JPH10217610A - 書換え型多色感熱シート、これを用いた書換え型カードおよび記録装置 - Google Patents

書換え型多色感熱シート、これを用いた書換え型カードおよび記録装置

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JPH10217610A
JPH10217610A JP9026268A JP2626897A JPH10217610A JP H10217610 A JPH10217610 A JP H10217610A JP 9026268 A JP9026268 A JP 9026268A JP 2626897 A JP2626897 A JP 2626897A JP H10217610 A JPH10217610 A JP H10217610A
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JP
Japan
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rewritable
recording medium
color
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developer
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JP9026268A
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Katsuyuki Naito
勝之 内藤
Akira Takayama
暁 高山
Takashi Sasaki
隆 佐々木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広い任意の画像パターン中のどこにでも文字も
しくは画像情報を表示する書換え型多色感熱シートおよ
びこれを用いた書換え型カードを提供する。 【解決手段】平衡状態より、平衡状態を溶融急冷して生
成する非平衡状態の方が着色濃度が低い書換え型感熱記
録媒体と、平衡状態より、平衡状態を溶融急冷して生成
する非平衡状態の方が着色濃度が高い書換え型感熱記録
媒体の両者を含有し、多色画像パターンの領域中に文字
もしくは画像情報を複数の色で表示することを特徴とす
る書換え型多色感熱シートおよびこれを用いた書換え型
カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱履歴の制御によ
り、画像形成、消去を繰り返し行なう書換え型多色感熱
記録シート及びこれを用いた書換え型カードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のOA化の普及により各種情報のデ
ータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力もそれに合わ
せて増加している。情報の出力は、プリンタによる紙へ
のハードコピー表示とディスプレイ表示に代表される。
しかし紙へのハードコピーでは紙を大量に使うため、資
源保護する上で問題である。またCRTやLCDに代表
されるディスプレイに表示するには、消費電力が大きく
問題である。そこで第三の記録媒体としてリライタブル
記録媒体(高い視認性を有する画像の記録・消去が多数
回可能であり、表示の保持にエネルギーを必要としない
全固体もしくは半固体の記録媒体)が、様々な分野で期
待されている。従来このようなリライタブル記録媒体と
しては、サーマルプリンターヘッド(略してTPH)で
記録・消去可能な有機低分子・高分子樹脂マトリクス系
(例えば、特開昭55−154198,特開昭57−82086 )が挙
げられる。この系は、比較的リライタブル記録媒体とし
ての特性のバランスがよく、一部プリペイドカードとし
て使用されつつある。しかし、この有機低分子・高分子
樹脂マトリクス系では、白濁状態と透明状態が可逆的に
変化する系であるため、視認性が不十分であり、またそ
れ自身でカラーの絵やパターンを表示することはできな
い。これに対し、たとえば特開平4-50290 号には、熱エ
ネルギーの供給で化学的に発色・消色を繰り返すことが
可能な記録媒体として、ロイコ染料と顕色機能を有する
酸性基及び消色機能を有する塩基性基を有した顕色剤と
からなる組成物が提案されている。また、特開平4-2479
85号、特開平4-308790号,特開平4-344287号には、ロイ
コ染料と顕色剤である長鎖ホスホン酸を混合した組成系
において、熱エネルギーによる結晶構造の変化で可逆的
に発色・消色が生じることが報告されている。これらの
媒体は平衡状態が無色であり、サーマルプリンタヘッド
を用いた印字ではポジ型記録に適している。このため、
これらの媒体で多色の絵やパターンを表示するには適さ
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決して、広い任意の画像パターン中のどこにでも
文字もしくは画像情報を表示する書換え型多色感熱シー
トおよび書換え型カードを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、平衡状態より、非平衡状態の方が着色濃度
が低い第1の書換え型感熱記録媒体と、平衡状態より、
非平衡状態の方が着色濃度が高い第2の書換え型感熱記
録媒体とを同一表示領域に具備することを特徴とする書
換え型多色感熱シートを提供する。また本発明は、平衡
状態より、非平衡状態の方が着色濃度が低い第1の書換
え型感熱記録媒体の領域と、平衡状態より、非平衡状態
の方が着色濃度が高い第2の書換え型感熱記録媒体の領
域と、前記第1及び第2の書換え型感熱記録媒体の領域
の間に書換え操作によって変色しない分離層とを有する
ことを特徴とする書換え型多色感熱シートを提供する。
【0005】また本発明は、平衡状態の主成分が結晶で
あり、非平衡状態の主成分が非晶質であることを特徴と
する書換え型多色感熱シートを提供する。また本発明
は、書換え操作によって変色しない染料を前記第1或い
は第2の書換え型感熱記録媒体のうち少なくとも一方に
添加することを特徴とする書換え型多色感熱シートを提
供する。
【0006】また本発明は、前記第1の書換え型感熱記
録媒体が少なくとも呈色性化合物、顕色剤、可逆剤を含
有することを特徴とする書換え型多色感熱シートを提供
する。
【0007】また本発明は、前記第2の書換え型感熱記
録媒体が少なくとも呈色性化合物、顕色剤を含有し、か
つ該顕色剤の融点が、100℃以上であることを特徴と
する書換え型多色感熱シートを提供する。また本発明
は、平衡状態より、非平衡状態の方が着色濃度が低い第
1の書換え型感熱記録媒体と、平衡状態より、非平衡状
態の方が着色濃度が高い第2の書換え型感熱記録媒体と
を具備し、前記第1及び第2の書換え型記録媒体のうち
少なくとも一方がクラスターであり、このクラスターの
表面を覆い前記クラスターを膜化するマトリクス材料か
ら構成されていることを特徴とする書換え型多色感熱シ
ートを提供する。
【0008】また本発明は、前記マトリクス材料が、前
記クラスターを被覆する被覆材料と、被覆クラスターを
膜化支持する構造材料から構成されていることを特徴と
する書換え型多色感熱シートを提供する。また本発明
は、前記書換え型多色感熱シートを所定の表示領域に形
成したことを特徴とする書換え型カードを提供する。さ
らに本発明は、上記書換え型多色感熱シート或いはカー
ドに熱を印加することによって所定の情報を書込む書込
み装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の書換え型多色感
熱記録媒体の基本原理について説明する。一般に呈色性
化合物及び顕色剤を含有する組成系においては、呈色性
化合物と顕色剤との相互作用に応じて着色状態が変化す
る。例えば呈色性化合物と顕色剤との相互作用が増大す
ると発色状態となり、呈色性化合物と顕色剤との相互作
用が減少すると消色状態となることが知られている。発
明者らは、呈色性化合物及び顕色剤を含有する組成系
に、新たに可逆剤を加えることにより、この発色状態と
消色状態を可逆的に繰り返すことができ、かつ室温付近
の温度で発色状態と消色状態が共に存在できる組成物を
見出し、それを応用した記録媒体を提案してきた。この
媒体はサーマルプリンタヘッドを用いた印字、ホットス
タンプを用いた消去というネガ表示に特に適している。
この記録媒体は、顕色剤と呈色剤とが結合することによ
って発色することを利用し、可逆剤を添加することで、
可逆剤が顕色剤或いは呈色剤の少なくとも一方と結合
し、顕色剤と呈色剤との結合を阻害する状態にして消色
状態を示す。逆に可逆剤が、顕色剤と呈色剤の両方とも
に結合しない状態にして顕色剤と呈色剤とが結合し、発
色状態を示す。この2つの状態が可逆的に生じること
で、書換え可能となる。可逆剤は、流動状態で顕色剤や
呈色性化合物と作用する性質を有し、固化時においては
少なくとも二種の長寿命な状態をしめす低分子有機化合
