JPH10219002A - 炭素系湿式摩擦材の製造方法 - Google Patents

炭素系湿式摩擦材の製造方法

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JPH10219002A
JPH10219002A JP9038304A JP3830497A JPH10219002A JP H10219002 A JPH10219002 A JP H10219002A JP 9038304 A JP9038304 A JP 9038304A JP 3830497 A JP3830497 A JP 3830497A JP H10219002 A JPH10219002 A JP H10219002A
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Japan
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porosity
sheet
carbon fiber
cfrp
carbon
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JP9038304A
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Toyomi Fujimori
豊美 藤森
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた摩擦係数と耐摩耗性を均衡して付与で
きる炭素系湿式摩擦材の製造方法を提供する。 【解決手段】 1)炭素繊維平織クロスに熱硬化性樹脂
溶液を含浸して加熱硬化した炭素繊維複合硬化樹脂(C
FRP)シートをセグメント状に加工し、気孔率10%
未満のセグメント状CFRPシート基材と気孔率10〜
20%のセグメント状CFRPシート基材とを交互に金
属支持板に接合する。2)1)のセグメント状CFRP
シートを非酸化性雰囲気中800℃以上で焼成炭化処理
して炭素繊維複合炭素(C/C)シートとし、気孔率1
0%未満のC/Cシート基材と気孔率10〜20%のC
/Cシート基材とを交互に金属支持板に接合する。3)
CFRPシート基材とC/Cシート基材を交互に金属支
持板に接合し、一方の基材の気孔率を10%未満、他方
の気孔率を10〜20%に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、相対する摩擦面間
に潤滑油などの油液が介在する湿式状態で使用される炭
素系の湿式摩擦材の製造方法に係り、特にブレーキライ
ニング、クラッチフェーシング、ディスクパッドや差動
制限装置(LSD)などに好適な摩擦性能がバランス良
く付与された、炭素繊維を主成分とする炭素系湿式摩擦
材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維を主成分とする摩擦材と
しては、炭素繊維基材を樹脂結合材または炭素結合材で
結合した複合組織の材料が開発されている。例えば、特
開昭50−72050号公報には1つの支持材料、およ
び、有機樹脂バインダーを含浸した炭素繊維ウエブを含
む1つの摩擦層、から成る、可動部分間の力の伝達用油
中運転用摩擦要素が、特開昭62−21528号公報に
は炭素繊維のような繊維状物質および結合剤を含む組成
物を加圧加熱成形後、350〜1000℃で非酸化性雰
囲気中で加熱する摩擦材の製造法が、また特公昭60−
54270号公報には炭素繊維織物をフラン樹脂等で固
めた成形物を焼成して得られる炭素材に、コールタール
またはコールタールおよび/またはピッチとフラン樹脂
とを含浸させたのち焼成し、含浸、焼成を繰り返し、且
つ少なくとも1回は2300℃以上で焼成して得られた
動的摩擦係数が0.1〜0.40、摩耗量が100×1
-4mm/面/停止以下である炭素繊維強化炭素摩擦材が
提案されている。
【0003】このほか、特公平2−37492号公報に
は、連続多孔度を有する炭素繊維の支持体に熱分解炭素
の被膜を形成して前記連続多孔度が15〜85%の範囲
にあるエネルギー吸収用摩擦アセンブリーが、特公平2
−40890号公報には、炭素繊維で織って形成される
網目状織布と、化学的蒸着(CVD) 処理によって前記炭素
繊維の表面にのみ炭素被膜を施し、炭素被膜形成後も網
目状織布が多孔性を保持している湿式摩擦材料が開示さ
れている。また、特開平7−12158号公報には摩擦
調整剤および結合剤を主成分とする混和物を含有する連
