JPH10237141A - 水分散型樹脂組成物 - Google Patents

水分散型樹脂組成物

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JPH10237141A
JPH10237141A JP6234197A JP6234197A JPH10237141A JP H10237141 A JPH10237141 A JP H10237141A JP 6234197 A JP6234197 A JP 6234197A JP 6234197 A JP6234197 A JP 6234197A JP H10237141 A JPH10237141 A JP H10237141A
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JP
Japan
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resin
water
meth
acrylate
resin composition
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Application number
JP6234197A
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English (en)
Inventor
Akira Matsumura
明 松村
Akinao Ooshita
彰尚 大下
Tetsuo Sato
哲郎 佐藤
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温施工性、光沢性、耐水性、耐候性、耐汚
染性が同時に優れるを外装塗料等の用途に有用な水分散
型樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 グリシジル基当量300〜2,500の
樹脂(A)にカルボキシル基不飽和単量体及び芳香族多
塩基酸を付加させて得られた樹脂(B)を、更に塩基性
化合物で中和して得られた樹脂(C)の存在下、水媒体
中で重合性不飽和単量体を重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着性、耐薬品
性、低温施工安定性、光沢性、耐水性、耐候性、耐汚染
性に同時に優れる水分散型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機溶剤型樹脂は、耐候性に
優れ、作業性も良好なことから塗料、接着剤、バインダ
ー用等の樹脂として大量に屋外用に使用されているが、
言うまでもなく、該樹脂は実際の作業に際しトルエンや
キシレンを主成分とする有機溶剤を多量に使用し大気に
放散するために、人体への安全・害毒や大気汚染・環境
問題などの面から問題視されてきている。かかる有機溶
剤に関して、世界的なレベルの揮発性有機物質(VO
C)規制として、1992年5月の「VOCによる広範
囲の越境大気汚染にかかわる国連議定書」がある。VO
C排出削減目標の国際的な合意は、2000年までに1
988年をベンチマークとして、その値の30%削減量
にするというものである。VOCの規制は、今のところ
法的に拘束されるものではないが、有機物質の放出が大
気を汚染することは事実であり、その影響は、いろいろ
な面で人間の健康に悪影響を及ぼすのも確かである。我
が国においては、有機溶剤型塗料中のトルエンやキシレ
ンが、1993年6月の中央公害対策審議会において、
悪臭物質に追加指定され、地方自治体条例によって悪臭
防止法の規制対象(実際の規制は各自治体の条例制定
後)となってからは、特に当該有害有機溶剤の使用量を
できる限り減らしたもの、或いは全く使用していないも
のが望まれてきている。
【0003】上記規制の対策の一つとして、トルエンや
キシレン等の有害有機溶剤をほとんど含まない水系のエ
マルジョン系樹脂を用いる方法がある。該エマルジョン
系樹脂は、媒体である水の中に、0.3〜5μm前後の
微小樹脂粒子が乳化剤、保護コロイド等によって分散さ
れたものであり、水の蒸発と共に起こる毛細管圧によっ
て、樹脂粒子同士が融着して造膜するものである。この
ため有機溶剤型樹脂と比較した場合、樹脂の分子同士の
絡み合いが不均一になったり、樹脂の粒子同士が融着し
た界面付近や空隙には親水性の乳化剤や保護コロイドが
残存し、耐水性、耐久性が劣る等の問題がある。又、そ
の他の問題としては、乳化剤として使用する界面活性剤
の界面又は表面へのブリード移行による密着性、接着性
の低下や光沢不良や含有する乳化剤や保護コロイドの排
水時の汚染問題等多々ある。
【0004】最近、かかる水系のエマルジョン系樹脂の
問題点を改良するために、吸着作用だけの乳化剤や保護
コロイドを使用せずに、反応性乳化剤、樹脂系分散剤等
を使用した、いわゆる「ソープフリーエマルジョン系樹
脂」が提案されており、貯蔵安定性向上を目的として、
特開昭50−126723号公報には、不飽和脂肪酸グ
リシジルエステルを反応させて得た脂肪酸変性単量体、
エチレン性不飽和酸、特定の不飽和単量体からなる共重
合体を含有する水性被覆用組成物が記載され、特開平6
−172408号公報には、ハーフエステル化されたス
チレン−無水マレイン酸交互共重合体の水溶性塩と、
(メタ)アクリルグリシジルエステルとの反応により生
成した共重合体の水溶性塩を保護コロイドとして、重合
して水性エマルジョンが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が上記方法を詳細に検討し皮膜化及び塗料化したとこ
ろ、かかる方法により得られた水分散液の安定性、塗装
作業性、塗膜物性は優れるものの、実際の使用に際して
は、耐水性、耐候性、耐薬品性は未だに不十分であり、
密着性、耐薬品性、低温施工安定性、光沢性、耐水性、
耐候性、耐汚染性を同時に兼ね備えないことが判明し、
特に、外装用の塗料とした時は、顕著であり、上記性能
