JPH10262695A - アマドリ化合物の電気化学的測定法 - Google Patents

アマドリ化合物の電気化学的測定法

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JPH10262695A
JPH10262695A JP7734297A JP7734297A JPH10262695A JP H10262695 A JPH10262695 A JP H10262695A JP 7734297 A JP7734297 A JP 7734297A JP 7734297 A JP7734297 A JP 7734297A JP H10262695 A JPH10262695 A JP H10262695A
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JP
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measuring
amadori compound
electrode
electron carrier
working electrode
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JP7734297A
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Toshikatsu Sakai
敏克 酒井
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Arkray Inc
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KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アマドリ化合物のより正確な測定法を提供す
る。 【解決手段】 試料中のアマドリ化合物の測定法であっ
て、アマドリ化合物とフルクトシルアミノ酸オキシダー
ゼとの酵素反応系に電子伝達体を加え、該電子伝達体の
電子移動を電気化学的に測定することにより、試料中の
アマドリ化合物を定量することを特徴とするアマドリ化
合物の測定法及び該方法に用いる装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、フルクトシルアミ
ノ酸オキシダーゼを用いるアマドリ化合物の電気化学的
な測定法に関し、さらに詳しくは、酵素反応における電
子の移動を伝達体を介して測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アマドリ化合物は、タンパク質、ペプチ
ド及びアミノ酸のようなアミノ基を有する物質と、アル
ドースのような還元性の糖が共存する場合、アミノ基と
アルデヒド基が非酵素的かつ非可逆的に結合し、アマド
リ転移することにより生成される。アマドリ化合物の生
成速度は、タンパク質と還元糖の濃度、接触時間、温度
に依存しており、蛋白質と還元糖の量が多い程、両者の
接触時間が長い程、蛋白質の変性が起きない程度で温度
が高い程、糖化蛋白質の生成速度は早くなり、生成量は
多くなる。また生体中では、糖化される蛋白質の半減期
によってアマドリ化合物の濃度が異なる。従ってアマド
リ化合物の濃度を測定することにより、様々な情報を得
ることができる。例えば、血液中のヘモグロビンが糖化
されたフルクトシルアミン誘導体はグリコヘモグロビ
ン、アルブミンが糖化された誘導体はグリコアルブミ
ン、血液中のタンパクが糖化された誘導体の還元能はフ
ルクトサミンと呼ばれる。これらの血中濃度は、過去の
一定期間の平均血糖値を反映しており、その測定値は、
糖尿病の症状の診断及び症状の管理の重要な指標となり
得るために、測定手段の確立は臨床上、極めて有用であ
る。また、食品中のアマドリ化合物を測定することによ
り、その食品の製造後の保存状況や期間を知ることがで
き、品質管理に役立つと考えられる。このように、アマ
ドリ化合物の分析は医学及び食品を含む広範な分野で有
用である。
【0003】試料中のアマドリ化合物は、例えば、アマ
ドリ化合物に酸化還元酵素を作用させ、酸素の消費量又
