JPH10238944A - 窒素製造方法及び装置 - Google Patents

窒素製造方法及び装置

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JPH10238944A
JPH10238944A JP4362497A JP4362497A JPH10238944A JP H10238944 A JPH10238944 A JP H10238944A JP 4362497 A JP4362497 A JP 4362497A JP 4362497 A JP4362497 A JP 4362497A JP H10238944 A JPH10238944 A JP H10238944A
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JP
Japan
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gas
rectification column
nitrogen
air
oxygen
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JP4362497A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Honda
秀幸 本田
Hisashi Kamiuchi
恒 上内
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセス全体の動力の増加を抑えながら窒素
回収率の向上が図れる窒素製造方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 原料空気を圧縮,精製,冷却する工程
と、冷却した原料空気を精留塔5に導入して窒素ガスと
酸素富化液化空気とに分離する工程と、窒素ガスの一部
を酸素富化液化空気により液化して還流液を得る工程
と、窒素ガスの残部を製品窒素として回収する工程と,
精留塔の運転温度程度の循環ガスを膨張タービン34a
の制動昇圧機41で昇圧する工程と、昇圧した循環ガス
を精留塔の下部に設けたリボイラー45に通し、酸素富
化液化空気を蒸発させて上昇ガスを得るための加熱源と
する工程とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気液化分離法に
よる窒素製造方法及び装置に関し、詳しくは、圧縮,精
製,冷却した原料空気を単精留塔に導入して精留分離す
ることにより、空気中の窒素を製品として回収する窒素
製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、空気液化分離法による従来の窒
素ガスの製造プロセスの一例を示すものである。原料空
気圧縮機1で圧縮された原料空気は、冷却器(アフター
クーラー)2で大気や冷却水,フロン等により吸着に必
要な温度まで冷却された後、炭酸ガスや水分等の不純物
を吸着除去するモレキュラシーブス等を充填した吸着器
を備えた精製設備3に導入され、不純物を除去されて精
製される。
【0003】精製された原料空気は、次いで主熱交換器
4に導入され、後述する製品窒素ガスや酸素富化空気等
の戻りガスと熱交換を行って露点温度付近まで冷却さ
れ、全量がガス状あるいは一部が液化した状態で精留塔
5の最下段に導入される。精留塔5では、塔底部から塔
内を上昇する上昇ガスと、塔頂部から塔内を下降する流
下液との気液接触によって精留が行われ、塔頂部に窒素
ガスが、塔底部に酸素富化液化空気がそれぞれ分離す
る。
【0004】塔頂部から管6に抜出された窒素ガスの一
部は、管7に分岐して凝縮器8に導入され、凝縮して液
化窒素となり、管9を通り還流液として精留塔5の頂部
に戻される。残りの窒素ガスは、管6から管10を経て
前記主熱交換器4に導入され、前記原料空気との熱交換
により加熱されて常温となり、管11から製品窒素ガス
として回収される。
【0005】また、精留塔5の底部から管12に抜出さ
れた前記酸素富化液化空気は、前記凝縮器における窒素
ガスとの温度差が適当となるような圧力に膨張弁13で
減圧された後に凝縮器8に導入され、前記窒素ガスと熱
交換を行って蒸発し、酸素富化空気となって管14に導
出される。この管14の酸素富化空気の一部は、管15
を経て前記主熱交換器4に導入され、中間温度まで昇温
して管16から膨張タービン17に導入される。
