JPH1022829A - ディジタル変調器 - Google Patents

ディジタル変調器

Info

Publication number
JPH1022829A
JPH1022829A JP17367996A JP17367996A JPH1022829A JP H1022829 A JPH1022829 A JP H1022829A JP 17367996 A JP17367996 A JP 17367996A JP 17367996 A JP17367996 A JP 17367996A JP H1022829 A JPH1022829 A JP H1022829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
modulation
digital
quantization
modulator
table information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17367996A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Mori
隆 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP17367996A priority Critical patent/JPH1022829A/ja
Publication of JPH1022829A publication Critical patent/JPH1022829A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、量子化専用のハードウエアを特に
設けることなく、かつ量子化誤差を低減可能とする。 【解決手段】 外部から入力される変調データをディジ
タルの変調信号に変調し(2)、さらに、ディジタルの
変調信号をD/A変換器(3)によりアナログの変調信
号に変換し出力するディジタル変調器において、変調デ
ータの変調に使用するテーブル情報を記憶するテーブル
(7)と、変換データを変調する場合における,ディジ
タルフィルタ処理のためのテーブル用の情報を作成する
テーブルデータ作成手段(5)と、テーブル用の情報に
対し量子化雑音を低減する処理を施し、かつテーブル用
の情報をD/A変換器の分解能に量子化し、テーブルが
記憶するテーブル情報として出力する量子化手段(6)
とを備え、量子化雑音を低減可能とするディジタル変調
器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はディジタル変調
器、更に詳しくはディジタルデータの量子化の部分に特
徴のあるディジタル変調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】π/4DQPSK等のディジタル変調信
号を出力する信号発生器では、高い変調精度を実現する
ためにディジタルのベースバンドフィルタを使用する必
要がある。高いサンプリングレートのFIRディジタル
フィルタを容易に実現する手段として、従来からテーブ
ル方式のディジタル変調器が信号発生器に使用されてい
る。
【0003】一方、ディジタルフィルタにより変調され
た変調信号は、最終的にはD/A変換器によりアナログ
信号に変換する必要がある。ここで、ディジタルフィル
タの出力は高精度なデータが必要なため、テーブル方式
のディジタルフィルタを使用する場合には、テーブルの
語長を長くしている。
【0004】しかし、D/A変換器は高速動作性が確保
される必要があるため、余りにも長い語長のデータを扱
うのは現実的でなく、ディジタルフィルタ出力を量子化
したデータを用いてD/Aを行っている。
【0005】このような量子化を行う際に、切り捨てや
四捨五入をしてビット数を減じると、量子化雑音が発生
する。すなわち、テーブル方式のディジタル変調器にお
いては、D/Aの変換器が有限ビット数であるため、量
子化雑音が存在する。
【0006】このような量子化雑音を低減する手法とし
て、ΔΣ変調方式がある。ΔΣ変調は量子化誤差の周波
数0付近の成分を低減するように量子化を行う手法であ
る。一般に量子化の際にはスペクトルの一様な量子化誤
差が発生するが、それに比べてΔΣ変調を用いれば量子
化誤差の周波数0付近の成分を低減することができる。
【0007】図10は量子化装置にΔΣ変調器を用いた
従来のディジタル変調器の構成を示すブロック図であ
る。同図に示すように、ディジタル変調器に入力された
変調データは、まず、テーブル式変調部71においてデ
ィジタル変調信号に変換される。
【0008】次に、同ディジタル変調信号は、ΔΣ変調
器72においてΔΣ変調が施されビット数が減じられ、
すなわち量子化されてD/A変換器73に入力される。
そして、量子化されたディジタル変調データは、D/A
変換器73にてアナログの変調信号に変換され、さらに
アナログフィルタ74を介して最終的なアナログの変調
信号として出力される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ディ
