JPH10208759A - 溶融炭酸塩型燃料電池用のセパレータ - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池用のセパレータ

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JPH10208759A
JPH10208759A JP9025822A JP2582297A JPH10208759A JP H10208759 A JPH10208759 A JP H10208759A JP 9025822 A JP9025822 A JP 9025822A JP 2582297 A JP2582297 A JP 2582297A JP H10208759 A JPH10208759 A JP H10208759A
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JP
Japan
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separator
molten carbonate
corrosion
fuel cell
sealing surface
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JP9025822A
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Mineo Komoda
峰生 菰田
Mitsuhiro Iio
光宏 飯尾
Takehisa Fukui
武久 福井
Hajime Okawa
元 大川
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FINE CERAMICS CENTER
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
FINE CERAMICS CENTER
Chubu Electric Power Co Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性に優れた耐食膜を有した溶融炭酸塩型燃
料電池のセパレータを提供する。 【解決手段】アノード極とカソード極とこれらの間に介
在する電解質板とからなる単セルを積層して形成された
溶融炭酸塩型燃料電池の前記電解質板に接して支持する
セパレータであって、このセパレータの前記電解質板と
対向するシール面には、シール面に対して付与されたA
lとFeとを含むAl/Fe単成分層が熱処理されて形
成されたAl/Fe合金層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料
電池に用いるセパレータに関し、詳しくは、電解質と接
触するシール部の耐食性が向上されているセパレータに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水素と空気を反応させて電気を発
生させる燃料電池が、新しい発電装置として注目されて
いる。かかる燃料電池の一つとして、溶融炭酸塩型燃料
電池(以下、MCFCともいう。)がある。MCFC
は、図11に示すように、アルカリ金属の溶融炭酸塩を
電解質としてリチウムアルミネート等の多孔質物質にし
み込ませて形成した電解質板10の両面を燃料極(アノ
ード)12と空気極(カソード)14とで挟んだものを
単セルとし、さらに、実用電力を得るためにセパレータ
16を介してこの単セルを多層に積層し、セパレータ1
6と燃料極12の間に形成させる通路空間18には燃料
となるH2 とCO2 とが供給され、セパレータ16と空
気極14との間に形成させる通路空間20には空気とC
2 とが供給される構成を基本とする。
【0003】このようなMCFCが実用化されるために
は、40,000時間以上の寿命が要求されるが、MC
FCの寿命制約因子の一つとしてセパレータ16のウェ
ットシール部(溶融炭酸塩との接触部位)22の溶融炭
酸塩による腐食がある。すなわち、セパレータ16は、
図12に示すように、通常、燃料極12と空気極14を
支持するものであると同時に、腐食性の強い炭酸塩を含
浸した電解質板10を支持するものである。このため、
セパレータ16の材質は、溶融炭酸塩に対する耐食性を
