JPH10260499A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

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JPH10260499A
JPH10260499A JP9064334A JP6433497A JPH10260499A JP H10260499 A JPH10260499 A JP H10260499A JP 9064334 A JP9064334 A JP 9064334A JP 6433497 A JP6433497 A JP 6433497A JP H10260499 A JPH10260499 A JP H10260499A
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JP
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layer
resin
pulp
paper
support
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JP9064334A
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English (en)
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Yuichi Morita
友一 森田
Masa Kubota
雅 久保田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見た目の光沢感が高い、光沢むらが無い、且つ
腰の強さに優れた画像材料及びそのプリントを提供出来
る、しかも支持体製造時の冷却ロールからの剥離性が良
好である、樹脂被覆紙型画像材料用支持体を提供するこ
とが課題である。 【解決手段】基紙の少なくとも一方の面をフィルム形成
能有る樹脂で被覆した樹脂被覆紙型画像材料用支持体に
於いて、紙層の画像形成側樹脂層に隣接する紙層全体の
厚みの10〜40%の層が平均繊維長0.3〜0.5mm
の広葉樹クラフトパルプから成り、その他の層の内、紙
層全体の厚みの60%以上が、平均繊維長0.5〜0.
8mmに叩解され、且つ広葉樹クラフトパルプを80重量
%以上含有するパルプ組成物から成っている画像材料用
支持体により、本発明の目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプを主成
分とする紙を基質として、その一方の画像形成層を設け
る側の紙基質(以下、基紙と略することがある)がフィ
ルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆された画像材料
用支持体に関するものであり、見た目の光沢感が高い画
像材料及びそのプリント、特にハロゲン化銀写真印画紙
及びそのプリント(ハロゲン化銀写真印画紙プリントの
ことを、以下単に写真プリントと略すことがある)を提
供出来る、画像材料用支持体に関するものである。更
に、本発明は、見た目の光沢感が顕著に高い、かつ光沢
むらが無い画像材料及びそのプリント、特にハロゲン化
銀写真印画紙及び写真プリントを提供出来る、なおかつ
支持体製造時の冷却ロールからの剥離性が改良されて剥
離むらの発生が無い、しかも高速かつ安定生産出来る画
像材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は、画像材料用支持体と
該支持体上に設けられた画像形成層とから構成されたも
のである。例えば、ハロゲン化銀写真材料、インクジェ
ット記録材料、熱移行型熱転写記録受像材料、感熱記録
材料、感光感熱記録材料は、画像材料用支持体上にそれ
ぞれハロゲン化銀写真構成層、インク受像層、熱移行型
熱転写記録受像層、感熱発色層、感光感熱発色層等の画
像形成層及び必要に応じて下引層、保護層等が塗設され
たものである。特に、ハロゲン化銀写真構成層として
は、ハロゲン化銀写真乳剤層、保護層、下引層、中間層
あるいは色混り防止層、ハレーション防止層、もしくは
フィルター層、紫外線吸収層等およびそれらの組み合わ
せから構成されたものである。例えば、単一なハロゲン
化銀写真材料は、写真材料用支持体上にハロゲン化銀写
真乳剤層とその保護層を設けたものである。また、多層
ハロゲン化銀カラー写真材料は、写真材料用支持体上に
下引層、青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間層、緑感ハ
ロゲン化銀写真乳剤層と紫外線吸収層、赤感ハロゲン化
銀写真乳剤層と保護層等のハロゲン化銀カラー写真構成
層が順に設けられて多層配置にされたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
フィルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型の支
持体はよく知られている。ハロゲン化銀写真材料用途の
ための写真材料用支持体としては、例えば、特公昭55-1
2584号明細書には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好
ましくはポリオレフィン樹脂で被覆された写真材料用支
持体についての技術が開示されている。米国特許第3,50
1,298号明細書には基紙の両面がポリオレフィン樹脂で
被覆された写真材料用支持体についての技術が開示され
ている。また、ハロゲン化銀写真材料の迅速写真現像処
理方式が適用されて以来、基紙の両面がポリエチレン系
樹脂で被覆された写真材料用支持体が、写真印画紙用と
して主に実用化されており、必要に応じてその一方の画
像形成層を設ける側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するた
めに、通常二酸化チタン顔料を含有している。
【0004】また、米国特許第4,774,224号明細書に
は、樹脂被覆の表面粗さが7.5マイクロインチ−AA
以下である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン
樹脂で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として
有する熱転写記録受像要素が提案されている。また、特
開昭63-307979号公報には、樹脂被覆紙を支持体として
有するインクジェット記録用シートに関する技術が開示
されている。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面を樹脂層で
被覆した樹脂被覆紙型の画像材料用支持体は、依然とし
ていくつかの重大な問題点を有しており、未だ満足すべ
き成果が得られていないのが実情である。
【0006】第一に、基紙の画像形成層を設ける側(以
下、画像形成層を設ける側を表側、表側に被覆される樹
脂層を表樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被覆される
樹脂層を裏樹脂層と略すことがある)の面を少なくとも
フィルム形成能ある樹脂、特にポリエチレン系樹脂を含
む樹脂層で被覆した画像材料用支持体用途のための樹脂
被覆紙は、通常走行する基紙上にポリエチレン系樹脂組
成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイから
フィルム状に流延して被覆し、加圧ロールと冷却ロール
との間で圧着し、冷却後ロールから剥離されるという一
連の工程で製造される。その際、グロッシー用途の画像
材料用樹脂被覆紙を製造する場合には、冷却ロールとし
て、鏡面ないしは光沢面または特公昭62-19732号公報に
記載の微粗面を有する平滑性の極めて良い冷却ロールが
用いられる。かくして樹脂被覆紙の表樹脂層は、その溶
融状態で平滑性の極めて良い冷却ロールに圧接されるた
め平滑性の良い面に加工され、従って該樹脂被覆紙を支
持体とする画像材料及びそのプリントでは、見た目の光
沢感の高いものが得られるはずである。しかしながら、
実際に製造した樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
そのプリントでは、十分に見た目の光沢感の高いものを
得る事は出来なかった。特に、樹脂被覆紙を支持体とす
る写真印画紙では、十分に見た目の光沢感の高い写真印
画紙及び写真プリントを得る事は出来なかった。
【0007】そのため、本発明者は画像材料及びそのプ
リントの見た目の光沢感の要因について種々検討した結
果、見た目の光沢感に及ぼす要因としては、支持体であ
る樹脂被覆紙、画像形成層、現像処理などの画像形成方
法等の各種要因があるが、画像材料及びそのプリントの
見た目の光沢感は、支持体たる樹脂被覆紙の要因によっ
ても大きく影響されることが判明した。そこで、さらに
本発明者は、見た目の光沢感に及ぼす樹脂被覆紙の要因
について種々検討した結果、画像材料及びそのプリント
の見た目の光沢感は、樹脂層の要因にも依存すると共に
天然パルプを主成分とする基紙の種類や性質等の要因、
例えば天然パルプの種類、繊維長、紙料スラリーに含有
せしめられる紙用添加剤等の紙料スラリー条件、抄紙速
度、緊度プレス、マシンカレンダー条件等の抄紙条件、
サイズプレス、タブサイズプレス等の後処理条件、ひい
ては基紙の表面粗さ等の様々な要因にも依存している事
が判明した。また、樹脂被覆紙の表樹脂層の厚味が薄く
なればなる程、特に31μm以下の場合には、該樹脂被
覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリントの見た目
の光沢感が、顕著に低下する事が判明した。特に、グロ
ッシー用途の写真材料では、写真プリントにした場合に
高度の見た目の光沢感が要求されており、写真プリント
の見た目の光沢感の劣る写真材料は、グロッシー用途の
ものとしては全く不適当で商品価値の無いものになると
いう問題があった。
【0008】第二に、グロッシー用途の画像材料用樹脂
被覆紙は、高度の平滑性が要求されるものの、特に基紙
に溶融樹脂を押し出しコーティングする際に表樹脂層の
厚味が厚くなればなる程、特に20μm以上の場合や樹
脂被覆紙の製造速度が速くなればなる程、特に200m/
分以上の場合には、冷却ロールからの樹脂被覆紙の剥離
性が悪化し、樹脂被覆紙面上に剥離むらと呼称される幅
方向の横段状のむらが発生する事である。この剥離むら
が発生すると該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
プリントにも光沢むらが発生し、見た目の光沢感が益々
低下し、商品価値が著しく低下するという問題があっ
た。
【0009】従来、樹脂被覆紙型の画像材料用支持体の
上記した問題点及び別種の欠点を排除、改良するための
いくつかの技術提案がある。特開昭59-198451号公報、
特開平1-303435号公報等に共押し出しコーティング法及
び逐次押し出しコーティング法の二層押し出しコーティ
ング法により、樹脂被覆紙型の写真用支持体の表樹脂層
面に発生する傾向があるクレーター状の細孔を防止、改
良し、表面欠陥のない平滑性に優れた写真用支持体を提
供する技術の記載もしくは例示があるが、前記した問題
点の解決には不十分であり、特に樹脂被覆紙を支持体と
する画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感を向
上、改良するには極めて不十分であった。
【0010】一方、樹脂被覆紙の平滑性を改良する目的