を同時に兼ね備えている樹脂が期待されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る問題を解決するために、各種アクリル系樹脂系分散剤
を使用した水分散型樹脂組成物について鋭意研究を重ね
た結果、グリシジル基当量300〜2,500の樹脂
(A)にカルボキシル基含有不飽和単量体及び芳香族多
塩基酸を付加させて得られた樹脂(B)を、更に塩基性
化合物で中和して得られた樹脂(C)の存在下、水媒体
中で重合性不飽和単量体を重合させてなる水分散型樹脂
組成物が上記課題を解決することを見いだし本発明を完
成した。なお上記のグリシジル基当量とは、樹脂の数量
平均分子量を一分子あたりのグリシジル基の数で割った
値のことである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に用いるグリシジル基当量300〜2,
500の樹脂(A)としては、該グリシジル基当量が3
00〜2,500であればよく、更に500〜200
0、殊に600〜1,200で、グリシジル基当量が3
00未満では水分散型樹脂の粒径が大きくなり不適で、
2,500を越えるとカルボキシル基の付加が少なくな
り過ぎ水溶化できず不適である。
【0008】該樹脂(A)としては、特に限定されない
が、例えばアクリル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂、ス
チレン共重合樹脂等が挙げられ、好ましくはアクリル系
樹脂が用いられる。
【0009】上記樹脂(A)の製造法は特には限定され
ず、グリシジル基含有モノマーとそれ以外の共重合可
能な他のモノマーと共重合させて、その後芳香族多塩基
酸を付加する方法、グリシジル基含有モノマーに芳香
族多塩基酸を付加させた後、それ以外の共重合可能なモ
ノマーと共重合させる方法等が挙げられるが、製造が簡
略である点での方法が好ましく該方法について具体的
に説明する。
【0010】グリシジル基含有モノマーとしては、モノ
マー中に、グリシジル基を1個以上含有するものであれ
ば特には限定されないが、具体的には、グリシジルメタ
アクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−(4
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベ
ンジル)アクリルアミド、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる
が、好ましい分子量の樹脂(A)を得る点でグリシジル
メタアクリレート、アリルグリシジルエーテルが好まし
い。
【0011】上記モノマーと共重合可能な他のモノマー
としては、スチレン、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメ
タクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタク
リレート、酢酸ビニル、t−デカン酸ビニル、トリデシ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレー
ト、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、1
0−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ビニルト
ルエン、(メタ)アクリロニトリル、アリルアルコー
ル、アクリルクロライド、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、メチルビニル
ケトン、アクリルアミド、アセトアセチル化(メタ)ア
クリレート、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロ
ピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシペンチル
トリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシ
ルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキ
シルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオ
クチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
デシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
ドデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シオクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられ、好ま
しくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレートメチル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、酢酸ビニル等が用いられる。
【0012】上記グリシジル基含有モノマーとそれ以外
の共重合可能な他のモノマーとは重量比で1/1〜1/
15、好ましくは1/2〜1/10で共重合させるわけ
であるが、かかる反応は非水系で行われ、該反応は、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アルキルパーオキサイド、
t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオ
キサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イソブチ
ルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オク
タノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,