ジタル変調器においてΔΣ変調は、D/A変換器73の
直前、即ちディジタルフィルタの後に実施されることと
なる。このようなΔΣ変調を実現するには、ΔΣ変調器
72をASIC等の高速なハードウェアで構成させる必
要がある。
【0010】しかしながら、テーブル式変調部71のデ
ィジタルフィルタだけでなくΔΣ変調器72までも高速
なハードウェアで構成させることとなると、変調器全体
のハードウエア構成が複雑なものとなるだけでなく、変
調器の製作費用も高価なものとなってしまう。
【0011】また、ディジタルフィルタは高精度な演算
を行う必要があり、テーブル方式ディジタルフィルタを
使用する場合はテーブル語長を長くする必要があり、テ
ーブルの記憶容量が大きくなるといった問題点があっ
た。
【0012】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、量子化専用のハードウエアを特に設けるこ
となく、かつ量子化誤差を低減可能なディジタル変調器
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、テーブルを有し、外部
から入力されるディジタルの変調データに応じてテーブ
ルを選択し選択されたテーブルのデータに基づいてディ
ジタルの変調信号を生成するテーブル方式変調部と、デ
ィジタルの変調信号をアナログの変調信号に変換して出
力するD/A変換器とを備えたディジタル変調器におい
て、ディジタルフィルタ処理を行うことによりテーブル
用の情報を作成するテーブル情報作成手段と、テーブル
用の情報に対し量子化雑音の周波数特性を変更する処理
を施し、かつテーブル用の情報をD/A変換器の分解能
に量子化し、テーブルが記憶するためのデータとして出
力する量子化手段とを備え、量子化雑音の周波数特性を
変更可能とするディジタル変調器である。
【0014】次に、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明において、量子化手段は、テーブル用
の情報に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器であるディジ
タル変調器である。
【0015】また、請求項3に対応する発明は、請求項
1又は2に対応する発明において、ディジタルフィルタ
のインパルス応答時間に対応した段数のPN系列を含む
擬似乱数を出力する擬似乱数発生手段を備え、テーブル
データ作成手段は、擬似乱数の発生順序に従って量子化
手段の処理を行うディジタル変調器である。
【0016】さらに、請求項4に対応する発明は、請求
項1又は3に対応する発明において、量子化手段は、テ
ーブル情報作成手段の出力からテーブルの入力までの信
号ルートに、下記(1)式の演算をする第1の信号処理
部及びテーブル情報作成手段から出力されるテーブル用
の情報の持つ分解能をテーブルの持つ分解能に合せて出
力する量子化器本体を有し、テーブルの入力からテーブ
ル情報作成手段の出力までの帰還ルートに下記(2)式
の演算を行う第2の信号処理部を有し、さらに、テーブ
ル情報作成手段と第1の信号処理部の間にテーブル情報
作成手段の出力と第2の信号処理部の出力を合成して第
1の信号処理部へ入力せしめる合成手段とを備えたディ
ジタル変調器である。
【0017】
【数2】 (作用)したがって、まず、請求項1に対応する発明の
ディジタル変調器においては、テーブルデータ作成手段
によって、変換信号を生成する場合における,ディジタ
ルフィルタ処理のためのテーブル用の情報が作成され
る。
【0018】次に、量子化手段によって、テーブル用の
情報に対し量子化雑音のある特定の周波数成分が低減す
る処理が施され、そのテーブル用の情報がD/A変換器
の分解能に量子化され、テーブル情報として出力され
る。
【0019】そして、テーブルに量子化手段から出力さ
れたテーブル情報が記憶される。したがって、量子化誤
差のある特定の周波数成分を低減可能とすることがで
き、テーブル語長はD/A変換器のビット数で済む。
【0020】次に、請求項2に対応する発明のディジタ
ル変調器においては、請求項1に対応する発明と同様に
作用する他、量子化手段として、ΔΣ変調を行うΔΣ変
調器が用いられ、量子化誤差の周波数0付近の成分を低
減させることができる。
【0021】また、請求項3に対応する発明のディジタ
ル変調器においては、請求項1又は2に対応する発明と
同様に作用する他、擬似乱数発生手段によって、ディジ
タルフィルタのインパルス応答時間に対応した段数のP
N系列を含む擬似乱数が出力される。
【0022】テーブルデータ作成手段においては、擬似
乱数の発生順序に従ってテーブル用の情報が作成され
る。量子化雑音を低減する処理を施したテーブルを参照
する場合、テーブルのシンボル間の不連続性のため誤差
が発生する。
【0023】この不連続による誤差は量子化雑音を低減
する処理を施さない場合に比べれば小さいものである
が、請求項3の発明によればこの不連続による誤差を低
減できる。
【0024】つまり、上記した疑似乱数の発生順序でテ
