JPH10219313A - 金属粉末の製造方法および製造装置 - Google Patents
金属粉末の製造方法および製造装置Info
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Abstract
mの範囲で任意に設定することが可能な金属粉末の製造
方法と製造装置を提供する。 【解決手段】 金属ニッケルに塩素ガスを接触させて金
属塩化物ガスを連続的に発生させる塩化工程と、塩化工
程で生成した金属塩化物ガスを還元性ガスと接触させ、
金属塩化物を連続的に還元する還元工程とを備えること
により、塩素ガスの供給量を制御することで金属塩化物
ガスの発生量を制御し、生成する金属粉末の粒径を確実
に制御するようにした。
Description
れる導電ペーストフィラー、Ti材の接合材、さらには
触媒などの各種用途に適したNi,CuあるいはAg等
の金属粉末の製造方法および製造装置に関する。
末は、積層セラミックコンデンサの内部電極形成用とし
て有用であり、とりわけNi粉末は、そのような用途と
して最近注目されている。中でも乾式の製造方法によっ
て製造したNi超微粉が有望視されている。コンデンサ
−の小型化、大容量化に伴い、内部電極の薄層化・低抵
抗化等の要求から、粒径1μm以下は勿論、粒径0.5
μm以下の超微粉が要望されている。
造方法が種々提案されている。たとえば、特公昭59ー
7765号公報では、固体塩化ニッケルを加熱蒸発して
塩化ニッケル蒸気とし、これに水素ガスを高速で吹き付
けて界面不安定領域で核成長させる方法が開示されてい
る。また、特開平4ー365806号公報では、固体塩
化ニッケルを蒸発して得た塩化ニッケル蒸気(以下、N
iCl2ガスと略す)の分圧を0.05〜0.3とし、
1004℃〜1453℃で気相還元する方法が開示され
ている。そして、これらの製造方法によれば、平均粒径
が0.1〜数μmの球状Ni超微粉が生成されるとされ
ている。
案に係る金属粉末の製造方法では、いずれも固体状の塩
化ニッケルを出発原料とするため、以下のような本質的
問題がある。 固体NiCl2の加熱蒸発(昇華)操作が必須のた
め、蒸気の安定発生が難しい。その結果、NiCl2ガ
ス分圧が変動し、生成されたNi粉末の粒径が安定しな
い。 プロセスの運転中に蒸発部の固体NiCl2の量が変
動すると蒸発速度が変動し、安定した製造ができない。 固体NiCl2は結晶水を有しているので、使用前に
脱水処理が必要となるばかりでなく、脱水が不充分であ
ると生成したNi粉末の酸素汚染の原因となる。 固体NiCl2の蒸発速度が遅いため、NiCl2ガス
を還元工程に移送するための多量のキャリアガス(窒素
ガス等の不活性ガス)を要し、また窒素ガス等を加熱す
るための余計な加熱エネルギ−を要する。 このため、NiCl2ガスの還元工程での濃度(分
圧)を高めることができず、Ni粉末の生産速度が遅い
ばかりでなく、大きな反応容器が必要になる。
なされたもので、以下の目的を達成することができる金
属粉末の製造方法および製造装置である。 1)平均粒径0.1〜1.0μmのNi,Cuもしくは
Ag等の粉末(超微粉末)を安定して製造する。 2)加熱蒸発(昇華)工程がなく、反応制御を容易に行
う。 3)プロセス全体をガスの流量で制御でき、目的の粒径
の金属粉末を任意に製造する。 4)ガスやエネルギ−の消費が少ない。
方法は、金属に塩素ガスを接触させて金属塩化物ガスを
連続的に発生させる塩化工程と、塩化工程で発生した金
属塩化物ガスを還元性ガスと接触させ、金属塩化物を連
続的に還元する還元工程とを備えたことを特徴としてい
る。
金属塩化物ガスと還元性ガスとが接触した瞬間に金属原
子が生成し、金属原子どうしが衝突・凝集することによ
って超微粒子が生成され、成長してゆく。そして、還元
工程の雰囲気中の金属塩化物ガスの分圧や温度等の条件
によって、生成される金属粉末の粒径が決まる。本発明
