JPH10216390A

JPH10216390A - 洗濯機

Info

Publication number: JPH10216390A
Application number: JP9022317A
Authority: JP
Inventors: Hiroko Minayoshi; 裕子皆吉; Katsuhiko Sumiya; 勝彦角谷; Kimihiko Otsuka; 公彦大塚; 武人 ▲高▼橋; Taketo Takahashi; Akira Shoji; 彰荘司
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1997-02-05
Filing date: 1997-02-05
Publication date: 1998-08-18

Abstract

(57)【要約】【課題】化繊製の毛布等のデリケートな衣類を、洗濯
時に作用する機械力により毛の倒れ、絡み、抜け等の傷
みが発生することなく表面の風合いを維持し、衣類の傷
み、縮み、風合いを損ねることのない仕上がりを実現す
ることを目的としている。【解決手段】上記目的を達成するため、回転ドラム内
の衣類が転動しない範囲で回転ドラムを一方向へ駆動し
揺動するとともに、給水と揺動・転動のタイミングを制
御することにより、毛布などの衣料を回転ドラムで洗浄
し、衣類の傷み、縮み、風合いを損ねることのない仕上
がりを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機本体内に弾
性的に支持した水受け槽内に回転自在に配設した回転ド
ラム内で洗濯物の洗濯、脱水を行う洗濯機に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の洗濯機は図５に示すよう
に構成していた。以下、その構成について説明する。

【０００３】図５に示すように、回転ドラム１は、外周
部に多数の通水孔２を全面に設け、水受け槽３内に回転
自在に配設している。回転ドラム１の回転中心に水平軸
４の一端を固定し、水平軸４の他端にドラムプーリー５
を固定している。モータ６は、ベルト７によりドラムプ
ーリー５と連結し、回転ドラム１を回転駆動する。回転
ドラム１の開口部に蓋８を開閉自在に設けている。

【０００４】水受け槽３は、洗濯機本体９よりばね体１
０で吊り下げ、防振ダンパー１１により脱水時の振動が
洗濯機本体９に伝達されないように防振支持するととも
に、脱水時の振動を低減する重り１２を設けている。ヒ
ータ１３は、水受け槽３内の洗濯水を加熱するものであ
る。制御装置１４は、モータ６、ヒータ１３などの動作
を制御し、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の行程を逐次
制御する。

【０００５】上記構成において動作を説明すると、蓋８
を開いてドラム１内の洗濯物を投入し、運転を開始する
と、洗濯行程では、ドラム１はモータ６によって低速で
回転駆動され、ドラム１内の洗濯物は持ち上げられて水
面上に落下される。こうして洗濯行程が進行する。すす
ぎ行程においても洗濯行程と同様の動作を行う。

【０００６】この場合、水受け槽内の水は投入口から溢
水しない程度の水位が給水され、水受け槽内に貯水され
ることにより洗濯すすぎが行われる。

【０００７】この構成においての回転ドラム１の動きを
説明すると、回転ドラム１はモータ６がＯＮされると低
速駆動回転を行う。この低速駆動回転は連続される場合
もあるし、ときどき停止を行う場合もある。回転方向は
一方向のみの場合や左右に反転駆動する場合もある。こ
の低速駆動回転により、回転ドラム１内の衣類は、回転
ドラム１内の内周に設けられ回転ドラム内方へ突出する
バッフルより上方へ持ち上げられた後、下方へ落下す
る。回転を低速にするのは、遠心力の働きを抑え、この
落下動作を確実に行うためである。

【０００８】ここで落下の衝撃と衣類間の擦れが生ずる
ことにより衣類の汚れと衣類繊維との結合が弱まり洗浄
水により取り除かれる。また、この時の衝撃により衣類
に含まれる洗浄水が押し出され、効率よく衣類の汚れを
取り除くことができる。

【０００９】このよう衣類の落下による衝撃及び洗浄水
の出し入れ作用が、回転ドラム形式の洗濯機においては
必須の構成である。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成では、毛布など布表面がデリケートで、かつ吸
水性が非常に高く、大きな面積を持っているものは、回
転ドラムの低速ではあるが、連続する回転による布表面
のこすれや、落下による衝撃により、縮みや痛みを生ず
る。

