JPH102129A - 三次元防振パーツ - Google Patents

三次元防振パーツ

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JPH102129A
JPH102129A JP17577196A JP17577196A JPH102129A JP H102129 A JPH102129 A JP H102129A JP 17577196 A JP17577196 A JP 17577196A JP 17577196 A JP17577196 A JP 17577196A JP H102129 A JPH102129 A JP H102129A
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vibration
contact
horizontal
casing
dimensional
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JP17577196A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Naokazu Toyoshima
直和 豊島
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平方向の防振と垂直方向の防振を極めて簡
易な構造により達成するとともに、装置の小型扁平化を
図り、併せて被支持体の重量変化等に対応して耐荷重、
防振特性等を適宜に可変し得るようにする。 【解決手段】 本発明の三次元防振パーツ1は、水平防
振作用部10と、垂直防振作用部20とを一体に組み合
わせて成る三次元防振作用部5と、この三次元防振作用
部5を包覆するケーシング6と、このケーシング6に対
し前記三次元防振作用部5を介して遊動状態に接続され
る支承体7とを具えて成り、更にこのうち水平防振作用
部10は、凹陥面11と接触子15とを具えて成り、両
者の相対位置は求心作用によって一定の位置に収束する
とともに、垂直防振作用部20は、少なくとも剪断方向
に多く力が作用するように粘弾性体21を具えて成り、
自変形作用によって吸振を図ることで、上記課題の解決
を図っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水平方向の防振と垂
直方向の防振を同時に行うことのできる三次元防振装置
の構成要素に関するものであって、特に被支持体の重量
変化等に対応して種々の耐荷重、防振特性を設定し得る
三次元防振パーツに係るものである。
【0002】
【発明の背景】地震の多い我が国にあっては、かねてよ
り耐震構造の重要性が叫ばれ、建築物、構築物の施工の
分野において、あるいは博物館や美術館等に所蔵される
美術品や工芸品などの文化財の保管の分野において、構
造を異にする種々の耐震構造が提案され、上記建築物等
の耐震性の向上及び上記文化財の破損の防止等に供され
ている。このうち建築物等の施工の分野において採用さ
れている耐震構造としては、従来は構造材の強度と粘り
により、地震によって生ずる建築物等の揺れに対応しよ
うとするものが一般的であった。
【0003】しかし近時に至ると、上記耐震構造とは考
え方を全く異にする新たな耐震構造である免震理論に基
づく耐震構造が多くとられるようになってきている。こ
こで免震理論とは、地盤とこの地盤によって支持される
被支持体との間に特殊な装置を取り付けることにより、
被支持体の固有周期を長くし、これにより地盤からの被
支持体への振動伝達の絶縁を図るという考え方を言う。
このような免震理論に基づく耐震構造1′としては、図
16(a)に示すようなゴム板Rと鉄板Mとを何層にも
重ね合わせることによって構成される積層ゴムタイプの
ものが多く使用されている。このものは鉄板Mの介在に
より垂直方向の荷重に対する抗力を高め、被支持体Aの
支承を可能とするとともに、水平方向にはゴム板Rの有
する弾性力がそのまま活かされ、この弾性力により地盤
Gから被支持体Aへの振動伝達の絶縁を図るというもの
である。
【0004】また上記文化財等の破損の防止等、フロア
単位、あるいはフロア内に設けられる上記文化財の陳列
ケース等を単位とする耐震構造にも免震理論に基づくも
のが採用されてきている。このうちフロア単位の防振を
図る耐震構造1′としては、上記図16(a)に示す積
層ゴムタイプのものを防振したいフロアの床底面に配置
することにより一例として構成される床免震システムが
採用されている。一方、陳列ケース等を単位とする耐震
構造1′としては、図16(b)に示すように上下に入
れ違い状に直交するガイドレールLと、このガイドレー
ルLに係合して転動する複数個のコロCとこれらのコロ
Cと接触することにより、一定方向に摺動する二枚のス
ライドパネルPと、これらのスライドパネルPを摺動自
在に支持するスプリングE及びその摺動を抑制し、その
振動を減衰させる作用をするオイルダンパDとを具える
ものを複数組設けたものが一例として採用されている。
【0005】これらの耐震構造は、水平方向の振動のみ
に効果を発揮するものであり、垂直方向の振動に対して
は、何らの効果も発揮し得ない。従って水平二軸と垂直
一軸の計三軸の振動、すなわち三次元方向の振動の防止
に対応するには、上記の耐震構造に加え、金属バネや空
気バネ等から成る垂直方向の防振構造を別途併用してい
たのが実状であった。しかしながら上述の図16(a)
に示す積層ゴムタイプの耐震構造1′及び図16(b)
に示すガイドレールLを上下に直交させて配した耐震構
造1′は、構造上それ自体がある程度高めに設定される
ものであり、このような耐震構造1′に上記垂直方向の
防振構造を併用した場合には、この種の防振装置として
は高くなり過ぎ、実用に適さないものとなってしまう。
また上記図16(b)に示すものにあっては、構造が複
雑であり、この点でも改善の余地が残されていた。
【0006】更に上記金属バネや空気バネ等を用いた垂
直方向の防振構造にあっても、圧縮方向に力が作用する
状態で用いられることにより、この垂直方向の防振構造
それ自体もある程度高めに設定されていた。更にまた上
記金属バネや空気バネ等にあっては、ダンピング特性の
点で必ずしも充分なものとは言えず、より一層の振動吸
収特性を有することのできる防振構造の開発が望まれて
いた。更にまたフロア内に設置される棚や陳列ケース
等、比較的小型で軽量の被支持体を対象とする耐震構造
としては、上記図16(b)に示すものを含め、その耐
荷重、防振特性を可変できないタイプのものがほとんど
であり、被支持体の形状、構造あるいは重量が変化して
も、更には使用される環境や使用条件が違っても、やむ
なく同一の耐震構造が使用されていたのが実状であっ
た。
【0007】更にまた図16(b)に示すような耐震構
造にあっては、構造上、ゴミ、埃等の異物が侵入しやす
く、ゴミ、埃等の多い使用環境では使用できなかったの
が実状であった。なおこのような耐震構造及び防振構造
の抱える種々の課題は地震等、自然的要因によって発生
する振動に対する防振の分野に限定されるものではな
く、工事現場や振動源となる発電設備、ポンプ、搬送ラ
イン等を具える工場あるいは交通量の多い道路や路線の
沿線等のような人為的要因によって発生する振動に対す
る防振の分野や、振動を伴う船舶や車両内に配置される
各種設備や備品の防振の分野等にも同じく当てはまるも