の金属粉末の製造方法によれば、塩素ガスの供給量に応
じた量の金属塩化物ガスが発生するから、塩素ガスの供
給量を制御することで還元工程へ供給する金属塩化物ガ
スの量を制御することができる。さらに、金属塩化物ガ
スは、塩素ガスと金属との反応で発生するから、固体金
属塩化物の加熱蒸発により金属塩化物ガスを発生させる
方法と異なり、キャリアガスの使用を少なくすることが
できるばかりでなく、製造条件によっては使用しないこ
とも可能である。よって、キャリアガスの使用量低減と
それに伴う加熱エネルギーの低減により、製造コストを
低減することができる。
に不活性ガスを混合することにより、還元工程における
金属塩化物ガスの分圧を制御することができる。このよ
うに、塩素ガスの供給量もしくは還元工程に供給する金
属塩化物ガスの分圧を制御することにより、金属粉末の
粒径を制御することができ、金属粉末の粒径を安定させ
ることができるとともに、粒径を任意に設定することが
できる。
部に充填した金属を塩化する塩化炉と、この塩化炉で発
生した金属塩化物ガスを還元する還元炉とを備え、塩化
炉は、その内部に金属を供給するための原料供給管と、
内部に塩素ガスを供給するための塩素ガス供給管と、発
生した金属塩化物ガスを還元炉に移送する移送管と、金
属塩化物ガスを希釈する不活性ガスを内部に供給するた
めの不活性ガス供給管とを備え、還元炉は、金属塩化物
ガスを内部に噴出するノズルと、還元性ガスを内部に供
給するための還元性ガス供給管と、還元された金属粉末
を冷却する不活性ガスを内部に供給するための冷却ガス
供給管とを備え、塩化炉は還元炉の上流側に配置され、
塩化炉と還元炉とを直結することにより、塩化反応と還
元反応が同時にしかも連続的に進行するようになされて
いることを特徴としている。
も、塩素ガスの供給量に応じた量の金属塩化物ガスが発
生し、しかも、塩化炉と還元炉とが直結されているの
で、塩素ガスの供給量を制御することで還元炉へ供給す
る金属塩化物ガスの量を制御することができる。また、
塩化炉には不活性ガス供給管が設けられており、ここか
ら不活性ガスを塩化炉に供給できるから、還元炉におけ
る金属塩化物ガスの分圧を制御することができる。した
がって、本発明の金属粉末の製造装置においても、塩素
ガスの供給量もしくは還元炉に供給する金属塩化物ガス
の分圧を制御することにより金属粉末の粒径を制御する
ことができ、金属粉末の粒径を安定させることができる
とともに、粒径を任意に設定することができる等上記と
同等の作用、効果を得ることができる。
の好適な実施の形態についてNiの製造例をもとに詳し
く説明する。A.塩化工程 塩化工程は図1に示すような塩化炉1によって行うと好
適である。塩化炉1の上端面には、原料金属Ni(M)
を供給するための原料供給管11が設けられる。また、
塩化炉1の上側部には塩素ガス供給管14が接続され、
下側部には不活性ガス供給管15が接続される。塩化炉
1の周囲には加熱手段10が配置され、塩化炉1の下端
面には、移送管兼ノズル17が接続される。塩化炉1は
縦型、横型を問わないが、固体−ガス接触反応を均一に
行うためには縦型が好ましい。塩素ガスは流量計測して
連続的に塩素ガス供給管14から導入される。塩化炉1
およびその他の部材は石英ガラス製が好ましい。移送管
兼ノズル17は後述する還元炉2の上端面に接続され、
塩化炉1で発生するNiCl2ガス等を還元炉2へ移送
する機能を有する。また、移送管兼ノズル17の下端部
は、還元炉2内に突出してNiCl2噴出ノズルとして
機能する。なお、塩化炉1の底部には、図1に示すよう
な網16を設け、網16の上に金属Ni(M)を堆積す
ると良い。
わないが、接触効率、圧力損失上昇防止の観点から、粒
径約5mm〜20mmの粒状、塊状、板状などが好まし
く、またその純度は慨して99.5%以上が好ましい。
塩化炉1内の金属Ni(M)の充填層高は、塩素供給速