【0006】膨張タービン17で膨張して寒冷を発生し
た酸素富化空気は、管18から管19を通って再び主熱
交換器4に導入される。前記管14の酸素富化空気の残
部は、管20及び弁21を経て前記管19の酸素富化空
気に合流して主熱交換器4に導入される。
【0007】前記主熱交換器4で寒冷を回収された酸素
富化空気は、その一部が管22から管23を介して前記
精製設備3の再生ガスとして用いられた後に管24から
排出され、残部の酸素富化空気は、管25から排出され
る。
【0008】このような従来の窒素ガスの製造プロセス
において、精留塔5に導入した原料空気に対する窒素製
品の割合、即ち窒素回収率は、通常、30〜40%であ
る。この窒素回収率を向上させる際には、プロセス全体
の動力の増加を抑え、設備の追加を最小限にすること
は、重要な技術的課題である。
【0009】米国特許第5385024号明細書や特公
平7−94953号公報には、上記課題を解決するため
のプロセスが提案されている。これらのプロセスでは、
精留塔の底部から抜出した酸素富化液化空気を凝縮器で
蒸発させてガス化し、その一部を膨張タービンと同軸上
に接続された低温圧縮機で圧縮し、圧縮後の酸素富化空
気を原料空気に合流させるか、あるいは、原料空気とは
異なる経路で精留塔に再循環させるようにしている。
【0010】また、特公平4−47234号公報に記載
された窒素製造方法では、循環ガスを熱源としたリボイ
ラーを精留塔の底部に設け、該リボイラーで塔底液(酸
素富化液化空気)を加熱蒸発させることにより精留塔内
の上昇ガスを補うようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記各プロセスによれ
ば、図4に示したプロセスに比べて窒素回収率を向上さ
せることはできるが、米国特許第5385024号明細
書に記載されたプロセスでは、組成が著しく異なる酸素
富化空気と原料空気とを混合するためにロスが生じる。
【0012】また、特公平7−94953号公報に記載
されたプロセスでは、凝縮器における窒素ガスとの温度
差が適当となるように減圧される酸素富化液化空気の圧
力が、空気中の高沸点成分である酸素の濃度が高くなる
ほど低くなるため、低温圧縮機の吸入圧力の低下につな
がり、吐出圧力、即ち精留塔への導入圧力は一定である
ことから、低温圧縮機における圧縮比が増大し、酸素富
化空気の酸素富化空気の循環量が低下してしまう。
【0013】さらに、特公平4−47234号公報に記
載されたプロセスでは、リボイラーの熱源となる循環ガ
スの圧縮を常温で行っているため、圧縮効率が低く改善
の余地がある。
【0014】そこで本発明は、プロセス全体の動力の増
加を抑えながら窒素回収率の向上が図れる窒素製造方法
及び装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の窒素製造方法は、原料空気を圧縮,精製,
冷却する工程と、冷却した原料空気を精留塔に導入して
窒素ガスと酸素富化液化空気とに分離する工程と、前記
窒素ガスの一部を前記酸素富化液化空気により液化して
前記精留塔内の還流液を得る工程と、前記窒素ガスの残
部を製品窒素として回収する工程とを有する窒素製造方
法において、前記精留塔の運転温度程度の低温の循環ガ
スを膨張タービンにより駆動される制動昇圧機で昇圧す
る工程と、該昇圧したガスを前記精留塔の下部に設けた
リボイラーに通し、前記酸素富化液化空気を蒸発させて
精留塔内の上昇ガスを得るための加熱源とする工程とを
含むことを特徴としている。
【0016】さらに、本発明方法は、前記循環ガスが、
前記精留塔の流下液の一部を抜出して減圧後に気化させ
たガス、あるいは、前記精留塔の上昇ガスの一部を抜出
したガスのいずれかであって、前記制動昇圧機で昇圧
し、前記リボイラーの加熱源として用いることにより該
循環ガスを液化した後、該液化ガスを精留塔の前記流下
液の抜出し位置あるいは上昇ガスの抜出し位置の近傍に
導入することを特徴としている。
【0017】また、本発明の窒素製造装置は、原料空気
を圧縮する原料空気圧縮機と、原料空気中の不純物を除
去する精製設備と、原料空気を冷却する熱交換器と、冷
却した原料空気を窒素ガスと酸素富化液化空気とに分離
する精留塔と、前記窒素ガスの一部と前記酸素富化液化
空気とを熱交換させて窒素ガスを液化することにより前
記精留塔内の還流液を得る凝縮器と、前記窒素ガスの残
部を製品窒素として回収する経路と、系内の寒冷を補償
