JPH10241141A - 磁気記録媒体および磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録装置

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JPH10241141A
JPH10241141A JP4524397A JP4524397A JPH10241141A JP H10241141 A JPH10241141 A JP H10241141A JP 4524397 A JP4524397 A JP 4524397A JP 4524397 A JP4524397 A JP 4524397A JP H10241141 A JPH10241141 A JP H10241141A
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magnetic
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coercive force
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JP4524397A
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English (en)
Inventor
Yotsuo Yaku
四男 屋久
Akira Ishikawa
石川  晃
Juliant Jayapurauira David
ジュリアント ジャヤプラウィラ ダビット
Shuichi Kojima
修一 小島
Hiroyuki Kataoka
宏之 片岡
Yoshifumi Matsuda
好文 松田
Yuzuru Inagaki
譲 稲垣
Yuzuru Hosoe
譲 細江
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】再生時のノイズが小さく、高いS/Nを示し、
かつ保磁力の温度変化も小さい高密度記録が可能な磁気
記録媒体および信頼性の高い大容量磁気記録装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】磁気記録媒体の磁性層をコバルト,ニッケ
ル及びクロムを含有し、さらにタンタル,白金のいずれ
かまたは両方を含有する合金で構成するか、あるいはコ
バルト,バナジウム及びクロムを含有し、さらにタンタ
ル,白金のいずれかまたは両方を含有する合金で構成
し、保磁力を2000エルステッド(1.59×105
A/m)以上,5000エルステッド(3.98×10
5A/m)以下とし、かつ残留磁化保磁力又は保磁力と
等しい磁界強度での25℃における磁気粘性の揺らぎ場
が30エルステッド(2.39×103A/m)以上,
300エルステッド(2.39×104A/m)以下と
した磁気記録媒体および該磁気記録媒体を有することに
より達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリジッド型磁気ディ
スク装置,フレキシブル型磁気ディスク装置,カ−ド型
磁気記録装置,テ−プ型磁気記録装置,ドラム型磁気記
録装置などに用いる磁気記録媒体および磁気記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増加に伴い磁気記録装置
には益々の大容量化が要求されている一方、小型化の要
求も強い。これに対応するために、高密度記録に適し
た、保磁力が高く、ノイズが小さい磁気記録媒体の開発
が不可欠である。磁気記録装置の性能を様々な環境で一
定の範囲内に保つためには、保磁力の周囲温度に対する
変化率(周囲温度が1℃変化したときの保磁力の変化
量)を小さくする必要がある。また、媒体のノイズを小
さくするためには、記録媒体の結晶粒を小さく、かつ粒
径を揃え、さらに結晶粒間の磁気的相互作用を小さくす
ることが重要である。
【0003】従来、ノイズを小さくするために、記録媒
体の結晶粒を小さくして、残留磁化保磁力又は保磁力と
等しい磁界強度での25℃における磁気粘性の揺らぎ場
を大きくする手法(特開平8−77543号公報)が提
案されている。これにより得られた磁気記録媒体は、確
かに再生時のノイズが小さく、高いS/Nを示すもの
の、保磁力の温度変化率が大きくなり、磁気記録装置の
性能が温度により変化してしまうという問題が有った。
特に、磁気粘性の揺らぎ場が30エルステッド(2.3
9×103A/m)以上になると室温から100℃の範
囲での保磁力の温度変化率が7〜8エルステッド(5.
