JPH10250127A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JPH10250127A
JPH10250127A JP7081097A JP7081097A JPH10250127A JP H10250127 A JPH10250127 A JP H10250127A JP 7081097 A JP7081097 A JP 7081097A JP 7081097 A JP7081097 A JP 7081097A JP H10250127 A JPH10250127 A JP H10250127A
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JP
Japan
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common electrode
thermal head
insulating layer
heat insulating
convex portion
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JP7081097A
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Hirotoshi Terao
博年 寺尾
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のサーマルヘッドの共通電極と、個別電
極とは硬度の低いAlあるいはCu等を使っていたの
で、前記それぞれの電極の上部の保護層に形成されてい
る突出部に、印字中にプラテンの反力が加わって、前記
硬度が低い共通電極・個別電極が膜厚方向に押圧され
て、それぞれの膜厚が若干変化する。そのために、前記
それぞれの突出部、クリープ(応力緩和)が発生して、
突出部が破壊して、印字ができなくなる問題があった。 【解決手段】 保温層2の一方側のすそ野端部近傍に凹
部2bを形成し、この凹部2b内に共通電極4が配置さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばサーマルプ
リンタ等に使用されるシリコン基板を用いた、特に普通
紙等の表面の平滑度が粗い用紙に記録するサーマルヘッ
ドに係わり、共通電極と個別電極とが形成される部分の
基板形状に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なサーマルプリンタに使用される
従来のサーマルヘッドS2は、インクリボンあるいは感
熱紙などの記録媒体に接した状態で使用される物であ
り、複数個の発熱抵抗体を基板上に直線的に配列し、所
望の印字情報に基づいていずれかの発熱抵抗体に選択的
に順次通電を行って発熱抵抗体を発熱させることによ
り、感熱プリンタにおいては感熱記録紙を発色させ、熱
転写プリンタにおいてはインクリボンのインクを部分的
に溶融して普通紙等に転写して印字を行うように形成さ
れている。
【0003】図4は従来一般的なのサーマルヘッドS2
の構造を説明する要部断面図で、図5は従来のサーマル
ヘッドS2が用紙等に圧接されて、印字途中の状態を示
す概略図である。まず、図4に示すサーマルヘッドS2
は、絶縁性材料から成る凸部を有する基板11の上面に
は、ガラスグレーズから成る保温層12に凸部12aが
形成されて、凸部12aの両側のすそ野端部には、平坦
部12b・12cが形成されている。そして、該保温層
12の凸部12aの頂上部には、複数個の発熱抵抗体1
3が直線状に整列して形成されている。また、この発熱
抵抗体13はTa−SiO2等からなる材料を、前記保
温層12の凸部12a表面に複数の直線状に分割されて
積層形成されている。また、前記保温層12の一方側の
すそ野端部近傍の平坦部12b上に、共通電極14が形
成されて、前記抵抗体13と共通電極14との間に副配
線パターン14aが形成されている。そして、この副配
線パターン14aにより、発熱抵抗体13と共通電極1
4とが導通している。また、前記凸部12aの他方側の
