JPH10247914A - 無線通信システム - Google Patents

無線通信システム

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JPH10247914A
JPH10247914A JP4819797A JP4819797A JPH10247914A JP H10247914 A JPH10247914 A JP H10247914A JP 4819797 A JP4819797 A JP 4819797A JP 4819797 A JP4819797 A JP 4819797A JP H10247914 A JPH10247914 A JP H10247914A
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JP
Japan
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station
transmission
communication system
relay
wireless communication
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JP4819797A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Mukai
寛 向井
Teiji Tanaka
定司 田中
Junichi Oizumi
純一 大泉
Yoshihiro Nagaoka
嘉浩 長岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】端末局が移動する場合にも、広域において伝送
経路を確実に形成でき高い信頼性を維持する。 【解決手段】送信局3が送信した信号を転送域内の他の
子局2が受信する。各子局2はほぼ同時並行してセンサ
情報、送信局位置情報、センサ位置情報を受信し遅延時
間の演算を行う。このとき最も親局1に近い子局2の遅
延処理が最初に終了し、この時点で送信をしている他局
は無いため次の信号の送信をキャリア信号から開始す
る。送信後に所定時間受信状態で待機していた送信局3
は、最初のキャリア信号を受信し、子局2への正常な伝
送を確認する。その後、他の子局2は、遅延時間が経過
するとともにこの順番に他局状況の調査を開始するが、
その時点では、既に最初の子局2が新たな送信局となっ
てキャリア信号を送信しているため、これら後発の子局
2は受信状態となって待機する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレメータ、テレ
コントロールシステム等に使用される無線通信システム
に係わり、特に、送信出力が小さい端末局から親局にデ
ータを送信する無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】広域に分布する計測装置が出力する計測
情報を収集し計測制御処理を行うテレメータ、テレコン
トロールシステムは、従来より種々の分野で活用されて
いる。すなわち例えば、河川水位の監視・降雨データの
収集等、非常に広域にわたるものから、一般家庭におけ
るガス使用量の管理等、比較的小規模なものまで存在す
る。
【0003】これらにおけるデータの転送方式は、一般
に有線方式と無線方式とに大別される。有線方式は、親
局〜端末局間を直接に接続、若しくは端末局を介して間
接的に接続し通信を行うものである。この方式は、電話
線等が既に存在する地域を対象とする場合や、存在しな
くても対象領域が小規模である場合には、大きな問題は
ない。しかし、電話線が存在せず、かつ対象領域が山間
部・湖沼等広域である場合には、配線の敷設工事に莫大
なコストがかかることになる。
【0004】これに対し、無線方式は配線敷設の問題は
ない。しかし、法規制によって空中線出力・周波数が厳
しく規制されており、長距離伝送を可能とする大きな空
中線出力を送信するためには、特定の免許を有する無線
従事者を配置する必要がある。したがって、広域で多点
計測を行う場合には、人件費を含む莫大な運用コストが
発生する。さらに、空中線出力を増大させるためには端
末局に給電を行わねばならないのでその配線工事が必要
となり、また大きな空中線出力によって電磁波が環境に
悪影響を与える可能性もある。そこで、これらを解決す
るために、端末局を中継局としたリレーによってデータ
を伝送し、これによって端末局の空中線出力を抑制する
方法が提唱されている。このような公知技術例として、
例えば特開平5−75612号公報がある。この公知技
術は、通信経路を端末局でテーブル化して管理しネット
ワークシステムを構築するもので、システム起動時もし
くは定期的に端末局同士でテーブル構築を行うことによ
り、データの伝送経路を探索し形成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知技
術においては以下の課題が存在する。すなわち例えば、
広い領域を対象として温度・水位・降雨量データの収集
等を行う場合には、端末局を計測車や観測船といった移
動手段に搭載することが多々ある。その際には、端末局
の位置が時間とともに変化することとなるが、上記公知
技術はこのような場合に対し配慮されていない。すなわ
ち、上記公知技術の構成によれば、移動のたびに端末局
同士でポウリングを行ってテーブルを形成し、このテー
ブルに基づいて伝送ルートを形成した後でなければデー
タ伝送を行うことができない。したがって、データ伝送
までに長時間を要し、その間に端末局がさらに移動する
可能性もある。したがって、事実上、端末局の移動に対
応するのが困難であり、端末局移動時には伝送経路の確
保が困難となる可能性があり、信頼性が低い。本発明
は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、
その目的は、端末局が移動する場合にも、広域において
伝送経路を確実に形成でき高い信頼性を維持できる無線
