JPH10207395A - 自発光ディスプレイ - Google Patents

自発光ディスプレイ

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JPH10207395A
JPH10207395A JP9012295A JP1229597A JPH10207395A JP H10207395 A JPH10207395 A JP H10207395A JP 9012295 A JP9012295 A JP 9012295A JP 1229597 A JP1229597 A JP 1229597A JP H10207395 A JPH10207395 A JP H10207395A
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JP
Japan
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light
wavelength conversion
conversion mechanism
self
phosphor
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Application number
JP9012295A
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English (en)
Inventor
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】視野角による画質変化がなく高輝度で薄く軽量
で実用的な耐久性をもつディスプレイを得る。 【解決手段】中心波長が390〜700nmの光で可視
光を発する有機蛍光体を含有する光波長変換機構、光シ
ャッター機構、電気エネルギーを光に変換する発光素子
からなり、電気エネルギーを光に変換する発光素子から
発光した光が、光の透過領域および非透過領域を決定す
る光シャッター機構を通り、光波長変換機構に導かれる
ことを特徴とする自発光ディスプレイである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体を含有する
光波長変換機構、光シャッター機構、電気エネルギーを
光に変換する発光素子からなる自発光ディスプレイに関
し、特に、セグメント表示またはマトリックス表示を行
うことが可能な自発光ディスプレイに関する。本発明の
自発光ディスプレイは、パーソナルコンピュータ、モニ
ター、ワープロ、携帯情報端末、移動電話、テレビ、ビ
デオカメラ、カセットレコーダー、CDレコーダー、レ
ーザーディスク、ステレオ、ビデオデッキ、カメラ、カ
ーステレオ、カーナビゲーションシステム、カラオケシ
ステムなどOA、家電用民生機器、公共表示機器などに
薄型、軽量のディスプレイとして有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶には、高画質、高速応答により動画
表示にまで対応できるTFT液晶、現在かなりの性能向
上が見られるSTN方式の他、強誘電液晶、反強誘電液
晶、二色性色素を用いたゲストホスト液晶などがある。
近年、液晶ディスプレイは、従来のCRTに比較して、
薄型、軽量、低電力消費であるなどの特徴により、急速
に普及している。
【0003】しかし、現在の液晶ディスプレイは、バッ
クライトの光を液晶シャッターで制御しているため、視
野角によって画質変化し、斜めや上下左右方向から見た
場合は画質が大きく低下する。特に、ノートパソコンや
テレビなど高画質が要求されるカラー表示では、視野角
依存性は大きな問題となっている。この問題を解決する
ために、現在、たとえば、分割した画素に異なる配向方
向を与える分割配向法、分割した画素に異なる電圧−透
過率特性を持たせる画素分割法、光学補償板を用いる方
法などいろいろな方法が提案され、透過光を広角度に広
げ、上下左右方向から見た時の反転現象やコントラスト
低下を抑制して画質維持を行っている。
【0004】自発光のディスプレイは、視野角による画
質変化を抑制して視認性を上げるのに有効であり、例え
ば、CRT、エレクトロルミネセントディスプレイ、有
機エレクトロルミネセントディスプレイ、プラズマディ
スプレイ、フラットCRT、蛍光表示管、LEDなど自
発光のディスプレイは視認性の良いディスプレイとして
認められている。しかし、従来の自発光ディスプレイ
は、液晶ディスプレイに比較して様々な欠点があり、改
良が必要であった。例えば、CRTは、ガラスを材質と
しているので重く、奥行きが必要なため場所を取る欠点
があった。また、エレクトロルミネセントディスプレイ
は、駆動電圧が100V以上と極めて高く、高輝度の青
色発光ができないのでフルカラー化が困難であった。有
機エレクトロルミネセントディスプレイは、高精細画素
形成が難しいことと素子の信頼性向上が課題である。さ
らに、プラズマディスプレイは、消費電力が高く、20
インチ以下の小型ディスプレイでは高精細化ができなか
った。フラットCRTは、従来のCRTに比べて薄型で
はあるが、大画面では重いという欠点は解決されていな
い。蛍光表示管は、液晶ディスプレイに比べ、高精細
化、大画面化、フルカラー化の点で劣っている。LED
は、面状発光体の作製が困難であり、OA用ディスプレ
イ表示には適用できない。このように従来の自発光ディ
スプレイは視認性には優れるものの、ディスプレイとし
て使用する場合には様々な欠点を持っていた。現在、フ
ラットパネルディスプレイとしては、自発光ディスプレ
イを改良する方向よりも、視野拡大改良型液晶ディスプ
レイが検討されているケースが多い。
【0005】しかし、従来の液晶ディスプレイの視野角
拡大技術は、高度な微細加工技術が必要で、歩留まりが
悪く、コストが高い。また、現状では視野角を広げても
全ての角度から画面を見ることはできず、根本的な解決