すそ野端部、あるいは前記すそ野端部より内側の位置の
平坦部12c上に、個別電極15が形成されて、前記発
熱抵抗体13と個別電極15との間に副配線パターン1
5aが形成されている。そして、この副配線パターン1
5aにより、発熱抵抗体13と個別電極15とが導通し
ている。
【0004】そして、前記共通電極14および個別電極
15は、例えばAl、あるいはCu等の安価で比較的柔
らかい材料から成り、スパッタリング等によって保温層
12のそれぞれの平坦面12b・12c上に設けられ
て、エッチング等により所望形状のパターンに形成され
ている。また、前記それぞれの副配線パターン14a・
15aは、例えば材料がMo、Cr,Ti等の硬質で高
融点の金属からなり、スパッタリング等により発熱抵抗
体13の上面を含む共通電極14から個別電極15の間
に被着して設けられて、エッチング等により発熱抵抗体
13上面の被覆部を取り去って、所望のパターンに形成
されている。
【0005】また、前記発熱抵抗体13、および、それ
ぞれの副配線パターン14a・15aを含む共通電極1
4・個別電極15上には、硬質で耐酸化性および耐摩耗
性のよいサイアロン等からなる保護層16がスパッタリ
ング等で被覆されている。そして、前記保護層16は、
前記保温層12の凸部12aおよび共通電極14・個別
電極15上に均等の厚さで形成される。そのために、保
護層16の表面は凸部16aと、この凸部16aの両側
のすそ野部分に配置されている、共通電極14および個
別電極15が位置する部分の上方の保護層16にに、そ
れぞれ突出部16b・16cが形成されている。また、
共通電極14上の突出部16bの外側端部(図4におい
て右端部)にインクリボン6を引き剥がすためのヘッド
端部16dが形成されている。そして、前記保護層16
の凸部16aの頂上面部から、突出部16bまでの段差
が寸法Aで形成されている。
【0006】このような構成の従来のサーマルヘッドS
2は、図示しないプリンタに取り付けられて、図5の要
部拡大図に示すように、インクリボン7を介して、ゴム
等の柔らかい材質からなるプラテン8に搬送される用紙
9に押圧して、所望の印字信号に基づいて選択された発
熱抵抗体13に接続される個別電極15に通電を行っ
て、所望の発熱抵抗体13を発熱させて、この発熱抵抗
体13が対向する部分のインクリボン7のインク(図示
せず)を溶融させて、用紙9に転写して、用紙9上に所
望の文字や図形等の記録を行うことができる。
【0007】近年における熱転写プリンタは、印字の高
精細化並びに印字品質の向上等の高性能化の要求が極め
て強くなってきている。しかし、用紙9が普通紙だと、
表面が微小の凹凸状になっているので、普通紙等の用紙
9に印字すると印字品質が悪くなる問題があった。その
対策として、サーマルヘッドS2をプラテン8に押圧す
る押圧力Pを大きくして、サーマルヘッドS2が用紙9
の表面の微小の凹凸をつぶして、用紙9の表面を平坦状
にしながら、インクリボン7のインクを用紙9に転写す
るようになっているので、普通紙等の用紙9の表面に微
小の凹凸があっても、高品質の印字ができるようになっ
ている。このような熱転写プリンタ(図示せず)にあっ
ては、プラテン8がゴム等の柔らかい材料からなってい
るので、サーマルヘッドS2の押圧力Pにより、サーマ
ルヘッドS2の凸部16aだけでなく、共通電極14、
および個別電極15上のそれぞれの突出部16b・16
c、およびヘッド端部16dが、インクリボン7を介し
て、プラテン8の表面を沈み込ませて変形させながら、
所望の印字をするようになっている。また、サーマルヘ
ッドS2は図5に示すように、個別電極15側がプラテ
ン8から離れるように、プラテン8に対して所定の角度
が形成されているので、印字中のサーマルヘッドS2
は、矢印L方向にプラテン8に沿ってスムーズに移動で
きるようになっている。また、前記サーマルヘッドS2
がプラテン8に対して傾斜しているために、個別電極1
5側の突出部16cに加わるプラテン8の反力W2より
も、共通電極14側に加わるプラテン8からの反力W1
の方が大きくなるようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、印字中のサー