通信システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、採取対象となる物理量を採取する
採取手段、及び自局位置を検出する検出手段をそれぞれ
備えた複数の端末局と、これら複数の端末局のうち任意
の端末局を指定してデータ送信要求を出力する親局とを
有し、かつ、前記複数の端末局のそれぞれは、前記採取
手段で採取した物理量データ及び前記検出手段で検出し
た自局位置データを他の端末局又は前記親局に送信する
送信手段と、前記親局からのデータ送信要求又は他の端
末局からの送信データを受信する受信手段とを備えてい
る無線通信システムにおいて、前記複数の端末局のうち
一の送信局が前記物理量データを送信し、その送信デー
タを複数の他の端末局が受信したとき、それら受信局の
それぞれは、自局位置がその送信データを中継すべき所
定領域内にあるかどうかを自局位置・送信局位置・親局
位置の相互関係に基づいて位置判定手段で判定し、この
位置判定手段で自局位置が前記所定領域内にあると判定
した受信局群のそれぞれは、前記送信データの中継に関
し、自局位置・親局位置の相互関係に基づき順位決定手
段で前記受信局群内における自局の優先順位を決定し、
前記順位決定手段で自局優先順位が1位となった受信局
は、該受信局に備えられた前記送信手段で、受信した前
記送信データを中継して送信することを特徴とする無線
通信システムが提供される。すなわち、本発明において
は、複数の端末局のうちある送信局から物理量データが
送信された場合、それを中継すべき端末局を選択するた
めに、まず第1段階として、その送信データを受信した
受信局のうち、中継に適した所定領域内にあるものだけ
が各受信局の位置判定手段によって選抜される。そして
第2段階として、所定領域内の受信局群のそれぞれに備
えられた順位決定手段によって各受信局の優先順位が決
定され、1位となった受信局が受信したデータの中継を
行う。このとき、各端末局は検出手段で自局位置を検出
しており、第1段階の位置判定手段による選抜は自局位
置・送信局位置・親局位置の相互関係に基づいて行われ
るとともに、第2段階の順位決定手段による順位決定は
自局位置・親局位置の相互関係に基づいて行われる。し
たがって、送信局や自局の位置が時間と共に変化する場
合にも、そのときの位置に対応した形で中継すべき局が
適宜選択され、その選択を繰り返して中継による伝送ル
ートが形成される。このとき、伝送ルートは受信局側の
位置判定手段及び順位決定手段で決められ、送信局側は
伝送ルートが決まる前に送信を行うことができるので、
データ伝送が短時間で完了する。したがって、端末局が
移動する場合にも、親局へのデータ伝送経路を確実に形
成することができるので、高い信頼性を維持できる。
【0007】好ましくは、前記無線通信システムにおい
て、前記位置判定手段は、前記所定領域として、前記送
信局を円中心とし該送信局と前記親局とを結ぶ直線を線
対称軸とした、半径rかつ中心角2θの扇形領域を判定
基準とすることを特徴とする無線通信システムが提供さ
れる。これにより、例えばθ<30°とすることで2つ
以上の端末局が中継を開始してしまう混信状態を回避す
ることができ、またrを電波の最大到達距離以下とする
ことで伝送経路が途中で途切れる伝送不能の発生確率を
低減できる。したがって信頼性を向上させることができ
る。
【0008】また好ましくは、前記無線通信システムに
おいて、前記順位決定手段は、受信した前記送信データ
の中継送信を開始する際の遅延時間を、自局位置・親局
位置の相互関係に基づいて設定する遅延時間設定手段
と、前記遅延時間が経過した後に、前記所定領域内にあ
る他局からの中継送信が既に開始されている場合には自
局の中継送信を中止する中継中止手段とを備えているこ
とを特徴とする無線通信システムが提供される。これに
より、優先順位を決めるときには、自局以外の他の受信
局のいずれかからの中継送信の有無のみを判定すれば足
り、他の受信局すべてといちいち位置情報をやりとりす
る必要がないので、迅速に順位を決定することができ
る。また遅延時間の大小で優先順位が自動的に決定され
ることから優先順位1位が最も早く決定され、その決定
された後には全順位決定を待たず直ちに中継送信を開始
できるので、データ伝送のさらなる迅速化を図れる。
【0009】さらに好ましくは、前記無線通信システム
において、前記遅延時間設定手段は、自局と前記親局と
の直線距離L1に応じて遅延時間を設定することを特徴
とする無線通信システムが提供される。これにより、非
常にシンプルな形で遅延時間を決定し、ほぼ最短となる
伝送ルートを形成することができる。
【0010】さらに好ましくは、前記無線通信システム
において、前記遅延時間設定手段は、前記送信局と前記
親局とを結ぶ直線に自局位置から下ろした垂線の距離L
2に応じて遅延時間を設定することを特徴とする無線通
信システムが提供される。これにより、親局からの距離
が遠く離れていても、送信局・親局間の直線に近ければ
遅延時間は短くなる。したがって、遅延時間の最大値を
ある程度抑制しつつ、ほぼ最短となる伝送ルートを形成
することができる。
【0011】また好ましくは、前記無線通信システムに
おいて、前記遅延時間設定手段は、前記送信局と前記親
局とを結ぶ直線上でかつ前記送信局から所定距離roの
位置にある点Mと自局との距離L3に応じて遅延時間を
設定することを特徴とする無線通信システムが提供され
る。これにより、親局からの距離が遠く離れていても、
送信局・親局間の直線上の点Mに近ければ遅延時間は短
くなる。したがって、遅延時間の最大値をある程度抑制
しつつ、ほぼ最短となる伝送ルートを形成することがで
きる。
【0012】また好ましくは、前記無線通信システムに
おいて、前記複数の端末局のうち前記中継送信を行った
1つの中継送信局は、その中継送信後の所定時間内に該
中継送信を受信した端末局がさらなる中継送信を行った
かどうかを判定する中継判定手段をさらに備え、かつ、
この中継判定手段で、前記さらなる中継送信が行われな
かったと判定されたときには、前記送信手段で同一の中
継送信を再度行うことを特徴とする無線通信システムが
提供される。