は生成物(例、過酸化水素)の産生量を測定することによ
り測定する方法が知られている(例えば、特公平5-3399
7号公報、特公平6-65300号公報、特開平2-195900号公
報、特開平3-155780号公報、特開平4-4874号公報、特開
平5-192193号公報、特開平6-46846号公報、 特開平7-289
253号公報、特開平8-154672号公報、 特開平8-336386号
公報)。さらに、糖尿病の診断のためのアマドリ化合物
の測定法も知られている(特開平2-195899号公報、特開
平2-195900号公報、特開平5-192193号公報(EP 0 526 15
0 A)、特開平6-46846号公報(EP 0 576 838 A)、 特開平7
-289253号公報、 特開平8-154672号公報、 特開平8-33638
6号公報)。
【0004】上記の反応を触媒する酵素として、様々な
微生物由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが提供
されており、本願出願人も、フサリウム属(Fusariu
m)、ギベレラ属(Gibberella)、ペニシリウム属(Pen
icillium)などに属する菌由来のFAODを得、これら
がアマドリ化合物の測定に有用であることを示した(特
開平7-289253号公報、 特開平8-154672号公報、 特開平8-
336386号公報。
【0005】アマドリ化合物のFAODによる分解反応
は下記の一般式で表すことができる。 R1−CO−CH2−NH−R2 + O2 + H2O→
1−CO−CHO + R2−NH2 + H22 (式中、R1はアルドース残基、R2はアミノ酸、タンパ
ク質又はペプチド残基を表す) FAODを用いるアマドリ化合物の測定では、酵素反応
の混合物における酸素の消費量又は生成物の量を測定す
ることにより行う。
【0006】
【発明が解決すべき課題】従来、アマドリ化合物の一般
的な測定法として、過酸化水素の生成量に基づく方法が
用いられるが、被検試料中にアスコルビン酸や尿酸など
の還元性物質が存在すると、それらが過酸化水素を消費
するために正確に測定することができない恐れがある。
また、過酸化水素の電気化学的測定法としては、作用電
極と参照電極間の間に一定電位(例えば+600mV程
度)を印加して、作用電極表面での酵素反応によって生
成される過酸化水素を酸化し、その際に流れる電流値を
測定する方法がある。しかし、この方法では、過酸化水
素を酸化するために必要な電位が、アスコルビン酸が酸
化される電位よりも高いことから、過酸化水素のみなら
ずアスコルビン酸も酸化されてしまうために正確な測定
値が得られない。
【0007】また、測定溶液中の溶存酸素の影響も無視
できない問題である。即ち、生成する過酸化水素量を過
酸化水素電極によって測定する方法や、消費される酸素
量を酸素電極を用いて測定する方法のいずれも、溶存酸
素により正確に測定することができない恐れがある。例
えば、酸素電極を用いる場合の印加電圧は−400mV
以下であり、溶存酸素が電極上で還元される電位も−4
00mV付近以下であるために、溶存酸素は正誤差とし
て測定値に影響を及ぼすことになる。しかも、酸素消費
量を酸素電極を用いて測定する場合、酵素反応における
基質濃度に対応して多くの酸素が必要となるが、酸素供
給量が不十分であると酸欠状態となり正確な測定ができ
ないという問題もある。
【0008】従って、作用極と参照極間に印加させる電
位を、アスコルビン酸の酸化が起きない約+200mV
以下であって、酸素の分解が起きない−400mV以上
で過酸化水素の生成量を測定することが望ましいが、こ
の範囲における電位では感度が低く、実質上、アマドリ
化合物の測定には不適当である。しかも、過酸化水素電
極及び酸素電極のいずれを用いる場合は、電極材料とし
て白金や金等の貴金属を使用する必要があり、測定装置
のコストが高くなるために広範な臨床等への適用が困難
になるという問題点もある。このように、従来法は、ア
スコルビン酸や尿酸等の還元性物質、及び溶存酸素など
の種々の物質の影響を受け易いという問題点があった。
しかも、前者は、生体由来の試料(血清や尿)に多く含
有されており、後者は、全ての試料に幅広く存在するこ