マルヘッドS2の押圧力Pにより、前記それぞれの突出
部16b・16cにプラテン8の反力W1・W2が加わ
ると、それぞれの電極14・15の材質は、硬度の低い
AlあるいはCu等を使っているので、共通電極14・
個別電極15が膜厚方向に押圧されて、それぞれの膜厚
が若干変化する。そして、前記それぞれの突出部16b
・16cに、前記反力W1・W2が印字動作毎に繰り返
し加わると、前記突出部16b・16cに、クリープ
(応力緩和)が発生して、突出部16b・16cが破壊
して、印字ができなくなる問題があった。また、前記保
護層16の凸部16a、および、ヘッド端部16dは、
下地の基板11、および保温層12が硬質なため、押圧
力PでサーマルヘッドS2を繰り返しプラテン8に押圧
して印字しても、前記突出部16b・16cより先に破
壊することはない
【0009】また、前記それぞれ突出部16b・16c
が形成さているため、このそれぞれの突出部16b・1
6cの表面が、凸部16aの頂上面部に近くなり、凸部
16aの頂上面部から前記突出部16b・16cまでの
段差寸法Aが小さくなる。そのために、サーマルヘッド
S2に加えられている押圧力Pが、保護層16の凸部1
6aに集中しないで、前記それぞれの突出部16b・1
6cにも分散されるので、印字品質が低下する。そのた
めに、さらに、サーマルヘッドS2の押圧力Pを大きく
していたので、前記プラテン8からの反力W1・W2も
大きくなって、サーマルヘッドS2の寿命が更に短くな
るという、悪循環になっていた。
【0010】また、前述のような、それぞれの突出部1
6b・16cにクリープ(応力緩和)が発生するのを防
止するために、共通電極13および個別電極14の膜厚
を薄くすることが考えられる。しかし、これら電極の膜
厚を薄くすると、特に共通電極13の抵抗値が大きくな
り、ドット状に並列して並んだ複数の発熱抵抗体13の
中央部付近の発熱抵抗体13にまで適正な電圧が供給で
きなくなる、いわゆる電圧降下が発生して、前記発熱抵
抗体13の発熱が所望の温度まで発熱しなくて、所望の
印字ができなくなる問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する第1
の手段として、基板と、該基板の上面にすそ野を有する
凸部が形成された保温層と、この保温層の凸部に形成さ
れた複数の発熱抵抗体と、この複数の発熱抵抗体に接続
される前記保温層の凸部の一方側のすそ野端部近傍に共
通電極/他方側のすそ野端部近傍に個別電極と、前記保
温層、発熱抵抗体、および共通電極と個別電極との上面
を被覆する保護層とを備え、前記保温層の凸部の一方側
のすそ野近傍に凹部を形成し、この凹部内に共通電極が
配置されている構成とした。また、前記課題を解決する
第2の手段として、前記保温層の凸部の一方側のすそ野
端部近傍の凹部の深さは、前記共通電極の0.3〜3倍
に形成した構成とした。また、前記課題を解決する第3
の手段として、前記保温層の凸部の他方側のすそ野端部
近傍に凹部を形成し、この凹部内に個別電極が配置され
ている構成とした。また、前記課題を解決する第4の手
段として、前記個別電極は、前記保温層の凸部を形成す
るすそ野端部から、50〜150μm離れた位置に配置
されている構成とした。また、前記課題を解決する第5
の手段として、前記共通電極が配置されている、保温層
の凹部を形成する側壁の頂上面部を覆う保護層表面の幅
寸法を、前記保護層の凸部頂上面部の幅寸法の30〜1
00%の寸法で形成した構成とした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1〜図3をもとに説明する。なお前述した従来の
技術と同一の構成の物については、同一の番号を付して
説明する。図1は本発明のサーマルヘッドSの要部断面
図で、図2は本発明のサーマルヘッドSの変形例を示す
要部断面図で、図3は本発明のサーマルヘッドSを押圧
力Pの力でプラテン8に押圧してプラテン8が変形して
いる状態を説明する概略図である。まず、図1に示すサ
ーマルヘッドSは、例えば、硬質の単結晶シリコン等の
