JPH10236469A - 紙 箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジッパーの開始端が紙箱等に切り込み等をい
れる方法で形成されたジッパー付きの紙箱において、容
易に前記ジッパーの開始端を掴み、開封することができ
る紙箱を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 背面板、側面板、前面板、側面板が折罫
を介して順次連接し、前面板の上下の端辺に上面板と底
面板が折罫を介して連接した箱体において、前面板に２
条の互いに平行する切り込み線と、切り込み線の一端部
とそれぞれの端部がこれに連なる略コの字形の切り込み
線と、切り込み線の他端部の近傍における延長線上間に
切り込み線と独立した切り込み線とからなるジッパー部
が形成され、側面板に前面板に形成されたジッパー部を
構成する略コの字形の切り込み線の切り込み線側の角部
と切り込み線の切り込み線側端部と一端がこれに連なる
傾斜切線と、背面板に傾斜切線の他端と連続する折罫と
を設け、前面板に形成されたジッパー部を構成する略コ
の字形の切り込み線と切り込み線とで囲まれた領域にエ
ンボス部が形成されていることを特徴とする紙箱。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食品や化粧品等を
収納、展示するための、２条の断続するカット線によっ
て形成されたジッパーを設けた紙箱に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から紙箱の少なくとも一面にジッパ
ーを設け、該ジッパーの開始端を掴んで該ジッパーを剥
ぎ取ることにより、紙箱を開封することは既によく知ら
れている。ところで、前記ジッパーの開始端は図６に示
すように紙箱の糊付け片の上側片の端部に設けることが
前記ジッパーの開始端を掴みやすいということで好まし
いことであるが、紙箱の形態によっては紙箱の糊付け片
の上側片の端部に設けることできないものも多々あり、
このような場合のジッパー開始端は、紙箱の辺を形成す
る部分にコの字形状等の切り込みを設ける方法で形成さ
れている。このようにすることで、図８に示すブランク
板を図７に示す紙箱に組み立てることにより、図９に示
すように、前記ジッパーの開始端が紙箱から多少浮き上
がり、前記紙箱を前記ジッパーを用いて開封する際に、
前記ジッパーの開始端を掴みやすくしているのである。

【０００３】しかし、前記ジッパー開始端を前記紙箱の
辺を形成する部分にコの字形状等の切り込みを設ける方
法で形成した場合、図10に示すように製凾工程や顧客先
での内容物充填工程、あるいは、輸送中に前記ジッパー
の開始端が紙箱の内側に陥没し、前記ジッパーの開始端
を掴むことができずに紙箱を開封することができないと
いった問題や陥没した前記ジッパーの開始端を無理に引
き出して前記ジッパーを剥ぎ取ると、前記ジッパーの紙
層間で剥離し、途中で引きちぎれてしまい、紙箱を開封
できないといった問題、さらには前記ジッパーの紙層間
での剥離により、商品価値が低下するといった問題が散
発していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、かか
る点に鑑みてなされたものであり、前記紙箱の辺を形成
する部分にコの字形状等の切り込みを設ける方法で形成
した前記ジッパー開始端を製凾工程や顧客先での内容物
充填工程あるいは輸送中に、紙箱の内側に陥没し難くす
ると共に紙箱開封時に確実に前記ジッパーの開始端を掴
みやすくし、確実に開封することができる紙箱を提供す
ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、請求項１に記載の発明は、背面板
３、側面板２、前面板１、側面板４が折罫６、７、８を
介して順次連接し、前記前面板１の上端辺に上面板1aお
よび下端辺に底面板1bが折罫21および21' を介して連接
した箱体において、前記前面板１に前記折罫21および2
1' に平行に２条の互いに平行する横ジッパー切り込み
線31、32と、前記横ジッパー切り込み線31、32の同一側
の一端部とそれぞれの端部がこれに連なる略コの字形の
切り込み線33と、前記横ジッパー切り込み線31、32の同
一側の他端部の近傍における延長線上間に前記横ジッパ
ー切り込み線31、32と独立した前記折罫６、７、８に平
行な縦ジッパー切り込み線34とで構成されるジッパー部
30が形成され、前記側面板２、４に前記前面板１に形成
されたジッパー部30を構成する前記略コの字形の切り込
み線33の前記横ジッパー切り込み線31側の角部と前記縦
ジッパー切り込み線34の前記横ジッパー切り込み線31側
端部と一端がこれに連なる傾斜切線13、14とを設け、前
記背面板３に前記傾斜切線13の他端と連続する折罫15を
前記横ジッパー切り込み線31、32に平行に設け、かつ、
前記前面板１に形成されたジッパー部30を構成する前記
略コの字形の切り込み線33と前記横ジッパー切り込み線
31、32とで囲まれた領域、あるいは前記側面板２の前記
傾斜切線13より前記底面板1b側の前記折罫７の近傍の領
域の、少なくとも一方の領域にエンボス部E1，E2，E3が
形成されていることを特徴とするものである。