物が挙げられる。このときの記録媒体の発消色の作用を
述べる。先ず呈色性化合物と顕色剤とが、低分子有機化
合物(可逆剤)に対して平衡定常的な溶解度から余剰
し、呈色性化合物と顕色剤が低分子有機化合物と相分離
する。このとき相分離した呈色性化合物と顕色剤とが共
に結合し発色した相を有する平衡な状態(結晶)を示
す。また低分子有機化合物(可逆剤)が、非平衡な状態
(アモルファス)で呈色性化合物や顕色剤を取り込んだ
状態を示す。このアモルファス状態で、可逆剤は呈色性
化合物と顕色剤との結合を阻害するので消色状態を示
す。ここで言う非平衡状態とは、定常平衡的な溶解度の
値から逸脱した準平衡もしくは非平衡ではあるが長寿命
な状態を示す。この平衡状態(結晶)のとき発色、非平
衡状態(アモルファス)のとき消色を示す記録媒体をネ
ガ型記録媒体という。温度により制御可能な平衡−非平
衡変化を示す可逆剤としては、単独もしくは顕色剤や呈
色性化合物との組み合わせで結晶性と非晶質性を合わせ
持つ材料がより好適である。また、熱履歴により単独も
しくは顕色剤や呈色性化合物との組み合わせで結晶質−
結晶質転移を示す材料、あるいは非晶質−非晶質転移を
示す材料も用いることができる。呈色性化合物、顕色
剤、可逆剤からなる3成分系の典型的な発消色メカニズ
ムの簡易的なモデルを図1に示す。室温(Trt)におい
ては、呈色性化合物と顕色剤の相と可逆剤の相が相分離
した発色状態が、溶解度から見て平衡状態に近い。この
状態を融点(Tm)以上に加熱すると、顕色剤は呈色性
化合物との相互作用を失う一方で、流動状態の可逆剤と
相互作用した状態となり、結果として、融点以上では系
は色を失う。次いで、この溶融状態を急冷することによ
って系を強制的に固定すると、顕色剤と相互作用してい
た可逆剤は、平衡溶解度を越えた量の顕色剤を取り込ん
で非晶質化し、系は室温で無色化する。この非平衡状態
の非晶質は、ガラス転移点(Tg)以下の温度では極め
て長寿命であり、室温がTg以下であるならば容易に平
衡状態に移ることはない。次いで、非平衡状態の非晶質
を加熱してガラス転移点を越えると、系における顕色剤
の拡散速度が急激に高まるため、本来の平衡状態へ戻る
方向に顕色剤と可逆剤との相分離運動が加速される。相
分離による発色が決められた時間内で十分に達成できる
温度(Tc')では、顕色剤と相分離した可逆剤は急速に
結晶化するため、発色温度の下限値は結晶化温度(T
c)と考えても良い。結晶化温度以上(融点以下)で定
められた時間を過ごした組成系は、より平衡状態に近い
(より平衡な)相分離状態となり、系は発色状態とな
る。従って、結晶化温度Tc以上融点Tm未満及び融点
Tm以上の温度にまで可逆剤を加熱することが可能な、
互いに大きさの異なる2値の熱エネルギーを適宜供給す
れば、平衡−非平衡の相変化を可逆的に繰り返すことが
できるため、それに従って発色・消色状態を繰り返すこ
とができる。(厳密には、発色状態は顕色剤の平衡溶解
度や状態に依存するため、系の発色濃度は加熱温度と加
熱時間の影響を受けることを考慮する必要がある。)上
記の記録媒体は平衡状態(結晶)で発色、非平衡状態
(アモルファス)で消色を示すネガ型記録媒体である。
しかし、一般には発色速度と保存平衡性は相反する性質
であるため、呈色性化合物、顕色剤、可逆剤の3成分だ
けで両特性を同時に向上する事は困難である。その問題
を改善するためには相分離制御剤を添加した4成分系が
好ましい。 相分離制御剤とは、呈色性化合物、顕色
剤、可逆剤からなる組成物の融点よりも低い融点を有
し、その融点以下においては呈色性化合物と顕色剤の相
互作用による発色状態への影響が小さく、融点以上にお
いては顕色剤や呈色性化合物を溶解し、融点前後で顕色
剤や呈色性化合物の媒体での拡散速度が大幅に増加する
性質を有し、融解した相分離制御剤と顕色剤や呈色性化
合物との相互作用が、溶解(あるいは融解)した可逆剤
と顕色剤や呈色性化合物との相互作用より小さい性質を
有した、熱可塑性低分子有機材料である。この材料は、
他の材料に添加することにより、その融点近傍において
複合系の相分離速度を急激に上昇させる機能を有するた
め、相分離制御剤と呼ぶ。図2に、相分離制御剤を加え
た4成分系の典型的な発消色メカニズムの簡易的なモデ
ルを示す。室温(Trt)においては、媒体は消色状態と
発色状態の2種の状態を取り得る。これら2種の状態
は、その相溶性から呈色性化合物と顕色剤の相と可逆剤
の相と相分離制御剤の相が相分離した発色状態が平衡状
態に近い。この状態を組成系の融点(Tm1)以上に加熱
すると、顕色剤は呈色性化合物との相互作用を失う一方
で、流動状態の可逆剤と相互作用した状態となり、結果
として、融点以上では系は色を失う。次いで、4成分系
を溶融状態から冷却すると、3成分系と異なり、可逆剤
と相分離制御剤の相溶体が融点以下においても流動性を
保つ過冷却液体となり、顕色剤と流動状態の可逆剤とは
相互作用したまま(ガラス転移点Tg以下の)低温で凝
固し、可逆剤は平衡溶解度を越えた量の顕色剤を取り込
んで非晶質化して無色の非平衡状態になる。(従って、
4成分系では急冷でも徐冷でも無色の非平衡状態を得る
ことができる。)4成分系の非平衡状態の非晶質も、ガ
ラス転移点(Tg)以下の温度では極めて長寿命であ
り、室温がTg以下であるならば容易に平衡状態に移る
ことはない。次いで、4成分系の非平衡状態の非晶質を
加熱してガラス転移点を越えると、3成分系同様に、系
における顕色剤の拡散速度が急激に高まるため、本来の
平衡状態へ戻る方向に顕色剤と可逆剤との相分離運動が
加速される。更に、相分離制御剤の融点(Tm2)を越え
ると、液化した相分離制御剤が顕色剤の一部と可逆剤の
一部を溶解し、顕色剤と可逆剤との相分離は、顕色剤や
呈色性化合物の拡散速度の飛躍的な増加により大幅に促
進され、短時間で顕色剤と呈色性化合物の会合は終了す
る。ただし、この時点では顕色剤は呈色性化合物に作用
せず、系は消色状態もしくは半消色状態となる。この状
態から再び系の温度を相分離制御剤の融点以下に下げる
と、相分離した顕色剤と呈色性化合物は相互作用し、系
はより平衡状態に近い(より平衡な)発色状態となる。
相分離制御剤を含有する組成系の発色速度は、ガラス転
移点の前後で2〜4桁、融点の前後で更に3〜4桁変化
する。従って、4成分系では系の融点(Tm1)と相分離
制御剤の融点(Tm2)まで加熱することが可能な、互い
に大きさの異なる2値の熱エネルギーを適宜供給すれ
ば、極めて高速で平衡−非平衡の相変化を可逆的に繰り
返すことができ、急冷・徐冷の熱履歴に因らず発色・消
色状態を繰り返せる。上記の記録媒体においては、顕色
剤はこれまで感熱紙等で用いられてきた通常の顕色剤が
用いられる。この記録媒体は平衡状態(結晶)で発色、
非平衡状態(アモルファス)で消色を示すネガ型記録媒
体である。一方、顕色剤として長鎖アルキル基を有する
化合物を用いると呈色性化合物と組み合わせた2成分系
記録媒体が作製できる。この記録媒体は非平衡状態(ア
モルファス)が発色を示し、平衡状態(結晶)が消色を
示すポジ型記録媒体である。我々は縮合環を複数連結し
た長鎖アルキル基を有する顕色剤が、熱安定性と記録消
去速度に優れた媒体を与えることを提案した。これらの
2成分媒体は平衡状態が顕色剤の高い結晶性のため相分
離状態であり、顕色剤と呈色性化合物との相互作用は小
さく、発色濃度は低い。また、非平衡状態は2成分が混
合した状態であり、相互作用が大きく発色状態となる
(ポジ型記録媒体)。このポジ型記録媒体の2成分媒体
系においても前記、相分離制御剤の添加は有効であり、
極めて高速で平衡−非平衡の相変化を可逆的に繰り返す
ことができ、急冷・徐冷の熱履歴に因らず発色・消色状
態を繰り返せる。以上が我々がすでに特許出願し提案し
てきた内容である。
【0010】本発明の書換え型多色感熱シートは、平衡
状態(結晶)より、平衡状態を溶融急冷して生成する非
平衡状態(アモルファス)の方が着色濃度が低い、前記
呈色性化合物、顕色剤、可逆剤の3成分もしくは相分離
制御剤を加えた4成分の書換え型感熱記録媒体(ネガ型
記録媒体)と、平衡状態(結晶)より、平衡状態を溶融
急冷して生成する非平衡状態(アモルファス)の方が着
色濃度が高い前記呈色性化合物と長鎖顕色剤の2成分も
しくは相分離制御剤を加えた3成分の書換え型感熱記録
媒体(ポジ型記録媒体)の両者を同一表示面に含有し、
多色画像パターンの領域中に文字もしくは画像情報を表
示することを特徴とする。すなわち本発明は、平衡状態
が発色の媒体(ネガ型記録媒体)と、平衡状態が非発色
の媒体(ポジ型記録媒体)を組み合わせることによっ
て、濃い色や薄い色、黒や白と言った色彩をすべて安定
な平衡状態の媒体のみを用いて表現できるようになる。
このことは基本的にどのような絵画や表示パターンでも
表現できることになる。どちらか一方の媒体のみの場合
複雑なカラー表示は難しい。さらに本発明では、TPH
を用いて文字パターンや情報をすべての領域に表示でき
る。例えば薄い色や白色領域(ポジ型記録媒体)にはT
PHにより発色させた情報を印字し、濃い色や黒色領域
