JPH10252001A - 軌道支持体、不陸吸収部材、不陸吸収工法、及び軌道支持体敷設工法 - Google Patents

軌道支持体、不陸吸収部材、不陸吸収工法、及び軌道支持体敷設工法

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JPH10252001A
JPH10252001A JP7887997A JP7887997A JPH10252001A JP H10252001 A JPH10252001 A JP H10252001A JP 7887997 A JP7887997 A JP 7887997A JP 7887997 A JP7887997 A JP 7887997A JP H10252001 A JPH10252001 A JP H10252001A
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track
sleeper
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roadbed
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Yukinori Hansaka
征則 半坂
Naoyuki Yaguchi
直幸 矢口
Naoto Mifune
直人 御船
Kenichi Takao
賢一 高尾
Takaharu Nagafuji
敬晴 長藤
Katsutoshi Ando
勝敏 安藤
Takahiro Horiike
高広 堀池
Takashi Iwasaki
嵩 岩▲崎▼
Masamitsu Fushimi
雅光 伏見
Teiichi Shimizu
▲禎▼一 清水
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Railway Technical Research Institute
Mitsuboshi Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Mitsuboshi Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 敷設面の不陸を容易に吸収可能なまくらぎ、
まくらぎ等に容易に取付可能で敷設面の不陸を容易に吸
収可能な部材や工法等を提供する。 【解決手段】 まくらぎ本体11の下面に配置され、ま
くらぎ本体11の自重又はレールR,R′からの圧力に
より塑性変形して仮道床51aの上部の凹凸を吸収し、
まくらぎ本体11を仮道床51a上において平坦状態で
支持する不陸吸収部12を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、敷設面の不陸を吸
収可能なまくらぎ等の軌道支持体、軌道支持体に取り付
けて敷設面の不陸を吸収可能な不陸吸収部材、まくらぎ
等の構造物に取り付けて敷設面の不陸を吸収可能な不陸
吸収工法、及び軌道支持体の敷設面の不陸を吸収可能な
軌道支持体敷設工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道における有道床軌道は、かこ
う岩、安山岩、硬質砂岩等からなる稜角の多い砕石(バ
ラスト)を路盤上に敷設して道床を形成し、その上にま
くらぎを並設し、まくらぎ上に2本のレールを締結する
ことにより構成されていた。上記した軌道のうち、道床
は、 (1) 走行する鉄道車両からレールとまくらぎを経て
加えられる荷重を広い面積に分布させるとともに列車に
よる衝撃や振動を緩和させて路盤に伝達させることがで
きること (2) 軌道に弾性を与えるため列車の乗り心地が良好
であること (3) 路盤構造を変更することなく軌道の整正や変更
等が容易であること (4) 構造が簡素であり建設費が低廉であること 等の長所を有していた。
【0003】その反面、道床は、列車荷重の繰り返し載
荷により徐々に沈下していくため、所定の道床高さ、道
床形状等に維持するための定期又は随時の軌道保守作業
が不可欠であった。しかし、このような軌道保守作業に
は、 (a) 少なからぬ軌道保守コストが毎年のように発生
すること (b) 都市の営業線では輸送ダイヤが密なため、軌道
保守間合いが確保できる時間帯が夜間となる場合が多い
が、作業時の騒音や振動等を防止する対策は困難である
上、この対策により軌道保守コストはさらに増大するこ
と (c) 道床の軌道保守作業の機械化には限界があり、
ある種の作業は多数の人力で実施せざるを得ないが、こ
のための労働力の確保は今後ますます困難となることが
予想されること 等の問題があった。
【0004】一方、列車走行により道床が沈下するの
は、道床砕石が細粒分の比較的少ない粒度分布となって
おり、その初期には列車走行により振動した上方の砕石
が下方の砕石との間に存在する間隙内に徐々に落ち込む
過程(圧密過程)が生じるためであり、その後は列車振
動によりまくらぎ下の砕石が側方に移動する過程(側方
流動過程)が生じるためである、と考えられる。したが
って、道床沈下を防止するための一つの対策としては、
砕石間の間隙を何らかの材料で填充し砕石を固定するこ
とにより砕石の移動を規制する、という方法が挙げられ
る。このような対策により道床の沈下を抑制することが
できれば、有道床軌道の場合の軌道保守コストはかなり
低減可能である、と期待されていた。
【0005】このため、道床砕石間に加熱したアスファ
ルトを注入し浸透させた後に冷却して硬化させ、道床砕
石どうしの間隙をアスファルトによって填充した「アス
ファルト填充道床」等の省力化軌道が開発され試みられ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の省力化軌道においては、例えば、路盤の上に砕
石を略台形断面形状の床状にまくらぎ下面の位置まで敷
設し、砕石間隙をアスファルトで填充して第1段階の構
造体(以下、「仮道床」という。)を形成し、この仮道
床の上面にまくらぎを敷設し、まくらぎの側方に砕石
(以下、「まくらぎ側方砕石」という。)を敷設した後
にまくらぎ側方砕石の間隙をアスファルトで填充してア
スファルト填充道床を形成する、という施工方法を採用
していたが、仮道床の上面は完全な平滑面ではなく、微
小な凹凸が発生することは避けられなかった。
【0007】このため、敷設したまくらぎの下面と仮道
床上面との間に空隙が介在することは不可避であるが、
この空隙がまくらぎ側方砕石の填充時にもアスファルト
で填充されないまま残存すると、営業線として供用を開
始した後に列車荷重によってまくらぎの沈下等を引き起
こし、予期せぬ軌道保守作業が必要となり、省力化軌道
の利点を活かせない、という問題があった。
【0008】上記の問題を解決するためには、敷設した
まくらぎの下面と仮道床上面との間にアスファルトを注
入する工程をつねに実施すればよいが、注入された流動
状アスファルトの側方への漏出を防止するための型枠の
設置等も必要であり、このような作業工程を追加する
と、施工が煩雑となる上、それに伴いコストも増大す
る、という問題があった。
【0009】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、敷
設面の不陸を容易に吸収可能なまくらぎ、まくらぎ等に
容易に取付可能で敷設面の不陸を容易に吸収可能な部材
や工法等を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る軌道支持体は、略直方体状に形成さ
れ、道床上又は路盤上に敷設されてレールを支持し、前
記レールからの圧力を広い面積に拡大して前記道床又は
前記路盤に伝達し、かつ前記レールの間隔を一定に維持
する軌道支持体であって、圧力が作用した場合に塑性変
形を生じるように構成され、前記軌道支持体の下面に配
置され、前記軌道支持体が前記道床又は前記路盤上に敷
設された場合に、前記軌道支持体の自重又は前記レール
からの圧力により塑性変形して前記道床の上部又は前記
路盤の上部の凹凸を吸収し、前記軌道支持体を前記道床
上又は前記路盤上において平坦状態で支持させる不陸吸
