JPH10225054A - 減速機付き電動機 - Google Patents

減速機付き電動機

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JPH10225054A
JPH10225054A JP2272297A JP2272297A JPH10225054A JP H10225054 A JPH10225054 A JP H10225054A JP 2272297 A JP2272297 A JP 2272297A JP 2272297 A JP2272297 A JP 2272297A JP H10225054 A JPH10225054 A JP H10225054A
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JP
Japan
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cylindrical casing
speed reducer
electric motor
gear
motor
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Withdrawn
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JP2272297A
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English (en)
Inventor
Satoshi Sogabe
敏 曽我部
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Kyowa Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Seisakusho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸と出力軸との偏心による振動や騒音を
防止し、さらに筒形ケーシング内の密閉性を確保する。 【解決手段】 筒形ケーシング3と、この筒形ケーシン
グ3に内装され、かつ、一方の開口を閉止する蓋体2
と、筒形ケーシング3に内装され、かつ、壁面で他方の
開口を閉止する遊星歯車減速機6と、この遊星歯車減速
機6と蓋体2との間に設けられ、かつ、筒形ケーシング
3内に圧入される電動機4と、この電動機4の回転駆動
を筒形ケーシング3外に出力する出力軸7とを備えてな
る減速機付き電動機1であって、筒形ケーシング3の内
周面と、蓋体2および遊星歯車減速機6の外周面との間
に弾性材料からなるOリング9が介設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、商店、農業
用温室等におけるシャッター、カーテン、オーニング等
の巻取り装置や、電動ベッド、省力化機械、搬送機械、
仕分け機械等のアクチュエータ装置に適用される減速機
付き電動機であって、筒型ケーシングに内装される電動
機の駆動によって出力軸を軸心回りに回転させるように
構成された減速機付き電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内装された電動機の駆動によって
出力軸が軸心回りに回転する減速機付き電動機が知られ
ている。この減速機付き電動機は、筒形ケーシングと、
この筒形ケーシング内に固定された電動機と、この電動
機の駆動軸の回転を変速して出力軸に伝達する減速機と
を備えて形成されている。上記出力軸は所定の結合部材
を介して所定の被回転装置に接続され、これによって出
力軸の回転が被回転装置に伝達されるようになってい
る。
【0003】かかる減速機付き電動機においては、筒形
ケーシング内という非常に狭隘な空間に電動機および減
速機が設けられているため、それぞれ小型で、かつ、十
分に機能を発揮し得るものが採用され、特に減速機につ
いては、小容量でありながら空間利用効率が大きい遊星
歯車減速機が採用されている。
【0004】上記遊星歯車減速機は、内周面に内歯が形
成された筒状の内歯歯車と、この内歯歯車に内装された
複数組の太陽歯車、遊星歯車、および遊星歯車軸支円盤
とからなっている。駆動軸側(上流側)の太陽歯車は駆
