JPH10213092A - 循環式ポンプの羽根車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、特に多様な性能に容易に対応でき
る循環式ポンプを実現する羽根車の改良を目的とする。 【解決手段】 本発明に成る循環式ポンプの羽根車は、
回転子の端部に一体形成された円環状基板と、該円環状
基板とは別体で複数のブレードを埴設した円環状シュラ
ウド板とより成る羽根車を備え、前記円環状基板とシュ
ラウド板とが、該シュラウド板に埴設されたブレードを
挟持し互いに対向するように連結固着してクローズドタ
イプの羽根車を、また前記円環状基板とシュラウド板と
を当接固着して、ブレードが片端開放されたオープンタ
イプの羽根車を、いずれをも自在に可能とするように構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、循環式ポンプ特に
多様な性能に容易に対応できる循環式ポンプを実現する
羽根車の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来より実用されている周知の循
環式ポンプの縦断面略図である。

【０００３】図に見るように該ポンプは、モータカバー
１に内蔵された回転機１１と該回転機を制御する制御回
路１２と、前記モータカバー１に連結されると共に隔壁
と一体を成し回転子室４をも形成するカバー２と、該カ
バー２とこれに当接配置されるポンプケーシング３とよ
り成るポンプ室５を有し、該ポンプ室５には、前記回転
機１１の回転子１３に直結された羽根車６を収容してい
る。

【０００４】揚水はポンプケーシング３の取水口７から
前記ポンプケーシング３の内部に流入して、ポンプ室５
の内部に収容された羽根車６の回転によって放射方向に
圧送され、外周縁に形成された送水口８から送出され
る。

【０００５】周知の通り揚水を加圧し送水口８から送出
する作用は、上述の通り、ポンプ室５の内部に収容され
て、直結された回転機１１によって転回駆動される羽根
車６によるもので、求められる性能は用途によって種々
様々である。従って多用なニーズに対応するために、回
転機１１の出力特性だけでなく、羽根車６の構成につい
ても夫々特長を生かした構成の選択が図られ、現実には
要求性能によってその都度全体の設計を余儀なくされ、
回転機１１の仕様変更に際しては該回転機１１の回転子
１３と共にこれと一体的を成す羽根車６の変更も余儀な
くされ、回転機１１を従来仕様にとどめることが出来る
場合でも、羽根車６の設計変更に際し、これと一体を成
す当該回転機の回転子１３をも新仕様とせざるを得ない
実体であった。

【０００６】尚、従来使用されているポンプは、構成に
より性能上の特徴があり、クローズドタイプの羽根車を
採用したものは高揚程に適し、埴設されるブレード枚数
が多くてその厚さが小さく径は大きく、他方オープンタ
イプの羽根車を採用したものは大流量に適し、ブレード
数が少なくその厚さは大きく径が小さい。

【０００７】上述の如く、従来は図４に示す羽根車６
は、図１を参照して、回転子１３の端部に一体形成され
た円環状基板６ー１にブレード６ー３を直接埴設する回
転子・羽根車一体構造とされていたため、回転機の性能
や羽根車の特性を変える目的で夫々の設計変更を実施す
ると、該羽根車と一体の回転子の設計まで影響が及ぶこ
とになり、ポンプ全体の構造変更を余儀なくされていた
のである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来の構成
は、特性性能の変更要求に際し、回転機側を含む全体の
構造変更を余儀なくされていたので、管理的にもコスト
的にも改善を求められていた。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明に成る循環式ポン
プの羽根車は、回転子の端部に一体形成された円環状基
板と、該円環状基板とは別体で複数のブレードを埴設し
たシュラウド板とより成る羽根車を備え、前記円環状基
板とシュラウド板とが、該シュラウド板に埴設されたブ
レードを挟持し互いに対向するように連結固着してクロ
ーズドタイプの羽根車を、また前記円環状基板とシュラ
ウド板とを当接固着して、ブレードが片端開放されたオ
ープンタイプの羽根車を、いずれをも自在に可能とする
ように構成されている。