度、塩化炉温度、連続運転時間、金属Ni(M)の形状
などをもとに、供給塩素ガスがNiCl2ガスに変換さ
れるに十分な範囲に適宜設定すれば良い。塩化炉1内の
温度は、反応を十分進めるために800℃以上とし、N
iの融点である1483℃以下とする。反応速度と塩化
炉1の耐久性を考慮すると、実用的には900℃〜11
00℃の範囲が好ましい。
金属ニッケル(M)が充填された塩化炉1への塩素ガス
の連続供給は、NiCl2ガスの連続発生をもたらす。
そして、塩素ガス供給量がNiCl2ガスの発生量を支
配するから、後述する還元反応を支配し、その結果、目
的とする製品Ni粉末が生産可能になる。なお、塩素ガ
ス供給の詳細は以下の還元工程の項でより具体的に説明
する。
のまま移送管兼ノズル17により還元工程に移送する
か、場合によっては、不活性ガス供給管15から窒素や
アルゴンなどの不活性ガスを、NiCl2ガスに対し1
モル%〜30モル%混合し、この混合ガスを還元工程に
移送する。この不活性ガスの供給は、Ni粉末の粒径制
御因子となる。不活性ガスの過剰な混合は、不活性ガス
の多大な消耗となることは勿論、エネルギ−損失となっ
て不経済である。このような観点から、移送管兼ノズル
17を通過する混合ガスの好ましいNiCl2ガス分圧
は、全圧を1.0としたときに0.5〜1.0の範囲、
とりわけ粒径0.2μm〜0.5μmといった小粒径の
Ni粉末を製造する場合には、分圧0.6〜0.9程度
が好適である。そして、前述のようにNiCl2ガス発
生量は塩素ガス供給量により任意に調整することがで
き、また、NiCl2ガスの分圧も不活性ガス供給量で
任意に調整することができる。
に移送される。還元工程は、図1に示すような還元炉2
を用いて行うことが望ましい。還元炉2の上端部には、
上述した移送管兼ノズル17のノズル(以下、単にノズ
ル17と称する)が下方へ突出させられる。また、還元
炉2の上端面には、水素ガス供給管(還元性ガス供給
管)21が接続され、還元炉2の下側部には冷却ガス供
給管22が接続される。また、還元炉2の周囲には加熱
手段20が配置される。ノズル17は、後述するよう
に、塩化炉1から還元炉2内へNiCl2ガス(不活性
ガスを含む場合がある)を、好ましい流速で噴出する機
能を有する。
が進行する際、ノズル17先端部からは、LPGなどの
気体燃料の燃焼炎に似たような、下方に延びた輝炎(以
下、火炎という)Fが形成される。還元炉2への水素ガ
ス供給量は、NiCl2ガスの化学当量、すなわち、塩
化炉1へ供給する塩素ガスの化学当量の1.0〜3.0
倍程度、好ましくは1.1〜2.5倍程度であるが、こ
れに限定するものではない。しかしながら、水素ガスを
過剰に供給すると還元炉2内に大きな水素流れをもたら
し、ノズル17からのNiCl2噴出流を乱し、不均一
な還元反応の原因になるとともに、消費されないガス放
出をもたらして不経済である。また、還元反応の温度は
反応完結に充分な温度以上であれば良いが、固体状のN
i粉末を生成する方が取扱いが容易であるので、Niの
融点以下が好ましい。反応速度、還元炉2の耐久性、経
済性を考慮すると900℃〜1100℃が実用的である
が、特にこれに限るものではない。
スは、実質的に同モル量のNiCl2ガスとなり、これ
が還元原料とされる。NiCl2ガスもしくはNiCl2
−不活性ガス混合ガスのノズル17先端から噴出される
ガス流の線速度を調整することにより、得られるNi粉
末Pの粒径を適切化することができる。すなわち、ノズ
ル径が一定であれば、塩化工程への塩素供給量と不活性
ガス供給量によって、還元炉2で生成されるNi粉末P
の粒径を目的の範囲に調整することができる。ノズル1
7先端における好ましいガス流の線速度(NiCl2ガ
スおよび不活性ガスの合計(還元温度でのガス供給量に
換算した計算値))は、900℃〜1100℃の還元温
度において約1m/秒〜30 m/ 秒に設定され、0.
