方向に作用する補強ロール反力の測定値とから、
圧下装置の零点と圧延機の変形特性の何れか一方または
双方を求め、これに基づいて、圧延実行時の圧下位置設
定および/または制御を行うことを特徴とする板圧延方
法。
【0010】(2)4段以上の多段圧延機を用いた圧延
方法で、少なくとも上下どちらか一方、好ましくは上下
双方のロールアセンブリにおける、補強ロール以外のす
べてのロールに作用するロール軸方向スラスト反力の測
定値と、補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向
に作用する補強ロール反力の測定値とから、圧延機の圧
下位置操作量の目標値を演算し、該圧下位置操作量の目
標値に基づいて、圧下位置制御を行うことを特徴とする
板圧延方法。
【0011】(3)4段以上の多段圧延機を用いた圧延
方法で、少なくとも上下どちらか一方、好ましくは上下
双方のロールアセンブリにおける、補強ロール以外のす
べてのロールに作用するロール軸方向スラスト反力の測
定値と、補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向
に作用する補強ロール反力の測定値とから、少なくとも
圧延材と作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分
布のミルセンターに関する非対称性を演算し、該演算結
果に基づいて、圧延機の圧下位置操作量の目標値を演算
し、該圧下位置操作量の目標値に基づいて、圧下位置制
御を行うことを特徴とする板圧延方法。
【0012】(4)4段以上の多段板圧延機で、補強ロ
ール以外のすべてのロールに作用するロール軸方向スラ
スト反力の測定装置と、上下補強ロールの各圧下支点位
置において圧下方向に作用する補強ロール反力の測定装
置とを有することを特徴とする板圧延機。 (5)4段以上の多段板圧延機で、補強ロール以外のす
べてのロールに作用するロール軸方向スラスト反力の測
定装置と、上下補強ロールの各圧下支点位置において圧
下方向に作用する補強ロール反力の測定装置と、少なく
とも上記スラスト反力測定値と上記補強ロール反力測定
値とを入力データとし、少なくとも圧延材と作業ロール
間に作用する荷重のロール軸方向分布のミルセンターに
関する非対称性、または上下作業ロール間に作用する荷
重のロール軸方向分布のミルセンターに関する非対称性
を演算する演算装置とを有することを特徴とする板圧延
機。
【0013】(6)補強ロール以外の少なくとも1組の
ロールにロールベンディング装置が配備され、該ロール
ベンディング装置を有するロールのうち少なくとも1本
のロールのロールチョックが、ラジアル荷重を支持する
ロールチョックと、ロール軸方向のスラスト反力を支持
するロールチョックに分離された構造となっており、該
スラスト反力支持用ロールチョックに作用するスラスト
反力を測定する装置が設けられていることを特徴とする
に記載の板圧延機。
【0014】(7)補強ロール以外の少なくとも1組の
ロールにロールベンディング装置が配備され、該ロール
ベンディング装置が、設定されたロールベンディング力
に、5Hz以上の周波数の振動成分を付加できる機構を
有することを特徴とする請求項4に記載の板圧延機。 (8)補強ロール以外の少なくとも1組のロールにロー
ルベンディング装置が配備され、該ロールベンディング
装置の荷重負荷部と該荷重負荷部に当接するロールチョ
ックとの間にロール軸方向に自由度を有するスライドベ
アリング機構を有することを特徴とするに記載の板圧
延機。
【0015】(9)補強ロール以外の少なくとも1組の
ロールにロールベンディング装置が配備され、該ロール
ベンディング装置の荷重負荷部と該荷重負荷部に当接す
るロールチョックとの間に、面外変形に対する弾性変形
抵抗がロールベンディング力の最大値の5%以下の薄肉
外皮で少なくとも一部は覆われている閉空間に液体が封
入された構成の荷重伝達部を有することを特徴とする
に記載の板圧延機。
【0016】(10)補強ロール以外の少なくとも1組
のロールに該ロールを軸方向にシフトする機構を有し、
該シフト機構が振幅1mm以上、周期30秒以下の微小
シフト揺動を与える機能を具備することを特徴とする
に記載の板圧延機。
【0017】本発明における請求項1では、特にキスロ
ール締め込みによる圧下零点調整および圧延機の変形特
性の左右非対称性を抽出する際に、ロール間スラスト力
による外乱を分離する手段を開示している。請求項1で
は、キスロール締め込み時に、補強ロール以外のロール
に作用するスラスト反力と、上下補強ロールの各圧下支
点位置に作用する補強ロール反力を測定する。ここでス
ラスト反力とは、各ロール胴部の接触面において主とし
てロール間の微小なクロス角の存在によって発生するス
ラスト力の各ロールに関する合力に抗して、当該ロール
を定位置に保持するための反力であり、通常はロールチ
ョックを介してキーパプレートに発生するが、ロールの
軸方向シフト装置を有する圧延機の場合は、該シフト装
置に発生する。また、上下補強ロールの各圧下支点位置
に作用する補強ロール反力は、通常ロードセルによって
測定するが、油圧圧下装置を有する場合、圧下シリンダ
ー内の圧力の測定値から計算する方法でもよい。これら
のスラスト反力および補強ロール反力を測定することに
よって、例えば、4段圧延機の場合、各ロールに作用す
る力およびモーメントの平衡条件に関与する力のうちの
未知数は、以下の8個となる。
【0018】 TB T :上補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 TWB T :上作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TWW :上下作業ロール間に作用するスラスト力 TWB B :下作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TB B :下補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 pdf WB T :上作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf WB B :下作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf WW :上下作業ロール間の線荷重分布の左右差 ここで、線荷重分布とは、各ロール胴部に作用する締め
込み荷重のロール軸方向分布のことであり、単位胴長あ
たりの荷重を線荷重と称している。補強ロールのロール
チョックに作用するスラスト反力も測定することができ
れば、より精度の高い計算が可能であり好ましいことは
言うまでもないが、補強ロールのロールチョックはスラ
スト反力よりもはるかに大きな補強ロール反力を同時に
受けるのでスラスト反力の測定は一般には容易ではな
く、ここでは補強ロールのスラスト反力の測定値は利用
できないものとして説明する。仮に、補強ロールのスラ
スト反力が測定できた場合は、以下の説明において未知
数の数よりも方程式の数の方が多くなるので、すべての
方程式の最小自乗解として未知数を求めれば、計算精度
がより向上することになる。
【0019】上記8個の未知数を求めるために使用可能
な方程式は、各ロールのロール軸方向の力の平衡条件式
4個と、各ロールのモーメントの平衡条件式4個の合計
8個となる。なお、ここでは、各ロールの鉛直方向の力
の平衡条件式は既に考慮ずみと仮定しており、未知数か
らも鉛直方向の力の平衡条件式に関与するものを除いて
いる。以上の8個の未知数に対して、各ロールの力およ
びモーメントの平衡条件式を解くことにより、上記のす
べての未知数を求めることが可能となる。
【0020】以上のようにしてミルセンターに関する左
右非対称性に関係する力をすべて求めることによって、
ロール変形については左右非対称性を含めて正確に演算
することが可能となり、キスロール締め込み時の締め込
み荷重と圧下位置の関係より求められるミルストレッチ
量からロール変形の寄与を左右独立に差し引くことによ
り、左右のハウジング・圧下系の変形特性を正確に求め
ることが可能となる。
【0021】一方、圧下装置の零点については、上記の
各ロール間に作用する線荷重分布の左右差によって生じ
ているロール偏平の左右差分だけロール間スラスト力が