確保するために、例えば、SUS316L、SUS31
0S等のステンレスを用いるのが一般的である。しかし
ながら、特に、ウェットシール部22では、直接電解質
に接触して支持するので、酸素と、ステンレスから溶出
するFeと、溶融炭酸塩中のLi2 CO3 とが同時に存
在することによって、表層にLiFeO2 層が形成され
ることにより腐食が進行していく。腐食が生じることに
より内部抵抗が増大するとともに、腐食による溶融炭酸
塩の消失が問題となってくる。そして、結果として、電
池の寿命が目標値よりも短くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このようなウ
エットシール部22の腐食の問題を解決するために、い
くつかの方法が検討されている。代表的な方法として、
シール面に形成したAl膜を拡散処理して得たAl/F
e合金層で被覆する方法が用いられている(図13参
照)。このAl/Fe合金層よる耐食効果は、運転初期
において溶融炭酸塩との反応によって、LiAlO2
層(LiFeO2 を含む)が形成され耐食性向上に寄与
することが知られている。しかしながら、この耐食膜
は、LiAlO2 が微細粉末状であって剥がれやすいこ
とがわかっている。このことは、剥がれた部分におい
て、さらに新たな耐食膜が形成され、結果として腐食が
進行することになるので好ましくない。また、耐食膜の
生成が十分でない運転初期に、Al/Fe合金層の溶出
やセパレータ材料の腐食が避けられないという問題があ
る。そこで、本発明では、耐食性に優れた耐食膜を有し
た溶融炭酸塩型燃料電池のセパレータを提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
技術的課題を解決するために、Alに加えてFeをシー
ル面上に付与することにより形成したAl/Fe合金層
によってセパレータのシール面を被覆することによっ
て、優れた耐食膜が得られることを見いだし、本発明を
完成した。すなわち、請求項1に記載の発明は、アノー
ド極とカソード極とこれらの間に介在する電解質板とか
らなる単セルを積層して形成された溶融炭酸塩型燃料電
池の前記電解質板に接して支持するセパレータであっ
て、このセパレータの前記電解質板と対向するシール面
には、シール面に対して付与されたAl成分とFe成分
とを含むAl/Fe単成分層が熱処理されて形成された
Al/Fe合金層を有することを特徴とする溶融炭酸塩
型燃料電池用のセパレータである。この明細書におい
て、Al/Fe単成分層とは、熱処理によりAlとFe
との合金を形成可能なAl成分とFe成分とをそれぞれ
含む層を意味する。この発明によると、セパレータのシ
ール面には、Al成分とFe成分とを含むAl/Fe単
成分層が形成され、その後、熱処理される。この熱処理
により、これらは合金化され、Al/Fe合金層が形成
される。このAl/Fe合金層が溶融炭酸塩と接触し、
反応すると、この合金層の表面側には、良好な耐食膜が
形成される。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のセパレータであって、シール面を含むセパレータ部分
はFeを含んでいることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料
電池用のセパレータである。従来、シール面を含むセパ
レータ部分がFeを含んでいる場合(例えば、ステンレ
スの場合)に、このシール面に形成したAl単成分層を
熱処理すると、Feが熱拡散により単成分層側に移動す
る。また、腐食の進行に伴って、セパレータ側からAl
拡散層側にFeが移動して、シール面の表層側におい
て、Fe濃度が低くなり、この結果、形成されたAl拡
散層とシール面との一体性が低下していた。本発明によ
ると、シール面にAlのみでなくFeを含むAl/Fe
単成分層を形成しているので、Al/Fe単成分層の熱
処理に際して、従来のようにAl層のみを形成して熱処
理するのに比較してシール面側からのFeの拡散が抑制
される。さらに、生成されたAl/Fe合金層において
は、予めFeが付与されているので、腐食の進行に伴う
セパレータ側から合金層側へのFeの移動が抑制され、
Al/Fe合金層とシール面との一体性が維持される。