1μm〜0.3μmのような小粒径のNi粉末を製造す
る場合には、およそ5m/秒〜25m/秒、また、0.
4μm〜1.0μmのNi粉末を製造する場合には、お
よそ1m/秒〜15m/秒が適当である。水素ガスの還
元炉2内での軸方向の線速は、NiCl2ガスの噴出速
度(線速)の1/50〜1/300程度、好ましくは1
/80〜1/250が良い。したがって、実質的には静
的水素雰囲気中へNiCl2ガスがノズル17から噴射
されるような状態となる。なお、水素ガス供給管21の
出口の方向は、火炎側へ向けないことが好ましい。
ガス供給流量を増加させると、還元工程で生成するNi
粉末の粒径が小さくなり、逆に塩素ガスの供給流量を減
少させると粒径が増大する。さらには、前述したような
塩化炉2出口付近でNiCl2ガスに対して混合する不
活性ガスによりNiCl2ガスの分圧を調整することに
より、具体的にはNiCl2ガスに対し1モル%〜30
モル%の範囲で混合し、例えば、分圧を高めると生成す
るNi粉末の粒径を増大させることができ、逆に、Ni
Cl2ガスの分圧を低めると生成するNi粉末の粒径を
小さくすることができる。
ができる。冷却工程は、図1に示すように、還元炉2内
のノズル17と反対側の空間部分で行なうことができ、
あるいは、還元炉2の出口に接続した別の容器を用いる
ことも可能である。なお、本発明でいう冷却とは、還元
反応で生成したガス流(塩酸ガスを含む)におけるNi
粒子の成長を停止もしくは抑制するために行う操作であ
り、具体的には還元反応を終えた1000℃付近のガス
流を400℃〜800℃程度まで急速冷却させる操作を
意味する。もちろんこれ以下の温度まで冷却を行っても
構わない。
先端から下方の空間部分に不活性ガスを吹き込むように
構成することができる。具体的には、冷却ガス供給管2
2より窒素ガスを吹き込むことで、ガス流を冷却するこ
とができる。不活性ガスを吹き込むことにより、Ni粉
末Pの凝集を防止しつつ粒径制御を行うことができる。
冷却ガス供給管は、1箇所もしくは還元炉2の上下方向
に位置を変化させて複数箇所に設けることで、冷却条件
を任意に変更することができ、これにより粒径制御をよ
り精度よく行なうことができる。
スの混合ガスは回収工程へ移送され、そこで混合ガスか
らNi粉末Pが分離回収される。分離回収には、例えば
バグフィルター、水中捕集分離手段、油中捕集分離手段
および磁気分離手段の1種または2種以上の組合せが好
適であるが、これに限定されるものではない。たとえ
ば、バグフィルターによってNi粉末Pを捕集する場
合、冷却工程で生成したNi粉末Pと塩酸ガスおよび不
活性ガスの混合ガスをバグフィルターに導き、Ni粉末
Pだけを回収した後、洗浄工程に送ってもよい。油中捕
集分離を用いる場合には、炭素数10〜18のノルマル
パラフィンまたは軽油を使用するのが好適である。水中
もしくは油中捕集を用いる場合には、捕集液にポリオキ
シアルキレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ールまたはそれらの誘導体(モノアルキルエーテル、モ
ノエステル)あるいは、ソルビタン、ソルビタンモノエ
ステル等の界面活性剤、ベンゾトリアゾールまたはその
誘導体に代表される金属不活性剤のフェノール系、ある
いはアミン系など公知の酸化防止剤、これらの1種また
は2種以上を10ppm〜1000ppm程度添加する
と、金属粉末粒子の凝集防止や防錆に効果的である。
が、還元工程を複数工程に分割することもできる。図2
は1工程の還元工程を2工程に分割した例を示すもので
あり、図1に示す構成要素と同等の構成要素には同符号
を付してある。図2に示すように、冷却ガス供給管22
は、第1還元工程の還元炉2’には設けられず、第2還