(ネガ型記録媒体)にはTPHにより無色かもしくはよ
り薄い色の情報を印字できる。
【0011】このような効果は特にカード媒体において
特に有効である。現在、種々のカードが実用化している
が、そのほとんどには何がしかのカラーの絵やパターン
が表示されている。したがって、本発明の書換え型カー
ドでは、カラーの絵やパターンがかかれた上に情報を書
き込み、消去することができるため、カードにさらに付
加価値を加えることができる。
【0012】本発明の書換え型多色感熱シートでは、2
種類の媒体の領域の間に書換え操作によって変色しない
分離層を有してもよい。これにより、2つの媒体の混合
による混色や、リライタブル特性の劣化を防ぐことがで
きる。
【0013】また、本発明の書換え型多色感熱シートで
は、さらに書換え操作によって変色しない染料を添加す
ることを特徴とする。これにより無色化した場合にも色
をつけることができ、特に黄色色素の添加は表示にとっ
て都合がよい。
【0014】また本発明の書換え型多色感熱シートで
は、平衡状態より、平衡状態を溶融急冷して生成する非
平衡状態の方が着色濃度が高い書換え型感熱記録媒体が
少なくとも呈色性可能物、顕色剤を含有し、かつ該顕色
剤の融点が、100℃以上であることを特徴とする。一
般に可逆剤を用いた記録媒体の融点は高く、結晶化温度
も高い。したがって、長鎖アルキル顕色剤をもちいた2
成分媒体との組み合わせにおいて、長鎖アルキル顕色剤
の融点が100℃未満では、可逆剤を用いた媒体の発色
操作(平衡状態に戻す操作)において長鎖アルキル顕色
剤が融解して非平衡状態になってしまい、シート全体を
平衡状態にすることが不可能になる。
【0015】また本発明の書換え型多色感熱シートは、
平衡状態(結晶)より、平衡状態を溶融急冷して生成す
る非平衡状態(アモルファス)の方が着色濃度が低い書
換え型感熱記録媒体(ネガ型記録媒体)と、平衡状態
(結晶)より、平衡状態を溶融急冷して生成する非平衡
状態(アモルファス)の方が着色濃度が高い書換え型感
熱記録媒体(ポジ型記録媒体)の少なくとも一方が、画
素サイズもしくは膜厚を越えることのない大きさの書換
え型感熱記録媒体のクラスターと、前記クラスターの表
面を覆い前記クラスターを膜化するマトリクス材料から
構成されていることを特徴とする。また前記マトリクス
材料が、前記クラスターを被覆する被覆材料と、被覆ク
ラスターを膜化支持する構造材料から構成されているこ
とを特徴とする。このように媒体を微小に区分すること
により、各成分の大きな分離を防ぐことができ、繰り返
し耐性や保存安定性が増す。また、マイクロカプセル化
すれば、インク化が容易になると共に、同一領域で異な
った記録媒体を混合もしくは積層することにより、多色
表示が可能となる。
【0016】本発明で用いることのできる呈色性化合物
としては、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド
類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン
類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、
インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類等の電子
供与性有機物が挙げられる。具体的には、クリスタルバ
イオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーンラ
クトン、2-アニリノ-6-(N-シクロヘキシル-N- メチルア
ミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-3- メチル-6-
(N-メチル-N- プロピルアミノ)フルオラン、3-[4-(4-
フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ-6-
メチル-7- クロロフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチ
ル-N- イソブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニ
リノ-6-(ジブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、3-クロ
ロ-6-(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2-クロロ-6
-(ジエチルアミノ)フルオラン、7-(N,N- ジベンジルア
ミノ)-3-(N,N-ジエチルアミノ)フルオラン、3,6-Bis
(ジエチルアミノ)フルオラン−γ-(4'- ニトロ)アニ
リノラクタム、3-ジエチルアミノベンゾ[a]-フルオラ
ン、3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- アミノフルオラ
ン、3-ジエチルアミノ-7- キシリジノフルオラン、3-(4
- ジエチルアミノ-2- エソキシフェニル)-3-(1- エチル
-2- メチルインドール-3- イル)-4-アザフタライド、3-
(4- ジエチルアミノフェニル)-3-(1- エチル-2- メチル
インドール-3- イル)フタライド、3-ジエチルアミノ-7
- クロロアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-
ベンゾフルオラン、3,3-Bis(1-n-ブチル-2- メチルイン
ドール-3- イル)フタライド、3,6-ジメチルエソキシフ
ルオラン、3-ジエチルアミノ-6- メソキシ-7- アミノフ
ルオラン、DEPM、ATP,ETAC、2-(2- クロロ
アニリノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、クリスタルバ
イオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノ
ール、N-(2、3- ジクロロフェニル)ロイコオーラミ
ン、N-ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、
N-アセチルオーラミン、N-フェニルオーラミン、2-(フ
ェニルイミノエタンジリデン)-3,3-ジメチルインドリ
ン、N-3,3-トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、
8’- メトキシ-N-3,3- トリメチルインドリノベンゾス
ピロピラン、3-ジエチルアミノ-6- メチル-7- クロロフ
ルオラン、3-ジエチルアミノ-7- メトキシフルオラン、
3-ジエチルアミノ-6- ベンジルオキシフルオラン、1,
2-ベンツ-6- ジエチルアミノフルオラン、3,6-ジーp-
トルイジノ-4,5- ジメチルフルオラン- フェニルヒドラ
ジド−γ- ラクタム、3-アミノ-5- メチルフルオラン等
が例示される。これらは1種または2種以上を混合して
用いることが可能である。呈色性化合物を適宜選択すれ
ば多様な色の発色状態が得られることからカラー対応も
容易で、かつ呈色性化合物以外に着色染料等を組み合わ
せて用いれば結晶質及び非晶質のいずれの場合において
も所望の着色状態を得ることができる。
【0017】また、顕色剤としては、フェノール類、フ
ェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンゾフェノ
ン類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金
属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等が挙げられ、こ
れらを1種または2種以上混合して用いる。
【0018】可逆剤が結晶性と非晶質性を合わせ持つ場
合には、顕色剤(もしくは呈色性化合物のいずれか一
方)と可逆剤との相互作用により、あるいは顕色剤(も
しくは呈色性化合物)と可逆剤が相互に溶解することに
より、非晶質状態の消色状態を呈し、例えば加熱や応力
変化により、顕色剤(もしくは呈色性化合物)が可逆剤
から相分離して可逆剤の粒界に呈色性化合物及び顕色剤
が溶出もしくは偏析することにより発色状態を呈する。
可逆剤が結晶質の場合に、顕色剤(もしくは呈色性化合
物のいずれか一方)が可逆剤とともに混晶を形成して、
呈色性化合物及び顕色剤の他方とほぼ完全に相分離さ
れ、呈色性化合物と顕色剤との相互作用が減少して消色
状態を呈し、例えば加熱や応力変化により、顕色剤(も
しくは呈色性化合物)が可逆剤から相分離して可逆剤の
粒界に呈色性化合物及び顕色剤が溶出もしくは偏析する
ことにより発色状態を呈する。
【0019】本発明に好適な可逆剤としては、ステロイ
ド骨格のように円柱状に近く嵩高い分子骨格を有したア
ルコール基を含有する化合物などであり、逆に分子量が
100未満の低分子化合物や分子量が100以上であっ
ても直鎖状長鎖アルキル誘導体や平面状芳香族化合物は