は困難であった。
【0006】そこで、自発光ディスプレイでも、その優
れた特徴を損なわない範囲で欠点を補う方法が検討され
ている。有機エレクトロルミネセントディスプレイでの
例を挙げる。有機エレクトロルミネセンスのフルカラー
化に対しては、非常に微細な画素を形成する必要がある
が、有機物を使用するためにレジストなどを使用するパ
ターンニングでは、素子にダメージを与えてしまう。従
って、現在のところ実用的な特性を得ているのはモノク
ロディスプレイに限られている。この問題を解決するた
めに青色発光を行うモノクロディスプレイの前面に蛍光
体を使用した色変換機構を配置することによって、青色
よりエネルギーの低い緑と赤色を表示させることが考案
されている(特開平3−152897号公報、特開平5
−258860号公報、特開平8−222369号公
報、特開平8−279394号公報)。また、更に短波
長の紫外線を発する素子の前面に蛍光体を配置した素子
(特開平6−267301号公報)も知られている。し
かし、これらの技術は光源である青色発光が可能な有機
エレクトロルミネセンス素子の素子寿命、耐環境性、素
子特性の信頼性が十分でなく、また紫外線発光素子では
その光出力が極めて小さく素子寿命も短かいという問題
が残っている。
【0007】そこで、寿命、耐久性に優れた液晶ディス
プレイにおいて、従来のカラーフィルタを使用した低い
光利用効率の問題と視野角の問題などを解決するために
幾つかの検討がなされてきた。光の利用効率の向上に
は、従来のバックライト方式液晶ディスプレイの液晶シ
ャッターの光入射側にそれぞれの画素に対応した形状で
三原色の蛍光体層を設けることにより、高輝度な表示を
行う(特開昭63−15221号公報、特開平8−36
175号公報)方法やカラーフィルターの中に蛍光体を
混入させる方法(特開平7−325392号公報)が考
案されている。
【0008】しかし、この技術では視野角の問題は解決
できないので、液晶ディスプレイの視野角依存性をなく
し、高輝度で色純度を向上させるなどの目的で従来のカ
ラーフィルタの顔料や染料の代わりに蛍光体を使用する
方法(特公平6−14247号公報、特開平7−253
576号公報、特開平8−62602号公報)によって
課題を解決しようという検討がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、多大の努力が
なされてきたにも拘わらず、現実には視野角依存性のな
い実用的なディスプレイは開発されていない。
【0010】それは、液晶ディスプレイの高視野角化で
は煩雑な機構が必要な割には液晶自身が抱えている根本
的な欠点を克服できていないことと、自発光ディスプレ
イの前面に蛍光体を配置する方法では素子寿命や耐環境
性などといった素子特性の信頼性が十分でなく、また紫
外線発光素子ではその光出力が極めて小さく素子寿命も
短かいという理由による。
【0011】更に蛍光体を用いた液晶ディスプレイで
は、その励起光が紫外領域の波長であるために液晶や偏
光板が紫外線で劣化してしまうことや液晶シャッターが
紫外光に対して十分な分光特性を持たないために実用的
なコントラスト発現ができなかった。近紫外から紫色位
の波長を使用した場合では、この様な現象は緩和される
が、従来使用されている無機系の蛍光体では、この波長
領域で効率よく光る材料がないために十分な輝度と色純
度が得られなかった。色純度向上の問題を解決する方法
として、蛍光発光層より画像表示側にカラーフィルタを
形成させる方法は、コストの大幅な増加を招くし収率も
低下してしまうという欠点がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、光シャッターとして
実用的な耐久性と信頼性がある液晶装置を用い、従来の
カラーフィルターの代わりに中心波長が390〜700
nmの領域の少なくとも一種類以上の光で青、緑、赤色
に発光できる有機蛍光体を含む光波長変換機構を設ける
ことによって、紫外線の様な特殊な光源を必要とせず、
高視野角化と寿命向上の問題を一度に解決できる上、色
純度の高い表示が可能になることを見出し本発明に到達
した。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における光波長変換機構に
は有機蛍光体が含まれており、一つの色を表示するため
に一種類、若しくは二種類以上の蛍光体が含まれる。従
って、カラーディスプレイを可能にするためには、最低
で青、緑、赤色の三種類が必要であり、色純度や発光輝
度を向上させる目的でそれ以上の蛍光体が含まれていて
も構わない。ただし、蛍光体を励起するために発光素子
から出射される光はそのまま利用することができるた
め、例えば青色光を光源として使用した場合は、最少の
蛍光体使用数は二種類になる。本光波長変換機構は、有
機蛍光体を含んでいることと中心波長が390〜700
nmの少なくとも一種類以上の光によって可視光を放出
することができることが特徴である。通常、蛍光体はエ
ネルギーの高い色への発光色変換はできないので、カラ
ー表示のために三原色を得る場合には光源の発光中心波
長は、390〜500nmの範囲に入っていることが好
ましく、最も好ましくは、440〜500nmである。
本発明では有機蛍光体を用いることにより、波長域の長
波長側を500nmという視覚的には青緑〜緑色に見え
る領域まで光源として使用することができる。特定の組
み合わせの蛍光体、例えばビス(2−メチル−8−キノ
リノラト)ビフェノラトアルミニウム錯体とペリレンの
混合物は、500nm付近の光を高色純度の青色発光に
変換できるという事実があるからである。
【0014】本発明に必須の蛍光体は有機質である。そ
の理由は、可視光によって励起され可視光を発すること
ができるために多くの障害を引き起こす紫外線を光源に
使用しなくて済むことである。多くの有機物は、青色領
域の光を吸収して青、緑、赤色の光を発することができ
