JPH10258890A - テープカセット収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】カセットを収納するケースの内面に設けてある
インサート部品である緩衝部材に離脱防止手段を付けて
カセットとの結合力を高める。 【解決手段】カセットを収納するケースの内面に衝撃を
吸収する緩衝部材をインサート成形したケースにおい
て、インサート部品である緩衝部材の側面に離脱防止手
段、例えば緩衝部材の側面が基部方向に広がった傾斜面
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープカセット収
納ケースに関するものであり、特にケースの落下等によ
る衝撃を吸収する緩衝部材を備えたカセット収納ケース
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来技術におけるテープカセット収納ケ
ースは、放送局等で使用されるビデオテープカセットを
不使用時に収納して保管する等して使用される。

【０００３】近年、この種のテープカセット収納ケース
においては、図３に示すように、収納されたビデオカセ
ットを落下などの衝撃から守るため底板１３及び天井板
３０をブロー成形で中空構造にし、且つケースが落下等
した時の衝撃を吸収する衝撃部材を備えている。この衝
撃部材は、収納されているカセットを守るのに最も効果
的な位置、即ち、底板１３のコーナー四隅とカセットの
リールの回転防止も兼ねたリールと直接接触するカセッ
ト支持突起部１７ａ、１７ｂの周囲に配設した構造とな
っている。

【０００４】このような緩衝部材を設けたテープカセッ
ト収納ケースは、図３に示すように、図示しないテープ
カセットを装着して保持する四角形状に形成したケース
本体部１０と、このケース本体部１０に片開きに開閉自
在な蓋部１１と、ケース本体部１０と蓋部１１との間に
所定幅の背表紙部１２とから構成され、全体がポリプロ
ピレン等の合成樹脂で一体に形成されている。

【０００５】ケース本体部１０は、図示しないテープカ
セットを装着して保持できる中空構造の底板１３と、こ
の底板１３に背表紙部１２以外の３辺の端部に起立状態
で一体成形した左右壁板１４、１５及び前面壁板１６
と、図示しないテープカセットをケース本体部１０内で
位置決めを兼ね且つリールの回転を防止するカセット支
持突起部１７ａ、１７ｂと、底板１３の背表紙部１２側
の端部中央位置にテープカセットの収納方向を規制する
誤収納防止用リブ２０とから構成されている。

【０００６】カセット支持突起部１７ａ、１７ｂの基部
側周囲には、緩衝部材、例えばゴム製の弾性部材を所定
の幅を持って配設したリール緩衝部１８、１９を設けた
構造となっている。このような緩衝部材を施すことによ
り、ケースの落下等が発生した時に、カセットのリール
と直接接触する突起部分に加わる衝撃力を吸収する。

【０００７】右壁板１５は、左壁板１４に比べて中間部
分が肉薄に形成され、前面壁板１６にはケース本体部１
０に蓋部１１を閉じた時にロックする長方形状のロック
部材２１を設けた構造となっている。

【０００８】底板１３の各コーナーの４箇所には、中空
に形成された部分に緩衝部材を埋め込んだ底板緩衝部２
２、２３、２４、２５を設けた構造となっている。

【０００９】底板緩衝部２２（、２３、２４、２５）
は、図３（Ｂ）に示すように、中空構造の空間部２６を
有する内側板２７と外側板２８とを連結し且つ上部を開
口にして略三角筒形状に形成し、その内部にインサート
成形により別部品の緩衝部材２９、例えばゴム製の弾性
部材を埋め込んだ構造となっている。

【００１０】一方、蓋部１１は、図３（Ａ）に示すよう
に、ケース本体部１０と略同じ形状に形成され、中空に
形成された略四角形状の天井板３０と、この天井板３０
に背表紙部１２以外の３辺の端部に起立状態に連設して
一体形成した左右壁板３１、３２及び前面壁板３３と、
右壁板３２の上部から突出させた長方形平板形状の側板
３４と、天井板３０内面の１つのコーナーに設けた内ポ
ケット部３５と、天井板３０内面のコーナーの４箇所に
設けた天井板緩衝部３６、３７、３８、３９とから構成
されている。この側板３４は蓋部１１を閉める際にケー
ス本体部１０の肉薄形状にした右壁板１５の外側にガイ
ドされて、蓋部１１全体の位置決めとガイドの役目をす
る。

