JPH10219108A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH10219108A
JPH10219108A JP2669497A JP2669497A JPH10219108A JP H10219108 A JPH10219108 A JP H10219108A JP 2669497 A JP2669497 A JP 2669497A JP 2669497 A JP2669497 A JP 2669497A JP H10219108 A JPH10219108 A JP H10219108A
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JP
Japan
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heat
parts
resistant resin
resin composition
polyimide
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Application number
JP2669497A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Ogawa
哲夫 小川
Junya Yoshitake
淳也 吉武
Kenji Seko
健治 瀬古
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料、印刷、液晶配向膜等の分野に特に有用
な、塗装作業性に優れ、低温焼付けが可能で、形成する
被膜が化学的に安定で、耐熱性に優れる被膜を容易に形
成できる耐熱性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物とポリアミン
のモル比(r)が1.43>r>1.02又は0.98
>r>0.70の範囲内で反応させて得られる有機溶剤
に可溶なポリイミド樹脂(A)及び分子内に1個以上の
エポキシ基を有するエポキシ化合物(B)を必須成分と
して含有することを特徴とする耐熱性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂組成物
に関し、詳しくは、1分子中にカルボキシル基又はアミ
ノ基を有する、有機溶剤に可溶性のポリイミド樹脂、及
びエポキシ化合物を必須成分として含有することを特徴
とする耐熱性樹脂組成物に関する。本発明の組成物は、
塗料組成物、液晶配向膜形成材料、フィルムなどの用途
に好適に使用される。
【0002】
【従来技術及びその課題】一般にポリイミド樹脂は有機
溶剤に溶けにくい。そのために前駆体であるポリアミッ
ク酸の溶液として塗布し、高温で長時間加熱処理してイ
ミド化反応を行なうことにより、最終被膜を得る。この
場合、被塗物も高温に長時間さらされるために、なんら
かの損傷を受けることが多く、被塗物が限定されてしま
う。
【0003】一方、組成を工夫することにより、有機溶
剤に可溶性のポリイミド樹脂が得られている。例えば、
特開平7−154042号公報や特開平7−22415
0号公報には、有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂とエポ
キシ化合物を併用した組成物が提案されている。しかし
ながら、ここで開示されているポリイミド樹脂は、製造
する際のテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比
が1に近いものであり、できるだけ高分子量のものであ
り、生成するポリイミドワニスの粘度が高くなり、作業
性に問題があった。そのために、塗装作業性に優れ、か
つ低温での焼付けが可能で、接着性、耐熱性、耐薬品性
等に優れた材料の開発が強く望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、1分子中にカルボキシ
ル基又はアミノ基を有し、特定の分子量を有する、有機
溶剤に可溶性のポリイミド樹脂、及びエポキシ化合物を
必須成分として含有することを特徴とする耐熱性樹脂組
成物が、塗装作業性に優れ、形成する被膜は架橋構造を
有するために化学的に安定で、耐熱性に優れる被膜を容
易に形成できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0005】本発明の目的は、塗料、印刷、液晶配向
膜、フィルム等の分野に特に有用な、塗装作業性に優
れ、低温焼付けが可能で、形成する被膜が化学的に安定
で、耐熱性に優れる被膜を容易に形成できる、有機溶剤
に可溶なポリイミド樹脂とエポキシ化合物を必須成分と
して含有することを特徴とする耐熱性樹脂組成物を提供
するものである。
【0006】本発明によると、テトラカルボン酸二無水
物とポリアミンのモル比(r)が1.43>r>1.0
2又は0.98>r>0.70の範囲内で反応させて得
られる有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂(A)及び分子
内に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
(B)を必須成分として含有することを特徴とする耐熱
性樹脂組成物が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の有機溶剤に可溶なポリイ
ミド樹脂(A)は、テトラカルボン酸二無水物とポリア
ミンのモル比(r)が1.43>r>1.02又は0.