元工程の還元炉2にのみ設けられる。第1還元工程へ供
給する水素ガス量をNiCl2の化学当量の0.5〜
0.9倍とし、第2還元工程で不足分の水素ガスを補
い、合計量として、NiCl2ガス量の1.0〜2.5
倍の水素ガスを供給することにより、粒径制御を一層精
度良くしかも広い範囲で行うことが可能となる。この場
合、必要に応じて還元炉2’の出口付近にNiCl2ガ
スの適当量を補給するようにしても良い。
ことにより、還元炉2,2’におけるガス流を層流に近
い状態にすることができる。その結果、還元炉2,2’
内でのNi粒子の滞留時間を均一にすることができ、N
i粒子の成長を均一にすることができる。これにより、
生成したNi粉末の粒径を均一にすることができる。ま
た、還元工程を複数工程に分割した場合の全ての還元炉
の総容積は、分割しない場合の還元炉の容積と同じにす
ることが好ましい。これにより、全ての還元炉を通過す
るガス流に含まれるNi粉末の平均滞留時間を変えるこ
となく、滞留時間分布のみを押出混合のそれに近づける
ことができ、より精度の高い粒径制御が可能となる。
とし、これを蒸発させて還元反応に供する従来の製造方
法では、固体−気体の変換速度制御が極めて難しく、し
かも固体NiCl2の昇華という工程を経るものである
ため、還元炉内部へのNiCl2ガスの供給は、NiC
l2の蒸発部への大量の不活性ガスの流れによらなけれ
ばならず、したがってNiCl2ガスの分圧を高めるこ
とが難しく、またプロセス制御が極めて難しいものであ
ったが、本発明の製造方法では、塩素ガスの供給量によ
ってNiCl2ガスの発生量を制御できるため、プロセ
ス制御が容易であり、しかも安定して制御することがで
きる。なお、本発明の製造方法によれば、Ni以外のC
uおよびAg等の粉末もそれぞれの金属を出発原料にし
て塩化、還元の温度を選択することにより製造すること
ができる。
細に説明する。 [実施例 1]図1に示す金属粉末の製造装置の塩化炉1
に、平均粒径5mmのNi粉末15kgを充填し、炉内雰
囲気温度を1100℃にして4Nl/minの流量で塩
素ガスを導入し、金属Niを塩化してNiCl2ガスを
発生させた。これに塩素ガス供給量の10%(モル比)
の窒素ガスを混合し、このNiCl2−窒素混合ガスを
1000℃の雰囲気温度に加熱した還元炉2に、ノズル
17から流速2.3m/秒(1000℃換算)で導入し
た。同時に還元炉2の頂部から水素ガスを流速7Nl/
minで供給し、NiCl2ガスを還元した。そして、
還元反応で生成したNi粉末を含む生成ガスに冷却工程
で窒素ガスを混合して冷却した。次いで、窒素ガス−塩
酸蒸気−Ni粉末からなる混合ガスをオイルスクラバー
に導き、Ni粉末を分離回収した。ついで、回収したN
i粉末をキシレンで洗浄後、乾燥して製品Ni粉末を得
た。このNi粉末は、平均粒径が0.70μm(BET
法で測定)の球状であった。なお、SEM写真から求め
た粒径は、0.80μmでありBET法で求めた粒径と
ほぼ一致した。このことは、本実施例で得られたNi粉
末の表面が、図3に示したSEM写真例のように平滑で
あることを意味している。本実施例の方法で10時間安
定運転を行なった結果、Ni粉末1gに対する水素ガス
供給量と窒素ガス供給量は、それぞれ0.668Nl/
gと0.038Nl/gであった。
実施例1と温度条件は同じとし、表1に示したようなガ
ス流量の条件下でNi粉末を製造した。表1に示すよう
に、塩素ガス流量の増加に伴い、生成したNi粉末の粒
径が小さくなることが確認された。
実施例と温度条件は同じとし、表1に示したようなガス
流量の条件下でNi粉末を製造した。表1に示すよう
に、NiCl2ガスの分圧を低下させることにより、N
i粉末の粒径を細かくすることができる。