57×102〜6.37×102A/m)/K以上にな
り、実用上大きな障害になることが明らかになった。こ
のような課題に対して、磁気テ−プにおいて、磁性膜を
〔{(CoNi)Cr}O〕Feで構成し、内部応力を
1×107dyn/cm2(1MPa)以上にする手法
(特開昭62−24426号公報)や、磁性膜をCoN
iCrで構成する手法(第15回日本応用磁気学会学術
講演概要集,1aA−5,404頁)で、保磁力の温度
変化率を小さくすることが提案されている。これらによ
り得られた磁気記録媒体は、保磁力の温度変化率は小さ
いものの、保磁力が2000エルステッド(1.59×
105A/m)未満と小さいため、1ギガビット/平方
インチ以上の高密度記録装置には適さないという問題が
有った。また、400〜1000オングストロ−ムの膜
厚の磁性膜をコバルト,ニッケル,クロム及び白金で構
成する別の手法(特公平7−58540号公報)では、
保磁力の温度変化率は小さいものの、保磁力が2000
エルステッド(1.59×105A/m)未満と小さ
く、また、残留磁化保磁力又は保磁力と等しい磁界強度
での25℃における磁気粘性の揺らぎ場が小さいため、
ノイズが大きく、これもまた1ギガビット/平方インチ
以上の高密度記録装置には適さないという問題が有っ
た。すなわち、従来の技術では、媒体ノイズの低減、保
磁力の温度変化率の低減、および高保磁力という3つの
要求を同時に満たす方法は知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みなされたものであって、再生時のノイズが小さく、高
いS/Nを示し、保磁力の温度変化率が小さく、かつ保
磁力の値が大きい、高密度記録が可能な磁気記録媒体お
よび信頼性の高い大容量磁気記録装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、磁気記録媒体の磁性層をコバルト,ニッケ
ル及びクロムを含有し、さらにタンタル,白金のいずれ
かまたは両方を含有する合金で構成するか、あるいはコ
バルト,バナジウム及びクロムを含有し、さらにタンタ
ル,白金のいずれかまたは両方を含有する合金で構成
し、保磁力を2000エルステッド(1.59×105
A/m)以上,5000エルステッド(3.98×10
5A/m)以下とし、かつ残留磁化保磁力又は保磁力と
等しい磁界強度での25℃における磁気粘性の揺らぎ場
が30エルステッド(2.39×103A/m)以上,
300エルステッド(2.39×104A/m)以下と
したものである。
【0006】磁気記録媒体のノイズを小さくするために
は、磁性層の結晶粒を小さく、かつ粒径を揃え、さらに
結晶粒間の磁気的相互作用を小さくすることが重要であ
る。これによって磁化反転単位が小さくなり、磁化の遷
移領域において磁化の変化をより急峻に記録でき、再生
時のノイズが小さく、高いS/Nを得ることができるか
らである。この磁化反転単位の大小は磁気粘性の揺らぎ
場の大小から推定できることが知られている。磁気粘性
の揺らぎ場は熱揺らぎの影響の大小を示す量である。磁
気粘性の揺らぎ場(Hf)は残留磁化保磁力(Hr)の
磁場印加時間(t)依存性から、 Hf=d(Hr)/d(lnt) (1) によって得られるもので、実験的に求めることができ
る。磁気粘性の揺らぎ場の測定方法、および媒体ノイズ
との関係については、特開平8−77543号公報、さ
らに信学技報MR95−13(1995−06)の7〜
13頁に記載されている。しかし、磁気粘性の揺らぎ場
を大きくして媒体ノイズを小さくすると、保磁力の温度
変化率が大きくなる傾向がある。これは磁気粘性の揺ら
ぎ場が大きい媒体は、外部磁界により磁化が反転する頻
度が周囲温度に強く依存するためである。これに対し発
明者らは、磁気記録媒体の磁性層の組成と異方性磁界の
温度変化率との関係を鋭意調査した結果、磁気記録媒体
の磁性層をコバルト,ニッケル及びクロムを含有し、さ
らにタンタル,白金のいずれかまたは両方を含有する合
金で構成するか、あるいはコバルト,バナジウム及びク
ロムを含有し、さらにタンタル,白金のいずれかまたは
両方を含有する合金で構成し、保磁力を2000エルス
テッド(1.59×105A/m)以上,5000エル
ステッド(3.98×105A/m)以下とし、かつ残
留磁化保磁力又は保磁力と等しい磁界強度での25℃に
おける磁気粘性の揺らぎ場が30エルステッド(2.3
9×103A/m)以上,300エルステッド(2.3
9×104A/m)以下とすれば、媒体の異方性磁界の