る。例え緑色の光を吸収して赤色を発する蛍光体でも青
色を吸収して緑色を発する蛍光体と組み合わせることに
より、青色の光を用いてエネルギー移動を起こさせなが
ら赤色に発光させることも可能である。この様に有機蛍
光体は、青色という可視光を利用して三原色発光が容易
に行えるし、化学構造を調整することにより容易に色調
の微調整が可能になるという特徴がある。従って、本発
明においては有機蛍光体の使用が必須であるが本発明に
適合するものとしては様々な物質が知られている。本発
明で使用可能な好ましい有機蛍光体を以下に示すがこれ
らに限定される物ではない。一例として、ナフタレン、
アントラセン、フェナントレン、クリセン、ペリレン、
トリフェニレン、ピレン、アセナフテン、フルオレン、
ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルベンゼン、クオ
ーターフェニル、ジフェニルアントラセン、ルブレンお
よびその置換体などの芳香族炭化水素系化合物、ジアリ
ルエチレン、ジアリルポリエン、アリル置換ビニルベン
ゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、ト
ランス−4,4’−ジフェニルスチルペン等スチルペン系
色素、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン(クマリン
4)、クマリン153、クマリン6、クマリン7、クマ
リン120、クマリン2、クマリン339、クマリン
1、クマリン138、クマリン106、クマリン10
2、クマリン314T、クマリン338、クマリン15
1、クマリン4、クマリン314、クマリン30、クマ
リン500、クマリン307、クマリン334、クマリ
ン343、クマリン337等のクマリン色素、他クマリ
ン色素系染料であるがベーシックイエロー51、および
ソルペントイエロー11、ソルペントイエロー116等
のナフタルイミド色素、アリルアセチレン系化合物、フ
ラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチ
オフェン、インドールとそれらの誘導体、ポルフィリ
ン、銅フタロシアニンに代表される金属フタロシアニン
若しくは無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン誘
導体、EXCITON社で入手できるPYRROMRT
HENE650、546、556、567、580、5
97に代表されるジアザボラインダセン誘導体、アリル
置換オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾー
ル、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾールと
それらの誘導体、アリル置換ピラゾリンとピラゾールと
それらの誘導体などの五員環複素環化合物、キノリン、
イソキノリン、ベンゾキノリン、フェナントリジンとそ
れらの誘導体、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、キ
ノキサリン、フェナジン、キナゾリン、フェナントロリ
ン、キナクリドン、ピレンとそれらの誘導体などの六員
環複素環化合物、フルオレセイン、ジクロロフルオレセ
イン、ローダミン110、ローダミン6Gテトラフロロ
ボレート、ローダミン6G、ローダミン6Gパークロレ
ート、ローダミン19パークロレート、ローダミンB、
スルホローダミンB、スルホローダミン101などのロ
ーダミン等のローダミン系誘導体、ピロニン、ベンズキ
サンテン、ベンゾジオキサンとその誘導体、環に二つの
異なるヘテロ原子を持つオキサジン170パークロレー
ト、オキサジン1パークロレート、ニールブルーAパー
クロレート、ニールレッドに代表されるオキサジン誘導
体、フェノチアジン誘導体、フェノオキサジン誘導体な
どの酸素含有複素環化合物、α,β−不飽和ケトン、ア
ントロン、ベンズアントロン、アントラピリドン、オキ
サゾールアントラピリジン、フルオレノン、ベンゾキノ
リン、ナフトキノン、アントラキノン、ナフタセンキノ
ン、ヘプタセンキノン、ピラントロン、カルボスチリ
ル、オキサゾロン、インジゴ、チオインジゴとそれらの
誘導体、ナフタル酸化合物として、アセチルアミノナフ
タル酸、ナフタルイミド、フェニルヒドラジン、ペリレ
ンテトラカルボン酸、ナフトキシレンベンズイミダゾー
ルとそれらの誘導体などのカルボニル含有化合物、キノ
リノール、フラボノール誘導体との金属錯体、4−ジシ
アノメチレン−2−メチル−4−ジシアノメチレン−4−
ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミ
ノスチリル)−4H−ビラン(DCM)等のシアニン系色
素、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス
(2−メチル−8−キノリノラト)ピリジノラトアルミ
ニウムなどのキノリノール誘導体などが挙げられる。
【0015】本発明では、有機蛍光体の使用が必須であ
るが、無機蛍光体、顔料、染料などを含んでいても良
い。例えば、蛍光体として有機蛍光体と一緒に使用可能
な無機化合物として、りん酸塩((Sr,Mg)3 (P
42:Sn2+(橙赤色))、ゲルマン酸塩(4MgO
・GeO2:Mn4+(深赤色))、イットリウム酸塩
(Y23:Eu3+(赤色))、バナジン酸塩(Y,V
4:Eu3+(赤色))、ハロけい酸塩(Sr2Si38
・2SrCl2:Eu2+(青緑色))、アルミン酸塩
((Ba,Mg)2Al1624:Eu2+(青色);(B
a,Mg)2Al1624:Eu2+,Mn2+(緑色);Y
23・Al23:Tb3+(黄緑色))などの蛍光水銀ラ
ンプ用蛍光体、ZnS:Ag(青色)、ZnS:Au,
Cu,Al(緑色)、ZnS:Cu,Al(緑色)、Y