【００１１】内ポケット部３５は、記録カード４０を収
納できるポケットであり、全体が平面視不等辺四角形状
の透明プラスチックシートを天井板３０に熱溶着により
貼り付けてポケットを形成した構造となっている。

【００１２】天井板緩衝部３６、３７、３８、３９のそ
れぞれは、蓋部１１を閉めた時に、ケース本体部１０の
底板緩衝部２２、２３、２４、２５のそれぞれに対峙す
る位置に設けてあり、底板緩衝部２２と同様に、天井板
緩衝部（３６、３７、３８、）３９は、図３（Ｂ）に示
すように、中空構造の空間部２６を有する内側板２７と
外側板２８とを連結し且つ上部を開口して略三角筒形状
に形成し、その内部にインサート成形によるインサート
部品である緩衝部材２９、例えばゴム製の弾性部材を埋
め込んだ構造となっている。この緩衝部材２９の側面
は、上部面に対して垂直面２９ｃに形成されている。

【００１３】このような構造からなるケースにおいて、
ケース本体部１０にカセットを収納し、蓋部１１を閉め
るとケース本体部１０の４個の底板緩衝部２２、２３、
２４、２５と、蓋部１１の４個の天井板緩衝部３６、３
７、３８、３９とで、収納されているテープカセットの
４つのコーナーを上下方向から挟み込みこんで垂直方向
の衝撃を吸収し、且つリールと係合している突起部１７
ａ、１７ｂの周囲に設けたリール緩衝部１８、１９によ
り、ケースに加えられた水平方向の衝撃を吸収する。

【００１４】図４は、緩衝部材２９をインサート成形す
る場合の手順を示したものであり、図４（Ａ）に示すよ
うに、先ず金型５０、５１を作成する。この金型５０に
は緩衝部材２９を位置決めする角形状のピン５２を備え
ている。この角形状のピン５２に緩衝部材２９を取り付
け、軟化した樹脂５３をダイと呼ばれるゲートから管状
にして射出する。

【００１５】次に、図４（Ｂ）に示すように、インサー
ト部品２９を取り付けた金型５０、５１を閉じ、金型５
１の空気注入ノズル５４から空気を高圧で入れて金型５
０、５１及びインサート部品２９に樹脂を貼り付けて形
を作る。

【００１６】次に、図４（Ｃ）に示すように、冷却した
後に金型５０、５１を開いて成型品を取り出し、周りに
ついているバリ処理を行って完成する。

【００１７】又、金型５０へのインサート部品５３の取
り付けは、図５に示すように、金型５０に設けてあるイ
ンサート部品取付部５４に角形状のピン５２を立ててお
き、且つインサート部品５３にこの角形状のピン５２が
入る穴５５を設けておく。そしてこの角形状のピン５２
をインサート部品５３の穴５５に差し込んで位置決めを
兼ねて取り付ける。又、インサート部品５３には成形品
に確実に結合するための噛み合い部５６を設けた構造と
なっている。

【００１８】図６は、金型へのインサート部品を取り付
けるための他の構造を示したものであり、金型５０に円
柱状のピン５７及びインサート部品５３の位置決めをす
る窪んだ係合部５８を設け、インサート部品５３には金
型５０の円柱状のピン５７を差し込む穴５５を設けてお
く。そして、この円柱状のピン５７をインサート部品５
３の穴５５に差し込み、且つ係合部５８で位置決めして
取り付ける。このインサート部品５３にも成型品に確実
に結合するための噛み合い部５６を設けた構造となって
いる。

【００１９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記中
空に設けたインサート部品である緩衝部材は中空間隔が
狭いため緩衝部材に噛み合い部を設けることができな
い。そのため、インサート成形した後に、ケースの落下
衝撃等で緩衝部材が簡単に外れてしまうと云う問題点が
ある。

【００２０】又、インサート部品である緩衝部材の高さ
方向の厚みを薄くすることも可能であるが、この場合は
衝撃緩衝効果が薄れてしまうと云う問題が発生する。

【００２１】従って、インサート部品である緩衝部材の
高さ方向の厚みを変えることなくケース本体との結合力
を高めて離脱防止機能を高めることに解決しなければな
らない課題を有している。

【００２２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るテープカセット収納ケースは、カセッ
トを収納するケースの内面に衝撃を吸収するインサート
部品である緩衝部材をインサート成形して組み込んだケ
ースであって、前記緩衝部材の側面に離脱防止手段を設
けたことである。