発生しない場合の真の左右均等圧下位置からずれている
ことになるので、その誤差量を圧下設定時に常に補正す
るようにするか、あるいは、より実用的には、その誤差
量を考慮して零点そのものを補正しておけばよい。何れ
にしても補強ロールの各圧下支点位置の補強ロール反力
と補強ロール以外のスラスト反力を測定して、各ロール
間線荷重分布の左右差を推定することが必要である。上
記の何れの測定値が欠けても、未知数は8個以上とな
り、ロール間線荷重分布の左右差を推定することが不可
能となる。
【0022】ところで圧延機が4段圧延機ではなく、さ
らに中間ロールが増えた場合、中間ロールが一本増える
毎に、ロール間接触領域が一箇所増えることになるが、
当該中間ロールのスラスト反力を測定すれば、増える未
知数は追加された接触領域に作用するスラスト力と線荷
重分布の左右差の2個であり、一方、利用可能な方程式
も当該中間ロールのロール軸方向の力の平衡条件式とモ
ーメント平衡条件式の2個が増えることになり、他のロ
ールに関する方程式と連立することにより、すべての解
を求めることが可能となる。このようにして、4段以上
の圧延機の場合でも、少なくとも補強ロール以外のすべ
てのロールに作用するスラスト反力を測定することで、
キスロール状態におけるすべてのロール間に作用する線
荷重分布の左右差を正確に求めることが可能となり、圧
下装置の零点調整および圧延機の変形特性を、特に左右
非対称性を含めて正確に実施することが可能となる。
【0023】請求項2および請求項3では、圧延中にお
ける圧下レベリング制御を、圧延反力の測定値に基づい
て正確に実施する板圧延方法を開示している。例えば、
通常の4段圧延機において、上作業ロールに作用するロ
ール軸方向スラスト反力と、上補強ロールの各圧下支点
位置において圧下方向に作用する補強ロール反力を測定
することによって、上作業ロールおよび上補強ロールに
作用するロール軸方向の力およびモーメントの平衡条件
式に関与する力のうちの未知数は、以下の4個となる。
【0024】 TB T :上補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 TWB T :上作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 pdf WB T :上作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf :圧延材〜作業ロール間の線荷重分布の左右差 上記の未知数の中に圧延材〜作業ロール間に作用するス
ラスト力が含まれていないが、これは次のような理由に
よる。
【0025】ロール間のスラスト反力は、弾性体同士の
接触によるものであり、接触面におけるロール周速は大
きさがほぼ同じであるから、微小なロール間クロス角の
発生によって互いに接触するロールの周速ベクトルのロ
ール軸方向成分に不一致を生じたとき、摩擦力ベクトル
はロール軸方向に沿った方向となり、例えば0.2 °程度
の微少なクロス角でもロール軸方向スラスト力と圧延荷
重の比はほぼ摩擦係数に等しい30%前後となる。これに
対して圧延材〜作業ロール間に作用するスラスト力の場
合、ロールバイト内の中立点以外の場所では、圧延材の
速度と作業ロール周速とは大きさ自体が一致していない
ので、ロールクロスミルのように1°前後のクロス角を
与えた場合でも摩擦力ベクトルの方向はロール軸方向と
は一致せず、このためロールバイト内の摩擦力ベクトル
のロール軸方向成分を積分して得られるスラスト力は摩
擦係数よりも大幅に小さい5%前後となる。以上のこと
から、作業ロールを積極的にクロスさせない通常の圧延
機の場合、ロールチョックとハウジングウィンドウ間の
間隙によって生じ得るクロス角は通常は0.1 °以下であ
るので、圧延材〜作業ロール間のスラスト力は無視して
も差し支えないことがわかる。
【0026】上記の4個の未知数を求めるために利用で
きる方程式は、作業ロールおよび補強ロールのロール軸
方向の力の平衡条件式2個と、作業ロールおよび補強ロ
ールのモーメントの平衡条件式2個の合計4個であり、
これらを連立して解くことによりすべての未知数を求め
ることが可能である。以上の未知数が求められれば上ロ
ール系の変形は左右非対称変形を含め正確に計算するこ
とが可能となる。
【0027】次に下ロール系については、既に圧延材〜
作業ロール間の線荷重分布の左右差が求められており、
これは圧延材に作用する力の平衡条件より上下等しいの
で、下作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の左右差
が求められれば下ロール系の変形を左右非対称変形を含
めて計算することが可能となる。この問題を解く際に利
用可能な方程式系としては、下作業ロールおよび下補強
ロールのロール軸方向の力の平衡条件式2個と、下作業
ロールおよび下補強ロールのモーメントの平衡条件式2
個の合計4個であり、例えば、下ロール系のスラスト反
力も補強ロール反力も測定できない場合の上記方程式系
に関係する未知数は次の5個となる。
【0028】 TB B :下補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 TWB B :下作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TW B :下作業ロールチョックに作用するスラスト反
力 pdf WB B :下作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 PdfB :下補強ロール圧下支点位置における補強ロー
ル反力左右差 上記未知数のうち、十分に管理された圧延機では、下作
業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の左右差pdf WB B
は圧延材〜作業ロール間の線荷重分布の左右差p dfに比
べて無視できる程小さい場合があり、この場合には、p
df WB B =0 とすることで、残りの未知数をすべて求める
ことが可能となる。このような条件が成立しない場合で
も、上記の未知数のうち少なくとも一つを既知とする
か、または実測することで残りの未知数をすべて求める
ことが可能となる。さらに好ましくは、下ロール系につ
いても作業ロールのスラスト反力と補強ロール反力の左
右差が測定できれば、未知数の数が方程式の数を下回る
ので、最小自乗解を求めることによりさらに精度の高い
計算が可能となる。以上の未知数が求められれば下ロー
ル系の変形についても左右非対称変形を含め正確に計算
することが可能となり、上下ロール系のロール変形を合
計し、これに補強ロール反力の関数として計算されるハ
ウジング・圧下系の変形を重畳し、現時点の圧下位置を
考慮することにより上下作業ロール間ギャップの左右非
対称性を正確に計算することが可能となり、圧延機変形
の結果として生ずる板厚ウェッジが計算できる。以上の
準備を行った上で、蛇行あるいはキャンバー制御の観点
から要求される板厚ウェッジの目標値を達成するための
圧下位置操作量、特に圧下レベリング操作量の目標値が
演算できることになり、この目標値にしたがって圧下位
置制御を実施すればよい。なお、以上の説明における上
下ロール系は、これを入れ換えても本発明が全く同様に
適用できることは言うまでもない。
【0029】ところで上記説明においては、圧延材〜作
業ロール間の線荷重分布の非対称性としては、線荷重の
左右差のみを考慮する場合を考えたが、線荷重のロール
軸方向分布の非対称性としては、上記線荷重の非対称性
だけではなく、圧延材中心がミルセンターとは異なる位
置で通板される現象も考えられる。圧延材中心とミルセ
ンターとの距離を本発明ではオフセンター量と称する
が、オフセンター量については、圧延機入側のサイドガ
イドによって一定の許容量内に抑えることが基本であ
る。それでも発生し得るオフセンター量が無視できない
場合は、例えば、圧延機入側または出側の蛇行センサー
による測定値から推定することが好ましい。このような
センサーが設置できず、しかも無視できないオフセンタ
ー量が発生し得る場合には、例えば、次のような方法を
採用する。
【0030】作業ロールのモーメントの平衡条件式から
オフセンター量と上記圧延材〜作業ロール間の線荷重分