【０００６】また、請求項２に記載の発明は、請求項１
に記載する紙箱において、前記エンボス部が、前記略コ
の字形切り込み線33で囲まれた領域に前記折罫６、７、
８に平行に形成された前面板線状凹部E1で構成されてい
ることを特徴とするものである。このように前面板線状
凹部E1を設けることにより、前記略コの字形切り込み線
33の前記折罫６、７、８に平行な一辺が紙箱外側へ撥ね
あがるために、前記略コの字形切り込み線33で囲まれた
領域、すなわち、ジッパー開始端部を掴みやすくしてい
る。

【０００７】また、請求項３に記載の発明は、請求項１
に記載する紙箱において、前記エンボス部が、前記側面
板２の前記折罫７の近傍における前記横ジッパー切り込
み線31、32の延長線上間に前記折罫６、７、８に平行に
形成された側面板線状凹部E2で構成されていることを特
徴とするものである。このように側面板線状凹部E2を設
けることにより、前記略コの字形切り込み線33の前記折
罫６、７、８に平行な一辺と対向する前記側面板２側の
一辺を強制的に紙箱内側にへこますことにより、前記略
コの字形切り込み線33で囲まれた領域、すなわち、ジッ
パー開始端部を掴みやすくしている。

【０００８】また、請求項４に記載の発明は、請求項１
に記載する紙箱において、前記エンボス部が、前記略コ
の字形切り込み線33と前記横ジッパー切り込み線31、32
とで囲まれた領域で、前記略コの字形切り込み線33の前
記折罫６、７、８に平行な一辺の近傍に、前記一辺と平
行に前記一辺と略同寸法の一辺で形成された多角形状あ
るいはＵ字形状凸部E3で構成されていることを特徴とす
るものである。このように構成することにより、前記略
コの字形切り込み線33で囲まれた領域、すなわち、ジッ
パー開始端部が前記多角形状あるいはＵ字形状に盛り上
がり、前記ジッパー開始端部を掴みやすくしている。

【０００９】また、請求項５に記載の発明は、前記エン
ボス部が、前記側面板線状凹部E2と、前記前面板線状凹
部E1ないしは前記多角形状あるいはＵ字形状凸部E3との
２つから構成されていることを特徴とするものである。
このように構成することにより、前記ジッパー開始端を
製凾工程や顧客先での内容物充填工程あるいは輸送中
に、紙箱の内側に、より一層陥没し難くしていると共に
紙箱開封時に、より一層確実に前記ジッパーの開始端を
掴みやすくしている。

【００１０】

【発明の実施の形態】上記の本発明について、具体的な
実施形態を図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
図１は本発明にかかる紙箱の第１の実施形態を示す平面
図、図２は本発明にかかる紙箱の第２の実施形態を示す
要部拡大図、図３は本発明にかかる紙箱の第３の実施形
態を示す要部拡大図、図４は本発明にかかる紙箱の第４
の実施形態を示す要部拡大図、図５は本発明にかかる紙
箱の第５の実施形態を示す要部拡大図、図中の１は前面
板、２，４は側面板、３は背面板、５，91は糊付け片、
６，７，８，９，15，21，21' ，22，22' ，23，23' ，
24，24' は折罫、1a，1b，2a，2b，3a，3b，4a，4bはフ
ラップ、13，14，19は傾斜切線、30はジッパー部、31，
32は横ジッパー切り込み線、33は略コの字形切り込み
線、34は縦ジッパー切り込み線、90はジッパー開始端、
92は空間、98,108はブランク板、99,110は紙箱、E1は前
面板線状凹部、E2は側面板線状凹部、E3は多角形状ある
いはＵ字形状凸部、Ｗは剥ぎ取り方向をそれぞれ示す。

