JPH10257494A - 画像圧縮方法及び装置 - Google Patents

画像圧縮方法及び装置

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JPH10257494A
JPH10257494A JP5642297A JP5642297A JPH10257494A JP H10257494 A JPH10257494 A JP H10257494A JP 5642297 A JP5642297 A JP 5642297A JP 5642297 A JP5642297 A JP 5642297A JP H10257494 A JPH10257494 A JP H10257494A
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JP5642297A
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Inventor
Yukihisa Ichikawa
恭久 市川
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Brother Industries Ltd
Xing Inc
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Xing Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予測を行った場合と行わなかった場合の画像
データブロックの両者の符号化処理を行わなくても発生
符号量の少ない方を判定し、その少ない方についてのみ
符号化処理を行なうことで圧縮率を向上させる。 【解決手段】 予測を行った場合のランレングス圧縮処
理部150 による処理結果に基づき、有効係数用しきい値
(A)を超える有効係数の個数(C)をカウントし、その個数
(C)がしきい値(B)以下であれば、そのランレングス圧縮
結果に対してエントロピー符号化処理部90でエントロピ
ー符号化を施す。一方、個数(C) がしきい値(B) より大
きければ、今度は予測を行わない場合のランレングス圧
縮処理結果に基づき、しきい値(A)を超える有効係数の
個数(D)をカウントする。そして、その個数(D)が予測を
行った場合の個数(C)以下であれば、予測を行わない場
合のランレングス圧縮結果に対してエントロピー符号化
を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を圧縮符号化
するための技術に関し、特にブロック単位の画像データ
に対してランレングス圧縮処理を施し、その処理結果に
対してエントロピー符号化を施すことによって画像圧縮
を実行すると共に、前若しくは後画像データとの差分を
取り、その差分値に対して圧縮符号化を行う予測処理が
可能な画像圧縮の方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像圧縮装置にあっては、画像符
号化国際標準であるMPEG(ISO/IEC1117
2)やテレビ電話・テレビ会議用符号化標準(ITU−
TH.261、以下H.261)などに準拠するものが
あった。例えばMPEGやH.261などは動画像を圧
縮するための標準方式であるが、この圧縮符号化の原理
について簡単に説明する。動画像の1フレームを所定の
大ブロックに分割し、さらにその大ブロックをさらに小
さく分割して構成した小ブロック毎に直交変換や量子化
などの中間処理を施したものに、ランレングス圧縮処理
を施し、さらにエントロピー符号化を施している。
【0003】また、前若しくは後画像との差分を取り、
その差分値に前記中間処理を施すると共に、その差分値
の圧縮符号に対して逆中間処理(逆量子化や逆直交変
換)を施して元の差分値に戻し、前若しくは後画像との
加算を行なうことによって現画像を予測している。つま
り、MPEGなどでのP(Predictive coded)ピクチャ
又はB(Bidirectionally Predictive coded)ピクチャ
の採用により、画像データ同士の差分を取ることによっ
てデータ量を激減させるという利点がある。この差分デ
ータを予測画像データブロックとしてランレングス圧縮
処理を行い、次いでエントロピー符号化処理を行うこと
によって画像の持つ情報、すなわちエントロピーを削減
することができるのである。
【0004】このような処理を実行可能な従来の画像圧
縮装置101の概略構成を図7のブロック図に示す。こ
の画像圧縮装置101は、画像データブロック入力部2
0と、差分器などで構成される予測処理部30と、中間
処理部40と、ランレングス圧縮処理部50と、逆中間
処理部60と、加算器などで構成される逆予測処理部7
0と、遅延メモリ80と、エントロピー符号化処理部9
0とを備えている。
【0005】中間処理部40としては、一般的に画像圧
縮では離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine
Transform)などの直交変換と量子化を行う場合が多
い。DCTは、予測処理部30からの画像差分データが
例えばMPEG規格における輝度信号の場合、1つのマ
クロブロックを4つに分割し、縦横8画素の領域に対し
てDCTを行う。DCTの結果は、やはり8×8の行列
に係数が並ぶが、この係数をある規則に従って並べ替え
ると、周波数成分の順に係数を並べることができる。こ
のときの画像データの特徴として、低周波成分の信号が
大きく高周波成分の信号は小さいので、周波数成分の順
に並べた場合には、はじめのいくつかの係数に大きな値
があり、だんだんと小さい値が続くようにデータが並ぶ
ことになる。ただし変換符号化ではデータに偏りを持た
せるだけでデータ量の削減はできない。そこで、このデ
ータに対して量子化、ランレングス圧縮処理及びエント
ロピー符号化処理を行い、データ量の削減を行う。
【0006】量子化はデータの精度を落とすもので、具
体的には量子化ステップ値で各係数を割り、その商を係
数とする。これにより小さな値の係数は0になり、値の
ある係数を削減することができる。一般的に画像データ
を周波数成分に分割すると、低周波側の値は大きく、高
周波側の値は小さくなる。したがって、量子化によって