22S:Eu3+(赤)などのCRT用蛍光体、ZnO:
Zn(緑)、ZnS:[Zn]+In23(青)、Zn
S:Cu、Al+In23(黄みの緑)、ZnS:A
u、Al+In23(黄緑)、(Zn0.9,Cd0.1
S:Au、Al+In23などの蛍光表示管用蛍光体、
PrF3(白)、NdF3(橙)、SmF3(橙赤)、E
uF3(ピンク)、TbF3(緑)、Dy3(黄白)、H
oF3(ピンク)、ErF3(緑)、TmF3(青)、Y
bF3(赤)、MnF2(橙赤)などのエレクトロルミネ
センス用蛍光体、CaWO4:Pb(青)、YSiO5
e(青)、Ba,MgAl1423:Eu(青色)、Zn
2SiO4:Mn(緑)、BaAl1219:Mn(緑)、
ZnAl1219:Mn(緑)、CaAl1219:Mn
(緑)、YBO3:Tb(緑)、GdBO3 :Tb
(緑)、ScBO3:Tb(緑)、Sr4Si38
4:Eu(緑)、Y23:Eu(赤)、Y2SiO5
Eu(赤)、Y3Al512Eu(赤)などのプラズマデ
ィスプレイ用蛍光体などが挙げられ、これらの蛍光体
は、色調の調整用に使用される。
【0016】以上の有機および無機蛍光体は、それ自身
で蛍光体層を形成できる場合は単独で用いられるが、通
常は蛍光体の支持性を向上させるためにバインダー成分
を用いる。これについては無機物であっても有機物であ
っても蛍光体を発光させるのに障害となる特性を持たな
ければどの様な材料も使用できる。
【0017】蛍光体を分散させるバインダー成分として
は、透明な(可視光50%以上)の材料が好ましい。ポ
リメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカー
ボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ヒドロキシエチルセルロース、カルポキシメチルセ
ルロースポリスチレン、スチレン・無水マレイン酸共重
合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニ
ルクロライド、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースプロピオネート、ポリα−ナフチルメタクリレー
ト、ポリビニルナフタレン、ポリn−ブチルメタクリレ
ート、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポ
リ(4−メチルペンテン)、エポキシ、ポリスルホン、
ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、環状オレフィン重合体、ポリシロキ
サン、ベンゾシクロブタン重合体、水ガラス、シリカ、
酸化チタンなどを成分とする物が挙げられる。
【0018】特にドットマトリックス表示のように蛍光
体光波長変換機構を平面的に各画素に分離配置するため
には、フォトリソグラフイー法が適用できる。通常はバ
インダー樹脂自身に感光性を持たせる方法が工程数を短
くできるので望ましい方法であるが、感光性バインダー
が着色し易いなどといった場合には、非感光性バインダ
ー中に有機蛍光体を分散してから、フォトリソグラフィ
ー法によってパターンニングすることも可能である。こ
の様な感光性樹脂組成物としては、その成分が異なると
パターンの形状やその精度が変わるのでネガ型、ポジ型
いずれかの適切な物を選択する必要がある。多くの有機
蛍光体は強度の強い紫外線で変質することがあるので、
この点を考慮してネガ型かポジ型、若しくは露光条件
(可視光、紫外光、電子線など)を選定することは重要
なことである。フォトリソグラフィー法に使用できる材
料としては、たとえば、ポリケイ皮酸ビニル、ミヒラー
ケトンを増感剤に使用したポリケイ皮酸ビニル、環化ゴ
ム−ビスアジド、アルカリ可溶性フェノールであるクレ
ゾールノボラックとナフトキノンアジド、シリコン含有
アルカリ可溶性フェノール樹脂とナフトキノンジアジ
ド、ポリメチルイソプロペニルケトンと芳香族ビスアジ
ド、ポリビニルフェノールとジフェニルスルホンジアジ
ド、アクリル酸系、メタクリル酸系、ジアゾメルドラム
酸とノボラックとの混合物、ビニルフェノール−t−ブ
チルカーボネート重合体とジフェニルイオドニウムヘキ
サフルオロアセネートの混合物、ポリシラン、ポリイミ
ド系高分子、アクリレート系高分子、ポリオレフィンス
ルホン系高分子、エポキシ系高分子、ポリスチレン系高
分子などが好ましい。これらの有機蛍光体を含む若しく
は含まない感光性または非感光性樹脂組成物は、スピン
コート、ロールコート、ディップコート、スリトッダイ
コート法等の方法で製膜してから所望の形状にバターニ
ングすることができる。パターンニングの方法について
は、代表的な手法としてフォトレジスト法を挙げたが、
レジストを塗布して露光、現像(若しくはサンドブラス
ト)、剥離の行程を経てパターンニングする事も可能で
あるし、レーザーアブレーション、ドライエッチング、
光分解法なども使用できる。
【0019】その他にも、蛍光体を定まった領域に分離
配置する方法として印刷法や電着法等を使用することも
できる。
【0020】本発明における光波長変換機構の有機蛍光
体の含有量は、個々の蛍光体によって最適値があるので
一概には示せないが、一般的には、80重量%以下の濃
度で使用するのが好ましい。蛍光体の含有量が多すぎる
と、バインダー成分が減少するのでバインダー成分によ
る自己支持性が低下したり、あるいは蛍光体によって
は、蛍光体濃度が高すぎると濃度消光現象を起こすため
に著しく蛍光強度が弱められる場合がある。しかし、ふ
っ素置換9−アミノアクリジンのように高濃度で強い蛍
光を示す化合物やアルミノキノリン錯体の様に自己支持
性のある化合物もあることから、上記含有濃度は特に限
定的なものではない。
【0021】本発明における蛍光体を含有する光波長変
換機構の厚みは、1cm以下の物が好適に用いることが