【００１１】まず、図１は本発明にかかる紙箱の第１の
実施形態を示す平面図であって、本発明の紙箱は糊付け
片５、背面板３、側面板２、前面板１、側面板４が折罫
９、６、７、８を介して連接し、かつ、前記前面板１、
側面板２、背面板３、側面板４の上端辺にそれぞれ折罫
21、22、23、24を介して上面板1aおよびフラップ2a,3a,
4aが連接すると共に前記前面板１、側面板２、背面板
３、側面板４の下端辺にそれぞれ折罫21' 、22' 、23'
、24' を介して底面板1bおよびフラップ2b,3b,4bが連
接し、かつ、前記前面板１に前記折罫21および21' に平
行に２条の互いに平行する横ジッパー切り込み線31、32
と、前記横ジッパー切り込み線31、32の同一側の一端部
とそれぞれの端部がこれに連なる略コの字形の切り込み
線33と、前記横ジッパー切り込み線31、32の同一側の他
端部の近傍における延長線上間に前記横ジッパー切り込
み線31、32と独立した前記折罫６、７、８に平行な縦ジ
ッパー切り込み線34とで構成されるジッパー部30が形成
されたもので、前記糊付け片５と前記側面板４の裏面と
を接着し、前記フラップ2a、4aと2b、4bと3a、3bをそれ
ぞれ前記折罫22、24と22' 、24' と23、23' とを介して
順次内側に折り、さらに前記上面板1aと前記底面板1bを
前記折罫21、21' を介して折ると共に閉じることによ
り、図７に示す紙箱99のような形状となるものである。

【００１２】さらに、前記側面板２、４に前記前面板１
に形成されたジッパー部30を構成する前記略コの字形の
切り込み線33の前記横ジッパー切り込み線31側の角部と
前記縦ジッパー切り込み線34の前記横ジッパー切り込み
線31側端部と一端がこれに連なる傾斜切線13、14とを設
け、前記背面板３に前記傾斜切線13の他端とこれに一端
が連続する折罫15を前記横ジッパー切り込み線31、32に
平行に設け、さらに前記折罫15の他端と連続し、前記側
面板４に設けられた前記傾斜切線14と対応するように傾
斜切線19が前記糊付け片５に形成されると共に前記前面
板１に形成された前記ジッパー部30を構成する前記略コ
の字形の切り込み線33と前記横ジッパー切り込み線31、
32とで囲まれた領域、あるいは、前記側面板２の前記傾
斜切線13より前記底面板1b側の前記折罫７の近傍の領域
の、少なくとも一方の領域にエンボス部が形成されてい
るブランク板98からなり、前記ブランク板98に形成され
たエンボス部が前記略コの字形の切り込み線33で囲まれ
た領域に前記折罫６、７、８に平行に形成された前面板
線状凹部E1で構成されているものである。このように前
面板線状凹部E1を設けることにより、前記略コの字形切
り込み線33の前記折罫６、７、８に平行な一辺が紙箱外
側へ撥ねあがるために、前記略コの字形切り込み線33で
囲まれた領域、すなわち、ジッパー開始端部を掴みやす
くしている。

【００１３】図２は本発明にかかる紙箱の第２の実施形
態を示す要部拡大図であって、前記ブランク板98に形成
されたエンボス部が前記側面板２の前記折罫７の近傍に
おける前記横ジッパー切り込み線31、32の延長線上間に
前記折罫６、７、８に平行に形成された側面板線状凹部
E2で構成されているものである。このように側面板線状
凹部E2を設けることにより、前記略コの字形切り込み線
33の前記折罫６、７、８に平行な一辺と対向する前記側
面板２側の一辺を強制的に紙箱内側にへこますことによ
り、前記略コの字形切り込み線33で囲まれた領域、すな
わち、ジッパー開始端部を掴みやすくしている。

【００１４】図３は本発明にかかる紙箱の第３の実施形
態を示す要部拡大図であって、前記ブランク板98に形成
されたエンボス部が前記略コの字形の切り込み線33と前
記横ジッパー切り込み線31、32とで囲まれた領域で、前
記略コの字形の切り込み線33の前記折罫６、７、８に平
行な一辺の近傍に、前記一辺と平行に前記一辺と略同寸
法の一辺で形成された三角形状凸部E3で構成されている
ものである。このように構成することにより、前記略コ
の字形切り込み線33で囲まれた領域、すなわち、ジッパ
ー開始端部が前記三角形状に盛り上がり、前記ジッパー
開始端部を掴みやすくしている。

【００１５】図４は本発明にかかる紙箱の第４の実施形
態を示す要部拡大図であって、本発明の第１の実施形態
と第２の実施形態を組み合わせたものである。また、図
５は本発明にかかる紙箱の第５の実施形態を示す要部拡
大図であって、本発明の第２の実施形態と第３の実施形
態を組み合わせたものである。

【００１６】

【発明の効果】本発明の紙箱は、ジッパー開始端を製凾
工程や顧客先での内容物充填工程、あるいは、輸送中に
紙箱の内側に陥没し難くしていると共に、紙箱開封時に
確実に前記ジッパーの開始端を掴みやすくしているもの
であり、確実に紙箱を開封することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる紙箱の第１の実施形態を示す
平面図である。

