JPH10208903A - 過電流保護素子 - Google Patents

過電流保護素子

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JPH10208903A
JPH10208903A JP645097A JP645097A JPH10208903A JP H10208903 A JPH10208903 A JP H10208903A JP 645097 A JP645097 A JP 645097A JP 645097 A JP645097 A JP 645097A JP H10208903 A JPH10208903 A JP H10208903A
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JP
Japan
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resistance
temperature
ptc
elements
compositions
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP645097A
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English (en)
Inventor
Kaoru Sato
薫 佐藤
Mitsuo Tamura
光男 田村
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokin Corp filed Critical Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常電流に対して急激に温度上昇しトリップ
状態に達する過電流保護素子を得ることである。 【解決手段】 PTC特性の異なる二つの複合材料を共
通の電極板の間に挟み込んで一体成形して回路的には並
列に熱的には熱伝導性のよい電極を共通にすることを特
徴とする。このように、相互の発熱による温度上昇及び
廃熱による温度低下を共通化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器や携帯機
器の電源回路において異常発生に伴う過剰な電流を感知
し過剰電流を遮断することで機器の損傷を防ぐための過
電流保護素子(PTC素子)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の過電流保護素子すなわち
PTC素子は樹脂と炭素粉末からなる複合材料をPTC
特性(正の温度抵抗特性)を利用した素子が用いられて
いる。これは常温時においては樹脂内に含まれる炭素粉
末同士がネットワーク状につながって導電体になってい
る。従来のPTC素子の例を図9に示す。また使用され
ている樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、エチレン/アクリル酸
コポリマー、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオリ
ド、フッ素化エチレン/プロピレンコポリマー、等々の
ポリマーである。
【0003】PTC素子において、一定以上の電流が通
過する際、若干の抵抗によるジュール熱で自ら発熱し温
度が上昇する。温度が一定に達すると熱可塑性の樹脂は
融点に達し高分子の結晶構造を失う。それにより、炭素
粉末同士のネットワークは遮断され抵抗率が数桁も上昇
し回路の電流を遮断することができる。このときの状態
を通常トリップ状態と呼んでいる。ヒューズとの違いは
異常電流の原因を取り除き温度が常温に戻ると素子の抵
抗値も元に復帰し再度使用できることである。また小型
で用途によっては薄板状に形成できることから乾電池内
に実装されたりあるいは表面実装部品(SMD)として
広く使用されている。
【0004】前項で動作原理を説明したとおり、この種
の素子は通常電源回路等に直列に接続されており正常時
はできる限り抵抗が小さいことが望ましい。何となれば
正常の機器の動作電流でもジュール熱を発生してエネル
ギーの損失を生じ本来の目的以外のためにエネルギーを
放出する事になるからである。とくに携帯機器の場合は
わずかのエネルギー損失でも電池寿命の低下につながる
ことからこの部分でのエネルギー損失は好ましくない。
一方、保護素子の抵抗を低く押さえすぎると異常電流に
対しての応答時間が長くなる。図5は常温から100℃
近辺までの温度に対する抵抗の変化の状況が異なる二つ
のPTC素子材料R1,R2の温度と抵抗の関係を示
す。この二つの素子について図6の回路のRpの位置に
セットしてスイッチSをONにした後の電流の時間変化
を図7に示した。図7から明らかなように短い時間で電
流を遮断できるのはR1でこれはR2に比べて抵抗の上
昇率が高く60℃ですでに1Ωを越えている。一方、R
2は60℃ではまだ0.2Ω程度である。機器の中で異
常が生じたときに過電流保護素子に要求されることはで
きる限り早く異常を感知し電流を遮断する事である。こ
のことにより機器の損傷は免れる確率が高くなる。この
点ではR1が好ましいが機器の動作状態で回路部品の温
度は室温より高く50℃を越えることも通常あり得るこ
とである。このとき保護素子としてR1の温度変化の素
子を使用していた場合素子内のジュール熱によるエネル
ギー損失を無視できなくなる。そこで機器の動作時の回
路部品の温度範囲内では抵抗を0.5Ω以下に押さえ込
みそれ以上の温度(たとえば80℃以上)では異常電流
に対して充分のジュール熱を発生できる数Ωの抵抗に上
昇して急激に温度上昇しトリップ状態に達することがで
きる図8に示す抵抗の温度変化が望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
樹脂と炭素粉末からなる複合材料で樹脂や炭素粉末の選
定及び、混合条件の調整ではこの要求を満足することは
不可能であった。
【0006】そこで、本発明の技術的課題(目的)は、
異常電流に対して急激に温度上昇しトリップ状態に達す
る過電流保護素子を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、正の温
度抵抗特性を利用した過電流保護素子において、温度−
抵抗特性の異なる複数の抵抗素子材料を回路的に並列に
配置し組み合わせ、一体成形したことを特徴とするる過
電流保護素子が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に示されている本発明の実施
の形態による過電流保護素子(PTC素子)は、図8に
示す抵抗の温度変化を実現するために、PTC特性の異
なる二つの複合材料を共通の電極板の間に挟み込んで一