布の左右差の二つの未知数を分離抽出することは不可能
である。そこで、上記のようにオフセンタ−量を零とし
て線荷重の左右差のみを未知数とする場合と、線荷重の
左右差は零としオフセンター量を未知数とする場合の2
つ場合について圧下レベリング操作量の目標値を算出
し、例えば、両者の演算結果の重み平均で実際の圧下レ
ベリング操作量の目標値を決定する。この重みの付け方
については、圧延状況を観察しながら適宜調整すること
になるが、一般論としては、圧下レベリング操作量の小
さい側に大きな重みを配したり、操作量の小さい方の値
を採用し、これにさらに通常1.0 以下の値のチューニン
グファクターを乗じて制御出力とする方法が現実的であ
る。
【0031】以上では4段圧延機を例にとって説明して
きたが、さらに中間ロールが増えた圧延機型式の場合、
中間ロールが一本増える毎に、ロール間接触領域が一箇
所増え、当該中間ロールのスラスト反力を測定すれば、
増える未知数は追加された接触領域に作用するスラスト
力と線荷重分布の左右差の2個であり、一方、利用可能
な方程式も当該ロールのロール軸方向の力の平衡条件式
とモーメント平衡条件式の2個が増えることになり、他
のロールに関する方程式と連立することにより、すべて
の解を求めることが可能となる。このようにして、4段
以上の圧延機の場合でも、少なくとも補強ロール以外の
すべてのロールに作用するスラスト反力を測定すること
で、圧延中のロール間に作用する線荷重分布の左右差を
含めてすべての未知数を求めることが可能となり、4段
圧延機の場合と同様に最適な圧下レベリング操作量を演
算することが可能となる。
【0032】次に、ペアクロスミルに代表されるような
ロールクロス方式板圧延機の場合について説明する。上
記したようにロールクロス圧延機においては、圧延材の
進行方向と作業ロールの周速ベクトルの方向とが一般に
は一致せず、1°前後のロールクロス角分だけ角度をな
し、これに対応して圧延荷重の5%前後のスラスト力が
発生する。このスラスト力は予めある程度の精度で予測
はできるものの、ロールの表面性状をはじめ圧延材の温
度や変形特性にも左右されるため正確な値を予め算出す
ることは困難である。したがって正確な圧下レベリング
制御を実施しようとする場合、圧延材〜作業ロール間に
作用するスラスト力についても未知数として求める必要
がある。この場合、上記したような通常の4段圧延機の
場合と同様に上下どちらか一方のロールアセンブリに関
する方程式系のみを用いたのでは方程式の数が不足する
ので、キスロール締め込み時と同様に、上下ロールすべ
てのロール軸方向の力の平衡条件式とモーメントの平衡
条件式を用いる必要がある。この場合の方程式の数は、
4段圧延機の場合8個であり、未知数は以下の8個であ
る。
【0033】 TB T :上補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 TWB T :上作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TMW :圧延材〜作業ロール間に作用するスラスト力 TWB B :下作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TB B :下補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 pdf WB T :上作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf WB B :下作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf :圧延材〜作業ロール間の線荷重分布の左右差 これらの未知数を上記方程式系によって解くことで、圧
延材〜作業ロール間およびロール間の線荷重分布の左右
差を求めることが可能となり、これらの計算値を用いる
ことで、ロール変形をロールギャップの左右非対称性に
関して正確に求め、圧下レベリング操作量の目標値が演
算できる。
【0034】請求項4では、以上の請求項1、2、3の
圧延方法を実施するための板圧延機を開示している。既
に説明してきたように請求項1、2、3の圧延方法を実
施するためには、当該圧延機に、補強ロール以外のすべ
てのロールに作用するロール軸方向スラスト反力の測定
装置と、上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下
方向に作用する補強ロール反力の測定装置とが配備され
ていなければならない。ここでロール軸方向スラスト反
力の測定装置とは、例えば、ロールチョックを介してロ
ールの軸方向の動きを拘束するキーパプレートあるいは
キーパプレートを拘束しているスタッドボルトに作用す
る荷重を検出する装置や、ロールの軸方向シフト機能を
有する圧延機の場合、該シフト装置に負荷される荷重を
検出する装置であり、さらにはロールチョック内に装着
してスラストベアリングのアウターレースに作用するス
ラスト力を直接検出する装置であってもよい。また、上
下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作用
する補強ロール反力の測定装置は、圧下支点位置に配備
されたロードセルが一般的であるが、例えば、油圧圧下
装置を有する圧延機の場合、圧下シリンダー内または圧
下シリンダーに直結する配管内の油圧の測定値から計算
する方法でもよい。ただし、この場合、油圧圧下が急速
に圧下位置を変更している状態では、測定値に大きな誤
差を生ずるので、圧力データを採取する時は一時的に圧
下位置を保定する等の措置を講ずるべきである。
【0035】請求項5では、請求項1、2、3の圧延方
法を実施するための板圧延機のさらに具体的な設備形態
を開示している。既に説明したように請求項1、2、3
の圧延方法を実施するためには、請求項4において開示
した補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向ス
ラスト反力の測定装置と、上下補強ロールの各圧下支点
位置において圧下方向に作用する補強ロール反力の測定
装置の他に、少なくともこれらの測定値を入力して、ロ
ール間に作用する線荷重分布およびスラスト力の非対称
性あるいは圧延材〜作業ロール間に作用する線荷重分布
やスラスト力の非対称性を計算する演算装置が必要であ
る。ここで、最終的に圧下レベリング設定制御のために
実施しなければならないロール系の左右非対称変形解析
に不可欠なのが、圧延材と作業ロール間に作用する荷重
のロール軸方向分布のミルセンターに関する非対称性、
あるいはキスロール状態の場合は、上下作業ロール間に
作用する荷重のロール軸方向分布のミルセンターに関す
る非対称性であり、請求項5では、これらの値を、少な
くとも補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向
スラスト反力の測定値と上下補強ロールの各圧下支点位
置において圧下方向に作用する補強ロール反力の測定値
とを入力データとして演算する演算装置を必須要件とし
ている。
【0036】ところで、補強ロール以外のロールに作用
するスラスト反力を測定する場合、上記した測定装置の
例の中で、ロールチョック内のスラストベアリングのア
ウターレースに負荷される荷重を測定する方式の測定装
置を除いては、ロールチョックをロール軸方向に保持す
る外力を測定することになる。このような形式のスラス
ト反力測定装置を用いる場合、各ロールに作用するロー
ルバランス力あるいはロールベンディング力に起因する
ロール軸方向摩擦力が、スラスト反力測定値の大きな外
乱となる。すなわち各ロールの胴部に作用するスラスト
力の合力によって当該ロールが僅かにスラスト力の方向
に移動し、この僅かな変位がロールチョックをロール軸
方向に拘束しているキーパプレートやロールシフト装置
の弾性変形を誘起することによってスラスト反力が測定
されるのであるが、ロールチョックが僅かに変位する場
合、ロールチョックに当接しているロールベンディング
装置やロールバランス装置の荷重負荷部からロールチョ
ックの変位を妨げる方向の摩擦力が作用する。この摩擦
力そのものは測定することが一般に困難であるので、測
定されたスラスト力の外乱になる。請求項6〜請求項1
0には、この問題を解決した板圧延機を開示している。
