JPH10238961A - 熱処理炉内の断熱材保持構造 - Google Patents

熱処理炉内の断熱材保持構造

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JPH10238961A
JPH10238961A JP5850797A JP5850797A JPH10238961A JP H10238961 A JPH10238961 A JP H10238961A JP 5850797 A JP5850797 A JP 5850797A JP 5850797 A JP5850797 A JP 5850797A JP H10238961 A JPH10238961 A JP H10238961A
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heat insulating
heat
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Akiyoshi Onishi
明義 大西
Takashi Ohara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持部材の破損を防止することが可能で、断
熱材の保持信頼性に優れ、しかも、保持部材から炉本体
への伝熱による熱損失が少なく、炉本体の外壁部の歪み
や腐食の発生を抑制することが可能な熱処理炉内の断熱
材保持構造を提供する。 【解決手段】 断熱材Aを、最も炉本体外壁部10に近
い最外断熱材層21から、最も内側の最内断熱材層22
までの複数層に分割し、各断熱材層を、保持しようとす
る断熱材層から最外断熱材層21までを貫通して炉本体
1に固定された保持部材H1,H2により分割して保持
する。また、最内断熱材層の表面のみ、又は最内断熱材
層の表面及び各断熱材層間の少なくとも一つに耐熱材プ
レートを配設し、各耐熱材プレートより外側の断熱材層
を、各耐熱材プレートから最外断熱材層までを貫通して
炉本体に固定された保持部材により保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理炉に関し、
詳しくは、電子部品用のセラミック素体などを熱処理す
る場合に用いられる熱処理炉内の断熱材保持構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セラミ
ック電子部品などの製造工程において用いられる熱処理
炉は、例えば1700℃というような極めて高い温度に
さらされるため、通常、炉本体内の熱処理ゾーンの内周
面には、セラミックファイバー系の断熱材による内張り
が施されている。そして、この断熱材を保持する方法の
一つとして、スタッドにより断熱材を保持する方法が知
られている。
【0003】図3はその一例を示すものであり、断熱材
Aは、炉本体51の天井部61を構成する外壁部60に
最も近い最外断熱材層53、中間断熱材層54及び炉本
体51の内部の熱処理ゾーン52に最も近い最内断熱材
層55からなる3層構造を有している。そして、この断
熱材Aは、アルミナや炭化ケイ素などから形成されたス
タッドピン56、ワッシャ57、ボルト58,及びナッ
ト59からなるスタッド(以下、「保持部材」とい
う。)Hにより炉本体51に保持、固定されている。
【0004】なお、図3は、炉本体51の天井部61を
構成する外壁部60への断熱材Aの保持構造を示してい
るが、炉本体51の側壁部の断熱材(図示せず)も同様
の構造により保持されている。
【0005】しかし、上記従来の断熱材保持構造におい
ては、炉本体51内の加熱ゾーン52に近い位置に配設
された保持部材(スタッドピン56やワッシャ57な
ど)Hが高温(例えば、1400〜1700℃)にさら
されることによる熱ストレスや断熱材の荷重によって破
損しやすく、信頼性が必ずしも十分ではないという問題
点がある。また、保持部材Hのうちの数本が破損すると
他の保持部材Hに大きな応力が加わり、保持部材Hが連
鎖的に破損して断熱材Aの落下を招く場合がある。
【0006】そのため、炉内が高温にさらされるような
場合には、多数の位置で、多数の保持部材Hを用いて断
熱材Aを保持することが必要となる。その結果、保持部
材Hから炉本体51の外壁部60への伝熱による熱損失
が大きくなり、エネルギーの消費量が増大するばかりで
なく、炉本体51の外壁部60の温度上昇を招いて歪み
や腐食を引き起こすという問題点がある。さらに、断熱
材Aに保持部材Hを貫通させるための穴62を多数形成
することが必要になるため、最内断熱材層55などにク
ラックが発生しやすいという問題点がある。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、保持部材の破損を防止することが可能で信頼性に優
れ、しかも、保持部材から炉本体への伝熱による熱損失