【0007】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のセパレータにおいて、シール面を含むセパレータ部分
はFeを含んでおり、シール面上に付与されるAlとF
eとの重量比が95:5〜90:10であることを特徴
とする溶融炭酸塩型燃料電池用のセパレータである。シ
ール面が、Feを含んだセパレータ部分から形成され、
このシール面上に付与されるAlとFeとの重量比が上
記範囲であると、得られたAl/Fe合金層が溶融炭酸
塩と反応することにより、良好な耐食膜が形成される。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1、2ま
たは3のいずれかに記載のセパレータであって、前記A
l/Fe合金層の表面側には、LiFeO2 を主成分と
するLiFeO2 /LiAlO2 層が形成されているこ
とを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池のセパレータであ
る。この発明によると、LiFeO2 主層がAl/Fe
合金層の表面側に形成されていることによって、良好な
耐食性が発揮される。LiFeO2 主層は、前記Al/
Fe合金層を溶融炭酸塩型燃料電池に組み込んで、溶融
炭酸塩と接触させ、反応させることにより、あるいは、
溶融炭酸塩型燃料電池に組み込む前に、溶融炭酸塩を塗
布しあるいは溶融炭酸塩に浸漬することにより、溶融炭
酸塩と反応させることにより形成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。この発明は、MCFCのセパレータ
の電解質板と対向するシール面に、シール面上に溶射等
によって形成したAl/Fe単成分層を熱処理して得た
Al/Fe合金層を形成しておくことを特徴としてい
る。この合金層によると、溶融炭酸塩との接触により、
合金層中のFeが溶融炭酸塩中において、Li2 CO3
と反応して、容易にLiFeO2 を生成し、合金層の表
面側にLiFeO2 を主として含むLiFeO2 /Li
AlO2 層(以下、LiFeO2 主層という。)が形成
される。このLiFeO2 主層は、Al/Fe合金層の
表面側に形成されているとともに、Al/Fe合金層に
一体化されているので、剥離しにくくなっている(図1
参照)。この結果、溶融炭酸塩の運転初期においては、
耐食性のあるLiFeO2 が容易に生成されて腐食が抑
制され、かつ、長時間運転においては、LiFeO2
層が剥離しにくいために、腐食の進行が抑制され。この
ように、本発明では、Alに加えてFeをも加えた上
で、Al/Fe合金層を形成することにより、従来法に
よる、Alを付与して拡散処理して得られたAl/Fe
合金層に比較して、腐食抑制効果の高い耐食膜を形成す
ることができる。
【0010】この発明において、Al/Fe合金層は、
AlとFeとを含む材料をセパレータのシール面上に付
与して形成したAl/Fe単成分層により形成される。
この場合、シール面を含むセパレータ部分がFeを含む
かどうかは問わない。このようなAl/Fe合金層の形
成は、図1に示すように、AlとFeとの混合材料を溶
射やスパッタリングやめっき等によってシール面上に付
与し、その後熱処理によって拡散させることによって合
金化する方法等を用いることができる。なお、Al/F
e合金層の層厚は、特に限定するものではない。
【0011】Al成分とFe成分との混合材料をシール
面上に付与した後、熱処理により合金層を形成する方法
においては、シール面を含むセパレータ部分にFeが含
まれている場合には、シール面の内側に含まれるFeが
熱処理時の拡散により合金層の形成に寄与することにな
る。しかし、本発明は、特に、ステンレス等のFeを含
むセパレータのシール面上にAl単成分層を形成し、そ
の後熱拡散により形成されたAl/Fe合金層とは、大
きく異なる。このような場合のAl/Fe合金層を溶融
炭酸塩と反応すると、LiAlO2 を主成分とするLi
AlO2 /LiFeO2 耐食層が形成されるからであ
る。このような耐食層の表面は、微細粒子状のLiAl
2 が主として生成されており、LiAlO2 が非常に
脱離しやすい状態となっている。この結果、より一層内
部へ腐食が進行してしまうことになる。
【0012】Al/Fe合金層は、セパレータのうち、
特に、電解質板に対向する表面上に形成される。これ