で、特開昭58-68037号公報に記載の特定の繊維長分布を
有するパルプ、特開昭60-69649号公報に記載の特定の繊
維長、幅、厚みのパルプ、特開昭61-35442号公報に記載
の針葉樹パルプ、特開昭63-173045号公報に記載の低粘
度パルプ等の特定パルプの使用、特開昭58-37642号公報
に記載のベック平滑度が特定値以上である基紙、特開昭
63-291054号公報に記載の表面粗さが特定値以下である
基紙等の特定物性値である基紙の使用、特開昭60-12639
7号公報に記載の基紙の熱カレンダー処理、特開昭61-28
4762号公報に記載の上部脱水機構を有する抄紙機による
抄紙、特開昭63-204250号公報に記載の長網二層抄紙機
による抄紙、特開昭64-20541号公報に記載の湿紙の緊度
プレス処理等の特定の抄紙方法の使用等の技術が開示さ
れているが、前記した問題点の解決には不十分であり、
特に樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリン
トの見た目の光沢感を向上、改良するには極めて不十分
であった。また、これらの方法では結果として単繊維強
度の低下、内部結合強度の低下、層厚みの低下等から剛
度の低下を招き、へなへなとして扱い難く高級感の無い
画像材料しか得られなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、
その一方の画像形成層を設ける側の紙基質がフィルム形
成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆された樹脂被覆紙であ
って、該樹脂被覆紙を支持体とする、見た目の光沢感が
高い画像材料及びそのプリント、特にハロゲン化銀写真
印画紙及び写真プリントを提供出来る、且つ、剛度の低
下の無い高級感の損なわれない優れた樹脂被覆紙型の画
像材料用支持体を提供することである。本発明の第二の
目的は、200m/分以上、特に300m/分以上の製造速
度で樹脂層が被覆されて、それ故に生産性及び経済性に
優れ、かつ支持体製造時の冷却ロールからの剥離性が改
良されて剥離むらの発生が無く、それ故に高速かつ安定
生産出来る、なおかつ該樹脂被覆紙を支持体とする、見
た目の光沢感が顕著に高い、しかも光沢むらがない画像
材料用及びそのプリント、特にハロゲン化銀写真印画紙
及び写真プリントを提供出来る、優れた樹脂被覆紙型の
画像材料用支持体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、基紙の少なくとも一方
の面をフィルム形成能有る樹脂で被覆した樹脂被覆紙型
画像材料用支持体に於いて、該基紙の画像が設けられる
側のポリオレフィン樹脂層に隣接し、且つ紙層全体の厚
みに対して10〜40%の厚みを有する層が平均繊維長
0.3〜0.5mmに叩解された広葉樹クラフトパルプ
から成っており、該基紙のその他の層の内、平均繊維長
0.5〜0.8mmに叩解され、且つ広葉樹クラフトパ
ルプを80重量%以上含有するパルプ組成物から成る層
の合計厚みが紙層全体の厚みに対して60%以上である
事を特徴とする画像材料用支持体により、本発明の目的
が達成されることを見い出した。 パルプの繊維長:叩解後のパルプについて、JAPAN
TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89「紙及び
パルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平
均繊維長(mm)で表示したもの。
【0013】本発明の目的は、該画像が設けられる側の
ポリオレフィン樹脂層に隣接する平均繊維長0.3〜
0.5mmに叩解された広葉樹クラフトパルプから成る
層の厚みが、紙層全体の厚みに対して20〜30%に相
当する上記画像材料用支持体、平均繊維長0.5〜0.
8mmに叩解され、且つ広葉樹クラフトパルプを80重
量%以上含有するパルプ組成物が、画像が設けられる反
対側の紙表面から連続した紙層全体の60%以上の厚み
の層と成っている事を特徴とする上記画像材料用支持体
により、顕著に達成されることを見い出した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施に於いて基紙を多層
化する方法としては、多層構成ヘッドボックスを用いる
方法、ワイヤ−上で脱水過程にある下層パルプスラリ−
の上に逐次上層用パルプスラリ−を供給する方法、長網
または円網で夫々独立にシ−ト化された各層を抄き合わ
せる方法の何れでも良いが、層間結合力を考慮するなら
抄紙過程の早い段階で多層化される事が好ましい。
【0015】この際、画像が設けられられる側(表側)
樹脂層に隣接し且つ、紙層全体の厚みの10〜40%、
好ましくは20〜30%の厚みを有する層が、平均繊維
長0.3〜0.5mmに叩解された広葉樹クラフトパル
プから成っている事により良い結果をもたらす。上記表
側樹脂層に隣接する層以外のパルプとしては、平均繊維
長0.5〜0.8mmの範囲に叩解され、且つ広葉樹ク
ラフトパルプを80重量%以上含有する事が好ましく、
この組成のパルプの層が紙層全体の厚みの60%以上占
める事が重要である。表側樹脂層に隣接する層それ以外
の層何れに於いてもパルプの繊維長が短過ぎると基紙の
内部結合強度が弱くなり、剛度が低くなったりする。表
側樹脂層に隣接する層のパルプ繊維長が長過ぎ、それ以
外の層と同等となると本発明の効果が限定的に成るし、
一方全体にパルプの繊維長が長過ぎると十分な見た目の
光沢感が得られない。表側樹脂層と隣接する層に針葉樹
パルプを用いる場合、その他の層に針葉樹パルプを多く
用いる場合は何れも見た目の光沢感を損なう結果とな
る。表側樹脂層に隣接する層に広葉樹サルファイトパル
プを用いる場合、その他の層に広葉樹サルファイトパル
プを多く用いる場合は何れも剛度が不十分となる。所望
の組成の表側樹脂層に隣接する層の厚みがかみ層全体の
10%に満たない場合は光沢感が不十分となり、40%
を越える場合は剛度が不十分となる。平均繊維長0.5
〜0.8mmに叩解され、且つ広葉樹クラフトパルプを
80重量%以上含有するパルプ組成物の合計厚みがかみ
層全体の厚みの60%に満たない場合は、量の不足を補
うパルプの種類により、剛度が不足したり、光沢感が不
足したりする事がある。
【0016】平均繊維長0.5〜0.8mmに叩解さ
れ、且つ広葉樹クラフトパルプを80重量%以上含有す
るパルプ組成物から成る層が、画像が設けられる反対側
の紙表面から連続した紙層全体の60%以上の厚みを有
する層である事が望ましい。さらには、紙層が該平均繊
維長0.3〜0.5mmに叩解された広葉樹クラフトパ
ルプから成る層と該平均繊維長0.5〜0.8mmに叩
解され、且つ広葉樹クラフトパルプを重量%以上含有す
るパルプ組成物からなる層の二層のみである事が一層好
ましい。もしこれに反し、該平均繊維長0.5〜0.8
mmに叩解され、且つ広葉樹クラフトパルプを80重量
%以上含有するパルプ組成物からなる層が中間に別の層
を挟み、その層が針葉樹パルプの場合は見た目の光沢感
が不利になるし、広葉樹サルファイトパルプの場合は剛
度に於いて不利になる。同様に該平均繊維長0.3〜
0.5mmに叩解された広葉樹クラフトパルプからなる
層と該平均繊維長0.5〜0.8mmに叩解され、且つ
広葉樹クラフトパルプを80重量%以上含有するパルプ
組成物からなる層の間にべつの層が存在し、その層が針
葉樹パルプからなる場合は見た目の光沢感に於いて不利
になるし、広葉樹サルファイトパルプからなる場合は剛
度に於いて不利になる。
【0017】本発明に於いては、パルプの濾水度が25
0ml〜360mlの範囲に叩解されるのが好ましく、28
0ml〜330mlの範囲に叩解されるのが一層好ましい。
パルプの濾水度が低過ぎると抄紙適性が不十分になった
り、基紙の剛度が低くなったりするし、パルプの濾水度
が高過ぎると基紙の地合が悪くなる傾向がある。本明細
書で言うパルプの濾水度とは、叩解後のパルプについ
て、TAPPI スタンダード パルプ試験法No.T
227m−58「パルプのフリーネス(濾水度)」に準
拠して測定した濾水度(ml)を言う。
【0018】本発明に於いて、パルプの繊維長及び濾水
度を好ましい範囲にするパルプの叩解条件として、カッ
ティング叩解と粘状叩解とのバランスを最適化すること
により、好ましく調製することが出来る。具体的には、
カッティング叩解と粘状叩解の比率、叩解時間、パルプ
濃度、叩解動力等の叩解条件について、一連の組み合わ
せの実験条件下で叩解し、採取したパルプスラリーにつ
いてパルプの繊維長とパルプの濾水度を測定することに
より最適化することが出来る。
【0019】本発明の実施に用いられる基紙の画像が設
けられる側の樹脂層に隣接する層以外の層は、一般的に
は天然パルプで構成されたものであるが、天然パルプの
他に必要に応じて、本来の基紙としての性能を阻害しな
い範囲内で合成繊維もしくは合成パルプを加えてもよ
い。天然パルプとしては広葉樹漂白クラフトパルプが主
に用いられるが、限定的に広葉樹漂白サルトファイトパ
ルプ、針葉樹漂白クラフトパルプ、針葉樹漂白サルファ
イトパルプ、広葉樹針葉樹混合漂白サルファイトパルプ
の木材パルプも用いる事が出来る。また、非木材パル
プ、ソーダパルプ、溶解パルプ等の他、再生パルプ(故
紙パルプ)等の各種のものも限定的に用いる事が出来
る。本発明の実施に於いて、表側樹脂層に隣接する層に
は、広葉樹クラフトパルプの使用が必須である。
【0020】本発明の実施に於いて基紙の各層中には、
紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめること
ができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるいは脂肪
酸、特公昭62-7534号公報に記載もしくは例示のアルキ
ルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸
アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化
物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン
性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクト
マンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリア
ミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤とし
て、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニ
ウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、硫酸等、その他特開昭63-204251号公報、特開平1-2
66537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染
料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが
有利である。
【0021】また、本発明の実施に於いて基紙中あるい
は基紙上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コ
ロイドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤から成る
組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるい
はブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって
含浸あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマ
ーもしくは親水性コロイドとして、特開平1-266537号公
報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルア
ルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリ
ルアミド系ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、エマ
ルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョ
ン、特開昭55-4027号公報、特開平1-180538号公報に記
載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリ
ル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマル
ジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、
スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチ
レン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレー
ト系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエ
マルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、
塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩
化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、
コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチ
レンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料とし
て、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸
バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、
リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した
着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組
み合わせて含有あるいは塗設せしめるのが有利である。
【0022】また、本発明の実施に於いて基紙は、下記
で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpyが250mV
以下となるよう抄造される事が好ましく、200mV以下
に抄造される事が更に好ましく、150mV以下に抄造さ
れる事が最も好ましい。ここで言う膜厚むら指数Rpy
とは、2つの球状の触針の間に試料を走行させ、試料の
厚み変動を電子マイクロメーターを介し電気信号として
測定するフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロメー
ターの感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、ゼロ点
調整後試料の抄紙方向に1.5m/分の定速で走査するこ
とで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られた測定
信号値を、FFTアナライザーを用いて、時間窓にハニ
ングウィンドウを使用して高速フーリエ変換して、12
8回の積算の加算平均によるパワースペクトル(単位:
mV2)を求め、2Hz〜25Hzの周波数域のパワー値を総
和して2/3を掛けた値を1/2乗することにより求め
られる値(単位:mV)である。
【0023】本発明の実施に於いて、膜厚むら指数Rp
yが250mV以下の基紙を製造する方法としては、具体
的には、適切に叩解した広葉樹パルプを80重量%以上
用いる。具体的には、例えば、基紙を構成する全パルプ
として、叩解後のパルプの繊維長が、0.8mm以下、好
ましくは0.6mm以下に叩解した広葉樹クラフトパルプ
を用いる。表側樹脂層に隣接し、且つ紙層全体の10〜
40%以上好ましくは20〜30%以上の厚みを有する
広葉樹クラフトパルプから成る層については0.3mm
〜0.5mmに叩解する。内添薬品を添加した紙料スラ
リーに適切な抄紙方法を採用して長網抄紙機により、均
一な地合が得られるように基紙を抄造したものが好まし
い。具体的には、例えば、紙料スラリーに適切なタービ
ュレンスを与える、特開昭61−284762号公報に記載もし
くは例示の様な適切な上部脱水機構を有する長網抄紙機
を用いる、ウエットパートのプレスとしては、多段のウ
ェットプレス、好ましくは3段以上のウェットプレスを
行い、プレスパートの最終段にはスムージンクロールを
設ける、等の適切な抄紙方法を組み合わせて均一な地合
が得られるように抄造し、更に抄造後マシンカレンダ
ー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレ
ンダー処理を施し、膜厚むら指数Rpyが250mV以下
の基紙を製造することが出来る。
【0024】本発明の実施に於いて基紙は、基紙の表側
の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオ
フ値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均粗さSRa(以
下、基紙の表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定
されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均
粗さSRaなる術語を、単に中心面平均粗さSRaと略
すことがある)が1.50μm以下のものが有用であり、
1.40μm以下のものが好ましく、1.35μm以下のも
のが更に好ましく、1.25μm以下のものが特に好まし
い。本明細書で言う触針式3次元表面粗さ計を用いて測
定されるカットオフ値0.8mmでの中心面平均粗さSR
aとは、数式1で規定されるものである。
【0025】
【数1】
【0026】数式1において、Wxは試料面域のX軸方
向(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸
方向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは
試料面域の面積を表す。
【0027】本発明の実施に好ましく用いられる、中心
面平均粗さSRaが1.50μm以下の基紙を製造する方
法としては、具体的には、湿紙の乾燥途中で多段の緊度
プレスを行い、更に基紙を抄造後マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いて少なくとも
2系列以上のカレンダー処理、例えば基紙に第1系列の
カレンダー処理としてマシンカレンダー処理あるいは/
及び熱マシンカレンダー処理を行い、その後第2系列以
降のカレンダー処理として必要に応じて更にマシンカレ
ンダー処理を行った後特開平4-110939号公報に記載もし
くは例示の熱ソフトカレンダー処理を行って、中心面平
均粗さSRaが1.50μm以下の基紙を製造することが
出来る。また、基紙中あるいは基紙上に各種の水溶性ポ
リマーもしくは親水性コロイドあるいはポリマーラテッ
クスをサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいは
ブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって固
形塗布量として1.0g/m2以上、特に2.2g/m2以上含有
あるいは塗設せしめるのが好ましい。
【0028】本発明の実施に用いられる基紙の密度とし
ては、灰分を除いて計算して0.80g/cm3〜1.15g/c
m3の範囲が好ましく、0.85g/cm3〜1.05g/cm3の範
囲が更に好ましいが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。また、本発明の実施に用いられる基紙の厚
味に関しては、特に期限はないが、その坪量は40g/m2
〜250g/m2のものが有用であり、70g/m2〜220g/
m2のものが好ましい。
【0029】本発明における画像材料用支持体の基紙の
画像形成層を設ける側(表側)は、フィルム形成能ある
樹脂を含む樹脂層で被覆される。また、基紙の裏側は、
フィルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆されるのが
好ましい。
【0030】本発明に於ける画像材料用支持体は、表樹
脂層中及び裏樹脂層中のフィルム形成能ある樹脂が熱可
塑性樹脂の場合は、表樹脂層用及び裏樹脂層用の樹脂組
成物を溶融押し出し機を用いて、走行する基紙上にその
スリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわ
ゆる溶融押し出しコーティング方式によって製造され
る。通常は、走行する基紙上に溶融押し出し機を用い
て、そのスリットダイから溶融した樹脂組成物をフィル
ム状に押し出し、流延して被覆し、加圧ロールと冷却ロ
ールとの間で圧着し、冷却ロールから剥離されるという
一連の工程で生産される。
【0031】本発明に於いて画像が設けられる側の樹脂
層は、二層あるいはそれ以上の多層にする事が見た目の
光沢感を向上する上で一層有利である。
【0032】本発明に於ける有利な画像材料用支持体
は、表樹脂層が2層あるいはそれ以上の多層構成のもの
である。また、表樹脂層が2層あるいはそれ以上の多層
構成である画像材料用支持体としては、溶融押し出しコ
ーティング方式によって製造されるものが好ましい。そ
の製造に際し、2層あるいはそれ以上の多層の樹脂層が
多層同時に押し出しコーティングされる、いわゆる共押
し出しコーティング方式を用いてもよいし、少なくとも
最下層から成る樹脂層、その後に少なくとも最上層から
成る樹脂層が、順に別個のステーションで逐次に溶融押
し出しコーティングされる、いわゆる逐次押し出しコー
ティング方式を用いてもよい。或は加工途中で一旦巻き
取り樹脂被覆ラインに複数回通す方法でもよい。本発明
においては、逐次押し出しコーティング方式を用いて製
造される二層構成樹脂層を有する画像材料用支持体が特
に好ましい。
【0033】また、溶融押し出しコーティングの際、ス
リットダイとしてはT型ダイ、L型ダイ、フィッシュテ
イル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径
は0.1mm及至2mmであることが望ましい。また、多層
共押し出しダイのタイプとしては、フィードブロックタ
イプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイ
プ等のいずれタイプでもよい。また、溶融フィルムの温
度は、樹脂の種類にもよるが通常280℃及至340℃
であることが好ましく、その際最上層用の樹脂組成物と