ーブル用の情報を作成することにより、次の変調シンボ
ルに基づいたテーブルを参照するとき、テーブル参照の
順序と、量子化手段で量子化雑音を低減する処理が施さ
れたテーブル用の情報(テーブル情報)の並びが、同一
順序となる確率が1/2となる。
【0025】したがって、連続する量子化処理とテーブ
ル情報参照の並びが同一順序となったときには、シンボ
ル間の不連続による誤差が発生しないので、変調シンボ
ル間での不連続による誤差を低減することが可能とな
り、全体として、量子化誤差をより一層低減することが
できる。
【0026】また、請求項4に対応する発明のディジタ
ル変調器においては、請求項1〜3に対応する発明と同
様に作用する他、量子化手段により以下のような作用が
なされる。
【0027】まず、量子化器本体により、テーブル情報
作成手段の出力からテーブルの入力までの信号ルート
に、上記(1)式の演算をする第1の信号処理部及びテ
ーブル情報作成手段から出力されるテーブル用の情報の
持つ分解能をテーブルの持つ分解能に合せて出力され
る。
【0028】次に、第2の信号処理部により、テーブル
の入力からテーブル情報作成手段の出力までの帰還ルー
トに上記(2)式の演算が行われる。さらに、合成手段
により、テーブル情報作成手段と第1の信号処理部の間
にテーブル情報作成手段の出力と第2の信号処理部の出
力が合成され第1の信号処理部へ入力される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (発明の第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施
の形態に係るディジタル変調器の一例を示す構成図であ
る。
【0030】同図(a)に示すディジタル変調器は、量
子化テーブルデータ作成部1と、テーブル方式変調部2
と、D/A変換部3と、アナログフィルタ4とによって
構成されている。
【0031】量子化テーブルデータ作成部1は、テーブ
ル作成部5及び量子化部6を有し、テーブルデータを作
成するとともに量子化し、結果をテーブル方式変調部2
内のテーブル7に入力する。
【0032】テーブル作成部5は、ある変調データに対
するデジタルの変調信号を生成するよう構成されてい
る。このとき、生成されるデジタルの変調信号は、量子
化雑音を少なくするようにデータビット数の多い高精度
なデータである。また、テーブル作成部5は、テーブル
作成に必要な変調データ(テーブル7のアドレスに対応
する)のすべての組合せに対するディジタル変調信号を
出力する。
【0033】量子化部6は、テーブル作成部5から出力
されたディジタル変調信号を量子化し、テーブル方式変
調部2のテーブル7に格納するものである。本実施形態
で用いられる量子化方式はΔΣ変調であって、量子化部
6にはΔΣ変調器が設けられている。
【0034】この量子化部6に用いられる量子化方式
は、ΔΣ変調のみでなく量子化雑音の周波数特性を変更
する処理であれば他の量子化方式であってよい。例えば
図1(b)に示す構成で伝達関数G,Hが次式で表され
る信号処理部が量子化部6に設けられていてもよい。
【0035】
【数3】
【0036】このような伝達関数はΔΣ変調と同様に周
波数0における量子化雑音を低減するとともに、周波数
成分ωi における量子化雑音を低減するものである。ま
た、テーブル作成部5及び量子化部6は、ASIC等の
高速なハードウェアで構成するようにしてもよいが、テ
ーブル作成段階では高速なリアルタイム処理は要求され
ないので、本実施形態ではプログラムによるソフトウエ
ア処理によってテーブルデータ作成及び量子化を実現さ
せている。
【0037】テーブル方式変調部2は、テーブル7を用
い、変調データに応じてをディジタルの変調信号を生成
し、D/A変換器3に入力するものである。ここで、テ
ーブル7は、量子化テーブルデータ作成部1により作成
されたテーブル情報を格納している。この情報は、1シ
ンボル時間分ΔΣ変調処理が連続したものとなってい
る。また、テーブル7に格納された情報は、D/A変換
器3での取り扱いデータと同精度に量子化部6において
量子化されたものである。
【0038】したがって、テーブル方式変調部2から出
力されるディジタル変調データは、D/A変換器3での
取り扱いビット数と同ビット数のものである。D/A変
換器3は、テーブル方式変調部2から入力されるディジ
タル変調データをD/A変換し、アナログフィルタ4
は、さらにD/A変換された信号に必要なフィルタリン
グを行ってアナログ変調信号として出力するものであ
る。
【0039】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態に係るディジタル変調器の動作について説明す
る。まず、テーブル方式変調部2に入力された変調デー
タは、変調シンボルの列に変換される。
【0040】このシンボル列は、テーブル7によって量
子化された変調信号に変換される。ここで、量子化され
た変調信号はD/A変換器3のビット数と同ビット数で
表され、D/A変換器3に入力される。
【0041】そして、ディジタルの変調信号はD/A変