98>r>0.70の範囲内で反応させて得られるポリ
イミド樹脂である。
【0008】テトラカルボン酸二無水物としては、例え
ば、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル
酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二
無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、ピロメリット酸
二無水物等を挙げることができ、それらを単独、或い
は、混合物として使用することができる。ポリアミンと
しては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジ
アミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、2,2,
4−トリメチルヘキサンジアミン、2,4,4−トリメ
チルヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘ
キサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキ
シプロピレントリアミン、等の鎖状脂肪族アミン;
4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン、メンセン
ジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロ
ピル)ピペラジン、イソホロンジアミン、m−キシレン
ジアミン、1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、4,4´−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノ
プロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン等の環状脂肪族アミン; メラミ
ン、ベンゾグアナミン、N,N−ジアリルメラミン、
2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジ
ン等のトリアジン骨格を有する化合物; 2、2−ビス
(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、
1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、ビス−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、ビス−4
−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、4,4
´−ジアミノズフェニルエ−テル、3,3−ジアミノジ
フェニルエ−テル、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、2,2−ビス[4(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、メタフェニレンジアミン、
4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジア
ニノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノ−3,3
´−ジエチル−5,5´−ジメチルジフェニルメタ
ン、、2,2´,3,3´−テトラクロロ−4,4´−
ジアミノジフェニルメタン、α,α´−ビス(4−アミ
ノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族
アミン;一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】(但し、式中のR1及びR2は2価の炭化水
素基を示し、R3、R4、R5及びR6は低級アルキル基又
はフェニル基を示し、nは3〜60の整数を示す)で示
されるジアミノポリシロキサン等を挙げることができ、
それらを単独、或いは、混合物として使用することがで
きる。
【0011】上記一般式(1)で示されるジアミノポリ
シロキサンとしては、式中のR1及びR2が炭素数2〜6
個、特に3〜5個の『複数のメチレン基』、又はフェニ
レン基からなる2価の炭化水素残基であり、R3〜R6
メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の低
級アルキル基又はフェニル基であることが好ましく、更
に、nが3〜60の整数、特に5〜20、更に好ましく
は5〜15程度であることが好ましい。R1〜R6の炭素
数が多すぎたり、nの数が大きすぎると反応性が低下し
たり耐熱性が悪くなったり、得られるポリイミド樹脂の
分子量が低くなったり有機溶剤に対する溶解性が低下し
たり、他の有機化合物との相溶性が悪くなったりするの
で前記程度のものが適当である。一般式(1)で示され
るジアミノポリシロキサンの具体例としては、ω,ω´
−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、
ω,ω´−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサン、ω,ω´−ビス(4−アミノフェニル)ポリ
ジメチルシロキサン、ω,ω´−ビス(4−アミノ−3
−メチルフェニル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω´