【００２３】このようにインサート部品の側面に離脱防
止手段を設けたことにより、インサート部品の高さ方向
の厚さを変えることなくインサート成形した後において
は、容易に離脱しなくなりケースとの結合力が強固なも
のとなる。

【００２４】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るテープカセッ
ト収納ケースの実施の形態について図面を参照して説明
する。尚、理解を容易にするため、従来技術と同一部分
には同一符号を付与して説明する。

【００２５】本発明に係るテープカセット収納ケース
は、図１に示すように、図示しないテープカセットを装
着して保持する四角形状に形成したケース本体部１０
と、このケース本体部１０に片開きに開閉自在な蓋部１
１と、ケース本体部１０と蓋部１１との間に所定幅の背
表紙部１２とから構成され、全体がポリプロピレン等の
合成樹脂で一体に形成されている。

【００２６】このケースを構成するケース本体部１０と
背表紙部１２と蓋部１１との全体的な外観形状は、従来
技術で説明した構造と略同一であるので、同一部分には
同一符号を付与してその詳細な説明は省略し、本発明の
主要部である離脱防止手段を備えた緩衝部材、並びにイ
ンサート部品のインサート成形に関して説明する。

【００２７】先ず、ケース本体部１０の底板１３及び蓋
部１１の天井板３０は、カセット収納時のテープカセッ
ト（図示せず）を衝撃や振動等から保護するためにブロ
ー成形によって中空構造となっており、且つケースが落
下等した時の衝撃を吸収する衝撃部材を、収納されてい
るカセットを守るのに最も効果的な位置、即ち、カセッ
トのリールの回転防止も兼ねたリールと直接接触するカ
セット支持突起部１７ａ、１７ｂの周囲、底板１３のコ
ーナー四隅及び天井板３０のコーナー四隅近傍に配設し
た構造となっている。

【００２８】カセット支持突起部１７ａ、１７ｂの基部
側周囲には、緩衝部材、例えばゴム製の弾性部材を所定
の幅を持って配設したリール緩衝部１８、１９を設けた
構造となっている。このような緩衝部材を施すことによ
り、ケースの落下等が発生した時に、カセットのリール
と直接接触する突起部分に加わる衝撃力を吸収する。

【００２９】ケース本体部１０に形成された底板１３の
各コーナーの四隅には、中空に形成された部分に緩衝部
材を埋め込んだ底板緩衝部２２、２３、２４、２５を設
けた構造となっている。

【００３０】この底板緩衝部２２（、２３、２４、２
５）は、図１（Ｂ）に示すように、中空構造の空間部２
６を有する内側板２７と外側板２８とを連結し且つ上部
を開口にした略三角筒形状に形成し、その内部にインサ
ート成形により別部品の緩衝部材２９Ａ、例えばゴム製
の弾性部材を埋め込んだ構造となっている。

【００３１】緩衝部材２９Ａは、基部側が広がった台形
形状に形成され、その側面は基部方向に広がった傾斜面
２９ｂ、即ち、沿面距離を長くした構造になっている。
このような緩衝部材をインサート成形により取り付け
る。この点については後述する。

【００３２】一方、蓋部１１に形成された天井板３０の
各コーナーの四隅には、中空に形成された部分に緩衝部
材を埋め込んだ天井板緩衝部３６、３７、３８、３９を
設けた構造となっている。

【００３３】この天井板緩衝部３６、３７、３８、３９
は、蓋部１１を閉めた時に、ケース本体部１０の底板緩
衝部２２、２３、２４、２５と対峙する位置に設けてあ
り、図１（Ｂ）に示すように、底板緩衝部２２、２３、
２４、２５と同様、中空構造の空間部２６を有する内側
板２７と外側板２８とを連結し且つ上部を開口して略三
角筒形状に形成し、その内部にインサート成形によるイ
ンサート部品である緩衝部材２９Ａ、例えばゴム製の弾
性部材を埋め込んだ構造となっている。この緩衝部材２
９Ａの側面は、下部方向が広がった傾斜面２９ｂ、即
ち、沿面距離を長くした構造となっている。

【００３４】このように形成された緩衝部は、ケース本
体部１０にカセットを収納し、蓋部１１を閉めるとケー
ス本体部１０の４個の底板緩衝部２２、２３、２４、２
５と、蓋部１１の４個の天井板緩衝部３６、３７、３
８、３９とで、収納されているカセットの４つのコーナ
ーを上下方向から挟み込みこんで垂直方向の衝撃を吸収
し、且つリールと係合している突起部の周囲に設けたリ
ール緩衝部１８、１９により、ケースに加えられた水平
方向の衝撃を吸収する。