【００１１】また、従来の構成では、洗浄水と回転ドラ
ムの回転停止動作による衣類の転動により、衣類の位置
を様々に変動させることで洗浄水の衣類への拡散、循環
を促進して汚れを洗浄水に移動させるようにしている。
しかし、毛布など面積が大きく回転ドラム内でその形状
自体をそれほど変動させることができない被洗浄物は、
従来の回転ドラムの制御では、洗浄水の循環しやすい部
分とそうでない部分とができ、洗浄むらが著しいものと
なる。

【００１２】このような毛布などの大物でデリケートな
布質の衣料の洗浄には、回転ドラムをできるだけ動かさ
ないで洗浄する方法が衣料の痛みに対しては良好である
が、衣類の転動による洗浄水の出し入れ、衣類のこすれ
などにより洗浄を促進させることによる洗浄率が大幅に
低下する。

【００１３】特に、化繊製の毛布は保水性が高いため、
洗浄中には大量の水を短時間に吸水させる必要がある。
このような毛布の洗濯において、特に毛脚の長いもので
は、洗濯時に作用する機械力により毛の倒れ、絡み、抜
け等の傷みが発生するとともに表面の風合いが低下す
る。

【００１４】そこで、本発明は上記課題を解決するもの
で、毛布などの衣料を回転ドラムで洗浄し、衣類の傷
み、縮み、風合いを損ねることのない仕上がりを実現す
ることを目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、回転ドラム内の衣類が転動しない範囲で回転
ドラムを一方向へ駆動し揺動するとともに、給水と揺動
・転動のタイミングを制御することにより、毛布などの
衣料を回転ドラムで洗浄し、衣類の傷み、縮み、風合い
を損ねることのない仕上がりを実現することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
略水平方向に回転中心軸を有し衣類を投入する回転ドラ
ムと、この回転ドラムを内包する水受け槽と、回転ドラ
ムを駆動するモータと、回転ドラム内に給水を行う給水
手段と、モータ及び給水手段などの駆動を制御する制御
手段とを備え、前記制御手段は、回転ドラム内の衣類が
転動しない範囲で回転ドラムを一方向へ駆動し揺動させ
た後、逆方向へ駆動し揺動させ、この行程を連続して繰
り返すものである。

【００１７】これにより、毛布等の衣類を転動させずに
回転ドラムを揺動させ、衣類に与える機械力を最小限と
して、吸水・洗浄させることが可能となり、毛の倒れ、
絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐことが
可能となる。

【００１８】本発明の請求項２記載の発明は、請求項１
記載の発明に加え、制御手段により回転ドラムの駆動揺
動の繰り返し動作を所定時間または所定回数行った後、
回転ドラム内の衣類が転動しない範囲を越えて回転ドラ
ムを駆動する動作を１サイクルとし、このサイクルを繰
り返し行うものである。

【００１９】毛布等のかさの高い衣類は、水面上に約１
／２以上突出した状態で洗濯を行っている。ここで、正
逆の回転ドラムの駆動揺動を繰り返す途中に、衣類が転
動する回転ドラムの駆動を行うことにより、水面上に突
出している衣類の上下位置を入れ替えることが可能とな
り、衣類への吸水を短時間に促進することできる。これ
により、衣類への吸水を短時間にかつ均等に促進するこ
とでき、衣類に与える機械力を最小限に抑え、毛布等の
衣類の毛の倒れ、絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの
低下を防ぐとともに、洗いムラなく短時間に洗濯が可能
となる。

【００２０】本発明の請求項３記載の発明は、請求項２
記載の発明に加え、回転ドラム内の衣類が転動しない範
囲を越えて回転ドラムを駆動する動作は少なくとも回転
ドラムを２回転以上行うものである。