なお、以下の本願発明の説明と請求項においては表現を
簡単にするため、ロールバランス装置、ロールバランス
力も含めてロールベンディング装置、ロールベンディン
グ力と総称することにする。請求項6においては、補強
ロール以外の少なくとも1組のロールにロールベンディ
ング装置が配備され、該ロールベンディング装置を有す
るロールのうち少なくとも1本のロールのロールチョッ
ク、例えば上作業ロールのロールチョックが、ロールベ
ンディング力等の圧下方向のラジアル荷重を支持するロ
ールチョックとロール軸方向のスラスト反力を支持する
ロールチョックとに分離された構造としており、該スラ
スト反力支持用ロールチョックに作用するスラスト反力
を測定する装置が設けられている。この場合、ラジアル
荷重支持用ロールチョックは、例えば軸受のインナーレ
ースとロール軸を隙間ばめにしたり、インナーレースを
採用しない円筒コロ軸受とすることによりスラスト力を
受けない構造にすることができる。このような構造にす
ることによって、ロールベンディング力が作用している
状態でも、上作業ロールの軸方向の僅かな変位はスラス
ト反力支持用チョックのみに伝えられるので、上記のよ
うなスラスト力外乱は無視できる程小さくなる。一方、
下作業ロールが上作業ロールのようにチョックが分離さ
れていない構造で、下作業ロールにスラスト力が作用し
た場合、上作業ロールチョックとの間でロールベンディ
ング力に対応する摩擦力が作用するが、上作業ロールチ
ョック側がスラスト力を支持しないので上作業ロールチ
ョックが下作業ロールチョックと共にスラスト力の作用
する方向に僅かに変位し、結局下作業ロールに作用する
スラスト力の反力も下作業ロールチョックを介して正確
に検出することができる。
【0037】請求項7においては、ロールベンディング
力に5Hz以上の周波数の振動成分を負荷できる機構を
配備した板圧延機を開示している。このようにロールベ
ンディング力に所定の力に加えて振動成分を重畳するこ
とで、ロールベンディング力の荷重負荷部とロールチョ
ックとの間の摩擦力が大幅に緩和され、スラスト力測定
値の測定精度が大幅に向上する。これは、上述したよう
にスラスト力が作業ロールに作用した場合、作業ロール
がロール軸方向に僅かに変位することでスラスト力が測
定されるのであるが、ロールベンディング力が振動して
いる場合、最もロールベンディング力が小さくなった瞬
間に作業ロールがロール軸方向に変位してスラスト力を
伝達するためである。付加する振動成分の周波数が5H
z未満の場合は、作業ロールたわみそのものがロールベ
ンディング力の振動に対応して大きく変化し、板クラウ
ン・形状に悪影響を与えるとともに、ロール軸方向の摩
擦力低減効果も小さくなるので、付加する振動成分は5
Hz以上、好ましくは10Hz以上が適当である。
【0038】請求項8においては、ロールベンディング
装置の荷重負荷部とロールチョックとの間にロール軸方
向に自由度を有するスライドベアリング機構を配備した
板圧延機を開示している。このようなスライドベアリン
グ機構の存在によって、ロールベンディング力の荷重負
荷部とロールチョックとの間の摩擦力が大幅に緩和さ
れ、スラスト反力測定値の測定精度が大幅に向上する。
【0039】請求項9においては、ロールベンディング
装置の荷重負荷部とロールチョックとの間に、面外変形
に対する弾性変形抵抗がロールベンディング力の最大値
の5%以下の薄肉外皮で少なくとも一部は覆われている
閉空間に液体が封入された構成の荷重伝達部を挿入した
板圧延機を開示している。この荷重伝達部は、ロールベ
ンディング装置の荷重負荷部とロールチョック間に狭圧
されるが、薄肉外皮は内部の液体膜が切れることはない
ように十分な強度を有しており、また薄肉外皮の面外変
形に対する抵抗はロールベンディング力の最大値の5%
以下であるので、ロールチョックのロール軸方向への微
小変位に対して、ロールベンディング装置の荷重負荷部
から作用する見かけ上の摩擦力を十分に小さくすること
が可能となる。このような荷重伝達部を配備しない場合
は、ロールベンディング装置の荷重負荷部とロールチョ
ックは固体接触となるので、その摩擦係数は通常30%
前後となる。これに対して、本荷重伝達部を挿入した場
合、内部の液体膜のせん断変形抵抗はほとんど無視でき
るので、見かけ上の摩擦力はロールベンディング力の最
大値の5%以下となり、この結果、スラスト反力測定値
の測定精度が大幅に向上する。
【0040】請求項10においては、補強ロール以外の
ロールにロールシフト機構がある場合、該シフト機構に
振幅1mm 以上、周期30秒以下の微小シフト揺動を与える
機能を配備した板圧延機を開示している。このようにロ
ールシフト機構に揺動機能を与え、実際に揺動させるこ
とによって、ロールベンディング装置の荷重負荷部とロ
ールチョックの間に作用する摩擦力の方向が反転するの
で、測定されたシフト力すなわちスラスト反力の平均値
をとることにより、正確なスラスト反力が測定できるこ
とになる。ここで、振幅1mm以上としているのは、1mm
未満の振幅の場合、ロールチョックとベアリングのロー
ル軸方向の遊びやロールベンディング装置の荷重負荷部
のロール軸方向の変形によって揺動が吸収されてしま
い、摩擦力の方向が逆転するまでに至らないためであ
る。また、揺動の周期については、この周期で平均値を
とって初めてスラスト反力のデータが1点得られ、これ
に対応した圧下位置制御が可能になるので、圧延操業に
とって意味のある圧下位置制御を実施するためのサイク
ルタイムを30秒以下として決定している。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明の実施の形態について説明する。以下では、簡単にす
るためすべて4段圧延機を例として説明するが、既に説
明したように本発明は、さらに中間ロールが加えられた
形式の5段あるいは6段以上の圧延機にも同様に適用で
きる。
【0042】図1は、本発明の請求項1の板圧延方法
で、4段圧延機の圧下零点調整の好ましい実施形態のア
ルゴリズムを示す図である。圧下零点調整は、ロール組
み替えの後に実施されるものであり、通常は補強ロール
反力が所定の零調荷重になるまでキスロール締め込みを
実施する。このとき左右の補強ロール反力が等しくなる
ように圧下レベリングも調整した上で圧下位置を仮に零
にリセットする。この補強ロール反力としては、上また
は下補強ロールの反力を単独で用いてもよいし、例え
ば、上下補強ロール反力の平均値を用いてもよい。図1
のアルゴリズムでは、その状態で上下・左右の補強ロー
ル反力と、上下作業ロールのスラスト反力を測定し、補
強ロールおよび作業ロールに作用するロール軸方向の力
の平衡条件式とモーメントの平衡条件式より、補強ロー
ルのスラスト反力、各ロール間に作用するスラスト力お
よび線荷重分布の左右差を演算する。この演算方法の具
体例を次に示す。
【0043】図2には、各ロールに作用するロール軸方
向の力と各ロールのモーメントに関係する力を模式的に
示している。ここでは、鉛直方向の力については、ロー
ルのモーメントに関係する左右非対称成分のみを考慮し
ており、さらに説明を簡単にするため、ロール間に作用
する線荷重分布の左右非対称成分のうち幅方向座標の1
次式成分のみを考慮の対象としている。実際に適用する
場合には、圧延機の変形特性に応じて、幅方向座標の3
次以上の成分を重ね合わせた非対称成分を採用すること
も可能である。図2に示した力の成分のうち測定値が利
用できるのは次の4個である。
【0044】 PdfT :上補強ロール圧下支点位置における補強ロール
反力左右差 PdfB :下補強ロール圧下支点位置における補強ロール
反力左右差 TW T :上作業ロールに作用するスラスト反力 TW B :下作業ロールに作用するスラスト反力 また、未知数となるのは次の8個の変数である。
【0045】 TB T :上補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 TWB T :上作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TWW :上下作業ロール間に作用するスラスト力 TWB B :下作業ロール〜補強ロール間に作用するスラ
スト力 TB B :下補強ロールチョックに作用するスラスト反