【0013】さらに好ましくは、前記無線通信システム
において、前記複数の端末局のうち前記中継送信局によ
る前記再度の中継送信を受信した各受信局は、前記位置
判定手段が最初の中継送信受信時の前記所定領域と異な
る領域を判定基準として判定を行うことを特徴とする無
線通信システムが提供される。すなわち例えば、最初の
中継送信受信時において所定領域が送信局を円中心とし
た半径rかつ中心角2θの扇形領域であった場合、再び
中継送信を受信した時においてはこの領域と同一形状で
ありかつ送信局まわりに角度2θだけオフセットした領
域を判定基準とすればよい。これにより、最初の送信で
さらなる中継局が見つからず正常な伝送ができなかった
としても、領域設定変更を繰り返し2回目以降の送信で
必ずさらなる中継局を見つけて正常な伝送を行えるの
で、伝送経路が途中で途切れる伝送不能を防止すること
ができる。
【0014】また好ましくは、前記無線通信システムに
おいて、前記複数の端末局のそれぞれは、太陽電池と、
この太陽電池で生成された電気エネルギの余剰分を貯蔵
する蓄電池とをさらに備えていることを特徴とする無線
通信システムが提供される。これにより、端末局へ電力
を供給するための配線設備が不要となるので、設置やメ
ンテナンスに要するコストを大幅に低減することができ
る。
【0015】また好ましくは、前記無線通信システムに
おいて、前記複数の端末局のそれぞれは、前記受信手段
の受信した電波の方向及び強度をそれぞれ検出する電波
方向検出手段及び電波強度検出手段と、これら電波方向
検出手段及び電波強度検出手段の検出結果に基づき該電
波を送信した送信局の位置を推定する位置推定手段とを
さらに備えていることを特徴とする無線通信システムが
提供される。これにより、受信局側で送信局の位置を推
定できるので、送信局からの送信データ中に送信局の位
置情報を含めなくてもよくなり、送信信号を簡略化する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図12により説明する。本実施形態は、湖沼内及びそ
の周辺部の温度・水位・濁度・降雨量等の物理量データ
を収集し伝送する無線通信システムの実施形態である。
図1は本実施形態による無線通信システムのシステム構
成を示した概念図であり、1つの親局1と、湖沼及びそ
の周辺部の広域にわたって配置された多数の端末局(以
下適宜、子局という)2とを備えている。親局1は、予
め設定された各子局2に割り振られたアドレスにしたが
って(若しくは各子局2の座標値等を指定することによ
り)多数の子局2のうち任意の子局2を指定し、この指
定した子局2にデータ送信を要求するデータ送信要求信
号を出力する。そして親局1は、指定された子局2から
送信したデータを直接・間接に受信し、受信データに対
して所定の処理を行う。なおこのとき、親局1は要求し
たデータをすべて得ると同時(すなわち、後述するセン
サ位置信号100b3の受信が完了すると同時)に、遅
延なしで直ちに受信報告信号をすべての子局2に対して
出力し、全子局2のデータ伝送処理を終了させるように
なっている。子局2は、親局1のデータ送信要求信号に
基づき、温度・水位・濁度・降雨量等の採取対象となる
物理量を採取する採取手段(例えばセンサ等、図示せ
ず)からその物理量を入手してデータ信号として送信す
る機能と、他の子局2が送信したこのデータ信号を中継
する中継機能との両方を備えている(詳細は後述)。
【0017】上記した子局2からのデータ信号、親局1
からのデータ送信要求信号及び受信報告信号の構成をそ
れぞれ図2(a)〜(c)に示す。図2(a)〜(c)
において、データ信号100、データ送信要求信号20
0、及び受信報告信号300はそれぞれ電波信号であ
り、システムごとにあらかじめ決定されている固有の周
波数(例えば40MHz)のキャリア信号100a,2
00a,300aと、これらキャリア信号100a,2
00a,300aにある変調をかけることにより形成さ
れる情報信号100b,200b,300bとによって
構成されている。
【0018】情報信号100bは、センサにより採取し
た物理量を表すセンサ情報信号100b1と、この電波
信号100を直前に送信した送信局の位置を表す送信局
位置信号100b2と、センサの位置を表すセンサ位置
信号100b3とから構成されている。情報信号200
bは、相手先の子局2を特定するためのアドレス信号
(あるいは座標信号)200b1と、自局(親局)の位
置を表す親局位置信号200b2と、親局からデータ送
信を要求するために送信したことを識別するための親局
識別信号200b3とから構成されている。情報信号3
00bは、転送終了を要求する転送終了要求信号となっ
ている。
【0019】なお、情報信号100b,200b,30
0bの変調の方法は、例えば振幅変調、周波数変調、位
相変調等がある。その一例として、振幅変調により情報
信号100bを形成する例を図3に示す。この場合、図
3に示すように、情報信号100bはキャリア信号10
0aの振幅のみを変えて形成され、周波数及び位相は同
一である。情報信号100bは、その波形の包絡線(破
線で示す)により、上述したセンサ情報・送信局位置情
報・センサ位置情報を示す。他の情報信号200b,3
00bについても同様の方法で変調が行われる。
【0020】次に、本実施形態の要部である子局2の構
成及び機能について、順次詳細に説明する。まず、子局
2の外観構造を表す斜視図を図4に示す。この図4にお
いて、子局2は、電波信号を送受信するアンテナ6と、
送受信装置等を構成する電子回路(図示せず、詳細機能
は後述)を格納する筐体140と、地中に埋設されて全
体を固定する敷設用脚部142と、太陽光により発電し
電子回路に対し電力を供給する太陽電池139と、電力
を貯蔵する蓄電池141とを備えている。
【0021】筐体140は、野外に設置することから防
水、防塵構造となっている。また、蓄電池141は、太
陽電池139で生成された電気エネルギの余剰分を貯蔵
するようになっており、例えば昼間晴天時の太陽光線に
より生成した電気エネルギの余剰分は、一旦蓄電池14