適さない。このような可逆剤に好適な具体的な材料とし
てはステロイド系アルコール、より具体的にはコレステ
ロール、ステグマステロール、プレグネノロン、メチル
アンドロステンジオール、エストラジオールベンゾエー
ト、エピアンドロステン、ステノロン、β−シトステロ
ール、プレグネノロンアセテート、β−コレスタロー
ル、5,16−プレグナディエン-3β−オール-20-ワン、5
α−プレグネン-3β−オール-20-ワン、5-プレグネン-3
β,17- ジオール-20-ワン 21-アセテート、5-プレグネ
ン-3β,17- ジオール-20-ワン 17-アセテート、5-プレ
グネン-3β,21- ジオール-20-ワン 21-アセテート、5-
プレグネン-3β,17- ジオールジアセテート、ロコゲニ
ン、チゴゲニン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオス
ゲニン及びそれらの誘導体、及びそれらを含む混合物な
どが挙げられる。
【0020】本発明に用いる記録媒体においては、組成
系のガラス転移温度Tgが低く室温に近いと、環境温度の
わずかな上昇により呈色性化合物や顕色剤の拡散による
相分離や系の結晶化の進行が進みやすく、記録の熱安定
性が低下する傾向がある。従って、本発明で組成系の全
体または一部が非晶質を形成したときのガラス転移温度
Tgは、25℃以上さらには50℃以上であることが好まし
い。この点を考慮すると、呈色性化合物にも、分子量が
大きくかつ重量当りの融解エンタルビ△H が小さい、例
えば球状に近く嵩高い分子骨格を有する化合物や、分子
間で水素結合を形成し得る複数のサイトを有する化合物
を用いることが好適であるなお、上記とは逆に、例えば
ガラス転移温度Tgを室温に近い組成系を用いれば、記録
された情報が所望の期間だけ保有された後に、自然に消
去される書扱え型感熱記録媒体を実現することも可能と
なる。さらに、特珠な用途においては、ガラス転移温度
Tgが室温より低い組成系を用いることもできる。このよ
うな特殊な用途として、冷蔵が必要な物質を収納する冷
蔵庫で故障や運搬等に一時的な温度上昇が発生した場合
に、組成系の結晶化に伴う着色状態の変化を表示するこ
とが考えられる。
【0021】一方、本発明において組成系のガラス転移
温度Tgが高すぎると、情報の記録・消去を行うに当たっ
て、結晶化温度Tc以上融点Tm未満あるいは融点Tm以上の
温度にまで組成系を加熱する際に、大きな熱エネルギー
が必要となり省エネルギーの点で不利となる。従って、
本発明における組成系のガラス転移温度Tgは150 ℃以下
であることが好ましい。
【0022】ここで、混合物のガラス転移温度Tgは、一
般に、配合された各成分のガラス転移温度Tgの重量平均
的な億を示すことが知られている。したがって、本発明
の組成系のガラス転移温度Tgを所望の値に設定するに
は、組成系中の各成分のそれぞれのガラス転移温度Tgを
制御することが有効である。
【0023】本発明の書扱え型感熱記録媒体では組成系
中に配合される呈色性化合物、顕色剤及び可逆剤とし
て、それぞれ個々にガラス転移温度Tgが25℃以上さらに
は50℃以上である化合物を用いることが好ましい。また
記録の熱安定性を考慮すると、特に可逆剤の融点は100
℃以上であることが望ましい。
【0024】本発明の感熱記録媒体における組成系およ
びこの組成系に含まれる各成分のガラス転移温度Tgに関
しては、例えば示差走査型熱量分析装置(DSC )を使用
して、組成系の全体あるいは一部、およぴ組成系中の各
成分ごとに測定することができる。
【0025】一方、明確なガラス転移温度Tgを有する非
晶質を形成しやすい成分では、一般にガラス転移温度Tg
と融点Tmの間にTg=a ・Tm(a は0 .65〜0 .8 ;ただ
しTg、Tmは絶対温度)が成立する。このため、組成系や
組成系中の各成分のガラス転移温度Tgを高く設定する
と、結果的に組成系の融点Tmも高くなる。この場合、記
録の熱安定性の向上を図ることができる反面、組成系を
融解する際に非常に高温まで加熱する必要がある。これ
に伴って、例えば耐熱他の優れた基板が求められ、実用
性が低下する。
【0026】この問題を回避するには、複数の結晶形を
形成する組成系を用いることが有効である。具体的に複
数の結晶形を形成する組成系を調製するには、例えば組
成系中の顕色剤や可逆剤について、複数の結晶形を形成
し得る成分を用いればよい。
【0027】本発明において、呈色性化合物及び顕色剤
を含有し可逆剤を含有しない組成系では、呈色性化合物
と顕色剤との配合此は、呈色性化合物1 重量部に対し顕
色剤を0 .02〜100 重量部、さらには0.2 〜5 重量部に
設定することが好ましい。顕色剤が0.02重量部未満だ
と、記録または消去時に呈色性化合物と顕色剤との相互
作用を十分に増大させることが困難である。逆に顕色剤
が100 重量部を適えると、発色状態での発色濃度が低下
する傾向がある。呈色性化合物、顕色剤及び可逆剤を含
有する組成系では、呈色性化合物と顕色剤との配合比
は、呈色性化合物1 重量部に対し顕色剤が0 .1 〜10重
量部、さらには1 〜2 重量部に設定することが好まし
い。顕色剤が0 .1 重量部未満だと、記録または消去時
に呈色性化合物と顕色剤との相互作用を十分に増大させ
ることが困難である。逆に顕色剤が10重量部を超える
と、記録または消去時に呈色性化合物と顕色剤との相互
作用を十分に減少させることが困難となる。また可逆剤
の配合比は、呈色性化合物1 重量部に対し1 〜200 重量
部、さらには10〜100 重量部に設定することが好まし
い。可逆剤が1 重量部未満では、組成系の結晶質一非晶
質転移あるいは相分離状態の変化を起こさせることが困
難になる。可逆剤が200 重量部を超えると、発色状態で
の発色濃度が低下する傾向がある。
【0028】結晶性と非晶質性を合わせ持つステロイド
系アルコールの可逆剤に対応する相分離制御剤材料とし
ては、炭素数が8以上の長直鎖(CH2 )n 部と極性基
(例えばOH,CO,COOH等)を有する結晶性の強
い低分子有機材料が好適である。具体的には、1−ドコ
サノール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコサノー
ル、1−オクタコサノールなどを代表とする直鎖高級1
価アルコール、あるいは1,12−ドデカンジオール、
1,12−オクタデカンジオール、1,2−テトラデカ
ンジオール、1,2−ヘキサデカンジオールなどを代表
とする直鎖高級多価アルコール、あるいはベヘン酸、1
−ドコサン酸、1−テトラコサン酸、1−ヘキサコサン
酸、1−オクタコサン酸などを代表とする直鎖高級脂肪
酸、あるいはドデカン2酸、1,12−ドデカンジカル
ボキシル酸などを代表とする直鎖高級多価脂肪酸、ステ
アロンを代表とする直鎖高級ケトン、あるいはステアリ
ン酸イソプロパノールアミド、ベヘン酸イソプロパノー
ルアミド、ベヘン酸ヘキサノールアミドなどを代表とす
る直鎖高級脂肪酸アルコールアミド、あるいはエチレン
グリコールラウリン酸ジエステル、カテコールラウリン
酸ジエステル、シクロヘキサンジオールラウリン酸ジエ
ステルなどを代表とする直鎖高級脂肪酸ジオールジエス
テルなどを単体もしくは複数材料の混合体があることを
実験により確認した。また、混合体の一例としては、エ
ステル系ワックス、アルコール系ワックス、ウレタン系
ワックスに、相分離制御剤として使用できる材料があ
る。
【0029】本発明に用いられる記録媒体中に相分離制
御剤が混合される場合の配合比は、呈色性化合物1 重量
部に対し0 .1 〜100 重量部、さらには1 〜50重量部と
することが好ましい。相分離制御剤が0 ・1 重量部未満
だと、組成系の相分鞋速度を高める効果がほとんど得ら
れない。相分離制御剤が100 重量部を越えると、組成系
の非平衝状態が不安定になり、記録の熱安定性が低下す
るおそれがある。
【0030】本発明に用いられる記録媒体においては、
呈色性化合物、顕色剤、可逆剤及び相分離制御剤以外の
成分として、着色染料、蛍光染料、紫外線吸収剤、断熱
剤、蓄熱剤等を適宜配合してもよい。このとき、組成系
中に含有される呈色性化合物に応じて着色染料等を適宜
選択すれば、発色状態及び消色状態のいずれの場合にお
いてもあらゆる所望の着色状態を得ることが可能とな
る。
【0031】本発明の書換え型多色感熱シートは、平衡
状態より、平衡状態を溶融急冷して生成する非平衡状態
の方が着色濃度が低い書換え型感熱記録媒体と平衡状態
より、平衡状態を溶融急冷して生成する非平衡状態の方
が着色濃度が高い書換え型感熱記録媒体の少なくとも一
方が、画素サイズもしくは膜厚を越えることのない大き
さの書換え型感熱記録媒体のクラスターと、前記クラス
ターの表面を覆い前記クラスターを膜化するマトリクス
材料から構成されていることを特徴としたり、前記マト
リクス材料が、前記クラスターを被覆する被覆材料と、
被覆クラスターを膜化支持する構造材料から構成されて
いることを特徴とすることもできる。これらを実現する
方法の一つがマイクロカプセル化技術である。