動軸に同心で一体に結合されているとともに、出力軸側
(下流側)の太陽歯車は出力軸に同心で摺接遊嵌され、
これら両太陽軸間に他の太陽歯車が離間状態で配設され
ている。各太陽歯車にはそれぞれ複数の遊星歯車が噛合
しているとともに、各遊星歯車は内歯歯車に噛合してお
り、太陽歯車が自転すると各遊星歯車は太陽歯車の周り
を公転するようになっている。
【0005】そして、上記遊星歯車支持円盤は、上流側
から数えてそれぞれつぎの太陽歯車に同心で共回りする
ように固定され、この支持円盤に上流側の遊星歯車が歯
車支持軸回りに回転可能に軸支されている。最下流の遊
星歯車支持円盤は、同心で出力軸に一体に接続されてい
る。従って、駆動軸の回転は、それぞれの歯車の組にお
いて上流側から太陽歯車の自転、遊星歯車の公転、遊星
歯車支持円盤の回転と順次下流側に減速されつつ伝達さ
れ、最後に最下流側の遊星歯車支持円盤から出力軸に伝
えられるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のような減速機付き電動機においては、電動機および減
速機は、筒形ケーシング内に圧入された後、筒形ケーシ
ングの外周面からねじによって締結されているが、圧入
時に筒形ケーシングが変形し、その断面形状が真円では
なくなる場合があり、この場合、電動機の駆動軸と内歯
歯車の中心線とが一致しなくなり、これによって駆動軸
と出力軸とが偏心し、その結果、電動機の駆動時に駆動
軸と出力軸とが偏心状態で回転することに起因した振動
および騒音が発生するという問題点を有していた。
【0007】また、上記偏心が生じると、筒形ケーシン
グに内装された減速機内のギアの噛み合わせが不均衡に
なり、無理な力が働いた状態で噛み合う部分のギアの歯
の摩耗が激しくなって歯車の寿命を短くするという問題
点も存在する。
【0008】さらに、上記筒形ケーシングの変形によっ
て、筒形ケーシング内で駆動軸や出力軸を軸支している
円盤状の軸受部材の外周面と、筒形ケーシングの内周面
との間に隙間ができ、この隙間を通して筒形ケーシング
内の騒音や潤滑油が外部に漏れたり、逆に外部から塵埃
や雨水が筒形ケーシング内に侵入するという問題点を有
している。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、駆動軸と出力軸との偏心に
よる振動や騒音を防止することができ、ないしは筒形ケ
ーシング内の密閉性を確保することができる減速機付き
電動機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
筒形ケーシングと、この筒形ケーシングに内装され、か
つ、駆動軸を軸支する軸受部材を有する電動機と、上記
筒形ケーシングに内装され、かつ、出力軸を軸支する軸
受部材を有する減速機とが設けられ、上記電動機の駆動
軸の回転駆動を減速機を介して出力軸に伝達するように
構成された減速機付き電動機において、上記筒形ケーシ
ングの内周面と、上記軸受部材の外周面との間に弾性材
料が介設されていることを特徴とするものである。
【0011】この発明によれば、電動機を筒形ケーシン
グ内に圧入した状態で一方の開口から筒形ケーシング内
に弾性部材を介して軸受部材を嵌装するとともに、他方
の開口から筒形ケーシング内に減速機を弾性部材を介し
て嵌装することにより筒形ケーシング内に電動機および
減速機が装着された状態になる。
【0012】従って、軸受部材と筒型ケーシングの内周
面との間に弾性部材が介設されるように設定して軸受部
材および減速機を筒形ケーシング内に押し込むという簡
単な操作で軸受部材および減速機は筒形ケーシング内に
装着され、しかも両者が装着された状態では、弾性部材
の圧縮弾性変形によってこれらの装着状態が安定するた
め、減速機付き電動機の組付け作業が簡素化される。
【0013】そして、電動機および減速機が筒形ケーシ
ング内に装着された状態で、たとえ駆動軸と出力軸とが
相互に偏心していても、筒形ケーシングの内周面と軸受
部材および減速機の外周面との間には弾性材料からなる
弾性部材が介設されているため、電動機の駆動時に上記
偏心に起因した振動は弾性部材の弾性変形によって吸収
されるとともに、騒音の発生が抑制される。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記筒形ケーシングの一方の開口に上記電