3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート等の有機過酸化物等の触媒を分散させたトル
エン、キシレン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル
等の溶剤中で、通常50〜150℃、好ましくは60〜
140℃で4〜10時間、好ましくは、5〜8時間で反
応が行なわれ、得られた樹脂はグリシジル基当量が30
0〜2,500になるように、上記2種類のモノマー、
反応時間、反応温度を選択して重合する。
【0013】上記樹脂(A)の重量平均分子量は、5,
000〜100,000とすることが好ましく、更に好
ましくは10,000〜50,000である。尚、重量
平均分子量が5,000未満の時は得られる水分散型樹
脂組成物の諸物性が低下し、100,000を越える時
は高粘度化し反応時の希釈剤が多くなり不経済である。
【0014】次いで上記のグリシジル基当量300〜
2,500の樹脂(A)にカルボキシル基含有不飽和基
単量体及び芳香族多塩基酸を付加させて樹脂(B)を得
るわけであるが、該カルボキシル基含有不飽和単量体と
は、カルボキシル基を1個以上含有する不飽和単量体で
あれば特には限定されないが、具体的には、(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、フマール酸、(無水)マレイン
酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられるが、好ま
しくは(メタ)アクリル酸、フマール酸等が用いられ
る。
【0015】芳香族多塩基酸としては、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、3,3',4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,
4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等
が挙げられるが、好ましくは、遊離カルボキシル基を1
個有する無水トリメリット酸等の多塩基酸の無水物が用
いられる。
【0016】上記三成分の組成比としては、カルボキシ
ル基含有不飽和基単量体が一分子中にカルボキシル基を
一個含有する場合、下式Xが0.8〜2.0となる様な
組成が好ましく、更に好ましくは、Xが1.0〜1.5
である。Xは(W1/K1+W2/K2)/(W3/
G) K1:カルボキシル基含有不飽和基単量体のカルボキシ
ル基当量 K2:芳香族多塩基酸(の無水物)のカルボキシル基当
量 W1:カルボキシル基含有不飽和基単量体の仕込量
(g) W2:芳香族多塩基酸(の無水物)の仕込量(g) W3:樹脂(A)の仕込量(g) G :樹脂(A)のグリシジル基当量 なおカルボキシル基当量とはカルボキシル基含有不飽和
基単量体あるいは芳香族多塩基酸の分子量を一分子あた
りのカルボキシル基の数で割った値である。Xが0.8
未満では、樹脂(B)、樹脂(C)がゲル化したり、得
られた水分散性樹脂の粒径が大きくなり、塗膜の光沢が
低下するので好ましくなく、Xが2.0を越えると、未
反応のカルボキシル基含有不飽和単量体、芳香族多塩基
酸が残存し、塗膜物性等が悪くなり好ましくない。
【0017】かかる反応は非水系で行われ、該反応は、
n−ブチルアミン、ジメチルアミン塩酸塩、フタル酸セ
リウム、トリフェニルフォスフィン、塩化亜鉛、n−ブ
チルチタネート、ジメチルエタノールアミン等の触媒を
分散させたトルエン、等の溶剤中で、50〜90℃、3
〜20時間で理論酸価の±10mgKOH/gになるま
で反応させる。
【0018】かかる付加反応により得られる樹脂(B)
の重量平均分子量は、6,000〜200,000とす
ることが好ましく、更に好ましくは12,000〜6
0,000である。尚、分子量が6,000未満の時は
得られる水分散型樹脂組成物の諸物性が低下し、20
0,000を越える時は高粘度化し反応時の希釈剤が多
くなり不経済である。
【0019】本発明ではかかる樹脂(B)の酸価が、5
0〜500mgKOH/gであることが好ましく、更に
好ましくは100〜300mgKOH/gである。かか
る酸価が50mgKOH/g未満の時は塩基性水溶液に
対する溶解度が低下し、500mgKOH/gを越える
時は、得られた水分散性樹脂組成物を皮膜化した時の耐
水性が低下する傾向があり好ましくない。
【0020】かくして、グリシジル基当量300〜2,
500の樹脂(A)にカルボキシル基含有不飽和基単量
体に由来する不飽和基が導入されると共に、芳香族多塩
基酸に由来するカルボキシル基がそのまま残存する樹脂
(B)が得られるわけであるが、本発明では、得られた
樹脂(B)中の該カルボキシル基を塩基性化合物で中和
する必要がある。
【0021】該塩基性化合物としてはアンモニア、N,
N−ジメチルエタノールアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、モルフォリン、2−ジメチルアミノ−2
−メチル−1−プロパノール、モノイソプロパノールア
ミン、モノエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノ
ールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ル、N−メチルジエタノール、ジイソプロパノールアミ
ン、N−エチル−ジエタノールアミン、トリイソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、好
ましくはアンモニア、ジエチルアミンが用いられる。該
塩基性化合物は1〜50重量%の水溶液として用いるこ
とが好ましく、その際の添加量としては、カルボキシル
基を中和するのに必要な90〜110当量%を添加し
て、25〜75℃、1〜3時間程度撹拌して中和する。
【0022】該中和はpHが6〜10、好ましくは7.
