JPH1025569A - スパッタ装置 - Google Patents

スパッタ装置

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Publication number
JPH1025569A
JPH1025569A JP18194296A JP18194296A JPH1025569A JP H1025569 A JPH1025569 A JP H1025569A JP 18194296 A JP18194296 A JP 18194296A JP 18194296 A JP18194296 A JP 18194296A JP H1025569 A JPH1025569 A JP H1025569A
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JP
Japan
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film
deposition
substrate
sputtering
preventing plate
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Application number
JP18194296A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Shimizu
佳昌 清水
Masaki Ejima
正毅 江島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication of JPH1025569A publication Critical patent/JPH1025569A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】基板とターゲットが静止対向状態に設置された
スパッタ装置を使用して長時間スパッタを行い防着板に
分厚い膜が付着した場合や、非金属物質のような硬い成
膜物質をスパッタする場合でも、防着板から膜が剥離す
ることがなく、それが原因で発生する基板上の膜のピン
ホールやスパッタの異常放電を抑制でき、歩留まりの向
上に効果のあるスパッタ装置を提供する。 【解決手段】基板とターゲットが静止対向状態に設置さ
れたスパッタ装置で成膜物質をスパッタする際に、基板
の周囲でかつターゲット側に配置される防着板の表面粗
さがRa で12.0μm以上 200以下μmに設定されている
ことを特徴とするスパッタ装置で、成膜物質が非金属物
質、即ちSiN、SiC、SiO 及びZnS の内から選択される単体
または2種以上4種以下の混合物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的大面積に均
一なスパッタ膜を効率よく形成できることから、半導体
製造工程のウエハ処理や光ディスクの成膜等に幅広く使
用される、特に基板とターゲットが静止対向状態に設置
されたスパッタ装置の防着板に関する。
【0002】
【従来の技術】基板がターゲットに対して連続的或は間
欠的に移動する従来の大型のスパッタ装置を使用すれ
ば、長時間のスパッタでも、カソードを防着板で囲まな
いために成膜物質は成膜室全体に広がり、防着板には非
常に薄く堆積するだけなので、防着板には薄い膜しか形
成されない。そのため、防着板に通常の軽いサンドブラ
スト処理を施せば、膜は防着板によく付着し、殆ど剥離
しない。しかし、最近は、スパッタ装置の小型化や、処
理能力の向上、ターゲットの利用効率向上等のために、
基板とターゲットが静止対向状態に配置されたスパッタ
装置が多く使用されるようになった。基板とターゲット
が静止対向状態に設置されると、基板の周囲の防着板上
にも成膜物質が多く堆積し、その分厚い膜は防着板との
付着強度が弱く容易に剥離してしまう。特に、長時間ス
パッタすると、防着板上に堆積する成膜物質も多くな
り、膜が剥離し易くなるので、時間の経過に伴って異常
放電の回数も増える傾向にある。そのため、防着板から
膜が剥離する現象が現れる前に、運転を中止して防着板
を取り外し、サンドブラスト処理を施したり、膜の材質
によっては酸洗いで膜を剥し、サンドブラストで凹凸処
理を施す等のメンテナンスが必要となり、製品の歩留ま