収手段を備えたことを特徴とする。
【0011】上記軌道支持体において、好ましくは、前
記不陸吸収手段は、塑性材料からなり、粘性体状態又は
流動体状態において前記軌道支持体の下面上に流し込み
又は塗布又は噴霧若しくは散布によって略膜状又は略層
状若しくは略板状に形成され前記軌道支持体の下面上に
粘着又は接着を含む付着により保持される。
【0012】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記不陸吸収手段は、塑性材料からなり略膜状又は
略層状若しくは略板状に形成された塑性シート部材と、
前記塑性シート部材を前記軌道支持体の下面に保持する
保持手段を備える。
【0013】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記保持手段は、機械的な作用又は力により前記塑
性シート部材を前記軌道支持体の下面に保持する。
【0014】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記機械的な作用は、係合、嵌合、又は螺合のうち
のいずれか又はこれらの適宜の組合わせを含む。
【0015】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記保持手段は、粘着力又は接着力を含む付着力に
より前記塑性シート部材を前記軌道支持体の下面に保持
する。
【0016】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記保持手段は、粘着剤又は接着剤を含む付着性物
質である。
【0017】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記保持手段は、繊維系材料からなり、略膜状又は
略層状若しくは略板状に形成され、加熱により付着性を
発揮する付着性物質が含浸され、前記塑性シート部材の
一面に貼設された部材である。
【0018】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記保持手段は、前記塑性シート部材の一面に含浸
され、加熱により付着性を発揮する付着性物質である。
【0019】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、前記不陸吸収手段は、前記軌道支持体の下面の全部
又は一部を被覆するように配置される。
【0020】また、上記軌道支持体において、好ましく
は、まくらぎ又はスラブを含む。
【0021】また、本発明に係る不陸吸収部材は、圧力
が作用した場合に塑性変形を生じるように構成され、略
シート状に形成された部材であって、地盤と接する処置
対象構造物の面、又は他の構造物と接する処置対象構造
物の面に貼設され、前記地盤又は他の構造物に押し付け
られることにより、前記処置対象構造物に対向する前記
地盤又は前記他の構造物の面の凹凸を前記塑性変形によ
って吸収することを特徴とする。
【0022】また、本発明に係る不陸吸収工法は、塑性
を有する繊維系材料からなり略膜状又は略層状若しくは
略板状に形成された基層と、加熱により軟化し付着性を
発揮する付着層を前記基層のいずれか一面に有する不陸
吸収部材の前記付着層の面を加熱し、地盤と接する処置
対象構造物の面、又は他の構造物と接する処置対象構造
物の面に貼設することにより、前記処置対象構造物に対
向する前記地盤又は前記他の構造物の面の凹凸を前記基
層の塑性変形により吸収することを特徴とする。
【0023】また、本発明に係る軌道支持体敷設工法
は、略直方体状に形成され、レールを支持し、前記レー
ルからの圧力を広い面積に拡大して下方に伝達し、かつ
前記レールの間隔を一定に維持する軌道支持体を道床又
は路盤の上に敷設する軌道支持体敷設工法であって、塑
性を有する繊維系材料からなり略膜状又は略層状若しく
は略板状に形成された基層を有し、加熱により軟化し粘
着性又は接着性を含む付着性を発揮する熱可塑性物質が
含浸された付着層をいずれか一面に有するとともに前記
軌道支持体の下面投影形状と略同一形状に形成された不
陸吸収部材の前記付着層を加熱することにより前記熱可
塑性物質を滲出又は溶出させる付着層加熱工程と、前記
熱可塑性物質が滲出又は溶出した前記付着層の面を前記
軌道支持体の下面に密着させつつ押しつけることにより
前記不陸吸収部材を前記軌道支持体の下面に貼設させる
不陸吸収部材貼設工程と、前記軌道支持体の下面に貼設
された前記不陸吸収部材の前記基層が下方に向くように
して前記軌道支持体を前記道床又は前記路盤上に敷設
し、前記軌道支持体の自重又は前記レールからの圧力に
より前記基層を塑性変形させ前記道床の上部又は前記路
盤の上部の凹凸を吸収し、前記軌道支持体を前記道床上
又は前記路盤上において平坦状態で支持させる軌道支持
体敷設工程を有することを特徴とする。
【0024】上記軌道支持体敷設工法において、好まし
くは、前記付着層加熱工程に先立ち、前記軌道支持体の
下面に残存している不要物を除去する被貼設面清掃工程
を行う。
【0025】また、上記軌道支持体敷設工法において、
好ましくは、前記付着層加熱工程に先立ち、前記軌道支
持体の下面を乾燥させる被貼設面乾燥工程を行う。
【0026】また、上記軌道支持体敷設工法において、
好ましくは、前記付着層加熱工程に先立ち、かつ前記被
貼設面乾燥工程の実施後、表面処理剤を前記軌道支持体
の下面に塗布、噴霧、散布のうちのいずれか又はこれら
の適宜の組合わせを含む方法により薄膜形成させ、前記
不陸吸収部材と前記軌道支持体の下面との付着性を向上
させる被貼設面処理工程を行う。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である不陸吸収型まくら
ぎの構成を示す図であり、図1(A)は上方から見た斜
視図を、図1(B)は下方から見た斜視図を、それぞれ
示している。図1(A),(B)に示すように、この不
陸吸収型まくらぎ10は、まくらぎ本体11と不陸吸収
部12を備えて構成されている。
【0029】上記したまくらぎ本体11は、例えばプレ
ストレストコンクリートからなり、底面における長さが
L(以下「まくらぎ長」という。)で幅がB(以下「ま
くらぎ幅」という。)の略直方体状に形成された部材で
あり、まくらぎ本体11の上面に略平面状に形成された
レール支持面11a,11b上に軌道パッド(図示せ
ず)やタイプレート(図示せず)を載置し、これらを介
してレール(図示せず)を支持する。
【0030】上記した不陸吸収部12は、アスファルト
からなり略膜状又は略層状若しくは略板状に形成された
部分であり、まくらぎ本体11の下面の表面上に付着に
よって保持されている。この不陸吸収部12は、まくら
ぎ本体11の上方から圧力が作用した場合にアスファル
トが塑性変形を生じるように構成されている。
【0031】上記の不陸吸収部12は、加熱により、例
えば約150〜300°C程度の温度に達し、粘性体状
態又は流動体状態となったアスファルトを、まくらぎ本
体11の下面に流し込み、又は塗布し、又は噴霧し、若
しくは散布することによって設置され、略膜状又は略層
状若しくは略板状に形成される。次に、冷却によりアス
ファルトを固化させ、粘着又は接着によりまくらぎ本体
11の下面上に付着させ、保持させる。このアスファル
ト層の厚さとしては、約1〜30mm程度あれば、通常
の不陸に対処可能である。
【0032】上記において、流動化したアスファルトを
まくらぎ本体11の下面上に設置する場合には、流動状
のアスファルトがまくらぎ本体11の側端から流下する
ことを防止するための型枠等を使用してもよい。また、
合成繊維,天然繊維,ガラス繊維,炭素繊維,セラミッ
クス繊維,金属繊維等による不織布又は織布、あるいは
合成樹脂や紙等からなる薄膜をテープ状又は帯状に形成
し、接着剤等を用いてまくらぎ本体11の下面の端縁上
に立設させ、アスファルト流し込みの型枠として利用
し、アスファルト固化後は除去せずにそのまま用いるよ
うにしてもよい。
【0033】上記の不陸吸収部12に使用するアスファ
ルトの種類としては、石油アスファルトのうち、ストレ