−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサ
ン等を好適に挙げることができる。
【0012】本発明の有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂
(A)は、上記のテトラカルボン酸二無水物とポリアミ
ンを、テトラカルボン酸二無水物とポリアミンのモル比
(r)が 1.43>r>1.02又は0.98>r>0.70 好ましくは、 1.20>r>1.04又は0.96>r>0.83 の範囲内で反応させて得ることができる。
【0013】rが1.43以上や0.70以下の場合に
は生成するポリイミド樹脂の分子量が低くなり、硬化塗
膜の機械特性や耐薬品性が低下する。逆に、rが0.9
8以上1.02以下の場合には、生成するポリイミド樹
脂の分子量が大きくなり、粘度が高くなって塗装作業性
が低下し、硬化塗膜の架橋構造が弱くなり、耐薬品性や
機械特性の低下を招く。
【0014】本発明において、上記のテトラカルボン酸
二無水物とポリアミン以外に、2級のジアミン化合物や
多価アルコール、トリメリット酸無水物、ジカルボン
酸、ジカルボン酸無水物、モノアミン化合物を上記のr
の範囲内であればポリイミド樹脂(A)の製造の際に用
いてもよい。
【0015】上記のテトラカルボン酸二無水物とポリア
ミンとの反応は、極性溶剤中で公知の方法で行なわれ
る。該極性溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤;ジ
メチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチル
スルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルア
ミド等の硫黄原子を含有する溶剤;クレゾール、フェノ
ール、キシレノール等のフェノール系溶剤;メタノー
ル、エタノール、エチレングリコール等のアルコール系
溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶剤;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジグライム等のエーテル系溶剤;ピリジン、テトラ
メチル尿素等を挙げることができる。これらの極性溶剤
は、1種類もに用いてもよいし、2種類以上を混合して
用いてもよい。この時、上記極性溶剤と相溶性がある非
極性溶剤を混合して使用してもよい。該非極性溶剤とし
ては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香
族炭化水素を挙げることができる。混合溶剤における非
極性溶剤の割合は、30重量%以下であることが好まし
い。非極性溶剤の割合が30重量%以上では溶剤の溶解
力が低下し、テトラカルボン酸二無水物が析出する恐れ
があるため好ましくない。テトラカルボン酸二無水物と
ポリアミンとの反応は、ポリアミン成分を前述の反応溶
剤に溶解し、テトラカルボン酸二無水物を添加して反応
を進める。
【0016】このようにして得たポリアミック酸溶液を
続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイ
ミド樹脂にする。イミド化反応によって生じた水は閉環
反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に
加えて共沸させてディーン・スターク(Dean−St
ark)管などの装置を使用して系外に排出する。水と
相溶しない有機溶剤としては、好ましくは前記芳香族炭
化水素を使用する。また、イミド化反応の触媒として無
水酢酸、β−ピコリン、ピリジンなどの化合物を使用す
ることは妨げない。
【0017】本発明において、イミド閉環は程度が高い
ほど良く、イミド化率が低いと使用時の熱でイミド化が
起こり、水が発生して好ましくないため、95%以上、
より好ましくは98%以上のイミド化率が達成されてい
ることが望ましい。
【0018】本発明では、得られたポリイミド樹脂溶液
にそのままエポキシ化合物(B)を添加し、耐熱性樹脂
組成物溶液とすることができる。
【0019】本発明において使用されるエポキシ化合物
(B)としては、分子内に1個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物であればよく、例えば、一官能性また
は多官能性のエポキシ化合物;ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS等の芳香族ビスフェノ
ールのジグリシジルエーテル化物またはこれらのジグリ
シジルエーテル化物と上記ビスフェノール類との重合
体、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌ
レート、これらの水素添加物または核ハロゲン化物、エ
ポキシ基含有ポリシロキサン、脂環式エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂肪族鎖
状エポキシ樹脂、またこれらのエポキシ樹脂の有機酸等
による部分的変性物、エポキシ基含有不飽和単量体の重
合体又は他の不飽和単量体との共重合体等が挙げられ
る。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使
用することができる。
【0020】エポキシ化合物(B)の配合量は、前記ポ
リイミド樹脂(A)の固形分100重量部に対して2〜
200重量部、特に5〜70重量部の範囲内にあること
が好ましい。2重量部未満では、塗膜の架橋密度が低