1に蓄えられた後、夜間や悪天候時の電力供給に使用さ
れる。なお、子局2のうちいくつかは、例えば計測車や
観測船上に設置されており、時間とともにその位置が変
化するようになっている。
【0022】上記構造の子局2の機能構成を表した機能
ブロック図を図5に示す。なお、信号の流れを矢印によ
り示している。図5に示すように、子局2は、受信側に
係わる構成要素として、アンテナ6からの電波信号を受
信して復調する受信装置8と、親局より送信された信号
を検出して処理する親局信号処理装置9と、親局1の位
置を事前に記憶しておく親局位置記憶装置10と、電波
を送信した送信局(親局1又は他の子局2)の位置情報
を求める送信局位置検出装置11と、GPS(=Glo
bal Positioning System:全地球
位置把握システム)等からなり自局の位置を検出する自
局位置検出装置12とを有する。なお、アンテナ6は、
アンテナ切替え機7によって送信用または受信用に切り
替えられる。また子局2は、送信側に係わる構成要素と
して、物理量を採取したセンサからの信号を入力する入
力端子15と、自局位置検出装置12からの自局位置情
報を含む送信すべきデータ情報を一時記憶する送信デー
タ記憶装置16と、送信すべきデータ情報によりキャリ
ア信号を変調する変調装置20と、変調装置20の出力
した信号を増幅してアンテナ6へ送出する送信装置21
とを有する。さらに子局2は、本実施形態の特徴をなす
固有の構成として、自局が中継すべきか否かを選択する
中継判定装置14と、送信処理にとりかかる遅延時間
(後述)を決定する遅延時間演算装置13と、この遅延
時間に基づき処理を遅延させるための遅延装置17と、
他局の状況を検出する他局状況検出装置18と、変調装
置20の変調開始のタイミングを制御する送信装置起動
装置19とを有している。以上の各構成要素7〜21
は、中央演算処理装置22によって動作状態を監視され
制御されている。そしてこれを含むすべての構成要素7
〜22は、前述した筐体140内に配置されている。
【0023】なお、上記構成において、送信装置21及
びアンテナ6は、採取手段で採取した物理量データ及び
検出手段で検出した自局位置データを他の端末局又は親
局に送信する送信手段を構成し、受信装置8及びアンテ
ナ6は、親局からのデータ送信要求又は他の端末局から
の送信データを受信する受信手段を構成する。
【0024】上記構成の子局2の動作を、図6に示す動
作フローチャートに基づき説明する。図6及び図5にお
いて、まず手順400で、アンテナ切り替え機7はアン
テナ6を受信状態に切り替え、子局2はこの受信状態で
待機する。アンテナ6に電波信号が受信されると、手順
401に移る。
【0025】手順401では、受信装置8がこの電波信
号が電波信号100,200,300のいずれかである
か(すなわち最初に送信された部分にキャリア信号10
0a,200a,300aが含まれているか)を判定す
る。キャリア信号100a,200a,300aが含ま
れなければ手順400へ戻って待機状態を続行する。キ
ャリア信号100a,200a,300aが含まれてい
れば受信した信号は電波信号100,200,300の
いずれかであることから、この信号を復調して親局信号
処理装置9に出力し、手順402へ移る。
【0026】手順402では、親局信号処理装置9が、
例えば周波数の差異や変調方法の差異に基づき、その信
号が親局1からの受信報告信号300であるかどうか
(すなわち、キャリア信号の次に送信される部分が転送
終了要求信号300bであるか)を判定する。受信報告
信号300であれば、手順400へ戻って待機状態を続
行する。受信報告信号300でなければ手順403へ移
る。
【0027】手順403では、親局信号処理装置9が、
手順402と同様、周波数の差異や変調方法の差異に基
づき、信号が親局1からの送信要求信号200であるか
どうか(すなわちキャリア信号の次に送信された部分が
アドレス信号200b1であるか)を判定する。送信要
求信号200であった場合には手順404に移り以降は
自局データの送信に係わる手順となり、送信要求信号2
00でない場合には、信号は他の子局2から送信された
データ信号100となるので、手順407に移り以降は
そのデータの中継手順となる。以下これらを分けて説明
する。
【0028】(1)自局データの送信 手順404では、親局信号処理装置9が、自局に対する
送信要求であるかどうか(すなわちアドレス信号200
b1のあて先が自局かどうか)を判定する。自局に対す
る送信要求でなければ、再び手順400に戻って待機状
態となる。自局に対する送信要求であった場合には、手
順405に移る。
【0029】手順405では、親局信号処理装置9が、
中継判定装置14及び遅延時間演算装置13に対し、親
局1からの送信要求があったことを伝える。この要求を
受けた中継判定装置14は、送信データ記憶装置16に
対して親局1からの要求があったことを伝える。これに
より、送信データ記憶装置16が、入力端子15を介
し、センサにより採取した物理量を表すセンサ情報とセ
ンサの位置を表すセンサ位置情報とを収集し、自局位置
検出装置12からの自局位置情報と共にこれらを一旦記
憶する。また一方、遅延時間演算装置13は遅延時間0
を遅延装置17に対して出力する。その後、手順406
へ移る。
【0030】手順406では、まず送信データ記憶装置
16が、センサ情報、自局位置情報及びセンサ位置情報
をまとめて遅延装置17に送り出す。このとき先の手順
405で遅延時間が0に設定されているので、遅延装置
17は直ちにこれらを変調装置20に送り出す。と同時
に、中継判定装置14が送信装置起動装置19に対して
送信要求を行い、これによって送信装置起動装置19が
変調装置20の変調を開始させる信号を出力するととも
に送信装置21を起動する信号を出力する。これによ
り、変調装置20が、センサ情報、自局位置情報及びセ
ンサ位置情報に基づきキャリア信号100a(図2参
照)を変調してセンサ情報信号100b1・送信局位置
信号100b2・センサ位置信号100b3を形成し、最
終的にキャリア信号100a及び情報信号100bから