絶縁性材料から成る凸部を有する基板1が形成されてい
る。この基板1の上面には、SiとTaとの低酸化物を
主成分とする硬質の保温層2が、略15〜35μm程度
の略一様な膜厚で形成されている。
【0013】また、前記保温層2の凸部2aの頂上面部
を含む近傍には、複数個の発熱抵抗体3が直線状に整列
してドット状に形成されている。また、この発熱抵抗体
3はTa−SiO2 等からなる材料を、前記保温層2
の凸部2a表面にスパッタリング等により積層形成した
後、エッチング等で複数に分割されて形成されている。
また、前記保温層2の凸部2aの一方側のすそ野端部近
傍には、後述する共通電極4の厚さと同じかそれ以上の
深さの凹部2bが側壁2eを有して形成されている。ま
た、凸部2aの他方側のすそ野端部には平坦部2cが形
成されている。そして、前記発熱抵抗体3と共通電極4
との間の、前記凸部2aの一方側の斜面に副配線パター
ン4aが形成されて、前記発熱抵抗体3と共通電極4と
が導通するようになっている。また、前記保温層2の凸
部2aの他方側のすそ野端部近傍の平坦部2c上には、
個別電極5が形成されて配置されている。そして、前記
発熱抵抗体3と個別電極5との間の、前記凸部2aの頂
上面部の一部を含む他方側の斜面に、副配線パターン5
aが形成されて、前記発熱抵抗体3と個別電極5とが導
通しているので、前記複数の発熱抵抗体3に、それぞれ
独立して通電を行うことができるようになっている。ま
た、個別電極5は前記凸部2aの他方側のすそ野端部か
ら略50〜150μm離れた位置に配設されている。
【0014】そして、前記共通電極4および個別電極5
は、それぞれ、例えばAl、あるいはCu等の安価で比
較的柔らかい材料から成り、スパッタリング等によって
膜厚が略2〜4μmに形成されて、エッチング等によ
り、所望形状のパターンに加工されている。また、前記
それぞれの副配線パターン4a・5aは、例えば材料が
Mo、Cr,Ti等の硬質で高融点の金属からなり、ス
パッタリング等により略0.2μmと非常に薄い膜厚で
発熱抵抗体3の上面を含む共通電極4から個別電極5の
上面に略均一の厚さで形成されて、エッチング等により
発熱抵抗体3および共通電極4・個別電極5の上面を取
り去って所望形状のパターンに加工されている。
【0015】また、前記発熱発熱抵抗体3、および、そ
れぞれの副配線パターン4a・5aを含む共通電極4・
個別電極5を覆うように、耐酸化性および耐摩耗性のよ
いサイアロン等からなる硬質の保護層6が、スパッタリ
ング等で5〜10μmの膜厚が略均一に形成されてい
る。また、保護層6は、凸部6aと、この凸部6aの一
方側のすそ野端部近傍に凹部6bと、インクリボン7を
引き剥がすためのヘッド端部6cを有する平坦部6dと
が形成されて、この平坦部6dは前記保温層2の凹部2
bを形成する側壁2eの頂上面部を覆うように形成され
ている。そして、この平坦部6dから前記凸部6aの頂
上面部までの段差寸法Bは、共通電極が凹部2b内に沈
み込んで配置されているので、前記従来の技術で説明し
た図4に示すA寸法より大きくなっている。
【0016】また、インクリボン7のインクの種類によ
って、インクを溶融して用紙9に転写してから、引き剥
がすまでの時間が異なるものがあるので、前記共通電極
4が配置されている保温層2の凹部2bを形成する側壁
2eの頂上面部を覆う、保護層6表面の平坦部6dの寸
法Dを、前記保護層6の凸部頂上部の幅寸法Eの30〜
100%の寸法で形成している。そのために、前記平坦
部6dの幅寸法Dが異なる数種類のサーマルヘッドSを
用意していれば、熱転写プリンタ(図示せず)の種類に
よって、使用するインクリボン7のインクの種類が異な
る場合は、インクリボン7のインクの種類に最適な平坦
部6dの幅寸法Dを選択して熱転写プリンタに適用する
ことができる。また、共通電極4が凹部2b内に形成さ
れるため、保護層6二はまた、前記個別電極5は、保温
層2の他方側のすそ野端部から50〜150μm程度離
れた平坦部2c上に配置されているので、凸部6aの他
方側のすそ野端部から、離れた平坦部6e上の位置に、
突出部6fが形成されるようになっている。