するための膨張タービンとを備えた窒素製造装置におい
て、前記膨張タービンにより駆動される制動昇圧機と、
前記精留塔の下部に設けたリボイラーとを備えるととも
に、前記精留塔の運転温度程度の低温の循環ガスを前記
制動昇圧機に導入する経路と、該制動昇圧機で昇圧した
前記循環ガスを、前記酸素富化液化空気を加熱すること
により蒸発させて精留塔内の上昇ガスを得るための加熱
源として前記リボイラーに導入する経路とを備えている
ことを特徴としている。
【0018】さらに、本発明装置は、前記循環ガスを前
記制動昇圧機に導入する経路は、前記精留塔の上部付近
の流下液の一部を抜出して減圧後に気化させたガス、あ
るいは、前記精留塔の上部付近の上昇ガスの一部を抜出
して減圧したガスを前記制動昇圧機に導入する経路であ
り、前記リボイラーで液化した循環ガスを精留塔の前記
流下液の抜出し位置の近傍あるいは前記上昇ガスの抜出
し位置の近傍に導入する経路を備えていることを特徴と
している。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1形態例を示
す窒素製造装置の系統図である。なお、図4に示した従
来の窒素製造装置における構成要素と同一の構成要素に
は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】原料空気圧縮機1で8kgf/cm2 に昇
圧された5600Nm3 /h原料空気は、アフタークー
ラー2で40℃に冷却され、精製設備3で二酸化炭素や
水分が除去される。この原料空気は、主熱交換器4で−
166.7℃まで冷却され、精留塔5の下部から5段上
の精留段に導入される。
【0021】上記精留塔5では、塔内を上昇する上昇ガ
スと、凝縮器8で凝縮して塔内を下降する流下液との気
液接触によって精留が行われ、塔頂部に窒素ガスが、塔
底部に酸素富化液化空気がそれぞれ分離する。塔頂部か
ら管6に抜出された窒素ガスは、その一部3000Nm
3 /hが管10に分岐して主熱交換器4で昇温し、管1
1から圧力7.3kgf/cm2 、36℃、酸素濃度1
ppb以下の製品窒素ガスとして回収される。管6の残
りの窒素ガスは、管7により凝縮器8に導入され、この
凝縮器8で精留塔5の底部から抜出された酸素富化液化
空気及び後述の循環ガスと熱交換を行って凝縮する。凝
縮した液化窒素は、管9により精留塔5の頂部に還流液
として戻される。
【0022】精留塔5の底部から管12に抜出された2
600Nm3 /hの酸素富化液化空気は、過冷器31で
冷却され、前記凝縮器8を通る窒素ガスと適当な温度差
が得られるような圧力である3.2kgf/cm2 に膨
張弁13で減圧された後、凝縮器8に導入されて蒸発
し、酸素富化空気となる。凝縮器8から管14に導出さ
れた酸素富化空気は、過冷器31を経て主熱交換器4に
導入され、−141.2℃に昇温した後、主熱交換器4
の中間部から管32に抜出される。
【0023】上記管32の酸素富化空気は、管33aと
管33bとに分岐し、膨張タービン34a,34bにそ
れぞれ導入される。膨張タービン34a,34bで膨張
して寒冷を発生した酸素富化空気は、管35a,35b
から管36に合流し、再び主熱交換器4に導入されて3
6℃に昇温後、圧力1.2kgf/cm2 で管22に導
出され、一部が精製設備3の再生ガスとして用いられ、
管24,25から排出される。
【0024】一方の膨張タービン34aには、同軸上に
制動昇圧機41が接続されている。この制動昇圧機41
は、該膨張タービン34aで発生した動力を利用して循
環ガスを昇圧するものであって、他の膨張タービン34
bで発生した動力は、プロセスの熱エネルギーを放出す
るためにブレーキ等で消費される。
【0025】上記制動昇圧機41では、管42からの循
環ガス、例えば1ppmの酸素濃度の窒素ガス1420
Nm3 /hが、6.2kgf/cm2 から11.4kg
f/cm2 に昇圧されて管43に導出し、主熱交換器4
で−165.6に冷却された後、管44を経て精留塔5
の底部に設けられているリボイラー45に導入される。
リボイラー45では、昇圧された循環ガスと塔底部の酸
素富化液化空気との熱交換が行われ、循環ガスが加熱源
となって酸素富化液化空気が蒸発して塔内の上昇ガスが
得られるとともに、循環ガス自身は液化する。
【0026】液化して管46に導出された循環ガスは、
前記過冷器31で更に冷却され、前記凝縮器8を通る窒
素ガスと適当な温度差が得られるような圧力である6.