特に高周波側の係数が0になる場合が多くなり、量子化
は結果的に高周波成分のカットによるデータ量の削減と
いう意味合いを持つ。
【0007】このように直交変換と量子化によりデータ
に偏りができ、値が0となる係数も多くなるので、この
係数に対してランレングス圧縮処理を施す。ランレング
ス圧縮処理は、係数の列の中に0値の係数(ゼロ係数)
が多く存在し、時々値を持つ係数(非ゼロ係数)がある
場合に有効であり、ゼロ係数の継続個数ラン(RUN )
と、それに続く非ゼロ係数の値(LEVEL )の組み合わせ
で表現するものである。前記量子化の結果では特に高周
波成分にゼロ係数が多くなるので、ランレングス圧縮処
理を施した係数の組は、それ自体でDCTの出力よりも
少ない係数になる場合が多い。
【0008】ランレングス圧縮処理で係数の削減をした
後は、それぞれの係数の組のビット数を可変長コードに
よって圧縮するエントロピー符号化処理を実行する。可
変長コードは、出現頻度の多いデータに対して短いビッ
ト列を割り当て、出現頻度の少ないデータに対して長い
ビット列を割り当てることで、全体としてのビット量を
削減するものであり、MPEG規格においては、データ
とビット列との対応はあらかじめ規定されている。MP
EGで規定されている可変長コードでは、比較的小さい
値(LEVEL )の場合に短いビット列が割り当てられてい
るので、係数が小さい値ばかりならば、短いビット列が
割り当てられる場合が多くなり、全体のデータ量を削減
することができる。また、係数が大きい場合は、全体の
データ量が増大することになる。
【0009】次に、図8のフローチャートを参照して上
記従来の画像圧縮装置101の実行する圧縮処理の概要
を説明する。処理が開始されると、まず画像データブロ
ック入力部20から原画像データブロックが入力される
(ステップS201)。次に、予測処理部30では、遅
延メモリ80から取り出した画像データブロックと原画
像データブロックとの差分を取ることによって予測を行
い、この差分を予測画像データブロックとする(ステッ
プS202)。これに中間処理部40での中間処理を施
し(ステップS203)、ランレングス圧縮処理部50
では、データ中の連続する0の個数をカウントし、0を
超える数値(これを「有効係数」と呼ぶ)が現れたらそ
れらを一組とし(ステップS204)、エントロピー符
号化処理部90において、その一組ずつに対し符号を割
り当てる(ステップS205)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来装置では、予測を行った画像データブロックのみをラ
ンレングス圧縮してエントロピー符号化するだけであ
り、符号化処理後の符号量については、予測を行った画
像データブロックよりも予測を行わなかった画像データ
ブロックの方が符号量が少ない場合がありえる。それを
調べるためには、予測を行わなかった画像データブロッ
クについても一連の処理を行い、符号化処理結果から符
号量を求めて、両者の大小の比較をする必要がある。こ
のように両方の符号化処理の結果より符号量の小さい方
を採用する手順を踏む必要があり、全体としての処理負
担が大きくなってしまうという問題点があった。
【0011】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、予測を行った画像データブロッ
クと予測を行わなかった画像データブロックの両者の符
号化処理を行わなくても発生符号量の少ない方を判定
し、その少ない方についてのみ符号化処理を行なうこと
で圧縮率を向上可能な画像圧縮装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】この目的
を達成するためになされた請求項1記載の発明は、所定
のブロック単位の画像データに対してランレングス圧縮
処理を施し、その処理結果に対してエントロピー符号化
を施すことによって画像圧縮を実行すると共に、前若し
くは後画像データとの差分を取り、その差分値に対して
圧縮符号化を行う予測処理が可能な画像圧縮方法であっ
て、前記予測処理を施した画像圧縮と予測処理を施さな
い画像圧縮とを任意に切り替えて実行可能であると共
に、前記予測処理を施した場合のランレングス圧縮処理
の結果である第1の処理結果及び前記予測処理を施さな
い場合のランレングス圧縮処理の結果である第2の処理
結果を一時的に記憶可能であり、前記第1の処理結果中
の有効係数に基づき、前記エントロピー符号化を施した
後の符号量が第1の所定の条件を満たしているかどうか
を推定判断し、条件を満たしていれば、前記第1の処理
結果を前記エントロピー符号化の対象とし、前記第1の
処理結果が前記第1の所定条件を満たしていないとされ
た場合には、さらに、前記第2の処理結果が第2の所定
条件を満たしているかどうかを判断し、当該第2の所定
条件を満たしていれば前記第2の処理結果を前記エント
ロピー符号化の対象とする一方、前記第2の処理結果が
前記第2の所定条件を満たしていなければ、前記第1の
処理結果を前記エントロピー符号化の対象とすることを
特徴とする。
【0013】本画像圧縮方法は、所定のブロック単位の
画像データに対してランレングス圧縮処理を施し、その
処理結果に対してエントロピー符号化を施すことによっ
て画像圧縮を実行することができる。また、前若しくは
後画像データとの差分を取り、その差分値に対して圧縮
符号化を行う予測処理も可能であり、さらに予測処理を
施した画像圧縮と予測処理を施さない画像圧縮とを任意
に切り替えて実行可能である。
【0014】ここで、本画像圧縮方法によれば、予測処
理を施した場合のランレングス圧縮処理の結果である第
1の処理結果及び予測処理を施さない場合のランレング
ス圧縮処理の結果である第2の処理結果を一時的に記憶
しておくことができ、第1の処理結果中の有効係数に基
づき、エントロピー符号化を施した後の符号量が第1の
所定の条件を満たしているかどうかを推定判断し、条件
を満たしていれば、第1の処理結果をエントロピー符号
化の対象とする。
【0015】また、第1の処理結果が前記第1の所定条
件を満たしていないとされた場合には、さらに、第2の
処理結果が第2の所定条件を満たしているかどうかを判
断し、第2の所定条件を満たしていれば第2の処理結果
をエントロピー符号化の対象とする。一方、第2の処理