5〜9になるまで行う。pHが6未満あるいは10を越
えると、溶液粘度が高くなり、溶液安定性が低下するの
で好ましくない。
【0023】本発明は上記の如く塩基性化合物で中和し
て得られた樹脂(C)の存在下、水媒体中で重合性不飽
和単量体を重合させて水分散型樹脂組成物を得ることを
最大の特徴とするもので、その重合方法について以下に
詳細に述べる。
【0024】かかる樹脂組成物を得るにあたり、重合は
通常水系にて行なわれる。
【0025】重合系における樹脂(C)の添加量は特に
限定されないが、好ましくは樹脂(C)と重合性不飽和
単量体の合計量に対して3〜50重量%、更に好ましく
は5〜40重量%である。添加量が3重量%未満では製
造効率が悪くなる傾向があり、50重量%を越えると塗
膜物性が低下する傾向がある。
【0026】該重合性不飽和単量体としては、スチレ
ン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、酢酸
ビニル、t−デカン酸ビニル、トリデシル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシ
オクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシ
ル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、(メタ)ア
クリロニトリル、イタコン酸ジアルキルエステル、フマ
ル酸モノアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステ
ル、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジア
ルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライ
ド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、ビ
ニルピロリドン、メチルビニルケトン、アクリルアミ
ド、アセトアセチル化(メタ)アクリレート、γ−(メ
タ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジ
メチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリ
メトキシシラン等が挙げられ、好ましくはメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、ラウリルメタク
リレートメチル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸
ビニル等が用いられる。
【0027】該重合開始剤としては、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アルキルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロ
パーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イ
ソブチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソ
ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等があげられ
る。
【0028】重合は公知の方法で行うことができ特に限
定されないが、重合性不飽和単量体の0.3〜5重量
%、好ましくは0.5〜3重量%の重合開始剤を加えて
製造する。
【0029】仕込み方法としては、樹脂(C)及び水媒
体中に重合性不飽和単量体、重合開始剤を一括あるい
は、滴下、分割に仕込んだり、重合性不飽和単量体に樹
脂(C)、重合開始剤を一括にあるいは、分割に仕込で
もよい。
【0030】重合時の反応温度としては、通常5〜90
℃、好ましくは50〜85℃の範囲内の温度を用いるの
が適当であり、通常1〜24時間、好ましくは5〜10
時間で反応が終了する。該重合において、樹脂系分散剤
中にカルボン酸塩を導入しているために、界面活性剤は
通常不要であり、従って重合後の水分散型樹脂組成物中
に界面活性剤を含有しないので、耐久性と排水の面にお
いて良好という作用効果が付随する。
【0031】尚、該重合は通常水系で行うのが好まし
く、樹脂(C)に若干トルエン等の溶剤が含まれる場合
は、該溶剤は留去するのが好ましく、該留去にあたって
は50〜200Torr、40〜60℃の減圧条件下で
行われる。該留去の際に水や塩基性化合物が共沸するの
で、留去した場合は、その水溶液を分離し、還元し、樹
脂(C)の添加量を上記の規定値に調整するのが好まし