く、耐薬品性や機械特性が低下し、逆に200重量部を
越えるとポリイミド樹脂(A)の耐熱性を損なうことと
なるので好ましくない。
【0021】本発明の耐熱性樹脂組成物は、必要に応じ
て、ポリイミド樹脂(A)とエポキシ化合物(B)の硬
化触媒を含有することができる。該硬化触媒の種類とし
ては、それ自体公知の硬化触媒、例えばイミダゾール
類、第1〜3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、第
4級ホスホニウム塩類、第3級スルホニウム塩類、トリ
フェニルフォスフィン類、ジシアンジアミド類、ヒドラ
ジン類、芳香族ジアミン類、水酸基を有するフェノール
ノボラック型硬化触媒(明和化成(株)社製、フェノー
ルノボラック:H−1、H−5等)等の重付加型硬化触
媒、有機過酸化物、またはこれらの基を樹脂に導入した
もの等を挙げることができる。
【0022】上記の硬化触媒の使用量は、エポキシ化合
物(B)100重量部に対して一般に0.01〜90重
量部、好ましくは0.03〜80重量部である。
【0023】本発明の耐熱性樹脂組成物は、更に必要に
応じて、顔料等の無機又は有機充填剤、補助的な架橋を
行なう目的で公知の架橋剤、例えばメラミンまたは尿素
−ホルマリン縮合系化合物やイソシアネート系化合物を
含有することができる。
【0024】本発明の耐熱性樹脂組成物の固形分濃度は
5〜70重量%が適当であり、耐熱性樹脂組成物を調整
するために使用する溶剤としては前記したポリイミド樹
脂(A)を製造する際に使用したものが好適に用いられ
るが、それ以外に、本発明の耐熱性樹脂組成物を構成す
る成分が沈降や凝集を起こさないかぎり、従来公知の有
機溶剤を特に制限なく使用できる。また、本発明の耐熱
性樹脂組成物は中和して使用することもでき、この時、
希釈剤として水を使用することができる。
【0025】本発明の耐熱性樹脂組成物は、ディップ、
スプレー、静電塗装、ロールコーター、バーコーター、
印刷、電着等公知の塗装方法で各種被塗物に塗装され、
20〜250℃で5〜120分で焼き付けることによ
り、硬化塗膜を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明組成物によれば、低い温度の焼付
けで、機械特性や銅板に対する付着性や耐薬品性に優れ
た架橋塗膜を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」
及び「重量%」を示す。
【0028】以下に示す製造例及び比較製造例において
使用した化合物の略号は次のとうりである。
【0029】NMP: N−メチル−2−ピロリドン MED: 4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチル−
5,5´−ジメチルジフェニルメタン TMD: 2,2,4−トリメチルヘキサンジアミンと
2,4,4−トリメチルヘキサンジアミンの混合物 BTDA:ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 また、酸二無水物とジアミンの配合量は市販の原料につ
いてそれぞれ酸価とアミン価を測定し、その値から決定
した。
【0030】製造例1 ポリイミドワニス(A−1)の
製造 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにN
MP932部及びMED284部(1モル)を仕込み、
窒素を吹き込み、激しく撹拌しながらBTDA338部
(1.05モル)を加えた。続いて60℃に2時間保
ち、トルエン120部を加えて約1時間で180℃に昇
温し、撹拌しながら発生する水を除去した。4時間後、
水がほとんど発生しなくなったので冷却し、ポリイミド
ワニス(A−1)を得た。得られたポリイミドワニス
(A−1)の粘度はガードナー粘度計でV、固形分は3
5%、固形分酸価は19.1、アミン価は0であった。
【0031】製造例2 ポリイミドワニス(A−2)の
製造 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにN
MP962部及びMED284部(1モル)を仕込み、
窒素を吹き込み、激しく撹拌しながらBTDA354部
(1.1モル)を加えた。続いて60℃に2時間保ち、
トルエン120部を加えて約1時間で180℃に昇温
し、撹拌しながら発生する水を除去した。4時間後、水
がほとんど発生しなくなったので冷却し、ポリイミドワ
ニス(A−2)を得た。得られたポリイミドワニス(A
−2)の粘度はガードナー粘度計でW、固形分は35
%、固形分酸価は37.3、アミン価は0であった。
【0032】製造例3 ポリイミドワニス(A−3)の
製造 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにN
MP845部、MED142部(0.5モル)及びTM
D79部(0.5モル)を仕込み、窒素を吹き込み、激
しく撹拌しながらBTDA354部(1.1モル)を加
えた。続いて60℃に2時間保ち、トルエン120部を
加えて約1時間で180℃に昇温し、撹拌しながら発生
する水を除去した。4時間後、水がほとんど発生しなく
なったので冷却し、ポリイミドワニス(A−3)を得
た。得られたポリイミドワニス(A−3)の粘度はガー
ドナー粘度計でW、固形分は35%、固形分酸価は4
1.6、アミン価は0であった。
【0033】製造例4 ポリイミドワニス(A−4)の
製造 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにN
MP980部及びMED284部(1モル)を仕込み、