力 pdf WB T :上作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf WB B :下作業ロール〜補強ロール間の線荷重分布の
左右差 pdf WW :上下作業ロール間の線荷重分布の左右差 なお、図2中の補強ロールに作用するスラスト反力の作
用点位置と補強ロール軸心位置との距離hB T およびh
B B は、例えば、既知のスラスト力を与えて補強ロール
反力変化を観察することで予め同定しておくものとす
る。また作業ロールのスラスト反力の作用点位置は、図
2では作業ロール軸心位置に作用するものとしている
が、作業ロールチョックの形式や支持機構によってはロ
ール軸心位置よりずれる可能性もある。このような場合
には、やはり作業ロールに既知のスラスト力を与える等
の方法によってスラスト反力位置を同定しておくものと
する。
【0046】図2から、上補強ロール、上作業ロール、
下作業ロール、下補強ロールのロール軸方向の力の平衡
条件式はそれぞれ次のようになる。 −TWB T =TB T (1) TWB T −TWW=TW T (2) TWW−TWB B =TW B (3) TWB B =TB B (4) また、上補強ロール、上作業ロール、下作業ロール、下
補強ロールのモーメントの平衡条件式は次式で与えられ
る。
【0047】 TWB T ・(DB T /2+hB T ) +pdf WB T ( lWB T )2/12 =Pdf T ・ aB T /2 (5) TWB T ・ DW T /2+TWW・ DW T /2−pdf WB T ( lWB T )2/12 +pdf WW( lWW )2/12 =0 (6) TWB B ・ DW B /2+TWW・ DW B /2+pdf WB B ( lWB B )2/12 −pdf WW( lWW )2/12 =0 (7) TWB B ・(DB B /2+hB B ) −pdf WB B ( lWB B )2/12 =−Pdf B ・ aB B /2 (8) ここで、DB T ,DB B ,DW T ,DW B は、それぞれ
上下補強ロール直径、上下作業ロール直径であり、lWB
T ,lWW,lWB B は、それぞれ上補強ロール〜作業ロー
ル接触領域、上下作業ロール接触領域、下補強ロール〜
作業ロール接触領域のロール軸方向長さである。なお、
式(5) および(8) では、式(1) および(4)を用いてTB
T およびTB B を消去している。以上の8個の方程式を
連立して解くことにより、上記8個の未知数をすべて求
めることができる。
【0048】図1に示す次の手順では、上記演算結果を
用いて、圧下零調状態におけるロール変形量の左右差を
計算し、この左右差を圧下支点位置に換算して圧下零点
位置の補正量を演算する。ロール変形量の左右差は、主
として各ロール間に作用する線荷重分布の左右非対称成
分によって発生し、その主因はロール偏平変形量の左右
差であり、これは既に求められたpdf WB T ,pdf WB B
df WWより直ちに計算することができる。この計算結果
より求められるロール胴端位置における偏平変形量の合
計の左右差を補強ロールの圧下支点位置にまで外挿する
ことで、圧下零点位置の補正量が演算できる。なおこの
偏平変形量の外挿に際してはロールたわみの非対称性お
よびロールネック部の変形の非対称性を考慮することが
好ましい。
【0049】零調時に発生したロール間スラスト力は、
圧延中も全く同様に発生する可能性は小さいので、圧下
位置の基準となる圧下零点としては、ロール間スラスト
力が零の状態を基準とすることが好ましい。このため上
記したロール間スラスト力に起因する左右非対称負荷が
発生しない理想状態を真の圧下零点とすることが望まれ
る。すなわち、上記で計算したロール変形量の左右非対
称量分を解消する方向に圧下位置を移動した位置を真の
零点とすることになる。圧下位置零点をこのように設定
することによって、実際の圧延時に発生する左右非対称
負荷および変形を考慮して正確な圧下設定を実施するこ
とが可能となる。
【0050】なお同様の効果を得ることを目的とする場
合、図1のように圧下零点を修正してしまうのではなく
て、零調時のこのようなロール非対称変形量そのものを
記憶しておき、実際の圧下設定時に常にその分を補正す
る方法でも対処することは可能である。このような方法
でも、実質的に圧下設定計算時に零点を補正しているこ
とになり、本発明の別の実施形態となることは明らかで
ある。また、ここでは左右非対称変形のみに注目して説
明したが、実際の零調時の補強ロール反力の左右合計値
すなわち零調荷重の左右合計値とその目標値との間に差
異がある場合は、この左右対称成分も含めて圧下零点位
置を修正することも板厚精度の観点で重要である。ただ
し、この場合も実際の零調荷重を記憶しておき、圧下設
定計算時に常に実際の零調荷重を基準として用いること
でも対処可能である。ところで、零調荷重は基本的には
左右差零を目標とするのが一般的であるが、実際の零調
荷重に有意な左右差を生じた場合、上述したように、こ
の左右差も含めて記憶しておいて、圧下設定計算時に常
にこの左右差を含めた実績零調荷重を基準として用いる
ことで対応可能であるが、圧下設定計算時に零調荷重の
実績荷重を用いることができない場合は、図1で示した
ようなロール変形量の左右差だけではなく、補強ロール
反力の左右差に起因するハウジング・圧下系の変形量の
左右差も補正する必要がある。
【0051】図3は、本発明の請求項1の板圧延方法
で、4段圧延機の変形特性を求める際のデータ採取手続
きを示している。ここで言う変形特性とは、いわゆるミ
ルストレッチであり、圧延荷重が負荷された際、圧延機
の弾性変形の結果として生ずる上下作業ロール間のギャ
ップの変化を意味する。このミルストレッチの把握の
際、ロール系の変形については、既存の方法で高精度に
求めることができるが、ロール系以外のハウジング・圧
下系の変形特性は多くの弾性接触面を含むため理論的に
正確に把握することは一般に困難である。そこで、特公
平4-74084 号公報では、圧延作業前に予めキスロール締
め込みテストを実施して、そのときの各締め込み荷重に
対する変形量からロール系の変形量を計算して分離し、
ハウジング・圧下系の変形特性を分離する方法が開示さ
れており、特開平6-182418号公報では、左右のハウジン
グ・圧下系の変形特性を独立して分離する方法が開示さ
れている。ところが、特開平6-182418号公報の方法で
は、ロール間に作用するスラスト力の影響が一切考慮さ
れていないので、ロール間スラスト力がある程度以上の
値になった場合には十分な精度が得られない問題があっ
た。本発明請求項1は、この問題も解決できる技術であ
り、図3のように、キスロール締め込みテストを実施す
る際に、上下・左右の補強ロール反力と上下作業ロール
のスラスト反力を測定する。一般に、ハウジング・圧下
系の変形特性は、圧延荷重によって変化するので、図3
に示すキスロール締め込みテストでは、複数の圧下位置
および締め込み荷重水準に対してデータ採取を行う。こ
の圧下位置水準の数は多い方がよいが、通常の圧延機で
は10〜20点程度のデータを採取できれば実用的な精
度は得られる。ただし、この時、圧下装置を締め込む方
向と開放する方向とで締め込み荷重に差異を生じる、い
わゆるミルヒステリシスを生ずることが多いので、この
ような場合には、締め込み方向と開放方向の少なくとも
1往復動作に対するデータを採取し、例えば、両者の測
定データを平均化する等の操作を行うことが好ましい。
【0052】図4は、上記図3の手続きにしたがって採
取したデータを用いて、ハウジング・圧下系の変形特性
を左右独立に演算抽出するアルゴリズムを示している。
まず、各圧下位置条件に対する上下・左右補強ロール反
力と、上下作業ロールのスラスト反力の測定値を抽出す
る。次に、上記した圧下零点調整の場合と全く同様にし
て、補強ロールおよび作業ロールに作用するロール軸方
向の力の平衡条件式とモーメントの平衡条件式より、上
下補強ロールのスラスト反力、各ロール間に作用するス
ラスト力および線荷重分布の左右差を演算する。これら
ロール間の荷重分布が求められれば、特公平4-74084 号
公報に開示されている方法等によって、補強ロールおよ
び作業ロールのたわみ変形および偏平変形を左右差を含
めて計算することができ、これらの変形の結果として補