体成形して回路的には並列に熱的には熱伝導性のよい電
極にしている。このように、相互の発熱による温度上昇
及び廃熱による温度低下を共通化できる構造とすること
により、機器の動作時の回路部品の温度範囲内では抵抗
を0.5Ω以下に押さえ込みそれ以上の温度(たとえば
80℃以上)では異常電流に対して充分のジュール熱を
発生する数Ωの抵抗に上昇して急激に温度上昇しトリッ
プ状態に達する。
【0009】図2を参照すると、選ぶ二つのPTC素子
材料のひとつは、常温ですでに数Ωの抵抗を持ちトリッ
プ温度は一方よりも高い温度に設定された抵抗材料R
4、他のひとつは常温での抵抗が0.1Ω程度に設定さ
れトリップ温度はやや低い温度に設定した抵抗材料R3
である。本発明の実施の形態の過電流保護素子R5は、
実施例でも述べるが、抵抗の並列回路の性質として合成
抵抗は低い方の抵抗に支配され二つの抵抗素子材料の温
度−抵抗曲線の交点より低い温度では合成抵抗は低い抵
抗材料R3の値に近くなる。交点以上の温度でも低い抵
抗に支配されこれ以上ではR4の値に近くなる。結局、
合成抵抗の温度変化は図のR5で示された曲線になる。
これは要求されるPTC特性である。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例による過電流保護素子
(PTC素子)を説明する。
【0011】高密度ポリエチレン粉末二種と炭素粉末を
適量ずつ配合し加熱したロールミル上で加熱混練するこ
とにより、二つのPTC組成体Ra,Rbを得た。Ra
は融点が90℃近辺にある低密度ポリエチレン樹脂を用
いている。Rbは融点が120℃近辺にある高密度ポリ
エチレン樹脂を用いて炭素粉末の量はRaよりも少な目
(10〜40%Vol%)にした。これらの組成体を粉
末化した後、金型中で厚さ25μmのニッケル箔に挟み
込んで圧縮加熱して厚さ0.3mmの成形体を得た。次
に打ち抜き金型を用いて外形15mm内径8mmのドー
ナツ状上の素子を作成した。Raを用いたものを素子
A,Rbを用いたものを素子Bとした。またPTC組成
体Ra,Rbが素子の半分をそれぞれ占めるように配置
して一体成形することにより、本発明の実施例によるP
TC素子Cとした。素子A,B,Cについて抵抗と温度
の関係をホイートストンブリッジと恒温槽を用いて測定
した。本実施例の素子Cの構成を図1に示す。
【0012】図3から明らかなように、素子Aは抵抗値
が低くかつトリップ温度は90℃をわずかにしたまわ
る。素子Bは抵抗値が常温でも5Ω以上ありトリップ温
度は120℃をわずかにしたまわる。二つの交点(≒8
0℃)より下の温度では素子Cの抵抗はほとんど素子A
に一致し、交点より上の温度では素子Bに一致している
ことがわかる。すなわち素子Cは80℃以下では0.5
Ω以下になっているが80℃を越えると抵抗が上昇し9
0℃では5Ωに達する。これは正常時においては素子で
ジュール熱として失われるエネルギーを低く抑え、かつ
異常電流に対してはトリップ状態に達する時間を早くす
る目的にかなった温度−抵抗特性が実現できたことにな
る。図3は素子A,B,Cの電流遮断特性を図6の回路
を用いて測定した結果である。素子Bは、電流を遮断で
きる時間が最も短い点で好ましいが常温でも5Ω以上の
抵抗があり実用性がない。一方素子Cは常温時の抵抗に
おいて素子Bと同等ながら電流を遮断できる時間は素子
Bの半分程度に改善されていることがわかる。
【0013】なお、本実施例では、形状はドーナツ状と
したが、本発明は、この形状に限定されることはなく、
他の形状でも同様の効果を期待できることはいうまでも
ない。
【0014】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、過電
流保護素子の正常状態でのジュール熱によるエネルギー
損失をできる限り削減しかつ異常時の過剰電流に対して
応答性のよい素子が提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による過電流保護素子(P
TC素子)の外観斜視図である。
【図2】二つのPTC材料素子R3,R4およびR3と
R4とを並列接続した本発明の実施の形態のPTC素子
R5のそれぞれの温度−抵抗特性図である。
【図3】本発明の実施例に係る試作した二つのPTC素
子(比較例AおよびB)とPTC素子C(本実施例)と
の温度−抵抗特性図である。
【図4】図3の三つのPTC素子A,BおよびCの図6
の回路における電流遮断特性図である。
【図5】温度−抵抗特性が異なる二つの従来のPTC素
子R1およびR2の特性図である。
【図6】PTC素子についての電流遮断特性評価回路で
ある。
【図7】図5のR1およびR2の電流遮断特性図であ
る。
【図8】過電流保護素子に望ましい温度−抵抗特性図で
ある。
【図9】従来の過電流保護素子(PTC素子)の外観斜
視図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正の温度抵抗特性を利用した過電流保護
    素子において、温度−抵抗特性の異なる複数の抵抗素子
    材料を回路的に並列に配置し組み合わせ、一体成形した
    ことを特徴とするる過電流保護素子。
JP645097A 1997-01-17 1997-01-17 過電流保護素子 Withdrawn JPH10208903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP645097A JPH10208903A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 過電流保護素子

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP645097A JPH10208903A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 過電流保護素子

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JPH10208903A true JPH10208903A (ja) 1998-08-07

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ID=11638770

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JP645097A Withdrawn JPH10208903A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 過電流保護素子

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