続ヤーンと、主として結合剤を含有する連続ヤーンとを
所定の本数ずつ撚り合わせた撚糸からなり、主として結
合剤を含有する連続ヤーンが多数の微細な空隙を有する
摩擦材が提案されているが、湿式摩擦材ではないため油
状成分の吸蔵保持性については検討されていない。
【0004】湿式摩擦材は、使用時に潤滑油などの油状
成分が常に摩擦面間に介在することが要求される関係
で、摩擦材自体が有する油液の保持能力が耐焼付け性お
よび耐摩耗性に大きな影響を与える。このため、摩擦材
の組織内部に油液を吸蔵保持するための適度の気孔や空
隙を保有させることが必要となる。ところが、炭素繊維
基材に炭化性の樹脂類やピッチなどの結合材を被着成形
したのち非酸化性雰囲気中で焼成炭化する方法で得られ
る炭素繊維複合炭素材(C/C材)は、結合材成分が揮
散した後の気孔が多くなり過ぎて油液を吸蔵保持する能
力が減退し、同時に炭素繊維の弾性率が増大することに
より組織が脆弱化してハンドリング性を損ねたり、摩擦
特性を変動させるため、湿式摩擦材としては改善の余地
が残されている。
【0005】また、C/C複合系の摩擦材は製造工程の
加熱硬化および焼成炭化段階で結合材成分から発生する
縮合水や分解ガスがマトリックス組織中に吸蔵されて発
泡現象を生じ、この状態で炭化が進行する関係で炭化過
程で材質組織に亀裂や破損が発生したり、得られる摩擦
材の強度が極端に低下して正常な摩擦特性の付与が困難
となる問題がある。この問題は、特公平2−37492
号公報や特公平2−40890号公報に記載されている
ように炭素繊維面にCVDによって直接炭素被膜を形成
する方法を採れば生じることはないが、CVD操作には
高価な処理設備と煩雑な条件設定が必要となるため、工
業的な摩擦材の製造手段としては有利性に乏しい。
【0006】そこで、本出願人は炭素繊維を基材として
油状成分の吸蔵保持性に優れる湿式炭素系摩擦材の製造
方法として、クロスピッチ幅が0.7〜3.0mmの炭素
繊維平織クロスに、炭化性の熱硬化性樹脂液とカーボン
ブラックを配合した混練物を被着して熱硬化し、得られ
たCFRPの硬化シートを所定形状に裁断加工したのち
金属支持板に接合することを特徴とする炭素系湿式摩擦
材の製造方法、更に非酸化性雰囲気中で800℃以上の
温度により焼成炭化処理し、得られたC/C板に再び炭
化性の熱硬化性樹脂液とカーボンブラックを配合した混
練物を被着して熱硬化し、これを金属支持板に接合する
ことを特徴とする炭素系湿式摩擦材の製造方法を開発
し、特願平7−251768号として提案した。
【0007】更に、本出願人は炭素系湿式摩擦材につい
て研究を進めた結果、高度の摩擦係数ならびに耐摩耗性
をバランスよく兼備する炭素系湿式摩擦材の製造方法と
してクロスピッチ幅が0.7〜3.0mmの炭素繊維平織
クロスに熱硬化性樹脂溶液を含浸して35〜50%の樹
脂分を被着させ、加熱硬化して得られた細孔直径0.1
〜300μm における気孔率が0.5〜35%の硬化シ
ートを所定形状に裁断加工した後、金属支持板に接合す
ることを特徴とする湿式摩擦材の製造方法を提案(特願
平8−165398号)した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、引き続き
気孔率と摩擦性能との関係について研究を進めた結果、
気孔率の異なるセグメント状基材を組み合わせることに
よって摩擦係数と耐摩耗性とをバランス良く付与できる
ことを見出した。
【0009】本発明は、上記の知見に基づいて開発され
たもので、その目的はブレーキライニング、クラッチフ
ェーシング、ディスクパッドや差動制限装置(LSD)
などに好適に用いることのできる高度の摩擦係数ならび
に耐摩耗性をバランスよく兼備する炭素系湿式摩擦材の
工業的な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の発明に係る炭素系湿式摩擦材の製造
方法は、炭素繊維平織クロスに熱硬化性樹脂溶液を含浸
して加熱硬化した炭素繊維複合硬化樹脂シート(以下、
「CFRPシート」という。)を基材とし、該基材をセ
グメント状に加工して、その気孔率が10%未満のセグ
メント状CFRPシート基材と、気孔率が10〜20%
のセグメント状CFRPシート基材とを、交互に金属支
持板に接合することを構成上の特徴とする。
【0011】第2の発明による炭素系湿式摩擦材の製造
方法は、炭素繊維平織クロスに熱硬化性樹脂溶液を含浸
して加熱硬化した炭素繊維複合硬化樹脂シート(CFR
Pシート)をセグメント状に加工したのち、非酸化性雰