い。またイソプロピルアルコールやアセトン等の有機溶
剤を、本発明の効果を失わない程度の若干量を存在させ
てもよいし、又、その他の分散安定剤やレオロジーコン
トロール剤の如き添加剤や、リン酸塩等のpH緩衝剤を
併用しても良い。
【0032】かくして水に不溶性の芯粒子樹脂部分の外
周にアクリル系樹脂を樹脂系分散剤として結合させた本
発明の水分散型樹脂組成物の粒子体(重合体)が得ら
れ、かかる水分散型樹脂組成物の粒子体の粒子径は特に
は限定されないが、得られた粒子径が0.3〜0.01
μmの超微粒子の場合には、透明性に優れ、樹脂分に富
み、光沢性、乾燥性に秀でて、塗膜、被塗材に対する密
着性、耐薬品性、低温施工安定性、耐水性、耐候性、耐
汚染性に同時に特に優れる水分散型樹脂組成物、いわゆ
る「ウオーターボーン」が得られる。粒子径の調整は、
樹脂系分散剤の濃度、分散剤中のカルボキシル基の濃
度、触媒濃度や樹脂組成物重合時の撹拌条件等により行
われ、粒子径がこの範囲より小さくなると諸物性は向上
の傾向はあるものの樹脂組成物の製造に特別な配慮が必
要で工業的採算がとれなくなり、他方粒子径がこの範囲
より大きくなると貯蔵中に粒子が膨潤又は凝集したりす
るので好ましくない。
【0033】本発明の水分散型樹脂組成物は、溶剤/可
塑剤のような造膜助剤、各種消泡剤、変性セルロース等
の増粘剤、顔料分散剤やレベリング剤とともに、チタン
白、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、酸化鉄
等の着色顔料や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
硫酸バリウム、各種シリカ、タルク、マイカ、クレー等
の体質顔料、ガラス繊維、充填剤などが加えられ、地球
環境に良好な塗料、接着剤、シーリング剤や各種バイン
ダーとして用いられ、特に、塗料、更には外装用塗料に
使用された時、本発明の効果を顕著に発揮できる。又、
該水分散型樹脂組成物に、種々の水系樹脂、例えば水系
アクリル樹脂、水系エポキシ樹脂等とブレンドすること
で、これらの樹脂の密着性、耐候性を更に向上すること
もできる。
【0034】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明する。
尚、以下の記述で「%」、「部」とあるのは「重量
%」、「重量部」である。 実施例1 撹拌装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いたフラ
スコに、トルエン500g、メチルメタクリレート15
0g、2−エチルヘキシルアクリレート225g、グリ
シジルメタクリレート75g、アゾビスイソブチロニト
リル4.5gを80℃で3時間滴下し、同温度でさらに
3時間反応させ樹脂グリシジル基当量850の重量平均
分子量35,000の樹脂(A−1)溶液〔該溶液中の
樹脂(A−1)450g〕を得た。(A−1)溶液全量
にフマル酸〔カルボキシル基当量58〕6g、無水トリ
メリット酸〔カルボキシル基当量192〕91g〔X=
1.1〕、トリフェニルフォスフィン3.5g、トルエ
ン97gを加えて80℃で酸価が105mgKOH/g
になるまで反応し、重量平均分子量40,000の樹脂
(B−1)を得た。得られた樹脂(B−1)にN,N−
ジメチルエタノールアミン92g及び水1,301gを
加えて乳濁液として、減圧下50℃でトルエンを蒸発除
去し、一部付随した分の、水とN,N−ジメチルエタノ
ールアミンを追加添加してpH8.5の樹脂(C−1)
の水溶液〔樹脂(C−1)30%含有〕を得た。該水溶
液150gに対し、メチルメタクリレート72g、スチ
レン54g、2−エチルヘキシルアクリレート54g、
水232g、過硫酸カリウム1.8gを均一に混合した
もの〔樹脂(C−1)の添加量が樹脂(C−1)と重合
性不飽和単量体の合計量に対して20%〕の20%を撹
拌装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いたフラス
コに仕込み、窒素気流下に75〜80℃に内温を保ちな
がら、30分後から残り80%を2時間かけて滴下し、
更に1時間反応を続けて本発明の水分散性樹脂組成物を
得た。得られた水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であ
り、不揮発分40.3%、重量平均分子量750,00
0であった。粒子体の粒子径を大塚電子製レーザー光散
乱粒径測定機DLS−700で測定した結果0.045
μmであった。
【0035】次に得られた水分散型樹脂組成物100部
に対して、水を用い希釈し、撹拌・混合後、塗膜厚が3
0μm〜40μm(乾燥後)になるように、スレート板