りや作業効率を低下させる原因となっていた。
【0003】また、成膜物質が比較的柔らかいAlやFe等
の金属類の場合は、形成される膜は防着板によく熔着
し、防着板の表面が平滑であっても周囲の膜との接着力
が強いので、通常の軽いサンドブラスト処理を施せば殆
ど剥離することはない。しかし、Si3N4 等の非金属物
質、特にセラミック材料は硬く防着板に熔着することは
ないので、防着板との熱膨張率の差、昇温や降温時の熱
衝撃、さらには真空チャンバーを大気開放したときに成
膜物質中に取り込まれる大気中の水分等が原因で、膜が
割れ防着板から剥離し易い。膜が剥離すると、それと共
に発生する微少なごみが原因で、基板上に生成した膜に
ピンホールを発生させ製品の歩留まりが低下する。ま
た、異常放電が発生し、電源の電圧降下が起こり基板に
生成される膜が薄くなったり、電源から供給される電流
が急激に増加することにより電源に致命的なダメージを
与える。そこで、防着板からの膜の剥離を防止する方法
として、防着板表面に低融点金属を熔射処理、サンドブ
ラスト処理、表面を凹凸に加工した銅板を貼りつける等
の対策が提案された。しかし、基板とターゲットが静止
対向状態にあるスパッタ装置を使用して長時間スパッタ
リングを行い、防着板に分厚い膜が付着した場合や、非
金属のような硬い成膜物質をスパッタリングする場合
は、依然として膜が剥離することがあったが、膜が剥離
しない条件については十分に検討されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑み、基板とターゲットが静止対向状態に設置された
スパッタ装置を使用して長時間スパッタを行い防着板に
分厚い膜が付着した場合や、非金属物質のような硬い成
膜物質をスパッタする場合でも、防着板から膜が剥離す
ることがなく、それが原因で発生する基板上の膜のピン
ホールやスパッタの異常放電を抑制でき、歩留まりの向
上に効果のあるスパッタ装置を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、防着板の表面処理について鋭意検討し
た結果、防着板の表面粗さに着目し、諸条件を確立して
本発明を完成させた。本発明は、基板とターゲットが静
止対向状態に設置されたスパッタ装置で成膜物質をスパ
ッタする際に、基板の周囲でかつターゲット側に配置さ
れる防着板の表面粗さがRa で12.0μm以上 200以下μ
mに設定されていることを特徴とするスパッタ装置で、
成膜物質が非金属物質、すなわち、SiN、SiC、SiO 及びZn
S の内から選択される単体または2種以上4種以下の混
合物であること、を要旨とする。本発明の作用は、防着
板の表面粗さRa を12.0μm 以上 200μm 以下に設定す
れば、粗面化により膜の平面的な繋がりが絶たれ、防着
板と膜との熱膨張率の差による応力が分散されるため
に、長時間スパッタリングの後でも剥離しにくくなって
いると推測される。このように防着板からの膜の剥離を
防止できるので、膜の剥離が原因で発生する成膜物のピ
ンホールやスパッタの異常放電を抑制でき、その結果、
長時間連続でスパッタしたときの製品の歩留まりや作業
効率の向上に効果があること及び非金属物質を成膜物質
として有効に使用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本発明が適用されるスパッ
タ装置は二種類あり、基本的には図1(内外マスクを装
着していない)に示したバッチ方式スパッタ装置であっ
て、基板1とターゲット2は静止対向状態に配置され、
カソード3、ターゲット2を内包する円筒状防着板18及
び基板1を装着した円環状防着板4から構成されてお
り、真空チャンバー6内を真空ポンプ8で排気した後、
スパッタガス導入口7からスパッタガスを導入し、カソ
ード上のターゲットをスパッタリングし基板上に成膜物
質を堆積させる構造になっている。図2(a)(b)は
円環状防着板4の拡大図で、内径は基板1の外径よりや
や小さく、基板外縁に非スパッタ部を設け、かつ基板を
保持するようになっている。
【0007】大量生産型のインライン方式スパッタ装置
は図3正面図、図4側面図及び図5スパッタ部詳細図に
示したように、カセット15に搭載された複数のディスク
基板1は、ロードロック室(図示せず)、ゲートバルブ