動機側の軸受部材が設けられ、同他方の開口に減速機側
の軸受部材が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0015】この発明によれば、軸受部材によって筒形
ケーシング内が閉止された状態になるため、筒形ケーシ
ング内への塵埃や雨水の侵入が防止されるとともに、筒
形ケーシング内で生じた騒音や潤滑油の外部への漏洩が
防止される。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、上記弾性部材は、環状に形成され
たものであることを特徴とするものである。
【0017】この発明によれば、弾性部材を筒形ケーシ
ングの両開口部分に装着することにより、筒形ケーシン
グ内は密閉空間になるため、筒形ケーシング内で生じた
騒音や潤滑油の外部への漏洩が防止される。また、筒形
ケーシング内への雨水や塵埃の侵入が阻止される。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、上記軸受部材および減
速機の外周面には、上記弾性部材が嵌まり込む環状の嵌
合溝が凹設されていることを特徴とするものである。
【0019】この発明によれば、弾性部材は、軸受部材
および減速機の外周面に凹設された嵌合溝に嵌まり込む
ため、弾性部材の装着状態が安定する。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る減速機付き
電動機の一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、図
2は、図1の減速機付き電動機の断面図である。これら
の図に示すように、減速機付き電動機1は、円盤状の蓋
体2と、この蓋体2によって一方の開口が閉止される筒
形ケーシング3と、この筒形ケーシング3内に固定され
る電動機4と、上記筒形ケーシング3内でこの電動機4
の駆動軸5の回転を減速するとともに筒形ケーシング3
の他方の開口を閉止する遊星歯車減速機(減速機)6
と、この遊星歯車減速機6を介して上記駆動軸5に接続
される出力軸7と、駆動軸5の回転を制止するブレーキ
構造8とを備えた基本構成を有している。上記電動機4
と遊星歯車減速機6との間には、円盤状の軸受ハウジン
グ20が設けられている。
【0021】上記蓋体2、軸受ハウジング20および遊
星歯車減速機6は、筒形ケーシング3の内径よりも若干
小さい外径を有するように寸法設定されているととも
に、電動機4のステーター41の外径は筒形ケーシング
3の外径よりも僅かに大きく寸法設定され、これによっ
て蓋体2、軸受ハウジング20および遊星歯車減速機6
が筒形ケーシング3内に装着された状態で、筒形ケーシ
ング3の内周面と蓋体2、軸受ハウジング20および遊
星歯車減速機6の外周面との間には若干の隙間が形成さ
れるとともに、電動機4のステーター41の外周面は筒
形ケーシング3の内周面に密着している。
【0022】上記蓋体2および軸受ハウジング20の中
心部分にはベアリング11を介して駆動軸5を軸支する
円孔21が穿設されている。また、蓋体2には動力供給
用のリード線Lの挿通孔22が穿設され、この挿通孔2
2を通してリード線Lが筒形ケーシング3内に引き込ま
れ、これによって電動機4に電力が供給されるようにな
っている。
【0023】上記蓋体2、軸受ハウジング20および遊
星歯車減速機6の外周面と筒形ケーシング3の内周面と
の間にはゴム等の弾性材料からなるOリング(弾性部
材)9が介設されている。なお、特に遊星歯車減速機6
には2本のOリング9が軸方向の両側部に設けられてい
る。このOリング9と、後述する回転止めねじ12によ
って蓋体2と筒形ケーシング3とは相対回転が阻止され
るようになっている。
【0024】また、蓋体2、軸受ハウジング20、およ
び遊星歯車減速機6は、その外周面に中心方向に向けて
螺設された1個または周方向で複数個のねじ孔23を有
している一方、筒形ケーシング3は上記ねじ孔23に対
応した挿通孔31を有している。そして、挿通孔31を
介して回転止めねじ12をねじ孔23に螺着することに
より、回転止めねじ12の頭部が挿通孔31に摺接状態
で遊嵌されるようにしている。これによって蓋体2、軸
受ハウジング20および遊星歯車減速機6の筒形ケーシ