とから、これら妨害物質の影響を受けずに正確に、効率
よく、しかも経済的にアマドリ化合物を測定する方法が
求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料中のアマ
ドリ化合物の測定法であって、アマドリ化合物とフルク
トシルアミノ酸オキシダーゼとの酵素反応系に電子伝達
体を加え、該電子伝達体の電子移動を電気化学的に測定
することにより、試料中のアマドリ化合物を定量するこ
とを特徴とするアマドリ化合物の測定法を提供するもの
である。また、本発明は、試料中のアマドリ化合物の量
を、アマドリ化合物とフルクトシルアミノ酸オキシダー
ゼとの酵素反応における電子の移動に基づいて測定する
ための装置であって、該酵素反応の反応系に近接した作
用電極と、それら反応系と作用電極との間に介在する電
子伝達体と、該電子伝達体における電子移動を測定する
ための装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法には、アマドリ化合物
を含有する任意の試料を用いることができ、例えば、血
液(全血、血漿又は血清)、尿等の生体由来の試料及び
醤油等の食品を挙げることができる。本発明方法によれ
ば、試料中のアスコルビン酸や尿酸等の還元性物質の影
響を回避してアマドリ化合物を測定することができるの
で、これらの物質を含有する可能性の高い生体由来の試
料の測定を正確に行うことが可能となる。本発明方法に
用いられるFAODとしては、アマドリ化合物に特異的
に作用する限り、任意のものを用いることができる。例
えば、フサリウム属(Fusarium)、ギベレラ属(Gibbere
lla)、ペニシリウム属(Penicillium)、アスペルギル
ス属(Aspergillus)などに属する菌をフルクトシルリ
ジン及び/又はフルクトシルNα−Z−リジンの存在下
で培養することにより誘導される酵素を挙げることがで
き、それらは、例えば、特開平7-289253号公報、 特開平
8-154672号公報、 特開平8-336386号公報等に開示された
方法で得ることができる。
【0011】本発明方法には試料溶液をそのまま用いて
行うこともできるが、対象となるアマドリ化合物によっ
ては、FAODが反応しやすい状態に処理する。アマド
リ化合物を適当に断片化するには、プロテアーゼを用い
る方法(酵素法)、トリクロロ酢酸等の化学物質を用い
る方法(化学法)、及び熱等の物理的手法を用いる方法
(物理法)がある。酵素法には、当業者に既知である、
エンド型及びエキソ型のプロテアーゼを単独であるいは
組み合わせて用いることができる。エンド型のプロテア
ーゼは、タンパク質の内部から分解する酵素であり、例
えばトリプシン、α−キモトリプシン、スブチリシン、
プロティナーゼK、パパイン、カテプシンB、ペプシ
ン、サーモリシン、プロテアーゼXIV、プロテアーゼ
XVII、プロテアーゼXXI、リジルエンドペプチダー
ゼ、プロレザー、ブロメラインF等がある。一方、エキ
ソ型のプロテアーゼはペプチド鎖の端から順に分解する
酵素であり、アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダ
ーゼ等が挙げられる。酵素処理の方法も既知であり、例
えば下記実施例に記載の方法で行うことができる。
【0012】これらのエンド型、エキソ型のプロテアー
ゼは、その特性を利用し、測定対象となるアマドリ化合
物の糖化部位に応じて使い分けることが好ましい。例え
ば、糖化アルブミンは内部のリジン残基が糖化されてい
るため、エンド型のプロテアーゼで、ヘモグロビンA1
cは、β鎖N末端のバリン残基が糖化されているため、
エキソ型のプロテアーゼで、より効率良く処理すること
ができる。次いで、断片化処理したアマドリ化合物を含
有する試料にFAODを作用させ、該酸化酵素の活性中
心で発生する電子を、電子伝達体を介して作用電極に伝
達し、その電子の授受に基づく電流を測定することによ
り、該試料中のアマドリ化合物の量を測定する。
【0013】本発明方法による電子伝達体(電子伝達
体)を用いるアマドリ化合物の測定をさらに詳しく説明
する。酸化酵素であるFAODとアマドリ化合物(基
質)とを酸素の存在下で反応させると、上記の式で示す