の効果が得られる。 塩素ガスの供給量を制御することで、金属塩化物ガス
の供給量を制御することができ、プロセス全体の安定運
転が可能となる。 これにより、生成する金属粉末の粒径も確実に制御す
ることができる。 平均粒径0.1〜1.0μmの範囲のNi,Cu,A
gの金属粉末を容易に製造することができる。とりわけ
製造が難しいとされている0.2〜0.4μmの粉末を
容易に製造することができる。 窒素ガスや水素ガスを効率良く使用することができ、
金属粉末の生産コストを低減することができる。
断面図である。
縦断面図である。
真例である。
管、14……塩素ガス供給管、17……移送管兼ノズ
ル、15……不活性ガス供給管、21……水素ガス供給
管(還元性ガス供給管)、22……冷却ガス供給管、M
……Ni粒、P……Ni粉。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属に塩素ガスを接触させて金属塩化物
ガスを連続的に発生させる塩化工程と、塩化工程で発生
した金属塩化物ガスを還元性ガスと接触させ、金属塩化
物を連続的に還元する還元工程とを備えたことを特徴と
する金属粉末の製造方法。 - 【請求項2】 前記還元工程で生成した金属粉末を含む
ガスを不活性ガスにより冷却する冷却工程を備えたこと
を特徴とする請求項1に記載の金属粉末の製造方法。 - 【請求項3】 前記塩化工程に導入する塩素ガス流量を
調整することにより、金属粉末の粒径を制御することを
特徴とする請求項1または2に記載の金属粉末の製造方
法。 - 【請求項4】 前記還元工程は、前記金属塩化物ガスを
水素雰囲気中に噴出させて行なうことを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載の金属粉末の製造方法。 - 【請求項5】 前記金属はNiであり、前記還元工程
は、分圧0.5〜1.0のNiCl2ガスを水素雰囲気
中に噴出させて行うことを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載の金属粉末の製造方法。 - 【請求項6】 内部に充填した金属を塩化する塩化炉
と、この塩化炉で発生した金属塩化物ガスを還元する還
元炉とを備え、 上記塩化炉は、その内部に金属を供給するための原料供
給管と、内部に塩素ガスを供給するための塩素ガス供給
管と、発生した金属塩化物ガスを上記還元炉に移送する
移送管と、上記金属塩化物ガスを希釈する不活性ガスを
内部に供給するための不活性ガス供給管とを備え、 上記還元炉は、上記金属塩化物ガスを内部に噴出するノ
ズルと、還元性ガスを内部に供給するための還元性ガス
供給管と、還元された金属粉末を冷却する不活性ガスを
内部に供給するための冷却ガス供給管とを備え、 上記塩化炉は上記還元炉の上流側に配置され、塩化炉と
還元炉とを直結することにより、塩化反応と還元反応が
同時にしかも連続的に進行するようになされていること
を特徴とする金属粉末の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34430997A JP3504481B2 (ja) | 1996-12-02 | 1997-11-28 | Ni粉末の製造方法 |
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JP8-336356 | 1996-12-02 | ||
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JP (1) | JP3504481B2 (ja) |
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