JPH10209523A - 磁電変換素子 - Google Patents

磁電変換素子

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JPH10209523A
JPH10209523A JP9008275A JP827597A JPH10209523A JP H10209523 A JPH10209523 A JP H10209523A JP 9008275 A JP9008275 A JP 9008275A JP 827597 A JP827597 A JP 827597A JP H10209523 A JPH10209523 A JP H10209523A
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layer
crystal layer
conversion element
substrate
magnetoelectric conversion
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JP9008275A
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Tetsuo Kawasaki
哲生 川崎
Akihiro Korechika
哲広 是近
Takamichi Hattori
孝道 服部
Kunihiko Oishi
邦彦 大石
Shinji Saito
紳治 斎藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転や変位等の検出に用いられる磁電変換素
子において、広い温度範囲にわたって高い検出出力を得
ることを目的とする。 【解決手段】 絶縁体上にシリコンからなる結晶層11
が形成された基板1と、この基板1の結晶層11上に形
成した少なくともインジウムとアンチモンとを含む半導
体薄膜からなる感磁層2と、この感磁層に接した電極3
と、この電極に接した端子電極4とを有する構成とする
ことにより、結晶層11を薄層化して漏れ電流を低減で
きるため、広い温度範囲にわたって高い検出出力を有す
る磁電変換素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転や変位等の検
出に用いられる磁電変換素子に適した半導体薄膜を用い
た磁電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体を用いた磁電変換素子は、その優
れた周波数特性、非接触検知可能性、対ノイズ性が良い
等の利点を有し、主に非接触式の回転変位センサとして
広く応用されている。これらの中で半導体中最大のキャ
リヤ移動度を有するアンチモン化インジウム(InS
b)を用いた磁電変換素子は、検出出力が大きく、被検
出体とのギャップを広く採れるため最も回転変位センサ
に適している。
【0003】この磁電変換素子における代表的なものに
ホール素子や磁気抵抗素子があるが、基本的な素子構成
としては双方同様なものであり、図6に示すように、基
板51上にInSb薄片を接着あるいはInSb薄膜を
真空蒸着法等で形成することにより感磁層52を設け、
この感磁層52上に銅やインジウム等からなる電極53
を真空蒸着法や湿式メッキ法により設けたものである。
【0004】また電源等の外部回路との接続方法によっ
ては、接続端子との接合部を形成するためにこの電極5
3上に金やハンダ等からなる端子電極54を設けること
もある。さらに感磁層52及び電極53を水分やガスに
よる腐食等から保護するために、酸化珪素やシリコン樹
脂等からなる保護膜55を設けることもある。
【0005】これらの電磁変換素子において、感磁層5
2は半導体のホール効果により磁界の強さの変化を検出
する作用を行うもので、ホール素子ではホール電圧の、
磁気抵抗素子では抵抗値の変化として検出される。この
変化量がホール係数やキャリヤ移動度といった半導体の
電気特性に依存しているため、高感度を得るには良質な
InSbが必要となるが、例えば自動車用途等の広範囲
な使用温度条件での信頼性と、高特性とを両立できる素
子は実現されていなかった。
【0006】そこで、これらを両立させるために我々
は、特開平7−249577号公報に示されるような基
板上に直接単結晶と同等のキャリヤ移動度を有するIn
Sb薄膜を容易に且つ安価に形成する製造方法を開発し
た。この方法は、シリコン(Si)を基板として、表面
酸化膜を除去し且つ表面のSiの未結合手を水素により
終端させる工程と、この水素終端Si基板上にアルミニ
ウム(Al)、ガリウム(Ga)、Inから選ばれた少
なくとも一つからなる下地層を形成する工程と、この下
地層上に少なくともInとSbとを含む予備堆積層を形
成する工程と、この予備堆積層上に少なくともInとS
bとを含む半導体薄膜を予備堆積層の形成開始温度より
高い温度で形成する製造方法である。これにより、約4