3kgf/cm2 に膨張弁47で減圧された後、凝縮器
8に導入されて前記窒素ガスと熱交換を行い、窒素ガス
を液化するとともに、自身は蒸発してガス化する。凝縮
器8でガス化して−175.7℃で管48に導出した循
環ガスは、過冷器31を通って−169.4℃に昇温し
た後、前記管42に戻って制動昇圧機41に導入され、
リボイラー45を通る循環系を循環する。なお、この制
動昇圧機41,リボイラー45,凝縮器8等を通る循環
経路には、循環ガスを随時補給するための補給路(図示
せず)が設けられている。
【0027】このように、リボイラー45の加熱源とな
る循環ガスを制動昇圧機41で低温圧縮することによ
り、圧縮効率が向上するので循環ガスの循環量を大幅に
増大させることができる。例えば、従来の常温圧縮で+
40℃のガスを吸入して昇圧する場合に比べて、−17
0℃で低温圧縮することにより、昇圧して循環させるガ
ス量を約3倍にすることができ、リボイラー45の交換
熱量を増大させることができる。これにより、リボイラ
ー45で発生する上昇ガス量が増大するので、原料空気
量を低減させることが可能となり、結果的に窒素回収率
を向上させることができる。
【0028】ここで、前記制動昇圧機41の入口圧力
は、凝縮器8における蒸発圧力に依存し、この圧力は、
凝縮器8で凝縮する窒素ガスとの温度差が適当になるよ
うに決定される。また、制動昇圧機41の出口圧力は、
リボイラー45における凝縮圧力に依存する。この蒸発
圧力と凝縮圧力とは、ガスの組成にそれぞれ依存し、例
えば、循環ガスとして窒素中に酸素を含むガスを用いる
場合は、該窒素中の酸素濃度に依存する。すなわち、酸
素濃度が高くなると蒸発圧力が低下するとともに凝縮圧
力も低下し、酸素濃度が低くなると蒸発圧力,凝縮圧力
の双方とも上昇する。
【0029】このとき、制動昇圧機41の圧縮比でみる
と、制動昇圧機41の入口圧力が高くなる酸素濃度が低
い窒素の方が、酸素濃度が高い場合よりも圧縮比は小さ
くなる。そして、制動昇圧機41は、膨張タービン34
aで駆動しているため、圧縮比が小さくなれば、その分
処理量が増加する。
【0030】したがって、循環ガスとしては、任意の組
成のガスを使用することが可能であるが、酸素含有量が
少ない窒素ガスを使用することにより、リボイラー45
での凝縮圧力は高くなるが、凝縮器8での蒸発圧力が高
くなるため、制動昇圧機41の圧縮比を小さくすること
ができ、制動昇圧機41の処理量が増加するので、これ
によってもリボイラー45の交換熱量を増大させること
ができ、窒素回収率が更に向上する。
【0031】図2は、本発明の第2形態例を示すもの
で、リボイラー45の加熱源となる循環ガスとして、前
記精留塔5の流下液の一部を抜出して減圧後に気化させ
たガスを使用した例を示すものである。すなわち、精留
塔5の流下液の一部は、液化ガス抜出し管51に抜出さ
れ、膨張弁52で前記凝縮器8を通る窒素ガスと適当な
温度差が得られるような圧力に減圧した後、凝縮器8に
導入される。この流下液の一部は、凝縮器8で蒸発して
ガス化した後、前記同様に管48に導出されて過冷器3
1に導入され、さらに、管42を通って前記同様の制動
昇圧機41に導入される。
【0032】上記制動昇圧機41で低温圧縮されたガス
は、管43から熱交換器4に導入され、冷却された後に
管44から前記リボイラー45に導入され、塔底液を蒸
発する加熱源となり、自身は液化して液化ガスとなる。
この液化ガスは、管46により過冷器31に導入されて
冷却された後、膨張弁53で前記流下液の一部を抜出し
た位置に対応した圧力に減圧され、液化ガス導入管54
からその位置に戻されて精留塔5に循環する。
【0033】図3は、本発明の第3形態例を示すもの
で、リボイラー45の加熱源となる循環ガスとして、前
記精留塔5の上昇ガスの一部を抜出して使用した例を示
すものである。すなわち、精留塔5の上昇ガスの一部
は、上昇ガス抜出し管61に抜出されて過冷器31に導
入され、管42を通って制動昇圧機41に導入される。
