JPH10212809A - 外壁用建材 - Google Patents

外壁用建材

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JPH10212809A
JPH10212809A JP3115697A JP3115697A JPH10212809A JP H10212809 A JPH10212809 A JP H10212809A JP 3115697 A JP3115697 A JP 3115697A JP 3115697 A JP3115697 A JP 3115697A JP H10212809 A JPH10212809 A JP H10212809A
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JP
Japan
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water
cobalt
photocatalyst
surface layer
photoexcitation
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Application number
JP3115697A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kitamura
厚 北村
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり撥水性を維持可能であり、汚れ
にくい外壁用建材の提供。 【解決手段】 外壁用建材において、基材表面に、光触
媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ン
の前記光触媒の光励起による親水化を防止するための物
質とを含有する表面層が形成されているようにする、或
いは基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含
有する層が形成され、さらにその層表面の少なくとも一
部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起によ
る親水化を防止するための物質が固定されているように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煤塵や排気ガスな
どの燃焼生成物による汚れや、上方にあるシ−ラントか
ら溶出する汚れや、建物の排気口から排出される汚染物
質などで汚れにくい防汚性外壁用建材に関する。
【0002】
【従来の技術】高層ビルや住宅等の外壁は、煤塵や排気
ガスなどの燃焼生成物による汚れや、上方にあるシ−ラ
ントから溶出する汚れや、建物の排気口から排出される
汚染物質などで汚れる。これらの汚れは薄黒く、建物の
美観を著しく損ねる。さらに高層ビル外壁を清掃しよう
とすれば、その清掃は、高所作業であり、重労働である
と同時に危険を伴う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、汚れにくい外
壁用建材が望まれている。
【0004】汚れの付着を防止する方法としては、基材
表面に撥水性を付与するとよいことが知られている。基
材表面に撥水性を付与すると、表面エネルギ−が著しく
小さくなるため、汚れ成分が付着されにくくなる。その
一方法として、基材表面に撥水性シリコ−ンからなる表
面層を形成する方法がある。しかしながら、この構成で
は経時的に汚れが付着することによって水との接触角が
70゜程度に低下し、撥水性の効果が持続しない。そこ
で、上記課題を解決する他の方法として、基材表面に光
触媒と撥水性シリコ−ンとからなる表面層を形成する方
法がある。この方法によれば、光触媒の酸化分解性に基
づき、経時的に付着する汚れを分解できる。しかしなが
ら、この構成では屋外で太陽光に晒すと、光触媒の光励
起によりシリコ−ンが親水化してしまうため表面の撥水
性を維持することができない。本発明では、上記事情に
鑑み、表面の撥水性を長期にわたり維持しうる外壁用建
材を提供し、以て汚れにくい外壁用建材を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ
−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質とを含有する表面層が
形成されている、或いは基材表面に、光触媒粒子と撥水
性シリコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層
表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記
光触媒の光励起による親水化を防止するための物質が固
定されていることを特徴とする外壁用建材を提供する。
コバルト又はコバルト化合物のような光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質が表面層に含有されて
いるようにすることにより、光触媒の光励起によりシリ
コ−ンが親水化してしまうのを防止することができる。
かつ光触媒が含有されているので、光触媒の酸化分解性
に基づき、経時的に付着する汚れを分解できる。従っ
て、表面の撥水性を維持することができ、外壁用建材は
恒久的に汚れにくい状態を維持することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施態様においては、
外壁用建材表面には、図1に示すように、光触媒粒子
と、シリコ−ンと、コバルト又はコバルト化合物等の光
触媒の光励起による親水化を防止するための物質を含む
表面層が形成されている。本発明の他の態様において
は、外壁用建材表面には、図2に示すように、光触媒粒
子と、撥水性シリコ−ンとを含有する層が形成され、さ
らにその層表面の少なくとも一部にはコバルト又はコバ
ルト化合物等の撥水性シリコ−ンの光触媒の光励起によ
る親水化を防止するための物質が固定されている。外壁
用建材の基材には、周知の建材である施釉タイル、無釉
タイル、煉瓦、結晶化ガラス、ガラスブロック、コンク
リ−ト、石材、木材、軽量気泡コンクリ−ト、石綿セメ
ントケイ酸カルシウム、プレキャスト鉄筋コンクリ−
ト、石綿スレ−ト、パルプセメント、石膏ボ−ドなどの
無機基材;及びその表層に、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル、シリコ−ン、フッ素樹脂、アクリル
シリコン樹脂などの樹脂塗料を塗装した化粧無機建材;
アルミニウム、ステンレス、鉄鋼等の金属基材、及びそ
の表層に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル、シリコ−ン、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂な
どの樹脂塗料を塗装した塗装鋼板材;ポリカ−ボネ−
ト、アクリル等のプラスチック又はその塗装板等が好適
に利用できる。基材と表面層との間には耐蝕性の中間層
を設けてもよい。耐蝕性の中間層の材質としては、シリ
コ−ン樹脂、無定型シリカ、アクリルシリコン樹脂等が
好適に利用できる。
【0007】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等の酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起
に用いる光源としては、日中は太陽に晒されるので、太
陽光が利用できる。
【0008】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0009】コバルト化合物には、コバルト合金、酸化
コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバル
ト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝
酸コバルト等が好適に利用できる。
【0010】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また表面層が薄ければ薄いほどその透
明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐
摩耗性が向上する。
【0011】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0012】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0013】次に、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性
シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質とを含有する表
面層が形成されている撥水性部材の製法について説明す
る。この場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−テ
ィング組成物を塗布し、硬化させることによる。
【0014】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質にシリコ−ンの前駆体
を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸等のシリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−
ンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤
等のコ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤な
どを添加してもよい。
【0015】コバルト又はコバルト化合物としては、水
溶性のコバルト化合物を用いるのが好ましい。水溶性の
コバルト化合物としては、例えば、塩化コバルト、硫酸
コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバル
ト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等が好適に利用でき
る。
【0016】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0017】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0019】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0020】次に、基材表面に、光触媒粒子と撥水性シ
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れている撥水性部材の製法について説明する。この場合