【図２】 本発明にかかる紙箱の第２の実施形態を示す
要部拡大図である。

【図３】 本発明にかかる紙箱の第３の実施形態を示す
要部拡大図である。

【図４】 本発明にかかる紙箱の第４の実施形態を示す
要部拡大図である。

【図５】 本発明にかかる紙箱の第５の実施形態を示す
要部拡大図である。

【図６】 従来の紙箱を示す斜視図である。

【図７】 従来の紙箱を示す斜視図である。

【図８】 図７の展開図である。

【図９】 図７のＸーＸ線の断面図である。

【図10】 図７のジップ開始端が陥没したＸーＸ線の断
面図である。

【符号の説明】

１ 前面板 ２，４ 側面板 ３ 背面板 ５，91 糊付け片 ６，７，８，９，15， 折罫 21，21' ，22，22' 折罫 23，23' ，24，24' 折罫 1a，1b，2a，2b フラップ 3a，3b，4a，4b フラップ 13，14，19 傾斜切線 30 ジッパー部 31，32 横ジッパー切り込み線 33 略コの字形切り込み線 34 縦ジッパー切り込み線 90 ジッパー開始端 92 空間 98,108 ブランク板 99,110 紙箱 E1 前面板線状凹部 E2 側面板線状凹部 E3 多角形状あるいはＵ字形状
凸部 Ｗ 剥ぎ取り方向

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 背面板（３）、側面板（２）、前面板
   （１）、側面板（４）が折罫（６、７、８）を介して順
   次連接し、前記前面板（１）の上端辺に上面板（1a）お
   よび下端辺に底面板（1b）が折罫（21）および（21' ）
   を介して連接した箱体において、前記前面板（１）に前
   記折罫（21）および（21' ）に平行に２条の互いに平行
   する横ジッパー切り込み線（31、32）と、前記横ジッパ
   ー切り込み線（31、32）の同一側の一端部とそれぞれの
   端部がこれに連なる略コの字形の切り込み線（33）と、
   前記横ジッパー切り込み線（31、32）の同一側の他端部
   の近傍における延長線上間に前記横ジッパー切り込み線
   （31、32）と独立した前記折罫（６、７、８）に平行な
   縦ジッパー切り込み線（34）とで構成されるジッパー部
   （30）が形成され、前記側面板（２）、（４）に前記前
   面板（１）に形成されたジッパー部（30）を構成する前
   記略コの字形の切り込み線（33）の前記横ジッパー切り
   込み線（31）側の角部と前記縦ジッパー切り込み線（3
   4）の前記横ジッパー切り込み線（31）側端部と一端が
   これに連なる傾斜切線（13、14）とを設け、前記背面板
   （３）に前記傾斜切線（13）の他端と連続する折罫（1
   5）を前記横ジッパー切り込み線（31、32）に平行に設
   け、かつ、前記前面板（１）に形成されたジッパー部30
   を構成する前記略コの字形の切り込み線（33）と前記横
   ジッパー切り込み線（31、32）とで囲まれた領域、ある
   いは前記側面板（２）の前記傾斜切線（13）より前記底
   面板（1b）側の前記折罫（７）の近傍の領域の、少なく
   とも一方の領域にエンボス部（E1，E2，E3) が形成され
   ていることを特徴とする紙箱。
2. 【請求項２】 前記エンボス部が、前記略コの字形切り
   込み線（33）で囲まれた領域に前記折罫（６、７、８）
   に平行に形成された前面板線状凹部（E1）で構成されて
   いることを特徴とする請求項１に記載する紙箱。
3. 【請求項３】 前記エンボス部が、前記側面板（２）の
   前記折罫（７）の近傍における前記横ジッパー切り込み
   線（31、32）の延長線上間に前記折罫（６、７、８）に
   平行に形成された側面板線状凹部（E2）で構成されてい
   ることを特徴とする請求項１に記載する紙箱。
4. 【請求項４】 前記エンボス部が、前記略コの字形切り
   込み線（33）と前記横ジッパー切り込み線（31、32）と
   で囲まれた領域で、前記略コの字形切り込み線（33）の
   前記折罫（６、７、８）に平行な一辺の近傍に、前記一
   辺と平行に前記一辺と略同寸法の一辺で形成された多角
   形状あるいはＵ字形状凸部（E3）で構成されていること
   を特徴とする請求項１に記載する紙箱。
5. 【請求項５】 前記エンボス部が、前記側面板線状凹部
   （E2）と、前記前面板線状凹部（E1）ないしは前記多角
   形状あるいはＵ字形状凸部（E3）との２つから構成され
   ていることを特徴とする紙箱。