換され、アナログフィルタ4を介してアナログの変調信
号として出力される。このような動作において、本実施
形態のディジタル変調器では、テーブル7内にΔΣ変換
されたテーブル情報が格納されているため、従来技術に
比較して以下に説明するような量子化雑音の低減効果が
得られる。
【0042】図2は本実施の形態のディジタルフィルタ
テーブルにおける量子化雑音の低減効果を従来技術と比
較して説明する図である。同図(a)は、従来のテーブ
ル方式ディジタル変調器においてディジタルフィルタテ
ーブルで変調処理した後、単なる四捨五入を行う量子化
器81で量子化した場合の量子化誤差の直流分の様子を
示している。
【0043】図2(a)に示すように、この場合は、通
常の量子化誤差は1シンボル時間内にRサンプル、すな
わち同図に示す例では16サンプルすべてに量子化誤差
eが発生する。
【0044】一方、図2(b)は、本発明に係るテーブ
ル方式ディジタル変調器においてディジタルフィルタで
もあるテーブル7から出力される量子化された変調信号
を、変調処理した後に量子化されるように模式的に説明
し、量子化誤差の直流分の様子を示した図である。
【0045】まず、テーブル7から出力される量子化さ
れた変調信号は、1シンボル時間分連続したディジタル
フィルタ処理となっており、かつ、この時間内で予めΔ
Σ変調を適用し量子化した結果となる。すなわち、テー
ブル7は上記するように、あるシンボルに応じて変調信
号を生成するとともに、1シンボル時間内では予めΔΣ
変調を適用した結果となるように構成されたものであ
る。
【0046】するとテーブルを読み出すだけでこの時間
内ではΔΣ変調方式と同じ出力が得られ量子化誤差の直
流分はゼロになる。但し1シンボル時間経過後は別のテ
ーブルが参照されるため1シンボル時間の最初と最後で
不連続による誤差が発生する。
【0047】これはΔΣ変調が遅延要素を用いるものだ
からである。例えば2次のΔΣ変調では2サンプルの遅
延要素があるため、それぞれ2サンプル分の誤差が発生
する。
【0048】したがって、2次のΔΣ変調では図2
(b)のように4サンプルの誤差が発生する。このため
量子化雑音低減率は10log104/R[dB]とな
る。しかし、オーバーサンプル比が高い場合この誤差は
相対的に小さくなり、ΔΣ変調方式に近い出力が得られ
る。このため、本実施形態のディジタル変調器による出
力はΔΣ変調に準ずる出力が得られることとなる。
【0049】上述したように、本発明の実施の形態に係
るディジタル変調器は、ΔΣ変調方式をテーブル方式の
ディジタルフィルタに組み込み、ΔΣ変調用のハードウ
ェアを省略して予めΔΣ変調を適用した結果のテーブル
を作成するようにしたので、1シンボル時間の最初と最
後で不連続による誤差が発生する以外はΔΣ変調方式に
よるものと同じ出力が得られ、十分な量子化誤差の低減
効果を得ることができる。
【0050】つまり、ΔΣ変調に準ずる出力が得られ、
しかもΔΣ変調専用のハードウェア省略することがで
き、ΔΣ変調を事前のソフトウエア処理で実現すること
ができる。
【0051】さらに、オーバーサンプル比が高い場合、
テーブル情報の不連続による誤差は相対的に小さくな
り、ΔΣ変調方式にほとんど近い出力が得られる。この
ように、テーブル方式ディジタル変調器のテーブルにΔ
Σ変調を組み込む方法を提供し、その処理は完全なΔΣ
変調ではないため多少の誤差が発生するが、量子化雑音
を低減でき、テーブル方式のディジタルフィルタのみで
量子化雑音低減の効果を得ることができる。
【0052】なお、本発明では、量子化後のテーブルを
作成するため、別にΔΣ変調器を用いる方法と比較して
テーブルの語長が短くなり、テーブルの記憶容量が小さ
くなるという利点もある。
【0053】また、実施の形態では量子化手段としてΔ
Σ変調を用いた場合で説明したが、本発明は量子化部6
に用いる量子化手段としてはΔΣ変調を用いた方法に限
られるものではない。例えば上記(1),(2)式に示
す伝達関数による処理を行って量子化するようにしても
よい。なお、この場合でもテーブル情報の不連続による
誤差は生じるが、上記効果とともに十分な量子化誤差の
低減効果が得られるものである。 (発明の第2の実施の形態)上記実施形態に示したディ
ジタル変調器は、ΔΣ変調用のハードウェアを省略でき
るが、1シンボル時間の最初と最後で不連続による誤差
が発生するものであった。
【0054】本実施の形態では、この点を改良し、1シ
ンボル時間の最初と最後での誤差発生の確率を低くでき
るディジタル変調器について説明する。本実施形態では
テーブルアドレスを指定する手段としてPN(擬似乱
数)発生器を使用することで、誤差発生の確率を低減さ
せる。この考え方を図3を用いて説明する。
【0055】図3はPN発生器によりテーブルアドレス
を指定することで誤差発生の確率を低減できる様子を示
す図である。この誤差発生低減方法の考え方は、ΔΣ変
調を適用する時のテーブルの順序と実際にテーブルを参
照する時の順序が一致すれば不連続による誤差は発生し
ないということに基づくものである。
【0056】ここで、テーブルアドレスの参照は変調シ