結果が第2の所定条件を満たしていなければ、第1の処
理結果をエントロピー符号化の対象とする。
【0016】従来の画像圧縮方法において予測を行なう
場合と行わない場合の内の符号量が少なくなる方を採用
したい場合には、両方の場合についてエントロピー符号
化処理を実行し、その結果より符号量の小さい方を採用
するという手順を踏む必要があり、全体としての処理負
担が大きくなっていた。それに対して本方法では、ラン
レングス圧縮処理までの結果に基づいて、予測を行った
場合と行わなかった場合の内の適切な方を選択し、その
選択した処理結果だけについてエントロピー符号化処理
を行なっている。エントロピー符号化処理の処理量は、
圧縮処理全体から見た場合にかなり多いので、このエン
トロピー符号化処理を重複して実行しないで済むのは処
理負担軽減の点から非常に有効である。つまり、符号量
が少なくなる方を採用するというメリットを得ることが
できながら、その処理負担を少なくすることができるの
である。
【0017】なお、「予測を行った場合と行わなかった
場合の内の適切な方を選択」する手法として、ランレン
グス圧縮処理の結果中に存在する有効係数に基づき、エ
ントロピー符号化を施した後の符号量がどのようになる
かを推定判断するようにしている。ランレングス圧縮処
理は、係数の列の中に0値の係数(ゼロ係数)が多く存
在し、時々値を持つ係数(非ゼロ係数)がある場合に有
効であり、ゼロ係数の継続個数ラン(RUN )と、それに
続く非ゼロ係数の値(LEVEL )の組み合わせで表現する
ものであるが、この値を持つ係数(非ゼロ係数)が「有
効係数」である。つまり、このような値を持つ有効係数
が多く存在したり、その絶対値が大きければ、エントロ
ピー符号化処理をした場合の生成符号量が相対的に多く
なる傾向が強いと推定される。したがって、この有効係
数に基づいて判断することにより、エントロピー符号化
処理を実際に行わなくても生成符号量の大小を適切に推
定でき、上述の「予測を行った場合と行わなかった場合
の内の適切な方を選択」することができるのである。
【0018】また、本画像圧縮方法を実現するのに有効
な画像圧縮装置としては、請求項2に示すように、所定
のブロック単位の画像データに対してランレングス圧縮
処理を施し、その処理結果に対してエントロピー符号化
を施すことによって画像圧縮を実行すると共に、前若し
くは後画像データとの差分を取り、その差分値に対して
圧縮符号化を行う予測処理が可能な画像圧縮装置であっ
て、前記予測処理を施した画像圧縮と予測処理を施さな
い画像圧縮とを任意に切り替えて実行可能に構成される
と共に、前記予測処理を施した場合のランレングス圧縮
処理の結果である第1の処理結果及び前記予測処理を施
さない場合のランレングス圧縮処理の結果である第2の
処理結果を一時的に記憶可能な記憶手段と、前記処理結
果中の有効係数に基づき、前記エントロピー符号化を施
した後の符号量が所定条件を満たしているかどうかを推
定判断する推定判断手段と、前記第1の処理結果につい
ての前記推定判断手段による判断結果が第1の所定条件
を満たしていれば、前記第1の処理結果を前記エントロ
ピー符号化の対象とし、前記第1の処理結果が前記第1
の所定条件を満たしていないとされた場合には、さら
に、前記第2の処理結果についての前記推定判断手段に
よる判断結果が第2の所定条件を満たしているかどうか
を判断し、前記第2の処理結果が前記第2の所定条件を
満たしている場合には当該第2の処理結果を前記エント
ロピー符号化の対象とする一方、前記前記第2の処理結
果が前記第2の所定条件を満たしていなければ、前記第
1の処理結果を前記エントロピー符号化の対象とする符
号化対象特定手段とを備えることを特徴とするものが考
えられる。
【0019】本画像圧縮装置における作用効果は、上述
の画像圧縮方法について説明したのを同様なのでここで
は繰り返さない。但し、上述の推定判断手段などについ
ては種々の形態が採用できるので、それを説明する。
【0020】例えば、推定判断手段は、前記有効係数を
第1の基準値と比較して当該第1の基準値よりも大きな
有効係数の個数を算出し、その算出した個数を第2の基
準値と比較して当該算出個数が第2の基準値以下である
場合に、前記所定の条件を満たしていると判断するよう
構成することも考えられる。
【0021】これは、上述したように、有効係数が多く
存在するとエントロピー符号化処理をした場合の生成符
号量が相対的に多くなる傾向が強いと推定できるという
認識に基づき、有効係数の個数が第2の基準値以下であ
れば予測処理を行った場合のランレングス圧縮処理の結
果をそのまま採用するようにしたものである。
【0022】但し、単純に有効係数の個数を算出するの
ではなく、第1の基準値よりも大きなものの個数を算出
している。つまり、有効係数が0を超える値とすると、
1や2といった相対的に小さな値であってもそのまま1
個とカウントしてしまうので、例えば5や10といった
値よりも大きなものだけをカウントするようにしている
のである。これは、エントロピー符号化処理をした場合
の生成符号量の観点から考えると、例えば50、100
あるいは200といった値の符号量は、1や2という値
に比べて相当多くなる。したがって、これらの数値の違
いを考慮せず、同じ1個の有効係数として見ると符号量
の推定誤差が大きくなるため、ある程度より小さな値は
無視するのである。この第1の基準値の設定の仕方は、
その画像の種類などによって変更設定できるようにして
おくと好ましい。もちろん、第2の基準値の設定の仕方
についても、画像種類などによって変更設定できるよう
にしておくと好ましい。
【0023】一方、推定判断手段は、前記有効係数の絶
対値の合計値を算出し、その算出した合計値を第3の基
準値と比較して当該算出合計値が第3の基準値以下であ
る場合に、前記所定の条件を満たしていると判断するよ
う構成することも考えられる。
【0024】これは、上述したように、有効係数の絶対
値が大きいとエントロピー符号化処理をした場合の生成
符号量が相対的に多くなる傾向が強いと推定できるとい
う認識に基づき、有効係数の絶対値の合計値が第3の基
準値以下であれば予測処理を行った場合のランレングス
圧縮処理の結果をそのまま採用するようにしたものであ
る。