制動昇圧機41で低温圧縮されたガスは、管43から熱
交換器4に導入され、冷却された後に管44から前記リ
ボイラー45に導入され、塔底液を蒸発する加熱源とな
り、自身は液化して液化ガスとなる。この液化ガスは、
管46により過冷器31に導入されて冷却された後、膨
張弁62で前記上昇ガスの一部を抜出した位置に対応し
た圧力に減圧され、液化ガス導入管63からその位置に
戻されて精留塔5に循環する。なお、本形態例を示す図
3では、精留塔5から抜出す上昇ガスとして、精留塔5
の中間部の上昇ガスを抜出す場合を例示したが、塔頂の
ガスも上昇ガスであり、塔頂のガスを抜出して循環させ
るように形成することもできる。
【0034】上記第2,第3形態例において、流下液の
一部あるいは上昇ガスの一部を抜出す位置は任意である
が、前述のように、窒素ガス中の酸素濃度が低いほど制
動昇圧機41での圧縮比が小さくなって窒素回収率の向
上が図れるので、酸素濃度が低くなる精留塔上部の液あ
るいはガスを抜出すことが好ましい。また、精留塔5に
戻す位置も適当に選択することができるが、塔内の組成
分布を維持するためには、同じ精留段あるいはその近傍
に戻すことが望ましい。
【0035】前記第1形態例に示すように、循環ガスの
経路を閉ループにした場合は、装置構成や処理量等を考
慮して経済的な流体を循環ガスとして選択することがで
きる利点はあるが、装置の起動時等、循環系の圧力を調
整するために補給路を別途設ける必要がある。一方、第
2,第3形態例に示すように、精留塔5内の流下液や上
昇ガスの一部を循環ガスとして用いた場合は、精留塔5
からの循環流体の抜出し経路や戻し経路となる配管を増
設しなければならず、プロセスがやや複雑にはなるが、
循環系の圧力調整を精留塔5からの流体で行うことがで
きるので、閉ループのときのような補給路は不要とな
る。
【0036】なお、第2,第3形態例において、前記第
1形態例の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付
して、その詳細な説明は省略する。
【0037】また、各形態例では、機能の異なる2台の
膨張タービン34a,34bを使用した例を挙げたが、
両機能を1台に集約した膨張タービン、即ち制動昇圧機
の駆動源と熱エネルギーを放出する制動機構を備えた膨
張タービンを使用することもできる。
【0038】
【実施例】前記第1形態例、図4に示した従来の一般的
なプロセス及び前記特公平7−94953号公報に記載
されたプロセスについて、製品窒素ガスを3000Nm
3/h製造する場合について窒素回収率を算出した。そ
のときの原料空気量,循環ガス量,循環ガス組成,窒素
回収率,循環圧縮機の圧縮比を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒素製造
方法及び装置によれば、プロセス全体の動力の増加を抑
えながら窒素回収率の向上が図れる。特に、酸素濃度の
低い精留塔上部の液あるいはガスを循環ガスとすること
により、動力の増加を抑えながら収率の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1形態例を示す窒素製造装置の系
統図である。
【図2】 本発明の第2形態例を示す窒素製造装置の系
統図である。
【図3】 本発明の第3形態例を示す窒素製造装置の系
統図である。
【図4】 従来の窒素製造装置の一例を示す系統図であ
る。
【符号の説明】
1…原料空気圧縮機、2…アフタークーラー、3…精製
設備、4…主熱交換器、5…精留塔、8…凝縮器、13
…膨張弁、31…過冷器、34a,34b…膨張タービ
ン、41…制動昇圧機、45…リボイラー、47…膨張
弁、51…液化ガス抜出し管、53…膨張弁、54…液
化ガス導入管、61…上昇ガス抜出し管、62…膨張
弁、63…液化ガス導入管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料空気を圧縮,精製,冷却する工程