は、この部分において最も溶融炭酸塩による腐食が激し
いからである。しかし、この電極を介在して溶融炭酸塩
に接触する部位に形成してあってもよい。また、Al/
Fe合金層は、多くの場合、単セル間に介在されて同時
に電解質板を支持するセパレータのシール面に形成され
る。なお、セパレータが、単セルに介在されてガス通路
を形成する部分と電解質板を支持するシール部とが結合
されてなる場合において、Al/Fe合金層が、このシ
ール部の電解質板側のシール面に形成されている場合で
あっても、単セル間に介在されるセパレータのシール面
に形成されているといえる。
【0013】Al/Fe合金層におけるAlとFeとの
重量比は、溶融炭酸塩との反応によって、その表面側
に、耐食性の良好な耐食膜が形成されるように適宜設定
する。耐食性は、溶融炭酸塩型燃料電池における使用状
態を模した溶融炭酸塩に対する浸漬試験等によって確認
することができる。また、耐食膜の表面にLiFeO2
主層が形成されるように設定してもよい。LiFeO2
主層生成の確認は、X線回折、電子顕微鏡観察を始めと
する種々の表面の定性、定量分析手段によって確認する
ことができる。
【0014】特に、セパレータ基材がFeを含む合金、
あるいは、ステンレス鋼の場合においては、AlとFe
との重量比は、98:2〜85:15が好ましい。より
好ましくは、95:5〜90:10である。この範囲で
あると、セパレータ側にFeを含む場合において、熱拡
散処理によって形成されたAl/Fe合金層の表面側に
おいて、従来のAl拡散層に比較して良好な耐食膜が形
成される。
【0015】Al/Fe合金層は、さらに、MCFCの
運転時において、あるいは、それに先んじて炭酸塩と反
応することにより、その表面側に耐食膜が形成される。
この耐食膜の形態は、特に、表層側にLiFeO2 が主
として形成されていることが、良好な耐食膜としては好
ましい。この耐食膜が、MCFCの運転に先立って形成
される場合において、耐食膜をAl/Fe合金層と同時
に形成することもできる。この場合、AlとFeとをシ
ール面に付与した後の熱処理が、Al/Fe混合材料の
表面側にLiイオンが存在する状態で行う。この場合、
電池の運転開始に先立って、予め、良好な耐食膜が形成
されているので、運転初期においてより一層の腐食防止
が図られる。
【0016】シール面に付与したAlとFeの表面側に
Liイオンを付与した状態で熱処理を行うには、シール
面にAl/Fe材料が付与されたセパレータにリチウム
の炭酸塩を塗布する方法(炭酸塩塗布法)、そのセパレ
ータをリチウム溶融塩に浸漬した状態で熱処理する方法
(溶融炭酸塩浸漬法)か、リチウム雰囲気ガスをAl/
Fe材料表面に吹きつけながら熱処理する方法(Li雰
囲気法)、等がある。
【0017】炭酸塩塗布法としては、例えば、(Li
0.620.382 CO3 をAl/Fe混合材料表面に塗布
し、5%H2 −Ar中で750℃〜850℃で2時間熱
処理する。溶融炭酸塩浸漬法としては、同様の炭酸塩の
溶融液中にセパレータを浸漬した状態で5%H2 −Ar
を吹き込んで、750℃〜850℃で2時間熱処理す
る。Li雰囲気法としては、例えば、酢酸Li水溶液を
50℃に加熱し、Ar雰囲気下で750℃で2時間熱処
理する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。セパレータ基材として板厚2mm、10mm四
方のステンレス材SUS316Lを用い、このセパレー
タ基材の一方の面をブラスト処理した後に、Arプラズ
マスプレー溶射により、実施例1及び2、比較例、対照
例をそれぞれ調製した。なお、対照例は、下層側にFe
溶射層を形成した後に、重ねてAl層を形成したもので
ある。
【0019】 表1 溶射膜形成の条件 セパレータ材 ステンレス鋼(SUS316L)10×10×2mmthick 溶射材料 Al:純度99%の粉末 Fe:0.2炭素鋼 ( C:0.2 %, Mg:0.5%, S:0.04%, P:0.04%, Fe:残量) 実施例及び比較例 Al/Fe混合比(重量比) 膜厚 (μm) 実施例1 95/5 50 実施例2 90/10 50 比較例 100/0 50 対照例 下層側 0/100 10 上層側 100/0 70〜80
【0020】このようにして、基材表面にAl/Fe混
合膜を形成した実施例、Al膜のみを形成した比較例、