が少なく、炉本体の外壁部の歪みや腐食の発生を抑制す
ることが可能な熱処理炉内の断熱材保持構造を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明(請求項1)の熱処理炉内の断熱材保持構造
は、炉本体内に内張りされる断熱材の保持構造におい
て、断熱材を、最も炉本体外壁部に近い最外断熱材層か
ら、最も内側の最内断熱材層までの複数層に分割し、各
断熱材層を、保持しようとする断熱材層から最外断熱材
層までを貫通して炉本体に固定された保持部材により分
割して保持したことを特徴としている。
【0009】断熱材を、最外断熱材層から最内断熱材層
までの複数の断熱材層に分割し、保持しようとする断熱
材層を、該断熱材層から最外断熱材層までを貫通して炉
本体に固定された保持部材により分割して保持させるこ
とにより、炉内の熱処理ゾーンの高温にさらされる保持
部材の数を減少させて、保持部材が損傷する割合を減ら
すことが可能になる。また、高温にさらされる保持部材
の数が減少するため、保持部材から炉本体の外壁部への
伝熱による熱損失を減らすことが可能になるとともに、
炉本体の外壁部の温度上昇を抑制して、歪みや腐食の発
生を抑制することが可能になる。また、最内断熱材層に
形成すべき保持部材貫通穴の数を減らすことが可能にな
り、最内断熱材層へのクラックの発生を抑制することが
可能になる。
【0010】また、本発明(請求項2)の熱処理炉内の
断熱材保持構造は、前記保持部材が、ボルト及びスタッ
ドピンの少なくとも1種を用いて形成されたものである
ことを特徴としている。断熱材を保持するための保持部
材としては、ボルト及びスタッドピンの少なくとも1種
を用いたものが使用されることが多いが、そのような場
合に本発明を適用することにより、上述の効果を確実に
奏させることが可能になり、断熱材の保持信頼性を向上
させることが可能になる。
【0011】また、本発明(請求項3)の熱処理炉内の
断熱材保持構造は、前記保持部材がアルミナ又は炭化ケ
イ素からなるものであることを特徴としている。アルミ
ナ又は炭化ケイ素質の材料からなる保持部材は、耐熱性
に優れ、機械的強度も大きいので、本発明の構成による
保持部材の破損防止効果とあいまって、断熱材の保持信
頼性をさらに向上させることが可能になる。
【0012】また、本発明(請求項4)の熱処理炉内の
断熱材保持構造は、前記断熱材を構成する各断熱材層の
少なくとも一つが複数断熱材層から構成されていること
を特徴としている。本発明においては、各断熱材層を、
単一の断熱材層から構成してもよく、また、複数の断熱
材層から構成してもよい。これにより、断熱材層の総数
が多い場合に、複数の断熱材層をその総数より少ない任
意の数に分割して、本発明の効果を損なうことなく、構
造を簡略化することができる。
【0013】また、本発明(請求項5)の熱処理炉内の
断熱材保持構造は、前記各断熱材層を不定形耐火物で接
着したことを特徴としている。各断熱材層をモルタルな
どの不定形耐火物で接着した場合、各断熱層が接着によ
りその外側の断熱材層に保持されるため、保持部材に加
わる荷重を減少させて、保持部材が破損することを防止
し、信頼性を向上させることが可能になる。
【0014】また、本発明(請求項6)の熱処理炉内の
断熱材保持構造は、前記最内断熱材層の表面のみ、又は
前記最内断熱材層の表面及び前記各断熱材層間の少なく
とも一つに耐熱材プレートを配設し、前記各耐熱材プレ
ートより外側の断熱材層を、前記各耐熱材プレートから
前記最外断熱材層までを貫通して炉本体に固定された保
持部材により保持したことを特徴としている。最内断熱
材層の表面に、又は最内断熱材層の表面及び各断熱材層
間の少なくとも一つに耐熱材プレートを配設し、耐熱材
プレートより外側の断熱材層を、耐熱材プレートから最
外断熱材層までを貫通して炉本体に固定された保持部材
により保持するようにした場合、例えば、保持部材の構
成部材としてワッシャを用いた場合におけるワッシャの
断熱材層へのめり込みを防止して、断熱材が損傷するこ
とが可能になるとともに、断熱材が損傷した場合に生じ
る断熱材の破片やくずなどの落下を防止することが可能
になる。
【0015】また、本発明(請求項7)の熱処理炉内の
断熱材保持構造は、前記耐熱材プレートが、アルミナ、
ムライト、炭化ケイ素、及びジルコニアからなる群より
選ばれる少なくとも1種からなるものであることを特徴
としている。アルミナ、ムライト、炭化ケイ素、ジルコ
ニアの少なくとも1種からなる耐熱材プレートを用いる
ことにより、耐熱材プレートの変形や破損を防止するこ
とが可能になり、保持部材の断熱材層へのめり込みや、
断熱材の破片の落下などを防止することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