温度変化率が小さくなり、その結果、保磁力の温度変化
率も小さくでき、低ノイズ特性との両立が可能となるこ
とが明らかになった。
【0007】保磁力が2000エルステッド(1.59
×105A/m)以下では、1ギガビット/平方インチ
以上の高密度記録装置に必要なS/Nや出力分解能が得
られないため好ましくない。また、オ−バ−ライト時の
S/Nを向上するためには、保磁力は5000エルステ
ッド(3.98×105A/m)以下とし、磁気ヘッド
からの記録磁界により、磁化を反転できるようにする必
要がある。したがって、保磁力は2000エルステッド
(1.59×105A/m)以上,5000エルステッ
ド(3.98×105A/m)以下とすることが好まし
い。磁気粘性の揺らぎ場を30エルステッド(2.39
×103A/m)以上とすれば、媒体の異方性磁界の温
度変化率が小さくなり、その結果、保磁力の温度変化率
も小さくでき、低ノイズ特性との両立が可能となるため
好ましい。磁気粘性の揺らぎ場が300エルステッド
(2.39×104A/m)以上では、媒体の磁気異方
性を大きくしても、磁化が不安定となり、実用上使用で
きないので好ましくない。したがって、磁気粘性の揺ら
ぎ場は30エルステッド(2.39×103A/m)以
上,300エルステッド(2.39×104A/m)以
下とすることが好ましい。磁性層中のニッケル含有量を
1at%以上,30at%以下とすると、異方性磁界の
温度変化率を9〜11エルステッド(7.16×102
〜8.75×102A/m)/K以下に低減できるので
好ましい。ニッケル含有量が1at%以下であると保磁
力の温度変化率が改善されず、また30at%以上であ
ると、保磁力が2000エルステッド(1.59×10
5A/m)未満に低下するので好ましくない。したがっ
て、磁性層中のニッケル含有量は1at%以上,30a
t%以下とすることが好ましい。また、磁性層中のバナ
ジウム含有量を1at%以上,20at%以下とするこ
とも、同様に異方性磁界の温度変化率を9〜11エルス
テッド(7.16×102〜8.75×102A/m)/
K以下に低減できるので望ましい。バナジウム含有量が
1at%以下であると保磁力の温度変化率が改善され
ず、また20at%以上であると保磁力が2000エル
ステッド(1.59×105A/m)未満に低下し、さ
らに飽和磁化も低下するので好ましくない。したがっ
て、磁性層中のバナジウム含有量は1at%以上,20
at%以下とすることが好ましい。また、下地層をクロ
ムを主たる成分とし、チタン,ボロン,バナジウム,モ
リブデン,タングステン,シリコン,ジルコニウム,ア
ルミニウム及び酸素から成る元素群から選ばれた少なく
とも一種の元素を1at%以上,30at%以下含有す
ることで、保磁力の温度変化率を小さく保ちながら、磁
性層の結晶粒を均一に微細化でき、磁気粘性の揺らぎ場
を容易に大きくできるので好ましい。下地層中の上記元
素の含有量が1at%以下であると、磁性層の結晶粒が
微細化されず、磁気粘性の揺らぎ場が大きくならないの
で好ましくない。また含有量が20at%以上であると
磁性層の結晶性や結晶配向性を劣化させるので好ましく
ない。したがって、下地層中の上記元素の含有量は1a
t%以上,30at%以下とすることが好ましい。
【0008】本発明より成る磁気記録媒体と、磁気コア
または再生部の一部にNi−Fe合金等を含む金属磁性
合金または磁気抵抗効果素子を少なくとも含み実質的に
ジルコニアもしくはアルミナチタンカ−バイドもしくは
フェライトをスライダ材の主たる成分とする磁気ヘッド
を組み合わせることにより、信頼性の高い大容量の磁気
記録装置を作製できる。高い信頼性が得られる原因は、
ジルコニア,アルミナチタンカ−バイド,およびフェラ
イトは2W/m/K以上の熱伝導率を持ち、熱歪、潤滑
剤の熱揮発の発生が少ないため耐摺動特性が向上するた
めである。さらに、磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面に
カ−ボン,シリコン,シリカ,ジルコニア,アルミナか
ら成る被覆層を設けると、磁気記録装置の信頼性を著し
く向上できるので、より好ましい。これは、磁気ヘッド
と磁気記録媒体が接触したときの摩擦係数を低減できる
ためである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施例1 図1は本発明の実施例1の磁気記録媒体の断面図であ
る。
【0010】NiP被覆したAl−Mg合金からなる中
心線平均面粗さ0.6nmの直径95mmφ、厚さ0.