強ロールの圧下支点位置に生じる変位を計算することが
できる。最後にミル全体の変形量は圧下位置変化で評価
されているので、これより上記圧下支点位置におけるロ
ール系の変形量を差し引き、ハウジング・圧下系の変形
特性を左右独立に演算する。このようにロール間スラス
ト力の正確な同定に基づくロール変形計算を実施するこ
とで、ハウジング・圧下系の変形特性を、その左右差を
含めて正確に把握することが可能になる。なお、ロール
間スラスト力がかなり大きくなるような圧延機に本方法
を適用する場合、上下補強ロール反力に大きな差異を生
じ、上下補強ロール反力差がハウジング・圧下系の変形
特性におよぼす影響が無視できない場合もあるが、この
ような場合には、例えば、ロール間に微小なクロス角を
与える等の手段で種々の上下ロール反力差を生じせしめ
て、上記手続きにしたがってハウジング・圧下系の変形
特性を同定し、これを上下反力差の関数としても整理す
ることで正確な圧延機の変形特性の同定が可能となる。
【0053】図5には、本発明請求項2および3の板圧
延方法で、ペアクロス方式4段圧延機の圧下位置制御の
好ましい実施形態のアルゴリズムを示す。まず、圧延中
の上下補強ロールの圧下支点位置に作用する補強ロール
反力と、上下作業ロールのスラスト反力を測定する。次
に、補強ロールおよび作業ロールに作用するロール軸方
向の力の平衡条件式とモーメントの平衡条件式より、補
強ロールのスラスト反力、補強ロール〜作業ロール間に
作用するスラスト力と線荷重分布の左右差、および作業
ロール〜圧延材間に作用するスラスト力と線荷重分布の
左右差を演算する。この例では、圧延材のオフセンター
量はセンサーによって測定された値等で既知であるとし
ているので、上記演算手続きは、図1の圧下零点調整の
場合と同様の手法で実行できる。この演算の結果得られ
たロール間および圧延材〜作業ロール間荷重分布を用い
て、補強ロールおよび作業ロールのたわみ変形および偏
平変形を左右差を含めて計算し、さらに補強ロール反力
の関数としてハウジング・圧下系の変形を計算し、現時
点での板厚分布を演算する。この時、ハウジング・圧下
系の変形特性については、上記図3に示した方法で同定
したものを用いることが好ましい。そして圧延操業上の
目標として予め決められている板厚分布と、上記演算さ
れた現時点の板厚分布実績の推定値とから、上記目標値
を達成するための圧下位置操作量の目標値を演算し、こ
の目標値に基づいて圧下位置制御を実施する。この方法
によることで、ロールバイト直下で発生している板厚分
布の非対称性を正確かつ時間遅れなく把握することが可
能となり、特に迅速かつ適切な圧下位置制御が求められ
るホットストリップ仕上圧延における先端通板および尾
端通板時の通板安定に大きな効果が得られる。なお、以
上説明したような圧延機単体から得られる情報を、蛇行
センサーやルーパロードセル等の圧延機入・出側の検出
装置、さらにはタンデム圧延の場合、上流側および下流
側の他の圧延機からの情報等を組み合わせて総合的な制
御を実施することも有効である。図5では、ペアクロス
圧延機を対象として、作業ロール〜圧延材間に作用する
スラスト力も考慮した制御方法を示したが、ペアクロス
圧延機ではない通常の4段圧延機の場合、既に説明した
ように作業ロール〜圧延材間のスラスト力は無視できる
程小さいので、上下どちらか一方のロール系の情報だけ
でも、図5と同様の制御が実施可能であるし、上下すべ
ての測定値を用いることができる場合は、未知数が1個
少なくなるので、ロール軸方向の力の平衡条件式とモー
メントの平衡条件式をすべて用いて最小自乗解を求める
ことにより、より精度の高い解を求めることが可能とな
る。
【0054】図6には、本発明請求項4の板圧延機で、
ロールシフト機構を有する4段圧延機の好ましい実施形
態を示す。作業ロール1a,1b、補強ロール2a,2
bよりなる4段圧延機で、上下補強ロールの左右の圧下
支点位置には、それぞれ補強ロール反力測定装置すなわ
ちロードセル6a,6b,6c,6dが配備されてい
る。また作業ロール1a,1bは作業ロールの軸方向シ
フト装置8a,8bに繋合されており、作業ロールに作
用するスラスト反力を支持するチョック4b,4dと作
業ロールシフト装置8a,8bの間には、作業ロールに
作用するスラスト反力を測定するためのロードセル7
a,7bが配備されている。このような構成の4段圧延
機を用いることにより、上下・左右の補強ロール反力
と、補強ロール以外のすべてのロール、すなわち、図6
の例の場合は、上下作業ロールに作用するスラスト反力
を測定することが可能となり、本発明請求項1〜3の板
圧延方法が実施できる。なお、作業ロールシフト装置の
アクチュエータが油圧シリンダーの場合は、ロードセル
7a,7bの代わりに油圧シリンダー内あるいは油圧シ
リンダーに直結する油圧配管の圧力を測定する圧力測定
装置で作業ロールスラスト反力測定装置を代用してもよ
い。また、作業ロールシフト装置を有しない場合は、既
に説明したように、作業ロールのロールチョック内に配
備されたスラスト反力測定装置や作業ロールチョックを
ロール軸方向に拘束するキーパプレートに作用する荷重
を測定する装置等を採用すればよい。
【0055】図7には、本発明請求項5の板圧延機で、
ロールシフト機構を有する4段圧延機の場合の好ましい
実施形態を示す。図7では、図6の板圧延機に加えて、
少なくとも上下・左右補強ロール反力測定用ロードセル
6a〜6dからの測定値と、上下作業ロールのスラスト
反力測定用ロードセル7a,7bからの測定値とを入力
データとし、少なくとも圧延材と作業ロール間に作用す
る荷重のロール軸方向分布のミルセンターに関する非対
称性、または上下作業ロール間に作用する荷重のロール
軸方向分布のミルセンターに関する非対称性を出力デー
タ11とする演算装置10を有している。このような構
成の板圧延機を用いることによって、本発明請求項1〜
3の板圧延方法が実施できる。なお、演算装置10とし
ては、通常はプロセスコンピュータが用いられるが、こ
の演算装置が独立したコンピュータになっている必要は
なく、より包括的な機能を有するコンピュータの中で、
上記した機能を果たすプログラムの一部が存在すれば、
そのプログラムの一部とコンピュータを合わせて上記演
算装置10と見なすものとする。
【0056】図8には、本発明請求項6の板圧延機で、
ロールシフト機構を有する4段圧延機の場合の好ましい
実施形態を示す。図8の板圧延機では、作業ロールチョ
ック4a,4b,4c,4dは、上下方向あるいは圧延
方向に作用するラジアル荷重のみを支持する構造となっ
ており、ロール軸方向のスラスト力は、専用のスラスト
反力支持用チョック13aおよび13bで支持する構造
となっている。一般に、作業ロールチョックには、ロー
ルベンディング力が負荷されており、ロールベンディン
グ装置の荷重負荷部12a,12bと作業ロールチョッ
ク4a,4bとの間で、ロール軸方向の摩擦力が作用
し、これがスラスト反力測定用ロードセル7a,7bに
よるスラスト反力測定値に対する外乱となる。しかしな
がら、図8の実施形態のように、ロールベンディング力
を支持する作業ロールチョックがスラスト力を受けない
構造にしておくことで、上記したロール軸方向に作用す
る摩擦力を最小限に抑えることが可能となり、スラスト
反力の測定精度が飛躍的に向上することになる。ところ
で、図8のように作業ロールシフト機構を有する場合、
通常は作業ロールシフト方向が逆であるので、ラジアル
荷重支持用チョック4a,4b,4c,4dは図示しな
いキーパプレート等で軸方向に移動しないように拘束し
ておくことが好ましい。
【0057】また、図8ではスラスト反力測定用ロード
セル7a,7bは作業ロールシフト装置8a,8bに設
けられているが、作業ロールシフト装置を有しない圧延
機の場合は、スラスト反力支持用チョック13a,13
bをスラスト反力測定用ロードセル7a,7bを介して
キーパプレート等でロール軸方向に拘束する。さらに、
作業ロールシフト装置を有しない圧延機の場合は、ロー
ル軸方向移動量が極めて小さいので、既に述べたよう
に、上下どちらか一方の作業ロールチョックのみをラジ
アル荷重支持用チョックとスラスト反力支持用チョック
に分離するだけでも同様の効果が得られる。
【0058】図9には、本発明請求項7の板圧延機で、
ロールシフト機構を有する4段圧延機の場合の好ましい