    と、冷却した原料空気を精留塔に導入して窒素ガスと酸
    素富化液化空気とに分離する工程と、前記窒素ガスの一
    部を前記酸素富化液化空気により液化して前記精留塔内
    の還流液を得る工程と、前記窒素ガスの残部を製品窒素
    として回収する工程とを有する窒素製造方法において、
    前記精留塔の運転温度程度の低温の循環ガスを膨張ター
    ビンにより駆動される制動昇圧機で昇圧する工程と、該
    昇圧したガスを前記精留塔の下部に設けたリボイラーに
    通し、前記酸素富化液化空気を蒸発させて精留塔内の上
    昇ガスを得るための加熱源とする工程とを含むことを特
    徴とする窒素製造方法。
  2. 【請求項2】 前記循環ガスは、前記精留塔の流下液の
    一部を抜出して減圧後に気化させたガスであって、前記
    制動昇圧機で昇圧し、前記リボイラーの加熱源として用
    いることにより該循環ガスを液化した後、該液化した循
    環ガスを精留塔の前記流下液の抜出し位置の近傍に導入
    することを特徴とする請求項1記載の窒素製造方法。
  3. 【請求項3】 前記循環ガスは、前記精留塔の上昇ガス
    の一部を抜出したガスであって、前記制動昇圧機で昇圧
    し、前記リボイラーの加熱源として用いることにより該
    循環ガスを液化した後、該液化ガスを精留塔の前記上昇
    ガスの抜出し位置の近傍に導入することを特徴とする請
    求項1記載の窒素製造方法。
  4. 【請求項4】 原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、
    原料空気中の不純物を除去する精製設備と、原料空気を
    冷却する熱交換器と、冷却した原料空気を窒素ガスと酸
    素富化液化空気とに分離する精留塔と、前記窒素ガスの
    一部と前記酸素富化液化空気とを熱交換させて窒素ガス
    を液化することにより前記精留塔内の還流液を得る凝縮
    器と、前記窒素ガスの残部を製品窒素として回収する経
    路と、系内の寒冷を補償するための膨張タービンとを備
    えた窒素製造装置において、前記膨張タービンにより駆
    動される制動昇圧機と、前記精留塔の下部に設けたリボ
    イラーとを備えるとともに、前記精留塔の運転温度程度
    の低温の循環ガスを前記制動昇圧機に導入する経路と、
    該制動昇圧機で昇圧した前記循環ガスを、前記酸素富化
    液化空気を加熱することにより蒸発させて精留塔内の上
    昇ガスを得るための加熱源として前記リボイラーに導入
    する経路とを備えていることを特徴とする窒素製造装
    置。
  5. 【請求項5】 前記循環ガスを前記制動昇圧機に導入す
    る経路は、前記精留塔の上部付近の流下液の一部を抜出
    して減圧後に気化させたガスを前記制動昇圧機に導入す
    る経路であり、前記リボイラーで液化した循環ガスを精
    留塔の前記流下液の抜出し位置の近傍に導入する経路を
    備えていることを特徴とする請求項4記載の窒素製造装
    置。
  6. 【請求項6】 前記循環ガスを前記制動昇圧機に導入す
    る経路は、前記精留塔の上部付近の上昇ガスの一部を抜
    出して減圧したガスを前記制動昇圧機に導入する経路で
    り、前記リボイラーで液化した循環ガスを精留塔の前記
    上昇ガスの抜出し位置の近傍に導入する経路を備えてい
    ることを特徴とする請求項4記載の窒素製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104061756A (zh) * 2014-06-09 2014-09-24 杭州杭氧股份有限公司 返流污氮气部分膨胀制冷和部分增压进压力塔相耦合生产带压氮气产品的方法及装置

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