【0025】なお、このように有効係数の絶対値の合計
値を算出して判断に用いる場合には、ランレングス圧縮
処理を施した処理結果中より所定の画像データ領域に対
応する有効係数を選択し、その選択した有効係数の絶対
値の合計値を算出するようにしてもよい。これは、合計
値を算出する対象の有効係数を所定の画像データ領域に
存在するものに絞ることで処理量を小さくしようとする
ものである。但し、合計値に加えない有効係数が出てく
るので、これを無視してもよい理由について説明する。
【0026】なお、その理由を判り易くするため、ラン
レングス圧縮処理の前に例えばDCTなどの直交変換を
施している場合を例にとる。DCTを施した場合には各
係数が周波数成分に変換される。具体的には、低周波成
分の信号が大きく、高周波成分の信号は小さいので、周
波数成分の順に並べた場合には、はじめのいくつかの係
数に大きな値があり、だんだんと小さい値が続くように
データが並ぶという特徴がある。したがって、低周波成
分側の領域の係数値には大きな値があるが、高周波成分
側の領域の係数値は、小さい値、例えば0が続くように
なる。そのため、例えば0や小さな値が続くような高周
波成分側は無視し、低周波成分側だけを計測対象として
得た合計値を画像データブロック全体の合計値とみなし
ても差し支えない。このように、合計値を算出する対象
の有効係数を所定の画像データ領域に存在するものに絞
っても、生成符号量の大小の「推定」に用いるものであ
るため特に問題なく、また、このように絞ることで処理
負担の軽減というメリットが得られる。
【0027】また、上述した有効係数の個数を用いる場
合の第1の基準値や第2の基準値と同様に、この有効係
数の合計値を用いる場合の第3の基準値や所定の画像デ
ータ領域の設定の仕方は、その画像の種類などによって
変更設定できるようにしておくと好ましい。
【0028】なお、本発明は、MPEGやH.261な
どの動画像を圧縮するための標準方式に準拠した圧縮方
法や装置に適用すると、その効果が大きいが、もちろん
JPEGなどの静止画像を圧縮するための標準方式に準
拠したものでも同様に適用可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 [第1実施形態]図1は、第1実施形態の画像圧縮装置
1のブロック図である。本画像圧縮装置1はMPEG規
格準拠の動画像圧縮装置として構成したものであり、ア
ナログの映像信号を外部から入力し、それに応じてデジ
タルコード化され、さらにデータ量の圧縮された状態で
エンコード出力するものである。
【0030】図1に示すように、本画像圧縮装置1は、
画像データブロック入力部20と、予測処理部130
と、中間処理部40と、ランレングス圧縮処理部150
と、逆中間処理部60と、逆予測処理部170と、遅延
メモリ80と、パラメータ入力部200と、メモリ21
0と、エントロピー符号化処理部90とを備えている。
この内、画像データブロック入力部20と、中間処理部
40と、逆中間処理部60と、遅延メモリ80と、エン
トロピー符号化処理部90については、上述した図7に
示す従来の画像圧縮装置101の場合と同様の構成であ
るので同じ符号を付してある。
【0031】画像データブロック入力部20は、外部か
ら画像データをブロック単位で入力するものであり、ブ
ロック単位の画像データ(M)を予測処理部130へ供
給することができる。予測処理部130は差分器などで
構成されるものであり、画像データブロック入力部20
からの入力画像データと参照画像データとの差分を取る
などして予測処理を行ない、中間処理部40へ出力す
る。但し、予測処理を行わなず画像データブロック入力
部20からの入力画像データを中間処理部40へ出力す
ることもできるように構成されている。そして、この予
測処理実行のON・OFFは、ランレングス圧縮処理部
150が指示できるようにされている。
【0032】中間処理部40は、例えばDCTなどの直
交変換と量子化を行う。DCTの場合には変換処理結果
としてn×nの行列に係数が並ぶが、この係数をある規
則に従って並べ替えると、周波数成分の順に係数を並べ
ることができる。そして、量子化によってデータの精度
を落とす。具体的には量子化ステップ値で各係数を割
り、その商を係数とする。これにより小さな値の係数は
0になり、値のある係数を削減することができる。一般
的に低周波側の値は大きく、高周波側の値は小さくな
る。したがって、量子化によって特に高周波側の係数が
0になる場合が多くなり、量子化は結果的に高周波成分
のカットによるデータ量の削減という意味合いを持つ。
【0033】このように直交変換と量子化によりデータ
に偏りができ、値が0となる係数も多くなるので、ラン
レングス圧縮処理部150にてこの係数に対してランレ
ングス圧縮処理を施す。ランレングス圧縮処理は、係数
の列の中に0値の係数(ゼロ係数)が多く存在し、時々
値を持つ係数(非ゼロ係数)がある場合に有効であり、
ゼロ係数の継続個数ラン(RUN )と、それに続く非ゼロ
係数の値(LEVEL )の組み合わせで表現するものであ
る。前記量子化の結果では特に高周波成分にゼロ係数が
多くなるので、ランレングス圧縮処理を施した係数の組
は、それ自体でDCTの出力よりも少ない係数になる場
合が多い。
【0034】ランレングス圧縮処理で係数の削減をした
後は、エントロピー符号化処理部90にて、それぞれの
係数の組のビット数を可変長コードによって圧縮するエ
ントロピー符号化処理を実行する。可変長コードは、出
現頻度の多いデータに対して短いビット列を割り当て、
出現頻度の少ないデータに対して長いビット列を割り当
てることで、全体としてのビット量を削減するものであ
り、MPEG規格においては、データとビット列との対
応はあらかじめ規定されている。MPEGで規定されて
いる可変長コードでは、比較的小さい値(LEVEL )の場
合に短いビット列が割り当てられているので、係数が小
さい値ばかりならば、短いビット列が割り当てられる場
合が多くなり、全体のデータ量を削減することができ
る。また、係数が大きい場合は、全体のデータ量が増大
することになる。
【0035】また、逆中間処理部60は、中間処理部4
0とは逆の処理を施すものであり、中間処理がDCTと
量子化であったならば、その量子化されたDCT係数デ