それより下側の樹脂層を構成する樹脂組成物の温度差を
つけてもよい。例えば、最上層用の樹脂組成物の温度を
それより下側の樹脂層を構成する樹脂組成物の温度より
5〜10℃低くして、樹脂層の冷却ロールからの剥離性
の向上を図ることが出来る。
【0034】表層及び裏層に用いられるフィルム形成能
ある樹脂としてはポリオレフィン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びそれら
の混合物などの熱可塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押
し出しコーティング性の点から前記したポリオレフィン
樹脂あるいは/及びポリエステル樹脂が更に好ましく、
ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。また、特公昭60-1
7104号公報に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂から成
る樹脂層で被覆してもよい。
【0035】本発明の実施に好ましく用いられる表樹脂
層用及び裏樹脂層用のポリエチレン系樹脂としては、低
密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密
度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、
超低密度ポリエチレン樹脂、エチレンとプロピレン、ブ
チレン等のα―オレフィンとの共重合体、エチレンとア
クリル酸、アクリル酸エチルエステル、無水マイレン酸
等の共重合体またはグラフト共重合体である、所謂カル
ボキシ変性ポリエチレン樹脂等、またオートクレーブ型
反応器、チューブラ型反応器等を用いた高圧ラジカル重
合法によるポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒を
用いて重合製造したポリエチレン系樹脂、チーグラー
法、フィリップス法等を用いた、メタロセン以外の金属
触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂及びこれ
らの混合物をあげることが出来る。それらのポリエチレ
ン系樹脂及び混合物としては、各種の密度、メルトフロ
ーレート(以下、JIS K 6760で規定されるメ
ルトフローレートのことを単にMFRと略す)、分子
量、分子量分布のものを使用できるが、通常、樹脂層を
構成する樹脂成分(混合物である場合には混合物とし
て)の密度が0.90〜0.97g/cm3の範囲、MFRが
0.1g/10分〜50g/10分、好ましくは、MFRが0.3
g/10分〜40g/10分の範囲のものを単独に或いは混合し
て有利に使用できる。
【0036】本発明の実施に表樹脂層用に好ましく用い
られる高圧法により製造したポリエチレン系樹脂として
は、オートクレーブ型反応器、チューブラー型反応器な
どを用いた高圧製造法による長鎖分枝を有する各種のポ
リエチレン系樹脂である。それらの高圧法により製造し
たポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹
脂、中密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分とする
プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合
体、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂などおよびこれら
の混合物であり、各種の密度、MFR、分子量、分子量
分布のものを使用できるが、通常、密度が0.90〜0.
95g/cm3の範囲、MFRが0.1〜50g/10分、好ま
しくはMFRが0.4〜50g/10分の範囲のものを単
独に或いは二種以上混合して使用できる。
【0037】本発明の実施に表樹脂層用に特に好ましく
用いられるメタロセン重合触媒を用いて重合製造したポ
リエチレン系樹脂としては、特表平3-502710号公報、特
開昭60-35006号公報、特表昭63-501369号公報、特開平3
-234717号公報、特開平3-234718号公報などに記載もし
くは開示されている如く、ジルコニウム系またはハフニ
ウム系などのメタロセンと、好ましくはメチルアルミノ
キサンなどとを組み合わせて触媒活性を高めたものを重
合触媒として用いて重合製造されたものである。それら
のメタロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチレ
ン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度
ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポ
リエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチ
レンを主成分とするプロピレン、ブチレンなどのα−オ
レフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン樹
脂などおよびこれらの混合物であり、各種の密度、MF
R、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、
密度が0.87〜0.97g/cm3の範囲、MFRが0.05
〜500g/10分、好ましくは0.08〜300g/10
分の範囲のものを単独に或いは二種以上混合して使用で
きる。
【0038】本発明の実施に表樹脂層用に特に好ましく
用いられるメタロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用
いて重合製造したポリエチレン系樹脂としては、例えば
チーグラー法、フィリップス法などを用いて重合製造し
た各種のポリエチレン系樹脂を挙げることができる。そ
れらの金属メタロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用
いて重合製造したポリエチレン系樹脂としては、超低密
度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、中密度
ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分とするプロピ
レン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合体、あ
るいはカルボキシ変性ポリエチレン樹脂などおよびこれ
らの混合物であり、各種の密度、MFR、分子量、分子
量分布のものを使用できるが、通常、密度が0.87〜
0.97g/cm3の範囲、MFRが0.05〜500g/10
分、好ましくは0.08〜300g/10分の範囲のもの
を単独に或いは二種以上混合して使用できる。
【0039】本発明の実施に用いられるポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分解性
樹脂およびこれらの混合物またはそれらとポリエチレン
系樹脂との混合物であり、各種の密度、極限粘度[η]の
ものを使用できる。具体的な代表例としては、三菱化成
株式会社製ポリエステル樹脂(商品名:NOVAPEX
HS004、融点235℃、密度1.33g/cm3、極限
粘度[η]0.73dl/g)を挙げることができる。また、
ポリエステル樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物を有
利に用いることができる。例えば、共重合ポリエチレン
テレフタレート樹脂とマレイン酸でグラフト変性された
共重合ポリエチレン樹脂(融点74℃)との混合物(三
菱化成株式会社製、融点224℃)を挙げることができ
る。また、本発明の実施に用いられるポリカーボネート
系樹脂としては、各種のグレードのものを使用できる
が、具体的な代表例としては、三菱化成株式会社製ポリ
カーボネート系樹脂(商品名:NOVAREX 702
2A、密度1.20g/cm3、MFR12〜16g/10分、
軟化点160℃〜190℃)を挙げることができる。
【0040】本発明の実施に有利に用いられる裏樹脂層
用のポリエチレン樹脂としては、MFRが10g/10分〜
40g/10分、好ましくは10g/10分〜30g/10分、密度
が0.960g/cm3以上である高密度ポリエチレン系樹脂
90重量部〜65重量部とMFRが0.2g/10分〜3g/1
0分、好ましくは、0.2g/10分〜1.5g/10分、密度が
0.935g/cm3以下である低密度ポリエチレン樹脂また
は中密度ポリエチレン樹脂10重量部〜35重量部とを
予め溶融・混合したコンパウンド樹脂組成物が好まし
い。また、低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエ
チレン樹脂の分子量分布としては、分子量50万以上の
分率が10重量%以上のものが好ましく、12重量%以
上のものが特に好ましい。該樹脂の分子量50万以上の
分率が10重量%より少ないと成形加工性、特にネック
インが大きくなって好ましくない。ここで、分子量の測
定はウォーターズ社製150−C(カラム:東ソー社製
GMH−XLHT8mmφ×30cm×3本、溶媒:1,
2,4−トリクロロベンゼン、温度:135℃、流量:
1ml/min)を用いるGPC法により行った。
【0041】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のポ
リエチレン系樹脂としては、予め溶融・混合して調製し
たコンパウンド樹脂が好ましい。低密度ポリエチレン樹
脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレ
ン樹脂とを予め溶融・混合してコンパウンド樹脂を調製
する方法としては、単純溶融混合法、多段溶融混合法等
を用いることができる。例えば、押し出し機、二軸押し
出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー等を用いて、所定量の低密度あるいは中密度ポ
リエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂、更に必要に
応じて酸化防止剤、滑剤等の各種の添加剤を加えて溶融
・混合した後、その混合物をペレット化する方法が有利
に用いられる。
【0042】表樹脂層が多層の場合、その最上層の樹脂
層(以下、単に最上層と略することがある)とそれより
下側の樹脂層(以下、単に下側樹脂層と略することがあ
る)とは、同じ物性、組成であってもよいし、異なって
いてもよい。最上層及び下側樹脂層に好ましく用いられ
るポリエチレン系樹脂としては、前記したような各種の
密度、MFR、分子量、分子量分布等のものを単独にま
たは混合して使用出来るし、それらの物性が同じもので
あってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】例えば、最上層中のポリエチレン系樹脂と
して、そのMFR(二種以上含有している場合には、混
合物としてのMFR、以下同意義である)が下側樹脂層
中のポリエチレン系樹脂のMFR(二種以上含有してい
る場合には、混合物としてのMFR、以下同意義であ
る)より高いもの、低いものあるいは同じものを使用す
ることが出来る。例えば、最上層中のポリエチレン系樹
脂のとして、MFRが5g/10分〜20g/10分のも
の、下側樹脂層中のポリエチレン系樹脂として、MFR
が2g/10分〜10g/10分のものを使用出来るし、一