のである。また上記人為的要因の中には、比較的低周波
の振動を発生させる機械等も含まれ、例えばマイクロメ
ーターオーダーの精度で加工できるNC等の大型精密工
作機械等の分野において、アームを動かす際に発生する
ランダムな低周波振動のために生じていた加工寸法の誤
差を低減させること、更に印字ヘッド高速移動型のプリ
ンタ等の防振の分野にあっては、ヘッドの移動によって
生じていた印刷精度の低下を減少させることも解決すべ
き課題とされていた。
【0008】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景の
存在を充分に認識し、その認識の上に立って案出された
ものであって、水平二軸と垂直一軸の計三軸、すなわち
三次元方向の防振を同時に行うことのできる防振装置を
提供するにあたり、構造の簡易化と小型薄肉化、そして
より一層のダンピング特性の向上とを同時に達成するこ
とにより、そして被支持体の重量の変化等に対応して、
耐荷重、防振特性を適宜調整し得るようにし、なお且つ
異物が混入しにくい構造とすることにより上記背景中に
開示する課題の解決を一挙に達成できる新規且つ極めて
利用価値の高い三次元防振パーツの開発を試みたもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
三次元防振パーツは、水平方向の防振を免震作用により
行う水平防振作用部と、垂直方向の防振を吸振作用によ
り行う垂直防振作用部とを一体に組み合わせることによ
って構成される三次元防振作用部と、この三次元防振作
用部を包覆するケーシングと、このケーシングに対し前
記三次元防振作用部を介して遊動状態に接続される支承
体とを具えて成り、更にこのうち三次元防振作用部にお
ける水平防振作用部は、なだらかな凹陥面と、この凹陥
面に常時接触する接触子とを具えて成り、前記凹陥面と
接触子との相対位置は求心作用によって一定の位置に収
束するように構成されており、一方、垂直防振作用部
は、少なくとも剪断方向に多く力が作用するように配置
される粘弾性体を有して成り、この粘弾性体の自変形作
用によって伝達された振動を吸収するように構成されて
いることを特徴として成るものである。そしてこのよう
な発明特定事項を手段とすることにより、水平方向に生
ずる低周波成分を多く含む振動は水平防振作用部の免震
作用によって減殺され、一方、垂直方向に生ずる高周波
成分を多く含む振動は垂直防振作用部の吸振作用によっ
て減衰されるから三次元方向の防振を同時に行うことが
可能となる。また水平防振作用部を凹陥面と接触子とに
よる求心作用を利用した極めて簡易な構造としたことに
より製品コストの削減、薄肉化、小型化にも寄与し得
る。更に垂直防振作用部を少なくとも剪断方向に多く力
が作用するように配置した粘弾性体を有することにより
構成したことにより、振幅の大きな垂直方向の振動にも
対応し得るようになるほか、構造の簡易化と薄肉化、小
型化にも寄与し得るようになる。更にまた水平防振作用
部と垂直防振作用部とを一体に組み合わせ、これらをケ
ーシング内に収容する構成としたことによりゴミ、埃等
の異物の侵入や凹陥面からの接触子の脱落の防止、更に
は凹陥面中心と接触子との位置出しがすでに行われてい
るから、複数の三次元防振パーツを用い、これらを適宜
の位置に設置する場合においても単に所望の位置に載置
するだけでよく、他の凹陥面や他の接触子との位置関係
は何ら考慮することがないから、設置作業の簡易化等も
達成され、これらにより前記課題の解決が図られるので
ある。
【0010】また請求項2記載の三次元防振パーツは、
前記要件に加え、前記水平防振作用部は、凹陥面または
接触子の一方が形成された水平遊動部と、凹陥面または
接触子の他方が形成された求心作用部とを具えることに
よって構成され、一方、前記垂直防振作用部は、ケーシ
ングまたは支承体の一方を粘弾性体を介して水平遊動部
または求心作用部の一方に対して弾性的に接続すること
によって構成されていることを特徴として成るものであ
る。そしてこのような発明特定事項を手段とすることに
より、水平防振作用部と垂直防振作用部とを一体に組み
合わせるにあたって両者の構成部材の一部、具体的には
水平遊動部または求心作用部を共用することとなって、
より一層の製品コストの削減、薄肉化、小型化が達成さ
れる。また地盤から伝達される三次元方向の振動の防振
を図る場合、最初に低周波成分の多い水平方向の振動の
防振を図り、その後、高周波成分の多い垂直方向の振動
の防振を図るようにすることが好ましいわけであるが、
水平遊動部と支承体との間に粘弾性体を介在させるよう
に構成した場合には定常姿勢(ケーシングを地盤側に設
置し、支承体を被支持体側に位置させた姿勢)において
上記条件を満たし、一方、求心作用部とケーシングとの
間に粘弾性体を介在させるように構成した場合には、反
転姿勢(支承体を地盤側に設置し、ケーシングを被支持
体側に位置させた姿勢)において上記条件を満たすこと
となり、これらにより前記課題の解決が図られるのであ
る。
【0011】更にまた請求項3記載の三次元防振パーツ
は、前記要件に加え、前記水平防振作用部は、前記凹陥
面に対して滑り接触するとともに、その端面形状を球面
とする突起状の接触子と、この接触子端面に比べて曲率
半径が大きくなるように設定される扁平椀状の凹陥面と
を具えることにより構成されていることを特徴とした成
るものである。そしてこのような発明特定事項を手段と
することにより、極めて簡易な構造により固有振動数を
低く設定できるほか、曲率半径を可変することにより固
有振動数と復元力との調整を図ることが可能となる。ま
た凹陥面と接触子との位置関係は特に限定されず、上下
逆に配設することも可能であるから、例えば凹陥面を下
向きに配設した場合にはゴミ、異物等の混入、付着を少
なくするという効果も発揮され、これらにより前記課題
の解決が図られるのである。
【0012】更にまた請求項4記載の三次元防振パーツ
は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記水平
防振作用部は、前記凹陥面に対して転がり接触する球体
状の接触子と、この接触子を挟むようにその上下に対向
して設けられる二つの凹陥面とを具えて成り、なお且つ
これらの凹陥面は、上記接触子に比べて曲率半径が大き
くなるように扁平椀状に形成されていることを特徴とし
て成るものである。そしてこのような発明特定事項を手
段とすることにより、曲率半径を変えることなく固有振
動数を低く設定でき、上記請求項3記載の三次元防振パ
ーツに比べて復元力を大きく設定できる。また水平防振
作用部の薄肉化、小型化を維持した上で対応できる水平
方向の振幅の拡大にも寄与し得るようになり、これらに
より前記課題の解決が図られるのである。
【0013】更にまた請求項5記載の三次元防振パーツ
は、前記請求項2、3または4記載の要件に加え、前記
ケーシングと支承体との対向面、あるいは前記ケーシン
グと水平遊動部との対向面のうち、ケーシング側あるい
は支承体ないしは水平遊動部側のうち、いずれか一方ま
たは双方にはケーシングと支承体あるいはケーシングと
水平遊動部の過接近時の衝撃を緩和する緩衝体が設けら
れていることを特徴として成るものである。そしてこの
ような発明特定事項を手段とすることにより、水平方向
に振幅の大きな振動が生じた場合に問題となるケーシン
グ内周面と支承体あるいは水平遊動部の外周面との衝突