ンボルの並びに基づいて行われるため、テーブルを参照
する順序は変調データに依存することとなり、参照順序
を完全に一致させることは不可能である。しかし、ΔΣ
変調を適用する際にPN発生器でテーブルアドレスを指
定することで、参照順序が一致する確率を増すことが可
能となる。
【0057】まず、テーブルは過去Ns シンボルの入力
に基づいて参照されるため、例えば図3(a)に示すよ
うに、次シンボルのテーブルアドレスは現在のテーブル
アドレスを左シフトして次のシンボルを右から入力して
得られる。
【0058】一方、PN発生器のレジスタ値をアドレス
指定値として用いた場合、図3(b)に示すように左シ
フトして排他的論理和が右から入力された結果が次にア
ドレスとして指定されることになる。
【0059】よって次のシンボルが指定する次のアドレ
スとPN発生器が指定する次のアドレスとは1/2の確
率で一致する。また、PN系列にオール0を追加すると
全てのアドレスが示されるため、オール0に加えPN系
列を一周するだけで容易に全てのシンボルの組合せに対
応可能なテーブルの作成が可能となる。
【0060】以上のようにPN発生器で示されるアドレ
ス順に従って予めΔΣ変調を適用したテーブルを作成す
ると、常に次のシンボルにおける,不連続による誤差の
発生確率を1/2に低減できるディジタル変調器を得る
ことができる。
【0061】すなわち、本実施の形態のディジタル変調
器は、PN発生器のレジスタ値をテーブル作成時のアド
レスとするものである。次に本実施の形態におけるディ
ジタル変調器の具体的構成について説明する。
【0062】図4は本発明の第2の実施の形態に係るデ
ィジタル変調器の一例を示す構成図であり、図1と同一
部分には同一符号を付して説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0063】このディジタル変調器は、第1の実施の形
態の場合と同様に、量子化テーブルデータ作成部1と、
テーブル方式変調部2と、D/A変換部3と、アナログ
フィルタ4とによって構成されている。
【0064】ここで、テーブル方式変調部2は、変調処
理部11とテーブル7と別けて構成されているが、その
処理内容は第1の実施の形態の場合と同様である。すな
わち変調データの入力される変調処理部11がテーブル
7を用いて変調を実行する。なお、テーブル7には、後
述するPN発生器13からテーブルアドレスが指定さ
れ、量子化部としてのΔΣ変調器6aから変調を実行す
るためのデータが入力される。
【0065】量子化テーブルデータ作成部1は、系列制
御部12と、PN発生器13と、テーブルデータ作成部
14と、ΔΣ変調器6aとによって構成されている。系
列制御部12は、PN発生器を用いてオール0とPN系
列一順を生成するための制御を行なう。
【0066】例えば、最初にPN発生器のレジスタのパ
ラレル入力にオール0(00…00)を入力する。次に
PN発生器のレジスタのパラレル入力に00…01を入
力し、PN系列の周期分だけPN発生器を動作させる。
【0067】ここで例えばPN9段とすると、最初にP
N発生器のレジスタのパラレル入力に00000000
0を入力する。次にPN発生器のレジスタのパラレル入
力に000000001を入力し、29 −1=511回
PN発生器を動作させる。これによってPN発生器のパ
ラレル出力からは9bitの全ての組合せ(29 =51
2通り)が得られる。
【0068】PN発生器13は、FIRディジタルフィ
ルタのインパルスレスポンスの長さに応じた段数を持つ
擬似乱数発生器である。例えば、FIRディジタルフィ
ルタのインパルスレスポンスの長さを9シンボル周期と
すると9段のPN発生器となる。9段のPN発生器の一
例を図5に示す。
【0069】図5は本実施の形態のディジタル変調器に
用いられるPN変調器の構成例を示す図である。同図に
示すように、PN変調器13は、D−フリップフロップ
を用いて構成されたシフトレジスタ21#1〜21#9
が順次接続され、さらにXOR部22が設けられてなっ
ている。
【0070】そして、ある定められた出力の排他的論理
和(XOR),つまりシフトレジスタ21#5及び21
#9の排他的論理和がXOR部22からシフトレジスタ
21#1にシリアルに入力されるよう構成されている。
【0071】また、PN変調器13のパラレル入力はフ
リップフロップの内容を強制的に設定する。パラレル出
力はフリップフロップの内容を出力する。テーブルデー
タ作成部13は、図6に示すようにインパルス応答生成
部31と畳み込み処理部32とから成る。
【0072】図6は本実施の形態のディジタル変調器の
テーブルデータ作成部の構成例を示すブロック図であ
る。インパルス応答生成部31は、例えばあらかじめ作
成されたインパルス応答を記憶するROM、または例え
ば図7に示すようにインパルス応答を計算する手段で構
成される。
【0073】図7は本実施の形態のディジタル変調器の
インパルス応答生成部の構成例を示すブロック図であ
る。フィルタ特性指定部33では、キー入力や対応する
通信システムに応じてベースバンドフィルタの特性やパ