【００２１】正逆の回転ドラムの駆動揺動を繰り返す途
中に、衣類が転動する回転ドラムの駆動を行うことによ
り、水面上に突出している衣類の上下位置を入れ替こと
が可能となり、衣類への吸水を短時間に促進することで
きる。この時毛布等の衣類の傷みや風合いの低下を最小
限に抑えるため、衣類の上下位置を入れ替えることが可
能な最小限に回転ドラムを駆動する。回転ドラムの回転
が１に対し衣類の転動回転は約０．５行うことが判明し
た。従って、回転ドラムを２回転以上行うことにより、
衣類は確実に１回転以上転動し、最小限でかつ十分に衣
類の上下位置を入れ替えることが可能となり衣類への吸
水を短時間に促進することできる。これにより、衣類へ
の吸水を短時間にかつ均等に促進することでき、衣類に
与える機械力を最小限に抑え、毛布等の衣類の毛の倒
れ、絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐと
ともに、洗いムラなく短時間に洗濯が可能となる。

【００２２】本発明の請求項４記載の発明は、請求項１
から４いずれか１項記載の発明に加え、回転ドラムが停
止する前に次の駆動揺動もしくは回転を行うものであ
る。

【００２３】正逆の回転ドラムの駆動揺動および回転ド
ラムの転動駆動を繰り返す中で、それぞれの回転ドラム
の駆動が終了し、回転ドラム自身の惰性回転および揺動
運動が完全に停止する前に、次の回転ドラムの駆動を行
うことにより、衣類への吸水をさらに短時間に促進する
ことできる。これにより、衣類への吸水を短時間にかつ
均等に促進することでき、衣類に与える機械力を最小限
に抑え、毛布等の衣類の毛の倒れ、絡み、抜け等の傷み
や表面の風合いの低下を防ぐとともに、洗いムラなくさ
らに短時間に洗濯が可能となる。

【００２４】本発明の請求項５記載の発明は、請求項２
から４いずれか１項記載の発明に加え、給水を停止する
第１の所定水位と、その水位より低く給水を再開する第
２の所定水位を有し、第２の所定水位は、回転ドラムを
回転ドラム内の衣類が転動しない範囲を駆動した後の水
位より高いものである。

【００２５】給水開始後第１の所定水位に達すると給水
動作を停止する。洗濯中は、毛布等のかさの高い衣類は
水面上に約１／２以上突出した状態となっており、洗濯
開始当初では衣類に対する吸水が十分でなく給水が不十
分となっている。ここで、衣類が転動する回転ドラムの
駆動を行うことにより、水面上に突出している衣類の上
下位置が入れ替わり、回転ドラム内の水が大量に衣類に
吸水され水位が大きく低下する。給水を開始する第２の
所定水位を転動した後の水位より高くすることにより、
衣類に吸水され少なくなった回転ドラム内の水を確実に
給水することが可能となり、衣類への吸水を短時間に効
果的に行うことができる。これにより、衣類への吸水を
短時間に確実にかつ均等に促進することでき、衣類に与
える機械力を最小限に抑え、毛布等の衣類の毛の倒れ、
絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐととも
に、洗いムラなく短時間に洗濯が可能となる。

【００２６】本発明の請求項６記載の発明は、請求項２
記載の発明に加え、回転ドラムの駆動揺動の繰り返し動
作の所定時間または所定回数は、洗濯行程の初期に小さ
く設定するものである。

【００２７】給水開始後第１の所定水位に達すると給水
動作を停止する。洗濯中は、毛布等のかさの高い衣類は
水面上に約１／２以上突出した状態となっており、洗濯
開始当初では衣類に対する吸水が十分でなく給水が不十
分となっている。ここで、洗濯行程の初期に衣類が転動
あるいは揺動する回転ドラムの駆動間隔を小さくするこ
とにより極めて短時間で衣類に吸水させることが可能と
なる。したがって、洗濯の時間を大幅に短くでき、かつ
衣類が十分吸水した後の洗濯時間を長くすることがで
き、洗浄性能が大幅に向上できるとともに、洗いムラも
極めて小さくすることが可能となる。