に伴う衝撃力の吸収が図られるとともに、接触子の凹陥
面からの脱落の防止が図られ、これらにより前記課題の
解決に寄与し得るのである。
【0014】更にまた請求項6記載の三次元防振パーツ
は、前記請求項2、3、4または5記載の要件に加え、
前記水平遊動部と支承体とにおける粘弾性体に対する接
合面、あるいは求心作用部とケーシングとにおける粘弾
性体に対する接合面は、水平遊動部の支承体に対する底
付き、あるいはケーシングの求心作用部に対する底付き
を防止するようテーパ状に形成されていることを特徴と
して成るものである。そしてこのような発明特定事項を
手段とすることにより、垂直方向に振幅の大きな振動が
生じた場合でも、水平遊動部と支承体、あるいは求心作
用部とケーシングのそれぞれの接合面が当接し楔状に作
用することによって、それ以上の移動が防止され、水平
遊動部の支承体に対する底付き、あるいはケーシングの
求心作用部に対する底付きが防止される。また重力(垂
直)方向の振動や被支持体の重量により粘弾性体を剪断
変形しつつ、圧縮変形させることとなり、剪断破壊が起
こり難くなる。また万一粘弾性体が破壊された場合で
も、テーパ状に形成した上記接合面が接触状態となり、
その隙間に圧縮された粘弾性体を保持するので、被支持
体が極端に傾くことはなくなり、これらにより前記課題
の解決に寄与し得るのである。
【0015】更にまた請求項7記載の三次元防振パーツ
は、前記要件に加え、前記粘弾性体はJIS K 22
07−1980 50g荷重の針入度が30〜200の
範囲内のシリコーンゲルにより形成されていることを特
徴として成るものである。そしてこのような発明特定事
項を手段とすることにより、垂直防振作用部に優れた高
ダンピング特性が付与され、高周波成分の多い垂直方向
の振動の効果的な吸収が図られるようになり、前記課題
の解決に寄与し得るのである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の三次
元防振パーツについて具体的に説明する。なお以下の説
明にあたっては、最初に図1〜4に示す基本的実施の形
態について、その構成、作動状態の順で詳述し、次いで
上記基本的実施の形態とは部分的構成を異にする図6〜
15に示す他の種々の実施の形態について言及すること
とする。図中、符号1に示すものが本発明の三次元防振
パーツであって、このものは一般には単品では使用され
ず、図1に示すように複数個組み合わせて使用される。
具体的には被支持体Aの形状、構造あるいは重量等の違
いに応じて、使用個数、設置間隔及び設置レイアウト等
を適宜選択ないしは調整し、所望の耐荷重、防振特性が
発揮されるようにして使用する。
【0017】また本発明の三次元防振パーツ1は地盤G
と被支持体Aとの間に直接設けることも可能であるが、
図5(a)に示すように設置板2と支持板4とを別途用
意し、これらの間に本発明の三次元防振パーツ1を適宜
の個数組み込んだものを一ユニットUとして、ユニット
U単位で使用することも可能である。更に設置スペース
の高さに余裕がある場合には、図5(b)に示すように
本発明の三次元防振パーツ1を複数段、積み重ねて使用
することも可能である。ここで本明細書において使用す
る地盤Gについて説明しておく。
【0018】すなわち地盤Gは、一般には被支持体Aが
ビル等の建築物や橋梁等の構築物である場合には、それ
らの基礎ということになり、被支持体Aが例えばビル内
のフロアの床面である場合には、この床を支える梁等の
構造部材あるいはコンクリート打ちされた床基礎という
ことになり、被支持体Aが例えばフロア内に設置される
棚や陳列ケース等であれば床面ということになる。この
他、例外的に天井に吊持されるシャンデリヤ等を被支持
体Aとした場合には、この天井が上記地盤Gに代替する
こととなり、天井と被支持体Aとの間に本発明の三次元
防振パーツ1が配設されることとなる。因みにシャンデ
リヤ等を支持する場合には、接触子15と凹陥面11と
の接触状態を維持し、なお且つ求心作用を奏させる他の
手段、例えばバネを利用した付勢手段や磁力を利用した
吸着手段等を別途設け、ケーシング6あるいは支承体7
を上方よりあてがい、ボルト・ナット等、適宜の固定手
段を用いて吊持状態に支持することも可能であるが、上
記ケーシング6あるいは支承体7の一部をオーバーハン
グ状に下方に回り込ませ、下方より支承するようにすれ
ば上記付勢手段や吸着手段等の介在は不要となる。なお
以下述べる実施の形態にあっては、地盤Gを床面とした
比較的小型軽量の被支持体Aの防振に適した三次元防振
パーツ1を例にとって説明している。
【0019】本発明の三次元防振パーツ1は、水平方向
の防振を免震作用により行う水平防振作用部10と、垂
直方向の防振を吸振作用により行う垂直防振作用部20
とを一体に組み合わせることによって構成される三次元
防振作用部5と、この三次元防振作用部5を包覆するケ
ーシング6と、このケーシング6に対し前記三次元防振
作用部5を介して遊動状態に接続される支承体7とを具
えることによって基本的に構成される。
【0020】このうち水平防振作用部10は、なだらか
な凹陥面11と、この凹陥面11に常時接触する接触子
15とを具えて成り、前記凹陥面11と接触子15との
相対位置は求心作用によって一定の位置に収束するよう
に構成されている。そして上記凹陥面11と接触子15
のうち、いずれか一方がケーシング6に対して求心作用
部16の一部として固定され、他方の接触子15あるい
は凹陥面11が上記求心作用部16の一部である凹陥面
11あるいは接触子15に対し、接触状態を維持しつ
つ、水平方向に遊動運動し得る状態に設けられる水平遊
動部12に対して形成されるという構成が一例としてと
られる。
【0021】ここで求心作用について更に付言すれば、
求心作用は斜面(曲面と傾斜面の両方を含む)を利用し
た復元力により発生し、接触子15と凹陥面11との接
触面の重力方向に対する傾きとその大きさ、摩擦力によ
り移動方向や速度が決定される。すなわち求心力が摩擦
力よりも大きい間は求心方向に移動し、求心力と摩擦力
がつり合う位置では停止するので、傾斜角度が緩やかな
(曲率半径が大きい)場合には特に接触部の摩擦係数を
低く、表面粗さの調整を厳格にする必要がある。因みに
後述するポリオキシメチレンコポリマー(POM−C)
は、摩擦係数μ=0.12程度であるので、6.8°以
上の傾斜角度なら求心作用が働く。また扁平椀状の球面
状に形成された凹陥面11は、曲率半径を調整すること
により防振できる周波数を、そして凹陥面11の直径を
調整することにより減衰できる振幅の大きさをそれぞれ
設定でき、例えば地震の場合には数Hz の低周波成分を
多く含む大きな振幅の振動が発生するので、概ね500
mm以上の曲率半径と、数100〜3000mm程度の
直径とを有する凹陥面11を必要とする。
【0022】なおケーシング6と求心作用部16との接
合状態を意味する場合に使用する固定状態とは、図1〜
4等に示すように両者間の相対移動が全く起こらないよ
うな完全な固定状態を意味するほか、図14に示すよう
に両者間に後述する垂直防振作用部20の特徴的構成部
材である粘弾性体21を介在させることにより、両者間
の若干の相対移動を許容した弾性的に固定された状態を
も包含する意味で使用するものである。
【0023】そして図1〜4に示す実施の形態にあって
は、ケーシング6を一例として有底円筒状の容器様に構
成し、このケーシング6の底面部の中心に端面形状を球