囲気中800℃以上の温度で焼成炭化処理した炭素繊維
複合炭素シート(以下、「C/Cシート」という。)を
基材とし、その気孔率が10%未満のセグメント状C/
Cシート基材と、気孔率が10〜20%のセグメント状
C/Cシート基材とを、交互に金属支持板に接合するこ
とを構成上の特徴とする。
【0012】また、第3の発明による炭素系湿式摩擦材
の製造方法は、請求項1記載のセグメント状CFRPシ
ート基材と、請求項2記載のセグメント状C/Cシート
基材とを、交互に金属支持板に接合し、一方の基材の気
孔率が10%未満であり、他方の基材の気孔率が10〜
20%であることを構成上の特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の炭素系湿式摩擦材を構成
する炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系、レー
ヨン系、ピッチ系等の各種原料から製造された平織クロ
スが用いられる。なお、用いる炭素繊維平織クロスは、
濡れ性を改善するための表面処理を施したものであって
もよい。
【0014】炭素繊維平織クロスに含浸する熱硬化性樹
脂溶液としては、例えばフェノール系樹脂、フラン系樹
脂、エポキシ系樹脂あるいはこれらの混合樹脂等の炭化
性の熱硬化性樹脂液をメタノール、エタノール、エーテ
ル、アセトン等の適宜な有機溶媒に溶解した溶液が用い
られる。熱硬化性樹脂溶液の濃度は炭素繊維平織クロス
に被着させる樹脂量との関係で調整されるが、均一に含
浸させるためには低粘度であることが好ましい。
【0015】熱硬化性樹脂溶液を炭素繊維平織クロスに
含浸する方法としては、塗布、浸漬などの常用の手段が
適用され、炭素繊維平織クロスに含浸する樹脂量は目標
とする気孔率との関係で調整する。所定量の樹脂分を含
浸した炭素繊維平織クロスは100〜140℃の温度で
風乾し、有機溶媒を揮散除去してプリプレグシートを得
たのち、加熱硬化する。加熱硬化はプリプレグシートを
耐熱性の金属板、セラミック等の平板に挟持して5〜4
0gf/cm2の加圧下に保持しながら加熱炉内に設置し、1
0℃/hr以下の昇温速度で200〜300℃の温度に加
熱し、適宜時間保持することにより行われる。5gf/cm2
未満の加圧力ではクロスの変形が大きくなって平板が得
難く、また加圧力が40gf/cm2を越えると炭素繊維の織
り目の凹凸が失われるためである。
【0016】このようにして得られた気孔率の異なるC
FRPシートは所定形状のセグメント状に打ち抜き裁断
加工する。裁断加工したCFRPシートは、気孔率が1
0%未満のCFRPシート基材と、気孔率が10〜20
%のCFRPシート基材とを交互に、例えば鉄板のよう
な金属支持板に一体に接合される。接合は樹脂質の接着
材を介して熱圧する方法で行われるが、予め金属支持板
の表面をショットブラストして粗面化したのちマトリッ
クス結合材と同一の熱硬化性樹脂溶液を被覆しておき、
これに硬化シートを熱圧接合する方法を採ることが好ま
しい。接合後は乾燥処理して湿式摩擦材が製造される。
【0017】本発明の第2の発明に係る製造方法は、上
記した第1の発明で得られた気孔率の異なるセグメント
状CFRPシートを、非酸化性雰囲気中で800℃以上
の温度により焼成炭化処理して気孔率の異なるC/Cシ
ートを得、気孔率が10%未満のC/Cシート基材と、
気孔率が10〜20%のC/Cシート基材とを交互に、
例えば鉄板のような金属支持板に一体に接合するプロセ
スからなる。
【0018】CFRPシートの焼成炭化処理は、非酸化
性雰囲気に保持された炭化炉中で行われる。炭化炉とし
ては、コークス粉等の炭素質パッキング材で被包して焼
成炭化するリードハンマー炉、系内を窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気に保持した電気炉等が用いられる。
炭化処理温度は、800℃以上の温度に設定する必要が
あり、800℃未満の温度では熱硬化性樹脂の炭化が不
完全となり、強度が低下する。
【0019】また、本発明の第3の発明に係る製造方法
は、上記した第1の発明で得られたCFRPシート基材
と第2の発明で得られたC/Cシート基材とを交互に、
例えば鉄板のような金属支持板に一体に接合するプロセ
スからなる。この場合、一方の基材の気孔率は10%未
満に、他方の基材の気孔率は10〜20%に設定するこ
とが必要である。すなわち、CFRPシート基材の気孔
率を10%未満に設定したときは、CFRPシート基材