の製法は、基本的には、光触媒粒子と撥水性シリコ−ン
の前駆体とを含有するコ−ティング組成物を塗布し、硬
化させた後、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定することによる。
【0021】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と、撥水性シリコ−ンの前駆体を必須構成要件とし、そ
の他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒や、塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等のシリカの前駆体
の加水分解を促進する触媒や、トリブチルアミン、ヘキ
シルアミンなどの塩基性化合物類、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、テトライソプロピルチタネ−トなどの
酸性化合物類等のシリカの前駆体を硬化させる触媒や、
シランカップリング剤等のコ−ティング液の分散性を向
上させる界面活性剤などを添加してもよい。
【0022】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0023】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0024】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0025】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0026】コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定する方法は、例えば、塩化コバ
ルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、
酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等の水溶
性のコバルト化合物を、スプレ−コ−ティング法、ディ
ップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ
−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法で塗布し、光還元、熱処理、アルコ−
ル等の犠牲酸化剤を併用する還元等の方法で固定するこ
とにより行う。
【0027】
【実施例】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉
タイル基材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、
200℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料の
水との接触角は92゜であった。ここで水との接触角は
接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の
水との接触角で評価した。次いで#1試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日
照射し、#2試料を得た。その結果、#2試料の水との
接触角は0゜まで親水化された。次に、#1試料と、#
1試料に水銀灯を22.8mW/cm2の紫外線照度で
2時間照射して得た#3試料夫々の試料表面をラマン分
光分析した。その結果、#1試料表面で認められたメチ
ル基のピ−クが#3試料では認められず、代わりに水酸
基のブロ−ドなピ−クが認められた。以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起により被
膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、水酸基に置換されること、及び親水化されるこ
とがわかる。
【0028】実施例1.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉タイル基
材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、200℃
で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子11
重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部、コバル
ト0.2重量部からなる表面層を形成した#4試料を得
た。#4試料の水との接触角は97゜であった。ここで
水との接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X
150)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下した
後30秒後の水との接触角で評価した。次いで#4試料
表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−
(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外
線照度で1日照射し、#5試料を得た。その結果、#5
試料の水との接触角は依然96゜と撥水性を維持した。
従って、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸
化チタンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの親水
化が、コバルトにより阻害されることがわかる。これ
は、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合
した有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害され
るためと考えられる。
【0029】実施例2.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して
得たコ−ティング液を、スプレ−コ−ティング法にて5
×10cm角の施釉タイル基材(東陶機器、AB02E
11)上に塗布し、200℃で15分熱処理して、アナ
タ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量部、
シリコ−ン5重量部からなる表面層を形成した。さらに
その上にコバルト金属濃度50μmol/gの塩化コバ
ルト六水和物水溶液を0.3g塗布後、紫外線光源(三
共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を用
いて紫外線照度0.4mW/cm2の紫外線を10分照
射して基材上にコバルトを固定して#6試料を得た。#
6試料の水との接触角は95゜であった。ここで水との
接触角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X15
0)を用い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後3
0秒後の水との接触角で評価した。次いで#6試料表面
に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−(B
LB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照
度で1日照射し、#7試料を得た。その結果、#7試料
の水との接触角は依然94゜と撥水性を維持した。従っ
て、以上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チ
タンの光励起による被膜の表面のシリコ−ンの親水化
が、コバルトにより阻害されることがわかる。これは、
被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した
有機基の水酸基への置換がコバルトにより阻害されるた
めと考えられる。
【0030】実施例3.#5試料、#7試料、及び比較
のためポリテトラフルオロエチレン板を建物の屋上の屋
根付き部分の下に図3のように設置し、4か月放置し
た。その結果、ポリテトラフルオロエチレン板では汚れ
が観察されたのに対し、#5試料、#7試料では汚れは
観察されなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明では、外壁用建材において、基材
表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水
性シリコ−ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止
するための物質とを含有する表面層が形成されているよ
うにする、或いは基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリ
コ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面の
少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒
の光励起による親水化を防止するための物質が固定され
ているようにすることにより、部材表面は長期にわたり
撥水性を維持可能となり、以て恒久的に汚れにくくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外壁用建材の表面構造を示す図。
【図2】本発明に係る外壁用建材の他の表面構造を示す
図。
【図3】本発明の実施例に係る試験の試料の設置方法を
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリ
    コ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起
    による親水化を防止するための物質とを含有する表面層
    が形成されていることを特徴とする外壁用建材。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ
    −ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面の少
    なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の
    光励起による親水化を防止するための物質が固定されて
    いることを特徴とする外壁用建材。
  3. 【請求項3】 前記光触媒の光励起による親水化を防止
    するための物質は、コバルト又はコバルト化合物である
    ことを特徴とする請求項1、2に記載の外壁用建材。
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