〜6m2/V・sのキャリヤ移動度を有するInSb薄
膜を、安価なSi基板上に容易に形成できたとともに、
−50〜+150℃の広い温度範囲でも十分な信頼性を
もって適用できる半導体薄膜および磁電変換素子を得る
ことができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製造方
法によって得られた半導体薄膜を使用した磁電変換素子
は、半導体薄膜のキャリヤ移動度は十分大きな値が得ら
れたものの、感磁層の引き回しパターンによっては、得
られたキャリヤ移動度から予測される検出出力の温度特
性に比べ、低い検出出力しか得られない温度領域がある
といった問題があった。
【0008】特に、感磁層である半導体薄膜の抵抗率
と、基板のシリコンの抵抗率との差が比較的近くなる−
20℃近傍や+150℃近傍においてこの傾向が顕著に
見られ、図7に示すような半導体薄膜の電気特性の温度
特性からは考えられないような検出感度の温度特性を示
すようなものが得られることもあった。
【0009】本発明は、InSb磁電変換素子の上述し
た課題を解決するもので、基板のシリコンへの漏れ電流
を低減することにより、広い温度範囲にわたり十分な検
出出力が得られる磁電変換素子を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、絶縁体上にシリコンからなる結晶層が形成
された基板と、この基板の結晶層上に形成した少なくと
もインジウムとアンチモンとを含む半導体薄膜からなる
感磁層と、この感磁層に接した電極と、この電極に接し
た端子電極とを有する構成としたものである。
【0011】これにより、結晶層を薄層化することがで
き、結晶層のシリコンへの漏れ電流を低減できるため、
広い温度範囲にわたって高い検出出力を有する磁電変換
素子が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、絶縁体上にシリコンからなる結晶層が形成された基
板と、この基板の結晶層上に形成した少なくともインジ
ウムとアンチモンとを含む半導体薄膜からなる感磁層
と、この感磁層に接した電極と、この電極に接した端子
電極とを有する構成とした磁電変換素子としたものであ
り、絶縁体に機械的強度を持たせることにより結晶層を
薄層化することができ結晶層のシリコンへの漏れ電流を
低減できるため、広い温度範囲にわたって高い検出出力
を有する磁電変換素子を得ることができるという作用を
有する。
【0013】請求項2に記載の発明は、絶縁体が、サフ
ァイアである磁電変換素子であり、熱伝導度の高いサフ
ァイア上にエピタキシャル成長法で直接シリコンからな
る結晶層を形成できるため、極薄い良質の結晶層が得ら
れると共に放熱性に優れた磁電変換素子を得ることがで
きるという作用を有する。
【0014】請求項3に記載の発明は、絶縁体上にシリ
コンからなる結晶層が形成された基板が、シリコンから
なる結晶層と、この結晶層より厚い支持層と、これら結
晶層と支持層との間に酸化シリコンを主成分とする絶縁
層とを有する構成である磁電変換素子としたものであ
り、絶縁層を結晶層と支持層との間に設けることによ
り、支持層の材料をその結晶構造や結晶性、及び抵抗率
を問わずに幅広く選択できるという作用を有する。
【0015】請求項4に記載の発明は、支持層が、シリ
コンの結晶からなる磁電変換素子としたものであり、結
晶層と支持層とを同じ材料にすることにより、熱の昇降
を伴う磁電変換素子の製造工程において、熱膨張係数の
差による基板の反り及び異種元素による汚染を最小に抑
えることができるとともに、支持層のシリコンの結晶性
や抵抗率等は自由に選択できるという作用を有する。
【0016】請求項5に記載の発明は、支持層が、シリ
コンの熱膨張係数と近い熱膨張係数を有するものである
磁電変換素子であり、請求項6に記載の発明は、支持層
が、炭化シリコン、窒化シリコン、窒化ホウ素、窒化ア
ルミニウムから選ばれたいずれかを主成分とするもので
ある磁電変換素子としたものであり、支持層の熱膨張係
数を結晶層と近いものとすることにより、熱の昇降を伴
う磁電変換素子の製造工程において、熱膨張係数の差に
よる基板の反りを小さく抑えることができ、またこの支
持層を熱伝導度の高い炭化シリコン、窒化シリコン、窒
化ホウ素、窒化アルミニウムから選ばれたいずれかを主
成分とすることにより、放熱性に優れた磁電変換素子を
得ることができるという作用を有する。
【0017】請求項7に記載の発明は、結晶層の厚さと
抵抗率の積が、感磁層の半導体薄膜の厚さと抵抗率の積
の少なくとも1000倍以上となるように構成した磁電
変換素子であり、請求項8に記載の発明は、少なくとも
感磁層、電極及び端子電極のいずれにも被覆されない部
位の結晶層を除去した磁電変換素子としたものであり、
結晶層と感磁層との面抵抗値の比率を大きくして結晶層
のシリコンに流れる電流を低減することにより、検出感