【0017】また、その他の実施の形態として、個別電
極5を図2に示すように、保温層2の凸部2aの他方側
のすそ野端部近傍に、前記凸部2aの一方側のすそ野近
傍に形成されている凹部2bと同じ深さで、凹部2dを
形成し、この凹部2d内に個別電極5を沈み込ませて配
置したものでもよい。この場合の個別電極5上の保護層
6の表面6gは、図1に示す平坦部6eの表面より、個
別電極5の厚さ分だけ基板1側に低く形成されている。
【0018】このような構成の本発明のサーマルヘッド
Sは、図示しないプリンタに取り付けられて、図3の要
部拡大図に示すように、インクリボン7を介して、ゴム
等の柔らかい材料からなるプラテン8に支持される用紙
9に、サーマルヘッドSを押圧する。そして、所望の印
字信号に基づいて個別電極5に通電を行って、所望の発
熱抵抗体3を発熱させて、この発熱抵抗体3が対向する
部分のインクリボン7のインク(図示せず)を溶融させ
て、このインクを用紙9に転写して、所望の文字や図形
等の記録を行うことができるようになっている。そし
て、図3に示すように、サーマルヘッドSの押圧力Pに
より、ゴム等からなるプラテン8の表面が、サーマルヘ
ッドSの保護層6の凸部6aだけでなく、凸部6aの一
方側のすそ野近傍の凹部6b、平坦部6d、およびヘッ
ド端部6cが、インクリボン7を介して、プラテン8の
表面を沈み込ませて変形させながら所望の印字をするよ
うになっている。また,前記凸部6aの他方側のすそ野
の個別電極5上の表面6gと、インクリボン7との間に
は、若干の隙間が形成される。そのために、プラテン8
の反力W2は保護層6の表面6gには加わらないように
なっている。
【0019】そして、共通電極4上の保護層6の表面
が、ヘッド端部6cを有する平坦部6dの表面より沈ん
で凹部6dが形成されているので、従来の技術で説明し
た、共通電極4に加わっていた反力W1は、W3・W4
・W5に分散される。そのために、共通電極4に加わる
プラテン8の反力は従来より小さくなり、従来と同等の
押圧力Pがサーマルヘッドに加わっても、共通電極4の
膜厚が変化することがないので、繰り返しの押圧力Pを
プラテン8に加えても、サーマルヘッドSの保護層6が
破壊を軽減させることができる。また、前記凸部6aの
他方側のすそ野の個別電極5上の表面6gと、インクリ
ボン7との間には、若干の隙間が形成される。そのため
に、プラテン8の反力W2は保護層6の表面6gには加
わらないようになっているので、個別電極5上の保護層
6の破壊を軽減させることができる。
【0020】また、図1に示すような保温層2の凸部2
aの他方側のすそ野端部から50〜150μm離れた位
置に、個別電極が配置されているサーマルヘッドSの場
合は、保護層6の凸部6aの他方側のすそ野端部の平坦
部6eに、プラテン8の反力W2が加わる。しかし、前
記平坦部6eの直下には個別電極5がないので、平坦部
6eにプラテン8の反力W2が、繰り返し加わっても保
護層6が破壊することはない。また、本発明のサーマル
ヘッドSの実施の形態では、前記保温層2の凹部2bの
深さを、共通電極4の厚さの1〜3倍の深さのもので説
明したが、前記凹部2bの深さを、共通電極4の厚さの
0.3〜1倍に形成したもので、共通電極4上の保護層
6の表面が、若干ヘッド端部6cを有する平坦部6dよ
り突出したものでも、前記実施の形態で説明したものと
同様の効果を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明におけるサー
マルヘッドによれば、保温層の一方側のすそ野端部近傍
に凹部を形成し、この凹部内に共通電極が配置されてい
るので、共通電極上の保護層に加わるプラテンの反力が
分散されて小さくなり、共通電極上の保護層の破壊が軽
減できるので、低コストで長寿命のサーマルヘッドを提
供することができる。また、前記保温層の凹部に共通電
極を沈めて配置したので、保護層の凸部頂上面部から共
通電極上部の保護層までの段差寸法が大きくなり、共通
電極上部の保護層に加わっていたサーマルヘッドの押圧
力が、段差寸法が大きくなった分だけ、前記サーマルヘ
ッドの押圧力が保護層の凸部頂上面部に集中されるので