ング3に対する回動が阻止されるとともに、軸方向への
移動も阻止されるようにしている。
【0025】筒形ケーシング3内に装着される、誘導式
の電動機4は、筒形ケーシング3に圧入し得る程度の筒
形ケーシング3の内径より僅かに大きい外径を有するス
テーター41と、このステーター41内に装着されるロ
ーター42とからなっている。上記ステーター41は、
固定子鉄心43が用いられ、この固定子鉄心43の内周
面から中心に向かって等ピッチで複数のコアが突設され
ている。そして、各々のコアに固定子巻線44が形成さ
れている。また、上記ローター42の中心部分を貫通し
て上記駆動軸5が軸心回りに共回りするように設けられ
ている。
【0026】そして、電動機4は、ステーター41が筒
形ケーシング3内に圧入されることにより、筒形ケーシ
ング3内に固定される。ステーター41は、端面視で円
周の一部が直線状になるように削られ、これによって筒
形ケーシング3内に圧入されたステーター41が回り止
めされるようにしている。
【0027】図3は、筒形ケーシング3の電動機4側を
示す拡大断面図であり、特にブレーキ構造8を説明する
ためのものである。この図に示すように、ブレーキ構造
8は、軸受ハウジング20の電動機4側にに設けられた
静止ブレーキ板81と、この静止ブレーキ板81を挟持
する第1ブレーキ板82および第2ブレーキ板83とを
備えて構成されている。
【0028】上記静止ブレーキ板81は、平面視で環状
を呈し、その外周面に放射状に突設された係止爪を有し
ているとともに、中心部分に駆動軸5の径寸法より大き
い外径寸法を有する貫通孔81aが設けられている。こ
の貫通孔81aに駆動軸5が差し通された状態で係止爪
を軸受ハウジング20に設けられた切欠き溝20aに嵌
め込むことにより、静止ブレーキ板81は回り止めされ
た状態で軸受ハウジング20に装着されるようになって
いる。
【0029】上記第1ブレーキ板82は、円盤状に形成
され、静止ブレーキ板81より図面の右方に設けられて
いる。この第1ブレーキ板82の左方周縁部には、環状
のブレーキライニング82aが設けられている。また、
上記第2ブレーキ板83は、第1ブレーキ板82と同一
の外径寸法を有する円盤状に形成されて駆動軸5に遊嵌
されている。
【0030】この第2ブレーキ板83の右方周縁部に
は、上記ブレーキライニング82aに対向した環状のブ
レーキライニング83aが設けられ、第2ブレーキ板8
3を右方に向けて押圧することにより、静止ブレーキ板
81が第1ブレーキ板82および第2ブレーキ板83の
各ブレーキライニング82a,83aによって押圧挟持
され、これによって駆動軸5の回転が制動されるように
なっている。
【0031】そして、電動機4が停止しているときは、
コイルばね84の付勢力によって第2ブレーキ板83が
静止ブレーキ板81の方向に押圧され、これによって第
1ブレーキ板82のブレーキライニング82aが静止ブ
レーキ板81のブレーキライニング83aを介して押圧
されて第1ブレーキ板82と第2ブレーキ板83とで静
止ブレーキ板81を押圧挟持し、第1ブレーキ板82と
共回りする駆動軸5の回転が抑制された状態になるよう
にしている。
【0032】また、この状態で電動機4に電流が供給さ
れると、界磁空隙に回転界磁磁束が生じてローター42
が回転し始める一方、ローター42の端面に生じる界磁
磁束によって被吸着体85がローター42側に吸引さ
れ、第2ブレーキ板83がコイルばね84の付勢力に抗
して静止ブレーキ板81から離間し、駆動軸5の制動状
態が解除されるようになっている。
【0033】図4は、遊星歯車減速機6の一実施形態を
示す拡大断面図である。この図に示すように、上記遊星
歯車減速機6は、筒形ケーシング3に内装される有底で
筒状の内歯歯車61と、この内歯歯車61のギア収納室
6aに駆動軸5と同心で順次左方から内装される3個の
太陽歯車62(第1太陽歯車62a、第2太陽歯車62
bおよび第3太陽歯車62c)と、各太陽歯車62a,
62b,62cのそれぞれに噛合するとともに、上記内
歯歯車61の内歯61aに噛合する3組の遊星歯車63
(第1遊星歯車63a、第2遊星歯車63bおよび第3
遊星歯車63c)と、各遊星歯車63a,63b,63
cを軸支する3個の軸支円盤64(第1軸支円盤64
a、第2軸支円盤64bおよび第3軸支円盤64c)と
を備えて構成されている。