ートアスファルトが挙げられる。また、ストレートアス
ファルトに高温で空気を吹き込み、脱水素重縮合反応を
起こさせ高分子化させる「ブローイング」という操作を
施したブローンアスファルトやセミブローンアスファル
ト等も使用可能である。このブローンアスファルトやセ
ミブローンアスファルト等は、ストレートアスファルト
に比べ感温性が低く改善されており、60°C粘度等も
改善されている。また、ストレートアスファルト、ブロ
ーンアスファルト、セミブローンアスファルト単独のほ
か、これらを適宜混合してもよく、あるいは、これらに
プレパウダーアスファルト、天然アスファルト、改質材
を添加した改質アスファルトなどを混合してもよい。改
質材としては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等
のゴム材料、スチレン・ブタジエンブロックポリマー
(SBS)やエチレン・エチル・アクリレート(EE
A)等の熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂などが用いられる。
【0034】上記したアスファルトは、まくらぎ本体1
1の上方から圧力が作用した場合に塑性変形する必要が
あり、所定の品質や条件等が要求される。まず、アスフ
ァルトの硬化後の強度として、ある程度以上の値を有す
ることが要求され、針入度がある程度以上小さく、軟化
点がある程度以上高いものが好適である。例えば、針入
度としては0〜50程度、軟化点としては60以上程度
などが望ましい。
【0035】上記において、針入度とは、JIS K 2
207に規定する試験法により、規定の温度(例えば2
5°C)、規定の荷重(例えば100グラム)、及び規
定の貫入時間(例えば5秒間)で、規定の形状の針をア
スファルトに貫入させ、その貫入深度を1/10mm単
位で表わした値であり、一般に針入度の値が小さいほど
硬いアスファルトであることを示している。
【0036】また、上記において軟化点とは、JIS
K 2207に規定する試験法により、規定の金属製環
の内部に填充したアスファルトの上に質量3.5グラム
の鋼球を載せて水中又はグリセリン中に入れ、連続的に
加熱した場合に、鋼球の自重によりアスファルトが25
mmだけ降下したときの温度(°C)で表わした値であ
り、規定の条件下でのアスファルトのコンシステンシー
を示す指標であり、一般に軟化点の値が高いほど硬いア
スファルトであることを示している。
【0037】次に、上記した不陸吸収型まくらぎ10の
敷設方法について、図2を参照しつつ説明を行う。ま
ず、路盤(図示せず)の上に、砕石を略台形断面形状の
床状に敷設し、加熱し流動化したアスファルトを上方か
ら流し込んだ後に固化させ、砕石の間隙をアスファルト
で填充して仮道床51aを形成する。次に、この仮道床
51aの上面であるまくらぎ敷設面S1 上に不陸吸収型
まくらぎ10を敷設する。次に、不陸吸収型まくらぎ1
0の側方に砕石を敷設した後にこの砕石の間隙を上記と
同様にしてアスファルトで填充し、側方道床51bを形
成し、アスファルト填充道床51を形成する。その後、
まくらぎ本体11の上面のレール支持面11a,11b
上に軌道パッド(図示せず)やタイプレート(図示せ
ず)を載置し、これらを介してレールR,R′を支持す
る。
【0038】次に、上記した不陸吸収型まくらぎ10の
作用について、図2を参照しつつ説明を行う。上記のよ
うな構成により、不陸吸収型まくらぎ10においては、
まくらぎ本体11の自重又はレールR,R′から伝達さ
れる列車荷重等に起因する垂直圧力により不陸吸収部1
2が塑性変形する。このため、上記した仮道床51aの
上面のまくらぎ敷設面S1 が完全な平滑面でなく微小な
凹凸が生じていても、凸部は不陸吸収部12のアスファ
ルトの塑性変形によりアスファルト内にめり込むので、
まくらぎ敷設面S1 の凹凸は吸収され、まくらぎ本体1
1は仮道床51aの上に平坦状態で支持され、アスファ
ルト填充道床完成後も同様に道床上に平坦状態で支持さ
れる。
【0039】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3
は、本発明の第2実施形態である不陸吸収シートの構成
を示す図であり、図3(A)は斜視図を、図3(B)は
断面図を、それぞれ示している。図3(A),(B)に
示すように、この不陸吸収シート20は、略膜状又は略
層状若しくは略板状に形成されたシート状の部材であ
り、第1層21と第2層22を備えて構成されている。
【0040】上記した第1層21は、アスファルトが含
浸された不織布からなり、略膜状又は略層状若しくは略
板状に形成されている。また、第2層22は、不織布か
らなり、略膜状又は略層状若しくは略板状に形成されて
いる。不陸吸収シート20は、これらの第1層21と第
2層22が第1層21に含浸されたアスファルトの接着
力により互いに接着することにより構成されている。第
1層21の厚さとしては、約1〜10mm程度であれ
ば、所定の接着力を十分発揮することができる。また、
第2層22の厚さとしては、約1〜30mm程度あれ
ば、通常の不陸に対処可能である。
【0041】第1層21及び第2層22を構成する不織
布は、ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(P
E),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリア
ミド樹脂,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)等の合成樹脂、ガ
ラス、炭素、セラミックス、又は金属等からなる長繊維
又は短繊維を、ニードルパンチ法,スパンボンド法,フ
ラッシュ紡糸法,メルトブロー法等を用いて、熱による
融着,接着剤による接着等により絡み合せ、略布状に形
成したものである。不織布は、繊維と繊維の間に多くの
空隙を有しており、この空隙に各種の液体状又は流動体
状の物質を含浸可能である。また、不織布は、圧力によ
り容易に塑性変形を生じる。
【0042】また、第1層21に含浸されるアスファル
トは、上記した第1実施形態において用いられたものと
同様の材質を有している。
【0043】(3)第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について説明する。図4
は、本発明の第3実施形態であるまくらぎ敷設工法の手
順を説明する概念図である。
【0044】まず、上記の不陸吸収シート20を切断加
工し、第1実施形態におけるまくらぎ本体11と同様の
構成を有するまくらぎ本体31(後述)の下面投影形状
と略同一形状、すなわち長さがまくらぎ長Lで幅がまく
らぎ幅Bである略長方形状に形成する。次に、プロパン
ガス等の燃焼によって火焔を発生するガスバーナー53
を用意し、不陸吸収シート20の第1層21に炎を近付
け又は当て若しくは吹き付けて第1層21の全面をまん
べんなくあぶる。これにより、不陸吸収シート20の第
1層21の不織布に含浸されていたアスファルトが加熱
されて軟化し、さらに炎によってあぶると表面のアスフ
ァルトが一部溶融し滲出又は溶出してくる(図4(A)
参照)。この場合、加熱により第1層21内に含浸され
ているアスファルトが到達する温度(以下「付着性発揮
温度」という。)は、例えば約100〜300°C程度
に設定される。
【0045】次に、アスファルトが滲出又は溶出した第
1層21の面をまくらぎ本体31の下面に密着させつつ
押しつけると、第1層21から滲出又は溶出したアスフ
ァルトは付着性を有しているため、第1層21はまくら
ぎ本体31の下面に貼り付き、不陸吸収シート20がま
くらぎ本体31の下面に貼設される(図4(B)参
照)。これにより、まくらぎ本体31の下面に不陸吸収
部32が貼設された不陸吸収型まくらぎ30が形成され
る(図4(C)参照)。
【0046】次に、まくらぎ本体31の下面に貼設され
た不陸吸収シート20により形成された不陸吸収部32
の第2層22が下方に向くようにしてまくらぎ本体31
を仮道床52a上に敷設する。次に、不陸吸収型まくら