(ウレタン系シーラ下地処理有り、JIS F5403
規定)にスプレー塗装し、評価試験板とし、また同様
にブリキ板にもスプレー塗装し、評価試験板とした。
【0036】また得られた水分散型樹脂組成物100部
に対して、顔料としてチタン白タイペークR−930
(石原産業(株)製)50部、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム(1%水溶液)1部を混練し塗料とし、水を用い希
釈し、撹拌・混合後、塗膜厚が45μm〜55μm(乾
燥後)になるように、スレート板(ウレタン系シーラ下
地処理有り、JIS F5403規定)にスプレー塗装
し、評価試験板とし、また同様にブリキ板にもスプレ
ー塗装し、評価試験板とした。
【0037】上記評価試験板、を塗装直後に20
℃,65%RHで60分放置した後に、以下の性能試験
を行った。 (低温施工安定性)−5℃で16時間放置した後に、塗
面の樹脂組成物が凍結やヒビ・フクレ等の異常がないか
調べた。 (臭気感応試験)塗面より発する臭気を調べた。
【0038】また評価試験板、、、に対して、
20℃55%RHの条件で1週間放置し、以下の性能試
験を行った。 (光沢性)評価試験板、にて、日本電色製のVG−
1D光沢計で60゜反射率(%)を測定した。 (耐水性)評価試験板、にて、20℃の水道水に1
68時間浸漬後の塗面の光沢を、日本電色製のVG−1
0光沢計で測定し、ブランクとの光沢保持率(%)を求
めた。 (耐アルカリ性)評価試験板、にて、5%NaOH
水溶液(20℃)に72時間浸漬後の塗面状態により調
べた。 (耐酸性)評価試験板、にて、5%HCl水溶液
(20℃)に72時間浸漬後の塗面状態により調べた。 (耐候性)評価試験板、にて、サンシャインウエザ
ーメーターを用いて、塗面状態を経時的に調べ、日本電
色製のVG−1D光沢計測定の60°鏡面光沢の保持率
が80(%)以下になるまでの時間(hr)を調べた。
500時間以上を良好とし、500時間未満は不良とし
た。 (温冷繰り返し試験)評価試験板、にて、20℃の
水に18時間浸漬し、次いで−40℃,3時間、次いで
60℃,3時間を1サイクルとした操作を10サイクル
繰り返した後の塗面に、ワレ、ハガレ等の異常発生が認
められないかを調べた。 (密着性)評価試験板、にて、塗膜表面の塗膜に2
mmのクロスカット後、セロテープにて、JIS K5
400の碁盤目試験を行い、剥離残数を数えた。 (耐汚染性)評価試験板、にて、南向き45°傾斜
で屋外暴露(大阪府茨木市)を3ヵ月間行った後、付着
した汚れの付いたままの評価試験板と屋外暴露を行って
ないブランクの評価試験板との色差ΔEを日本電色製の
Σ−90にて測定して塗面の汚れ状態を調べた。ΔEが
1.0以下のものを良好として、1.0を越えるものは
不良とした。
【0039】実施例2 実施例1と同様の装置を用いて、トルエン500g、メ
チルメタアクリレート200g、2−エチルヘキシルア
クリレート225g、アリルグリシジルエーテル75
g、アゾビスイソブチロニトリル5gを用いて同様に実
施して、グリシジル基当量760、重量平均分子量3
0,000の樹脂(A−2)溶液〔該溶液中の樹脂(A
ー2)500g〕を得た。(A−2)溶液全量にアクリ
ル酸〔カルボキシル基当量72〕5g、無水トリメリッ
ト酸〔カルボキシル基当量192〕113g、トリフェ
ニルフォスフィン3.5g〔X=1.0〕、トルエン9
7gを加えて80℃で酸価が107mgKOH/gにな
るまで反応し、重量平均分子量35,000の樹脂(B
−2)を得た。得られた樹脂(B−2)にN,N−ジメ
チルエタノールアミン106g及び水1,336gを加
えて乳濁液として、減圧下50℃でトルエンを蒸発除去
し、一部付随した分の、水とN,N−ジメチルエタノー
ルアミンを追加添加してpH8.5の樹脂(C−2)の
水溶液〔樹脂(C−2)30%含有〕を得た。該水溶液
257gに対し、メチルメタクリレート72g、スチレ
ン54g、2−エチルヘキシルアクリレート54g、水
206g、過硫酸カリウム1.8gを均一に混合したも
の〔樹脂(C−2)の添加量が樹脂(C−2)と重合性
不飽和単量体の合計量に対して30%〕の20%を撹拌
装置、還流用コンデンサー及び温度計の付いたフラスコ
に仕込み、窒素気流下に75〜80℃に内温を保ちなが
ら、30分後から残り80%を2時間かけて滴下し、更
に1時間反応を続けて本発明の水分散性樹脂組成物を得
た。得られた水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であ
り、不揮発分40.4%、重量平均分子量900,00
0であった。粒子体の粒子径を大塚電子製レーザー光散
乱粒径測定機DLS−700で測定した結果0.05μ