【0032】本発明の書換え型多色感熱シートを記録媒
体から作製する方法としては、記録媒体の融液を薄く引
き延ばせば薄膜状シートにすることもできる。一方、組
成物を適切な溶媒に溶解させキャストすることにより薄
膜にすることもできる。このようにして形成される薄膜
の膜厚は0 .5 μm 以上50μm 以下であることが好まし
い。薄膜の膜厚が薄すぎると、得られる感熱記録媒体に
おいて発色状態での発色濃度が不十分となるおそれがあ
る。逆に薄膜の膜厚が厚すぎると、記録・消去時に大き
な熱エネルギーが必要となって高速での記録・消去を行
うことが困難になる。
【0033】本発明の書換え型多色感熱シートにおいて
は、感熱記録媒体の強度向上の観点から、記録材料とし
ての上述したような組成物を適当な媒質中に担挿させて
もよい。具体的には、ポリマーシートヘの含浸、バイン
ダーポリマー中への分散、無機ガラスヘの分散、多孔質
基材への含浸、層状物質へのインターカレーション、マ
イクロカプセル化等が挙げられる。
【0034】具体的にポリマーシートに組成物を含浸さ
せるには、組成物を保持できる十分な空間を有するポリ
マーシートを用い、組成物を無溶媒で融解させた融液か
適切な溶媒に溶解せしめた溶液を含浸させる。このとき
用いられるポリマーは、感熱記録媒体の表面の均一性を
考慮すると、組成物の融液あるいは溶液との濡れ性が高
いほどよい。具体例としてはポリエーテルエーテルケト
ン類;ポリカーボネート類;ポリアリレート類;ポリス
ルフォン類;四フツ化エチレン樹脂類;四フツ化エチレ
ン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フツ
化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、四フツ化エチレン・六フツ化プロピレン共重合
体、四フツ化エチレン・エチレシ共重合体等の四フツ化
エチレン共重合体;三フツ化塩化エチレン樹脂類;フツ
化ビニリデン樹脂類;含フツ素ポリペンゾオキサゾール
頻;ポリプロピレン類;ポリビニルアルコール類;ポリ
塩化ビニリデン類;ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等
のポリエステル類;ポリスチレン類;ナイロン66等のポ
リアミド頻;ポリイミド類;ポリイミドアミド頻;ポリ
エーテルスルフォン類;ポリメチルペンテン類;ポリエ
ーテルイミド類;ポリウレタン類;ポリブタジエン類;
メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロー
ル、ニトロセルロース等のセルロース類;ゼラチン;ア
ラビアゴム;中性紙、酸性紙を始めとする各種紙類等が
挙げられる。特にセルロース類及び中性紙は、組成物の
融液あるいは溶液が浸透しやすく、かつ得られる感熱記
録媒体の発色濃度が高く消色濃度が低くなる点で好まし
い。
【0035】バインダーポリマー中に組成物を分散させ
る場合には、組成物の融液あるいは溶液もしくは微粒子
を調製し、必要に応じてその他の成分を添加し、バイン
ダーポリマーとともに各種分散法で分散させる。得られ
た生成物を適当な基材上に塗布してもよい。バインダー
ポリマーとしては、ポリエチレン類;塩素化ポリエチレ
ン頻;エチレン・酔酸ビニル共重合体、エチレン・アク
リル酸・無水マレイン酸共重合体等のエチレン共重合
体;ポリブタジエン頻;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等のポリエステル類;ポリプロピレン類;ポリイソブ
チレン類;ポリ塩化ビニル類;ポリ塩化ビニリデン類;
ポリ酢酸ビニル類;ポリビニルアルコール頻;ポリビニ
ルアセタール類;ポリビニルブチラール類;四フツ化エ
チレン樹脂類;三フツ化塩化エチレン樹脂類;フツ化エ
チレン・プロピレン樹脂類;フツ化ビニリデン樹脂類;
フツ化ビニル樹脂類;四フツ化エチレン・パーフルオロ
アルコキシエチレン共重合体、四フツ化エチレン・パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フツ化エ
チレン・六フツ化プロピレン共重合体、四フツ化エチレ
ン・エチレン共重合体等の四フツ化エチレン共重合体;
合フツ素ポリベンゾオキサゾール等のフツ素材脂頻;ア
クリル樹脂類;ポリメタクリル酸メチル等のメタクリル
樹脂類;ポリアクリロニトリル類;アクリロニトリル・
ブタジエン・ステレン共重合体等のアクリロニトノル共
重合体;ポリスチレン類;ハロゲン化ポリスチレン薪;
ステレン・メタクリル酸共重合体、スチレン・アクリロ
ニトリル共重合体等のスチレン共重合体;ポリスチレン
スルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等の
イオン性ポリマー;アセタール樹脂顆;ナイロン66等の
ポリアミド類;ゼラチン;アラビアゴム;ポリカーボネ
ート類;ポリエステルカーボネート類;セルロース系樹
脂類;フェノール樹脂類;ユリア樹脂類;エポキシ樹脂
類;不飽和ポリエステル樹脂類;アルキド樹脂類;メラ
ミン樹脂類;ポリウレタン類;ジアリールフタレート樹
脂類;ポリフェニレンオキサイド類;ポリフェニレンス
ルフイド頻;ポリスルフォン類;ポリフェニルサルフォ
ン類;シリコーン樹脂類;ポリイミド類;ビスマレイミ
ドトリアジン樹脂類;ポリイミドアミド類;ポリエーテ
ルスルフォン類;ポリメチルペンテン類;ポリエーテル
エーテルケトン類;ポリエーテルイミド類;ポリビニル
カルバゾール類;ノルボルネン系非晶質ポリオレフイン
類等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0036】上記の分散法としては、ミキサー法、サン
ドミル法、ボールミル法、インベラーミル法、コロイド
ミル法、3 本ロールミル法、ニーダー法、2 本ロール
法、バンパリーミキサー法、ホモジナイザー法、ナノマ
イザー法等を挙げることができる。これらの分散法は、
融液あるいは溶液の粘度や感熱記録媒体の用途、形態等
に応じて適宜選択すればよい。さらに基材等の上への塗
布法については、スピン塗布法、引上げ塗布法、エアド
クター塗布法、ブレード塗布法、ロッド塗布法、ナイフ
塗布法、スクイズ塗布法、含浸塗布法、リバースロール
塗布法、トランスファー塗布法、グラビア塗布法、キス
ロール塗布法、キャスト塗布法、スプレー塗布法、カー
テン塗布法、カレンダー塗布法、押し出し塗布法、静電
塗布法等を利用することが可能である。これらの塗布法
も、感熱記録媒体の用途、形態等に応じて適宜選択する
ことができる。
【0037】本発明の書換え型多色感熱シートにおい
て、記録材料となる組成物をバインダーポリマー中に分
散させる場合、バインダーポリマーの配合比が呈色性化
合物1重量部当り0 .01〜100 重量部、さらには0 ・05
〜20重量部となるように設定することが好ましい。これ
は、バインダーポリマーが0 .01重量部未満では感熱記
録媒体の強度向上が小さく、100 重量部を超えると発色
状態での発色濃度が低下する傾向があるからである。
【0038】本発明の書換え型多色感熱シートにおい
て、記録材料となる組成物を無機ガラスシートに担挿さ
せる場合、いわゆるゾル−ゲル法で作製できる無磯ガラ
スを用いることが好ましい。その際ゲル化温度があまり
高くないことが望まれる。また、多孔質基材としては各
種無機化合物、層状物質としては雲母、粘土鉱物、滑
石、緑石等が例示される。
【0039】被膜の内部に組成物を包み込んだマイクロ
カプセルを作製するには、界面重合法、in−situ重合
法、液中硬化被覆法、水溶液系からの相分離法、有機溶
液系からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁法、ス
プレードライング法等を用いることができる。これらの
方法は、感熱記録媒体の用途、形態等に応じて適宜選択
することができる。マイクロカプセルの被膜としては、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹
脂、フラン樹脂等の縮合系ポリマー、スチレンージビニ
ルベンゼン共重合体、メチルメタクリレート−ビニルア
クリレート共重合体等の三次元架橋ビニルポリマー等の
熱硬化性樹脂や、組成物を分散させるバインダーポリマ
ーとして開示した熱可塑性樹脂を適宜用いることができ
る。また、上記の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選
択される2 種以上用いて、マイクロカプセルを構成する
多層の被膜を形成してもよい。この場合、マイクロカプ
セルの熱安定性を向上させる観点から、被膜の最外殻に
は熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。また、こうし
て得られたマイクロカプセルをバインダーポリマーや無
機ガラス中に分散させてもよい。この場合、組成物自体
は媒質への分散性が十分でない場合でも、マイクロカプ
セルを形成して分散させれば良好な分散状態を得ること