と交互に接合するC/Cシート基材の気孔率を10〜2
0%に設定し、逆にC/Cシート基材の気孔率を10%
未満に設定したときは、C/Cシート基材と交互に接合
するCFRPシート基材の気孔率は10〜20%に設定
される。
【0020】湿式摩擦材の基材組織の気孔には冷却用の
油状物質が保持されるとともに摩擦面に供給されるの
で、優れた摩擦性能を付与し、摩擦性能の安定化を図る
上で、油状物質を安定に保持し、摩擦面に円滑に供給す
ることは重要である。しかしながら、気孔率が大きくな
ると摩擦係数は高くなるが摩耗量が多くなり、一方気孔
率が小さいと摩耗量は少なくなるが摩擦係数が低下する
傾向がある。特に、気孔率が10%未満では耐摩耗性は
向上するが摩擦係数は低下し、また油保持量の低下によ
る焼き付き現象を生じ易くなる。一方、気孔率が10〜
20%では耐摩耗性は低下するが摩擦係数は向上し、ま
た油保持量の向上により焼き付き現象の防止が可能とな
る。なお、気孔率が20%を越えると極端に摩耗し、摩
擦材として使用できない。
【0021】本発明は、湿式摩擦材の摩擦面を形成する
セグメント状シート基材として、CFRPシート基材あ
るいはC/Cシート基材を用い、その気孔率が10%未
満のシート基材と10〜20%のシート基材とを交互に
配置して摩擦面を形成することによって、油状物質の安
定保持と円滑供給を図るとともに、摩擦性能の向上を図
るものである。したがって、摩擦面の摩擦係数や耐摩耗
性等の摩擦性能をバランス良く付与することが可能とな
る。また、高温雰囲気で使用される湿式摩擦材には、C
/Cシート基材を用いることによって耐熱性の向上を図
ることも可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例の範囲
に限定されるものではない。
【0023】実施例1〜5 炭素繊維平織クロスにはポリアクリロニトリル系高強度
高弾性率タイプの炭素繊維を編組した平織クロスを用い
た。熱硬化性樹脂溶液としてはフェノール樹脂初期縮合
物をエタノールに溶解した溶液を用い、樹脂濃度を変え
て塗布し、炭素繊維に充分に含浸させたのち24時間風
乾して予備硬化した。このようにして得た被着樹脂量の
異なるプリプレグシートを黒鉛質平板に挟持して10gf
/cm2の加圧力を掛けながら電気炉内に入れて、5℃/hr
の昇温速度で250℃に加熱し、2時間保持して気孔率
の異なるCFRPシートを作製した。このCFRPシー
トをセグメント形状(30mm×10mm)に打ち抜き裁断加工
した。得られた気孔率の異なるセグメント状CFRPシ
ート基材を交互に組み合わせて、ショットブラストした
鉄製の金属支持板(外径80mm、内径50mm、厚さ1.0mm )
にフェノール樹脂初期縮合物をバインダーとして60kg
f/cm2 の圧力下に220℃の温度に加熱し、2.5分間
保持して熱圧接合し、試験用の炭素系湿式摩擦材を製造
した。
【0024】また、作製した気孔率の異なるセグメント
状CFRPシートを窒素雰囲気に保持された電気炉に入
れ、5℃/hrの昇温速度で1000℃に加熱し、5時間
保持して焼成炭化処理した。このようにして得られた気
孔率の異なるセグメント状C/Cシート基材を交互に組
み合わせて、ショットブラストした鉄製の金属支持板
(外径80mm、内径50mm、厚さ1.0mm )にフェノール樹脂
初期縮合物をバインダーとして60kgf/cm2 の圧力下に
220℃の温度に加熱し、2.5分間保持して熱圧接合
し、試験用の炭素系湿式摩擦材を製造した。また、気孔
率の異なるセグメント状CFRPシート基材とセグメン
ト状C/C基材とを交互に組み合わせて、同様にして鉄
製の金属支持板に熱圧接合し、試験用の炭素系湿式摩擦
材を製造した。
【0025】比較例1〜3 また、比較のために単一の気孔率を有するセグメント状
CFRPシートあるいはC/Cシートを用いた他は、実
施例と同一の方法により試験用の炭素系湿式摩擦材を製
造した。
【0026】各摩擦材についてき下記の条件で定速型試
験機により湿式摩擦試験を行い、得られた摩擦係数およ
び摩耗量を用いたシート基材の気孔率と対比して表1に
示した。 湿式摩擦試験条件 摩擦材の相手面;鋼材SK5(直径80mm) 回転数;20rpm 押付け圧力;20kgf/cm2 潤滑油;ハイポイドギア油(75W-90) 摩擦試験は5時間連続して行い、摩擦係数は30分毎の
値の平均値として、また摩耗量は摩擦板の厚み(90°毎
の4点)をマイクロメーターで測定し、4点の平均値を
試験前後の厚みの差で示した。また、気孔率は水銀ポロ