度の低下を防止でき、また感磁層の引き回し部以外に漏
れ電流が流れる部位をなくすことにより、感磁層の引き
回しパターンを自由に設計できるという作用を有する。
【0018】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図5を用いて説明する。 (実施の形態1)まず、本発明の第1の実施の形態にお
ける磁電変換素子の構造を図1に示す。
【0019】図1において基板1は、後述する半導体薄
膜のエピタキシャル成長を可能とし良好な結晶性を有す
る高感度の感磁層2を得ることを可能にする作用を有す
るもので、表面(図で上面)がSiの結晶層からなる構
成のものである。感磁層2は、基板1の表面のSi結晶
の上にInとSbとを含む半導体薄膜を真空蒸着法等を
用いてエピタキシャル成長させたものである。
【0020】電極3は、真空蒸着法等で露出した基板1
及び感磁層2上にクロム/銅の積層構成等の金属層を形
成したものである。端子電極4は、電極3上の一部に湿
式メッキ法等によりニッケル/金の積層構成等の金属層
を形成したものである。保護膜5は、端子電極4上を除
いてポリイミド樹脂等の絶縁物層で被覆する構成にした
ものである。
【0021】以上の構成は、従来の構成とほぼ類似の構
成となっている。従来と異なる点は、基板1が、表面の
Si単結晶からなる結晶層11と裏面のSi単結晶から
なる支持層12との間に酸化珪素を主成分とした絶縁層
13が介在する構成からなっている点である。ここで結
晶層11は、先に述べたように感磁層2の半導体薄膜を
エピタキシャル成長させるために良質の結晶を有する単
結晶Siウエハーからなっており、その抵抗率は10Ω
・m以上で、厚さは0.05〜数十μmの薄いものであ
る。
【0022】支持層12は、この薄い結晶層11が破壊
しないように保持する作用を有するもので、結晶層11
と同様にSi単結晶ウエハーからなっているが、その抵
抗率や結晶方位等は結晶層11によらず自由に選択で
き、厚さは数百μmのものである。絶縁層13は、導電
性を有する結晶層11と支持層12とを電気的に絶縁す
る作用を有するもので、厚さ0.05〜10μm程度の
酸化珪素を主とした絶縁体からなっている。
【0023】以上のように構成された磁電変換素子に通
電した場合に、基板1表面の結晶層11のSiには導電
性があるため、電流が流れる。この電流は磁気検出に関
与しないため、結晶層11に流れる電流が大きくなると
感度低下を招く。よって、感度低下を防止するには、結
晶層11の抵抗値を感磁層2の抵抗値より十分大きくし
て、結晶層11に流れる電流を無視できる程度に小さく
する必要がある。
【0024】感磁層2の半導体薄膜をInSbとした場
合、使用したSiウエハーの面抵抗値(抵抗率と厚さの
積)とInSbの面抵抗値の温度依存性は、図2に示す
ような関係にあり、室温に比べて−20℃及び150℃
付近で約1桁接近する。よってこの温度領域でもSiに
流れる電流を小さくしようとすると、Siの室温の面抵
抗値は感磁層の面抵抗値の少なくとも1000倍程度以
上は必要となる。
【0025】ここで、本実施の形態で得られる感磁層2
のInSbは、0.4〜4μm程度の厚さにおいて4〜
20×10-5Ω・m程度の室温での抵抗率が得られるの
で、感磁層の面抵抗値は、概ね10〜500Ωとなる。
これに対し、Siの室温で10Ω・mという抵抗率は一
般的に入手可能なウエハーでは安定して得られる最も高
い水準のものであり、これで感磁層2の1000倍の面
抵抗値を得るためのSiの厚さは、20〜1000μm
となる。磁電変換素子の基板として機械強度を得るに
は、基板1の厚さは500μm程度必要であるので、こ
の計算によると一部はSiのみを基板1としても使用可
能であることになる。
【0026】しかし、感磁層2の面抵抗値が低い側に限
られてしまう点と、感磁層2の引き回しパターンによっ
てはパターン間のSiに流れる電流も生じるため、単純
に面抵抗値だけでは規定できなくなる場合もあるという
点から、磁電変換素子の設計の自由度を持たせるために
は100μm以下の厚さにしておいた方が使い易い。こ
の程度の厚さになると、Siのみで機械的強度を得るこ
とは困難であるため、Siを支持するための別の層が必
要となる。この層に望まれる特性としては、磁電変換素
子の基板として十分な機械的強度を有する点と、少なく
ともSiの結晶層11に接した部分は絶縁体であるとい
う点が必要最小限の特性として挙げられる。
【0027】そこで、本実施の形態では機械的強度を有
する支持層12を設けて、この支持層12と結晶層11
との間に絶縁層13を設けた構成とすることにより、基
板としての機械的強度を維持したまま、結晶層11を薄
くすることを可能とした。
【0028】このときの基板1は、結晶層11と支持層
12のSi単結晶ウエハーの双方あるいは片方を熱酸化
して絶縁層13を形成し、この2枚のSiウエハーを接
着剤を用いずに熱処理だけで直接張り合わせた後、結晶