方最上層中のポリエチレン系樹脂として、MFRが2g/
10分〜10g/10分のもの、下側樹脂層中のポリエチ
レン系樹脂として、MFRが5g/10分〜20g/10分
のものを使用出来るし、また、MFRが同じであるもの
を使用出来る。
【0044】また、最上層中のポリエチレン系樹脂とし
て、その密度(二種以上含有している場合には、混合物
としての密度、以下同意義である)が下側樹脂層中のポ
リエチレン系樹脂の密度(二種以上含有している場合に
は、混合物としての密度、以下同意義である)より高い
もの、低いものあるいは同じものを使用することが出来
る。例えば、最上層中のポリエチレン系樹脂として、密
度が0.925g/cm3〜0.970g/cm3のもの、下側樹脂
層中のポリエチレン系樹脂として、密度が0.870g/c
m3〜0.925g/cm3のものを使用出来るし、一方最上層
中のポリエチレン系樹脂として、密度が0.870g/cm3
〜0.925g/cm3のもの、下側樹脂層中のポリエチレン
系樹脂として、密度が0.925g/cm3〜0.970g/cm3
のものを使用出来るし、また密度が同じであるものを使
用出来る。
【0045】また、最上層中のポリエチレン系樹脂とし
て、その融点が下側樹脂層中のポリエチレン系樹脂の融
点より高いもの、低いものあるいは同じものを少なくと
も1種使用出来る。例えば、最上層中のポリエチレン系
樹脂として、融点が115℃以上のもの、下側樹脂層中
のポリエチレン系樹脂として、融点が115℃未満のも
のを使用出来るし、一方最上層中のポリエチレン系樹脂
として、融点が115℃未満のもの、下側樹脂層中のポ
リエチレン系樹脂として、融点が115℃以上のものと
使用出来るし、また、融点が同じであるものを使用出来
る。
【0046】本発明に於ける画像材料用支持体の特に好
ましい多層構成の樹脂層としては、本発明の効果、即ち
該支持体を有する画像材料及びそのプリントの見た目の
光沢感の改良効果及び剥離性の改良効果を極めて顕著に
発揮出来るという観点から、最上層中のポリエチレン系
樹脂としては、その密度が、下側樹脂層中のポリエチレ
ン系樹脂の密度より高いものを少なくとも1種使用する
か、または融点が、下側樹脂層中のポリエチレン系樹脂
の融点より高いものを少なくとも1種使用するか、ある
いは密度、融点共が下側樹脂層中のポリエチレン樹脂の
それらより高いものを少なくとも1種使用している多層
構成の樹脂層が特に好ましい。
【0047】本発明に於ける画像材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。支持体の白色度及び画像の
鮮鋭度を改良する目的で、特公昭60-3430号公報、特公
昭63-11655号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-382
92号公報、特開平1-105245号公報等に記載もしくは例示
の二酸化チタン顔料を含有せしめるのが好ましい。ま
た、二酸化チタンの他に酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシ
ウム等の白色顔料、離型剤として、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、顔料の分散
剤及び離型剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、
パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、特開平1-10
5245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防
止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロ
シアニンブルー等のブルー系の顔料や染料、コバルトバ
イオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレ
ット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2-254440号公
報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の
各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることが出
来る。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるい
はコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。ま
た、プリントの鮮鋭度または白色度あるいは画像材料支
持体の耐熱性、耐光性または離型性の効果的な向上等の
点から、酸化チタン等の白色顔料及び蛍光増白剤、着色
顔料や着色染料あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤また
は離型剤等その他の添加剤を下側樹脂層中より最上層中
に高濃度に含有せしめるのが好ましい。
【0048】本発明の実施に当り、表・裏の樹脂組成物
を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。ま
た、特公昭61-42254号公報に記載の如く、基紙に接する
側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に
走行する基紙に樹脂層を被覆しても良い。また、表、裏
の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーテ
ィングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング
方式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて裏
の樹脂層も二層以上の多層構成で被覆しても良い。ま
た、画像材料用支持体の表樹脂層面は光沢面、特公昭62
-19732号公報に記載の微粗面、マット面あるいは絹目面
等に加工することが出来、裏樹脂層は通常無光沢面に加
工するのが好ましい。
【0049】本発明に於ける画像材料用支持体の表樹脂
層の全被覆厚さとしては、8〜100μmの範囲が有用
であるが、12〜60μmの範囲が好ましく、18〜4
0μmの範囲が特に好ましい。また、本発明に於いて、
表樹脂層が多層構成の場合、最下層の樹脂層の厚さとし
ては、画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感の改
良効果の観点から、表側の全樹脂層厚さの25%以上の
厚さが好ましく、39%以上の厚さが一層好ましく、5
0%以上の厚さが特に好ましいが、特に制限されるもの
ではない。また、裏側の基紙面は、フィルム形成能ある
樹脂を主成分とする裏樹脂層で好ましくは被覆される
が、その樹脂はポリエチレン系樹脂が好ましく、その被
覆厚さとしては表側の樹脂層と、特にカールバランスを
取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に8〜10
0μmの範囲が有用であるが、好ましくは12〜60μm
の範囲である。
【0050】本発明に於ける画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
出来る。また、本発明における画像材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することが出来る。また、バックコート層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849号公報、特開昭58-184144号公報等に記載もしく
は例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バイ
ンダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適
宜組み合わせて含有せしめることが出来る。
【0051】本発明に於ける画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることが出来る。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことが出来る。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることが出来る。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることが出来る。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることが出来る。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことが出来る。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物、
活性ハロゲン化合物など、塗布助剤として、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩、スルホコハク酸エステル塩な
ど、汚染防止剤として、ジアルキルハイドロキノン化合
物など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防
止剤、pH調製剤、カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生
成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合物
などを適宜組み合わせて含有せしめることが出来る。
【0052】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することも出来
る。
【0053】本発明に於ける画像材料用支持体は、各種
の熱移行型熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱移行
型熱転写記録受像材料用支持体として用いることが出来
る。それらの熱移行型熱転写記録受像層に用いられる合
成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレンアクリレート
樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等のエステル結
合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタン結合を
有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を有する樹
脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その他ポリカ
プロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリ
ロニトリル樹脂等を挙げられる。これら樹脂に加えて、
これらの混合物もしくは共重合体等も使用出来る。
【0054】本発明に係わる熱移行型熱転写記録受像層
中には、上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても
良い。上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、ア
ミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、