Al層とFe層の2重膜を形成した対照例の各試験片に
ついて、溶射膜の表面分析をX線回折により行った。そ
の結果を図2に示す。この結果によると、いずれの試験
片の溶射膜においても、Alのみが観察されており、溶
射膜表面において、各試験片間において顕著な差は認め
られなかった。
【0021】次いで、各試験片を、5%H2 −Ar雰囲
気中で、750℃で2時間拡散処理して、溶射膜から合
金層を形成した。拡散処理後の各試験片の表面をX線回
折により観察した結果を図3に示す。この結果による
と、Al13Fe4 が表面に生成していることが確認され
た。
【0022】このように熱処理された各試験片(実施例
及び比較例)を、以下の腐食試験に供し、耐食性を評価
した。 (1)MCFC運転初期における腐食試験 この試験では、熱天秤により、MCFC運転初期(試験
時間約60時間)における溶融炭酸塩による腐食重量の
変化量を測定した。試験は、合金層を形成した試験片の
表面全体にLi/K炭酸塩を塗布して乾燥した後、65
0℃に昇温し、そのまま約60時間保持して650℃に
おける腐食重量の変化を測定した。表2に測定条件を示
す。表2 運転初期における腐食試験条件 塗布炭酸塩 組成:Li/K=62/38 mol % 塗布量 20mg/cm2 雰囲気 70%Air-30%CO2 温度 650 ℃ 時間 60時間
【0023】図4に、この試験結果を示す。この図にお
いては、縦軸は、重量減少量を示している。棒が低いほ
ど、MCFC運転初期における、表面からの材料の溶出
が少ない、すなわち、腐食が少ないことを意味する。こ
の結果によると、実施例1(Al:Fe=95:5)に
おいて最も重量変化が少なく、安定した耐食膜が形成さ
れていることを示している。次いで、実施例2(Al:
Fe=90:10)において重量変化が小さく、また、
いずれの実施例も、比較例(Al100)よりも重量変
化が小さいため、従来方法によるAl拡散膜よりも、本
発明による耐食膜の耐食性が優れていることが明らかで
ある。
【0024】(2)長期間MCFC運転時における腐食
試験 この試験では、試験片(実施例及び比較例)の表面全体
にLi/K炭酸塩を塗布して乾燥させた後、650℃に
昇温し、その後保持した。試験時間は、100時間及び
225時間とした。本試験においては、腐食重量は、炭
酸塩を塗布する前の試験片の重量を測定し、試験後の試
験片に付着した炭酸塩を除去した後に試験片の重量を測
定して、試験後の試験片重量から試験前の試験片重量を
差し引くことにより算出した。試験条件を表3に示す。表3 運転初期における腐食試験条件 塗布炭酸塩 組成:Li/K=62/38 mol % 塗布量 50mg/cm2 雰囲気 70%Air-30%CO2 温度 650 ℃ 時間 100 、225 時間
【0025】図5に225時間経過後の腐食重量変化を
示す。この図においては、縦軸は、重量増加量を示して
おり、この重量増加量が少ないほど、溶融炭酸塩との反
応によって生成された酸化物が少ない、すなわち、腐食
量が少ないことを意味する。この結果によると、実施例
1、2において、比較例より腐食重量の増量が少なかっ
た。すなわち、従来法による耐食膜に比較して、本発明
の耐食膜の耐食性が優れていることが確認できた。特
に、実施例1において、最も重量増加量が小さく、最も
耐食効果が大きかった。
【0026】これらの結果から、溶融炭酸塩に対する腐
食反応速度を算出したところ、比較例の腐食反応速度が
3.9×10-6mg/cm2・h であり、実施例1では2.8
×10-6mg/cm2・h であって、実施例1では、比較例に
対して約30%反応速度が抑制されていた。このことか
ら、長期安定性が向上されていることが明らかである。
【0027】さらに、実施例、比較例及び対照例につい
て、腐食試験後の試験片の耐食膜形成側のX線回折を行
った結果を図6に示す。この結果によるといずれの耐食
膜においても、LiAlO2 、LiFeO2 、Al13
4 が観察された。また、これらの耐食膜の表面を走査
型電子顕微鏡にて観察した結果を図7,8,9及び10
に示す。この結果によると、図8(a)及び図10
(a)の比較例の耐食膜においては、微細な粒子状のL
iAlO2 が観察されたが、実施例1(図7(a)及び
図9(a)参照)及び実施例2(図7(b)及び図9
(b)参照)では、LiFeO2 の結晶が緻密に形成さ