てその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0017】[実施形態1]図1は、本発明の一実施形
態にかかる熱処理炉の断熱材保持構造を示す断面図であ
る。この熱処理炉においては、その天井部11に内張り
された断熱材Aは、炉本体1の天井部11を構成する外
壁部10の外側から順に配設された第1断熱材層3、第
2断熱材層4及び炉本体1の内部の熱処理ゾーン2に最
も近い第3断熱材層5の3層の断熱材層から構成されて
いる。そして、上記断熱材Aを構成する3層の断熱材層
のうち、第1断熱材層3及び第2断熱材層4の2層の断
熱材層が外側断熱材層(最外断熱材層)21を構成して
おり、第3断熱材層5は、一層で内側断熱材層22を構
成している。また、断熱材層Aを構成する各断熱材層
3,4,5は、モルタル(不定形耐火物)により互いに
接着されている。
【0018】そして、この3層構造の断熱材Aが、アル
ミナや炭化ケイ素などから形成されたスタッドピン6、
ワッシャ7、ボルト8,及びナット9からなる保持部材
H1,H2により炉本体1に保持、固定されている。
【0019】具体的には、上記外側断熱材層21は、ナ
ット9により内側外壁部10aに取り付けられたボルト
8、ボルト8に連結されたスタッドピン6及びワッシャ
7からなる第1保持部材(短尺保持部材)H1により炉
本体1に保持、固定されている。また、内側断熱材層2
2は、ナット9により内側外壁部10aに取り付けられ
たボルト8、ボルト8に連結されたスタッドピン6及び
ワッシャ7からなる第2保持部材(長尺保持部材)H2
により炉本体1に保持、固定されている。
【0020】また、炉本体1の側壁部31に内張りされ
た断熱材Bは、炉本体1の側壁部31側(外側)の断熱
材層32、炉本体1の内部の熱処理ゾーン2に面する内
側の断熱材層33の2層の断熱材層から構成されてお
り、この2層構造の断熱材Bが、、断熱材Bを貫通する
アルミナや炭化ケイ素などからなるスタッドピン6、ワ
ッシャ7、ボルト8,及びナット9からなる第3保持部
材H3により炉本体1に固定、保持されている。すなわ
ち、側壁側の断熱材Bに関しては、これを保持する第3
保持部材H3に、上記の天井部側の断熱材を保持する場
合ほど大きな荷重がかからないため、従来の断熱材の保
持構造と同様の保持構造を採用している。
【0021】上記の熱処理炉においては、断熱材Aを、
外側断熱材層21と内側断熱材層22とに分割し、外側
断熱材層21を、外側断熱材層21を貫通して内側外壁
部10aに取り付けられた第1保持部材H1により保持
し、内側断熱材層22を内側断熱材層22及び外側断熱
材層21を貫通して内側外壁部10aに取り付けられた
第2保持部材H2により保持するようにしているので、
熱処理ゾーン2の高温にさらされる第2保持部材H2
は、内側断熱材層22のみを保持すればよいことにな
る。従って、高温にさらされる第2保持部材H2に加わ
る荷重を減少させて、第2保持部材H2が破損すること
を効率よく防止することが可能になり、信頼性を向上さ
せることが可能になる。
【0022】また、外側及び内側断熱材層21,22が
それぞれ第1及び第2保持部材H1,H2により保持さ
れるため、高温にさらされる第2保持部材H2の数を減
らして、第2保持部材H2から炉本体1の外壁部10へ
の伝熱による熱損失を減少させることができる。したが
って、炉本体1の天井部11を構成する外壁部10の温
度上昇を抑制することが可能になり、炉本体1の歪みや
腐食の発生を抑制することができる。また、内側断熱材
層22に形成すべき保持部材貫通穴12の数を減らして
内側断熱材層22にクラックが発生することを防止する
ことができる。
【0023】なお、この実施形態においては、断熱材A
を構成する各断熱材層3,4,5をモルタルにより互い
に接着するようにしているので、接着による保持力によ
り、第1及び第2保持部材H1,H2に加わる荷重をさ
らに軽減することが可能になる。但し、各断熱材層3,
4,5は必ずしも互いに接着しなければならないもので
はない。
【0024】また、上記実施形態では、外側断熱材層2
1を第1断熱材層3及び第2断熱材層4の2層の断熱材
層からなる構造とした場合について説明したが、外側断
熱材層21を単一の断熱材層から構成するようにしても
よく、また、断熱材Aを第1,第2及び第3断熱材層
3,4,5からなる3層構造とし、各層をそれ用の保持
部材で保持するように構成することも可能である。ま
た、内側断熱材層22を複数の断熱材層から構成するこ
とも可能である。なお、断熱材を複数の層に分割する場
合の分割数には特別の制約はなく、4層以上に分割する
ことも可能である。
【0025】また、上記実施形態では、天井部に取り付
けられる断熱材についてのみ本発明の保持構造を適用し
た場合について説明したが、側壁側に内張りされる断熱
材に本発明の保持構造を適用することも可能である。
【0026】[実施形態2]また、図2は、本発明の他