14a を経由して成膜真空チャンバ6内に搬入され、基板
昇降ローダ駆動機構17の基板昇降ローダ16によりカセッ
ト15底部から突き上げられ、内マスク10と外マスク9を
電磁石で吸脱着するマスク着脱機構13の高さに到達す
る。ここで、マスク着脱機構13が前進して、ディスク基
板1を基板ホールダ5に移し換え、ディスク基板1上に
内マスク10と外マスク9を取り付ける。次にマスク着脱
機構13を後退させると、アーム円板11が矢印の方向へ72
度づつ順次ステップ回転し、ディスク基板1は各スパッ
タ部21a、21b、21c 及び21d で停止して、誘電体膜、記録
膜、誘電体膜、反射膜の4層膜がスパッタ成膜され、4
層成膜ディスク1はさらに72度回転して基板着脱部20
で、内外マスク10、 9がマスク着脱機構13の電磁石で吸
着されて取り外され、基板昇降ローダ16により下降し、
カセット15に収納される。また、取り外された内外マス
ク10、 9は次のディスク基板1に取り付けられて繰り返
し使用される。4層成膜ディスク1を収納したカセット
15はゲートバルブ14b 及びアンロードロック室(図示せ
ず)を経由して大気中に搬出される。成膜真空チャンバ
6はスパッタ成膜時以外は、真空ポンプにより常時1×
10-4Torr以下に保持されている。スパッタ成膜時にはス
パッタガス導入口7からスパッタガスを導入し、カソー
ド3上のターゲット2をスパッタリングし基板1上に成
膜物質を堆積させる構造になっており、防着板4は、図
5のように外マスク上面を覆う円環部と、高さを基板〜
ターゲット間距離とする円錐台形部から構成されてい
る。
【0008】防着板4の構造は、前述のようにスパッタ
装置の方式、スパッタ部の大きさ、部品の配置状態等を
考慮して最適構造を設計することになるが、基本的に
は、基板外縁又は外マスク表面を覆う円環部と、基板〜
ターゲット間距離または基板〜カソード取付面間距離を
高さとし、かつターゲット外径よりやや大きい内径を有
する円筒部から構成されたものとすれば良い。材質は鋼
板、ステンレス板、アルミ板等が用いられ、板厚は0.5
〜1mm程度で良い。基板とターゲット間の距離は40〜80
mmの範囲が好ましく、40mm未満では以上放電が発生し易
く、80mmを越えると成膜速度が遅くなる。
【0009】本発明者等は、長時間のスパッタや非金属
を成膜する際に、防着板の表面を粗面化すれば成膜物質
の堆積が減少し防着板から膜が剥離しにくくなると考え
た。そこで、Al熔射処理、防着板の表面に高圧のエアー
で砥粒を吹き付けるサンドブラスト処理、防着板の表面
に直接SiO2を無電解めっきで付着させる方法、銅等の柔
らかい金属板の表面を1mmメッシュ程度にプレスして凹
凸化処理し更にその上を薬品等で腐食する方法等の種々
の方法で粗面化を施した防着板を用いて長時間のスパッ
タを行ない膜の剥離状況を調べた。その結果、防着板の
材質、粗面化の表面処理の方法に関わらず、防着板の表
面粗さRa (中心線表面粗さ)が12.0μm 以上 200μm
以下、好ましくは12.0μm以上 100μm 以下に設定され
ていれば、付着した膜の剥離を完全に防止できることを
見出した。12.0μm 未満では面が平滑過ぎて堆積した膜
同士が一体化して応力が集中し易く、剥離し易くなり、
200μm を超えると粗面化加工の過程及びスパッタの途
中で、防着板に局部的な反りが発生し易くなり、成膜の
途中で基板または外マスクと防着板との距離が変化する
ことがある。その結果、基板または外マスクと防着板の
間に隙間ができ、成膜物質が真空チャンバに回り込み、
チャンバの壁面を汚染することになる。また、粗面上に
堆積した膜は一体化しないで粒状になり易く、応力が分
散されて剥離の原因となる。
【0010】防着板の表面粗さについては、Ra (中心
線表面粗さ)以外の表現では、Rms(二乗平均平方根粗
さ)で15μm 以上、またはRmax (最大高さ)で80μm
以上に設定するのが望ましいが、剥離試験結果との相関
性を考慮してRa を採用した。防着板の粗面化範囲は、
前述したように防着板の設計要因によって変化するが、
基本的には、基板の周囲でかつターゲット側に配置され
る防着板、即ち基板外縁又は外マスク表面を覆う円環部
表面と、基板〜ターゲット間距離を高さとし、かつター
ゲット外径よりやや大きい内径を有する円筒部内面とす