ラメータを指定する。例えばルートナイキスト特性、ロ
ールオフ率α=0.5が指定される。周波数特性生成部
34は、ベースバンドフィルタの周波数特性を生成す
る。例えばルートナイキスト特性の場合、次式の周波数
特性H(f)を生成する。
【0074】
【数4】 ここではTはシンボル周期である。実際にはディジタル
信号処理を行なうため、有限個の離散化した値を使用す
る。なお、このことは以下の説明においても同様であ
る。
【0075】周波数特性H(f)を逆フーリエ変換部3
5にて逆フーリエ変換して時間応答f(t)に変換す
る。実際には高速フーリエ変換(FFT)等の離散フー
リエ変換を使用する。f(t)はFIRディジタルフィ
ルタの係数となる。インパルス応答をあらかじめ作成し
てROM化する場合はこのf(t)をROMに格納す
る。
【0076】次に図6に示す畳み込み処理部32につい
て説明する。畳み込み処理部32では、変調データ入力
の有限時間内の全ての組み合わせに対して変調シンボル
列に変換してシンボル周期の時間分畳み込み演算を行な
う。この結果を変調データ入力をインデックスとしてテ
ーブルに書き込む。例えば、BPSK変調でインパルス
応答の長さを9bitとすると、変調データ列di (i
=0,1,…,8)を変調シンボルSi に変換する。
【0077】
【数5】 シンボル周期の時間分のfT (t)を出力する。
【0078】なお、ここでの畳み込み処理は、テーブル
7を作成するためのものであるから、上記変調データ入
力はPN発生器14によって疑似的に発生された信号で
ある。
【0079】次に図4に示すΔΣ変調器6aについて説
明する。ΔΣ変調器6aは、例えば通常の1次ΔΣ変調
の場合は図8に示すように構成される。
【0080】図8は本実施の形態のディジタル変調器に
使用するΔΣ変調器の構成例を示す図である。同図に示
す場合、ΔΣ変調器6aは、信号合成器41,42と、
-1を実施する遅延部43,44と、量子化器45とに
よって構成される。
【0081】ここで、遅延部のz-1は1サンプルの遅延
であり、D−フリップフロップで構成されている。量子
化器45はD/A変換器の分解能に対応した量子化を行
なう。この1次ΔΣ変調器の特性は次のようになる。量
子化器を量子化雑音qの付加に置き換えると
【0082】
【数6】 となり、量子化雑音qが1−z-1倍になる。1−z-1
周波数応答に変換すると(2(1−cosωT))1/2
となるので、低周波において量子化雑音が低減される。
【0083】例えば通常の2次ΔΣ変調の場合は図9に
示すように構成される。図9は本実施の形態のディジタ
ル変調器に使用するΔΣ変調器の構成例を示す図であ
る。
【0084】同図に示す場合、ΔΣ変調器6aは、信号
合成器51,52,53,54と、z-1を実施する遅延
部55,56,57,58と、乗算器59と、量子化器
45とによって構成される。ここでも同様にして特性を
求めると
【0085】
【数7】 となる。量子化雑音は2(1−cosωT)倍になるの
で1次のΔΣ変調に比較して低周波における量子化雑音
低減の効果が大きくなる。
【0086】テーブル7は、例えばD/A変換器のビッ
ト数と同じ語長のRAMで構成される。例えばdi をR
AMのアドレスの上位9bitとしRAMのアドレスの
下位を順次インクリメントしてシンボル周期の時間分Δ
Σ変調器の出力をRAMに書き込む。
【0087】以上の処理はリアルタイムに実行する必要
がないため、低速のハードウェアまたはソフトウェアで
実行可能である。また、テーブルをROMで構成する場
合は、上記と同様の手法であらかじめテーブルデータを
作成してROMに書き込む。
【0088】変調処理部11は、変調データの入力に対
してテーブルを用いてディジタルの変調信号を出力す
る。例えば、BPSKの場合、シリアルの変調データを
シフトレジスタのシリアル入力に入力してパラレル出力
をテーブルアドレスの上位9bitとする。テーブルア
ドレスの下位はカウンタで順次インクリメントする。こ
れらは伝送速度に応じたクロックにしたがって動作す
る。テーブルデータはディジタルの変調信号出力とな
る。
【0089】以上のように構成された本発明の実施の形
態に係るディジタル変調器は第1の実施の形態の場合と
同様に動作する。また、テーブル方式変調部2において
変調処理部11がテーブル7を用いて変調信号を出力す
る場合、次のシンボルの示すアドレスにおけるテーブル
情報は、そのΔΣ変調処理が連続する確率が1/2であ
る。したがって、1シンボル時間の最初と最後で不連続
による誤差が発生する確率が低減する。
【0090】上述したように、本発明の実施の形態に係
るディジタル変調器は、上記実施形態と同様な構成を有
する他、また、PN(擬似乱数)発生器のレジスタ値に
従った順序でΔΣ変調を実施したテーブルを作成するよ
うにしたので、上記発明の実施の形態に係るディジタル
変調器と同様の効果が得られる他、テーブル作成順序と
参照順序が一致する確率を増し不連続による誤差を低減
することができる。
【0091】また、実施の形態では量子化手段としてΔ
Σ変調を用いた場合で説明したが、本発明は量子化手段