なるデータ信号100として送信装置21に出力する。
そして、送信装置21が、アンテナ切り替え機7により
送信状態に切り替えられたアンテナ6を介し直ちにこの
データ信号100を送信する。以上のような手順の結
果、親局1からの送信要求信号200を受信後、遅延な
しでデータ信号100の送信を開始する。送信が終わる
と、手順400に戻り受信状態で待機する。
【0031】(2)他局のデータ信号の中継 手順407では、受信装置8が、受信したデータ信号1
00を復調する。このとき、データ信号100に含まれ
ていたセンサ情報信号100b1、送信局位置信号10
0b2、及びセンサ位置信号100b3に基づき、センサ
情報、電波を送信した送信局位置情報、センサ位置情報
が電気信号として復調される。このうち送信局位置情報
は送信局位置検出装置11に出力され、ここで送信局の
位置が特定される。この送信局位置検出装置11で特定
された送信局3の位置は、さらに遅延時間演算装置13
及び中継判定装置14に伝えられる(後述する手順40
8及び手順409参照)。また、センサ情報及びセンサ
位置情報は送信データ記憶装置16に出力され、送信デ
ータ記憶装置16が、自局位置検出装置12からの自局
位置情報と共にこれらを一旦記憶する。手順407が終
了すると、手順408に移る。
【0032】手順408では、親局位置記憶装置10か
らの親局1の位置を表す信号が遅延時間演算装置13に
入力される。遅延時間演算装置13は、この信号と、手
順407で送信局位置検出装置11から入力されている
送信局位置を表す信号とに応じ、中継局として動作する
のに適切な範囲を表す転送域を設定する。この転送域の
設定方法の一例を、図7を用いて説明する。図7におい
て、子局2のうちデータ信号100を送信した送信局3
から送信された電波は同心円状に放射されるが、転送域
は、送信局3を円中心とし送信局3と親局1とを結ぶ直
線を線対称軸とした、半径rかつ中心角2θの扇形領域
となっている。ここでrは例えば電波の最大到達距離以
下とする。またθは、子局2の配置密度や各子局2の送
信する電波の強度により最適値が存在するが、例えば3
0°未満とする。このようにして設定した転送域は、遅
延時間演算装置13から中継判定装置14に出力され
る。手順408が終了すると、手順409に移る。
【0033】手順409では、中継判定装置14が、手
順407で送信局位置検出装置11から入力された送信
局位置に基づき、データ信号100が初めて送られてき
たものであるか、同一の送信局3から再送されたもので
あるかを判断する。初めて送られたものである場合には
直ちに手順411へ移るが、再送されたものである場合
には手順410に移り、手順408で遅延時間演算装置
13から入力された転送域を更新する。この更新手順を
図8を用いて説明する。図8は、手順409で送信局3
が再送したと判断される場合の一例を示している。すな
わち、後述するように送信局3は次の局のキャリア信号
100aの検出が行えなかった場合には、一定の待機時
間の後に再送を行う。この再送を検出した各子局2は、
手順408で設定した転送域を手順410で更新する。
この図8は、具体的更新例として、転送域1が図7のよ
うに設定されたが中継すべき子局2が存在しなかった場
合の例を示しており、転送域1と同一形状の扇形領域を
反時計回りに(矢印参照)2θだけオフセットさせて転
送域2が再設定されている。この結果、新しい転送域2
内には4つの子局2が存在するようになり、後述する手
順でこの中からさらに中継に最適な子局を選択可能とな
っている。なお、転送域2にも子局2が存在しない場合
には送信局3から再々送信が行われ、この場合さらにオ
フセットさせてさらに別の転送域を設定する。以下、こ
のようなオフセット動作を繰り返す。これにより、必ず
転送可能な子局2を見つけることができるので、伝送経
路が途中で途切れる伝送不能を防止することができる。
手順410が終了すると、手順411に移る。
【0034】手順411では、中継判定装置14が、自
局位置検出装置12から自局位置を入力するとともに、
親局位置記憶装置10から親局1の位置を入力し、これ
ら2つと、手順407で既に入力されている送信局3の
位置とにより、自局が転送領域内に位置するか否かを判
断する。転送領域外と判断した場合には、手順400に
戻って待機状態となる。転送領域内と判断した場合は、
送信装置起動装置19に対しその旨を出力し、手順41
2に移る。なお、前述した図7の例では、5つの子局2
が転送領域内と判断し、手順412に移ることとなる。
【0035】手順412では、遅延時間演算装置13
が、送信局3の位置、親局1の位置、及び自局の位置に
より、所定の遅延時間Δtを演算する。この遅延時間Δ
tの算出方法を図9を用いて説明する。図9は、遅延時
間の算出方法の3つの例を示している。すなわち、図9
(a)は中継しようとする子局(自局)2と親局1との
直線距離L1に応じて(この場合はL1に比例するよう
に)自局2の遅延時間Δtを設定する方法であり、図9
(b)は送信局3と親局1とを結ぶ直線に自局2の位置
から下ろした垂線の距離L2に応じて(この場合はL2
に比例するように)自局2の遅延時間Δtを設定する方
法であり、図9(c)は、送信局3と親局1とを結ぶ直
線上でかつ送信局3から所定距離ro(固定値)にある
点Mとの距離L3に応じて(この場合はL3に比例する
ように)自局2の遅延時間Δtを設定する方法である。
なお、このような遅延時間Δtの算出は、受信装置21
でデータ信号100のすべての部分の受信が完了すると
ともに開始される(後述する図11参照)。遅延時間Δ
tが決定されたら、その値を遅延装置13に出力し、手
順413に移る。
【0036】手順413では、遅延装置17が、受信装
置8での受信完了後、遅延時間Δtの算出(この算出時
間はすべての子局2で同一とみなすことができる)が終
了し、その後さらに遅延時間Δtが経過するまで待機す
る。この遅延時間Δtだけ待機した後、遅延装置17
は、センサ情報、自局位置情報及びセンサ位置情報を変
調装置20に出力し、手順414に移る。
【0037】手順414では、遅延装置17が他局状況