8mmの基板11上にDCマグネトロンスパッタ法で、
基板温度250℃、アルゴンガス圧0.67Pa、投入
電力5kWで膜厚25nmのCr080Ti020下地層
12,12’、膜厚20nmのCo068Ni005Cr
020Pt008磁性層13,13’を形成した後、DC
マグネトロンスパッタ法で、基板温度140℃、アルゴ
ンガス圧1.3Pa、投入電力1.5kWで膜厚10n
mのカ−ボン保護被覆層14,14’を形成し、さらに
末端にOHを含む吸着性極性基を有するパ−フルオロア
ルキルポリエ−テル潤滑層15,15’を4nm設けて
磁気記録媒体とした。
【0011】実施例2 図2は本発明の実施例2の磁気記録媒体の断面図であ
る。
【0012】中心線平均面粗さ1nmの直径65mm
φ、厚さ0.635mmのガラス基板21上にDCマグ
ネトロンスパッタ法で、基板温度25℃、アルゴンガス
圧0.67Pa、投入電力4kWで膜厚25nmのCr
第一下地層22,22’を形成した。続いて基板温度を
250℃に上げて、アルゴンガス圧0.67Pa、投入
電力5kWで膜厚30nmのCr080Ti020第二下
地層23,23’、膜厚30nmのCo062Ni010
Cr020Pt008磁性層24,24’を形成した後、
DCマグネトロンスパッタ法で、基板温度140℃、ア
ルゴンガス圧1.3Pa、投入電力1.5kWで膜厚1
0nmのカ−ボン保護被覆層25,25’を形成し、さ
らに末端にOHを含む吸着性極性基を有するパ−フルオ
ロアルキルポリエ−テル潤滑層26,26’を4nm設
けて磁気記録媒体とした。
【0013】実施例3 次に、図1に示す構造の磁気記録媒体でさらに別の実施
例について説明する。
【0014】NiP被覆したAl−Mg合金からなる中
心線平均面粗さ0.6nmの直径95mmφ、厚さ0.
8mmの基板11上にDCマグネトロンスパッタ法で、
基板温度250℃、アルゴンガス圧0.67Pa、投入
電力5kWで膜厚25nmのCr080Ti020下地層
12,12’、膜厚20nmのCo067005
020Pt008磁性層13,13’を形成した後、D
Cマグネトロンスパッタ法で、基板温度140℃、アル
ゴンガス圧1.3Pa、投入電力1.5kWで膜厚10
nmのカ−ボン保護被覆層14,14’を形成し、さら
に末端にOHを含む吸着性極性基を有するパ−フルオロ
アルキルポリエ−テル潤滑層15,15’を4nm設け
て磁気記録媒体とした。
【0015】実施例4 次に、図1に示す構造の磁気記録媒体でさらに別の実施
例について説明する。
【0016】NiP被覆したAl−Mg合金からなる中
心線平均面粗さ0.6nmの直径95mmφ、厚さ0.
8mmの基板11上にDCマグネトロンスパッタ法で、
基板温度250℃、アルゴンガス圧0.67Pa、投入
電力5kWで膜厚25nmのCr075Ti0200
05下地層12,12’、膜厚20nmのCo065
005Cr020Pt008Ta002磁性層13,1
3’を形成した後、DCマグネトロンスパッタ法で、基
板温度140℃、アルゴンガス圧1.3Pa、投入電力
1.5kWで膜厚10nmのカ−ボン保護被覆層14,
14’を形成し、さらに末端にOHを含む吸着性極性基
を有するパ−フルオロアルキルポリエ−テル潤滑層1
5,15’を4nm設けて磁気記録媒体とした。
【0017】比較例 次に、図1に示す構造の磁気記録媒体で比較例について
説明する。
【0018】NiP被覆したAl−Mg合金からなる中
心線平均面粗さ0.6nmの直径95mmφ、厚さ0.