弗素系、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイ
ル類等が挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオ
イルが最も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、
油状の物も使用出来るが、硬化型のものが好ましい。硬
化型のシリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化
型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコ
ーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイ
ルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変
性シリコーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコ
ーンオイルの添加量は、受像層中に0.1〜20wt%が好
ましい。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、
酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、
受像層の厚さとしては、0.5〜20μmが好ましく、2
〜10μmがさらに好ましい。
【0055】本発明に於ける画像材料用支持体は、各種
のインク受像層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることが出来る。それらのイン
ク受像層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることが出
来る。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれ
らの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体
による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿
素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメ
チルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポ
リビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接
着剤、特公平3-24906号公報、特開平3-281383号公報、
特願平4-240725号公報に記載もしくは例示のアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機系バインダー等をあげることが
出来、これらを単独或は併用して含有せしめることが出
来る。
【0056】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のポリヒ
ンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱
粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の
粒子径0.2〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公報等に
記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、p
H調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩
酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリ
コン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめることが出来る。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0058】実施例1〜7及び比較例1〜8 広葉樹漂白クラフトパルプを絶乾重量として4重量%の
濃度に調整し、パルプ平均繊維長0.4mm、カナディア
ンスタンダードフリーネス350mlになるように叩解
し、3層抄紙の上層(画像が設けられる側の樹脂に隣接
する層)用パルプとした。同様に広葉樹漂白サルファイ
トパルプを平均繊維長0.8mm、カナディアンスタンダ
ードフリーネス350mlになるように叩解し、中層用パ
ルプとした。また、広葉樹クラフトパルプ90重量%と
広葉樹サルファイトパルプ重量10%から成るパルプ混
合物を平均繊維長0.6mm、カナディアンスタンダード
フリーネス350mlに叩解し、下層用パルプとした。各
のパルプは叩解後、パルプ100重量部に対して、カチ
オン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリルアミド
0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.4重量部、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン樹脂0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、
青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製し
た。その後、紙料スラリーは上中下の層バランスを表1
のように水準変化させて三層(一部二層)で200m/分
で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンス
を与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15〜10
0kgf/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェットプレ
スを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く
乾燥パートで30〜70kgf/cmの範囲で線圧が調節され
た2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。その後、乾
燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール4重量
部、蛍光増白剤0.05重量部、青色染料0.002重量
部、塩化ナトリウム4重量部及び水92重量部から成る
サイズプレス液を25g/m2サイズプレスし、最終的に得
られる基紙水分が絶乾水分率で8重量%になるように乾
燥し、線圧70kgf/cmでマシンカレンダー処理して、坪
量170g/m2の、密度が1.04g/cm3、膜厚むら脂数R
pyが表1の値である画像材料用支持体の基紙を製造し
た。
【0059】別途、実施例6に用いる上下の紙量スラリ
ーをその比率のまま混合した以外は実施例6と同様に画
像材料用基紙を製造し比較例8用の基紙とした。
【0060】次に、画像形成層を設ける側とは反対側の
基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に下記
の樹脂組成物(R1)を樹脂温度315℃で20μmの
樹脂厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し出しコ
ーティングした。この際、冷却ロールとしては、下記バ
ック層を塗設後の該バック層面の中心面平均粗さSRa
が1.15μmになる粗面度のものを用いた。なお、使用
した冷却ロールは液体ホーニング法で粗面化された冷却
ロールで、冷却水温度12℃で操業した。
【0061】(樹脂組成物R1)高密度ポリエチレン樹
脂(密度0.967g/cm3、MFR=15g/10分)70重
量部と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3
MFR=0.6g/10分)30重量部とを溶融押し出し機
を用いて予め溶融・混合して調製したコンパウンド樹脂
組成物であり、そのペレットとして使用した。
【0062】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、表樹脂層(1)として、該表面にチューブラ法低密
度ポリエチレン樹脂[密度0.918g/cm3、MFR=8.
5g/10分、融点108℃、以下、低密度ポリエチレン
樹脂(R2)と略す]47.5重量%、含水酸化アルミニ
ウム(対二酸化チタンに対してAl23分として0.5
0重量%)で表面処理したアナターゼ型二酸化チタン顔
料50重量%とステアリン酸亜鉛2.5重量%および酸化
防止剤、テトラキス〔メチレン−3(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタン150ppmから成る二酸化チタン顔料マスターバ
ッチ[以下、マスターバッチ(MB−1)と略す]17重
量部、低密度ポリエチレン樹脂(R2)46.25重量
%、上記二酸化チタン顔料50重量%、群青(第一化成工
業株式会社製、#2000)1.25重量%とステリアン
酸亜鉛2.5重量%、上記酸化防止剤150ppmから成る
二酸化チタン顔料マスターバッチ[以下、マスターバッ
チ(MB−2)と略す]8重量部、オートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂[密度0.920g/cm3、MFR=
4.5g/10分、融点109℃、以下、低密度ポリエチ
レン樹脂(R3)と略す]57.6重量部とフィリップ
ス法高密度ポリエチレン樹脂[密度0.967g/cm3、M
FR=7.0g/10分、融点130℃、以下、高密度ポ
リエチレン樹脂(R4)と略す]17.4重量部から成
る樹脂組成物を樹脂温度315℃で28μmの厚さに基
紙の走行速度200m/分で溶融押し出し機を用いて、鏡
面の冷却ロールとプレスロールの線圧40kgf/cmで溶融
押し出しコーティングした。なお、表、裏のポリエチレ
ン樹脂の溶融押し出しコーティングは、逐次溶融押し出
しコーティングが行われる、いわゆるタンデム方式で行
われた。その際、該樹脂被覆紙の二酸化チタン顔料を含
む樹脂層の表面は、グロッシー面に加工した。
【0063】更に、表、裏樹脂層を加工後巻き取るまで
の間に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放電処理後、
下記のバック層用塗液をオンマシン塗布した。乾燥重量
分として、コロイド状シリカ:スチレン系ラテックス=
1:1から成り、更にポリスチレンスルフォン酸ソーダ
0.021g/m2の他適量の塗布助剤等を含むバック層用
塗液をラテックス分(固形重量計算で)として0.21g
/m2になる塗布量で塗設した。
【0064】バック層を塗設後、樹脂被覆紙を巻き取る
までの間に、表側の樹脂面にコロナ放電処理を施し、石
灰処理ゼラチン1.2g、低分子量ゼラチン(新田ゼラチ
ン株式会社製、P−3226)0.3g、パラオキシ安息
香酸ブチルの10重量%メタノール溶液0.3g及びスル
フォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩のメタノ
ールと水の5重量%混合液0.45gを含み、全量を水で
100gに調製した配合の下引塗液をゼラチン塗布量0.