できる。さらに、薄型、軽量化が求められるフラットパ
ネルディスプレイにおいては2mm以下の厚みにするこ
とがより好ましいが、発光光線の出射率とのバランスを
考慮すると0.1〜100μm、より好ましくは、1〜
50μm、更に好ましくは1〜10μmである。
【0022】本発明における光波長変換機構に含有され
る蛍光体は、1種類または、2種類以上の蛍光体をブレ
ンドして用いられる。発光色は、その用途によって適切
な色があるので特に限定されないが、フルカラーディス
プレイを作製する場合には、色純度の高い青、緑、赤色
発光体が好ましく用いられる。その適切な色の表現方法
については幾つかの方法があるが、簡便には発光の中心
波長やCIE色度座標などが使用される。また、光波長
変換機構がモノクロ表示やマルチカラー表示であるとき
は、紫、青紫、黄緑、黄色、オレンジ色に発色する蛍光
体を含むことが好ましい。また、これらの蛍光体の2つ
以上を混合して色純度の高い発光を行ったり中間色や白
色の発光を行ってもよい。
【0023】二つ以上の蛍光体を使用する利点は、励起
光の波長を容易に変えることができないときに特に顕著
である。通常、蛍光体はある特定の波長の光を吸収して
それより長波長の光を放出する。これをストークスシフ
トと呼ぶがこの値は物質固有のものであり自由に制御す
ることはできない。従って、青色光を用いて赤色を発光
させるときには非常に大きなストークスシフトをする蛍
光体が必要になるが、現実にはそのような蛍光体の数は
多くない。そこで赤色の発光を行うときに青色の光を吸
収して緑色に発光する蛍光体と緑色の光を吸収して赤色
に発光する蛍光体を共存させると二段階で青色光を赤色
光に変換できる。この方法だと緑色の光を吸収して赤色
に発光する蛍光体は数多く知られていることから容易に
赤色発光ができるわけである。また、青色発光や緑色発
光においても色純度を上げたり発光効率を向上させるこ
とを目的に第二の蛍光体を添加することができる。但
し、蛍光体の種類は、二種類に限るわけではなく色の調
整やより発光効率を向上させるために三種類以上の蛍光
体を任意の割合で混合することも可能である。蛍光体
は、そのまま使用することもできるし、蛍光体を練り込
んだ微粒子や表面に蛍光体をコーティングした微粒子を
そのまま若しくはバインダー樹脂に混合して用いてもよ
い。 また、本蛍光体光波長変換機構には蛍光体やバイ
ンダーの他にもその機能を発揮するために添加物を加え
ることが可能である。例えば、励起光を蛍光体光波長変
換機構の中で効率よく蛍光体に吸収させるための光散乱
用として、シリカ、チタニア、ガラス、有機微粒子やタ
ルクなどを共存させることができるし、外光による有機
物質の劣化や蛍光体の発光を防止する意味で紫外線や特
定の可視光を吸収できる光吸収材を共存させてもよい。
また蛍光体が発する光の色を調整するために特定の波長
の光を吸収できる化合物、即ち顔料や染料も使用でき
る。
【0024】蛍光体を含有する光波長変換機構は、ディ
スプレイに使用される場合には適切な形状に加工される
ことになる。単色発光の場合は全面に蛍光体光波長変換
機構が存在しても光シャッター機構がある特定の形状を
していれば良い場合もあるが、通常光シャッター機構の
形状に合わせて蛍光体光波長変換機構を設けることが望
ましい。特にドットマトリックスのフルカラーディスプ
レイの場合、多くのカラーフィルターの様に、個々の色
に発光する有機蛍光体を光波長変換機構の定められた領
域に配置し、画素の形状に合わせる形で作製される。従
って多くの場合、ストライプ形状、格子状、またはデル
タ形状になるが特に限定されるものではない。蛍光体が
存在する定められた領域間に黒色領域を設けることによ
って画質の向上をはかることも当該発明においては好適
な例として挙げることができる。この黒色領域は、カラ
ーフィルターではブラックマトリックスと呼ばれている
ものである。材質としてはクロムやカーボンを含むもの
が好適な物として使用できる。
【0025】本発明における光シャッター機構は、通常
複数のピクセルの集合体からなる。画面サイズや表示方
式、用途により、ピクセルの数量とサイズおよび配列方
式は変化し、特に一定の値に制限されるものではない。
【0026】さらに、マルチカラーもしくはフルカラー
ディスプレイの場合は、上記蛍光体の2種類以上を独立
に光波長変換機構の定められた領域に配置して多色発光
を可能とすることができる。例えば、ノートパソコンの
グラフィック表示やテレビの様な画像表示を行うマトリ
ックス駆動表示カラーディスプレイでは、高純度の赤、
青、緑の3原色発光により、画像表示に必要な表示色が
出される。
【0027】マルチカラー表示の場合、発光領域には、
光シャッター機構のピクセル形状に合わせて、定められ
た色に発光する蛍光体を配置することが必要である。蛍
光体を配置する形状としては、情報表示に必要なセグメ
ント形状、マトリックス形状が挙げられ、マトリックス
形状の中では、ストライプ構造、デルタ構造などが好ま
しい形態として挙げることができる。さらに、モノクロ
表示の場合は、上記の形状の他、均一に発光体を塗布し
たものでも本発明の目的を達成することが可能である。
【0028】本発明において発光画素サイズは、特に限
定されるものではなく、用途により最適なものが使用さ
れる。上記ディスプレイ用途では、一画素のサイズは5
00μm角以下が好ましい。さらに、好適な画素サイズ
として、現在実用化されている液晶ディスプレイの単色
一画素サイズである100×300μmを例示すること
ができる。また、これら画素の間にはコントラストを高
めるためにブラックマトリックス(BM)と称する黒色
領域が存在することが好ましい。BMは蛍光体を含んだ
発光領域、すなわち画素間のすきまを黒くし、画像を見
やすくする。BMの材質としては、クロム、炭素、また
は炭素またはその他黒色物質を分散した樹脂が用いられ
る。
【0029】本発明における光波長変換機構は、光源か