実施形態を示す。図9の板圧延機では、油圧サーボ方式
の作業ロールベンディング装置を有し、所定の作業ロー
ルベンディング力に対して、10Hzの周波数の振動成
分を重畳できる機能を有している。既に述べたようにこ
のような板圧延機を用い、スラスト反力を測定時に、所
定のロールベンディング力に振動成分を重畳することで
スラスト反力の測定精度を高めることができる。
【0059】図10には、本発明請求項8の板圧延機
で、4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す。図1
0の実施形態では、ロールベンディング装置の荷重負荷
部12a,12bと上作業ロールチョック4a,4bと
の間にロール軸方向に自由度を有するスラストベアリン
グ機構15a,15bが配備されている。このような構
成とすることで、ロールベンディング力が作用している
場合でも、ロールベンディング装置の荷重負荷部15
a,15bと作業ロールチョックとの間に作用するロー
ル軸方向の摩擦力は無視できるほど小さくなり、作業ロ
ールスラスト反力を正確に測定することが可能となる。
なおスライドベアリング機構は、その動作範囲に限界が
あり、その動作限界位置では動作限界を越える方向の摩
擦力低減効果が失われるので、例えば、バネ機構等で無
負荷時には動作範囲の中央位置に戻るような機構を設
け、定期的にキスロール締め込みを実施しロールベンデ
ィング力を開放してスライドベアリング機構を動作範囲
の中央位置に戻す操作を実施することが好ましい。ただ
し、このバネ機構の復元力は、ロールに作用するスラス
ト力に比べ十分に弱く、かつ該スライドベアリングの無
負荷時の動作抵抗よりは強いものでなければならない。
また図10では、上チョック側にスライドベアリング機
構15a,15b、下チョック側にロールベンディング
装置12a,12bを設けているが、これを上下入れ換
えてもよいし、スライドベアリング機構をロールベンデ
ィング装置の荷重負荷部側に配備してもよい。さらに、
図10の板圧延機では作業ロールの軸方向シフト機能を
有していないが、作業ロールシフト機構を有する場合で
もスライドベアリング機構は適用することができる。た
だし、作業ロールシフト装置を使用して作業ロール位置
を変更した時、スライドベアリング機構が動作限界位置
に達する場合もあり得る。そのような場合には上記した
ように作業ロールベンディング力を開放する等の操作を
してスライドベアリング機構を動作範囲の中央位置に戻
すことが好ましい。
【0060】図11には、本発明請求項9の板圧延機
で、4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す。図1
1では作業ロールベンディング装置12a,12bの荷
重負荷部と荷重負荷部に当接する作業ロールチョック4
c,4dとの間に、面外変形に対する弾性変形抵抗がロ
ールベンディング力の最大値の5%以下の薄肉外皮で少
なくとも一部は覆われている閉空間に液体が封入され、
ロールベンディング力の最大値に対しても該液体膜が切
れることがないように構成された荷重伝達部16a,1
6bを有している。この荷重伝達部の具体例を図12あ
るいは図13に示す。図12の例では、下作業ロールチ
ョック4cの上部に、ロールチョック4cと金属板19
と薄肉外皮17とで囲まれた空間に液体が封入されて構
成される荷重伝達部16aが配備されている。薄肉外皮
17の材料としては、例えば、高強度高分子材料、ある
いは炭素繊維の織物に液体流出防止のライニングが施さ
れた複合材料等を用いることができる。このように薄肉
でも十分な強度を有する外皮を採用することで、ロール
ベンディング力の荷重負荷部12aと作業ロールチョッ
ク4cとがロール軸方向に僅かに相対変位を与えられて
も、荷重負荷部16aから発生するせん断変形抵抗、す
なわち見かけの摩擦係数はほとんど無視できる程小さく
できる。また内部の液体としては防錆効果を有する液体
が好ましく、例えば油脂やグリース等を用いてもよい。
図13には、荷重伝達部16aの別の形態を示してい
る。図13の例の荷重伝達部16aは、液体18が薄肉
外皮17で構成された袋状の閉空間に封入された構造と
なっている。このような構造にすることで、荷重伝達部
の経時的な劣化に対してもこれを容易に交換できる構成
とすることができる。ところで、図11の板圧延機では
作業ロールの軸方向シフト機能を有していないが、作業
ロールシフト機構を有する場合でも図12に示した形式
の荷重伝達部であれば対応可能である。ただし、この場
合、図10で説明したスライドベアリング機構と同様に
動作限界位置を中央に戻すための機構および操作を実施
することが好ましい。なお、図11では、上作業ロール
チョック側にロールベンディング装置12a,12bを
設け、下作業ロールチョック側に荷重伝達部16a,1
6bを配備しているが、これを上下入れ換えてもよい
し、荷重伝達部をロールベンディング装置の荷重負荷部
側に配備しても差し支えない。
【0061】図14には、本発明請求項10の板圧延機
で、4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す。図1
4の実施形態では、作業ロールをロール軸方向にシフト
するための作業ロールシフト装置8a,8bが配備され
ており、作業ロールに作用するスラスト反力を支持する
作業ロールチョック4b,4dと作業ロールシフト装置
8a,8bとの間にスラスト反力測定用ロードセル7
a,7bが設置されている。該作業ロールシフト装置8
a,8bは、所定の作業ロール位置への移動に加えてロ
ール軸方向に振幅1mm以上、周期30秒以下の微小シ
フト揺動23a,23bを与えることができる機能が具
備されている。このような機能は、例えば、油圧サーボ
方式の作業ロールシフト装置であれば、該シフト装置の
制御装置において目標ロールシフト位置を与える入力信
号に関数発生器によって所定の揺動に相当する信号を重
畳することによって実現できる。このような作業ロール
シフト装置を用いて、作業ロールスラスト反力のデータ
採取時には、好ましくは、±3mm、周期5秒程度で正
弦波パターンの微小シフト揺動を与え、少なくとも1周
期分のスラスト反力測定値を平均化して請求項1〜3の
圧延方法を実施する際のスラスト反力値とする。このよ
うにすることで、作業ロールベンディング装置の荷重負
荷部12a,12bと作業ロールチョック4a,4bと
の間に作用する摩擦力の方向を反転させてスラスト反力
を測定し、これを平均化することで上記摩擦力の影響を
解消することが可能となる。なお、この振幅について
は、作業ロールシフト装置の機械精度に応じて最適な値
を選択すべきであり、例えば、機械的な遊びが6mmよ
りも大きい場合は、少なくとも±4mm程度の揺動を与
えなければ、作業ロールに有効な揺動を与え、ロールベ
ンディング装置の荷重負荷部と作業ロールチョックとの
間の摩擦力を反転させることはできない。また、この振
幅があまりに大きいと圧延操業そのものに影響をおよぼ
すことになるので、上記摩擦力が反転する程度の最小の
振幅を採用することが好ましい。また揺動の周波数につ
いては、スラスト反力の測定周期の観点からは短い方が
好ましいが、短すぎる場合には、スラスト反力のピーク
値が過大になり圧延操業に影響をおよぼしたり作業ロー
ルシフト装置の負荷限界を越えることもあるので、その
ような場合には必要とされるスラスト反力の測定周期を
上限として揺動周期を長くすることが好ましい。
【0062】
【発明の効果】本発明によって、従来オペレータに頼っ
ていた圧延機の圧下レベリング設定・制御が自動化でき
ることになる上、従来以上に正確かつ適切な圧下レベリ
ング設定・制御が可能になるので、圧延操業における蛇
行や通板トラブルの発生頻度を大幅に低減し、さらに圧
延材のキャンバーや板厚ウェッジも大幅に低減すること
が可能になるので、圧延に要するコスト削減と品質向上
を同時に達成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1の板圧延方法で、4段圧延機の
場合の圧下零点調整方法の好ましい実施形態のアルゴリ
ズムを示す図。
【図2】4段圧延機の各ロールに作用するロール軸方向
の力と鉛直方向の力の左右非対称成分を示す模式図。
【図3】本発明請求項1の板圧延方法で、4段圧延機の
場合の変形特性同定のための実機データ測定の手続きの