面とする突起状の接触子15を立ち上げ、これを求心作
用部16とするとともに、接触子15に対して滑り接触
する凹陥面11を底面に形成して成る一例として円錐台
様の形状を有する水平遊動部12を具えるものを示す。
なおこの水平遊動部12に形成される凹陥面11として
は、前記接触子15の端面に比べて曲率半径が大きくな
るように設定される扁平椀状のものを一例として使用す
る。
【0024】またこのような水平遊動部12における少
なくとも凹陥面11を構成する部分の材料としては、耐
摩耗性、耐衝撃性、耐クリープ性、低摩擦性に優れるこ
とを必須条件とし、更に使用環境により、耐候性、耐薬
品性、耐火性、耐油性等や成形性が良好であることが条
件となる。従ってこのような条件を満たす種々の合成樹
脂や金属等が使用できるが、発錆等の問題を考慮すれば
合成樹脂の方が好ましい。因みに本実施の形態にあって
は、ポリオキシメチレンコポリマー(POM−C)を使
用した。このポリオキシメチレンコポリマーは上記条件
を満足するとともに、切削加工性や成形性等に優れ、発
錆等も生じないから、凹陥面11を形成する材料として
好適なものと言える。
【0025】一方、このような凹陥面11と接触する接
触子15の材料としても、上記凹陥面11と同様の作用
を有することが条件とされるから、上記凹陥面11と同
様の材料により形成されることが望ましい。因みに本実
施の形態にあっては、上記凹陥面11を形成したポリオ
キシメチレンコポリマーをこの接触子15にも使用し
た。しかし接触子15と凹陥面11のいずれか一方をポ
リオキメチレンコポリマー、他方を上記条件を満たす他
の材料により形成し、凹陥面11と接触子15とを異種
材料の組み合わせにより構成することももちろん可能で
ある。またこのような凹陥面11と接触子15との間に
オイルを介在させることも可能であり、このようにすれ
ば、凹陥面11と接触子15との相対移動がより一層、
円滑なものとなる。
【0026】次に三次元防振作用部5の他の一つの構成
部材である垂直防振作用部20について説明する。垂直
防振作用部20は基本的には、少なくとも剪断方向に多
く力が作用するように配置される粘弾性体21を有して
成り、この粘弾性体21の自変形作用によって伝達され
た振動を吸収するように構成されている。またこの垂直
防振作用部20はケーシング6または支承体7の一方を
粘弾性体21を介して水平遊動部12または求心作用部
16の一方に対して弾性的に接続することによって一例
として構成されている。
【0027】そして図1〜4に示す基本的実施の形態に
あっては、一例として支承体7を被支持体Aを直接支持
する支承部8と、この支承部8と前記水平遊動部12と
の間に、これら両者を接続する接続部9を配し、支承部
8と接続部9とは螺合状態に接続し、接続部9と水平遊
動部12との間に粘弾性体21を配設するという構成に
なっている。また図1〜4に示す実施の形態にあって
は、水平遊動部12と支承体7とにおける粘弾性体21
に対する接合面は水平遊動部12の支承体7に対する底
付きが防止されるようテーパ状に形成されている。因み
に水平遊動部12と支承体7とにおける粘弾性体21に
対する接合面をテーパ状にした場合には、重力(垂直)
方向の振動や被支持体Aの重量により粘弾性体21を剪
断変形しつつ、圧縮変形させることとなり剪断破壊が起
こり難くなる。これは圧縮される粘弾性体21の弾性力
によるものと思われるが、万一、粘弾性体21が破壊さ
れた場合でも、テーパ状に形成した上記接合面が接触状
態となり、その隙間に圧縮された粘弾性体21を保持す
るので、被支持体が極端に傾くことはない。
【0028】また支承部8と接続部9とを螺合状態に接
続したのは、被支持体Aの支持高さを適宜の位置に調節
したり、凹凸あるいは傾斜した地盤G上において被支持
体Aを水平に支持するにあたり、各三次元防振パーツ1
毎に、その作用高さを可変する必要がある場合に使用す
るものである。従って同一の作用を奏するものであれ
ば、ラチェット機構や油圧等を利用し、設置後において
も外部からの操作により高さ調整できるもの等、他の高
さ調整機構を用いたものでも構わないし、支承部8と接
続部9とを一体に構成し、ケーシング6側において高さ
調整するようにしてもよいし、三次元防振パーツ1自体
にはこのような高さ調整機構は特に設けず、地盤Gとケ
ーシング6との間、あるいは被支持体Aと支承部8との
間に適宜のスペーサを配設することにより、同様の作用
を奏するものであっても構わない。
【0029】更にこのような垂直防振作用部20におけ
る本発明の特徴的発明特定事項の一つである粘弾性体2
1の材料としては、被支持体Aの重量及び地震時の縦揺
れに伴う衝撃に耐えられるだけの機械的強度を具えると
ともに、伝達された振動をその自変形作用によって短時
間に収束させるに必要な柔軟性ないしは高ダンピング特
性を兼ね具えた材料、更には温度変化等、使用環境によ
ってその機能、特性に影響を受けない材料であることが
条件とされる。従ってこのような条件を満足するもので
あれば、合成ゴムや、その他の種々のエラストマー等が
使用できるものであって、その一例としてシリコーンゲ
ルが使用できる。更にこのシリコーンゲルの機能、特性
を充分に発揮させるにはJIS K 2207−198
0 50g荷重の針入度を30〜200の範囲内とした
シリコーンゲルを使用する。
【0030】ここでシリコーンゲルについて説明する。
このシリコーンゲルは、ジメチルシロキサン成分単位か
らなるもので、次式[1] で使用されるジオルガノポリシ
ロキサン(以下A成分という): RR1 2SiO−(R2 2SiO) nSiR1 2R……[1] [ただし、Rはアルケニル基であり、R1 は脂肪族不飽
和結合を有しない一価の炭化水素基であり、R2 は一価
の脂肪族炭化水素基(R2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、アルケニル基を有する場合にはその
含有率は10モル%以下である)であり、nはこの成分
の25℃における粘度が100〜100000cStに
なるような数である]と、25℃における粘度が500
0cSt以下であり、一分子中に少なくとも三個のSi
原子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン(B成分)とから成り、且つこの
B成分中のSi原子に直接結合している水素原子の合計
量に対するA成分中に含まれるアルケニル基の合計量の
比(モル比)が0.1〜2.0になるように調整された
混合物を硬化させることにより得られる付加反応型シリ
コーンコポリマーである。
【0031】このシリコーンゲルについて更に詳しく説
明すると、上記A成分は直鎖状の分子構造を有し、分子
の両末端にあるアルケニル基RがB成分中のSi原子に
直接結合した水素原子と付加して架橋構造を形成するこ
とができる化合物である。この分子末端に存在するアル
ケニル基は、低級アルケニル基であることが好ましく、
反応性を考慮するとビニル基が特に好ましい。また分子
末端に存在するR1 は、脂肪族不飽和結合を有しない一
価の炭化水素基であり、このような基の具体例としては
メチル基、プロピル基及びヘキシル基等のようなアルキ
ル基、フェニル基並びにフロロアルキル基を挙げること
ができる。
【0032】上記[1] 式においてR2 は一価の脂肪族炭
化水素であり、このような基の具体的な例としては、メ