06g/m2になるように均一にオンマシン塗布して画像材
料用支持体を得た。
【0065】画像材料用支持体を有する写真プリントの
見た目の光沢感の評価方法としては、以下に記載の方法
で評価した。
【0066】画像材料用支持体の下引層上に隣接して順
に、黄色発色カプラーを含む青感乳剤層、色混り防止剤
を含む中間層、マゼンタ発色カプラーを含む緑感乳剤
層、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層、シアン発色カプ
ラーを含む赤感乳剤層及び保護層を多層塗布用Eバーに
より塗設してゼラチンの総量が7g/m2であるカラー印画
紙を作成した。各色感乳剤層は硝酸銀で0.6g/m2に相
当する塩臭化銀を含み、更にハロゲン化銀の生成、分散
及び成膜に必要なゼラチンの他、適量のカブリ防止剤、
増感色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘剤及び適量のフィル
ター染料などを含む。
【0067】次に、作成したカラー印画紙を35℃、常
湿下に5日間保存後、集合写真を焼き付け、現像、漂白
・定着、安定の現像処理をした後乾燥し、写真プリント
を作成した。又、別途白べた(未露光)および黒べた
(黒色発色)の焼き見本も作成した。なお、露光、現
像、乾燥の一連の処理は、自動プリンター及び自動現像
機により行った。なお、発色現像処理は、発色現像(4
5秒)→漂白定着(45秒)→安定(90秒)→乾燥の
手順で行われた。
【0068】得られた集合写真、白べた及び黒べたの写
真プリントについて、10人のモニターにより視覚的に
写真プリントの見た目の光沢感を総合的に評価した。
【0069】写真プリントの見た目の光沢感の評価基準
としては、以下の通りである。 ◎ :見た目の光沢感が極めて高い。 ◎〜○:見た目の光沢感がかなり高い。 ○ :見た目の光沢感が一層高い。 ○〜□:見た目の光沢感が高い。 □ :見た目の光沢感がやや低い。 △ :見た目の光沢感が低く、実用上問題がある。 × :見た目の光沢感が極めて低い。
【0070】剛度の実用的評価として、腰の強さを評価
した。画像材料の腰の強さの評価方法としては、13cm
×18cmのカラー写真プリントについて、10人のモニ
ターによりカラー写真プリントの端を持って上下に振
り、手触り感による腰の強さを評価した。評価基準とし
ては、以下の通りである。 ◎:腰が極めて強い。 ○:腰が強い。 □:腰がやや弱いが、実用可能である程度。 ×:腰が弱く、へなへなして実用上問題がある程度を表
す。
【0071】得られた結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】表1の結果から、上層の短繊維パルプの少
ない比較例1、2は光沢感が不足している。一方、下層
の厚みの少ない比較例3〜7は腰の強さが不足してい
る。それに対し、本発明の実施例1〜7は光沢感と腰の
強さのバランスが良い事が判る。また、実施例6の上下
のパルプを混合し一層にして抄紙した比較例8は光沢感
が不足している。
【0074】実施例8〜19 実施例5の上層用パルプの平均繊維長と上層の厚みを表
2の通りにする以外は実施例5と同様に実施した。得ら
れた結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】表2より平均繊維長が短い程、光沢感が高
く、長い程、腰の強さ強い事が判る。上層の厚みがあつ
い程、光沢感が高く、薄い程腰の強さが強い事が判る。
上層の厚みが20〜30%の範囲は本発明の範囲の中で
も、特に光沢感と腰の強さのバランスが良い事が判る。
【0077】実施例20〜31 実施例5の下層用のパルプの平均繊維長と下層の厚みを
表3の通りにする以外は実施例5と同様に実施した。得
られた結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】表3より下層の繊維長が長い程、腰の強さ
で有利である事、この範囲では光沢感は特に問題無い事
が判る。
【0080】実施例32〜34及び比較例9〜18 実施例6の上下のパルプの平均繊維長、下層パルプ中の
広葉樹クラフトパルプの占める割合、上層及び下層のう
ち残りのパルプの種類を表4の通りにする以外は実施例
6と同様に実施した。得られた結果を表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】ここで、表4中、LKは広葉樹クラフトパ
ルプを、LSは広葉樹サルファイトパルプを、NKは針
葉樹クラフトパルプを、NSは針葉樹サルファイトパル
プを夫々表す。残Pは下層パルプ中広葉樹クラフトパル
プ以外のパルプを表す。
【0083】表4より上層の平均繊維長の長い比較例
9、上層が針葉樹パルプである比較例15、16は光沢
感が不足している事、上層の平均繊維長が短い比較例1
0、上層パルプが広葉樹サルファイトパルプである比較
例14は腰の強さが不足している事が判る。一方、下層
の広葉樹クラフトパルプの割合の低い比較例11、下層
の平均繊維長が短い比較例12は腰の強さが不足してい
る事、下層の平均繊維長が長すぎる比較例13は光沢感
が不足している事、下層の広葉樹クラフトパルプの割合
が低いがそれ以外のパルプが針葉樹パルプである比較例
17、18は腰の強さは良いものの光沢感が不足してい
る事がが判る。それに対し、本発明の実施例32、3
3、34は光沢感、腰の強さ共に満足している事が判
る。
【0084】実施例35、36 実施例6の中層を下層を等分した間に移し、四層抄紙す
る以外は実施例6と同様に実施し実施例35とした。ま
た、実施例4の中層と下層をその比率のまま混合して下
層とし、二層抄紙する以外は実施例4と同様に実施し実
施例36とした。得られた結果を表5に示す。
【0085】
【表5】
【0086】表5より平均繊維長0.6mm、且つ広葉樹
クラフトパルプ90重量%を含む層が連続して60%の
厚みとなっていない実施例35は腰の強さに於いて不利
である事、平均繊維長0.4mmの広葉樹クラフトパルプ
から成る上層と平均繊維長0.6mm、且つ広葉樹クラフ
トパルプを80重量%以上含有するパルプ組成物から成
る下層の二層のみの紙層を有する実施例36はパルプ組
成が実施例4とおなじであるにも拘わらず腰の強さに於
いて有利となっている事が判る。
【0087】実施例37、38 実施例36に於いて、基紙の表面をコロナ放電処理後、
表樹脂層(2)として、該表面に下層の樹脂層として、厚
さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂組成物、上層の樹脂
層として、厚さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂組成物
をそれぞれの樹脂温度315℃で基紙の走行速度200
m/分で、二層共押し出し機を用いて、鏡面の冷却ロール
とプレスロールの線圧40kgf/cmで二層同時押し出しコ
ーティングする以外は、表樹脂層(1)を被覆する場合と
同様にして樹脂被覆を行う以外は同様に実施し、実施例
37とした。
【0088】また同様に、基紙の表面をコロナ放電処理
後、表樹脂層(3)として、該表面に下層の樹脂層とし
て、厚さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂組成物、上層
の樹脂層として、厚さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂
組成物をそれぞれの樹脂温315℃で基紙の走行速度2
00m/分で、下層、その後に上層の順に別個のステーシ
ョンで溶融押し出し機を用いて、鏡面の冷却ロールとプ
レスロールの線圧40kgf/cmで逐次溶融押し出しコーテ
ィングする以外は、表樹脂層(1)を被覆する場合と同様
にして樹脂被覆を行う以外は同様に実施し、実施例38
とした。
【0089】各々の画像材料用紙支持体を製造するとき
の表樹脂層の冷却ロールからの剥離性の評価方法として
は、支持体製造時の全体的な剥離の不規則性を目視で観
察すると共に得られた画像材料用支持体の表側の表面状
態を斜光で観察し、剥離むらの発生の程度を視覚的に判
定して、10段階のグレード評価を行った。評価基準
(グレード数値の大きいほど剥離性が良好であり、グレ
ード数値の小さいほど剥離性が悪いことを表す)として
は、以下の通りである。
【0090】グレード10〜9:冷却ロールからの剥離
は不規則性が全くなく、剥離むらの発生が全くあるいは
ほとんどなく、剥離性が極めて良好。 グレード 8〜7:冷却ロールからの剥離は不規則性が
ほとんどなく、剥離むらの発生が軽微で、剥離性が良
好。 グレード 6〜5:冷却ロールからの剥離はわずかな不
規則性を示し、剥離むらの発生がややあるが、実用上問
題ない程度。 グレード 4〜1:冷却ロールからの剥離は不規則性を
示し、剥離むらの発生が多く、実用上問題である。
【0091】得られた結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】表6の結果から、樹脂層が二層であると、
さらにそれが逐次押出しによる二層であると剥離性、光
沢感ともに優れている事が判る。
【0094】実施例39〜42 実施例38に於いて、表樹脂層(3)を逐次溶融押し出し
コーティングする際に、上層及び下層用樹脂組成物の樹
脂温度として、表7に記載の樹脂温度にする以外は実施
例38と同様に実施した。
【0095】得られた結果を表7に示す。
【0096】
【表7】
【0097】表7の結果から、本発明においては、剥離
性の改良効果の点から、多層構成である表樹脂層用の樹
脂組成物を溶融押し出しコーティングするに際して、最
上層用の樹脂組成物の温度をそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度より低くすることが好ましいこ
とがよくわかる。
【0098】実施例43〜47 実施例38に於いて、表樹脂層(3)の上層及び下層の被
覆厚さとして表8に記載の被覆厚さにする以外は実施例