【００２８】本発明の請求項７記載の発明は、請求項５
記載の発明に加え、洗濯開始から所定時間または所定回
数回転ドラムが駆動した後給水を停止するものである。

【００２９】給水開始後第１の所定水位に達すると給水
動作を停止する。ここで、衣類が転動する回転ドラムの
駆動を行うことにより、水面上に突出している衣類の上
下位置が入れ替わり、回転ドラム内の水が大量に衣類に
吸水され水位が大きく低下する。給水を開始する第２の
所定水位を転動した後の水位より高くすることにより、
衣類に吸水され少なくなった回転ドラム内の水を確実に
給水することが可能となり、衣類への吸水を短時間に効
果的に行うことができる。しかし、衣類に十分吸水され
た後においても、衣類が転動する回転ドラムの駆動を行
う度に、回転ドラム内の水が衣類とともに掻き上げられ
水位が一時的に大きく低下しさらに給水が行われる。本
発明では、洗濯開始から所定時間または回転ドラム駆動
を所定回数行った後に給水を行わないようにすること
で、不必要な給水による無駄水を防ぐことが可能となる
とともに、所定の水量で洗濯が可能となり最適な洗剤濃
度で洗濯でき洗浄性能を向上することができる。

【００３０】本発明の請求項８記載の発明は、請求項１
記載の発明に加え、排水を行うとともに回転ドラムの駆
動揺動を所定時間または所定回数行うものである。

【００３１】化繊製の毛布は保水性が高いため、洗濯中
には大量の水を含んでいる。すすぎの前の脱水や洗濯行
程最後の脱水において短時間に大量の排水を行う必要が
ある。また、発泡性の高い洗剤を用いたとき等には洗濯
中に発生した大量の泡をも排水する必要がある。本発明
では脱水動作前に排水を行うとともに回転ドラムの駆動
揺動を所定時間または所定回数行うことにより、衣類に
含まれている大量の水を脱水動作までに十分排水するこ
とができ、さらに洗濯時に発生した泡を消すとともに泡
を排水することができ、脱水の支障となることはなくな
る。また、本動作中においても衣類の洗浄が期待できさ
らに洗浄性能をも向上することができる。

【００３２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。なお、洗濯機の構成は、図５に示す従来例
と同じ構成であるので説明を省略する。

【００３３】この構成により毛布など大物でかつデリケ
ートな表面を有する被洗浄物の洗濯行程を図に示しなが
ら説明する。

【００３４】図１に、洗濯行程開始時の給水弁、モータ
６、回転ドラム１の駆動状態を示す。

【００３５】まず、毛布等の衣類を回転ドラム１に投入
し、給水を開始する。図に示すように、この給水が継続
中に、回転ドラム１内の衣類が転動しない範囲で回転ド
ラム１を一方向へ駆動し揺動させた後、逆方向へ駆動し
揺動させ、所定回数の揺動と衣類が転動する回転ドラム
１の回転を繰り返す。つまり、図２に示すように、制御
装置１４により回転ドラムの駆動揺動の繰り返し動作を
所定時間または所定回数行った後、回転ドラム１内の衣
類が転動しない範囲を越えて回転ドラム１を駆動する動
作を１サイクルとし、このサイクルを繰り返し行う。こ
こで、正逆の回転ドラムの駆動揺動を繰り返す途中に、
衣類が転動する回転ドラム１の駆動を行うことにより、
水面上に突出している衣類の上下位置を入れ替えること
が可能となり、衣類への吸水を短時間に促進することで
きる。

【００３６】ここで、図３に示すように、回転ドラム１
内の衣類が転動しない範囲を越えて回転ドラム１を駆動
する動作は少なくとも回転ドラム１を２回転以上行うも
のである。

【００３７】正逆の回転ドラム１の駆動揺動を繰り返す
途中に、衣類が転動する回転ドラム１の駆動を行うこと
により、衣類への吸水を短時間に促進することできる
が、この時毛布等の衣類の傷みや風合いの低下を最小限
に抑えるため、衣類の上下位置を入れ替えることが可能
な最小限に回転ドラム１を駆動する。回転ドラム１の回
転が１に対し衣類の転動回転は約０．５行うことが判明
した。従って、回転ドラム１を２回転以上行うことによ
り、衣類は確実に１回転以上転動し、最小限でかつ十分
に衣類の上下位置を入れ替えることが可能となり衣類へ
の吸水を短時間に促進することできる。