の実施形態にかかる熱処理炉の断熱材保持構造を示す断
面図である。この実施形態の断熱材保持構造において
は、炉本体1の天井部11に内張りされた断熱材Aは、
炉本体1の天井部11を構成する外壁部10の外側から
順に配設された第1断熱材層3、第2断熱材層4及び炉
本体1の内部の熱処理ゾーン2に最も近い第3断熱材層
5の3層の断熱材層から構成されている。そして、上記
断熱材Aを構成する第2断熱材層4及び第3断熱材層5
の間、及び第3断熱材層5の表面(熱処理ゾーン2側の
表面)にはそれぞれ、アルミナ、ムライト、炭化ケイ
素、及びジルコニアなどからなる断熱材プレート23,
24が配設されている。
【0027】そして、耐熱材プレート23より外側の断
熱材層(第1断熱材層3、第2断熱材層4からなる外側
断熱材層21)は、ナット9により内側外壁部10aに
取り付けられたボルト8、ボルト8に連結されたスタッ
ドピン6及びワッシャ7からなる第1保持部材(短尺保
持部材)H1により耐熱材プレート23を介して炉本体
1に保持、固定されている。また、内側断熱材層22
は、ナット9により内側外壁部10aに取り付けられた
ボルト8、ボルト8に連結されたスタッドピン6及びワ
ッシャ7からなる第2保持部材(長尺保持部材)H2に
より耐熱材プレート24を介して炉本体1に保持、固定
されている。その他の構成は、図1の実施形態1の場合
と同様であるため説明を省略する。なお、図2におい
て、図1と同一又は相当する部分には同一符号を付して
いる。
【0028】この実施形態の断熱材保持構造において
は、外側断熱材層21と内側断熱材層22の間及び内側
断熱材層22の熱処理ゾーン2側の表面に耐熱材プレー
ト23,24を配設し、耐熱材プレート23より外側の
断熱材層21を、耐熱材プレート23から外側断熱材層
21までを貫通して炉本体1の内側外壁部10aに固定
された第1保持部材H1により保持するとともに、耐熱
材プレート24より外側の断熱材層21,22を、炉本
体1の内側外壁部10aに固定された第2保持部材H2
により保持するようにしているので、前述の実施形態1
の断熱材保持構造の場合と同様の効果が得られるととも
に、第2保持部材H2を構成するワッシャ7などが内側
断熱材層22にめり込んで内側断熱材層22が損傷した
り、内側断熱材層22が損傷することにより生じる断熱
材の破片やくずの落下を防止することが可能になる。
【0029】なお、上記実施形態2では、外側断熱材層
21を第1断熱材層3及び第2断熱材層4の2層の断熱
材層からなる構造とした場合について説明したが、外側
断熱材層21を単一の断熱材層から構成するようにして
もよく、また、断熱材Aを第1,第2及び第3断熱材層
3,4,5からなる3層構造とし、各層をそれ用の保持
部材で保持するように構成することも可能である。ま
た、内側断熱材層22を複数の断熱材層から構成するこ
とも可能である。
【0030】また、上記実施形態2では、天井部に取り
付けられる断熱材についてのみ本発明の保持構造を適用
した場合について説明しているが、側壁側に内張りされ
る断熱材にも本発明の保持構造を適用することが可能で
ある。
【0031】本発明は、さらにその他の点においても上
記実施形態に限定されるものではなく、炉本体や断熱材
の具体的な形状や構造、断熱材の種類などに関し、発明
の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えるこ
とが可能である。
【0032】
【発明の効果】上述のように、本発明の熱処理炉内の断
熱材保持構造は、断熱材を、最外断熱材層から最内断熱
材層までの複数の断熱材層に分割し、保持しようとする
断熱材層を、そこから最外断熱材層までを貫通して炉本
体に固定された保持部材により分割して保持させるよう
にしているので、炉内の熱処理ゾーンの高温にさらされ
る保持部材の数を減少させて、保持部材が損傷する割合
を減らすことができる。また、高温にさらされる保持部
材の数が減少するため、保持部材から炉本体の外壁部へ
の伝熱による熱損失を減らすことが可能になるととも
に、炉本体の外壁部の温度上昇を抑制して、歪みや腐食
の発生を抑制することができる。また、最内断熱材層に
形成すべき保持部材貫通穴の数を減らすことが可能にな
り、最内断熱材層へのクラックの発生を抑制することが
できる。
【0033】また、断熱材を保持するための保持部材と
しては、ボルト及びスタッドピンの少なくとも1種を用
いたものが使用されることが多いが、そのような場合に
本発明を適用することにより、上述の効果を確実に奏さ
せることが可能になり、断熱材の保持信頼性を向上させ
ることができる。
【0034】また、アルミナ又は炭化ケイ素からなる保
持部材は耐熱性に優れ、機械的強度も大きいので、これ
らを用いることにより、本発明の構成による保持部材の
破損防止効果とあいまって、信頼性をさらに向上させる