ぎ30の側方に砕石を敷設した後にこの砕石の間隙をア
スファルトで填充し、側方道床52bを形成し、アスフ
ァルト填充道床51を形成する。その後、まくらぎ本体
31の上面のレール支持面31a,31b上に軌道パッ
ド(図示せず)やタイプレート(図示せず)を載置し、
これらを介してレールR,R′を支持する。
【0047】上記のような構成により、不陸吸収型まく
らぎ30においては、まくらぎ本体31の自重又はレー
ルR,R′から伝達される列車荷重等に起因する垂直圧
力により、不陸吸収部32を構成する第2層22の不織
布が塑性変形する。このため、上記した仮道床52aの
上面のまくらぎ敷設面S2 が完全な平滑面でなく微小な
凹凸が生じていても、凸部は第2層22の不織布の塑性
変形により不織布内にめり込むので、まくらぎ敷設面S
2 の凹凸は吸収され、まくらぎ本体31は仮道床52a
の上に平坦状態で支持され、アスファルト填充道床完成
後も同様に道床上に平坦状態で支持される(図4(D)
参照)。
【0048】上記のまくらぎ敷設工法において、まくら
ぎ本体31の下面に不陸吸収シート20を貼設する作業
は、まくらぎ製造工場等で行うこともできるし、軌道施
工現場において行うことも可能である。
【0049】(4)第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態について説明する。図5
は、本発明の第4実施形態である不陸吸収型まくらぎの
構成を示す図であり、図5(A)は下方から見た斜視図
を、図5(B)ないし図5(E)は図5(A)に示す不
陸吸収型まくらぎ又は第4実施形態の変化例の断面図
を、それぞれ示している。また、図5(B)ないし図5
(E)においては、中央の一点鎖線の左側と右側とはそ
れぞれ別の変化例を示している。図5(A),(B)に
示すように、第4実施形態の不陸吸収型まくらぎ40A
は、まくらぎ本体41Aと、不陸吸収部42Aと、保持
ボルト43Aを備えて構成されている。
【0050】上記したまくらぎ本体41Aは、例えばプ
レストレストコンクリートからなり、略直方体状に形成
された部材であり、まくらぎ本体41Aの上面に略平面
状に形成されたレール支持面41a,41b上に軌道パ
ッド(図示せず)やタイプレート(図示せず)を載置
し、これらを介してレール(図示せず)を支持する。こ
のまくらぎ本体41Aが上記したまくらぎ本体10又は
30と異なる点は、下面にボルト孔411が複数形成さ
れている点である。これらのボルト孔411の内壁には
雌ネジが形成されている。
【0051】また、不陸吸収部42Aは、不織布からな
り、略膜状又は略層状若しくは略板状に形成されてい
る。また、不陸吸収部42Aには、保持ボルト43Aの
頭部を収容可能なボルト頭部収容凹部421と、保持ボ
ルト43Aの軸部が挿通可能なボルト軸部挿通孔422
とからなる開孔が複数形成されている。不織布の構成
は、上記した不陸吸収シート20における第2層22の
構成と同様である。
【0052】また、上記した保持ボルト43Aは、略六
角柱状の頭部と、略円柱状の軸部を有しており、軸部の
外側面には、上記したボルト孔411の内壁に形成され
た雌ネジと螺合可能な雄ネジが形成されている。この保
持ボルト43Aを上記した不陸吸収部42Aの開口に挿
通し、まくらぎ本体41Aの下面のボルト孔411に螺
合させることにより、不陸吸収部42Aをまくらぎ本体
41Aの下面に保持させることができる。この場合、図
5(B)に示すように、保持ボルト43Aの頭部は、ボ
ルト頭部収容凹部421内に収容され、ボルト頭部の上
方には凹部状の空間が形成される。
【0053】上記のような構成により、不陸吸収型まく
らぎ40Aにおいては、まくらぎ本体41Aの自重又は
レール(図2又は図4(D)におけるR又はR′を参
照)から伝達される列車荷重等に起因する垂直圧力によ
り不陸吸収部42Aの不織布が塑性変形する。このた
め、上記した仮道床(図2又は図4(D)における51
a又は52aを参照)の上面のまくらぎ敷設面(図2又
は図4(D)におけるS1又はS2 を参照)が完全な平
滑面でなく凹凸が生じていても、凸部は不陸吸収部42
Aの不織布の塑性変形により不織布内にめり込むので、
まくらぎ敷設面の凹凸は吸収され、まくらぎ本体41A
は仮道床の上に平坦状態で支持され、アスファルト填充
道床完成後も同様に道床上に平坦状態で支持される。こ
の際、保持ボルト43Aの配置箇所においては、不陸吸
収部42Aのボルト頭部収容凹部421の上方に形成さ
れた凹部状空間が、まくらぎ敷設面上に存在する凸部を
収容するようにして吸収する。
【0054】上記した第4実施形態については、他の構
成の変化例も実施可能である。例えば、図5(B)の右
側に示すように、まくらぎ本体41A′の側面にボルト
孔412を設け、不陸吸収部42A′を構成する不織布
の幅を不陸吸収部42Aの場合よりも拡幅し、この拡幅
部分に、保持ボルト43A′の軸部が挿通可能なボルト
軸部挿通孔423を開設しておけば、保持ボルト43
A′により、上記した第4実施形態と同様に、不陸吸収
部42A′をまくらぎ本体41A′の下面に保持させた
不陸吸収型まくらぎ40A′を構成することができる。
【0055】この場合の作用は、図5(B)の左側に示
す第4実施形態の構成とは異なり、まくらぎ下面側に保
持ボルトがまったく配置されず、まくらぎ下面の全面が
不陸吸収部42A′を構成する不織布のみによって支持
されるので、不陸吸収効果がさらに向上する。
【0056】また、図5(C)の左側に示すように、ま
くらぎ本体41Bの下面にピン孔413を設け、不陸吸
収部42Bを構成する不織布においてピン孔413に対
応する部分に、保持ピン43Bの頭部を収容可能なピン
頭部収容凹部424と、保持ピン43Bの軸部が挿通可
能なピン軸部挿通孔425とからなる開孔を開設してお
けば、保持ピン43Bにより、不陸吸収部42Bをまく
らぎ本体41Bの下面に保持させた不陸吸収型まくらぎ
40Bを構成することができる。
【0057】この不陸吸収型まくらぎ40Bの作用は、
上記した不陸吸収型まくらぎ40Aの作用と同様であ
り、まくらぎ敷設面上に存在する凸部は不織布部分では
その塑性変形により吸収され、保持ピン43Bの配置箇
所ではピン頭部収容凹部424の上方の凹部状空間内に
収容されて吸収される。
【0058】また、図5(C)の右側に示すように、ま
くらぎ本体41B′の側面にピン孔414を設け、不陸
吸収部42B′を構成する不織布の幅を不陸吸収部42
Bの場合よりも拡幅し、この拡幅部分に、保持ピン43
B′の軸部が挿通可能なピン軸部挿通孔426を開設し
ておけば、保持ピン43B′により、不陸吸収部42
B′をまくらぎ本体41B′の下面に保持させた不陸吸
収型まくらぎ40B′を構成することができる。
【0059】この不陸吸収型まくらぎ40B′の作用
は、上記した不陸吸収型まくらぎ40A′の作用と同様
であり、まくらぎ下面側に保持ピンがまったく配置され
ず、まくらぎ下面の全面が不陸吸収部42B′を構成す
る不織布のみによって支持されるので、不陸吸収効果が
さらに向上する。
【0060】あるいは、図5(D)の左側に示すよう
に、まくらぎ本体41Cの側面に係合凹部415を設
け、不陸吸収部42Cを構成する不織布において保持部
材44Cの頭部に対応する部分に保持部材44Cの頭部
を収容可能な保持部材頭部収容凹部427を形成してお
き、金属等の弾性材料からなる略「C」字状の保持部材
44Cの弾力によって不陸吸収部42Cを押えつけるよ
うにすれば、不陸吸収部42Cをまくらぎ本体41Cの
下面に保持させた不陸吸収型まくらぎ40Cを構成する
ことができる。
【0061】この不陸吸収型まくらぎ40Cの作用は、
上記した不陸吸収型まくらぎ40A,40Bの作用と同
様であり、まくらぎ敷設面上に存在する凸部は不織布部
分ではその塑性変形により吸収され、保持部材44Cの
配置箇所では保持部材頭部収容凹部427の上方の凹部
状空間内に収容されて吸収される。
【0062】また、さらにこの変化例として、図5
(D)の右側に示すように、まくらぎ本体41C′の側
面にボルト孔416を設け、不陸吸収部42C′を構成
する不織布において保持部材44C′の頭部に対応する