【００３８】また、回転ドラム１の駆動揺動の繰り返し
動作の所定時間または所定回数は、図１に示すように、
洗濯行程の初期に小さく設定するものである。つまり、
回転ドラム１の転動する回数の割合を大きくするもので
ある。本実施例の給水は、給水開始後第１の所定水位に
達すると給水動作を停止する。洗濯中は、毛布等のかさ
の高い衣類は水面上に約１／２以上突出した状態となっ
ているが、洗濯開始当初では衣類に対する吸水が十分で
なく給水が不十分となっている。ここで、洗濯行程の初
期に衣類が転動あるいは揺動する回転ドラム１の駆動間
隔を小さくすることにより極めて短時間で衣類に吸水さ
せることが可能となる。したがって、洗濯の時間を大幅
に短くでき、かつ衣類が十分吸水した後の洗濯時間を長
くすることができ、洗浄性能が大幅に向上できるととも
に、洗いムラも極めて小さくすることが可能となる。

【００３９】そして、給水開始後第１の所定水位に達す
ると給水動作を停止する。洗濯中は、毛布等のかさの高
い衣類は水面上に約１／２以上突出した状態となってお
り、洗濯開始当初では衣類に対する吸水が十分でなく給
水が不十分となっている。ここで、衣類が転動する回転
ドラム１の駆動を行うことにより、水面上に突出してい
る衣類の上下位置が入れ替わり、回転ドラム１内の水が
大量に衣類に吸水され水位が大きく低下する。

【００４０】給水を開始する第２の所定水位を、転動し
た後の低下する水位より高くし、第２の所定水位以下の
水位の場合には給水を継続する。これにより、衣類に吸
水され少なくなった回転ドラム１内の水を確実に給水す
ることが可能となり、衣類への吸水を短時間に効果的に
行うことができる。

【００４１】給水開始後第１の所定水位に達すると給水
動作を停止する。洗濯中は、毛布等のかさの高い衣類は
水面上に約１／２以上突出した状態となっており、洗濯
開始当初では衣類に対する吸水が十分でなく給水が不十
分となっている。ここで、衣類が転動する回転ドラム１
の駆動を行うことにより、水面上に突出している衣類の
上下位置が入れ替わり、回転ドラム１内の水が大量に衣
類に吸水され水位が大きく低下する。給水を開始する第
２の所定水位を転動した後の水位より高くすることによ
り、衣類に吸水され少なくなった回転ドラム１内の水を
確実に給水することが可能となり、衣類への吸水を短時
間に効果的に行うことができる。これにより、衣類への
吸水を短時間に確実にかつ均等に促進することでき、衣
類に与える機械力を最小限に抑え、毛布等の衣類の毛の
倒れ、絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐ
とともに、洗いムラなく短時間に洗濯が可能となる。

【００４２】この第１の所定水位に達することによる給
水停止、揺動・転動、第２の所定水位に達することによ
る給水再開のサイクルを繰り返す補給水可能期間を設け
ることにより、衣類への吸水を短時間に確実にかつ均等
に促進することでき、衣類に与える機械力を最小限に抑
え、毛布等の衣類の毛の倒れ、絡み、抜け等の傷みや表
面の風合いの低下を防ぐとともに、洗いムラなく短時間
に洗濯が可能となる。

【００４３】しかし、衣類に十分吸水された後において
も、衣類が転動する回転ドラム１の駆動を行う度に、回
転ドラム１内の水が衣類とともに掻き上げられ水位が一
時的に大きく低下しさらに給水が行われると、無駄な給
水を行うことになる。

【００４４】そこで、本実施例では、洗濯開始から所定
時間または回転ドラム１駆動を所定回数行った後に給水
を行わないようにすること、つまり、補給水可能期間の
終了期限を決定することで、不必要な給水による無駄水
を防ぐことが可能となるとともに、所定の水量で洗濯が
可能となり最適な洗剤濃度で洗濯でき洗浄性能を向上す
ることができる。