らの光を他の波長に変換する光波長変換機構が好ましく
用いられるが、場合によっては、光源からの光をそのま
ま表示する光波長変換機構が形成されている部分が存在
していてもよい。具体例として青色光が励起光である場
合、青色光はそのまま透過させて、青色光によって緑と
赤色の発光を行うものである。一方では、複数の光波長
変換機構を組み合わせて使用することも可能である。
【0030】本発明における光シャッター機構とは、本
発明で使用する発光中心波長390〜700nm、より
好ましくは390〜500nm、もっとも好ましくは4
40〜500nmの光の一部あるいは全波長の光をスイ
ッチングできるものである。光シャッター機構の数量お
よびサイズについては、目的とするディスプレイによっ
て異なり、一概には示せないが、例えば、上記ディスプ
レイ用途に用いられるディスプレイでは、一画素のサイ
ズは500μm角以下が好ましい。さらに、10インチ
小型フルカラーディスプレイでは、ピクセル数は640
×3×480、サイズは約100×300μmが好まし
サイズの一つとして例示することができる。また、フラ
ットパネルディスプレイにおいては、階調表示を行うた
めに、電気的制御により画素の光透過率を任意の値に変
化せしめるものが好適に用いることができる。光透過率
の絶対値や、その変化のコントラストと速度応答性は高
いほど好ましい。光シャッター機構の厚さは5cm以下
のものが有用であるが、薄型化、軽量化を考慮すれば1
cm以下であることが望ましい。これらの要件を満たす
光シャッター機構の例としては、TFT、STN、強誘
電、反強誘電、2色性色素を用いたゲストホスト、ポリ
マー分散型であるPDN方式などの透過型液晶光シャッ
ター機構や酸化タングステン、酸化イリジウム、プルシ
アンブルー、ビオローゲン誘導体、TTF−ポリスチレ
ン、希土類金属−ジフタロシアニン錯体、ポリチオフェ
ン、ポリアニリンなどに代表されるエレクトクロミッ
ク、ケミカルクロミックなどが挙げられるが、中でも液
晶モジュールは、薄型、軽量、低消費電力を特徴とし、
実用的な耐久性があってセグメントの高密度化も可能で
あることから好適に用いられる。この中で特に望ましい
ものは、TFTアクティブマトリクス駆動の液晶、2色
性色素を用いたゲストホストである。その理由は、ねじ
れネマチック液晶を使用したアクティブマトリクスで
は、動画に対応した高速応答性やクロストークの問題が
起きないこと、ゲストホスト液晶では偏光板が必要でな
いので、光源からの光の減衰が少なく高輝度な発光が可
能になるからである。
【0031】本発明における電気エネルギーを光に変換
する素子とは、電気エネルギーによって、光波長変換機
構に含まれる蛍光体を光励起するための光を放出する素
子であり、面状発光する光源のみならず、光源と光拡散
のための導光板などが組み合わされた疑似面状発光素子
などが含まれる。このような電気エネルギーを光に変換
する素子が放出する放出光は、中心波長が390〜70
0nm、好ましくは390〜500nm、もっとも好ま
しくは440〜500nmの光であり、この領域に発光
ピークが存在する光源が用いられる。ただ、その範囲に
おけるピークの数は一つでも二つ以上でも特に制限はな
い。即ち、この領域で少なくとも一つ以上の蛍光体を励
起し得る発光ピークが存在すればよい。さらに、フラッ
トパネルディスプレイにおいては、電気エネルギーを光
に変換する素子のうち、均一な面状光を放出する素子が
特に有用である。均一な面状光を放出する素子として
は、素子そのものが1つ以上の面発光源で形成されてい
る素子のみならず、1つ以上の任意の形状の光源から取
り出された光を、導光や拡散、反射などの適当な手法を
用いて面状光に変換する素子も含まれる。また、これら
の手法を組み合わせた素子を使用することもできる。フ
ラットパネルディスプレイ用の電気エネルギーを光に変
換する素子の厚さは、実用的見地から5cm以下である
ことが好ましく、更に好ましくは5mm以下である。
【0032】電気エネルギーを光に変換する素子のう
ち、電気エネルギーを面状の光に変換する素子として
は、例えば、無機真性EL素子、有機EL素子、小型平
面蛍光ランプ、無機半導体を利用した面発光LEDなど
が挙げられる。
【0033】また、電気エネルギーを光に変換する素子
のうち、光源から取り出された光を面状光に変換する素
子は、光源と面状発光への変換機構により構成される。
【0034】光源から取り出された光を面状光に変換す
る素子の光源としては、例えば、ハロゲンランプ、水銀
ランプ、水素放電管、ネオンランプ、キセノンランプ、
低圧ナトリウムランプ、蛍光ランプなど様々なランプ
や、無機半導体LEDや有機EL素子などのエレクトロ
ルミネッセント光源などが挙げられる。特に、水銀の低
圧放電から発生する紫外光によって蛍光体を発光させる
蛍光ランプは、蛍光体を選ぶことにより様々な波長スペ
クトルが得られることから自由度が大きく、比較的電力
消費が少なく、かつ小型であることから特に好ましい。
【0035】光源から取り出された光の面状発光への変
換機構は、石英板、ガラス板、アクリル板などの導光板
と、Alシート、各種金属蒸着膜など反射機構と、Ti
2系化合物を用いたパターン、光拡散シート、光拡散
プリズムなど光拡散機構が、単独、好ましくは複数を組
み合わせられたものから成る。特に、導光板、反射板、
拡散板からなる面状光への変換機構は、本発明において
好適に用いられ、液晶ディスプレイ用途などで使用され
ている変換機構も好適に使用することができる。これら
の中で本発明に有用なる光源として、蛍光ランプと無機
半導体LEDが例示できる。蛍光ランプは、従来使用さ
れている冷陰極管、熱陰極管を使用することができる
が、白色光を使用すると青、緑、赤色の発光領域に他の
色が混入してくるため、フィルター等を使用して白色光
の中の青色領域のみを取り出すことが望ましい。更に好
ましくは、青色蛍光体のみを塗布した蛍光ランプを使用