部分に保持部材44C′の頭部を収容可能な保持部材頭
部収容凹部428を形成しておき、金属等の弾性材料か
らなる略「C」字状の保持部材44C′の弾力によって
不陸吸収部42C′を押えつけ、この保持部材44C′
を保持ボルト43C′によってまくらぎ本体41C′の
側面に取り付けるようにすれば、不陸吸収部42C′を
まくらぎ本体41C′の下面に保持させた不陸吸収型ま
くらぎ40C′を構成することができる。
【0063】この不陸吸収型まくらぎ40C′の作用
は、上記した不陸吸収型まくらぎ40Cの作用と同様で
あり、まくらぎ敷設面上に存在する凸部は不織布部分で
はその塑性変形により吸収され、保持部材44C′の配
置箇所では保持部材頭部収容凹部428の上方の凹部状
空間内に収容されて吸収される。
【0064】さらに、図5(E)の左側に示すように、
まくらぎ本体41Dの側面にピン孔417を設け、不陸
吸収部42Dを構成する不織布の幅を不陸吸収部42A
の場合よりもやや拡幅し、保持部材44Dによって幅方
向から押えつけ、かつ保持部材44Dの内面側に設けら
れた略針状の係止突起441により係止するようにすれ
ば、不陸吸収部42Dをまくらぎ本体41Dの下面に保
持させた不陸吸収型まくらぎ40Dを構成することがで
きる。
【0065】この不陸吸収型まくらぎ40Dの作用は、
上記した不陸吸収型まくらぎ40A′,40B′の作用
とほぼ同様であり、まくらぎ下面側に保持ピンがまった
く配置されず、まくらぎ下面の全面が不陸吸収部42D
を構成する不織布のみによって支持されるので、不陸吸
収効果がさらに向上する。また、この際、保持部材42
Dの先端位置は、不陸吸収部42Dを構成する不織布の
外表面位置よりも引込んでいるので、この引込量の分だ
け不陸吸収が可能となっている。
【0066】また、さらにこの変化例として、図5
(E)の右側に示すように、まくらぎ本体41D′の側
面にピン孔418を設け、不陸吸収部42D′を構成す
る不織布の幅を不陸吸収部42Dの場合よりも拡幅し、
保持ピン43D′の軸部が挿通可能なピン軸部挿通孔4
29をこの拡幅部分に開設し、かつ保持ピン43D′の
軸部が挿通可能なピン軸部挿通孔442を保持部材44
D′に開設しておけば、保持ピン43D′により不陸吸
収部42D′の拡幅部分を押えつけて係止させ、不陸吸
収部42D′をまくらぎ本体41D′の下面に保持させ
た不陸吸収型まくらぎ40D′を構成することができ
る。この不陸吸収型まくらぎ40D′の作用は、上記し
た不陸吸収型まくらぎ40Dの作用と同様である。
【0067】上記において、吸収型まくらぎ10,3
0,及び40A〜40D,40A′〜40D′は、軌道
支持体に相当している。また、不陸吸収部12,32,
及び42A〜42D,42A′〜42D′は、不陸吸収
手段に相当している。また、第2,3実施形態における
第1層21、あるいは第4実施形態又はその変化例にお
ける保持ボルト43A,43A′と、保持ピン43B,
43B′と、保持部材44C,44C′及び保持ボルト
43C′と、保持部材44D,44D′及び保持ピン4
3D′は、保持手段に相当している。また、第2,3実
施形態における第1層21に含浸されたアスファルト
は、付着性物質又は熱可塑性物質に相当している。ま
た、第2,3実施形態における第1層は付着層に相当
し、第2層は基層に相当している。また、第2,3実施
形態における不陸吸収シート20、及び第4実施形態又
はその変化例における不陸吸収部42A〜42D,42
A′〜42D′は、塑性シート部材又は不陸吸収部材に
相当している。また、図4(A)に示した工程は付着層
加熱工程に相当し、図4(B)及び図4(C)に示した
工程は不陸吸収部材貼設工程に相当し、図4(D)に示
した工程は軌道支持体敷設工程に相当している。
【0068】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態及び各実施例は、例
示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的
思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏
するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範
囲に包含される。
【0069】例えば、上記各実施形態においては、まく
らぎ本体として、プレストレストコンクリート製の略直
方体状部材を例に挙げて説明したが、本発明はこれには
限定されず、他の材料、例えば鉄筋コンクリート、木
材、鋼鉄、あるいは鋼鉄とコンクリートとの複合構造等
からなるまくらぎ本体であってもよい。
【0070】また、上記各実施形態においては、軌道支
持体として、まくらぎを例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、道床上又は路盤上に敷設されて
レールを支持しレールからの圧力を広い面積に拡大して
道床又は路盤に伝達しレールの間隔を一定に維持するで
ものであればどのようなものであってもよく、他の構造
の軌道支持体、例えば鉄筋コンクリートからなり略平板
状に形成されたスラブ、鉄筋コンクリートやプレストレ
ストコンクリートからなりまくらぎとスラブの中間の形
状・寸法を有するLPC等であってもよい。
【0071】また、上記各実施形態においては、軌道支
持体である不陸吸収型まくらぎ10,30が、道床上に
敷設される例について説明したが、本発明はこれには限
定されず、土構造物やコンクリート構造物等からなる路
盤上に軌道支持体を敷設するようにしてもよい。
【0072】また、上記した第1実施形態においては、
不陸吸収手段として、アスファルトを例に挙げて説明し
たが、本発明はこれには限定されず、粘性体状態又は流
動体状態において軌道支持体の下面上に流し込み又は塗
布又は噴霧若しくは散布によって略膜状又は略層状若し
くは略板状に形成され軌道支持体の下面上に粘着又は接
着を含む付着により保持されるものであればどのような
材質のものであってもよく、他の材質の不陸吸収手段、
例えば、塑性を有する合成樹脂、天然ゴム(NR)の生
ゴム、高分子(ポリマー)ゲル、粘土、紙あるいはこれ
らの適宜の組合わせ等であってもよい。あるいは、これ
らの材料やアスファルトに、合成樹脂,植物,動物繊
維,ガラス,炭素,セラミックス,金属等からなる繊維
部材や粒状部材若しくは粉末等を混入し、複合材料とし
てもよい。
【0073】また、上記した第2,3実施形態において
は、不陸吸収手段として、図3に示すような2層からな
るシート部材の1層にアスファルト等の熱可塑性物質を
含浸させ付着によりまくらぎ本体11の下面に保持され
る不陸吸収シート20を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、塑性材料からなり略膜状又は略
層状若しくは略板状に形成された塑性シート部材と、塑
性シート部材を軌道支持体の下面に保持する保持手段を
備えたものであればどのような材質・構成のものであっ
てもよく、他の材質の不陸吸収手段、例えば、上記した
ような2層構造の不陸吸収シートではなく、他の形態の
不陸吸収シート、例えば、1層からなる不織布シートの
一面の表面からある程度の深さまで流動状アスファルト
を部分的に含浸させ、含浸部分のアスファルトを加熱
し、その付着力によりまくらぎ本体の下面に付着させる
ようにしたものであってもよい。
【0074】あるいは、他の例として、1層からなる不
織布シート等の全体に、その両面までアスファルト等の
熱可塑性物質を含浸させ、シートのいずれかの面を加熱
してアスファルト等の熱可塑性物質を滲出又は溶出さ
せ、その付着力によりまくらぎ本体の下面に付着させる
ようにした1層構成のものであってもよい。また、上記
において、不織布シート等への熱可塑性物質の含浸は、
加熱により溶融したアスファルト等の熱可塑性物質を、
不織布シート等の所定の面に塗布、散布又は噴霧等を行
うことによって実現してもよい。さらに、不織布や織布
又は紙等を1層又は複数積層して形成されるシート状部
材、又は発泡スチロール等の発泡性合成樹脂からなるシ