【００４５】給水は停止するが、回転ドラム１の揺動・
転動の繰り返しは継続する。この時、図４に示すよう
に、正逆の回転ドラム１の駆動揺動および回転ドラム１
の転動駆動を繰り返す中で、それぞれの回転ドラム１の
駆動が終了し、回転ドラム１自身の惰性回転および揺動
運動が完全に停止する前に、次の回転ドラム１の駆動を
行うことにより、衣類への吸水をさらに短時間に促進さ
せる。これにより、衣類への吸水を短時間にかつ均等に
促進することでき、衣類に与える機械力を最小限に抑
え、毛布等の衣類の毛の倒れ、絡み、抜け等の傷みや表
面の風合いの低下を防ぐとともに、洗いムラなくさらに
短時間に洗濯が可能となる。

【００４６】さらに、排水を行うとともに回転ドラム１
の駆動揺動を所定時間または所定回数行う行程を設け、
最終の脱水以外回転ドラム１の脱水回転を行わない。つ
まり、化繊製の毛布は保水性が高いため、洗濯中には大
量の水を含んでおり、すすぎの前の脱水や洗濯行程最後
の脱水において短時間に大量の排水を行う必要がある。
また、発泡性の高い洗剤を用いたとき等には洗濯中に発
生した大量の泡をも排水する必要がある。

【００４７】本実施例では、脱水動作前に排水を行うと
ともに回転ドラム１の駆動揺動を所定時間または所定回
数行うことにより、衣類に含まれている大量の水を脱水
動作までに十分排水することができ、さらに洗濯時に発
生した泡を消すとともに泡を排水することができ、脱水
の支障となることはなくなる。また、本動作中において
も衣類の洗浄が期待できさらに洗浄性能をも向上するこ
とができる。

【００４８】

【発明の効果】以上より、本発明の請求項１記載の発明
は、略水平方向に回転中心軸を有し衣類を投入する回転
ドラムと、この回転ドラムを内包する水受け槽と、回転
ドラムを駆動するモータと、回転ドラム内に給水を行う
給水手段と、モータ及び給水手段などの駆動を制御する
制御手段とを備え、前記制御手段は、回転ドラム内の衣
類が転動しない範囲で回転ドラムを一方向へ駆動し揺動
させた後、逆方向へ駆動し揺動させ、この行程を連続し
て繰り返すものである。

【００４９】これにより、毛布等の衣類を転動させずに
回転ドラムを揺動させ、衣類に与える機械力を最小限と
して、吸水・洗浄させることが可能となり、毛の倒れ、
絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐことが
可能となる。

【００５０】本発明の請求項２記載の発明は、請求項１
記載の発明に加え、制御手段により回転ドラムの駆動揺
動の繰り返し動作を所定時間または所定回数行った後、
回転ドラム内の衣類が転動しない範囲を越えて回転ドラ
ムを駆動する動作を１サイクルとし、このサイクルを繰
り返し行うものである。これにより、衣類への吸水を短
時間にかつ均等に促進することでき、衣類に与える機械
力を最小限に抑え、毛布等の衣類の毛の倒れ、絡み、抜
け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐとともに、洗い
ムラなく短時間に洗濯が可能となる。

【００５１】本発明の請求項３記載の発明は、請求項２
記載の発明に加え、回転ドラム内の衣類が転動しない範
囲を越えて回転ドラムを駆動する動作は少なくとも回転
ドラムを２回転以上行うものである。これにより、衣類
への吸水を短時間にかつ均等に促進することでき、衣類
に与える機械力を最小限に抑え、毛布等の衣類の毛の倒
れ、絡み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐと
ともに、洗いムラなく短時間に洗濯が可能となる。

【００５２】本発明の請求項４記載の発明は、請求項１
から４いずれか１項記載の発明に加え、回転ドラムが停
止する前に次の駆動揺動もしくは回転を行うものであ
る。これにより、衣類への吸水を短時間にかつ均等に促
進することでき、衣類に与える機械力を最小限に抑え、
毛布等の衣類の毛の倒れ、絡み、抜け等の傷みや表面の
風合いの低下を防ぐとともに、洗いムラなくさらに短時
間に洗濯が可能となる。