38と同様に実施した。
【0099】得られた結果を表8に示す。
【0100】
【表8】
【0101】表8の結果から、本発明の表樹脂層が多層
構成にされた画像材料用支持体の中でも、写真プリント
の見た目の光沢感及び剥離性の改良効果の点から、少な
くとも最下層から成る樹脂層の厚さが、全樹脂層厚さの
25%以上の厚さが好ましく、39%以上の厚さが一層
好ましく、50%以上の厚さが特に好ましいことがよく
わかる。
【0102】実施例48〜54 実施例38で用いた表樹脂層の上層用または下層用の樹
脂組成物の代わりに、下記の樹脂組成物(38UA)〜
(38UD)及び(38LE)〜(38LG)を、表9
の組み合わせで用いる以外は実施例38と同様に実施し
た。
【0103】(上層用樹脂組成物):(38UA)〜
(38UD) 樹脂組成物(38UA):実施例38で用いたマスター
バッチ(MB−1)17重量部と実施例38で用いたマ
スターバッチ(MB−2)8重量部と実施例38で用い
た低密度ポリエチレン樹脂(R3)75重量部から成る
樹脂組成物。
【0104】樹脂組成物(38UB):実施例38で用
いたものと同じ上層用樹脂組成物(上層全樹脂成分に対
する高密度ポリエチレン樹脂含有率、20.1重量
%)。
【0105】樹脂組成物(38UC):マスターバッチ
(MB−1)17重量部とマスターバッチ(MB−2)
8重量部と低密度ポリエチレン樹脂(R3)40.2重
量部と高密度ポリエチレン樹脂(R4)34.8重量部
(上層全樹脂成分に対して40.1重量%に相当)から
成る樹脂組成物。
【0106】樹脂組成物(38UD):マスターバッチ
(MB−1)21重量部とマスターバッチ(MB−2)
9重量部と低密度ポリエチレン樹脂(R3)53.1重
量部と高密度ポリエチレン樹脂(R4)16.9重量部
(上層全樹脂成分に対して20.1重量%に相当)から
なる樹脂組成物。
【0107】(下層用樹脂組成物):(38LE)〜
(38LG) 樹脂組成物(38LE):実施例38で用いたものと同
じ下層用樹脂組成物。
【0108】樹脂組成物(38LF):密度0.924g
/cm3、MFR4.5g/10分、融点111℃のオートク
レーブ法低密度ポリエチレン樹脂。
【0109】樹脂組成物(38LG):密度0.924g
/cm3、MFR3.0g/10分、融点111℃のチューブ
ラ法低密度ポリエチレン樹脂。
【0110】得られた結果を表9に示す。
【0111】
【表9】
【0112】表9の結果より、本発明の表樹脂層が逐次
押出しによって多層構成にされた画像材料用支持体の中
でも、写真プリントの見た目の光沢感及び剥離性の改良
効果の点から、最上層中に、それより下側の樹脂層中の
樹脂よりも密度または融点の高い樹脂を少なくとも1種
含有せしめるのが好ましいことがよくわかる。また、最
上層より下側の樹脂層中の二酸化チタン顔料、着色顔
料、離型剤、酸化防止剤などの添加剤の含有割合を、最
上層中の添加剤の含有割合より低くしても、本発明の効
果に全く問題なく、経済的に有利であることがよくわか
る。
【0113】実施例55〜61 実施例37で用いた表樹脂層の上層用または下層用の樹
脂組成物の代わりに、下記の樹脂組成物(37UA)〜
(37UD)及び(37LE)〜(37LG)を、表1
0の組み合わせで用いる以外は実施例37と同様に実施
した。なお、(37UA)〜(37UD)及び(37L
E)〜(37LG)は夫々(38UA)〜(38UD)
及び(38LE)〜(38LG)と逐次押出しが共押出
しに変わるだけで実質的に同じである。
【0114】得られた結果を表10に示す。
【0115】
【表10】
【0116】表10の結果より、本発明の表樹脂層が多
層構成にされた画像材料用支持体に於いて表樹脂層が共
押し出しの場合でも、写真プリントの見た目の光沢感及
び剥離性の改良効果の点から、最上層中に、それより下
側の樹脂層中の樹脂よりも密度または融点の高い樹脂を
少なくとも1種含有せしめるのが好ましいことがよくわ
かる。また、最上層より下側の樹脂層中の二酸化チタン
顔料、着色顔料、離型剤、酸化防止剤などの含有割合
を、最上層中の添加剤の含有割合より低くしても、本発
明の効果に全く問題なく、経済的に有利であることがよ
くわかる。
【0117】実施例62〜64 実施例37で用いた表樹脂層(2)の上層用並びに下層
用の樹脂組成物の代わりに、上層用の樹脂組成物として
樹脂組成物(37UD)を用いること並びに下層用の樹
脂組成物として樹脂組成物(37LF)を用いること及
び基紙の走行速度を表11に記載の走行速度にすること
以外は実施例37と同様に実施した。
【0118】得られた結果を表11に示す。
【0119】実施例65〜67 実施例52において、基紙の走行速度を表11に記載の
走行速度にすること以外は実施例52と同様に実施し
た。
【0120】得られた結果を表11に示す。
【0121】
【表11】
【0122】表11の結果、即ち実施例62と実施例6
5(各々基紙の走行速度200m/分)、実施例63と実
施例66(各々基紙の走行速度250m/分)及び実施例
64と実施例66(各々基紙の走行速度300m/分)の
結果の比較から、基紙の走行速度(即ち、画像材料用支
持体の製造速度)が速くなればなる程、即ち基紙の走行
速度が、200m/分以上、更には250m/分以上、特に
300m/分以上である場合には、写真プリントの見た目
の光沢感及び剥離むらの改良効果の点から、本発明にお
ける画像材料用支持体の中でも逐次溶融押し出しコーテ
ィング方式で表樹脂層が多層構成にされた画像材料用支
持体が、特に好ましいことがよくわかる。更に、該画像
材料支持体は、見た目の光沢感の高い画像材料及びその
プリントが得られる、かつ剥離むらの発生がない、なお
かつ高速かつ安定生産出来る、特に優れた画像材料支持
体であることがよくわかる。
【0123】実施例68 実施例38の画像材料用支持体上に多層ハロゲン化銀カ
ラー写真構成層の代わりに、下記のインク受像層を塗設
してインクジェット記録材料を作成した。その結果、該
インクジェット記録材料は見た目の光沢感が高くかつ、
光沢むらが無く、該画像材料用支持体は優れたものであ
った。
【0124】インク受像層は、分子量7万のアルカリ処
理ゼラチンの10重量%ゼラチン水溶液30g、ソジウム
カルボキシメチルローズ(エーテル化度0.7〜0.8、
B型粘度計での2重量%水溶液の粘度が5cp以下のも
の)の8重量%水溶液37.5g、エポキシ化合物(長瀬
産業株式会社製NER−010)の5重量%メタノール
溶液0.3g、スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエ
ステル塩のメタノールと水の5重量%混合液0.5g及び
純水31.7gから成る塗液を固形分量で7g/cm2分塗設
されて形成された。
【0125】
【発明の効果】本発明により、見た目の光沢感が高い、
かつ光沢むらが無い、且つ腰の強さに優れた画像材料及
びそのプリントを提供できる、しかも支持体製造時の冷
却ロールからの剥離性が良好であり、それ故高速かつ安
定生産できる、紙を基質とする優れた樹脂被覆紙型の画
像材料用支持体を提供できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の少なくとも一方の面をポリオレフ
    ィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙型画像材料用支持体に於
    いて、該基紙の画像が設けられる側のポリオレフィン樹
    脂層に隣接し、且つ紙層全体の厚みに対して10〜40
    %の厚みを有する層が平均繊維長0.3〜0.5mmに
    叩解された広葉樹クラフトパルプから成っており、該基
    紙のその他の層の内、平均繊維長0.5〜0.8mmに
    叩解され、且つ広葉樹クラフトパルプを80重量%以上
    含有するパルプ組成物から成る層の合計厚みが紙層全体
    の厚みに対して60%以上である事を特徴とする画像材
    料用支持体。 パルプの繊維長:叩解後のパルプについて、JAPAN
    TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89「紙及び
    パルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平
    均繊維長(mm)で表示したもの。
  2. 【請求項2】 画像が設けられる側のポリオレフィン樹
    脂層に隣接する平均繊維長0.3〜0.5mmに叩解さ
    れた広葉樹クラフトパルプから成る層の厚みが、紙層全
    体の厚みに対して20〜30%に相当する請求項1の画
    像材料用支持体。
  3. 【請求項3】 平均繊維長0.5〜0.8mmに叩解さ
    れ、且つ広葉樹クラフトパルプを80重量%以上含有す
    るパルプ組成物が、画像が設けられる反対側の紙表面か
    ら連続した紙層全体の60%以上の厚みの層と成ってい
    る事を特徴とする請求項1または2の画像材料用支持
    体。
  4. 【請求項4】 紙層が該平均繊維長0.3〜0.5mm
    に叩解された広葉樹クラフトパルプから成る層と該平均
    繊維長0.5〜0.8mmに叩解され、且つ広葉樹クラ
    フトパルプを80重量%以上含有するパルプ組成物から
    成る層の二層のみである請求項1または2の画像材料用
    支持体。
  5. 【請求項5】 画像が設けられる側のポリオレフィン樹
    脂層が複数の層から成っている請求項1、2、3または
    4の画像材料用支持体。
  6. 【請求項6】 樹脂層が逐次押出し被覆により二層構成
    と成っている請求項5の画像材料用支持体。
JP9064334A 1997-02-20 1997-03-18 画像材料用支持体 Pending JPH10260499A (ja)

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