ート状部材、あるいは木材チップ等を接着剤等によって
圧縮集成したパーチクルボード状のシート状部材等をま
くらぎ本体下面に接着剤等によって接着するようにした
ものなどであってもよい。また、上記したシート状部材
には、アスファルトや接着剤等の塑性物質を含浸させて
もよいし、合成樹脂,植物,動物繊維,ガラス,炭素,
セラミックス,金属等からなる繊維部材や粉末等を混入
し、複合材料としてもよい。
【0075】また、軌道支持体下面への付着は、接着に
よる付着だけでなく、粘着による付着であってもよい。
また、付着性物質は、接着剤、粘着剤、加熱により付着
性を発揮する膠着性物質,糊状物質,瀝青材料,熱可塑
性物質等のいずれか又はこれらの適宜の組合わせであっ
てもよい。また、シート状部材自体を熱や溶剤等によっ
て一部溶融させ、軌道支持体の下面に融着させるように
してもよい。
【0076】また、上記した第4実施形態においては、
保持手段として、例えば螺合により塑性シート部材を軌
道支持体下面に保持する保持ボルト等を例に挙げて説明
したが、本発明はこれには限定されず、機械的な作用又
は力により塑性シート部材を軌道支持体の下面に保持す
るものであればどのような構成のものであってもよく、
他の構成の保持手段、例えば、係合、係止、嵌合、把
持、巻付け、釘止め、クリップ止め、ワイヤー等による
縛り、さらにはいわゆるマジックテープ(面ファスナ
ー)による貼設などであってもよい。さらには、弾性
力、カシメ等による塑性変形、磁力、静電気力、空気吸
引による負圧等を利用して保持させるものであってもよ
い。あるいは、これらの適宜の組合わせであってもよ
い。
【0077】また、上記した各実施形態においては、不
陸吸収手段が軌道支持体の下面の全部を被覆するように
配置されたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれ
には限定されず、不陸吸収手段が軌道支持体の下面の一
部を、例えば、散点状、水玉状、縞状、升目状等の形態
で被覆するように配置されたものであってもよい。ある
いは、これらの適宜の組合わせであってもよい。
【0078】また、上記のような不陸吸収手段を備えた
軌道支持体の製作は、軌道支持体の製作工場等において
軌道支持体製作に引き続いて行ってもよいし、軌道工事
等の施工現場において不陸吸収手段を形成又は保持させ
るようにしてもよい。
【0079】また、上記した各実施形態においては、不
陸の吸収を行う対象として軌道支持体を例に挙げて説明
したが、本発明はこれには限定されず、圧力が作用した
場合に塑性変形を生じるように構成され、略シート状に
形成された部材であって、地盤と接する処置対象構造物
の面、又は他の構造物と接する処置対象構造物の面に貼
設され、地盤又は他の構造物に押し付けられることによ
り、処置対象構造物に対向する地盤又は他の構造物の面
の凹凸を塑性変形によって吸収するような部材、工法で
あればどのようなものであってもよく、不陸吸収の対象
は、他の構造物、例えば、ふ頭やその他の港湾構造物に
おける床状部、滑走路やエプロン等の空港構造物におけ
る床状部、埋立地における床状部、建築物における床状
部、又は農業用構造物における床状部、あるいは地盤と
面等で接する鋼,鉄筋コンクリート,プレストレストコ
ンクリート等の構造物、さらには他の構造物と面等で接
する鋼,鉄筋コンクリート,プレストレストコンクリー
ト等の構造物であってもよい。
【0080】また、図4に示した第3実施形態におい
て、図4(A)に示す付着層加熱工程では、不陸吸収部
材(例えば、不陸吸収シート20)の付着層(例えば、
第1層21)の加熱を、ガスバーナー(例えば53)の
炎を付着層に近付け又は当て若しくは吹き付けることに
よって行う例について説明したが、本発明はこれには限
定されず、他の加熱方法、例えば、電熱ヒーター等の加
熱手段とファン等の送風手段を有する熱風送出装置から
の熱風による加熱であってもよい。
【0081】あるいは、図6に示すような加熱方法を採
用してもよい。図6は、本発明の第3実施形態であるま
くらぎ敷設工法における不陸吸収シートの第1層の加熱
手順の変化例を説明する図であり、図6(A)はこの加
熱手順に用いる加熱具の構成を示す斜視図を、図6
(B)はをこの加熱手順の構成を示す概念図を、それぞ
れ示している。図6(A)に示すように、加熱具54
は、コテ体541と、柄体542と、把持部543と、
リード線544と、スイッチ545と、電熱線546を
有して構成されている。
【0082】コテ体541は、銅や銅合金等の熱の良導
体からなり、平面状の斜面541aと、上平面541b
と、平面状の底面541cと、垂直面状の背面541d
と、垂直面状の2つの側面541e,541eを有する
六面体である。また、このコテ体541は、全体として
略コテ状又は略ヘラ状若しくは略刃状に形成されてい
る。また、上記した斜面541aと底面541cの突き
合わせ部は、長さB′の直線状の尖端縁541fとなっ
ている。この長さB′は、コテ体541の幅に相当して
おり、以下に説明する加熱手順においては、B′は上記
した不陸吸収シート20の幅Bと等しいか、それよりも
大きな値に設定される。また、このコテ体541の内部
には、高い電気抵抗を有し通電により発熱するニッケル
・クロム合金等の電熱材料からなるワイヤ状部材を蛇行
状に配設した電熱体546が設けられている。
【0083】柄体542は、コテ体541の背面541
dの略中央部付近に接続する略円筒状部材である。この
柄体542の中空状空洞内には、一対のリード線544
が挿通され、上記した電熱体546の2つの端部のそれ
ぞれに電気的に接続されている。把持部543は、柄体
542の後端面に接続する略円筒状部材である。この把
持部543には、その後端面から中空状空洞内へ向け
て、上記した一対のリード線544が挿入されており、
その内部端は上記した電熱体546の2つの端部のそれ
ぞれに電気的に接続されている。また、リード線546
の外部端は商用電源(図示せず)等に電気的に接続され
ている。また、把持部543の図における下側の外表面
には、略波形状の凹凸が形成されており、この部分を作
業者が把持しやすいように配慮されている。また、把持
部543の図における上側の外表面には、スイッチ54
5が配置されている。このスイッチ545は、上記した
一対のリード線のうちの一方の中間に電気的に介設され
ている。したがって、このスイッチ545を操作するこ
とにより、商用電源(図示せず)からの電流をコテ体5
41内部の電熱体546に供給したり(以下「ON状
態」という。)、あるいは商用電源(図示せず)からの
電流をコテ体541内部の電熱体546に供給されない
ように遮断する(以下「OFF状態」という。)ことが
できる。これにより、スイッチ545をONにすると、
電熱体546が発熱し、それに伴いコテ体541が高温
となる。
【0084】次に、上記した本発明の第3実施形態であ
るまくらぎ敷設工法における不陸吸収シートの第1層の
加熱手順の変化例について、図6(B)を参照しつつ説
明する。まず、上記した加熱具54を用意し、スイッチ
545をONにしてコテ体541を加熱する。また、長
さがまくらぎ長Lで幅がまくらぎ幅Bである略長方形状
に形成された不陸吸収シート20を用意しておく。コテ
体541の表面、特に斜面541aが、不陸吸収シート
20の第1層21に含浸されたアスファルトの付着性発
揮温度よりも十分高くなるように加熱されたことを温度
計又はアスファルトへの試験的な当接等により確認を行
った後、コテ体541の底面541cをまくらぎ本体3
1の下面のいずれかの端部付近の上に載置する。次に、
上記した不陸吸収シート20の長手方向の一方の端部付
近がコテ体541の斜面541a上に載せる。これによ
り、不陸吸収シート20の下面の第1層21のうち、コ
テ体541の斜面541a上に載置された部分は、加熱
により付着性発揮温度以上となると、第1層21内に含
浸されていたアスファルトが一部溶融し滲出又は溶出し
てくる。この状態で、コテ体541を図6(B)におけ
る右方向へ徐々に移動又は引き抜けば、第1層21から