層11を研磨して薄層化した構成のものを用いた。この
基板1は、張り合わせSOI基板として徐々に市販化さ
れているものであり、他にもSi単結晶ウエハーへのイ
オン注入と熱処理により作成されたSIMOX基板や、
張り合わせにSi−B−Oガラスを用いたSODIC基
板等でも同様の構成が得られる。
【0029】この構成によると、結晶層11と支持層1
2とが同じ材料になるため、プロセス温度の昇降を伴う
基板1の作成工程及び磁電変換素子の製造工程におい
て、絶縁層13の影響は出るものの熱膨張係数の差によ
る基板1の反りを最小にすることができる。また、感磁
層2を形成する際の結晶層11のSiの表面酸化膜を除
去し且つ表面のSiの未結合手を水素により終端させる
工程においてフッ化水素酸に浸漬させる方法を用いて
も、フッ化水素酸にさらされる部分はほとんどSiであ
るため、結晶層11表面が汚染されることはない。
【0030】更にSiの熱伝導度が大きいので、通電に
より感磁層2に発熱が生じた場合でも、速やかにこの熱
を放散できるという多くの利点がある。ただしこのとき
の絶縁層13の厚さは、結晶層11と支持層12との絶
縁を得るために0.05μm程度以上は必要であるが、
厚くなると熱膨張係数がSiと異なるため基板1の反り
が大きくなる点と、熱伝導度が低いので放熱性を悪化さ
せる点で10μm以下にした方がよい。
【0031】以上述べてきた構成により作成した磁電変
換素子は、従来例で図7に示した温度特性となる磁電変
換素子を同様に作成した場合でも、図3に示すように、
−20℃及び150℃近傍の検出感度の低下が見られな
くなり、広い温度範囲にわたって高い検出感度を有して
いることがわかった。またこのようにして得られた磁電
変換素子は、−50〜+150℃の温度サイクル試験等
を繰り返しても、剥離、亀裂、特性劣化等の素子劣化は
認められず、極めて高い信頼性を有することが確認され
た。
【0032】尚、本実施の形態において、支持層12に
は単結晶のSiを用いたが、同じSiであれば良いの
で、鋳造等で得られる多結晶Siを用いることもでき、
また絶縁層が存在するため低純度のSiを用いることも
可能である。
【0033】また支持層12はSiからなるとしたが、
支持層12は機械的強度があり、結晶層11のSiに近
い熱膨張係数を有していれば良いため、他の材料からな
る焼結体等でもこの条件を満たしていれば使用可能であ
る。特に炭化Siや窒化Si、窒化ホウ素、窒化アルミ
ニウムは熱膨張係数が非常に近いと共に、熱伝導度が非
常に大きく、またフッ化水素酸にも侵され難いというS
iと同様な特性を有しているため、Si以外の支持層1
2の材料として最も適している。
【0034】このとき絶縁層13はホウ素や燐を添加し
て低融点化した酸化Siや低融点ガラスとし、これを研
磨した支持層12側に化学気相堆積法等を用いて形成し
た後、Siの結晶層11を乗せて溶融接着することによ
り、基板1を得ることができるものである。
【0035】また基板1の構成として、結晶層11と絶
縁層13と支持層12とからなる構成としたが、良質の
結晶性を有するSiからなる結晶層11が絶縁物上に存
在すれば良いので、図4に示すように、SOI基板の一
種として市販されているサファイア基板21上にSiを
エピタキシャル成長させて結晶層11を形成したものを
基板1として用いることもできる。
【0036】以上のように本実施形態によれば、広い温
度範囲において高い検出出力を有する高信頼性の磁電変
換素子を提供できるものである。
【0037】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態における磁電変換素子の構造を図5に示す。
【0038】図5において、基板1、感磁層2、電極
3、端子電極4及び保護膜5からなる基本構成は第1の
実施の形態と同様なものである。第1の実施の形態と異
なる点は、少なくとも感磁層2、電極3及び端子電極4
に被覆されていない部位の基板1の結晶層11を除去し
た構成とした点である。
【0039】この構成は、感磁層2を形成した後、ある
いは感磁層2及び絶縁層13を形成した後、これらをエ
ッチングして所望の引き回しパターン形状に加工する際
に、下地の結晶層11も同様にエッチングすることによ
り得られる。この結晶層11のエッチングには、感磁層
2や電極3を侵すことなくSiをエッチングする必要が
あるが、例えば感磁層2をエッチングした後、感磁層2
上のフォトレジストを残したままフッ素系のリアクティ
ブイオンエッチング法を行うことにより、感磁層2を侵
すことなくSiをエッチングすることが可能である。
【0040】このようにして構成された磁電変換素子
は、感磁層2の引き回しパターンが複雑になっても、パ
ターン間に導電性のSiが存在しないため、結晶層11
への漏れ電流は、感磁層2の面抵抗値と結晶層の面抵抗
値により単純に決定される。よって第1の実施形態に比
べ、引き回しパターンを自由に設計できると共に、結晶