シメータを用いて細孔直径0.5〜300μm の範囲の
細孔量を測定して算出した。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、気孔率が10%未満のC
FRPシートあるいはC/Cシートと気孔率が10〜2
0%のCFRPシートあるいはC/Cシートとを交互に
組み合わせた実施例の製造方法による湿式摩擦材は、良
好な摩擦係数レベルを保持するとともに摩耗量も低位に
あり、摩擦性能がバランス良く付与されていることが判
る。しかしながら、単一の気孔率を有するCFRPシー
トあるいはC/Cシートのみを用いた比較例の製造方法
による湿式摩擦材は、摩耗量が多く摩擦係数とのバラン
スが充分でないことが認められる。特に、気孔率の高い
CFRPシートやC/Cシートを用いた比較例1、2で
は摩耗量が著しく増大し、気孔率の低いCFRPシート
を用いた比較例3では摩擦係数が減少することが判る。
【0029】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の炭素系湿式摩擦
材の製造方法によれば、気孔率が10%未満および10
〜20%であるセグメント状のCFRPシート基材、あ
るいはC/Cシート基材とを組み合わせて、交互に金属
支持板に接合するので、摩擦係数や耐摩耗性をバランス
良く付与することが可能である。したがって、摩擦性能
に応じて材質設計が容易となり、高度な摩擦性能が要求
されるブレーキライニング、クラッチフェーシング、デ
ィスクパッドや差動制限装置(LSD)などの製造方法
として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16D 69/00 C04B 35/52 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維平織クロスに熱硬化性樹脂溶液
    を含浸して加熱硬化した炭素繊維複合硬化樹脂シート
    (以下、「CFRPシート」という。)を基材とし、該
    基材をセグメント状に加工して、その気孔率が10%未
    満のセグメント状CFRPシート基材と、気孔率が10
    〜20%のセグメント状CFRPシート基材とを、交互
    に金属支持板に接合することを特徴とする炭素系湿式摩
    擦材の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維平織クロスに熱硬化性樹脂溶液
    を含浸して加熱硬化した炭素繊維複合硬化樹脂シート
    (CFRPシート)をセグメント状に加工したのち、非
    酸化性雰囲気中800℃以上の温度で焼成炭化処理した
    炭素繊維複合炭素シート(以下、「C/Cシート」とい
    う。)を基材とし、その気孔率が10%未満のセグメン
    ト状C/Cシート基材と、気孔率が10〜20%のセグ
    メント状C/Cシート基材とを、交互に金属支持板に接
    合することを特徴とする炭素系湿式摩擦材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のセグメント状CFRPシ
    ート基材と、請求項2記載のセグメント状C/Cシート
    基材とを、交互に金属支持板に接合し、一方の基材の気
    孔率が10%未満であり、他方の基材の気孔率が10〜
    20%であることを特徴とする炭素系湿式摩擦材の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003070660A1 (fr) * 2002-02-20 2003-08-28 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Plaque composite carbone/carbone emboutissable et procede servant a fabriquer une plaque de friction pour embrayage humide a plateaux multiples
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KR101254517B1 (ko) * 2005-07-11 2013-04-19 술저 프릭션 시스템즈 (유에스) 인코포레이티드 습식 마찰 재료

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