チル基、プロピル基及びヘキシル基等のようなアルキル
基並びにビニル基のような低級アルケニル基を挙げるこ
とができる。ただし、R2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、R2 がアルケニル基である場合に
は、アルケニル基は10モル%以下の量であることが好
ましい。アルケニル基の量が10モル%を超えると架橋
密度が高くなり過ぎて高粘度になりやすい。またnは、
このA成分の25℃における粘度が通常は100〜10
0000cSt、好ましくは200〜20000cSt
の範囲内になるように設定される。
【0033】上記のB成分は、A成分の架橋剤でありS
i原子に直接結合した水素原子がA成分中のアルケニル
基と付加してA成分を硬化させる。B成分は上記のよう
な作用を有していればよく、B成分としては直鎖状、分
岐した鎖状、環状、あるいは網目状などの種々の分子構
造のものが使用できる。また、B成分中のSi原子には
水素原子の他、有機基が結合しており、この有機基は通
常はメチル基のような低級アルキル基である。
【0034】更に、B成分の25℃における粘度は通常
は5000cSt以下、好ましくは500cSt以下で
ある。このようなB成分の例としては、分子両末端がト
リオルガノシロキサン基で封鎖されたオルガノハイドロ
ジェンシロキサン、ジオルガノシロキサンとオルガノハ
イドロジェンシロキサンとの共重合体、テトラオルガノ
テトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、HR1 2
SiO 1/2単位とSiO 4/2単位とから成る共重合体シ
ロキサン、及びHR1 2SiO 1/2単位とR1 3SiO 1/2
単位とSiO 4/2単位とから成る共重合体シロキサンを
挙げることができる。ただし上記式においてR1 は前記
と同じ意味である。
【0035】そして上記のB成分中のSiに直接結合し
ている水素原子の合計モル量に対するA成分中のアルケ
ニル基の合計モル量との比率が通常は0.1〜2.0、
好ましくは0.1〜1.0の範囲内になるようにA成分
とB成分とを混合して硬化させることにより製造され
る。この場合の硬化反応は、通常は触媒を用いて行なわ
れる。ここで使用される触媒としては、白金系触媒が好
適であり、この例としては微粉砕元素状白金、塩化白金
酸、酸化白金、白金とオレフィンとの錯塩、白金アルコ
ラート及び塩化白金酸とビニルシロキ酸との錯塩を挙げ
ることができる。
【0036】このような錯塩はA成分とB成分との合計
重量に対して通常は0.1ppm(白金換算量、以下同
様)以上、好ましくは0.5ppm以上の量で使用され
る。このような触媒の量の上限については特に制限はな
いが、例えば触媒が液状である場合、あるいは溶液とし
て使用することができる場合には200ppm以下の量
で充分である。上記のようなA成分、B成分及び触媒を
混合し、室温に放置するか、あるいは加熱することによ
り硬化して本発明で使用されるシリコーンゲルが生成さ
れる。
【0037】このようなシリコーンゲルの硬度は、上記
A成分の量をB成分中のSiに直接結合している水素原
子と架橋構造を形成することができる。また他の方法と
して両末端がメチル基であるシリコーンオイルを、得ら
れるシリコーンゲルに対して5〜75重量%の範囲内の
量であらかじめ添加することにより調整することができ
る。
【0038】シリコーンゲルは上記のようにして調整す
ることもできるし、また市販されているものを使用する
こともできる。本発明で使用することができる市販品の
例としては、CF5027、TOUGH−3、TOUG
H−5、TOUGH−6(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン株式会社製)やX32−902/cat1300
(信越化学工業株式会社製)、F250−121(日本
ユニカ株式会社製)等を挙げることができる。
【0039】なお上記のA成分、B成分及び触媒のほか
に、顔料、硬化遅延剤、難燃剤、充填剤等をシリコーン
ゲルの特性を損なわない範囲内で配合することもでき、
また微小中空球体のフィラーを混入して成るシリコーン
ゲルを用いてもよく、このような材料に日本フィライト
株式会社製造のフィライト(登録商標)や同社販売のエ
クスパンセル(登録商標)等が例示できる。因みに本実
施の形態では、針入度30〜40(JIS K 220
7−1980 50g荷重の針入度)のシリコーンゲル
を使用した。
【0040】更に図1〜4に示す基本的実施の形態にあ
っては、一例としてケーシング6の側胴部の内周面にケ
ーシング6と水平遊動部12との過接近時の衝撃を緩和
する緩衝体30が設けられている。この緩衝体30の材
料としては上述の粘弾性体21と同様の材料が適用でき
る。この他、ケーシング6の上面に形成される開口部6
aは、前記水平防振作用部10における接触子15と凹
陥面11との相対移動を許容する目的で設けられるもの
であって、前記支承体7における接続部9の小径部9a
の外径より充分大きく、凹陥面11に対応して相対移動
できるように、その開口径が設定されている。
【0041】しかしこの開口径が大きくなると、それだ
けゴミや埃の侵入が多くなることが予想されることか
ら、必要な相対移動ストロークが確保される範囲内で、
できるだけ小さめに設定することが望ましい。また上記
支承部8を上記開口部6aより大きく設定すること、上
記支承部8とケーシング6の上面との間隔をできるだけ
狭く設定することも上記ゴミや埃の侵入を防止する上に
おいて好ましい構成となる。
【0042】次にこのようにして成る本発明の三次元防
振パーツ1に振動が伝わった場合の作動状態について説
明する。まず地盤Gの水平方向の振動に対しては、図3
に示すようにケーシング6は地盤Gと共に同一の周期、
同一の振幅で振動する。しかし被支持体Aの重量及び前
述の凹陥面11と接触子15とによって奏せられる求心
作用と低い摩擦力による滑り作用とによって、接触子1
5はほぼそのままの位置を確保し、被支持体Aへの水平
方向の振動伝達を防止するのである。なお求心作用を利
用した本発明の三次元防振パーツ1における水平防振作
用部10にあっては、水平方向の振動に対して接触子1
5と凹陥面11との相対移動によって防振するから、相
対移動の際に接触子15が凹陥面11の中央部に位置す
る場合と外周付近に位置する場合とで多少の上下動を生
じ、結果的に被支持体Aを上下に従動させてしまうこと
となる。しかしながら本発明の三次元防振パーツ1には
垂直防振作用部20が設けられており、この粘弾性体2
1が図3に示すように剪断変形することによって、上記
相対移動に伴って生ずる上下方向の振動の緩和、防振が
図られるのである。
【0043】一方、地盤Gの垂直方向の振動に対して
は、図4に示すように水平遊動部12は地盤Gと一緒に
振動するが、粘弾性体21が剪断変形し、その振動を吸
収するため、接続部9及び支承部8を介して支持される
被支持体Aはほぼそのままの高さ位置を保ち、被支持体
Aへの垂直方向の振動の伝達を防止するのである。すな
わち本発明の三次元防振パーツ1における垂直防振作用
部20は、外部からの垂直方向の振動を吸収するととも
に、上記接触子15と凹陥面11との相対移動に伴う上
下動をも緩和、防振する作用を併せ持つのである。因み
に粘弾性体21として、シリコーンゲルを使用した場合
にはダンピング特性に優れ、ストロークエンドでの反発