れば良い。また、この円筒部はターゲット径と基板径と
の比によっては円錐台形(図5参照)を採用しても良
い。
【0011】防着板の粗面化方法としては、(1)Al熔
射処理、(2)サンドブラスト処理、(3)表面腐食処
理、および(4)SiO2無電解めっき処理の4種類を試験
し、(1)及び(2)を採用した。 (1)Al熔射処理は、高温の火炎バーナーの中に、不活
性ガスに混入したアルミ粉末を吹き込み、防着板の表面
に吹き付けて付着させた。使用したアルミ粉末の平均粒
度を0.1 〜30μm の範囲で変えて、種々の面粗さの防着
板を作製した。 (2)サンドブラスト処理は、#24のカーボン砥粒を用
い、0.2 〜5kg/cm2の空気圧力で防着板に直接砥粒を吹
き付けて粗面化した。 (3)表面腐食処理は、厚さ0.3mmtの銅板の表面を、1
mmのメッシュにプレスして凹凸化した後、その表面を塩
酸で腐食し、純水で洗浄して表面処理したパーティクル
ゲッター(ジャパンエナジー社製商品名)を防着板の表
面にビス止めして使用したが、表面粗さ測定において、
表面粗さとうねりの成分が分離できず、測定不能であっ
た。 (4)SiO2無電解めっき処理は、SiO2粉末を無電解金属
メッキ処理浴中で防着板表面に付着させるもので、セラ
メッキ処理(ディップソール社製商品名)した防着板を
使用した。
【0012】本発明が適用されるスパッタ膜の成分は、
非金属、具体的にはSiN、SiC、SiO 及びZnS の各単体、ま
たはこれらから選択される2種以上4種以下の混合物で
ある。ここでSiN のバルク(塊)状態または粉末状態の
ものは、Si3N4 の微結晶の集合体で安定な相状態であ
る。これに対し、光ディスクの保護膜に利用されるスパ
ッタ膜は非晶質(アモルファス、ガラス状)で、スパッ
タガスの組成比によりSi:Nの比率も変化するのでSiNx(x
は実数) で表され、通常はSiNx、SiN、 またはa-SiN(アモルフ
ァス窒化珪素) で表示される。また、SiO2もSi3N4 と同じ
く、SiOx、SiOa-SiOで表される。混合物の具体例には、
相変化書き換え型の光ディスクに採用されるSiO とZnS
との混合体がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例と比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。図2に示したようなAl板で作製した
外径 300mmφ、内径96mmφ、厚み5mmt のドーナッツ状
防着板を用意した。この防着板の表面を、(1)Al熔射
処理、(2)サンドブラスト処理、(3)SiO2無電解め
っき処理、および(4)表面腐食処理の4種類により粗
面化した。 (1)Al熔射処理は、高温の火炎バーナーの中に、不活
性ガスに混入したアルミ粉末を吹き込み、防着板の表面
に吹き付けて付着させた。使用したアルミ粉末の平均粒
度を0.1 〜30μm の範囲で変えて、種々の面粗さの防着
板を作製した。 (2)サンドブラスト処理は、#24のカーボン砥粒を用
い、0.2 〜5kg/cm2の空気圧力で防着板に直接砥粒を吹
き付けて粗面化した。 (3)SiO2無電解めっき処理は、SiO2粉末を無電解金属
メッキ処理浴中で防着板表面に付着させるもので、セラ
メッキ処理(ディップソール社製商品名)した防着板を
使用した。 (4)表面腐食処理は、厚さ0.3mmtの銅板の表面を、1
mmのメッシュにプレスして凹凸化した後、その表面を塩
酸で腐食し、純水で洗浄して表面処理したパーティクル
ゲッター(ジャパンエナジー社製商品名)を防着板の表
面にビス止めして使用した。
【0014】(5)表面粗さの測定方法 これらの防着板の表面粗さを触針式の表面粗さ測定装置
(米国SLOAN 社製:DEKTAK8000)を使用して以下の条件
で測定した。 走査距離:2.5mm 、走査速度:50μm /秒、針の半径:
12.5μmR、針圧:10mg 表面粗さRa (中心線表面粗さ)、Rms(二乗平均平方
根粗さ)、Rmax (最大高さ)は、2箇所における測定
値に20%以上の差がないことを確認した後の平均値であ
る。ただし、前記(4)の表面腐食処理による試料につ
いては、表面粗さとうねりの成分が分離できず測定でき
なかった。前記各表面処理(1)〜(4)を施した防着
板の表面粗さの測定結果を表1に示す。