検出装置18に動作命令を出力する。すなわち、この
間、受信装置8は引き続き電波の受信を行っており、キ
ャリア信号100a,200a,300aのいずれか1
つが検出された場合には、これを復調した信号を他局情
報検出装置18に入力している。したがって、動作命令
が下されたときに、他局状況検出装置18にはこの信号
に基づき、既に転送域内の他の子局2が中継送信を始め
ているかどうか(受信装置で検出されたキャリア信号が
他局からのキャリア信号100aであるかどうか)を検
出し判断する。他局のキャリア信号100aがあった場
合には、既に他局が中継送信を開始中と判断し、手順4
00に戻って待機状態となる。他局のキャリア信号10
0aがなかった場合には、自局が中継局となるべく、他
局状況検出装置18が送信装置起動装置19に対して送
信を要求し、送信装置起動装置19が変調開始の制御信
号を変調装置20に出力し、既に遅延装置17から変調
装置20に出力済であるセンサ情報、自局(送信局)位
置情報及びセンサ位置情報の変調を開始させる。またこ
れと同時に送信装置起動装置19は送信装置21にも起
動命令を出力する。これにより、変調装置20が上記3
つの情報に基づきキャリア信号100a(図2参照)を
変調してセンサ情報信号100b1・送信局位置信号1
00b2・センサ位置信号100b3を形成し、最終的に
キャリア信号100a及び情報信号100bからなるデ
ータ信号100として送信装置21に出力する。と同時
に、送信装置21が、アンテナ切り替え機7により送信
状態に切り替えられたアンテナ6を介し直ちにこのデー
タ信号100を送信する。送信が終わると、手順416
に移る。
【0038】手順416では、アンテナ切り替え機7が
アンテナ6を再び受信状態に切り替え、子局2はこの受
信状態であらかじめ設定された一定時間待機する。この
間、受信装置8は引き続き電波の受信を行っており、ア
ンテナ6を介し受信装置8に電波信号が受信されると、
手順417に移る。
【0039】手順417では、受信装置8及び親局信号
処理装置9が手順401〜403と同様の判定を行うこ
とにより、この電波信号が次の局からのさらなる中継電
波信号100であるかを判定する。すなわち、電波信号
にキャリア信号100aが含まれなければ、最初の送信
では転送域内に子局2がなく正常な伝送ができなかった
と判断し、手順415へ戻って再送信を行う。電波信号
にキャリア信号100aが含まれれば、正常な伝送がで
きたと判断し、手順400へ戻って受信状態で待機す
る。
【0040】なお、上記処理手順のうち、手順411
は、複数の端末局のうち一の送信局が物理量データを送
信しその送信データを複数の他の端末局が受信したと
き、それら受信局が、自局位置がその送信データを中継
すべき所定領域内にあるかどうかを自局位置・送信局位
置・親局位置の相互関係に基づいて判定するために備え
る位置判定手段に相当する。また、手順412〜414
は、位置判定手段で自局位置が所定領域内にあると判定
した受信局群のそれぞれが、送信データの中継に関し自
局位置・親局位置の相互関係に基づき受信局群内におけ
る自局の優先順位を決定するために備える順位決定手段
に相当する。また、手順415は、順位決定手段で自局
優先順位が1位となった受信局が、その受信局に備えら
れた送信手段で、受信した送信データを中継して送信す
る手順を構成する。さらに、手順412及び413は、
受信した送信データの中継送信を開始する際の遅延時間
を、自局位置・親局位置の相互関係に基づいて設定する
遅延時間設定手段に相当し、手順414は、遅延時間が
経過した後に、所定領域内にある他局からの中継送信が
既に開始されている場合には自局の中継送信を中止する
中継中止手段に相当する。また、手順416及び417
は、複数の端末局のうち中継送信を行った1つの中継送
信局が、その中継送信後の所定時間内に中継送信を受信
した端末局がさらなる中継送信を行ったかどうかを判定
するために備える中継判定手段に相当し、手順417か
ら手順415に戻る手順は、中継判定手段で、さらなる
中継送信が行われなかったと判定されたときに送信手段
で同一の中継送信を再度行う手順を構成する。さらに、
手順409〜411は、複数の端末局のうち中継送信局
による再度の中継送信を受信した各受信局で、位置判定
手段が、最初の中継送信受信時の所定領域と異なる領域
を判定基準として判定を行う手順を構成する。
【0041】ここで、以上説明した手順400〜417
の処理手順を行うことにより達成される、1つの送信局
3からその次の子局2への中継の一例を図10及び図1
1により説明する。図10はこの場合の子局2の配置図
であり、図11は一連の送受信の動作を示したタイミン
グチャートである。図10及び図11において、送信局
3が送信した信号Aを転送域(半径rかつ中心角2θ)
内に存在する5個の子局2a〜2eが受信している。各
子局2a〜2eは、前回処理時における遅延時間により
信号Aを受信開始するタイミングは異なるが、いずれも
信号Aのキャリア信号部分が終了するまでに受信を開始
する。この結果、信号の本体であるセンサ情報信号、自
局(送信局)位置信号、センサ位置信号については、そ
れぞれ同時に受信する。そして、センサ位置信号の受信
が完了した後、5個の子局2a〜2eが同時に遅延時間
の演算を開始する。このときの遅延時間は図9(a)の
方法によるものとする。この場合、図10に示すように
子局2eが最も親局1に近くL1が小さいため、遅延処
理が最初に終了し、他局状況の調査を開始する(前述し
た手順414参照)。この時点で送信をしている他局は
無いため、信号Bの送信を開始する(キャリア信号→セ
ンサ情報信号→自局位置信号→センサ位置信号の順で行
う)。送信後に所定時間受信状態で待機していた送信局
3はこのときの子局2eからの信号Bのうち最初のキャ
リア信号を受信し、子局2eへの正常な伝送を確認す
る。その後、他の子局2d,2c,2b,2aは、それ
ぞれの遅延時間が経過するとともにこの順番に他局状況
の調査を開始するが、その時点では、少なくとも子局2
eが既に新たな送信局となって信号B(詳細にはキャリ