【0034】上記内歯歯車61の底部(右方の側端壁)
61bには、上記出力軸7を摺接状態で挿通する中心孔
61cが穿設されている。また、内歯歯車61の左端開
口には、内歯歯車61の外径と同一の径寸法を有するフ
ランジ部を備えた蓋体65が嵌入され、この蓋体65の
中心部には軸受ハウジング20から右方に突出した駆動
軸5の右端部が遊嵌される中心孔65aが穿設されてい
る。
【0035】上記第1太陽歯車62aは、蓋体65の中
心孔65aを貫通した駆動軸5の右端部であって、ギア
収納室6a内の左端部に駆動軸5と一体に形成されてい
る。この第1太陽歯車62aには、周方向に同一ピッチ
で4個の第1遊星歯車63aが噛合しているとともに、
各第1遊星歯車63aは内歯歯車61の内歯61aに噛
合している。このような第1遊星歯車63aは、第1軸
支円盤64aの左側面に駆動軸5の軸方向に延びるよう
に突設された4本の歯車支持軸66回りに回転自在に軸
支されている。
【0036】上記第2太陽歯車62bは、第1軸支円盤
64aの中心部分に共回り可能に右方に突出して形成さ
れ、これに周方向に同一ピッチで4個の第2遊星歯車6
3bが噛合しているとともに、各第2遊星歯車63bは
内歯歯車61の内歯61aに噛合している。このような
第2遊星歯車63bは、第2軸支円盤64bに歯車支持
軸66回りに回転自在に軸支されている。
【0037】上記第3太陽歯車62cは、第2軸支円盤
64bの中心部分に共回り可能に右方に突出して形成さ
れ、この第3太陽歯車62cの右端面には、中心部分に
軸心方向に向かって延びる円柱状の嵌合突部62dが突
設されている。この嵌合突部62dが出力軸7の左端面
に凹設された嵌合孔71に摺接状態で嵌め込まれてい
れ、第3太陽歯車62cの回転は、出力軸7には伝達さ
れないようにしている。
【0038】この第3太陽歯車62cには、周方向に同
一ピッチで4個の第3遊星歯車63cが噛合していると
ともに、各第3遊星歯車63cは内歯歯車61の内歯6
1aに噛合している。これら第3遊星歯車63cは、第
3軸支円盤64cの左側面に駆動軸5の軸方向に延びる
ように突設された4本の歯車支持軸66回りに回転自在
に軸支されている。そして、上記第3軸支円盤64c
は、中心部分が出力軸7の左端部に共回り可能に外嵌さ
れ、これによって第3軸支円盤64cの軸心回りの回転
が出力軸7に伝達されるようになっている。
【0039】上記出力軸7は、先端部(図面の右方)に
角柱部72を有している。そして、この角柱部72を図
略の所定の被回転装置の接続孔に嵌入することにより、
出力軸7の回転が上記被回転装置に伝達されるようにな
っている。
【0040】そして、内歯歯車61の外周面と筒形ケー
シング3の内周面との間で、かつ、軸方向の2か所には
ゴム等の弾性材料からなる一対のOリング9が介設さ
れ、このOリング9の弾性変形による弾性力で内歯歯車
61と筒形ケーシング3とは同心になっている。
【0041】遊星歯車減速機6の構成によれば、電動機
4の駆動による駆動軸5の軸心回りの方向への回転は、
第1太陽歯車62a、第1遊星歯車63a第1軸支円盤
64a、第2太陽歯車62b、第2遊星歯車63b、第
2軸支円盤64b、第3太陽歯車62c、第3遊星歯車
63c、および第3軸支円盤64cを介して所定の減速
費で出力軸7に伝達される。
【0042】そして、本発明は、上記実施形態のように
構成された減速機付き電動機1において、図1に示すよ
うに、筒形ケーシング3の内周面と蓋体2の外周面との
間、同内周面と軸受ハウジング20の外周面との間、お
よび同内周面と遊星歯車減速機6の外周面との間にそれ
ぞれOリング9が介設されてなるものである。
【0043】かかるOリング9を介設することにより、
電動機4のステーター41は、筒形ケーシング3内に圧
入されて確実な固定が確保されるとともに、上記圧入操
作時に電動機4の駆動軸5の軸心が若干偏った状態にな
っても、駆動軸5と遊星歯車減速機6の出力軸7との心
狂いによる遊星歯車減速機6内での騒音の発生や、駆動
力伝達効率の低下等の不都合を解消することが可能とな
る。
【0044】そして、本実施形態においては、蓋体2、
軸受ハウジング20および遊星歯車減速機6の外周面に
周方向に延びる環状溝(嵌合溝)32が凹設され、特に
遊星歯車減速機6には軸方向の両側部にそれぞれ環状溝
32が設けられている。