ータを逆量子化し、さらにその逆量子化されたDCT係
数データに対して逆DCT変換処理を行うことによって
中間処理を施す前の状態に戻す。
【0036】そして、逆予測処理部170は加算器など
から構成されており、上述の予測処理部130とは逆の
処理を行なう。つまり、逆中間処理部60によって逆中
間処理されたデータは予測処理部130から出力された
差分データであるので、これに差分を求める際に用いた
画像データを加算することで基のデータを再現する。そ
して、この基のデータを遅延メモリ80に蓄積してお
き、上述の予測処理部130における差分データを算出
する際の参照データとして用いることとなる。
【0037】なお、この逆予測処理部170は、上述の
予測処理部130が、予測処理を行わなず画像データブ
ロック入力部20からの入力画像データを中間処理部4
0へ出力することもできるように構成されているのに対
応して、逆中間処理部60からのデータに対して逆予測
処理を施さないで遅延メモリ80へ出力することもでき
るように構成されている。そして、この逆予測処理実行
のON・OFFは、やはりランレングス圧縮処理部15
0が指示できるようにされている。
【0038】また、パラメータ入力部200は、ランレ
ングス圧縮処理部150にてランレングス圧縮処理を施
したデータに対する所定の判断処理に用いる有効係数の
しきい値(A)と有効係数の個数のしきい値(B)を入
力するためのものである。この所定の判断処理の内容及
び各しきい値(A),(B)については後述する。
【0039】また、メモリ210は「記憶手段」に相当
し、ランレングス圧縮処理部150にてランレングス圧
縮処理を施した処理結果を一旦記憶しておくためのもの
である。つまり、ランレングス圧縮処理部150は、処
理を施したデータをメモリ210に一旦記憶しておき、
必要であれば、それを読み出して後段のエントロピー符
号化処理部90へ出力することができるようにされてい
る。そして、本実施形態のランレングス圧縮処理部15
0は、そのエントロピー符号化処理部90へ出力するラ
ンレングス圧縮処理結果中の有効係数に基づき、エント
ロピー符号化を施した後の符号量が所定条件を満たして
いるかどうかを推定判断する「推定判断手段」としても
機能し、さらに、予測をした場合の処理結果と予測をし
ない場合の処理結果に対して、所定条件を満たすかどう
かの判断などを行い、いずれの処理結果をエントロピー
符号化の対象とするかを特定する「符号化対象特定手
段」としても機能する。
【0040】次に、上述の構成を持つ本第1実施形態の
画像圧縮装置1において実行される圧縮処理について、
図2のフローチャートを参照して説明する。まず、最初
のステップS1にて、予測が実行可能な状態に設定す
る。具体的には、ランレングス圧縮処理部150は予測
処理部130及び逆予測処理部170のスイッチをON
にし、予測処理部130では予測処理が実行され、逆予
測処理部170では逆予測処理が実行される状態にす
る。
【0041】次のステップS2において、画像データブ
ロック入力部20からブロック単位の画像データ(M)
を入力する。そして、続くステップS3では、予測処理
部130にて予測処理を行い、さらにステップS4で
は、中間処理部40にて中間処理を行う。
【0042】これらステップS2〜S4で実行する一連
の処理は、従来装置の場合に実行する図8のステップS
201〜S203の処理と同様であるので、ここでは特
に繰り返さない。また、後述するステップS15でのエ
ントロピー符号化処理も、図8のステップS105の処
理と同様である。つまり、従来装置では、図8のステッ
プS104に示すランレングス圧縮処理は、中間処理部
40での中間処理を施したデータに対して、データ中の
連続する0の個数をカウントし、0を超える数値(有効
係数)が現れたらそれらを一組とする一般的な処理だけ
を行なうものであったが、本実施形態の場合には、これ
らに対応する処理としての図2のステップS5〜S14
の処理が行われ、この点が特徴となる。
【0043】まずステップS5では、パラメータ入力部
200から有効係数(0を超える数値)のしきい値
(A)と有効係数の個数のしきい値(B)を入力する。
そして、続くステップS6では、ランレングス圧縮処理
部150が、予測を行った画像データ(M)の中の連続
する0の個数のカウントし、有効係数が現れたらそれら
を一組とするランレングス圧縮処理を行ってメモリ21
0に一時記憶する。それと同時に、有効係数用しきい値
(A)を超える有効係数の個数(C)もカウントする。
【0044】続くステップS7では、その有効係数の個
数(C)が有効係数個数用しきい値(B)より大きいか
どうかを判断する。もしも有効係数の個数(C)が有効
係数個数用しきい値(B)以下であれば(S7:N
O)、S13へ移行して、S1〜S6の一連の処理によ
る予測を行った場合の画像データ(M)のランレングス
圧縮結果を採用する。具体的には、予測を行った画像デ
ータ(M)のランレングス圧縮結果がメモリ210に一
時記憶されているのでそれを読み出し、エントロピー符
号化処理部90へ送出する。そして、S15にて、その
ランレングス圧縮結果に対してエントロピー符号化を施
す。これで本圧縮処理を終了する。
【0045】一方、有効係数の個数(C)が有効係数個
数用しきい値(B)よりも大きければ(S7:YE
S)、ステップS8へ移行し、ステップS8〜S11に
て、予測を行わないランレングス圧縮処理を実行する。
ステップS8では、ランレングス圧縮処理部150は予
測処理部130及び逆予測処理部170のスイッチをO
FFにする。そして、ステップS9にて、画像データブ
ロック入力部20から再度画像データ(M)を入力し、
ステップS10では、予測処理を行わずに中間処理を行
う。そして、ステップS11では、ランレングス圧縮処
理部150が、予測を行わなかった画像データ(M)中
の連続する0の個数をカウントし、有効係数が現れたら
それらを一組とするランレングス圧縮処理を行ってメモ
リ210に一時記憶する。それと同時に、有効係数用し
きい値(A)を超える有効係数の個数(D)もカウント
する。
【0046】続くステップS12では、その有効係数の
個数(D)が、上述のステップS6にてカウントした予
測を行った場合の有効係数の個数(C)より大きいかど
うかを判断する。もしも、予測を行った場合の有効係数