もできる。
【0040】本発明の書換え型多色感熱シートの使用形
態は特に限定されず、各種の媒質や繊維と複合化した形
態で使用してもよく、さらに適当な基材上に組成物の薄
膜からなる記録層を形成した形着で使用してもよい。こ
のような基材としては、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム等のプラスチックフィルム、プラスチック板、金
属板、半導体基板、ガラス板、木坂、紙、OHP シート等
を用いることができる。また、マイクロカプセルを調製
した後、塗料やインクとして基材上に塗布し、この後必
要に応じ乾燥させて使用してもよい。この場合、マイク
ロカプセル毎に異種の呈色性化合物を用いることにより
カラー対応が容易である。また、異種の呈色性化合物を
含有しかつ結晶化温度Tcや融点Tmが互いに異なる異種の
組成物を包み込んだ複数種のマイクロカプセルや、非平
衝状態が着色状態か無色状態か異なる複数種のマイクロ
カプセルを用意し、これらを所望の配合比で混合して用
いれば、供給する熱エネルギーの大きさで着色状態を制
御することができる。したがって、例えばシアン、マゼ
ンタ、イエロー各色の呈色性化合物によるマルチカラー
やフルカラー対応も可能である。
【0041】また本発明の書換え型多色感熱シートにお
いては、組成物の薄膜からなる記録層の耐久性の向上
や、記録層に熱エネルギーを供給するためのサーマルプ
リンターヘッド(TPH )へのスチッキング防止等の観点
から、記録層上に保護層を設けてもよい。保護層の材料
としては、ワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光
硬化性樹脂、水溶性樹脂、ラテックス等が挙げられる。
保護層の厚さは0 .1 〜100 μm 程度とすることが好ま
しい。さらに、このような保護層中に、熱離型剤、滑
材、耐熱材、帯電防止材等が適宜配合してもよい。具体
的には、上述したような成分を溶媒中に溶解あるいは分
散させた溶液を記録層の上に塗布した後、乾燥させるこ
とにより保護層を形成することができる。また、予め接
着剤を塗布した耐熱性フィルムをドライラミネート法で
記録層に接着させて保護層を形成してもよい。一方、基
材と記録層との密着性向上、耐溶剤性向上等を図るため
に、基材と記録層との間に下引き層を設けてもよい。
【0042】上記の耐熱性フィルムは、記録材料となる
組成物の融点以上の熱変形温度を有するものであれば特
に限定されない。飼えばポリエーテルエーテルケトン
類;ポリカーボネート類;ポリアリレート類;ポリスル
フォン類;四フツ化エチレン樹脂頻;四フツ化エチレン
・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フツ化
エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、四フツ化エチレン・六フツ化プロピレン共重合体、
四フツ化エチレン・エチレン共重合体等の四フツ化エチ
レン共重合体;三フツ化塩化エチレン樹脂類;フツ化ビ
ニリデン樹脂類;シリコーン樹脂類;含フツ素ポリベン
ゾオキサゾール類;ポリプロピレン類;ポリビニルアル
コール類;ポリ塩化ビニリデン類;ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル類;ポリステレン類;
ナイロン66などのポリアミド類;ポリイミド類;ポリイ
ミドアミド類;ポリエーテルスルフォン類;ポリメチル
ベンテン類;ポリエーテルイミド類;ポリウレタン類;
ポリブタジエン類等の高分子化合物のシートを用いるこ
とができる。これらは、熱源や感熱記録媒体の用途、形
態等に応じて適宜選択して使用することができる。ま
た、接着剤としては、ドライラミネート法で一般的に用
いられるアクリル樹脂類;フェノキシ樹脂類;アイオノ
マー樹脂類;エチレン・酢酸ビニル共立合体、エチレン
・アクリル酸・無水マレイン酸共重合体等のエチレン共
重合体;ポリビニルエーテル類;ポリビニルホルマール
類;ポリビニルブチラール類;ゼラチン;アラビアゴ
ム;ポリエステル類;ポリスチレン類;スチレン・アク
リル酸共重合体等のスチレン共重合体;酢酸ビニル樹脂
類;ポリウレタン類;キシレン樹脂類;エポキシ樹脂
類;フェノール樹脂類;尿素樹脂類等が例示される。本
発明の感熱記録媒体において、結晶質−非晶質転移ある
いは相分離状態の変化に基づく記録・消去を行うために
は、上述した通り互いに大きさの異なる2 値の熱エネル
ギーを供給するか、あるいは融点Tm以上に加熱した後の
冷却速度が互いに異なる2 種の熱履歴を供給する。
【0043】記録時に熱エネルギーを供給するには、サ
ーマルヘッド(例えばTPH )、レーザー光等の熱源を用
いることが好ましい。このうちサーマルヘッドは、分解
能はさほど大きくないが、感熱記録媒体を大面積にわた
って加熱することができ、かつ装置の小型化の上で有利
である。−方、レーザー光は、スポット径を小径化する
ことにより高密度記録への対応が容易であり、さらに記
録・消去速度を高速化できる点で好ましい。ただし、レ
ーザー光を使用する場合、透光性の良好な非晶質の組成
物に対してもレーザー光を効率よく吸収させるために、
レーザー光の波長に吸収帯を有する光吸収層を設ける
か、あるいは組成物中にレーザー光の波長に吸収帯を有
する化合物を配合することが望ましい。消去時に熱エネ
ルギーを供給するには、感熱記録媒体全体を一度に加熱
できるホットスタンプ法や熱ロール法等の熱源を用いる
ことが好ましい。このとき本発明では耐熱性の高いネガ
型記録媒体と比較的低いポジ型記録媒体と両方を含有し
ているので、消去温度はポジ型記録媒体の融点よりも3
0℃以下で行うことが好ましい。また加熱された感熱記
録媒体を冷却する際には、自然放冷してもよいが、冷ス
タンプ、冷ロール、冷気流またはベルチェ素子を使用し
て急冷することが好ましい。さらに本発明の感熱記録媒
体では、エネルギーの異なるサーマルヘッドあるいはレ
ーザー光出力を使用することにより、オーバーライト記
録を実現することもできる。
【0044】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 第一の記録媒体液として、呈色性化合物として青色ロイ
コ色素であるクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)を1 .0 重量部、顕色剤として化学式(1)で表さ
れるフェノール性化合物1 .0 重量部、可逆剤として下
記化学式(2)で示されるプレグレノロン10重量部、
バインダーポリマーとしてポリメチルメタクリレート3
重量部をそれぞれ配合した後、トルエンに分散させた。
【0045】
【化1】
【0046】
【化2】
【0047】第二の記録媒体液として、呈色性化合物と
して赤色フルオラン色素であるインドリアルレッド(山
本化成製)を1 .0 重量部、顕色剤として上記化学式
(1)で表されるフェノール性化合物1 .0 重量部、可
逆剤としてプレグレノロン10重量部、バインダーポリ
マーとしてポリメチルメタクリレート0.5重量部をそ
れぞれ配合した後、トルエンに分散させた。
【0048】第三の記録媒体液として、呈色性化合物と
して黒色フルオラン色素であるPSD−150(日本曹
達製)を1 .0 重量部、顕色剤として下記化学式(3)
で表される長鎖アルキル基を有するビスフェノール性化
合物1 .0 重量部、バインダーポリマーとしてポリメチ
ルメタクリレート0.2重量部をそれぞれ配合した後、
トルエンに分散させた。
【0049】
【化3】
【0050】これらの液をスクリーン印刷器を用いて、
厚さ50μmのPETフィルム上に印刷し、膜厚約10μ
m の薄膜を形成し、書換え型多色感熱シートを作製し
た。このフィルムを紙で作製したカードに接着剤で貼り
付け、さらにこの上に光硬化性エポキシ樹脂を塗布した
後、光硬化させて膜厚0.4μm の保護膜を形成した。
このカード全面に熱ロールを押圧した後、室温で自然放
冷することにより、記録媒体を結晶化させた。
【0051】得られた感熱記録カードを図3に示す。ま
た、その断面を図4に示す。この感熱記録カードは、青
い空、赤い富士山、白い雲および雪からなる絵を表示し
ている。またこの感熱記録カードは、紙の台紙41上
に、接着層42を介してPETフィルム43、書換え層
44、保護層45が形成されている。
【0052】得られた感熱記録媒体に対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄12
V 、パルス幅0 .8msec で加熱印字を実施した。その結
果、印字部が非晶質化して青い領域には白い文字が、赤
い領域にも白い文字が、そして白い領域には黒い文字が
それぞれ印字された。
【0053】次に全面にホットスタンプを2秒押圧し、
室温で放置したところ、やはり印字部が結晶質に戻り、
記録の消去を行うことができた。上記と同様の記録・消
去を100 サイクル行っても表示が劣化することはなかっ
た。また、30℃で1 年間放直した後も印字状態に変化は