【0015】(6)防着板の堆積膜剥離試験 次に、粗面化した防着板4を基板1の外マスク8に密着
させ、図1に示す基板1とターゲット2が静止対向状態
で設置されたバッチ方式スパッタ装置を使用して、防着
板の堆積膜剥離試験を行なった。ターゲット2には6”
φ−5mmt を使用し、基板とターゲット間の距離を40mm
として、以下の条件で、投入電力量が20kWH(6kW × 3.3
Hr) 、40kWH(6kW ×6.6Hr)、80kWH(6kW×13.3Hr)、150kWH
(6kW×25Hr) の長時間スパッタを行った。 スパッタガス:Ar及びN2(SiN の成膜には、反応性スパ
ッタ用にN2も用いた) ターゲット :Si(単結晶)、SiC、SiN、SiO、ZnS (焼結
体)、Al(金属)、 電源 :Si、AlのみDC、他はRF(高周波-13.56MH
z )、 成膜出力 :6kW、 成膜圧力:10mTorr その後、それぞれの真空チャンバー7を大気開放し、防
着板に付着した膜の剥離状況を調べ、剥離していない場
合には継続して成膜実験を行なった。膜の剥離状況は以
下の基準で目視で判断し表2に示した。 ◎:全く剥離しない、○:一部剥離した、×:10%以上
の面積で剥離した。
【0016】(実施例1)Al熔射処理により表面粗さR
a を13.1μm とした厚さ5mmの防着板を用い、ターゲッ
トとしてSi、スパッタガスとしてAr及びN2ガスを使用
し、長時間連続反応性スパッタによりSiN を成膜した。
防着板の表面粗さを表1に、膜の剥離状況を表2に示
す。投入電力を150kWHとして長時間スパッタをしても膜
の剥離は見られなかった。さらに、ターゲットをSiC 、
SiO2、ZnS と変えて膜の剥離状況を調べたが、結果は表
2に示すようにSiN 膜の場合と同様になり、全く剥離し
なかった。また、Alを成膜したときは、膜の剥離は全く
発生していなかった。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】(実施例2)防着板の表面にサンドブラス
ト処理を施し表面粗さRa が15.0μm の防着板を使用し
た以外は実施例1と同条件でスパッタした。投入電力を
150kWHとしても膜の剥離はみられなかった。防着板の表
面粗さを表1に、膜の剥離状況を表2に併記する。さら
に、ターゲットをSiC 、SiO2、ZnS と変えて膜の剥離状
況を調べたが、結果は表2に示すようにSiN 膜の場合と
同様になり、全く剥離しなかった。また、Alを成膜した
ときは、膜の剥離は全く発生していなかった。
【0020】(実施例3)SiN、SiC、SiO 及びZnS から選
択される2〜3種の粉末の混合物を焼結したものをター
ゲットに用い、RF電源でArとO2或はArとN2との混合ガス
雰囲気中でスパッタして混合膜を成膜した以外は実施例
2と同条件で150KWHまで長時間連続成膜を行ったが、何
れの混合膜においても膜の剥離は見られなかった。防着
板の表面粗さを表1に、膜の剥離状況を表3に併記す
る。
【0021】
【表3】
【0022】(比較例1)Al 溶射処理を施し表面粗さ
Ra が11.2μm の防着板を使用した以外は実施例1と同
条件でスパッタした。40kWH 以下の成膜の初期段階では
膜の剥離はなかったが、80kWH 以上では剥離したものが
あった。防着板の表面粗さを表1に、膜の剥離状況を表
2に併記する。さらに、ターゲットをSiC 、SiO2、ZnS
と変えて膜の剥離状況を調べたが、結果は表2に示すよ
うにSiN 膜の場合より高電力量で剥離し易くなった。た
だし、Alを成膜したときは、膜の剥離は全く発生してい
なかった。
【0023】(比較例2)防着板の表面にサンドブラス
ト処理を施し表面粗さRa が9.48μm、6.92μm 及び3.63
μm の防着板を使用した以外は実施例1と同条件でスパ
ッタした。投入電力が40kWH を超えると膜の剥離が一部
にみられた。また、Ra が6.92μm の防着板の場合は投
入電力が20kWH を超えると一部に膜の剥離がみられ、R
a が3.63μm の防着板の場合は投入電力が20kWH の時も
膜の剥離がみられた。防着板の表面粗さを表1に、膜の
剥離状況を表2に示す。さらに、ターゲットをSiC 、Si
O2、ZnS と変えて膜の剥離状況を調べたが、結果は表2