mであった。得られた水分散性樹脂組成物を実施例1と
同様に評価試験板に塗装し、同様に評価した。
【0040】比較例1 水270gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
1.2gを加えて均一溶液にした、これに実施例1と同
じ装置を用い、メチルメタアクリレート72g、スチレ
ン54g、2−エチルヘキシルアクリレート54g、過
硫酸カリウム1.8g、リン酸ナトリウム0.9gを加
えて撹拌して分散液とした。この内の20%をコンデン
サー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコに仕込み、窒素
気流下に77℃の内温に保ち、30分後に、残りの80
%を2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続け終了し
水分散型樹脂組成物を得た。得られた水分散性樹脂組成
物は不透明であり、粒子体の粒子径は0.39μmであ
った。実施例1と同様に評価試験板に塗装し、実施例1
と同様に評価を行った。
【0041】比較例2 実施例1と同様の装置を用いて、トルエン500g、メ
チルメタアクリレート50g、2−エチルヘキシルアク
リレート140g、グリシジルメタクリレート260
g、アゾビスイソブチロニトリル4.5gを用いて同様
に実施して、グリシジル基当量246、重量平均分子量
32,000の樹脂(A−3)溶液〔樹脂(A−3)4
50g〕を得た。(A−3)溶液全量にフマル酸〔カル
ボキシル基当量58〕6g、無水トリメリット酸〔カル
ボキシル基当量192〕91g、トリフェニルフォスフ
ィン3.5g〔X=0.29〕、トルエン97gを加え
て80℃で酸価が105mgKOH/gになるまで反応
し、重量平均分子量38,000の樹脂(B−3)を得
た。得られた樹脂(B−3)にN,N−ジメチルエタノ
ールアミン92g及び水1,301gを加えて乳濁液と
して、減圧下50℃でトルエンを蒸発除去し、一部付随
した分の、水とN,N−ジメチルエタノールアミンを追
加添加してpH8.5の樹脂(C−3)の水溶液〔樹脂
(C−3)30%含有〕を得た。該水溶液150gに対
し、メチルメタクリレート72g、スチレン54g、2
−エチルヘキシルアクリレート54g、水232g、過
硫酸カリウム1.8gを均一に混合したもの〔樹脂(C
−3)の添加量が樹脂(C−3)と重合性不飽和単量体
の合計量に対して20%〕の20%を撹拌装置、還流用
コンデンサー及び温度計の付いたフラスコに仕込み、窒
素気流下に75〜80℃に内温を保ちながら、30分後
から残り80%を2時間かけて滴下し、更に1時間反応
を続けて本発明の水分散性樹脂組成物を得た。得られた
水分散性樹脂組成物は澄んだ半透明であり、不揮発分4
0.1%、重量平均分子量800,000であった。粒
子体の粒子径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測定機D
LS−700で測定した結果0.45μmであった。実
施例1と同様に評価試験板に塗装し、実施例1と同様に
評価を行った。
【0042】比較例3 実施例と同様の装置を用い、トルエン500g、メチル
メタアクリレート205g、2−エチルヘキシルアクリ
レート225g、グリシジルメタクリレート20g、ア
ゾビスイソブチロニトリル4.5gを用いて同様に実施
して、グリシジル基当量3,200、重量平均分子量3
3,000の樹脂(A−4)溶液〔樹脂(A−4)45
0g〕を得た。(A−4)溶液全量にフマル酸〔カルボ
キシル基当量58〕6g、無水トリメリット酸〔カルボ
キシル基当量192〕91g、トリフェニルフォスフィ
ン3.5g〔X=1.1〕、トルエン97gを加えて8
0℃で酸価が30mgKOH/gになるまで反応し、重
量平均分子量35,000の樹脂(B−4)を得た。得
られた樹脂(B−4)にN,N−ジメチルエタノールア
ミン23g及び水1370gを加えて乳濁液として、減
圧下50℃でトルエンを蒸発除去したところ溶液がゲル
状態になり流動しなくなった。
【0043】比較例4 実施例1と同様の装置で、トルエン500g、メチルメ
タクリレート150g、2−エチルヘキシルアクリレー
ト225g、グリシジルメタクリレート75g、アゾビ
スイソブチロニトリル4.5gを80℃で3時間滴下
し、同温度でさらに3時間反応させ樹脂グリシジル基当
量850の重量平均分子量35,000の樹脂(A−
1)溶液〔樹脂(A−1)450g〕を得た。(A−
1)溶液全量に、無水トリメリット酸〔カルボキシル基
当量192〕101g〔X=1.1〕、トリフェニルフ
ォスフィン3.5g、トルエン97gを加えて80℃で
酸価が107mgKOH/gになるまで反応し、重量平