の個数(D)が予測を行わなかった有効係数の個数
(C)よりも大きければ(S12:YES)、S13へ
移行して、予測を行った場合の画像データ(M)のラン
レングス圧縮結果を採用する。上述したように、予測を
行った画像データ(M)のランレングス圧縮結果がメモ
リ210に一時記憶されているので、それを読み出して
エントロピー符号化処理部90へ送出する。
【0047】一方、予測を行った場合の有効係数の個数
(D)が予測を行わなかった有効係数の個数(C)以下
である場合には(S12:NO)、S14へ移行して、
S80〜S11の一連の処理により予測を行なわなかっ
た場合の画像データ(M)のランレングス圧縮結果を採
用する。つまり、予測を行なわなかった画像データ
(M)のランレングス圧縮結果がメモリ210に一時記
憶されているので、それを読み出してエントロピー符号
化処理部90へ送出する。
【0048】つまり、エントロピー符号化処理部90に
て符号化処理を行う以前に、予測を行った画像データブ
ロックと予測を行わなかった画像データブロックの符号
量の大小を判定し、符号量の少ない方を採用してエント
ロピー符号化処理部90における符号化処理を実行させ
ることができる。
【0049】つまり、従来、予測を行なう場合と行わな
い場合の内の符号量が少なくなる方を採用したい場合に
は、両方の符号化処理の結果より符号量の小さい方を採
用するという手順を踏む必要があり、全体としての処理
負担が大きくなっていたが、本案によれば、符号量が少
なくなる方を採用するというメリットを得ることができ
ながら、その処理負担を少なくすることができる。そし
て、エントロピー符号化処理部90における符号化処理
は圧縮処理全体から見た場合でも、その処理量としては
かなり多いので、この符号化処理を重複して実行しない
で済むのは処理負担軽減の点から非常に有効である。 [第2実施形態]次に第2実施形態について説明する。
【0050】本第2実施形態の場合の装置構成は、図1
に示した第1実施形態の画像圧縮装置1と同様である。
但し、パラメータ入力部200からは、計測対象テーブ
ル(T)と有効係数の合計のしきい値(F)が入力され
る。これらのパラメータについては以下の動作説明中で
補足する。
【0051】次に、本第2実施形態の場合の圧縮処理に
ついて、図3のフローチャートを参照して説明する。ス
テップS101からS104は、上記第1実施形態の場
合のステップS1〜S4(図2参照)と同様である。つ
まり、予測が実行可能な状態に設定し(S101)、画
像データブロック入力部20からブロック単位の画像デ
ータ(M)を入力し(S102)、予測処理部130に
よる予測処理(S103)及び中間処理部40による中
間処理を行う(S104)。
【0052】上述の図2のフローチャートのステップS
5では有効係数のしきい値(A)と有効係数の個数のし
きい値(B)を入力していたが、このステップS104
の処理後に移行するステップS105では、パラメータ
入力部200から計測対象テーブル(T)と有効係数の
合計のしきい値(F)を入力する。
【0053】ここで計測対象テーブル(T)について説
明する。まず、本実施形態において扱う画像データにつ
いて説明すると、図4に示すように、画像データブロッ
クは64個の画素データが8行×8列のマトリックス状
に配列されたものとし、このマトリックス内での番号
は、左上から右下へ順番に1,2,3……64とする。
図4中の符号310は、画像データブロック内の画素デ
ータの位置を表わす番号である。そして、図5には計測
対象テーブル(T)の一例を示す。この計測対象テーブ
ル(T)は、画素データの位置番号1〜64毎に計測対
象となるものには「1」を、計測対象とならないものに
は「0」をそれぞれ設定したものである。この図5に示
す計測対象テーブル(T)を用いた場合の図4の画像デ
ータブロックについての計測対象画素を図6に示す。図
6中に「○」で示す画素データが計測対象であり、
「×」で示す画素データが非計測対象となる。この図6
に示す例では、左上半分程度が「○」で右下半分程度が
「×」となっている。
【0054】図3のフローチャートの説明に戻り、ステ
ップS106では、ランレングス圧縮処理部150が、
予測を行った画像データ(M)の中の連続する0の個数
のカウントし、有効係数が現れたらそれらを一組とする
ランレングス圧縮処理を行ってメモリ210に一時記憶
する。それと同時に、計測対象テーブル(T)によって
対象となった画素データ(M)の有効係数の絶対値の合
計値(G)もカウントする。
【0055】続くステップS107では、その有効係数
の絶対値の合計値(G)が有効係数の合計のしきい値
(F)より大きいかどうかを判断する。もしも有効係数
の絶対値の合計値(G)が有効係数の絶対値の合計のし
きい値(F)以下であれば(S107:NO)、S11
3へ移行して、S101〜S106の一連の処理による
予測を行った場合の画像データ(M)のランレングス圧
縮結果を採用する。具体的には、予測を行った画像デー
タ(M)のランレングス圧縮結果がメモリ210に一時
記憶されているのでそれを読み出し、エントロピー符号
化処理部90へ送出する。そして、S115にて、その
ランレングス圧縮結果に対してエントロピー符号化を施
す。これで本圧縮処理を終了する。
【0056】一方、有効係数の絶対値の合計値(G)が
有効係数の合計のしきい値(F)より大きければ(S1
07:YES)、ステップS108へ移行し、ステップ
S108〜S111にて、予測を行わないランレングス
圧縮処理を実行する。ステップS108〜S110の処
理は、上記図2のフローチャートのステップS8〜S1
0に示す第1実施形態の場合の同様であり、予測処理部
130及び逆予測処理部170のスイッチをOFFにし
(S108)、画像データブロック入力部20から再度
画像データ(M)を入力し(S109)、予測処理を行
わずに中間処理を行う(S110)。そして、ステップ
S111では、ランレングス圧縮処理部150が、予測
を行わなかった画像データ(M)中の連続する0の個数
をカウントし、有効係数が現れたらそれらを一組とする
ランレングス圧縮処理を行ってメモリ210に一時記憶
する。それと同時に、計測対象テーブル(T)によって
対象となった画素データ(M)の有効係数の絶対値の合