【００３５】さて、離脱防止手段を設けた緩衝部材２９
Ａは、基部方向が広くなる台形形状に形成され、その側
面は傾斜面２９ｂになっており、インサート成形により
ケースに組み込まれる。

【００３６】図２は、インサート部品である緩衝部材２
９Ａをインサート成形する場合の手順を示したものであ
り、先ず図２（Ａ）に示すように、金型５０、５１を作
成する。そして、軟化した樹脂をダイと呼ばれるゲート
から管状にして射出する。そして、金型５０にインサー
ト部品２９Ａを取り付け金型を閉じる。

【００３７】次に、図２（Ｂ）に示すように、金型５１
の空気注入ノズル５４から空気を高圧で入れて金型５
０、５１及びインサート部品２９Ａの傾斜している傾斜
面２９ｂに樹脂が貼り付く。

【００３８】次に、図２（Ｃ）に示すように、冷却した
後に金型５０、５１を開いて成型品を取り出し、周りに
ついているバリ処理を行って完成する。

【００３９】このようにして台形形状の緩衝部材である
インサート部品２９Ａにして、その側面の傾斜面２９ｂ
に樹脂が貼り付いた状態で形成されるので上方向へ容易
に抜けなくなる。

【００４０】この構造は傾斜面２９ｂにかぎらず、緩衝
部材の側面に離脱防止機能を設けた構造にすれば良く、
例えば曲面形状でも、又は波型形状でも良く、側面の沿
面距離を長く形成することにより離脱防止機能が付与さ
れることになる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るテー
プカセット収納ケースは、インサート部品である緩衝部
材の側面に離脱防止手段を設けたことにより、インサー
ト成形した後にケースとの結合力を高めることができ、
優れた衝撃吸収力を維持させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は、本発明に係るカセット収納ケースの
全体斜視図であり、（Ｂ）はＡーＡ線又はＢーＢ線断面
図である。

【図２】同インサート部品をインサート成形する手順を
示したものである。

【図３】（Ａ）は従来技術におけるテープカセット収納
ケースを示した斜視図であり、（Ｂ）は図３（Ａ）のＣ
−Ｃ線又はＤーＤ線断面図である。

【図４】従来技術におけるインサート部品をインサート
成形する手順を示したものである。

【図５】一般的なインサート部品の形状を示した説明図
である。

【図６】一般的なインサート部品の形状を示した説明図
である。

【符号の説明】

１０；ケース本体部、１１；蓋部、１２；背表紙不、１
３；底板、１４；左壁板、１５；前面壁板、１６；右壁
板、１７ａ；カセット支持突起部、１７ｂ；カセット支
持突起部、１８；リール緩衝部、１９；リール緩衝部、
２０；誤収納防止用リブ、２１；ロック部材、２２；底
板緩衝部、２３；底板緩衝部、２４；底板緩衝部、２
５；底板緩衝部、２６；空間部、２７；内側板、２８；
外側板、２９；緩衝部材（インサート部品）、２９Ａ；
緩衝部品（インサート部品）、３０；天井板、３１；左
壁板、３２；前面壁板、３３；右壁板、３４；側板、３
５；内ポケット部、３６；天井板緩衝部、３７；天井板
緩衝部、３８；天井板緩衝部、３９；天井板緩衝部、４
０；記録カード、５０；金型、５１；金型、５２；ピ
ン、５３；樹脂、５４；取付部、５５；穴、５６；噛み
合わせ部、５７；ピン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カセットを収納するケースの内面に衝撃を
   吸収するインサート部品である緩衝部材をインサート成
   形して組み込んだケースであって、前記緩衝部材の側面
   に離脱防止手段を設けたことを特徴とするテープカセッ
   ト収納ケース。
2. 【請求項２】前記緩衝部材の側面に設けた離脱防止手段
   は、前記緩衝部材の側面の沿面距離を長く形成した請求
   項１に記載のテープカセット収納ケース。
3. 【請求項３】前記緩衝部材の側面に設けた離脱防止手段
   は、前記緩衝部材の側面が基部方向に広がった傾斜面で
   ある請求項１に記載のテープカセット収納ケース。