【0045】上記Oリング9の内径寸法は、環状溝32
の径寸法より若干小さめに設定され、これによってOリ
ング9が各環状溝32に嵌装された状態でOリング9は
弾性変形して若干伸長し、これによってOリング9の各
環状溝32内への嵌装状態が安定するようにしている。
本実施形態では、Oリング9の材料として、強靱でかつ
耐熱性や耐溶剤性等に優れたシリコンゴムが採用されて
いる。
【0046】図5は、筒形ケーシング3および蓋体2間
のOリング9の介設状態を示す断面図である。なお、筒
形ケーシング3および軸受ハウジング20間、および筒
形ケーシング3および遊星歯車減速機6間についても同
様であるため、以下、Oリング9の介設状態について、
筒形ケーシング3と蓋体2との間のものを代表して説明
する。
【0047】図5に示すように、環状溝32の開口部の
溝幅寸法DはOリング9の径寸法dより若干大きく寸法
設定されているとともに、深さ寸法はOリング9の半径
寸法(d/2)より大きく寸法設定されている。従って
Oリング9は、環状溝32内に嵌装された状態でその一
部分が環状溝32の開口から外部に突出している。
【0048】そして、Oリング9が環状溝32に嵌め込
まれた状態で、筒形ケーシング3の内周面と蓋体2の外
周面との間には隙間Lが形成されるようにしてある。
【0049】このように、駆動軸5と出力軸7とが相互
に偏心していた場合でも、電動機4の駆動時に上記偏心
に起因した振動はOリング9の弾性変形によって吸収さ
れるとともに、騒音の発生を確実に抑制することができ
るとともに、電動機4の駆動力伝達効率を向上させるこ
とが可能になる。
【0050】また、筒形ケーシング3内はOリング9に
よって密閉状態になっているため、発生した騒音の外部
への漏洩を有効に防止することができる。また、筒形ケ
ーシング3内への塵埃や雨水の侵入を確実に防止するこ
とができる。
【0051】さらに、筒形ケーシング3と出力軸7との
間で偏心が生じ、この偏心に起因して筒形ケーシング3
に内装された遊星歯車減速機6内で太陽歯車62と遊星
歯車63との間の噛み合わせや、遊星歯車63と内歯歯
車61との間の噛み合わせが不均衡になり、それらの間
に無理な力が働くという不都合が生じても、無理な力は
Oリング9の弾性変形で有効に吸収されるため、上記噛
み合わせの不均衡に起因した各歯車の異常摩耗による遊
星歯車減速機6の短命化を確実に防止することが可能に
なる。
【0052】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、以下の内容を包含するものである。
【0053】(1)上記実施形態においては、筒形ケー
シング3の内周面にOリング9が当接されるようにして
いるが、筒形ケーシング3の内周面にOリング9に対応
した環状凹部を設けてもよい。こうすることによって蓋
体2、軸受ハウジング20および遊星歯車減速機6の筒
形ケーシング3内への装着操作時に、Oリング9が環状
凹部に嵌まり込むときのクリック感を得ることができ、
このクリック感で装着位置が確認されるため、蓋体2等
の筒形ケーシング3内での位置決め操作を容易に行い得
るようになる。
【0054】(2)上記実施形態においては、弾性部材
としてOリング9が適用されているが、Oリング9に代
えて弾力性材料からなる球状または円筒状の弾性部材を
環状溝32に所定ピッチで配設してもよい。この場合、
小球状または円筒状の弾性部材に合致するように環状溝
32を装着孔に変更することが好ましい。こうすること
によっても、小球状または円筒状の弾性部材の周方向へ
の移動を阻止することができる。
【0055】(3)上記実施形態においては、Oリング
9はシリコンゴム製のものが採用されているが、Oリン
グ9の材料としては、シリコンゴムの他にスチレンブタ
ジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソ
プレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタン
ゴム、多硫化ゴム、フッ素ゴム等を用いることができ
る。
【0056】(4)上記の実施形態においては、筒形ケ
ーシング3の一方の開口に駆動軸5を軸支するための蓋
体2を設けたが、電動機4がステーター41に円筒状の
カバーを被せてなるものであり、このカバーに駆動軸5