認められなかった。
【0054】実施例2 第一の記録媒体液として、呈色性化合物として青色ロイ
コ色素であるクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)を1 .0 重量部、顕色剤として上記化学式(1)で
表されるフェノール性化合物1 .0 重量部、可逆剤とし
て下記化学式(4)で示されるメチルアンドロステンジ
オール5重量部、相分離制御剤として1−トリアコンタ
ノールを5重量部、バインダーポリマーとしてポリスチ
レン3重量部をそれぞれ配合した後、トルエンに分散さ
せた。
【0055】
【化4】
【0056】第二の記録媒体液として、呈色性化合物と
して赤色フルオラン色素であるインドリアルレッド(山
本化成製)を1 .0 重量部、顕色剤として上記化学式
(1)で表されるフェノール性化合物1 .0 重量部、可
逆剤として上記化学式(4)で示されるメチルアンドロ
ステンジオール5重量部、相分離制御剤として1−トリ
アコンタノールを5重量部、バインダーポリマーとして
ポリスチレン0.5重量部をそれぞれ配合した後、トル
エンに分散させた。
【0057】第三の記録媒体液として、呈色性化合物と
して黒色フルオラン色素であるPSD−150(日本曹
達製)を1 .0 重量部、顕色剤として化学式(5)で表
される長鎖アルキル基を有するビスフェノール性化合物
1 .0 重量部、バインダーポリマーとしてポリメチルメ
タクリレート0.2重量部をそれぞれ配合した後、トル
エンに分散させた。
【0058】
【化5】
【0059】これらの液をスクリーン印刷器を用いて、
厚さ50μmのPETフィルム上に実施例1と同様に印
刷し、膜厚約10μm の薄膜を形成し、書換え型多色感熱
シートを作製した。このフィルムを紙で作製したカード
に接着剤で貼り付け、さらにこの上に光硬化性エポキシ
樹脂を塗布した後、光硬化させて膜厚0.4μm の保護
膜を形成した。このカード全面に熱ロールを押圧した
後、室温で自然放冷することにより、記録媒体を結晶化
させた。
【0060】得られた感熱記録媒体に対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄12
V 、パルス幅0 .8msec で加熱印字を実施した。その結
果、印字部が非晶質化して青い領域には白い文字が、赤
い領域にも白い文字が、そして白い領域には黒い文字が
それぞれ印字された。
【0061】次に全面にホットスタンプを0.2秒押圧
し、室温で放置したところ、やはり印字部が結晶質に戻
り、記録の消去を行うことができた。上記と同様の記録
・消去を100 サイクル行っても表示が劣化することはな
かった。また、30℃で1 年間放直した後も印字状態に変
化は認められなかった。
【0062】実施例3 三種類の記録媒体液は実施例1 と同様にして作製した。
スクリーン印刷器を用いて、黒色インキを用いて、実施
例1 と同じ絵パターンの領域間に幅50μmの分離層を
設けた。
【0063】次に記録媒体液をスクリーン印刷器を用い
て、厚さ50μmのPETフィルム上に実施例1と同様
に印刷し、膜厚約10μm の薄膜を形成し、書換え型多色
感熱シートを作製した。このフィルムを紙で作製したカ
ードに接着剤で貼り付け、さらにこの上に光硬化性エポ
キシ樹脂を塗布した後、光硬化させて膜厚0.4μmの
保護膜を形成した。このカード全面に熱ロールを押圧し
た後、室温で自然放冷することにより、記録媒体を結晶
化させた。
【0064】得られた感熱記録媒体に対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄12
V 、パルス幅0 .8msec で加熱印字を実施した。その結
果、印字部が非晶質化して青い領域には白い文字が、赤
い領域にも白い文字が、そして白い領域には黒い文字が
それぞれ印字された。二つの領域にかかった文字も、黒
色の分離層のために混色することなく、はっきりと表示
することができた。
【0065】次に全面にホットスタンプを0.2秒押圧
し、室温で放置したところ、やはり印字部が結晶質に戻
り、記録の消去を行うことができた。上記と同様の記録
・消去を100 サイクル行っても表示が劣化することはな
かった。また、30℃で1 年間放直した後も印字状態に変
化は認められなかった。
【0066】実施例4 三種類の記録媒体液は実施例1 と同様にして作製した。
スクリーン印刷器を用いて、次に記録媒体液をスクリー
ン印刷器を用いて、厚さ100μmのOHP用のPET
フィルム上に実施例1と同様に印刷し、膜厚約5μm の
薄膜を形成し、書換え型多色感熱シートを作製した。さ
らにこの上に光硬化性エポキシ樹脂を塗布した後、光硬
化させて膜厚0.4μm の保護膜を形成しOHPシート
を作製した。このOHPシート全面に熱ロールを押圧し
た後、急冷することにより、記録媒体を微小結晶化させ
た。微小結晶化することにより、OHPシートは透明と
なった。
【0067】得られたOHPシートに対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄12
V 、パルス幅0 .8msec で加熱印字を実施した。その結
果、印字部が非晶質化して青い領域には白い透明文字
が、赤い領域にも白い透明文字が、そして白い領域には
黒い透明文字がそれぞれ印字され、OHP装置で情報を
表示することが可能であった。
【0068】次に全面にホットスタンプを4秒押圧し、
室温で放置したところ、やはり印字部が結晶質に戻り、
記録の消去を行なうことができた。上記と同様の記録・
消去を100 サイクル行っても表示が劣化することはなか
った。また、30℃で1 年間放直した後も印字状態に変化
は認められなかった。
【0069】実施例5 第一の記録媒体液として、呈色性化合物として青色ロイ
コ色素であるクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)を1 .0 重量部、顕色剤として上記化学式(1)で
表されるフェノール性化合物1 .0 重量部、可逆剤とし
て上記化学式(2)で示されるプレグレノロン10重量
部を混合融解後、急冷した。生成した固体を乳鉢、ホモ
ジナイザーで直径約5μmの微粉末にした後、ゼラチン
水溶液に分散させた。
【0070】第二の記録媒体液として、呈色性化合物と
して赤色フルオラン色素であるインドリアルレッド(山
本化成製)を1 .0 重量部、顕色剤として上記化学式
(1)で表されるフェノール性化合物1 .0 重量部、可
逆剤としてプレグレノロン10重量部を混合融解後、急
冷した。生成した固体を乳鉢、ホモジナイザーで直径約
5μmの微粉末にした後、ゼラチン水溶液に分散させ
た。
【0071】第三の記録媒体液として、呈色性化合物と
して黒色フルオラン色素であるPSD−150(日本曹
達製)を1 .0 重量部、顕色剤として上記化学式(3)
で表される長鎖アルキル基を有するビスフェノール性化
合物1 .0 重量部を混合融解後、急冷した。生成した固
体を乳鉢、ホモジナイザーで直径約5μmの微粉末にし
た後、ゼラチン水溶液に分散させた。
【0072】これらの液をスクリーン印刷器を用いて、
ポリビニルアルコールをコートした厚さ50μmのフィ
ルム上に実施例1と同様の絵パターンを印刷し、膜厚約
10μm の薄膜を形成し、書換え型多色感熱シートを作製
した。このフィルムを紙で作製したカードに接着剤で貼
り付け、さらにこの上に光硬化性エポキシ樹脂を塗布し
た後、光硬化させて膜厚0.4μm の保護膜を形成し
た。このカード全面に熱ロールを押圧した後、室温で自
然放冷することにより、記録媒体を結晶化させた。
【0073】得られた感熱記録媒体に対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄15
V 、パルス幅1msec で加熱印字を実施した。その結果、
印字部が非晶質化して青い領域には白い文字が、赤い領
域にも白い文字が、そして白い領域には黒い文字がそれ
ぞれ印字された。
【0074】次に全面にホットスタンプを2秒押圧し、
室温で放置したところ、やはり印字部が結晶質に戻り、
記録の消去を行なうことができた。上記と同様の記録・
消去を100 サイクル行っても表示が劣化することはなか
った。また、30℃で1 年間放直した後も印字状態に変化
は認められなかった。
【0075】実施例6 第三の記録媒体液に、水溶性の黄色色素を添加すること
を除いては実施例5と同様にして書換え型多色感熱シー
トを作製した。このシートフィルムを紙で作製したカー
ドに接着剤で貼り付け、さらにこの上に光硬化性エポキ
シ樹脂を塗布した後、光硬化させて膜厚0.4μm の保
護膜を形成した。このカード全面に熱ロールを押圧した
後、室温で自然放冷することにより、記録媒体を結晶化
させた。
【0076】得られた感熱記録媒体に対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄15
V 、パルス幅1msec で加熱印字を実施した。その結果、