ア信号部分)を送信しているため、これら子局2a〜2
dは受信状態となって待機することとなる。以上の処理
を順次実施していくことにより、複数個の子局2を経由
し、最終的に親局1へセンサ情報、センサ位置情報を伝
送する。
【0042】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、中継すべき子局2が選抜されるとき、まず転送域内
に存在するかどうかの判定が自局2・送信局3・親局1
の相互位置関係によって行われ、さらにその中継候補と
なる子局群の中から最終的な中継局を決定するときも、
自局2・送信局3・親局1の相互位置関係によって行わ
れる。したがって、送信局3や自局2の位置が時間と共
に変化する場合にも、そのときの位置に対応した形で中
継すべき子局が適宜選択され、その選択を繰り返して中
継による伝送ルートが形成される。しかもこのとき、伝
送ルートは受信する子局2の側で自律的に決められるこ
とから、送信局3側は伝送ルートが決まる前に送信を行
うことができるので、データ伝送が短時間で完了する。
したがって、送信局3や他の各子局2が例えば計測車や
観測船上に設置されて移動する場合や、子局2の一部が
故障した場合にも、親局1へのデータ伝送経路を確実に
形成することができるので、高い信頼性を維持できる。
【0043】また、転送域内にある中継候補の複数の子
局2から最終的に1つの中継子局2を決めるとき、自局
以外の他の子局2のいずれかからのキャリア信号100
a送信の有無のみを判定すれば足り(手順414参
照)、転送域内にある自局以外の他の子局2すべてとい
ちいち位置情報をやりとりする必要がないので、迅速に
決定することができる。
【0044】また、転送域を半径rかつ中心角2θの扇
形領域としたが、ここでθ<30°とすることにより、
子局2の空中線出力が同一の場合に2個以上の子局2が
自局を中継局と判断し送信を開始してしまう混信状態を
回避することができる。またrを電波の最大到達距離以
下とすることにより、各子局2の空中線出力のばらつき
を吸収できるとともに、伝送経路が途中で途切れる伝送
不能の発生確率を低減できる。したがってさらに信頼性
を向上させることができる。
【0045】さらに、子局2に太陽電池139と蓄電池
141を備えることにより、子局2へ電力を供給するた
めの配線設備が不要となるので、設置やメンテナンスに
要するコストを大幅に低減することができる。
【0046】また、遅延時間Δtを決める際において、
図9(a)のように自局2と親局1との直線距離L1に
応じて設定すれば、非常にシンプルな形で遅延時間Δt
を決定できるという効果がある。また、図9(b)のよ
うに送信局3・親局1間の直線に下ろした垂線長さの距
離L2に応じて設定すれば、親局1から遠く離れていて
も送信局3・親局1間の直線に近ければ遅延時間Δtは
短くなるので、遅延時間Δtの最大値をある程度抑制で
きるという効果がある。同様に、図9(c)のように送
信局3・親局1間の直線上の点Mとの距離L3に応じて
設定すれば、親局1から遠く離れていても点Mに近けれ
ば遅延時間Δtは短くなるので、遅延時間Δtの最大値
をある程度抑制できるという効果がある。また、これら
図9(a)〜(c)のいずれの方法でも、ほぼ最短経路
となる伝送ルートを形成できる。これを図12により説
明する。図12は、直線で約18km離れている送信局
3と親局1との間に多数の子局2が配置されている場
合、図9(a)〜(c)のそれぞれの方法で中継ルート
を形成したときの例を比較して示したものである。なお
転送域の半径r=5km、θ=50°となっている。ま
た、効果を明確化するために遅延演算を行わない場合も
併せて示している。この場合は、遅延演算を行わない結
果、転送域内にある子局2のうち最も送信局3に近いも
のが選択されて中継送信を行うようになっている。図1
2中に示したように、中継ルートの長さは図9(b)の
方法が最も短く21.1kmであり、次いで図9(c)
の方法が図9(b)とほとんど変わらない21.2km
であり、図9(a)の方法は若干これら2つより長く2
3.5kmとなっている。しかしこれら3つはいずれも
遅延演算を行わない場合の24.5kmよりは短い。ま
た、中継局の数を見ると、図9(a)〜(c)の方法は
いずれも4局又は5局であり、遅延演算を行わない場合
の19局に比べ非常に少なく、効率のよい中継を行って
いることが分かる。したがって、故障等による影響もき
わめて少なくなり信頼性が高いことが分かる。
【0047】なお、上記実施形態においては、送信局3
の位置を受信局2側で検出するために、送信局3が送信
する電波に自局の位置情報を付加した(図2(a)にお
ける送信局位置信号100b2参照)が、これに限られ
ない。すなわち、電波方向検出手段として、例えばアン
テナ6をメカ的に周方向に動かす、若しくは周方向に多
数個のアンテナ6を配置することによって電波の送出方
向を検出し、さらに、受信装置8内に電波の強度を測定
する電波強度検出手段と、これら2つの検出結果から受
信した電波の方向と強度とにより送信局3の位置を推定
する位置推定手段とを子局2に設けてもよい。この場
合、受信する子局2の側で送信局3の位置を推定できる
ので、送信局3からの送信データ中に送信局位置情報を
含めなくてよくなり、送信信号を簡略化することができ
るという効果がある。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、端末局が移動する場合
にも、広域において伝送経路を確実に形成でき、高い信
頼性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による無線通信システムの
システム構成を示した概念図である。
【図2】子局からのデータ信号、親局からのデータ送信
要求信号及び受信報告信号の構成を表す図である。
【図3】振幅変調により情報信号を形成する例を示した
図である。
【図4】子局の外観構造を表す斜視図である。
【図5】子局の機能構成を表した機能ブロック図であ
る。
【図6】子局の動作を表すフローチャートである。