力もほとんど生ぜず、大きな温度変化に対しても常に安
定した特性が奏せられるため、極めて効果的且つ安定し
た垂直方向の防振が達成されるのである。また粘弾性体
21は、水平方向の振動に対しても自らを圧縮変形させ
ることにより減衰効果を発揮するものである。
【0044】
【他の実施の形態】次に図6〜15に基づいて前記図1
〜4に示す基本的実施の形態とは、部分的構成を異にす
る他の種々の実施の形態について説明する。まず図6に
示すものは本発明の三次元防振パーツ1全体の外観形状
を多角柱形状としたもの(図6(a)に示す)と、接触
子15を角錐形状とし、これと接触する凹陥面11を上
記接触子15よりも傾斜角度を小さく設定した複数のな
だらかな傾斜面を周方向に連続させることにより構成し
たもの(図6(b)に示す)である。因みにこのような
構成とした場合にあっても前述の図1〜4に示す実施の
形態と同様の作用が奏される。また三次元防振パーツ1
全体の外観形状、接触子15及び凹陥面11の形状はこ
の他、種々の形状をとり得るものであるが、水平遊動部
12の移動方向によって極端にその移動ストロークが変
化してしまうような形状(例えば平面形状を楕円、長方
形とするもののように中心からの距離が方向によってバ
ラツキがあるもの等)は、振動方向が定まっている使用
分野を除き、一般には不向きということができる。
【0045】また図7(a)に示すものは、前記図1〜
4に示す実施の形態とは逆に水平遊動部12側に接触子
15を、そして求心作用部16側に凹陥面11をそれぞ
れ形成したものを示す。因みにこのような構成とした場
合にあっても前記図1〜4に示す実施の形態と同様に水
平防振作用部10における求心作用は発揮される。なお
この図7(a)に示す実施の形態の場合は、凹陥面11
が上向きとなるためケーシング6の開口部6aから仮に
ゴミ、埃等の異物が侵入した場合において、凹陥面11
上にこれらの異物が堆積するおそれが懸念される。そこ
でこのような場合には図7(b)に示すような蛇腹状の
ダストブーツ様のスリーブSを支承体7とケーシング6
との間に遊嵌状態に配設し、ゴミ、埃等の異物の侵入を
未然に防止するようにした構成と併用することが好まし
い。
【0046】なお上記蛇腹状のスリーブSは、支承体7
及びケーシング6に対し、特に固定することなく、単に
嵌め入れるだけで充分であり、このようにすれば支承体
7とケーシング6との垂直方向の相対移動は何ら拘束さ
れないから、粘弾性体21には、これに伴う負荷等はか
からないから、粘弾性体21の有する高ダンピング特性
が余すことなく発揮されるのである。また上記スリーブ
Sは少なくとも垂直方向において伸縮自在に構成されれ
ばよいから、筒状のウレタンスポンジ等、同様の作用を
奏する他のスリーブSを使用することももちろん可能で
ある。
【0047】更に図8(a)に示すものは、水平防振作
用部10を凹陥面11に対して転がり接触する球体状の
接触子15と、この接触子15を挟むようにその上下に
対向して設けられる二つの凹陥面11とを具え、これら
の凹陥面11は、上記接触子15に比べて曲率半径が大
きくなるように扁平椀状に形成されているものを示す。
因みにこのような構成の水平防振作用部10を採用した
場合にあっても、上記図1〜4に示す実施の形態におけ
る水平防振作用部10と同様の求心作用が奏せられる。
【0048】因みにこのような構成の水平防振作用部1
0を採用した場合には、図8(a)に示すように水平遊
動部12の移動ストロークが大きくなり、図8(b)に
示す水平防振作用部10における凹陥面11と同一の大
きさ、曲率半径の凹陥面11を二面使用した図8(a)
に示すような水平防振作用部10にあっては、その移動
ストロークはほぼ二倍に拡大する。従って水平方向のよ
り大きな振幅にも対処し得るようになるのである。一
方、これに伴い必然的にケーシング6の開口部6aの開
口径も拡大するが、図8(a)に示すような水平方向に
伸縮自在の防塵幕Bを上記開口部6aを閉塞するように
設けておけば、ゴミ、埃、塵等の異物の侵入の問題は解
消される。
【0049】また凹陥面11の曲率半径が大きくなる
と、固有振動数は低くなるが、復元力が低下してしま
う。しかし図9(b)に示すこのような構成の水平防振
作用部10を採用した場合には、同一の大きさ、曲率半
径の凹陥面11を使用した図9(a)に示す水平防振作
用部10に対して復元力を低下させることなく、固有振
動数のみを低下させることが可能となり、固有振動数に
ついてみれば、図9(c)に示すように大きさ、曲率半
径を図9(a)に示すものの二倍に設定した凹陥面11
を使用した場合と同等の効果が発揮されるのである。
【0050】更にまたこのような構成の水平防振作用部
10を採用する場合における接触子15の構成として
は、図10(a)に示すような球体状のもののほか、図
10(b)に示すような碁石様の扁平なもの、図10
(c)に示すような扁平円柱状のもの等、種々の形状の
接触子15を採用することが可能である。因みに図10
(a)に示す球体状の接触子15の特徴としては、滑り
接触よりも転がり接触が主であって、摩擦抵抗の影響が
少ないことが特徴として挙げられる。また図10(b)
に示す碁石様の接触子15にあっては、初期加振時にお
いてまず転がり接触し、その後、滑り接触に移行するも
のと考えられ、静的摩擦が小さく、初期振動性に優れ、
また三次元防振パーツ1全体の高さを低く設定できる点
が特徴として挙げられる。
【0051】更に図10(c)に示す扁平円柱状の接触
子15にあっては、接触子15の底部円周が凹陥面11
に対して線接触するため、耐荷重の向上及び点接触に伴
う一点集中荷重による長期使用によって生ずる接触子1
5ないしは凹陥面11の変形の防止、更には接触子15
の安定性の向上等が達成される。なお図10(c)に示
す扁平円柱状の接触子15を使用する場合には、接触子
15と凹陥面11(特に下方に位置する凹陥面11)と
の間にゴミ等の異物の侵入が予想されることから、図1
1(a)に示すように凹陥面11が形成される求心作用
部16あるいは水平遊動部12に対して侵入したゴミ等
の異物を排除する排除孔13を設けたり、図11(b)
に示すように接触子15の底面または上面のいずれか一
方、あるいは双方に侵入した上記異物の排除を目的とす
る排除溝17を形成するようにすることも可能である。
因みにこのような構成を採用した場合には、メインテナ
ンスに伴う洗浄作業等の容易化が図られるのである。
【0052】更にまた図12(a)(b)に示すものは
水平遊動部12と支承体7における接続部9との位置関
係を異にした二種の三次元防振パーツ1を示すものであ
るが、このような三次元防振パーツ1に対して緩衝体3
0を設けるにあたっては、図12(a)中、(i)に示
す支承体7における接続部9の小径部9aの外周、図1
2(a)中、(ii) に示すケーシング6における開口部
6aの周縁、図12(a)中、(iii)に示す接続部9の
大径部9bの外周あるいは、図12(a)中、(iv)に示
すケーシング6の側胴部の内周等、水平方向の過振幅時
に生ずるケーシング6と支承体7との各当接部位のいず
れか一つ、あるいはこれらの幾つかまたはすべてに緩衝
体30を設けることが可能である。
【0053】同様に図12(b)にあっては、図中
(i)に示す水平遊動部12の外周、図中(ii)に示す
ケーシング6の側胴部の内周等、水平方向の過振幅時に
生ずるケーシング6と水平遊動部12との当接部位に対
