JPH1022667A - 通信機器増設台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通信機器ブロックをキュービクル内の前面側
に一例に複数台並べて設置した場合、背面側にもう一列
通信機器ブロックを並べて設置できるだけのスペースが
空く場合でも、保守点検作業を考慮すると従来ではこの
空きスペースに新たな通信機器ブロックを増設すること
ができなかった。この課題を解決する。 【解決手段】 キュービクル１４の長手方向に敷設され
るレール２と、このレール上を滑動する取付台１とを備
え、この取付台１に増設する通信機器ブロック１３を取
り付けることで、邪魔になる場合に取付台ごと左右どち
らかに滑動させて移動させる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は無線基地局装置等、
複数台の通信機器ブロックが設置されたキュービクル(c
ubicle) 内に新たな通信機器ブロックを増設する場合の
通信機器増設台に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は、キュービクル内に複数台の通信
機器ブロックが設置された無線基地局装置を説明するた
めの図であり、図３（Ａ）はその前面側斜視図、図３
（Ｂ）はその背面側斜視図である。図において、１２は
それぞれ既設の通信機器ブロック、１４は複数台の通信
機器ブロック１２が設置されたキュービクル（筐体）
で、照明設備や換気設備等が備えられた防水構造（図示
せず）となっており、ビルの屋上等に設置される。１５
はキュービクル前面カバー、１６はキュービクル背面カ
バーである。

【０００３】図３に示すように、無線基地局装置等はキ
ュービクル１４内に多数の電子回路や電子部品で構成さ
れた通信機器が複数ブロック収納されており、通信機器
の保守点検は、前面および背面の両方から行う必要性が
あるので、キュービグル１４は開閉可能な前面および背
面カバーが設けられ、前面カバーを開いて前側からの保
守点検が行われ、背面カバーを開いて背面側からの保守
点検が行われるようになっている。

【０００４】また無線基地局装置等は、一般に新設され
てから時間の経過と共に無線交信量が増加するので、こ
れに対応させるため経時的に通信機器ブロック１２の増
設が行われる。すなわち新設当初はキュービクル１４内
の通信機器ブロック１２が例えば１台で済んだものが、
無線交信量の増加に伴って１台ずつ増設され、図３に示
すように例えば３台収納されるようになる。従ってキュ
ービクル１４も通信機器ブロック１２が複数台収納でき
る大きさに設定されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のように無線基地
局装置等のキュービクルは、予め複数台の通信機器ブロ
ックを収納できる大きさに設定されているが、通信機器
の保守点検を考えると、増設場所が制約されてしまう。
例えば図３に示すキュービクル内では、既設の通信機器
ブロックの背面に新規の通信機器ブロックを増設できる
空きスペースがあるが、ここに４台目の通信機器ブロッ
クを増設すると、既設の通信機器ブロックを背面側から
保守点検しようとする場合、新設の通信機器ブロックを
その都度移動させる必要が生じ、困難な作業を強いられ
る。従ってこのような場合、通信機器ブロックの増設に
伴い新たなキュービクルを設置することになるが、上述
のようにキュービクルは照明設備や換気設備を備えた防
水構造であるため増設費用が莫大になる等の問題点があ
った。

【０００６】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、保守点検作業に支障を来すことな
く、キュービクル内の空きスペースを有効に利用して通
信機器ブロックの増設が行える通信機器増設台を提供す
ることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる通信機器
増設台は、キュービクルの長手方向に敷設されるレール
と、このレール上を滑動する取付台とを備え、この取付
台に増設する通信機器ブロックを取り付けることで、前
記キュービクル内の前面側（または背面側）の既設の通
信機器ブロックを背面側から（または前面側から）保守
点検を行う場合等に前記増設した通信機器ブロックが作
業の邪魔になる場合には、当該増設した通信機器ブロッ
クを前記レールに沿って前記取付台ごと左右どちらかに
滑動させて移動させる構成を特徴とする。従って空きス
ペースの前面や背面側に既設の通信機器ブロックがあっ
ても、増設した通信機器ブロックが保守点検作業の邪魔
になることがなく、空きスペースの有効利用が図れる。

【０００８】また前記レールに、その両端に下方向への
切欠部を有する当該レールと平行な溝と、この溝にその
先端部が嵌合し前記取付台に設けられ外部から当該先端
部を上下に移動可能な摘みとを備え、前記溝の長さで前
記取付台の移動範囲を制限し、前記切欠部で前記取付台
の滑動をロックする構成を特徴とする。従って通信機器
ブロックの移動が簡易かつ正確に行えるようになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。本発明は上述のようにキュービクル内
の背面側長手方向にもう一列通信機器ブロックを並べて
設置できるだけの空きスペースがある場合、ここにレー
ルを敷設し、このレール上にこのレールを滑動する取付
台を設け、この取付台に増設する通信機器ブロックを取
り付ける。以下、このレールと取付台の一実施形態を説
明する。

【００１０】図１（Ａ）は、本実施形態におけるレール
と取付台の構成の一実施形態を説明するための斜視図、
図１（Ｂ）はそのＡ−Ａ断面図である。図において、１
は取付台、２はレールであり、取付台１にはレールの縁
部を挟み込む押さえ金具１０が設けられている。また取
付台１の上面には、通信機器ブロックを設置固定するた
めの取付孔５が少なくとも四隅にそれぞれ１ケずつ設け
られ、また中央部にはその上に設置した通信機器ブロッ
クからのケーブル類を引き出したり放熱や軽量化のため
の角穴１７が設けられている。