【図7】転送域の設定方法の一例を表す図である。
【図8】転送域の更新手順を表す図である。
【図9】遅延時間の算出方法の3つの例を示す図であ
る。
【図10】1つの送信局からその次の子局への中継の一
例を説明するための子局の配置図である。
【図11】図10の配置における一連の送受信の動作を
示したタイミングチャートである。
【図12】図9(a)〜(c)のそれぞれの方法で中継
ルートを形成したときの例を比較して示した図である。
【符号の説明】
1 親局 2 子局(端末局) 3 送信局(端末局) 6 アンテナ(送信手段、受信手段) 8 受信装置(受信手段) 12 自局位置検出装置(検出手段) 15 入力端子(採取手段) 21 送信装置(送信手段) 139 太陽電池 141 蓄電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長岡 嘉浩 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】採取対象となる物理量を採取する採取手
    段、及び自局位置を検出する検出手段をそれぞれ備えた
    複数の端末局と、これら複数の端末局のうち任意の端末
    局を指定してデータ送信要求を出力する親局とを有し、
    かつ、前記複数の端末局のそれぞれは、前記採取手段で
    採取した物理量データ及び前記検出手段で検出した自局
    位置データを他の端末局又は前記親局に送信する送信手
    段と、前記親局からのデータ送信要求又は他の端末局か
    らの送信データを受信する受信手段とを備えている無線
    通信システムにおいて、 前記複数の端末局のうち一の送信局が前記物理量データ
    を送信し、その送信データを複数の他の端末局が受信し
    たとき、それら受信局のそれぞれは、自局位置がその送
    信データを中継すべき所定領域内にあるかどうかを自局
    位置・送信局位置・親局位置の相互関係に基づいて位置
    判定手段で判定し、 この位置判定手段で自局位置が前記所定領域内にあると
    判定した受信局群のそれぞれは、前記送信データの中継
    に関し、自局位置・親局位置の相互関係に基づき順位決
    定手段で前記受信局群内における自局の優先順位を決定
    し、 前記順位決定手段で自局優先順位が1位となった受信局
    は、該受信局に備えられた前記送信手段で、受信した前
    記送信データを中継して送信することを特徴とする無線
    通信システム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の無線通信システムにおい
    て、前記位置判定手段は、前記所定領域として、前記送
    信局を円中心とし該送信局と前記親局とを結ぶ直線を線
    対称軸とした、半径rかつ中心角2θの扇形領域を判定
    基準とすることを特徴とする無線通信システム。
  3. 【請求項3】請求項1記載の無線通信システムにおい
    て、前記順位決定手段は、受信した前記送信データの中
    継送信を開始する際の遅延時間を、自局位置・親局位置
    の相互関係に基づいて設定する遅延時間設定手段と、前
    記遅延時間が経過した後に、前記所定領域内にある他局
    からの中継送信が既に開始されている場合には自局の中
    継送信を中止する中継中止手段とを備えていることを特
    徴とする無線通信システム。
  4. 【請求項4】請求項3記載の無線通信システムにおい
    て、前記遅延時間設定手段は、自局と前記親局との直線
    距離L1に応じて遅延時間を設定することを特徴とする
    無線通信システム。
  5. 【請求項5】請求項3記載の無線通信システムにおい
    て、前記遅延時間設定手段は、前記送信局と前記親局と
    を結ぶ直線に自局位置から下ろした垂線の距離L2に応
    じて遅延時間を設定することを特徴とする無線通信シス
    テム。
  6. 【請求項6】請求項3記載の無線通信システムにおい
    て、前記遅延時間設定手段は、前記送信局と前記親局と
    を結ぶ直線上でかつ前記送信局から所定距離roの位置
    にある点Mと自局との距離L3に応じて遅延時間を設定
    することを特徴とする無線通信システム。
  7. 【請求項7】請求項1記載の無線通信システムにおい
    て、前記複数の端末局のうち前記中継送信を行った1つ
    の中継送信局は、その中継送信後の所定時間内に該中継
    送信を受信した端末局がさらなる中継送信を行ったかど
    うかを判定する中継判定手段をさらに備え、かつ、この
    中継判定手段で、前記さらなる中継送信が行われなかっ
    たと判定されたときには、前記送信手段で同一の中継送
    信を再度行うことを特徴とする無線通信システム。
  8. 【請求項8】請求項7記載の無線通信システムにおい
    て、前記複数の端末局のうち前記中継送信局による前記
    再度の中継送信を受信した各受信局は、前記位置判定手
    段が最初の中継送信受信時の前記所定領域と異なる領域
    を判定基準として判定を行うことを特徴とする無線通信
    システム。
  9. 【請求項9】請求項1記載の無線通信システムにおい
    て、前記複数の端末局のそれぞれは、太陽電池と、この
    太陽電池で生成された電気エネルギの余剰分を貯蔵する
    蓄電池とをさらに備えていることを特徴とする無線通信
    システム。
  10. 【請求項10】請求項1記載の無線通信システムにおい
    て、前記複数の端末局のそれぞれは、前記受信手段の受
    信した電波の方向及び強度をそれぞれ検出する電波方向
    検出手段及び電波強度検出手段と、これら電波方向検出
    手段及び電波強度検出手段の検出結果に基づき該電波を
    送信した送信局の位置を推定する位置推定手段とをさら
    に備えていることを特徴とする無線通信システム。
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