8mmの基板11上にDCマグネトロンスパッタ法で、
基板温度250℃、アルゴンガス圧0.67Pa、投入
電力5kWで膜厚25nmのCr080Ti020下地層
12,12’、膜厚20nmのCo072Cr020Pt
008磁性層13,13’を形成した後、DCマグネト
ロンスパッタ法で、基板温度140℃、アルゴンガス圧
1.3Pa、投入電力1.5kWで膜厚10nmのカ−
ボン保護被覆層14,14’を形成し、さらに末端にO
Hを含む吸着性極性基を有するパ−フルオロアルキルポ
リエ−テル潤滑層15,15’を4nm設けて磁気記録
媒体とした。
【0019】実施例5 上記実施例1〜4および比較例の磁気記録媒体の面内円
周方向の保磁力、および残留磁化保磁力と等しい磁界強
度での25℃における磁気粘性の揺らぎ場、さらに、2
5℃から100℃の温度範囲での異方性磁界変化率およ
び保磁力変化率を振動試料型磁力計により測定した。
【0020】さらに、上記実施例1〜4および比較例の
磁気記録媒体を1,2,4ないし8枚用い、Ni−Fe
合金を含む磁気抵抗効果素子を再生部に含み、スライダ
材をジルコニアを主たる成分とする非磁性材料とした記
録再生分離型磁気ヘッドを組み合わせて図3に示す磁気
記録装置を作製し、記録再生特性を評価した。図3にお
いて、301,302,303,304は本発明より成
る磁気記録媒体、305,306,307,308,3
09,310,311,312は磁気ヘッド、313は
可動式ヘッドア−ム、314はボイスコイルモ−タ、3
15は制御回路、316は位置決め検出回路、317は
ヘッド選択スイッチ、318は記録再生回路、319は
コントロ−ラである。この装置で190kFCIの信号
を記録再生したときの装置S/Nを評価した。
【0021】以上の結果を表1にまとめて示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示すように、実施例1〜4の磁気記
録媒体は比較例の磁気記録媒体に比べ、保磁力が高く、
磁気粘性の揺らぎ場が大きいため、記録再生特性に格段
に優れ、同時に保磁力の温度変化率も小さいことが明ら
かとなった。これにより、磁気記録装置の記録再生特性
を周囲温度に対して安定化することが可能となった。
【0024】実施例6 次に実施例1〜4および比較例の磁気記録媒体を使用し
た上記実施例5の磁気記録装置の磁気ヘッドを、Ni−
Fe合金を含む磁気抵抗効果素子を再生部に含み、スラ
イダ材をアルミナチタンカ−バイドを主たる成分とする
非磁性材料とした記録再生分離型磁気ヘッドに替えて、
実施例4と同様の手法で記録再生特性を評価した。エラ
−が生じるまでの平均装置寿命を求めたところ、従来の
記録媒体を用いた装置に比べ、2〜10倍以上の寿命と
なり高い信頼性が得られた。磁気抵抗効果素子の表面に
カ−ボン,シリコン,シリカ,ジルコニア,アルミナ等
の層を設けると、装置の信頼性をさらに向上できるので
好ましい。
【0025】磁性層13,13’,24,24’は、チ
タン、シリコン、ジルコニウム、アルミニウム等の酸化
物を含有しても同様の効果が得られる。保護被覆層1
4,14’,25,25’にはカ−ボン,水素化カ−ボ
ン,炭化物,窒化物,酸化物,硼化物およびこれらの混
合物等を用いることができ、いずれの組合せでも同様の
効果が得られる。下地層、磁性層をそれぞれ多層で構成
しても差し支えない。また、下地層を介せずに、磁性層
を基板上に直接形成しても差し支えない。また、巨大磁
気抵抗効果を利用した素子を再生部に含む磁気ヘッド
と、本発明より成る磁気記録媒体とを組み合わせて、磁
気記録装置を構成しても良い。
【0026】
【発明の効果】磁気記録媒体の磁性層をコバルト,ニッ
ケル及びクロムを含有し、さらにタンタル,白金のいず
れかまたは両方を含有する合金で構成するか、あるいは
コバルト,バナジウム及びクロムを含有し、さらにタン
タル,白金のいずれかまたは両方を含有する合金で構成
し、保磁力を2000エルステッド(1.59×105
A/m)以上,5000エルステッド(3.98×10
5A/m)以下とし、かつ残留磁化保磁力又は保磁力と
等しい磁界強度での25℃における磁気粘性の揺らぎ場
が30エルステッド(2.39×103A/m)以上,
300エルステッド(2.39×104A/m)以下と
することにより、高密度記録が可能な磁気記録媒体およ
び信頼性の高い大容量磁気記録装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1,3,4および比較例におけ
る磁気記録媒体の断面図である。
【図2】本発明の実施例2における磁気記録媒体の断面
図である。
【図3】本発明の実施例5,6における磁気記録装置の
構成図である。
【符号の説明】
11,21…基板、12,12’…下地層、22,2
2’…第一の下地層、23,23’…第二の下地層、1
3,13’,24,24’…磁性層、14,14’,2
5,25’…保護被覆層、15,15’,26,26’