すれば消費電力低減に効果的である。また、最近は高輝
度の青色や白色無機半導体LEDも入手できることか
ら、これらの光源を使用したバックライトの使用も可能
である。特に青色無機半導体LEDは、選択的に本発明
に好ましい波長領域での光を放出できることから好適に
用いることができる。
【0036】本願発明の基本部材は、蛍光体光波長変換
機構、光シャッター機構、光源である。光シャッター機
構は、基本的には偏光板(偏光子)、電極、液晶、電
極、偏光板(検光子)からなる。この構成順には、
(1)発光素子、蛍光層、偏光板(偏光子)、電極、液
晶、電極、偏光板(検光子)と図1に示すような(2)
発光素子、偏光板(偏光子)、電極、液晶、電極、偏光
板(検光子)、蛍光層の二通りがあるが、(1)の方法
は三原色の蛍光が液晶素子を経て画像を形成するため、
従来の視野角の問題は解決できないが、蛍光体が画像表
示側にある(2)の方法は液晶を透過した光が蛍光体を
光らすために光の放射は均一で視野角依存性のない表示
が可能となる。
【0037】(2)のより具体的な構成を図2〜5に示
す。図2は、ガラス基板1の上にブラックマトリクス2
2を形成し、それぞれの色に発光する蛍光体画素19〜
21を作製する。そして、偏光板23を取り付けた後に
透明電極(ITO)24を作ったものである。図3に示
す光波長変換機構は、図2と同様にガラス基板25の上
にブラックマトリクス29と蛍光画素26〜28を作っ
たものと偏光板30、そしてガラス基板31の上に透明
電極32を形成させたITO基板を張り合わせたもので
ある。図4に示す光波長変換機構は、ガラス基板39の
上にITO透明電極40を形成させたITO基板の背面
に偏光板38を形成し、更にブラックマトリックス37
と蛍光画素34〜36を作った後に保護膜33(これ
は、傷防止、特定波長カットなどの機能を持つ)を形成
させたものである。図5に示す光波長変換機構は、ガラ
ス基板48の上にITO透明電極49を形成させたIT
O基板と偏光板47、そしてガラス基板46の上にブラ
ックマトリクス45と蛍光体画素42〜44を作り込み
ガラスの背面側に特定の波長カットないしは反射防止機
構41を備えたものである。これらの中でブラックマト
リクスは蛍光体より低く書かれているが発光した光の横
漏れによるコントラスト低下が懸念される場合は、ブラ
ックマトリクスの高さは蛍光体より高いことが望まし
い。また、有機蛍光体は固体状態で偏光を発することが
できることから、入射偏光に対して一定の方向に偏光を
発することができる場合は、図6に示すように通常のカ
ラーフィルタと同様に偏光板を最外層に位置させること
ができ、ディスプレイの作製が容易になる。有機蛍光体
は、単なる塗布によっても偏光を発するが、より高効率
に偏光を発生させたい場合は、一定方向に蛍光体を並べ
るとより効果的である。その方法としては塗布された蛍
光体をラビングする方法、ラビングされた下地の上に蛍
光体を塗布する方法、液晶物質と混合して蛍光体を塗布
する方法、LB膜を利用する方法などがあげられる。
【0038】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。
【0039】実施例1 対角10インチのVGA対応TFT基板に配向膜を形成
しラビング処理を施した。シール剤を塗布した後にスペ
ーサーを配置し、配向膜を形成したITOガラス基板
(バリアコートを施したソーダライムガラス上にスパッ
タでITOを製膜、面抵抗7Ω/□)を位置合わせして
シール剤を加熱硬化した。その後液晶を注入して注入口
を紫外線硬化剤で塞いで偏光板を貼り付けた。ガラス基
板上に光波長変換機構として、青色発光領域にペリレ
ン、緑色発光領域にアルミニウムキノリノール錯体、赤
色発光領域にアルミニウムキノリノール錯体とジメチル
アミノフェニルエチニルメチルピランイリデンプロパン
ジニトリル(DCM1)の蛍光体を含む厚さ5μmのポ
リイミド層が形成されたものを作製して、TFTの各画
素に対応するように配置した。次に中心波長450nm
にある単色蛍光ランプを使用したサイドライト型バック
ライトを設置した。この様にして作製された自発光ディ
スプレイは、視野角の依存性もなく高輝度に発光した。
【0040】実施例2 光波長変換機構に含まれる蛍光体として、青色発光領域
にクマリン4、緑色発光領域にアルミニウムキノリノー
ル錯体とクマリン540、赤色発光領域には、アルミニ
ウムキノリノール錯体、Pyrromethene58
0とPyrromethene620を用いた以外は、
実施例1と同様にして表示実験を行ったところ、明瞭で
視野角依存性のないフルカラー画像表示を行うことがで
きた。
【0041】実施例3 光波長変換機構に含まれる蛍光体として青色発光領域に
テトラフェニルブタジエンを用いた以外は、実施例1と
同様にして表示実験を行ったところ、明瞭で視野角依存
性のないフルカラー画像表示を行うことができた。
【0042】実施例4 ガラス基板(コーニング7059)の上に光波長変換機
構として、青色発光領域にペリレン、緑色発光領域にア
ルミニウムキノリノール錯体、赤色発光領域にアルミニ
ウムキノリノール錯体とジメチルアミノフェニルエチニ
ルメチルピランイリデンプロパンジニトリル(DCM
1)の蛍光体を含む厚さ5μmのポリイミド層を形成し
た。この上に偏光フィルムを張り、ITOをスパッタ法
で作製した。このITOの面抵抗は、10Ω/□であっ
た。この上に更に配向膜を形成してラビング処理を施し
た。この様にして得られた光波長変換機構を液晶シャッ
ター機構の外側に蛍光体光波長変換機構を形成すること
をしないことを除いて実施例1と同様の方法でディスプ
レイを作製したところ、明瞭で視野角依存性のないフル
カラー画像表示を行うことができた。
【0043】比較例1 青色蛍光体として、Sr10(PO4)6Cl2:Eu、緑色蛍光体とし
てSrAl2O4:Eu、赤色発光体として6MgO・As2O5:Mnを用い