として種々の方法を適用することができる。例えば第1
の実施形態で説明した(1),(2)式を用いる量子化
方法等も適用可能である。なお、本発明は、上記各実施
の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々に変形することが可能である。
【0092】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、デ
ィジタルフィルタ処理に対応する出力に量子化誤差を低
減できる処理を施してからテーブルに格納するようにし
たので、量子化専用のハードウエアを特に設けることな
く、かつ量子化誤差を低減可能なディジタル変調器を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るディジタル変
調器の一例を示す構成図。
【図2】同実施の形態のディジタルフィルタテーブルに
おける量子化雑音の低減効果を従来技術と比較して説明
する図。
【図3】PN発生器によりテーブルアドレスを指定する
ことで誤差発生の確率を低減できる様子を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るディジタル変
調器の一例を示す構成図。
【図5】同実施の形態のディジタル変調器に用いられる
PN変調器の構成例を示す図。
【図6】同実施の形態のディジタル変調器のテーブルデ
ータ作成部の構成例を示すブロック図。
【図7】同実施の形態のディジタル変調器のインパルス
応答生成部の構成例を示すブロック図。
【図8】同実施の形態のディジタル変調器に使用するΔ
Σ変調器の構成例を示す図。
【図9】同実施の形態のディジタル変調器に使用するΔ
Σ変調器の構成例を示す図。
【図10】量子化装置にΔΣ変調器を用いた従来のディ
ジタル変調器の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…量子化テーブルデータ作成部 2…テーブル方式変調部 3…D/A変換部 4…アナログフィルタ 5…テーブル作成部 6…量子化部 6a…ΔΣ変調器 7…テーブル 11…変調処理部 12…系列制御部 13…PN発生器 14…テーブルデータ作成部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テーブル(7)を有し、外部から入力さ
    れるディジタルの変調データに応じて前記テーブルを選
    択し選択されたテーブルのデータに基づいてディジタル
    の変調信号を生成するテーブル方式変調部(2)と、前
    記ディジタルの変調信号をアナログの変調信号に変換し
    て出力するD/A変換器(3)とを備えたディジタル変
    調器において、 ディジタルフィルタ処理を行うことによりテーブル用の
    情報を作成するテーブル情報作成手段(5)と、 前記テーブル用の情報に対し量子化雑音の周波数特性を
    変更する処理を施し、かつ前記テーブル用の情報を前記
    D/A変換器の分解能に量子化し、前記テーブルが記憶
    するためのデータとして出力する量子化手段(6)とを
    備え、量子化雑音の周波数特性を変更可能とすることを
    特徴とするディジタル変調器。
  2. 【請求項2】 前記量子化手段は、前記テーブル用の情
    報に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器(6a)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のディジタル変調器。
  3. 【請求項3】 前記ディジタルフィルタのインパルス応
    答時間に対応した段数のPN系列を含む擬似乱数を出力
    する擬似乱数発生手段(13)を備え、前記テーブルデ
    ータ作成手段は、前記擬似乱数の発生順序に従って前記
    量子化手段の処理を行うことを特徴とする請求項1又は
    2記載のディジタル変調器。
  4. 【請求項4】 前記量子化手段は、 テーブル情報作成手段の出力から前記テーブルの入力ま
    での信号ルートに、下記(1)式の演算をする第1の信
    号処理部(91)及び前記テーブル情報作成手段から出
    力される前記テーブル用の情報の持つ分解能を前記テー
    ブルの持つ分解能に合せて出力する量子化器本体(9
    2)を有し、 前記テーブルの入力から前記テーブル情報作成手段の出
    力までの帰還ルートに下記(2)式の演算を行う第2の
    信号処理部(93)を有し、 さらに、前記テーブル情報作成手段と第1の信号処理部
    の間に前記テーブル情報作成手段の出力と前記第2の信
    号処理部の出力を合成して前記第1の信号処理部へ入力
    せしめる合成手段(94)とを備えたことを特徴とする
    請求項1又は3のうち何れか1項記載のディジタル変調
    器。 【数1】