【００１１】また取付台１の側面部には、取付台１を左
右に移動する際に使用する取手７と、取付台１を所定の
ロック位置でレール２に固定するため少なくとも２個の
固定ネジ８が設けられていると共に、開けられた縦長穴
４にツマミ（摘み）３が取り付けられた構成となってい
る。またレール２には、取付台１が左右に移動する際に
ガイドとなり、その移動範囲を規定する、レール２と平
行な溝６が形成され、この溝６の両端には切欠部１８が
設けられており、前記ツマミ３の先端部（縦長穴４から
露出している頭部と反対側の端部）がこの溝６に嵌合す
る構成となっている。さらにこのレール２には、固定ネ
ジ８と対応するタップ穴９と、キュービクル１４にレー
ル２を固定するレール取付穴１１が設けられている。

【００１２】次に動作について説明する。図２に示すよ
うに、例えばキュービクル１４内の背面側長手方向にも
う一列通信機器ブロックを並べて設置できるだけの空き
スペースがある場合、この空きスペースに図１に示すよ
うな取付台１を備えたレール２をレール取付穴１１を用
いて固定して敷設し、取付台１上に、取付穴５を用いて
増設する通信機器ブロック１３を設置固定する。そし
て、取付台１を左右どちらかに、切欠部１８にツマミ３
の先端が嵌合してロックされるまで移動させることで、
固定ネジ８とタップ穴９とが対応する位置となり、タッ
プ穴９に固定ネジ８を螺合させて取付台１、すなわちそ
の上に設置固定された増設する通信機器ブロック１３を
位置決め固定して増設を終了する。

【００１３】そして例えば図２に示すように、図面左端
に、増設した通信機器ブロック１３を固定位置決めした
場合（実線で示す）、その前の既設の通信機器ブロック
１２を、背面側から保守・点検しようとしても、増設し
た通信機器ブロック１３が邪魔になり、このままでは保
守・点検作業が行えない。従ってこのような場合、図１
に示す取付台１を増設した通信機器ブロック１３ごとレ
ール２上を滑動させて図面右側（点線で示す）へ移動さ
せる。

【００１４】すなわち固定ネジ８を緩め、ツマミ３を縦
長穴４に沿って上方へ持ち上げることで、レール２へ固
定されていた取付台１の固定が外れ、ロックも解除され
るので取付台１がレール２上を滑動可能な状態になる。
従って操作者は取手７を手で持ち、通信機器ブロック１
３が固定された取付台１を図面右方向へ容易に移動させ
ることがきるようになる。そして取付台１が図面右端ま
でくると、切欠部１８にツマミ３の先端が嵌合してその
移動が自動的にロックされるので、操作者は固定ネジ８
を対応するタップ穴９に螺合して取付台１をレール２に
固定し、増設した通信機器ブロック１３の移動を終え
る。

【００１５】本実施形態では、このようにして増設した
通信機器ブロック１３を容易に移動させることができる
ので、通信機器ブロック１３の前面にある既設の通信機
器ブロック１２であっても、その背面側からの保守・点
検作業を容易に行うことができるようになる。なお図２
の説明では、キュービクル１４の背面側に空きスペース
がある場合の実施形態について説明しているが、キュー
ビクル１４の前面側に空きスペースがある場合もこの空
きスペースにレール２を敷設して同様に実施できること
は言うまでもない。また図１に示すレールと取付台の構
成はあくまでも一実施形態であり、同様の動作が可能な
構成であれば、その構成は限定されるものではない。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明の通信機器増
設台は、保守点検作業に支障を来すことなく、キュービ
クル内の空きスペースを利用して通信機器ブロックの増
設が行え、空きスペースの有効利用が図れると共に、新
しいキュービクルを設置する無駄を抑えて安価に通信機
器の増設が可能となる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の通信機器増設台の構成の一実施形態を
説明するための図である。

【図２】本実施形態における通信機器増設台の機能を説
明するための図である。

【図３】キュービクル内に複数台の通信機器ブロックが
設置された無線基地局装置を説明するための図である。

【符号の説明】

１ 取付台 ２ レール ３ ツマミ（摘み） ４ 縦長穴 ５ 取付穴 ６ 溝 ７ 取手 ８ 固定ネジ ９ タップ穴 １０ 押さえ金具 １１ レール取付穴 １２ 既設の通信機器ブロック １３ 増設した通信機器ブロック １４ キュービクル １５ キュービクル前面カバー １６ キュービクル背面カバー １７ 角穴 １８ 切欠部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通信機器ブロックをキュービクル（筐
   体）内の前面側（または背面側）長手方向に一例に複数
   台並べて設置した場合、前記キュービクル内の背面側
   （または前面側）長手方向にもう一列通信機器ブロック
   を並べて設置できるだけのスペースが空く場合、この空
   きスペースに新たな通信機器ブロックを増設するための
   通信機器増設台において、 前記キュービクルの長手方向に敷設されるレールと、こ
   のレール上を滑動する取付台とを備え、 この取付台に増設する通信機器ブロックを取り付けるこ
   とで、前記キュービクル内の前面側（または背面側）の
   既設の通信機器ブロックを背面側から（または前面側か
   ら）保守点検を行う場合等に前記増設した通信機器ブロ
   ックが作業の邪魔になる場合には、当該増設した通信機
   器ブロックを前記レールに沿って前記取付台ごと左右ど
   ちらかに滑動させて移動させる構成を特徴とする通信機
   器増設台。
2. 【請求項２】 前記レールに、その両端に下方向への切
   欠部を有する当該レールと平行な溝と、この溝にその先
   端部が嵌合し前記取付台に設けられ外部から当該先端部
   を上下に移動可能な摘みとを備え、 前記溝の長さで前記取付台の移動範囲を制限し、前記切
   欠部で前記取付台の滑動をロックする構成を特徴とする
   請求項第１項記載の通信機器増設台。