して緩衝体30を設けることも可能である。また図12
(b)では更に(iii) (iv) の位置にも緩衝体30を設
けているが、これは垂直方向の過振幅時の衝突に伴う衝
撃の緩和が必要になる場合にとり得る構成を示すもので
ある。
【0054】更にまた図13、14に示すものは垂直防
振作用部20における粘弾性体21の種々の配設態様を
示すものであって、このうち図13は定常姿勢時の使用
に適した種々の配設態様を示し、一方、図14は反転姿
勢時での使用に適した種々の配設態様を示すものであ
る。まず図13(I)(I′)(I″) は支承体7にお
ける支承部8と接続部9との間に粘弾性体21を設けた
ものを示すものであって、このうち図13(I)はテー
パ状に形成した両者の外周の接合面に剪断変形し得るよ
うに粘弾性体21を配設したもの、また図13(I′)
は、これに加え、支承部8または接続部9の中央の対向
面に圧縮変形し得る別途の粘弾性体21を配設したも
の、そして図13(I″)に示すものは、上記図13
(I)に示す粘弾性体21を内側に延長形成し、剪断変
形及び圧縮変形するように粘弾性体21を配設したもの
をそれぞれ示すものである。
【0055】また図13(II) (II ′) (II ″) は、接
続部9と水平遊動部12との間に粘弾性体21を設けた
ものを示すものであって、このうち図13(II) は水平
遊動部12の外周側の一部を上方に立ち上げ、この部位の
内周面と接続部9の外周面との間に剪断変形し得るよう
に粘弾性体21を配設したもの、また図13(II′)は
これに加え水平遊動部12の上面に圧縮変形し得る別途
の粘弾性体21を配設したもの、そして図13(II″)
は、上記図13(II) に示す粘弾性体21を接続部9の
底面に至るように延長形成し、剪断変形及び圧縮変形す
るように粘弾性体21を配設したものをそれぞれ示すも
のである。
【0056】更に図13(III) (III ′) (III″) も接
続部9と水平遊動部12との間に粘弾性体21を設けた
ものを示すものであって、このうち図13(III)は接続
部9及び水平遊動部12の外周部に形成した各テーパ面
間に剪断変形し得るように粘弾性体21を配設したも
の、また図13(III ′) はこれに加え、接続部9と水
平遊動部12の中央の対向面に圧縮変形し得る別途の粘
弾性体21を配設したもの、そして図13(III ′) は
上記図13(III)に示す粘弾性体21を内側に延長形成
し、剪断変形及び圧縮変形するように粘弾性体21を配
設したものをそれぞれ示すものである。
【0057】次に図14に示す反転姿勢時での使用に適
した種々の配設態様について説明する。このうち図14
(I)(I′)(I″) は、凹陥面11が形成された求
心作用部16の外周面とケーシング6の主に側胴部内周
面との間に粘弾性体21を配設したもの、また図14
(II) (II ′) (II ″) は、接触子15が形成された求
心作用部16の外周面とケーシング6の主に側胴部内周
面との間に粘弾性体21を配設したものをそれぞれ示
す。なお図14(I)(I′)(I″) 及び図14(I
I) (II ′) (II ″) の個別の実施の形態については、
前記図13と基本的に同様であるので、ここではこれ以
上特に言及しないこととする。
【0058】更に図14(III ) に示すものは、上記図
14(I)の実施の形態において粘弾性体21をケーシ
ング6と求心作用部16の対向面に圧縮変形し得る状態
に配設したもの、更にまた図14(IV) に示すものは、
上記図14(II) の実施の形態において粘弾性体21を
ケーシング6と求心作用部16の対向面に圧縮変形し得
る状態に配設したもの、更にまた図14(V)に示すも
のは、ケーシング6の底板部の一部を凹陥させ、圧縮変
形及び剪断変形し得るように粘弾性体21を配設し、こ
れにより求心作用部16を保持するようにしたものをそ
れぞれ示すものである。なお上記図13、14に示す種
々の実施の形態はそれぞれ単独で用いられるほか、これ
らの数種を組み合わせて使用することももちろん可能で
ある。
【0059】最後に図15に示す実施の形態について説
明する。このものは本発明の三次元防振パーツ1を単品
でも使用できるように被支持体Aの荷重が支承体7にか
かった状態においても水平遊動部12が常に水平姿勢を
維持できるよう、複数点において水平遊動部12を支承
するようにしたものである。具体的には前記図1〜4に
示す基本的実施の形態においてケーシング6の底板部中
心に設けた接触子15(求心作用部16でもある)の外
方に一定の間隔を隔てて、上記接触子15と滑り接触す
る凹陥面11と同一の曲率あるいは傾斜角度を有する水
平安定面31を求心方向に勾配を付けて形成するという
構成をとる。これにより接触子15と凹陥面11との相
対移動に関係なく常に接触子15と凹陥面11並びに上
記水平安定面31と凹陥面11外周のエッジ部分の計二
点において接触するようになり、水平遊動部12の水平
姿勢の維持を通じて単品での使用が可能となるのであ
る。
【0060】
【発明の効果】本発明の三次元防振パーツ1は以上述べ
たような種々の実施の形態によって具現化される請求項
1〜7に記載する発明特定事項を具備することによって
成るものであって、このような発明特定事項を具備する
ことによって以下述べるような種々の効果が発揮され
る。すなわち水平防振作用部10と垂直防振作用部20
とを一体に組み合わせる構造としたことにより、水平方
向の振動は水平防振作用部10によって減殺され、一
方、垂直方向の振動は垂直防振作用部20によって減衰
されるから、三次元方向の防振を同時に行うことが可能
となる。またこのような水平防振作用部10と垂直防振
作用部20は、ケーシング6内に収容され、包覆された
状態にあるから、ゴミ、埃等の異物の侵入も問題となら
ず、従来使用できなかったようなゴミ、埃の多い使用環
境下でも使用できるようになる。更に凹陥面11からの
接触子15の脱落の防止や、凹陥面11の中心と接触子
15との位置出しがすでに行われているから複数の三次
元防振パーツ1を用い、これらを適宜の位置に設置する
場合においても単に所望の位置に載置するだけでよく、
他の凹陥面11や他の接触子15との位置関係は何ら考
慮することがないから、設置作業の簡易化等も達成され
る。
【0061】更に水平防振作用部10を凹陥面11と接
触子15とによる求心作用を利用した極めて簡易な構造
としたことにより、製品コストの削減、薄肉化、小型化
にも寄与し得るようになる。更にまた垂直防振作用部2
0を剪断方向に力が作用するように配置した粘弾性体2
1を有することにより構成したことにより振幅の大きな
垂直方向の振動にも対応し得るようになるほか、構造の
簡易化と薄肉化、小型化にも寄与し得るようになる。更
にまた請求項2に記載するように水平防振作用部10と
垂直防振作用部20のそれぞれの構成部材の一部を共用
するようにした場合には、より一層の製品の小型化、薄
肉化が達成される。この他、粘弾性体21をJIS K
2207−1980 50g荷重の針入度が30〜2
00の範囲内のシリコーンゲルにより形成した場合に
は、垂直防振作用部20に優れた高ダンピング特性が付
与され、免震理論を適用した上記水平防振作用部10と
相まって振動方向によることのない極めて汎用性に優れ
る三次元防振パーツ1が提供できるのである。更にまた
被支持体Aの重量の大小等に応じて、使用個数、設置間