を軸支する軸受が設けられているには、蓋体2に代えて
上記カバーにOリング9を装着するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、筒形ケー
シングの内周面と軸受部材および減速機の外周面との間
に弾性材料からなる弾性部材が介設されているため、電
動機の駆動軸と減速機の出力軸とが相互に偏心した場合
であっても、電動機の駆動時に上記偏心に起因した振動
を弾性部材の弾性変形によって吸収することができ、ま
た、騒音の発生を抑制することができる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、筒形ケーシ
ングの一方の開口に上記電動機側の軸受部材を設け、同
他方の開口に減速機側の軸受部材を設けたため、筒形ケ
ーシング内は、軸受部材によって閉止された状態になる
ため、筒形ケーシング内への塵埃や雨水の侵入を防止す
ることができるとともに、筒形ケーシング内で生じた騒
音や潤滑油の外部への漏洩を防止することができる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、弾性部材を
環状に形成したため、弾性部材を筒形ケーシングの両開
口部分に装着することにより、筒形ケーシング内は密閉
空間になり、筒形ケーシング内で生じた騒音や潤滑油の
外部への漏洩を防止することができる。また、筒形ケー
シング内への塵埃や雨水の侵入を防止することができ
る。
【0060】請求項4記載の発明によれば、軸受部材お
よび減速機の外周面に弾性部材が嵌まり込む環状の嵌合
溝を凹設したため、弾性部材は、軸受部材および減速機
の外周面に凹設された嵌合溝に嵌まり込み、これによっ
て弾性部材の装着状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減速機付き電動機の一実施形態を
示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1の減速機付き電動機の断面図である。
【図3】筒形ケーシングの電動機側を示す拡大断面図で
ある。
【図4】遊星歯車減速機の一実施形態を示す拡大断面図
である。
【図5】筒形ケーシングおよび軸受ハウジング間のOリ
ングの介設状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 減速機付き電動機 2 蓋体 3 筒形ケーシング 31 挿通孔 32 環状溝(嵌合溝) 4 電動機 5 駆動軸 6 遊星歯車減速機(減速機) 61 内歯歯車 62 太陽歯車 63 遊星歯車 64 軸支円盤 65 蓋体 7 出力軸 8 ブレーキ構造 81 静止ブレーキ板 82 第1ブレーキ板 83 第2ブレーキ板 9 Oリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒形ケーシングと、この筒形ケーシング
    に内装され、かつ、駆動軸を軸支する軸受部材を有する
    電動機と、上記筒形ケーシングに内装され、かつ、出力
    軸を軸支する軸受部材を有する減速機とが設けられ、上
    記電動機の駆動軸の回転駆動を減速機を介して出力軸に
    伝達するように構成された減速機付き電動機において、
    上記筒形ケーシングの内周面と、上記軸受部材の外周面
    との間に弾性材料が介設されていることを特徴とする減
    速機付き電動機。
  2. 【請求項2】 上記筒形ケーシングの一方の開口に上記
    電動機側の軸受部材が設けられ、同他方の開口に減速機
    側の軸受部材が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の減速機付き電動機。
  3. 【請求項3】 上記弾性部材は、環状に形成されたもの
    であることを特徴とする請求項1または2記載の減速機
    付き電動機。
  4. 【請求項4】 上記軸受部材および減速機の外周面に
    は、上記弾性部材が嵌まり込む環状の嵌合溝が凹設され
    ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の減速機付き電動機。
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