例を示す図。
【図4】本発明請求項1の板圧延方法で、4段圧延機の
場合の変形特性演算の好ましい実施形態のアルゴリズム
を示す図。
【図5】本発明請求項2および3の板圧延方法で、ペア
クロス方式4段圧延機の場合の圧下位置制御の好ましい
実施形態のアルゴリズムを示す図。
【図6】本発明請求項4の板圧延機で、ロールシフト機
構を有する4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す
図。
【図7】本発明請求項5の板圧延機で、ロールシフト機
構を有する4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す
図。
【図8】本発明請求項6の板圧延機で、ロールシフト機
構を有する4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す
図。
【図9】本発明請求項7の板圧延機で、ロールシフト機
構を有する4段圧延機の場合の好ましい実施形態を示す
図。
【図10】本発明請求項8の板圧延機で、4段圧延機の
場合の好ましい実施形態を示す図。
【図11】本発明請求項9の板圧延機で、4段圧延機の
場合の好ましい実施形態を示す図。
【図12】本発明請求項9の板圧延機に用いられる荷重
伝達部の具体例を示す図。
【図13】本発明請求項9の板圧延機に用いられる荷重
伝達部の他の具体例を示す図。
【図14】本発明請求項10の板圧延機で、4段圧延機
の場合の好ましい実施形態を示す図。
【符号の説明】
1a,1b…作業ロール 2a,2b…補強ロール 3…圧延材 4a,4b,4c,4d…作業ロールチョック 5a,5b,5c,5d…補強ロールチョック 6a,6b,6c,6d…補強ロール反力測定用ロード
セル 7a,7b…スラスト反力測定用ロードセル 8a,8b…作業ロールシフト装置 9a,9b…圧下装置 10…演算装置 11…演算装置10の出力 12a,12b…作業ロールベンディング装置 13a,13b…スラスト反力支持用作業ロールチョッ
ク 14a,14b…キーパプレート 15a,15b…スライドベアリング機構 16a,16b…液体を封入した荷重伝達部 17…薄肉外皮 18…液体 19a,19b,19c,19d…補強ロール反力 20…上作業ロール〜補強ロール間線荷重分布 21…上下作業ロール間線荷重分布 22…下作業ロール〜補強ロール間線荷重分布 23a,23b…微小シフト揺動方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21B 37/00 B21B 37/00 113A (72)発明者 川口 拓 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 川上 浩司 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4段以上の多段圧延機を用いた圧延方法
    で、キスロール締め込み状態における、少なくとも補強
    ロール以外のすべてのロールに作用するロール軸方向ス
    ラスト反力の測定値と、上下補強ロールの各圧下支点位
    置において圧下方向に作用する補強ロール反力の測定値
    とから、圧下装置の零点と圧延機の変形特性の何れか一
    方または双方を求め、これに基づいて、圧延実行時の圧
    下位置設定および/または制御を行うことを特徴とする
    板圧延方法。
  2. 【請求項2】 4段以上の多段圧延機を用いた圧延方法
    で、少なくとも上下どちらか一方、好ましくは上下双方
    のロールアセンブリにおける、補強ロール以外のすべて
    のロールに作用するロール軸方向スラスト反力の測定値
    と、補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作
    用する補強ロール反力の測定値とから、圧延機の圧下位
    置操作量の目標値を演算し、該圧下位置操作量の目標値
    に基づいて、圧下位置制御を行うことを特徴とする板圧
    延方法。
  3. 【請求項3】 4段以上の多段圧延機を用いた圧延方法
    で、少なくとも上下どちらか一方、好ましくは上下双方
    のロールアセンブリにおける、補強ロール以外のすべて
    のロールに作用するロール軸方向スラスト反力の測定値
    と、補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作
    用する補強ロール反力の測定値とから、少なくとも圧延
    材と作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分布の
    ミルセンターに関する非対称性を演算し、該演算結果に
    基づいて、圧延機の圧下位置操作量の目標値を演算し、
    該圧下位置操作量の目標値に基づいて、圧下位置制御を
    行うことを特徴とする板圧延方法。
  4. 【請求項4】 4段以上の多段板圧延機で、補強ロール
    以外のすべてのロールに作用するロール軸方向スラスト
    反力の測定装置と、上下補強ロールの各圧下支点位置に
    おいて圧下方向に作用する補強ロール反力の測定装置と
    を有することを特徴とする板圧延機。
  5. 【請求項5】 4段以上の多段板圧延機で、補強ロール
    以外のすべてのロールに作用するロール軸方向スラスト
    反力の測定装置と、上下補強ロールの各圧下支点位置に
    おいて圧下方向に作用する補強ロール反力の測定装置
    と、少なくとも上記スラスト反力測定値と上記補強ロー
    ル反力測定値とを入力データとし、少なくとも圧延材と
    作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分布のミル
    センターに関する非対称性、または上下作業ロール間に
    作用する荷重のロール軸方向分布のミルセンターに関す
    る非対称性を演算する演算装置とを有することを特徴と
    する板圧延機。
  6. 【請求項6】 補強ロール以外の少なくとも1組のロー
    ルにロールベンディング装置が配備され、該ロールベン
    ディング装置を有するロールのうち少なくとも1本のロ
    ールのロールチョックが、ラジアル荷重を支持するロー
    ルチョックと、ロール軸方向のスラスト反力を支持する
    ロールチョックに分離された構造となっており、該スラ
    スト反力支持用ロールチョックに作用するスラスト反力
    を測定する装置が設けられていることを特徴とする請求
    項4に記載の板圧延機。
  7. 【請求項7】 補強ロール以外の少なくとも1組のロー
    ルにロールベンディング装置が配備され、該ロールベン
    ディング装置が、設定されたロールベンディング力に、
    5Hz以上の周波数の振動成分を付加できる機構を有す
    ることを特徴とする請求項4に記載の板圧延機。
  8. 【請求項8】 補強ロール以外の少なくとも1組のロー
    ルにロールベンディング装置が配備され、該ロールベン
    ディング装置の荷重負荷部と該荷重負荷部に当接するロ
    ールチョックとの間にロール軸方向に自由度を有するス
    ライドベアリング機構を有することを特徴とする請求項
    4に記載の板圧延機。
  9. 【請求項9】 補強ロール以外の少なくとも1組のロー
    ルにロールベンディング装置が配備され、該ロールベン
    ディング装置の荷重負荷部と該荷重負荷部に当接するロ
    ールチョックとの間に、面外変形に対する弾性変形抵抗
    がロールベンディング力の最大値の5%以下の薄肉外皮
    で少なくとも一部は覆われている閉空間に液体が封入さ
    れた構成の荷重伝達部を有することを特徴とする請求項
    4に記載の板圧延機。
  10. 【請求項10】 補強ロール以外の少なくとも1組のロ
    ールに該ロールを軸方向にシフトする機構を有し、該シ
    フト機構が振幅1mm 以上、周期30秒以下の微小シフト揺
    動を与える機能を具備することを特徴とする請求項4に
    記載の板圧延機。
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