【００１０】上述の如き構成においては、回転機の仕様
もしくは羽根車の仕様を変更するに際し、いずれかの設
計変更が互いに影響を及ぼすこと無しに新仕様を選択可
能なように出来る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図面によって本発明の実施例
を説明する。図１は本発明に成る循環式ポンプの回転部
の説明図である。

【００１１】図４に示す回転機の例は、ＤＣブラシレス
モータで、図１はその回転子を示すもので、図に見るよ
うに回転子１３は外周面に等配された永久磁石１３ー１
と内周面の軸受１３ー２とを保持部材１３ー３で一体保
持するように形成されると共に、該保持部材１３ー３の
端部には羽根車６を形成する円環状基板６ー１をも一体
的に形成している。

【００１２】上述の通り、回転子１３と一体を成す円環
状基板６ー１は、従来その表面に直接埴設されていたブ
レードは無く、当該ブレード６ー３は、図２に例示する
ように、前記該円環状基板６ー１に対向併設されるシュ
ラウド板６ー２に埴設されている。

【００１３】そして図１に示す円環状基板６ー１とシュ
ラウド板６ー２とがブレード６ー３を挟持するように配
置するものがクローズドタイプの羽根車であり、該構成
は高揚程に適し、相対的にはブレードの数が多く大径・
薄型のものである。又、図３にブレード６ー３を埴設し
たシュラウド板６ー２のみを示し、図１を参照して前記
円環状基板６ー１と該シュラウド板６ー２とを密着当接
してブレードを片端開放するよう逆向きに配置するもの
がオープンタイプの羽根車であり、該構成は大流量に適
し、相対的にはブレード数が少なく小径・厚型のものと
いえる。

【００１４】

【発明の効果】本発明に成る循環式ポンプの羽根車は、
当該ポンプの特性・性能の変更を意図して回転機の仕様
もしくは羽根車の仕様を変更するに際し、いずれかの設
計変更が互いに影響を及ぼすこと無しに新仕様を選択・
採用し組み合わせ可能なように出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に成るポンプの例で、クローズドタイプ
の羽根車を形成する回転部を説明するための断面略図で
ある。

【図２】図１の例のブレードを埴設したシュラウド板の
斜視図である。

【図３】図１に対応し、シュラウド板を逆向き配置する
オープンタイプの羽根車を形成する例のシュラウド板の
断面図である。

【図４】循環式ポンプの縦断面図である。

【符号の説明】

１ モータカバー ２ カバー ３ ポンプのケーシング ４ 回転子室 ５ ポンプ室 ６ 羽根車 ６−１ 円環状基板 ６−２ シュラウド板 ６ー３ シュラウド板に埴設されるブレード ７ 取水口 ８ 送水口 １１ 回転機 １２ 制御回路 １３ 回転子 １３ー１ 永久磁石 １３ー２ 軸受 １３ー３ 保持部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 夫々片面に開口を有し、該開口が互いに
   対向して配置されるモータカバー及びポンプケーシング
   と、該モータカバーとポンプケーシングとで挟持される
   ように配置され、所定の位置に揚水の通路を形成するカ
   バーと、制御回路で制御される回転機と、該回転機の回
   転子に一体保持され前記ポンプケーシングに収容される
   羽根車とを有する循環式ポンプの羽根車において、該羽
   根車の円環状基板が前記回転子の端部に一体形成される
   と共に、複数のブレードを埴設した円環状シュラウド板
   が前記円環状基板とは別体に形成され互いに連結固着さ
   れて羽根車を構成すること、を特徴とする循環式ポンプ
   の羽根車。
2. 【請求項２】 前記円環状基板とシュラウド板とが、該
   シュラウド板に埴設されたブレードを挟持し互いに対向
   するように連結固着されクローズドタイプの羽根車を構
   成していること、を特徴とする循環式ポンプの羽根車。
3. 【請求項３】前記円環状基板とシュラウド板とが、該シ
   ュラウド板に埴設されたブレードの片端が開放されて互
   いに密着当接し連結固着されオープンタイプの羽根車を
   構成していること、を特徴とする循環式ポンプの羽根
   車。