に示すように投入電力量の傾向も、表面粗さの傾向もSi
N 膜の場合と同様であった。ただし、Alを成膜したとき
は、膜の剥離は全く発生していなかった。
【0024】(比較例3)防着板に直接SiO2を無電解メ
ッキで付着させ表面粗さRa が3.07μm の防着板を使用
した場合は、投入電力が20kWH を超えると膜の剥離がみ
られた。防着板の表面粗さを表1に、膜の剥離状況を表
2に示す。さらに、ターゲットをSiC 、SiO2、ZnS と変
えて膜の剥離状況を調べたが、結果は表2に示すように
SiN 膜の場合と同様に全て剥離してしまった。ただし、
Alを成膜したときは、全く膜の剥離は発生していなかっ
た。
【0025】(比較例4)防着板の表面に厚さが約0.5m
m の銅板に1mmメッシュで凹凸化処理を施し、さらにそ
の表面を薬品で粗らしたものを貼りつけた場合は、表面
粗さとうねりの成分が分離出来ず表面粗さを特定できな
かった。また、板の厚さが0.3mm と薄かったため、堆積
した膜が厚くなると板が反り、その応力によって付着し
た膜は容易に剥離してしまった。防着板の表面粗さを表
1に、膜の剥離状況を表2に示す。さらに、ターゲット
をSiC 、SiO2、ZnS と変えて膜の剥離状況を調べたが、
結果は表2に示すようにSiN 膜の場合と同様になり、全
く剥離しなかったのは20KWHの場合だけであった。ただ
し、Alを成膜したときは、全く膜の剥離は発生していな
かった。
【0026】この結果から、基板とターゲットを静止対
向状態に保持したスパッタ装置を使用して長時間成膜を
行っても、防着板に付着した膜が剥離しないのは、防着
板の表面粗さが、Ra で12.0μm 以上に設定されている
時であることが解った。実施例では150kWHまでの長時間
放電試験を行なったが、これは6”φ- 5mmt厚のター
ゲットでは、ほぼ限界まで使い切るほどの使用量であ
る。即ち、防着板の表面粗さをRa で12.0μm 以上に設
定することで、ターゲットの寿命限界まで膜の剥離は発
生せず、それに伴うピンホールや異常放電の発生も防止
できることが解った。
【0027】
【発明の効果】本発明により、基板とターゲットが静止
対向状態に保持されたスパッタ装置の防着板の表面粗さ
をRa で12.0μm 以上 200μm 以下に設定することで、
膜の剥離を防止でき、それに伴う成膜物のピンホールや
スパッタの異常放電を抑制できる。その結果、長時間連
続でスパッタ成膜したときの製品の歩留まりの向上に効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッチ方式スパッタ装置の縦断面説明図であ
る。
【図2】本発明で使用する防着板の一例を示す円環状防
着板の図面である。 (a)正面図、 (b)断面図。
【図3】インライン方式スパッタ装置の正面説明図であ
る。
【図4】インライン方式スパッタ装置の縦断面説明図で
ある。
【図5】インライン方式スパッタ装置スパッタ部の縦断
面説明図である。
【符号の説明】
1 ディスク基板、成膜ディスク、 2 ターゲ
ット 3 カソード、 4 防着板 5 基板ホルダ、 6 成膜真
空チャンバ 7 スパッタガス導入口、 8 真空ポ
ンプ 9 外マスク、 10 内マス
ク 11 アーム円板、 12 アーム
円板回転モータ 13 マスク着脱機構、 14a、14b
ゲートバルブ 15 カセット、 16 基板昇
降ローダ 17 基板昇降ローダ駆動機構、 18 円筒状
防着板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板とターゲットが静止対向状態に設置さ
    れたスパッタ装置を使用して成膜物質をスパッタする際
    に、基板の周囲でかつターゲット側に配置される防着板
    の表面粗さがRa で12.0μm以上 200μm以下に設定さ
    れていることを特徴とするスパッタ装置。
  2. 【請求項2】成膜物質が非金属である請求項1に記載の
    スパッタ装置。
  3. 【請求項3】非金属が、SiN、SiC、SiO 及びZnS の内から
    選択される単体または2種以上4種以下の混合物である
    請求項1または請求項2に記載のスパッタ装置。
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