計値(H)もカウントする。
【0057】続くステップS112では、その有効係数
の絶対値の合計値(H)が、上述のステップS106に
てカウントした予測を行った場合の有効係数の絶対値の
合計値(G)より大きいかどうかを判断する。もしも、
予測を行った場合の有効係数の絶対値の合計値(H)
が、上述のステップS106にてカウントした予測を行
った場合の有効係数の絶対値の合計値(G)より大きけ
れば(S112:YES)、S113へ移行して、予測
を行った場合の画像データ(M)のランレングス圧縮結
果を採用する。上述したように、予測を行った画像デー
タ(M)のランレングス圧縮結果がメモリ210に一時
記憶されているので、それを読み出してエントロピー符
号化処理部90へ送出する。
【0058】一方、予測を行った場合の有効係数のの絶
対値の合計値(H)が、予測を行わなかった場合の絶対
値の合計値(G)以下である場合には(S112:N
O)、S114へ移行して、S108〜S111の一連
の処理により予測を行なわなかった場合の画像データ
(M)のランレングス圧縮結果を採用する。つまり、予
測を行なわなかった画像データ(M)のランレングス圧
縮結果がメモリ210に一時記憶されているので、それ
を読み出してエントロピー符号化処理部90へ送出す
る。
【0059】本第2実施形態においても、エントロピー
符号化処理部90にて符号化処理を行う以前に、予測を
行った画像データブロックと予測を行わなかった画像デ
ータブロックの符号量の大小を判定し、符号量の少ない
方を採用してエントロピー符号化処理部90における符
号化処理を実行させることができる。
【0060】また、本第2実施形態では、ステップS1
06やS111において、計測対象テーブル(T)によ
って対象となった画素データ(M)の有効係数の絶対値
の合計値(G)や(H)をカウントし、ステップS10
7にて合計値(G)がしきい値(F)より大きいかどう
かを判断したり、ステップS112にて合計値(H)が
(G)より大きいかどうかを判断している。そして、図
5に示す計測対象テーブル(T)を用いた場合には、図
6に示すように、左上半分程度だけが計測対象画素とな
っている。中間処理としてDCTを施した場合には、各
係数は周波数成分に変換される。
【0061】このときの画像データの特徴として、低周
波成分の信号が大きく、高周波成分の信号は小さいの
で、周波数成分の順に並べた場合には、はじめのいくつ
かの係数に大きな値があり、だんだんと小さい値が続く
ようにデータが並ぶことになる。つまり、図6において
計測対象となる領域は低周波成分側であり、この領域の
係数値には大きな値があるが、計測対象でない高周波成
分側の領域の係数値は、小さい値、例えば0が続くよう
になる。したがって、低周波成分側だけを計測対象とし
て得た合計値は、画像データブロック全体の合計値とみ
なしても差し支えない。そして、このように計測対象を
絞ることで、処理量が小さくなる。
【0062】このように、第1あるいは第2の実施形態
のいずれでも、予測を行った画像データブロックと予測
を行わなかった画像データブロックの両方をエントロピ
ー符号化して符号量を比較するまでもなく、符号化処理
を行う以前に符号量の大小を予想することで、少ない符
号量を発生させる方の画像データブロックを選択でき
る。また第1実施形態では、有効係数のしきい値(A)
と有効係数の個数のしきい値(B)、第2実施形態で
は、計測対象テーブル(T)と有効係数の合計のしきい
値(F)をそれぞれパラメータとして入力していたが、
これらのパラメータの値を変えることによって、判定を
より厳しくしたり、あるいは緩くしたりすることが自由
にできる。
【0063】以上、本発明はこのような実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲
において種々なる形態で実施し得る。例えば上記実施形
態ではMPEG規格準拠の動画像圧縮装置として構成し
た場合を説明したが、H.261などの動画像を圧縮す
るための他の標準方式に準拠してもよいし、もちろんJ
PEGなどの静止画像を圧縮するための標準方式に準拠
してもよい。但し、動画像データを扱う場合の方がより
有効であると思われる。なぜなら、動画像の場合には動
きが激しいシーンとあまりないシーンが混在しており、
動きがあまりないシーンでは予測処理を施す冗長度削減
度合が高いが、動きが激しいシーンなどでは、予測処理
を施した場合と施さない場合の冗長度削減度合が逆転す
るような場合もある。したがって、これらの状況を踏ま
えて予測処理の有無を選択するような必要性がより高い
と思われるからである。
【0064】上記実施形態においては、中間処理部40
が実行する中間処理の内容として、DCT及び量子化を
挙げたが、例えばDCTだけでも構わない。但し量子化
することによって圧縮効果は高まるので、DCTとセッ
トで用いる方が好ましい。また、DCTは直交変換の一
例であるが、直交変換としてはDCT(離散コサイン変
換)の他にも、アダマール変換、フーリエ変換、ハール
変換、KL変換など多くのものがある。但し、本実施形
態で前提としたMPEGにおいては、直交変換のうちで
最も効率のよいKL変換に近い性能を持ち、しかもハー
ド化しやすいDCTが用いられるのが一般的ではある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の画像圧縮装置のブロック図で
ある
【図2】 第1実施形態の画像圧縮装置において実行さ
れる圧縮処理を示すフローチャートである。
【図3】 第2実施形態の画像圧縮装置において実行さ
れる圧縮処理を示すフローチャートである。
【図4】 圧縮処理対象の画像データブロックを例示す
る説明図である。
【図5】 第2実施形態で用いられる計測対象テーブル
を例示する説明図である。
【図6】 第2実施形態で用いられる計測対象画素を例
示する説明図である。
【図7】 従来の画像圧縮装置の構成を示すブロック図
である。
【図8】 従来の画像圧縮装置が実行する圧縮処理を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…画像圧縮装置 20…画像データ
ブロック入力部 30…予測処理部 40…中間処理
部 50…ランレングス圧縮処理部 60…逆中間処