窒素を吹き込み、激しく撹拌しながらBTDA293部
(0.91モル)を加えた。続いて60℃に2時間保
ち、トルエン120部を加えて約1時間で180℃に昇
温し、撹拌しながら発生する水を除去した。4時間後、
水がほとんど発生しなくなったので冷却し、ポリイミド
ワニス(A−4)を得た。得られたポリイミドワニス
(A−4)の粘度はガードナー粘度計でT、固形分は3
5%、固形分酸価は0、アミン価は17であった。
【0034】製造例5 ポリイミドワニス(A−5)の
製造 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにシ
クロヘキサノン1053部及びMED284部(1モ
ル)を仕込み、窒素を吹き込み、激しく撹拌しながらB
TDA354部(1.1モル)を加えた。続いて60℃
に2時間保ち、約1時間で160℃に昇温し、撹拌しな
がら発生する水を除去した。4時間後、水がほとんど発
生しなくなったので冷却し、ポリイミドワニス(A−
5)を得た。得られたポリイミドワニス(A−5)の粘
度はガードナー粘度計でY、固形分は35%、固形分酸
価は37.3、アミン価は0であった。
【0035】製造例6 ポリイミドワニス(A−6)の
製造 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにN
MP879部、MED220部(0.775モル)及び
メラミン19部(0.15モル)を仕込み、窒素を吹き
込み、激しく撹拌しながらBTDA354部(1.1モ
ル)を加えた。続いて60℃に2時間保ち、トルエン1
20部を加えて約1時間で180℃に昇温し、撹拌しな
がら発生する水を除去した。4時間後、水がほとんど発
生しなくなったので冷却し、ポリイミドワニス(A−
6)を得た。得られたポリイミドワニス(A−6)の粘
度はガードナー粘度計でM、固形分は35%、固形分酸
価は40.3、アミン価は0であった。
【0036】製造例7 ポリイミドワニス(A−7)の
製造(比較用) 攪拌機、温度計、水分離器/玉付き冷却管、窒素導入管
を備えた容量2リットルの4つ口ガラス製フラスコにN
MP903部及びMED284部(1モル)を仕込み、
窒素を吹き込み、激しく撹拌しながらBTDA322部
(1モル)を加えた。続いて60℃に2時間保ち、トル
エン120部を加えて約1時間で180℃に昇温し、撹
拌しながら発生する水を除去した。4時間後、水がほと
んど発生しなくなったので冷却し、ポリイミドワニス
(A−7)を得た。得られたポリイミドワニス(A−
7)の粘度はガードナー粘度計でZ7以上、固形分は3
5%、固形分酸価は1.7、アミン価は0であった。
【0037】実施例1〜10及び比較例1〜3 上記の製造例1〜7で得たポリイミドワニス(A−1)
〜(A−7)を用いて表1のように配合した。
【0038】表1における(注1)及び(注2)は次の
とうりである。
【0039】(注1) 828EL:エポキシ化合物、油化シェル(株)社製、
エポキシ当量180。
【0040】ESCN−195:クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、住友化学(株)社製、エポキシ当量2
00。
【0041】TETRAD−X:エポキシ化合物、三菱
瓦斯化学(株)社製、エポキシ当量99。
【0042】(注2) C11Z:イミダゾール系硬化触媒、四国化成(株)社
製。
【0043】TBAB:硬化触媒、テトラブチルアンモ
ニウムブロマイド。
【0044】DBU :硬化触媒、1,8−ジアゾビシ
クロ[5,4,0]ウンデセン−7。表1で得た組成物
を、静電塗装により銅板(銅厚0.2mm)及びブリキ
板上に塗布し、150℃で30分間焼き付けた(膜厚約
30ミクロン)。ブリキ板に塗装したものは、水銀を用
いてブリキ板から剥がすことによりフリーフィルムを
得、引っ張り特性を調べた。銅板に塗装したものは、エ
リクセン試験、ガラス転移温度Tg及びゲル分率を測定
した。これらの結果を併せて表1に示した。尚、比較例
1の組成物は粘度が非常に高く、静電塗装することが困
難であったので、アプリケーターで塗装した。
【0045】表1における試験方法は以下のとうりであ
る。
【0046】破断強度:恒温槽付万能引張試験機(島津
製作所オートグラフS−D型)を用い、長さ20mm、
幅5mmの試料につき、温度20℃において、引張速度
20mm/分で測定したときの値である。
【0047】伸び率:恒温槽付万能引張試験機(島津製
作所オートグラフS−D型)を用い、長さ20mm、幅
5mmの試料につき、温度20℃において、引張速度2
0mm/分で引っ張り、塗膜が切れたときの元の長さに
対する%である。
【0048】エリクセン試験:JIS K−5400に
より測定した。実施例1〜10は銅板が割れても(7m
m)、剥離は認められない。
【0049】ガラス転移温度Tg:TMAにより測定し
た。
【0050】ゲル分率:アセトン/シクロヘキサノン=
70/30(得られたポリイミドを無限希釈可能な溶剤
組成)で6時間煮沸し、重量変化より求めた。
【0051】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸二無水物とポリアミン
    のモル比(r)が1.43>r>1.02又は0.98
    >r>0.70の範囲内で反応させて得られる有機溶剤
    に可溶なポリイミド樹脂(A)及び分子内に1個以上の
    エポキシ基を有するエポキシ化合物(B)を必須成分と
    して含有することを特徴とする耐熱性樹脂組成物。
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