層11の厚さや抵抗率の選択幅を広くすることができる
ものである。
【0041】特に端子電極4が接近している引き回しパ
ターンの場合には、第1の実施の形態では結晶層11を
0.1μm程度の非常に薄いものにする必要があり基板
1の作成が容易ではなくなるが、本実施の形態では厚さ
が数μmであっても−20℃及び150℃近傍の検出感
度の低下は見られず、広い温度範囲にわたって高い検出
感度を有していることがわかった。
【0042】またこのようにして得られた磁電変換素子
は、−50〜+150℃の温度サイクル試験等を繰り返
しても、剥離、亀裂、特性劣化等の素子劣化は認められ
ず、極めて高い信頼性を有することが確認された。
【0043】以上のように本実施形態によれば、広い温
度範囲において高い検出出力を有する高信頼性の磁電変
換素子を提供できるものである。
【0044】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、広い温度範囲において高い検出出力を有する高
信頼性の磁電変換素子を提供できるという有利な効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による磁電変換素子
の構造を示す斜視図
【図2】同実施の形態における結晶層と感磁層の面抵抗
値の温度依存性の関係を示す特性図
【図3】同実施の形態における感磁層のキャリア移動度
と磁電変換素子の検出感度の温度依存性の関係を示す特
性図
【図4】同実施の形態による磁電変換素子の別の構造を
示す斜視図
【図5】本発明の第2の実施の形態による磁電変換素子
の構造を示す斜視図
【図6】従来の磁電変換素子の構造を示す斜視図
【図7】従来の磁電変換素子における感磁層のキャリア
移動度と磁電変換素子の検出感度の温度依存性の関係を
示す特性図
【符号の説明】
1 基板 2 感磁層 3 電極 4 端子電極 5 保護膜 11 結晶層 12 支持層 13 絶縁層 21 サファイヤ基板 51 基板 52 感磁層 53 電極 54 端子電極 55 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 邦彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 斎藤 紳治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体上にシリコンからなる結晶層が形
    成された基板と、この基板の結晶層上に形成した少なく
    ともインジウムとアンチモンとを含む半導体薄膜からな
    る感磁層と、この感磁層に接した電極と、この電極に接
    した端子電極とを有する構成とした磁電変換素子。
  2. 【請求項2】 絶縁体が、サファイアである請求項1記
    載の磁電変換素子。
  3. 【請求項3】 絶縁体上にシリコンからなる結晶層が形
    成された基板が、シリコンからなる結晶層と、この結晶
    層より厚い支持層と、これら結晶層と支持層との間に酸
    化シリコンを主成分とする絶縁層とを有する構成である
    請求項1記載の磁電変換素子。
  4. 【請求項4】 支持層が、シリコンの結晶からなる請求
    項3記載の磁電変換素子。
  5. 【請求項5】 支持層が、シリコンの熱膨張係数と近い
    熱膨張係数を有するものである請求項3記載の磁電変換
    素子。
  6. 【請求項6】 支持層が、炭化シリコン、窒化シリコ
    ン、窒化ホウ素、窒化アルミニウムから選ばれたいずれ
    かを主成分とするものである請求項5記載の磁電変換素
    子。
  7. 【請求項7】 結晶層の厚さと抵抗率の積が、感磁層の
    半導体薄膜の厚さと抵抗率の積の少なくとも1000倍
    以上となるように構成した請求項1記載の磁電変換素
    子。
  8. 【請求項8】 少なくとも感磁層、電極及び端子電極の
    いずれにも被覆されない部位の結晶層を除去した請求項
    8記載の磁電変換素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6335675B1 (en) 1999-03-18 2002-01-01 Tdk Corporation Semiconductor magnetoresistance device, making method and magnetic sensor

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US6335675B1 (en) 1999-03-18 2002-01-01 Tdk Corporation Semiconductor magnetoresistance device, making method and magnetic sensor

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