ように、グルコソンや過酸化水素等が生成されるが、こ
の時酵素の活性中心で電子が放出される。この酵素反応
の反応系に酸化型電子伝達体が存在すると、酵素活性の
中心から反応時に放出される電子を該電子伝達体が受け
取り、還元型電子伝達体となって作用電極に電子を供給
し、自身は酸化型電子伝達体となる。これに伴い、電極
では電子の数(基質の濃度)に依存して電流が生じる。
従って、予め既知濃度の標準物質を用い、該物質の濃度
と電流との関係を示す検量式を作成しておけば、未知試
料を用いた場合の電流測定値をその検量式に当てはめて
該未知試料中のアマドリ化合物の濃度を決定することが
できる。
【0014】電子伝達体は、種類により固有の酸化還元
電位が存在することから、用いる電子伝達体によって
は、作用電極に印加される電位が低くても、測定が可能
である。従って、上記のアスコルビン酸の酸化や溶存酸
素分解等の影響を回避しうる低電位で、正確に測定する
ことができる。また、電子伝達体の選択により、従来の
過酸化水素電極を用いて過酸化水素の発生を電流値とし
て検出する方法に比較してはるかに高感度の測定が可能
となる。
【0015】本発明方法に用いることができる電子伝達
体としては、フェリシアン化カリウム、メタロセン及び
メタロセン誘導体、オクタシアノタングステンイオン、
ニコチンアミド誘導体、フラビン誘導体、フェロセン及
びフェロセン誘導体、キノン及びキノン誘導体、ヘキサ
シアノ鉄酸塩等を用いることができるが、フェリシアン
化カリウム、フェロセン、ニッケロセンが好ましい。こ
れらを単独で、又は組み合わせて用いる。ニッケロセン
誘導体とは、ニッケロセン((C55)Ni)の誘導体
をも含み、例えば1,1'−ジカルボキシレートニッケロ
セン、モノカルボキシレートニッケロセン、ジメチルア
ミノメチルニッケロセン、ヒドロキシメチルニッケロセ
ン等が例示できる。また、ニッケロセン又はその誘導体
は、単独で又は他の電子伝達体との種々の混合物として
使用することもできる。
【0016】以下に、本発明に用いる作用電極の形態に
ついて説明する。電極の材料は、低電位で使用可能な電
極なら特に限定されないが、入手容易であるカーボン電
極材料が好ましい。ただし、必要に応じて金や白金等の
貴金属を用いてもよい。カーボン電極材料の場合には、
カーボンまたはカーボンと他の材料の組み合わせ、例え
ば組成物を用いることができる。電導性が高い上に、他
の粉末や粒状材料と混合して組み合わせ安くて成形が容
易であるという利点を有することから、カーボン粒状物
や微粒状物が好ましい。カーボン粒子の平均粒子径は約
5〜20μmが好ましく、約10μmであることがより
好ましい。
【0017】カーボン電極は、カーボン粒状物(粉末)
と電子伝達体を混合し、パラフィン、ヌジョール、ワッ
クス、エポキシ樹脂、シリコンゴム等のペースト化剤の
存在下でペースト状に成形し、ガラス管の先端に充填
し、例えば、銀棒を該カーボン混合物の層に接触するま
で差し込むことで形成する。カーボン粒子と電子伝達体
との混合比は、9:1〜5:5の範囲であり、8:2〜
6:4が好ましい。
【0018】ペースト状カーボン混合物に白金粒子、特
に微粒子状の白金を含有させると、カーボン単独の場合
よりも大きい応答電流を得ることができ、より低い電極
間の印加電位で応答電流のピーク値を得ることができる
ので好ましい。カーボン電極に含有させる白金粒状物の
大きさは、平均直径0.3〜2.5μm程度であることが
好ましく、カーボン粒子より小さいことが特に好まし
い。カーボン粒子と白金粒子の混合比は100:1〜8
5:15の範囲が好ましい。
【0019】FAODは、測定を液相で行う場合には、
測定溶液に混合しても良い。しかし、上記のごとく製造
したカーボン電極の表面に積層し、脱落しないよう半透
膜や限外ろ過膜のような多孔質膜等で覆うことにより、
電極と一体化してもよい。このように形成されたFAO
D−カーボン電極では、酵素反応の反応系と電極とが近
接しているので、酵素反応に伴う電子の移動を正確に検
出することができ、好都合である。しかも、FAOD−
カーボン電極は、予め作成しておき、必要に応じて反復
して用いることができるので、測定を簡便かつ迅速に行
うことができるるばかりか、資源の有効利用にも役立