れた状態が観察され、微細粒子状のLiAlO2 はほと
んど観察されなかった。また、対照例の耐食膜において
も(図8(b)及び図10(b)参照)、実施例1、2
で観察されたような表面状態は観察されず、微細粒子状
のLiAlO2 が主体であった。これらの結果から、L
iFeO2 主層の形成が、耐食膜の耐食性の向上に寄与
していることが明らかである。
【0028】
【発明の効果】請求項1、2、3及び4に記載の発明に
よれば、セパレータのシール面に、シール面上に付与し
たAlとFeとを含んだAl/Fe合金層を形成してい
るので、この合金層の表面側に形成される耐食膜は、良
好な耐食性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態を示す図である。
【図2】実施例において形成された溶射膜のX線回折結
果を示す図(a)〜(d)である。
【図3】実施例において形成された拡散処理後の膜のX
線回折結果を示す図(a)〜(d)である。
【図4】運転初期における腐食試験の結果を示す図であ
る。
【図5】長期運転時の腐食試験の結果を示す図である。
【図6】腐食試験後の耐食膜のX線回折結果を示す図
(a)〜(d)である。
【図7】実施例1及び2の初期腐食試験後の耐食膜の表
面の走査型電子顕微鏡写真を示す図(a)(b)である
(倍率10000倍)。
【図8】比較例及び対照例の初期腐食試験後の耐食膜の
表面の走査型電子顕微鏡写真を示す図(a)(b)であ
る(倍率10000倍)。
【図9】実施例1及び2の長期腐食試験後の耐食膜の表
面の走査型電子顕微鏡写真を示す図(a)(b)である
(倍率10000倍)。
【図10】比較例及び対照例の長期腐食試験後の耐食膜
の表面の走査型電子顕微鏡写真を示す図(a)(b)で
ある(倍率10000倍)。
【図11】MCFCの概略構造を示す図である。
【図12】セパレータのウエットシール部を示す図であ
る。
【図13】従来のAl拡散膜による耐食膜の形成工程を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 武久 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター 内 (72)発明者 大川 元 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アノード極とカソード極とこれらの間に介
    在する電解質板とからなる単セルを積層して形成された
    溶融炭酸塩型燃料電池の前記電解質板に接して支持する
    セパレータであって、 このセパレータの前記電解質板と対向するシール面に
    は、シール面に対して付与されたAlとFeとを含むA
    l/Fe単成分層が熱処理されて形成されたAl/Fe
    合金層を有することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池
    用のセパレータ。
  2. 【請求項2】請求項1のセパレータであって、シール面
    を含むセパレータ部分はFeを含んでいることを特徴と
    する溶融炭酸塩型燃料電池用のセパレータ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のセパレータであって、シ
    ール面を含むセパレータ部分はFeを含んでおり、シー
    ル面上に付与されるAlとFeとの重量比が95:5〜
    90:10であることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電
    池用のセパレータ。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3のいずれかに記載の
    セパレータにおいて、前記Al/Fe合金層の表面側に
    は、LiFeO2 を主成分とするLiFeO2 /LiA
    lO2 層が形成されていることを特徴とする溶融炭酸塩
    型燃料電池用のセパレータ。
JP9025822A 1997-01-23 1997-01-23 溶融炭酸塩型燃料電池用のセパレータ Pending JPH10208759A (ja)

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