滲出又は溶出したアスファルトは付着性を有しているた
め、第1層21のこの部分はまくらぎ本体31の下面に
貼り付く。以下、同様にして、コテ体541の斜面54
1a上に第1層21の一部を載置し、付着性発揮温度以
上になるまで加熱した後にコテ体541を図6(B)に
おける右方向へ徐々に移動又は引き抜くことにより、不
陸吸収シート20のこの部分がまくらぎ本体31の下面
に貼設される。このような加熱手順を採用すれば、加熱
されたアスファルトが冷えて付着性が低下する前に迅速
に被貼設面に貼設することができるという利点がある。
【0085】また、付着層加熱工程は、上記したガスバ
ーナーによるもの、熱風によるもの、コテ状の加熱具に
よるものだけでなく、これらの方法の適宜の組合わせで
あってもよい。
【0086】また、図4に示した第3実施形態におい
て、図4(A)に示す付着層加熱工程に先立って、軌道
支持体(例えば、まくらぎ本体31)の下面に残存して
いる土や泥、あるいは有機物等の不要物を、人の手や除
去工具あるいは圧縮空気(熱風又は常温風)や圧力水等
の吹き付け等により除去する被貼設面清掃工程を実施し
てもよい。このようにすれば、軌道支持体への不陸吸収
部材(例えば、不陸吸収シート20)の付着性をさらに
向上させることができる。
【0087】また、図4に示した第3実施形態におい
て、図4(A)に示す付着層加熱工程に先立って、軌道
支持体(例えば、まくらぎ本体31)の下面に炎を近付
け又は当て若しくは吹き付けてあぶることにより、軌道
支持体の下面を乾燥させる被貼設面乾燥工程を実施して
もよい。このようにすれば、軌道支持体への不陸吸収部
材(例えば、不陸吸収シート20)の付着性をさらに向
上させることができる。
【0088】また、図4に示した第3実施形態におい
て、図4(A)に示す付着層加熱工程に先立ち、かつ被
貼設面乾燥工程の実施後、合成樹脂材料やゴム材料等を
溶剤や軽質油等でカットバックするなどして生成した表
面処理剤を、軌道支持体の下面に塗布、噴霧、散布のう
ちのいずれか又はこれらの適宜の組合わせを含む方法に
より薄膜形成させ、不陸吸収部材(例えば、不陸吸収シ
ート20)と軌道支持体の下面との付着性を向上させる
被貼設面処理工程を実施してもよい。このようにすれ
ば、軌道支持体への不陸吸収部材の付着性をさらに向上
させることができる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧力が作用した場合に塑性変形を生じ道床上部等の凹凸
を吸収し道床上で平坦状態を維持可能な不陸吸収手段を
軌道支持体に備え、又は圧力が作用した場合に塑性変形
を生じ道床上部等の凹凸を吸収し道床上で軌道支持体を
平坦状態で支持させる不陸吸収部材を軌道支持体下面に
配置するようにしたので、軌道支持体敷設面の不陸を容
易に吸収することができる。また、加熱により付着性を
発揮する熱可塑性物質が含浸された付着層を塑性基層の
一面に形成し付着層をあぶって熱可塑性物質を滲出又は
溶出させ軌道支持体下面に貼設するようにしたので、軌
道支持体に容易に取付可能である、という利点を有して
いる。また、この不陸吸収効果は、地盤や他の構造物と
接する構造物にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である不陸吸収型まくら
ぎの構成を示す図であり、図1(A)は上方から見た斜
視図を、図1(B)は下方から見た斜視図を、それぞれ
示している。
【図2】図1に示す不陸吸収型まくらぎを用いた軌道の
構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態である不陸吸収シートの
構成を示す図であり、図3(A)は斜視図を、図3
(B)は断面図を、それぞれ示している。
【図4】本発明の第3実施形態であるまくらぎ敷設工法
の手順を説明する概念図である。
【図5】本発明の第4実施形態である不陸吸収型まくら
ぎの構成を示す図であり、図5(A)は下方から見た斜
視図を、図5(B)ないし図5(E)は図5(A)に示
す不陸吸収型まくらぎ又はその変化例の断面図を、それ
ぞれ示している。
【図6】本発明の第3実施形態であるまくらぎ敷設工法
における不陸吸収シートの第1層の加熱手順の変化例を
説明する図であり、図6(A)はこの加熱手順に用いる
加熱具の構成を示す斜視図を、図6(B)はをこの加熱
手順の構成を示す概念図を、それぞれ示している。
【符号の説明】 10 不陸吸収型まくらぎ 11 まくらぎ本体 11a,11b レール支持面 12 不陸吸収部 20 不陸吸収シート 21 第1層 22 第2層 30 不陸吸収型まくらぎ 31 まくらぎ本体 31a,31b レール支持面 32 不陸吸収部 40A〜40D,40A′〜40D′ 不陸吸収型まく
らぎ 41A〜41D,41A′〜41D′ まくらぎ本体 41a,41b レール支持面 42A〜42D,42A′〜42D′ 不陸吸収部 43A,43A′ 保持ボルト 43B,43B′ 保持ピン 43C′ 保持ボルト 43D′ 保持ピン 44C,44C′ 保持部材 44D,44D′ 保持部材 51 アスファルト填充道床 51a 仮道床 51b 側方道床 52 アスファルト填充道床 52a 仮道床 52b 側方道床 53 ガスバーナー 54 加熱具 411,412 ボルト孔 413,414 ピン孔 415 係合凹部 416 ボルト孔 417,418 ピン孔 421 ボルト頭部収容凹部 422,423 ボルト軸部挿通孔 424 ピン頭部収容凹部 425,426 ピン軸部挿通孔 427,428 保持部材頭部収容凹部 429 ピン軸部挿通孔 441 係止突起 442 ピン軸部挿通孔 541 コテ体 541a 斜面 541b 上平面 541c 底面 541d 背面 541e 側面 541f 尖端縁 542 柄体 543 把持部 544 リード線 545 スイッチ 546 電熱体 B まくらぎ幅 B′ コテ体幅 L まくらぎ長 R,R′ レール S1 ,S2 まくらぎ敷設面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢口 直幸 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 御船 直人 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 高尾 賢一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 長藤 敬晴 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 安藤 勝敏 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 堀池 高広 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 岩▲崎▼ 嵩 東京都豊島区駒込5丁目4番29号 (72)発明者 伏見 雅光 東京都小金井市東町2丁目22番25号 (72)発明者 清水 ▲禎▼一 東京都練馬区下石神井6丁目1番24号

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体状に形成され、道床上又は路盤
    上に敷設されてレールを支持し、前記レールからの圧力
    を広い面積に拡大して前記道床又は前記路盤に伝達し、
    かつ前記レールの間隔を一定に維持する軌道支持体であ
    って、 圧力が作用した場合に塑性変形を生じるように構成さ
    れ、前記軌道支持体の下面に配置され、前記軌道支持体
    が前記道床又は前記路盤上に敷設された場合に、前記軌
    道支持体の自重又は前記レールからの圧力により塑性変
    形して前記道床の上部又は前記路盤の上部の凹凸を吸収
    し、前記軌道支持体を前記道床上又は前記路盤上におい
    て平坦状態で支持させる不陸吸収手段を備えたことを特
    徴とする軌道支持体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軌道支持体において、 前記不陸吸収手段は、塑性材料からなり、粘性体状態又