隔、設置レイアウトを適宜選択ないしは調整することに
より、使用目的に応じた種々の耐荷重、防振特性を有す
る三次元方向の防振が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元防振パーツの使用状態を示す側
面図並びに本発明の三次元防振パーツの一つを拡大して
示す縦断側面図である。
【図2】本発明の三次元防振パーツを拡大し、一部破断
して示す分解斜視図である。
【図3】本発明の三次元防振パーツに水平方向の振動が
かかった場合の作動状態を示す縦断側面図である。
【図4】同上垂直方向の振動がかかった場合の作動状態
を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の三次元防振パーツの使用方法を異なら
せた二種の実施の形態を示す側面図である。
【図6】本発明の三次元防振パーツのケーシング及び支
承体の形状を異ならせた他の実施の形態並びに接触子及
び凹陥面の形状を異ならせた他の実施の形態を併せ示す
斜視図である。
【図7】凹陥面と接触子との位置関係を逆にした実施の
形態並びにその場合に使用することの望ましいスリーブ
の装着状態を併せ示す縦断側面図である。
【図8】水平防振作用部の構成を異ならせた他の実施の
形態を示す縦断側面図、並びに水平移動ストロークに関
しこの実施の形態との対比のために併せ示す前記図1〜
4に示す実施の形態の水平防振作用部の縦断側面図であ
る。
【図9】前記図8に示す他の実施の形態を適用した場合
の復元力を維持した状態での固有振動数の低下特性を示
すために同一曲率半径の凹陥面と、これに滑り接触する
接触子とから成る水平防振作用部を有する三次元防振パ
ーツと、図8に示す三次元防振パーツと、曲率半径を二
倍に設定した凹陥面と、これに滑り接触する接触子とか
ら成る水平防振作用部を有する三次元防振パーツとを対
比して示す縦断側面図である。
【図10】図8に示す三次元防振パーツに適用できる接
触子の種々の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図11】凹陥面と接触子との間に侵入した異物の除去
手段の二種の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図12】接続部と水平遊動部との位置関係を異にする
二種の三次元防振パーツにおける緩衝体の種々の配設態
様を各別に示す縦断側面図である。
【図13】本発明の三次元防振パーツを定常姿勢で使用
する場合に適した粘弾性体の種々の配設態様を示す縦断
側面図である。
【図14】本発明の三次元防振パーツを反転姿勢で使用
する場合に適した粘弾性体の種々の配設態様を示す縦断
側面図である。
【図15】単品での使用が可能な三次元防振パーツを示
す縦断側面図である。
【図16】従来の二種の耐震構造を示す縦断側面図並び
に斜視図である。
【符号の説明】
1 三次元防振パーツ 1′ 耐震構造 2 設置板 4 支持板 5 三次元防振作用部 6 ケーシング 6a 開口部 7 支承体 8 支承部 9 接続部 9a 小径部 9b 大径部 10 水平防振作用部 11 凹陥面 12 水平遊動部 13 排除孔 15 接触子 16 求心作用部 17 排除溝 20 垂直防振作用部 21 粘弾性体 30 緩衝体 31 水平安定面 A 被支持体 B 防塵幕 C コロ D オイルダンパ E スプリング G 地盤 L ガイドレール M 鉄板 P スライドパネル R ゴム板 S スリーブ U ユニット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向の防振を免震作用により行う水
    平防振作用部と、垂直方向の防振を吸振作用により行う
    垂直防振作用部とを一体に組み合わせることによって構
    成される三次元防振作用部と、この三次元防振作用部を
    包覆するケーシングと、このケーシングに対し前記三次
    元防振作用部を介して遊動状態に接続される支承体とを
    具えて成り、更にこのうち三次元防振作用部における水
    平防振作用部は、なだらかな凹陥面と、この凹陥面に常
    時接触する接触子とを具えて成り、前記凹陥面と接触子
    との相対位置は求心作用によって一定の位置に収束する
    ように構成されており、一方、垂直防振作用部は、少な
    くとも剪断方向に多く力が作用するように配置される粘
    弾性体を有して成り、この粘弾性体の自変形作用によっ
    て伝達された振動を吸収するように構成されていること
    を特徴とする三次元防振パーツ。
  2. 【請求項2】 前記水平防振作用部は、凹陥面または接
    触子の一方が形成された水平遊動部と、凹陥面または接
    触子の他方が形成された求心作用部とを具えることによ
    って構成され、一方、前記垂直防振作用部は、ケーシン
    グまたは支承体の一方を粘弾性体を介して水平遊動部ま
    たは求心作用部の一方に対して弾性的に接続することに
    よって構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    三次元防振パーツ。
  3. 【請求項3】 前記水平防振作用部は、前記凹陥面に対
    して滑り接触するとともに、その端面形状を球面とする
    突起状の接触子と、この接触子端面に比べて曲率半径が
    大きくなるように設定される扁平椀状の凹陥面とを具え
    ることにより構成されていることを特徴とする請求項1
    または2記載の三次元防振パーツ。
  4. 【請求項4】 前記水平防振作用部は、前記凹陥面に対
    して転がり接触する球体状の接触子と、この接触子を挟
    むようにその上下に対向して設けられる二つの凹陥面と
    を具えて成り、なお且つこれらの凹陥面は、上記接触子
    に比べて曲率半径が大きくなるように扁平椀状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の三次
    元防振パーツ。
  5. 【請求項5】 前記ケーシングと支承体との対向面、あ
    るいは前記ケーシングと水平遊動部との対向面のうち、
    ケーシング側あるいは支承体ないしは水平遊動部側のう
    ち、いずれか一方または双方にはケーシングと支承体あ
    るいはケーシングと水平遊動部の過接近時の衝撃を緩和
    する緩衝体が設けられていることを特徴とする請求項
    2、3または4記載の三次元防振パーツ。
  6. 【請求項6】 前記水平遊動部と支承体とにおける粘弾
    性体に対する接合面、あるいは求心作用部とケーシング
    とにおける粘弾性体に対する接合面は、水平遊動部の支
    承体に対する底付き、あるいはケーシングの求心作用部
    に対する底付きを防止するようテーパ状に形成されてい
    ることを特徴とする請求項2、3、4または5記載の三
    次元防振パーツ。
  7. 【請求項7】 前記粘弾性体はJIS K 2207−
    1980 50g荷重の針入度が30〜200の範囲内
    のシリコーンゲルにより形成されていることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5または6記載の三次元防振
    パーツ。
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