理部 70…逆予測処理部 80…遅延メモ
リ 90…エントロピー符号化処理部 101…画像圧縮
装置 130…予測処理部 150…ランレ
ングス圧縮処理部 170…逆予測処理部 200…パラメ
ータ入力部 210…メモリ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のブロック単位の画像データに対し
    てランレングス圧縮処理を施し、その処理結果に対して
    エントロピー符号化を施すことによって画像圧縮を実行
    すると共に、前若しくは後画像データとの差分を取り、
    その差分値に対して圧縮符号化を行う予測処理が可能な
    画像圧縮方法であって、 前記予測処理を施した画像圧縮と予測処理を施さない画
    像圧縮とを任意に切り替えて実行可能であると共に、前
    記予測処理を施した場合のランレングス圧縮処理の結果
    である第1の処理結果及び前記予測処理を施さない場合
    のランレングス圧縮処理の結果である第2の処理結果を
    一時的に記憶可能であり、 前記第1の処理結果中の有効係数に基づき、前記エント
    ロピー符号化を施した後の符号量が第1の所定の条件を
    満たしているかどうかを推定判断し、条件を満たしてい
    れば、前記第1の処理結果を前記エントロピー符号化の
    対象とし、 前記第1の処理結果が前記第1の所定条件を満たしてい
    ないとされた場合には、さらに、前記第2の処理結果が
    第2の所定条件を満たしているかどうかを判断し、当該
    第2の所定条件を満たしていれば前記第2の処理結果を
    前記エントロピー符号化の対象とする一方、前記第2の
    処理結果が前記第2の所定条件を満たしていなければ、
    前記第1の処理結果を前記エントロピー符号化の対象と
    することを特徴とする画像圧縮方法。
  2. 【請求項2】 所定のブロック単位の画像データに対し
    てランレングス圧縮処理を施し、その処理結果に対して
    エントロピー符号化を施すことによって画像圧縮を実行
    すると共に、前若しくは後画像データとの差分を取り、
    その差分値に対して圧縮符号化を行う予測処理が可能な
    画像圧縮装置であって、 前記予測処理を施した画像圧縮と予測処理を施さない画
    像圧縮とを任意に切り替えて実行可能に構成されると共
    に、 前記予測処理を施した場合のランレングス圧縮処理の結
    果である第1の処理結果及び前記予測処理を施さない場
    合のランレングス圧縮処理の結果である第2の処理結果
    を一時的に記憶可能な記憶手段と、 前記処理結果中の有効係数に基づき、前記エントロピー
    符号化を施した後の符号量が所定条件を満たしているか
    どうかを推定判断する推定判断手段と、 前記第1の処理結果についての前記推定判断手段による
    判断結果が第1の所定条件を満たしていれば、前記第1
    の処理結果を前記エントロピー符号化の対象とし、前記
    第1の処理結果が前記第1の所定条件を満たしていない
    とされた場合には、さらに、前記第2の処理結果につい
    ての前記推定判断手段による判断結果が第2の所定条件
    を満たしているかどうかを判断し、前記第2の処理結果
    が前記第2の所定条件を満たしている場合には当該第2
    の処理結果を前記エントロピー符号化の対象とする一
    方、前記前記第2の処理結果が前記第2の所定条件を満
    たしていなければ、前記第1の処理結果を前記エントロ
    ピー符号化の対象とする符号化対象特定手段と、 を備えることを特徴とする画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 前記推定判断手段は、前記有効係数を第
    1の基準値と比較して当該第1の基準値よりも大きな有
    効係数の個数を算出し、その算出した個数を第2の基準
    値と比較して当該算出個数が第2の基準値以下である場
    合に、前記所定の条件を満たしていると判断するよう構
    成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像圧
    縮装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び/又は第2の基準値は変更
    設定可能に構成されていることを特徴とする請求項3に
    記載の画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 前記推定判断手段は、前記有効係数の絶
    対値の合計値を算出し、その算出した合計値を第3の基
    準値と比較して当該算出合計値が第3の基準値以下であ
    る場合に、前記所定の条件を満たしていると判断するよ
    う構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画
    像圧縮装置。
  6. 【請求項6】 前記推定判断手段は、前記ランレングス
    圧縮処理を施した処理結果中より所定の画像データ領域
    に対応する有効係数を選択し、その選択した有効係数の
    絶対値の合計値を算出するよう構成されていることを特
    徴とする請求項2に記載の画像圧縮装置。
  7. 【請求項7】 前記第3の基準値及び/又は前記所定の
    画像データ領域は変更設定可能に構成されていることを
    特徴とする請求項6に記載の画像圧縮装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8238437B2 (en) 2007-09-20 2012-08-07 Canon Kabushiki Kaisha Image encoding apparatus, image decoding apparatus, and control method therefor
JP2015170932A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 株式会社リコー 画像圧縮装置及び画像圧縮方法

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