印字品質を向上させることができる。
【0022】また、前記保温層の凸部の一方側のすそ野
端部近傍の凹部の深さは、前記共通電極の膜厚の0.3
〜3倍に形成されているので、凹部の深さ分だけ電極の
厚さを厚くすることができる。そのために、電極の抵抗
値を小さくすることができるので、発熱抵抗体の電圧降
下が防止できて、印字品質を向上することができる。
【0023】また、前記保温層の凸部の他方側のすそ野
端部に凹部を形成し、この凹部内に個別電極が配置され
ているので、個別電極上の保護層に、プラテンの反力が
加わらないので、個別電極上の保護層の破壊を防ぐこと
ができる。
【0024】また、前記個別電極は、前記保温層の凸部
を形成する他方側のすそ野端部から50〜150μm離
れた位置に配置されているので、個別電極にプラテンか
らの反力が加わらないので、個別電極上の保護層が破壊
されることがなく、長寿命のサーマルヘッドを提供する
ことができる。
【0025】また、前記共通電極が配置されている、保
温層の凹部を形成する側壁の頂上面部を覆う保護層表面
の幅寸法を、前記保護層の凸部の頂上面部の幅寸法の3
0〜100%の寸法で形成したので、インクリボンのイ
ンクの種類によって、用紙からインクリボンを引き剥が
す時間が異なっても、この引き剥がし時間にあわせて、
前記保護層表面の寸法Dを選択してプリンタに適用でき
るので、印字品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルヘッドの要部断面図。
【図2】本発明のサーマルヘッドのその他の実施の形態
を示す要部断面図。
【図3】本発明のサーマルヘッドの印字途中をを示す要
部断面図。
【図4】従来のサマールヘッド要部断面図。
【図5】従来のサマールヘッドの印字途中の要部断面
図。
【符号の説明】
1 基板 2 保温層 3 発熱抵抗体 4 共通電極 5 個別電極 6 保護層 7 インクリボン 8 プラテン 9 用紙 11 基板 12 保温層 13 発熱抵抗体 14 共通電極 15 個別電極 16 保護層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板の上面にすそ野を有する
    凸部が形成された保温層と、この保温層の凸部に形成さ
    れた複数の発熱抵抗体と、この複数の発熱抵抗体に接続
    される前記保温層の凸部の一方側のすそ野端部近傍に共
    通電極/他方側のすそ野端部近傍に個別電極と、前記保
    温層、発熱抵抗体、および共通電極と個別電極との上面
    を被覆する保護層とを備え、前記保温層の凸部の一方側
    のすそ野端部近傍に凹部を形成し、この凹部内に共通電
    極が配置されていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保温層の凸部の一方側のすそ野端部
    近傍の凹部の深さは、前記共通電極の厚さの0.3〜3
    倍に形成したことを特徴とする請求項1、あるいは2記
    載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保温層の凸部の他方側のすそ野端部
    近傍に凹部を形成し、この凹部内に個別電極が配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記個別電極は、前記保温層の凸部を形
    成する他方側のすそ野端部から、50〜150μm離れ
    た位置に配置されていることを特徴とする請求項1、あ
    るいは2記載のサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 前記共通電極が配置されている、保温層
    の凹部を形成する側壁の頂上面部を覆う保護層表面の幅
    寸法を、前記保護層の凸部の頂上面部の幅寸法の30〜
    100%の寸法で形成したことを特徴とする請求項1、
    あるいは2、あるいは3記載のサーマルヘッド。
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