…潤滑層、301,302,303,304…磁気記録
媒体、305,306,307,308,309,31
0,311,312…磁気ヘッド、313…可動式ヘッ
ドア−ム、314…ボイスコイルモ−タ、315…制御
回路、316…位置決め検出回路、317…ヘッド選択
スイッチ、318…記録再生回路、319…コントロ−
ラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダビット ジュリアント ジャヤプラウィ ラ 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 小島 修一 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 片岡 宏之 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 松田 好文 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 稲垣 譲 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 細江 譲 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも一層の下地層、その上
    に少なくとも一層の磁性層、その上に保護被覆層、潤滑
    層を有する磁気記録媒体において、前記磁性層がコバル
    ト,ニッケル及びクロムを含有し、さらにタンタル,白
    金のいずれかまたは両方を含有し、保磁力が2000エ
    ルステッド(1.59×105A/m)以上,5000
    エルステッド(3.98×105A/m)以下であり、
    かつ残留磁化保磁力又は保磁力と等しい磁界強度での2
    5℃における磁気粘性の揺らぎ場が30エルステッド
    (2.39×103A/m)以上,300エルステッド
    (2.39×104A/m)以下である磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】上記磁性層中のニッケル含有量が、1at
    %以上,30at%以下である請求項1に記載の磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】基板上に少なくとも一層の下地層、その上
    に少なくとも一層の磁性層、その上に保護被覆層、潤滑
    層を有する磁気記録媒体において、前記磁性層がコバル
    ト,バナジウム及びクロムを含有し、さらにタンタル,
    白金のいずれかまたは両方を含有し、保磁力が2000
    エルステッド(1.59×105A/m)以上,500
    0エルステッド(3.98×105A/m)以下であ
    り、かつ残留磁化保磁力又は保磁力と等しい磁界強度で
    の25℃における磁気粘性の揺らぎ場が30エルステッ
    ド(2.39×103A/m)以上,300エルステッ
    ド(2.39×104A/m)以下である磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】上記磁性層中のバナジウム含有量が、1a
    t%以上,20at%以下である請求項3に記載の磁気
    記録媒体。
  5. 【請求項5】上記下地層がクロムを主たる成分とし、チ
    タン,ボロン,バナジウム,モリブデン,タングステ
    ン,シリコン,ジルコニウム,アルミニウム及び酸素か
    ら成る元素群から選ばれた少なくとも一種の元素を1a
    t%以上,30at%以下含有する請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気記
    録媒体を少なくとも1つ有し、金属磁性合金を少なくと
    も磁気コアの一部として含む磁気ヘッドとを少なくとも
    有する磁気記録装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気記
    録媒体を少なくとも1つ有し、磁気抵抗効果素子を少な
    くとも再生部に含む磁気ヘッドとを少なくとも有する磁
    気記録装置。
  8. 【請求項8】上記磁気ヘッドのスライダ材が実質的にジ
    ルコニアもしくはアルミナチタンカ−バイドもしくはフ
    ェライトを主たる成分とする請求項6または7に記載の
    磁気記録装置。
  9. 【請求項9】上記磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面にカ
    −ボン,シリコン,シリカ,ジルコニア,アルミナから
    成る被覆層を有する請求項6乃至8のいずれかに記載の
    磁気記録装置。
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