印字部が非晶質化して青い領域には白い文字が、赤い領
域にも白い文字が、そして黄色の領域には黒い文字がそ
れぞれ印字された。
【0077】次に全面にホットスタンプを2秒押圧し、
室温で放置したところ、やはり印字部が結晶質に戻り、
記録の消去を行なうことができた。上記と同様の記録・
消去を100 サイクル行っても表示が劣化することはなか
った。また、30℃で1 年間放直した後も印字状態に変化
は認められなかった。
【0078】実施例7 呈色性化合物として青色ロイコ色素であるクリスタルバ
イオレットラクトン(CVL)を1.0 重量部、顕色剤と
して上記化学式(1)で表されるフェノール性化合物1
.0 重量部、可逆剤として上記化学式(4)で示され
るメチルアンドロステンジオール5重量部、相分離制御
剤として1−トリアコンタノールを5重量部を混合融解
後、急冷した。この組成物30重量部にメラミンプレポ
リマー1重量部を混合して加熱溶融した。この融液を5w
t %ゼラチン水溶汲200gに滴下して微小滴になるようホ
モジナイザーで攪拌した。さらに塩酸を用いてpHを2 に
調整して約80℃で5 時間攪拌を続けた。この操作によ
り、硬化したメラミン樹脂が呈色性化合物、顕色剤及び
可逆剤からなる組成物を被覆したマイクロカプセル1が
生成した。
【0079】呈色性化合物として赤色フルオラン色素で
あるインドリアルレッド(山本化成製)を1 .0 重量
部、顕色剤として化学式(1)で表されるフェノール性
化合物1 .0 重量部、可逆剤としてプレグレノロン10
重量部を混合融解後、急冷した。この組成物30重量部
にメラミンプレポリマー1重量部を混合して加熱溶融し
た。この融液を5wt %ゼラチン水溶汲200gに滴下して微
小滴になるようホモジナイザーで攪拌した。さらに塩酸
を用いてpHを2 に調整して約80℃で5 時間攪拌を続け
た。この操作により、硬化したメラミン樹脂が呈色性化
合物、顕色剤及び可逆剤からなる組成物を被覆したマイ
クロカプセル2が生成した。
【0080】呈色性化合物として黒色フルオラン色素で
あるPSD−150(日本曹達製)を1 .0 重量部、顕
色剤として上記化学式(3)で表される長鎖アルキル基
を有するビスフェノール性化合物1 .0 重量部を混合融
解後、急冷した。この組成物30重量部にメラミンプレ
ポリマー1重量部を混合して加熱溶融した。この融液を
5wt %ゼラチン水溶汲200gに滴下して微小滴になるよう
ホモジナイザーで攪拌した。さらに塩酸を用いてpHを2
に調整して約80℃で5 時間攪拌を続けた。この操作によ
り、硬化したメラミン樹脂が呈色性化合物および顕色剤
からなる組成物を被覆したマイクロカプセル3が生成し
た。
【0081】上記マイクロカプセルをそれぞれ水に分散
して、記録媒体液1、2、3を作製した。また、記録媒
体液2と3を当量混合して記録媒体液4を作製した。こ
れらのマイクロカプセルの水分散液をスクリーン印刷器
を用いて、厚さ50μmのPETフィルム上に印刷し、
膜厚約10μm の薄膜を形成し、書換え型多色感熱シート
を作製した。このフィルムを紙で作製したカードに接着
剤で貼り付け、さらにこの上に光硬化性エポキシ樹脂を
塗布した後、光硬化させて膜厚0.2μm の保護膜を形
成した。このカード全面に熱ロールを押圧した後、室温
で自然放冷することにより、記録媒体を結晶化させた。
【0082】得られた感熱記録カードの断面を図5に示
す。図4に示す図と同様に、この感熱記録カードは、記
録媒体液1を塗布した領域は青い空、記録媒体液4を塗
布した領域は赤い富士山、記録媒体液3を塗布した領域
は白い雲および雪からなる絵を表示している。またこの
感熱記録カードは、紙の台紙51上に、接着剤52を介
してPETフィルム53、マイクロカプセル56からな
る書換え層54、保護層55が積層形成されている。
【0083】得られた感熱記録媒体に対し、東芝製サー
マルヘッド(6dot/mm、380 Ω)を使用し、印加電庄12
V 、パルス幅0 .8msec で加熱印字を実施した。その結
果、印字部が非晶質化して青い領域には白い文字が、赤
い領域には黒い文字が、そして白い領域には黒い文字が
それぞれ印字された。
【0084】次に全面にホットスタンプを0.2秒押圧
し、室温で放置したところ、青い領域の白い文字のみが
結晶質に戻り、記録の消去を行なうことができた。さら
に全面にホットスタンバーを2秒押圧し、室温で放置し
たところ、すべての文字が結晶質に戻り、記録の消去を
行なうことができた。上記と同様の記録・消去を100サ
イクル行っても表示が劣化することはなかった。また、
30℃で1 年間放直した後も印字状態に変化は認められな
かった。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の書換え型多
色感熱シートおよび書換え型カードは、広い任意の画像
パターン中のどこにでも文字もしくは画像情報を表示す
ることができ、その工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる3成分系の発消色メカニズム
の簡易的なモデルを示す図。
【図2】 本発明に用いる4成分系の発消色メカニズム
の簡易的なモデルを示す図。
【図3】 本発明にかかる実施例の感熱記録カードの絵
パターンを示す図。
【図4】 本発明にかかる実施例の感熱記録カードの断
面を示す図。
【図5】 本発明の別の実施例の感熱記録カードの断面
を示す図。
【符号の説明】
41・・・台紙 42・・・接着剤 43・・・PETフィルム 44・・・書換え層 45・・・保護層 51・・・台紙 52・・・接着剤 53・・・PETフィルム 54・・・書換え層 55・・・保護層 56・・・マイクロカプセル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平衡状態より、非平衡状態の方が着色濃度
    が低い第1の書換え型感熱記録媒体と、平衡状態より、
    非平衡状態の方が着色濃度が高い第2の書換え型感熱記
    録媒体とを同一表示領域に具備することを特徴とする書
    換え型多色感熱シート。
  2. 【請求項2】平衡状態より、非平衡状態の方が着色濃度
    が低い第1の書換え型感熱記録媒体の領域と、平衡状態
    より、非平衡状態の方が着色濃度が高い第2の書換え型
    感熱記録媒体の領域と、前記第1及び第2の書換え型感
    熱記録媒体の領域の間に書換え操作によって変色しない
    分離層とを有することを特徴とする書換え型多色感熱シ
    ート。
  3. 【請求項3】平衡状態の主成分が結晶であり、非平衡状
    態の主成分が非晶質であることを特徴とする請求項1或
    いは請求項2記載の書換え型多色感熱シート。
  4. 【請求項4】書換え操作によって変色しない染料を前記
    第1或いは第2の書換え型感熱記録媒体のうち少なくと
    も一方に添加することを特徴とする請求項1、請求項2
    或いは請求項3記載の書換え型多色感熱シート。
  5. 【請求項5】前記第1の書換え型感熱記録媒体が少なく
    とも呈色性化合物、顕色剤、可逆剤を含有することを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3或いは請求項4
    記載の書換え型多色感熱シート。
  6. 【請求項6】前記第2の書換え型感熱記録媒体が少なく
    とも呈色性可能物、顕色剤を含有し、かつ該顕色剤の融
    点が、100℃以上であることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3、請求項4或いは請求項5記載の書
    換え型多色感熱シート。
  7. 【請求項7】平衡状態より、非平衡状態の方が着色濃度
    が低い第1の書換え型感熱記録媒体と、平衡状態より、
    非平衡状態の方が着色濃度が高い第2の書換え型感熱記
    録媒体とを具備し、前記第1及び第2の書換え型記録媒
    体のうち少なくとも一方がクラスターであり、このクラ
    スターの表面を覆い前記クラスターを膜化するマトリク
    ス材料から構成されていることを特徴とする書換え型多
    色感熱シート。
  8. 【請求項8】前記マトリクス材料が、前記クラスターを
    被覆する被覆材料と、被覆クラスターを膜化支持する構
    造材料から構成されていることを特徴とする請求項7記
    載の書換え型多色感熱シート。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8に記載された書換え
    型多色感熱シートを所定の表示領域に形成したことを特
    徴とする書換え型カード。
  10. 【請求項10】請求項1乃請求項8に記載された書換え
    型多色感熱シート或いは請求項9に記載された書換え型
    多色感熱カードに熱を印加することによって所定の情報
    を書込むことを特徴とする書込み装置。
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