ことができる。
【0035】また、本発明においては、各断熱材層を、
単一の断熱材層から構成してもよく、また、複数の断熱
材層から構成してもよい。これにより、断熱材層の総数
が多い場合に、複数の断熱材層をその総数より少ない任
意の数に分割して、本発明の効果を損なうことなく、構
造を簡略化することができる。
【0036】また、各断熱材層をモルタルなどの不定形
耐火物で接着した場合、各断熱層が接着によりその外側
の断熱材層に保持されるため、保持部材に加わる荷重を
減少させて、保持部材が破損することを防止し、信頼性
を向上させることが可能になる。
【0037】また、最内断熱材層の表面に、又は最内断
熱材層の表面及び各断熱材層間の少なくとも一つに耐熱
材プレートを配設し、耐熱材プレートより外側の断熱材
層を、耐熱材プレートから最外断熱材層までを貫通して
炉本体に固定された保持部材により保持するようにした
場合、例えば、保持部材の構成部材としてワッシャを用
いた場合におけるワッシャの断熱材層へのめり込みを防
止して、断熱材が損傷することが可能になるとともに、
断熱材が損傷した場合に生じる断熱材の破片やくずの落
下を防止することができる。
【0038】また、アルミナ、ムライト、炭化ケイ素、
ジルコニアの少なくとも1種からなる耐熱材プレートを
用いることにより、耐熱材プレートの変形や破損を防止
することが可能になり、保持部材の断熱材層へのめり込
みや、断熱材層からの断熱材の破片などの落下を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる熱処理炉内の断熱
材保持構造を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態にかかる熱処理炉内の断
熱材保持構造を示す断面図である。
【図3】従来の熱処理炉内の断熱材保持構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 炉本体 2 熱処理ゾーン 3 第1断熱材層 4 第2断熱材層 5 第3断熱材層 6 スタッドピン 7 ワッシャ 8 ボルト 9 ナット 10 炉本体の外壁部 10a 内側外壁部 11 炉本体の天井部 12 保持部材貫通穴 21 外側断熱材層 22 内側断熱材層 23,24 断熱材プレート 31 炉本体の側壁部 32,33 側壁部の断熱材層 A,B 断熱材 H1 第1保持部材 H2 第2保持部材 H3 第3保持部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉本体内に内張りされる断熱材の保持構造
    において、 断熱材を、最も炉本体外壁部に近い最外断熱材層から、
    最も内側の最内断熱材層までの複数層に分割し、 各断熱材層を、保持しようとする断熱材層から最外断熱
    材層までを貫通して炉本体に固定された保持部材により
    分割して保持したことを特徴とする熱処理炉内の断熱材
    保持構造。
  2. 【請求項2】前記保持部材が、ボルト及びスタッドピン
    の少なくとも1種を用いて形成されたものであることを
    特徴とする請求項1記載の熱処理炉内の断熱材保持構
    造。
  3. 【請求項3】前記保持部材がアルミナ又は炭化ケイ素か
    らなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の熱処理炉内の断熱材保持構造。
  4. 【請求項4】前記断熱材を構成する各断熱材層の少なく
    とも一つが複数断熱材層から構成されていることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理炉内の断
    熱材保持構造。
  5. 【請求項5】前記各断熱材層を不定形耐火物で接着した
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱処
    理炉内の断熱材保持構造。
  6. 【請求項6】前記最内断熱材層の表面のみ、又は前記最
    内断熱材層の表面及び前記各断熱材層間の少なくとも一
    つに耐熱材プレートを配設し、前記各耐熱材プレートよ
    り外側の断熱材層を、前記各耐熱材プレートから前記最
    外断熱材層までを貫通して炉本体に固定された保持部材
    により保持したことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の熱処理炉内の断熱材保持構造。
  7. 【請求項7】前記耐熱材プレートが、アルミナ、ムライ
    ト、炭化ケイ素、及びジルコニアからなる群より選ばれ
    る少なくとも1種からなるものであることを特徴とする
    請求項6記載の熱処理炉内の断熱材保持構造。
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