【００５３】本発明の請求項５記載の発明は、請求項２
から４いずれか１項記載の発明に加え、給水を停止する
第１の所定水位と、その水位より低く給水を再開する第
２の所定水位を有し、第２の所定水位は、回転ドラムを
回転ドラム内の衣類が転動しない範囲を駆動した後の水
位より高いものである。これにより、衣類への吸水を短
時間に確実にかつ均等に促進することでき、衣類に与え
る機械力を最小限に抑え、毛布等の衣類の毛の倒れ、絡
み、抜け等の傷みや表面の風合いの低下を防ぐととも
に、洗いムラなく短時間に洗濯が可能となる。

【００５４】本発明の請求項６記載の発明は、請求項２
記載の発明に加え、回転ドラムの駆動揺動の繰り返し動
作の所定時間または所定回数は、洗濯行程の初期に小さ
く設定するものである。これにより、洗濯の時間を大幅
に短くでき、かつ衣類が十分吸水した後の洗濯時間を長
くすることができ、洗浄性能が大幅に向上できるととも
に、洗いムラも極めて小さくすることが可能となる。

【００５５】本発明の請求項７記載の発明は、請求項５
記載の発明に加え、洗濯開始から所定時間または所定回
数回転ドラムが駆動した後給水を停止するものである。
これにより、不必要な給水による無駄水を防ぐことが可
能となるとともに、所定の水量で洗濯が可能となり最適
な洗剤濃度で洗濯でき洗浄性能を向上することができ
る。

【００５６】本発明の請求項８記載の発明は、請求項１
記載の発明に加え、排水を行うとともに回転ドラムの駆
動揺動を所定時間または所定回数行うものである。この
ように、脱水動作前に排水を行うとともに回転ドラムの
駆動揺動を所定時間または所定回数行うことにより、衣
類に含まれている大量の水を脱水動作までに十分排水す
ることができ、さらに洗濯時に発生した泡を消すととも
に泡を排水することができ、脱水の支障となることはな
くなる。また、本動作中においても衣類の洗浄が期待で
きさらに洗浄性能をも向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の洗濯行程における給水弁、
モータの駆動を示す図

【図２】同洗濯行程中の回転ドラムの駆動を示す図

【図３】同洗濯行程中の回転ドラムの動きを示す図

【図４】同洗濯行程の回転ドラムの動きとモータの駆動
を示す図

【図５】従来の洗濯機を示す断面図

【符号の説明】

１回転ドラム３水受け槽６モータ９洗濯機本体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼橋武人大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者荘司彰大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】略水平方向に回転中心軸を有し衣類を投
入する回転ドラムと、この回転ドラムを内包する水受け
槽と、回転ドラムを駆動するモータと、回転ドラム内に
給水を行う給水手段と、モータ及び給水手段などの駆動
を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、回転ド
ラム内の衣類が転動しない範囲で回転ドラムを一方向へ
駆動し揺動させた後、逆方向へ駆動し揺動させ、この行
程を連続して繰り返す洗濯機。
【請求項２】制御手段は、回転ドラムの駆動揺動の繰
り返し動作を所定時間または所定回数行った後、回転ド
ラム内の衣類が転動しない範囲を越えて回転ドラムを駆
動する動作を１サイクルとし、このサイクルを繰り返し
行う請求項１記載の洗濯機。
【請求項３】回転ドラム内の衣類が転動しない範囲を
越えて回転ドラムを駆動する動作は少なくとも回転ドラ
ムを２回転以上行う請求項２記載の洗濯機。
【請求項４】回転ドラムの駆動揺動は、回転ドラムが
停止する前に次の駆動揺動もしくは回転を行う請求項１
から４いずれか１項記載の洗濯機。
【請求項５】給水を停止する第１の所定水位と、その
水位より低く給水を再開する第２の所定水位を有し、第
２の所定水位は、回転ドラムを回転ドラム内の衣類が転
動しない範囲を駆動した後の水位より高い請求項２から
４いずれか１項記載の洗濯機。
【請求項６】回転ドラムの駆動揺動の繰り返し動作の
所定時間または所定回数は、洗濯行程の初期に小さく設
定する請求項２記載の洗濯機。
【請求項７】洗濯開始から所定時間または所定回数回
転ドラムが駆動した後給水を停止する請求項５記載の洗
濯機。
【請求項８】脱水動作前に、排水を行うとともに回転
ドラムの駆動揺動を所定時間または所定回数行う請求項
１記載の洗濯機。