    は流動体状態において前記軌道支持体の下面上に流し込
    み又は塗布又は噴霧若しくは散布によって略膜状又は略
    層状若しくは略板状に形成され前記軌道支持体の下面上
    に粘着又は接着を含む付着により保持されることを特徴
    とする軌道支持体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軌道支持体において、 前記不陸吸収手段は、塑性材料からなり略膜状又は略層
    状若しくは略板状に形成された塑性シート部材と、前記
    塑性シート部材を前記軌道支持体の下面に保持する保持
    手段を備えることを特徴とする軌道支持体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の軌道支持体において、 前記保持手段は、機械的な作用又は力により前記塑性シ
    ート部材を前記軌道支持体の下面に保持することを特徴
    とする軌道支持体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の軌道支持体において、 前記機械的な作用は、係合、嵌合、又は螺合のうちのい
    ずれか又はこれらの適宜の組合わせを含むことを特徴と
    する軌道支持体。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の軌道支持体において、 前記保持手段は、粘着力又は接着力を含む付着力により
    前記塑性シート部材を前記軌道支持体の下面に保持する
    ことを特徴とする軌道支持体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の軌道支持体において、 前記保持手段は、粘着剤又は接着剤を含む付着性物質で
    あることを特徴とする軌道支持体。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の軌道支持体において、 前記保持手段は、繊維系材料からなり、略膜状又は略層
    状若しくは略板状に形成され、加熱により付着性を発揮
    する付着性物質が含浸され、前記塑性シート部材の一面
    に貼設された部材であることを特徴とする軌道支持体。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の軌道支持体において、 前記保持手段は、前記塑性シート部材の一面に含浸さ
    れ、加熱により付着性を発揮する付着性物質であること
    を特徴とする軌道支持体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のうちのいず
    れか1項に記載の軌道支持体において、 前記不陸吸収手段は、前記軌道支持体の下面の全部又は
    一部を被覆するように配置されることを特徴とする軌道
    支持体。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10のうちのい
    ずれか1項に記載の軌道支持体において、 まくらぎ又はスラブを含むことを特徴とする軌道支持
    体。
  12. 【請求項12】 圧力が作用した場合に塑性変形を生じ
    るように構成され、略シート状に形成された部材であっ
    て、地盤と接する処置対象構造物の面、又は他の構造物
    と接する処置対象構造物の面に貼設され、前記地盤又は
    他の構造物に押し付けられることにより、前記処置対象
    構造物に対向する前記地盤又は前記他の構造物の面の凹
    凸を前記塑性変形によって吸収することを特徴とする不
    陸吸収部材。
  13. 【請求項13】 塑性を有する繊維系材料からなり略膜
    状又は略層状若しくは略板状に形成された基層と、加熱
    により軟化し付着性を発揮する付着層を前記基層のいず
    れか一面に有する不陸吸収部材の前記付着層の面を加熱
    し、地盤と接する処置対象構造物の面、又は他の構造物
    と接する処置対象構造物の面に貼設することにより、前
    記処置対象構造物に対向する前記地盤又は前記他の構造
    物の面の凹凸を前記基層の塑性変形により吸収すること
    を特徴とする不陸吸収工法。
  14. 【請求項14】 略直方体状に形成され、レールを支持
    し、前記レールからの圧力を広い面積に拡大して下方に
    伝達し、かつ前記レールの間隔を一定に維持する軌道支
    持体を道床又は路盤の上に敷設する軌道支持体敷設工法
    であって、 塑性を有する繊維系材料からなり略膜状又は略層状若し
    くは略板状に形成された基層を有し、加熱により軟化し
    粘着性又は接着性を含む付着性を発揮する熱可塑性物質
    が含浸された付着層をいずれか一面に有するとともに前
    記軌道支持体の下面投影形状と略同一形状に形成された
    不陸吸収部材の前記付着層を加熱することにより前記熱
    可塑性物質を滲出又は溶出させる付着層加熱工程と、 前記熱可塑性物質が滲出又は溶出した前記付着層の面を
    前記軌道支持体の下面に密着させつつ押しつけることに
    より前記不陸吸収部材を前記軌道支持体の下面に貼設さ
    せる不陸吸収部材貼設工程と、 前記軌道支持体の下面に貼設された前記不陸吸収部材の
    前記基層が下方に向くようにして前記軌道支持体を前記
    道床又は前記路盤上に敷設し、前記軌道支持体の自重又
    は前記レールからの圧力により前記基層を塑性変形させ
    前記道床の上部又は前記路盤の上部の凹凸を吸収し、前
    記軌道支持体を前記道床上又は前記路盤上において平坦
    状態で支持させる軌道支持体敷設工程を有することを特
    徴とする軌道支持体敷設工法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の軌道支持体敷設工法
    において、 前記付着層加熱工程に先立ち、前記軌道支持体の下面に
    残存している不要物を除去する被貼設面清掃工程を行う
    ことを特徴とする軌道支持体敷設工法。
  16. 【請求項16】 請求項14又は請求項15記載の軌道
    支持体敷設工法において、 前記付着層加熱工程に先立ち、前記軌道支持体の下面を
    乾燥させる被貼設面乾燥工程を行うことを特徴とする軌
    道支持体敷設工法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の軌道支持体敷設工法
    において、 前記付着層加熱工程に先立ち、かつ前記被貼設面乾燥工
    程の実施後、表面処理剤を前記軌道支持体の下面に塗
    布、噴霧、散布のうちのいずれか又はこれらの適宜の組
    合わせを含む方法により薄膜形成させ、前記不陸吸収部
    材と前記軌道支持体の下面との付着性を向上させる被貼
    設面処理工程を行うことを特徴とする軌道支持体敷設工
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214269A (ja) * 2003-02-12 2006-08-17 Tekken Constr Co Ltd 架設桁
JP2012041795A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Railway Technical Research Institute 粒状体を用いた自動沈下補正装置および自動沈下補正まくらぎ
JP2012184570A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Keio Construction Co Ltd 踏切の溝に対する充填構造体
KR20230128792A (ko) * 2022-02-28 2023-09-05 한국석유공업 주식회사 아스팔트 콘크리트 도상 철도구조물의 시공방법

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