JP17367996A 1996-07-03 1996-07-03 ディジタル変調器 Pending JPH1022829A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17367996A JPH1022829A (ja) 1996-07-03 1996-07-03 ディジタル変調器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17367996A JPH1022829A (ja) 1996-07-03 1996-07-03 ディジタル変調器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1022829A true JPH1022829A (ja) 1998-01-23

Family

ID=15965098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17367996A Pending JPH1022829A (ja) 1996-07-03 1996-07-03 ディジタル変調器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1022829A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8964860B2 (en) 2011-05-10 2015-02-24 Nec Corporation Digital modulator

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8964860B2 (en) 2011-05-10 2015-02-24 Nec Corporation Digital modulator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kozak et al. Oversampled delta-sigma modulators: Analysis, applications and novel topologies
JP3970838B2 (ja) 信号変換システム
US6980144B1 (en) Method for reducing DAC resolution in multi-bit sigma delta analog-to digital converter (ADC)
US5353026A (en) Fir filter with quantized coefficients and coefficient quantization method
EP1753135B1 (en) High speed digital delta-sigma modulator with integrated upsampler
JPH06181438A (ja) デジタル・デルタ−シグマ変調器
US6384761B1 (en) Second and higher order dynamic element matching in multibit digital to analog and analog to digital data converters
JPS6131658B2 (ja)
JPH08250980A (ja) Firフィルタのアーキテクチャー
JPH04317224A (ja) D/a変換器用シグマ・デルタ変調器
US5923273A (en) Reduced power FIR filter
JP2004516745A (ja) Iq変調器及び方法
JPH1022829A (ja) ディジタル変調器
JP4058179B2 (ja) 信号処理装置
JP2018516518A (ja) デジタル・アナログ変換
US6473011B1 (en) Serial D/A converter compensating for capacitor mismatch errors
US6727837B2 (en) Method and a system of acquiring local signal behavior parameters for representing and processing a signal
JPH0648439B2 (ja) サンプリング周波数変換装置
JP4058177B2 (ja) ディジタル・オーディオ信号処理装置
US20050276350A1 (en) Signal processing architecture for modulation and interpolation
JP2001024512A (ja) 信号処理装置およびその装置を用いた半導体デバイス試験装置
JP2005505980A (ja) サンプルレート変換のための装置及び方法
GB2544566A (en) High order correction for pulse width modulation (PWM) digital/analog converters with reduced computation
Birru Optimized reduced sample rate sigma-delta modulation
JPH1022830A (ja) ディジタル変調器