つ。FAOD−カーボン電極を、液相での測定に用いる
場合は、その表面を多孔質膜等で覆うことが必要である
が、電極のFAOD層に直接、上方から試料を滴下し
て、電極表面で酵素反応を行うこともでき、その場合に
は、多孔質膜等で覆う必要はない。
【0020】さらに、上記のように構成されたFAOD
−カーボン電極と接触させずに、プロテアーゼ、アスコ
ルビンオキシダーゼ、ウリカーゼを固定化した多孔質膜
により、該FAOD−積層カーボン電極を被覆させても
よい。この時多孔質膜の孔径は、アマドリ化合物のプロ
テアーゼ等によって断片化した生成物が通過できる大き
さであることが必要である。このように構成された作用
電極を用いることにより、アスコルビン酸、尿酸等の還
元性物質を高濃度に含有する生体成分等の試料の場合で
も、それら還元性物質による電子伝達体の還元に起因す
る正の誤差が生じる恐れがなく、正確な測定値を得るこ
とができる。上記のごとく、FAOD及びその他の必要
な酵素をカーボン作用電極に固定化すれば、測定毎に酵
素を添加する必要がないので、迅速かつ効率的に測定を
行うことができる。しかもそのような電極は反復使用が
可能であり、経済的である。
【0021】作用電極と参照電極の間に印加する電位
は、用いる電子伝達体により異なるが、通常、−400
〜+300mV、好ましくは−300〜+200mVで
ある。電子伝達体がニッケロセンまたはニッケロセン誘
導体である場合、参照電極と作用電極間の電位は約−3
00mV〜+100mVの範囲が好ましく、約−100
mVに印加させた場合に、効率よく電子が伝達される。
本発明方法によれば、アスコルビン酸の酸化が殆ど起こ
らない電位であって、かつ酸素が分解する電位(約−4
00mV)よりも高い電位で測定することができるの
で、試料中のアスコルビン酸や溶存酸素の影響を受けず
に正確に測定することができる。従って、本発明方法
は、これらの物質を含有する可能性が高い生体成分中の
アマドリ化合物の測定に適する。
【0022】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳し
く説明する。実施例1 糖化アルブミン濃度の測定 (1)アマドリ化合物測定装置 第1図は、アマドリ化合物測定装置の1例を示し、図
中、1は容器、2は被検物質を含む測定溶液、3は撹拌
子、4は作用電極、5は参照電極(Ag/AgCl)、6は対極
(Pt)である。作用電極4は例えば、第2図のようにして
作成することができる。カーボン粉末(平均粒子径10
μm)200mg、フェリシアン化カリウム200mg及び
パラフィン250μlを混合してペースト状にし、得ら
れたペースト状のカーボン混合物8をガラス管(内径5
mm)7の先端に詰める。次いで、カーボン混合物層8
に、銀棒9を差し込み、フサリウム・オキシスポルムS-
1F4(Fusarium oxysporum S-1F4;FERM BP-5010)由来
のFAOD(特開平7-289253号公報、70ユニット/m
g)を積層し、FAOD層10を多孔質膜11で覆い、
Oリング12で止めることにより作成される。
【0023】(2)糖化アルブミン濃度の測定 糖化ヒト血清アルブミン(SIGMA)を0.9%塩化
ナトリウム水溶液で溶解させ、0〜10mg/mlの範囲で
濃度の異なる糖化ヒト血清アルブミン溶液を調製した。
このヒト血清アルブミン溶液200μlと12.5mg/ml
プロテアーゼXIV200μlを混合し、37℃で30分間
インキュベートした。その後、100℃で5分間、加熱
してプロテアーゼ反応を停止し、基質とした。容器1内
に0.1M トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)5μlを入
れ、作用電極4、参照電極5及び対極6を浸漬させた。
撹拌子3で撹拌しながら、上記のプロテアーゼ処理液
(基質)を加え、30℃、200mV定電位の条件で電
流値を測定した。この方法で得られる糖化アルブミン濃
度と電流値との関係を第3図に示す。図中の縦軸は、電
子伝達体を介して検出された、酵素反応に伴う電子の移
動に対応する電流値、縦軸は糖化アルブミンの濃度を表
す。図は、糖化アルブミンの濃度と電流値が相関関係に