均分子量40,000の樹脂(B−5)を得た。得られ
た樹脂(B−5)にN,N−ジメチルエタノールアミン
92g及び水1,301gを加えて乳濁液として、減圧
下50℃でトルエンを蒸発除去し、一部付随した分の、
水とN,N−ジメチルエタノールアミンを追加添加して
pH8.5の樹脂(C−5)の水溶液〔樹脂(C−5)
30%含有〕を得た。該水溶液150gに対し、メチル
メタクリレート72g、スチレン54g、2−エチルヘ
キシルアクリレート54g、水232g、過硫酸カリウ
ム1.8gを均一に混合したもの〔樹脂(C−5)の添
加量が樹脂(C−5)と重合性不飽和単量体の合計量に
対して20%〕の20%を撹拌装置、還流用コンデンサ
ー及び温度計の付いたフラスコに仕込み、窒素気流下に
75〜80℃に内温を保ちながら、30分後から残り8
0%を2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けて本
発明の水分散性樹脂組成物を得た。得られた水分散性樹
脂組成物は澄んだ半透明であり、不揮発分40.2%、
重量平均分子量730,000であった。粒子体の粒子
径を大塚電子製レーザー光散乱粒径測定機DLS−70
0で測定した結果0.04μmであった。実施例1と同
様に評価試験板に塗装し、実施例1と同様に評価を行っ
た。
【0044】比較例5 実施例1と同様の装置でトルエン500g、メチルメタ
クリレート150g、2−エチルヘキシルアクリレート
225g、グリシジルメタクリレート75g、アゾビス
イソブチロニトリル4.5gを80℃で3時間滴下し、
同温度でさらに3時間反応させ樹脂グリシジル基当量8
50の重量平均分子量35,000の樹脂(A−1)溶
液〔樹脂(A−1)450g〕を得た。(A−1)溶液
954.5gにフマル酸〔カルボキシル基当量58〕6
g、〔X=0.01〕、トリフェニルフォスフィン0.
1g、トルエン97gを加えて80℃で反応したとこ
ろ、1時間後に増粘し撹拌不能となった。実施例1、2
と比較例1、2、4の評価結果を表1〜3に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明は、グリシジル基当量300〜
2,500の樹脂(A)にカルボキシル基不飽和単量体
及び芳香族多塩基酸を付加させて得られた樹脂(B)
を、更に塩基性化合物で中和して得られた樹脂(C)の
存在下、水媒体中で重合性不飽和単量体を重合させてな
る水分散型樹脂組成物であるため、密着性、耐薬品性、
低温施工安定性、光沢性、耐水性、耐候性、耐汚染性を
同時に兼ね備え、溶剤を含有していないため、地球環境
に良好で、塗料、接着剤、シーリング剤や各種バインダ
ーに有用である樹脂組成物を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリシジル基当量300〜2,500の樹
    脂(A)にカルボキシル基含有不飽和単量体及び芳香族
    多塩基酸を付加させて得られた樹脂(B)を、更に塩基
    性化合物で中和して得られた樹脂(C)の存在下、水媒
    体中で重合性不飽和単量体を重合させてなることを特徴
    とする水分散型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】樹脂(C)の添加量が、樹脂(C)と重合
    性不飽和単量体の合計量に対して5〜70重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の水分散型樹脂組成物。
  3. 【請求項3】重合させて得られた重合体の粒子径が0.
    01〜0.3μmであることを特徴とする請求項1ある
    いは2記載の水分散型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】塗料に用いることを特徴とする請求項1〜
    3いずれか記載の水分散型樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146275A (ja) * 2000-11-16 2002-05-22 Daicel Chem Ind Ltd 無機建材用水性コーティング剤及び無機建材用水性塗料組成物
JP2005296785A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Sk Kaken Co Ltd 装飾塗膜積層体
JPWO2020184722A1 (ja) * 2019-03-13 2021-03-18 大日本塗料株式会社 水系塗料組成物、塗膜及び塗装物品

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