あることを示している。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によれば、アスコルビン酸や
溶存酸素の影響を受けずに正確にしかも簡便にアマドリ
化合物を測定することができる。従って、本発明方法
は、これらの物質を含有する可能性が高い生体成分中の
アマドリ化合物の日常的な測定をより容易にし、糖尿病
の症状の管理や診断に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アマドリ化合物測定装置の説明図である。
【図2】 1つの実施態様の作用電極の作成方法を示す
説明図である。
【図3】 糖化ヒトアルブミン濃度と電流との関係を示
すグラフである。
【図4】 他の実施態様の作用電極の作成方法を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 容器 2 測定溶液 3 撹拌子 4 作用電極 5 参照電極 6 対極 7 ガラス管 8 カーボン混合物 9 銀棒 10 FAOD層 11 多孔質膜 12 Oリング 13 多孔質膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中のアマドリ化合物の測定法であっ
    て、アマドリ化合物とフルクトシルアミノ酸オキシダー
    ゼとの酵素反応系に電子伝達体を加え、該電子伝達体の
    電子移動を電気化学的に測定することにより、該試料中
    のアマドリ化合物を定量することを特徴とするアマドリ
    化合物の測定法。
  2. 【請求項2】 作用電極として、カーボン電極材料、電
    子伝達体及びフルクトシルアミノ酸オキシダーゼから成
    る電極を用いることを特徴とする請求項1に記載の測定
    法。
  3. 【請求項3】 カーボン電極材料が白金粒状物をも含有
    することを特徴とする請求項2に記載の測定法。
  4. 【請求項4】 電子伝達体がフェリシアン化カリウム、
    フェロセン及びニッケロセンから選択される1又はそれ
    以上のものである請求項1〜3のいずれかに記載の測定
    法。
  5. 【請求項5】 作用電極と参照電極の間に−400〜+
    300mVの電位を印加することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の測定法。
  6. 【請求項6】 作用電極と参照電極の間に印加する電位
    が−300〜+200mVである請求項5に記載の測定
    法。
  7. 【請求項7】 さらに、プロテアーゼ、アスコルビン酸
    オキシダーゼ及びウリカーゼをも反応系に含ませること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の測定法。
  8. 【請求項8】 試料中のアマドリ化合物の量を、アマド
    リ化合物とフルクトシルアミノ酸オキシダーゼとの酵素
    反応における電子の移動に基づいて測定するための装置
    であって、該酵素反応の反応系に近接した作用電極と、
    それら反応系と作用電極との間に介在する電子伝達体
    と、該電子伝達体における電子移動を測定するための装
    置。
  9. 【請求項9】 作用電極が、カーボン電極材料、電子伝
    達体及びフルクトシルアミノ酸オキシダーゼから成るも
    のである請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】 カーボン電極材料が白金粒状物をも含
    有する請求項9記載の装置。
  11. 【請求項11】 電子伝達体がフェリシアン化カリウ
    ム、フェロセン及びニッケロセンから選択される1又は
    それ以上のものである請求項8記載の装置。
  12. 【請求項12】 作用電極の近傍に、プロテアーゼ、ア
    スコルビン酸オキシダーゼ及びウリカーゼを固定化した
    多孔性の膜が、該電極に接触することなく配されている
    請求項8記載の装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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