光源の波長が380nmであった以外は実施例1と同じ
方法で作製したところ、輝度が低く色純度も低いは表示
しかできなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の有機蛍光体を含有する光波長変
換機構、光シャッター機構、電気エネルギーを光に変換
する素子からなる自発光ディスプレイは、視野角依存性
がない薄型、軽量のモノクロならびにフルカラーディス
プレイとして、パーソナルコンピュータ、モニター、ワ
ープロ、携帯情報端末、移動電話、テレビ、ビデオカメ
ラ、カセットレコーダー、CDレコーダー、レーザーデ
ィスク、ステレオ、ビデオデッキ、カメラ、カーステレ
オ、カーナビゲーションシステム、カラオケシステムな
どOA、家電用民生機器、公共表示機器などに薄型、軽
量のディスプレイとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自発光ディスプレイの構成例を模式的
に示した図である。
【図2】本発明の自発光ディスプレイに使用される光波
長変換機構とそれに付随する要素を模式的に表したもの
である。
【図3】本発明の自発光ディスプレイに使用される光波
長変換機構とそれに付随する要素を模式的に表したもの
である。
【図4】本発明の自発光ディスプレイに使用される光波
長変換機構とそれに付随する要素を模式的に表したもの
である。
【図5】本発明の自発光ディスプレイに使用される光波
長変換機構とそれに付随する要素を模式的に表したもの
である。
【図6】本発明の自発光ディスプレイに使用される光波
長変換機構とそれに付随する要素を模式的に表したもの
である。
【符号の説明】
1、光波長変換機構 2、光シャッター機構 3、電気エネルギーを光に変換する発光素子 4、ガラス基板 5、青色蛍光発光領域 6、緑色蛍光発光領域 7、赤色蛍光発光領域 8、ブラックマトリクス 9、偏光板(検光子) 10、ガラス基板 11、透明電極(ITO) 12、液晶 13、薄膜トランジスタ 14、ガラス基板 15、偏光板(偏光子) 16、蛍光ランプ 17、導光板 18、ガラス基板 19〜21、蛍光体画素 22、ブラックマトリクス 23、偏光板 24、ITO透明電極 25、ガラス基板 26〜28、蛍光画素 29、ブラックマトリクス 30、偏光板 31、ガラス基板 32、透明電極 33、保護膜 34〜36、蛍光画素 37、ブラックマトリックス 38、偏光板 39、ガラス基板 40、ITO透明電極 41、波長カットないしは反射防止機構 42〜44、蛍光体画素 45、ブラックマトリクス 46、ガラス基板 47、偏光板 48、ガラス基板 49、ITO透明電極 50〜52 蛍光体画素 53、ブラックマトリクス 54、ITO透明電極 55、ガラス基板 56、偏光板

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順に有機蛍光体を含み中心波長が390
    〜700nmの少なくとも一種類の光によって可視光を
    放出する光波長変換機構、光シャッター機構、電気エネ
    ルギーを光に変換する発光素子からなる自発光ディスプ
    レイ。
  2. 【請求項2】 光波長変換機構に含まれる有機蛍光体が
    中心波長390〜500nmの少なくとも一種類の光に
    よって可視光を放出することを特徴とする請求項1記載
    の自発光ディスプレイ。
  3. 【請求項3】 光波長変換機構が青、緑、赤の内から選
    ばれる少なくとも一種類の色の光を放出し、個々の色に
    発光する有機蛍光体を光波長変換機構の定められた領域
    に配置することを特徴とする請求項1ないし2記載の自
    発光ディスプレイ。
  4. 【請求項4】 定められた領域がストライプ形状、格子
    形状、若しくはデルタ形状であることを特徴とする請求
    項3に記載の自発光ディスプレイ。
  5. 【請求項5】 ストライプ形状、格子形状、若しくはデ
    ルタ形状のピッチが500μm以下であることを特徴と
    する請求項4記載の自発光ディスプレイ。
  6. 【請求項6】 光波長変換機構の定められた領域の間に
    黒色領域が存在することを特徴とする請求項1〜5いず
    れかに記載の自発光ディスプレイ。
  7. 【請求項7】 光シャッター機構がアクティブマトリク
    ス駆動液晶デバイスであることを特徴とする請求項1〜
    6いずれかに記載の自発光ディスプレイ。
  8. 【請求項8】 光シャッター機構に使用される液晶がゲ
    ストホスト、ねじれネマチック型のいずれかであること
    を特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の自発光ディ
    スプレイ。
  9. 【請求項9】 電気エネルギーを光に変換する発光素子
    が蛍光ランプまたは発光ダイオードから選ばれる光源を
    用いた面状発光体であることを特徴する請求項1〜8い
    ずれかに記載の自発光ディスプレイ。
  10. 【請求項10】 画像表示側から光波長変換機構、偏光
    板、電極、液晶、電極、偏光板、発光素子の順で構成さ
    れ、光波長変換機構が青、緑、赤色の三原色に発光して
    フルカラー若しくはマルチカラー表示が可能なことを特
    徴とする請求項1〜9いずれかに記載の自発光ディスプ
    レイ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10いずれかに記載の自発
    光ディスプレイに使用されている少なくとも一種類の光
    によって可視光を放出する光波長変換機構。
  12. 【請求項12】 光波長変換機構と偏光板の間にハーフ
    ミラーを配したことを特徴とする請求項11記載の光波
    長変換機構。
  13. 【請求項13】 蛍光体が偏光を発することを特徴とす
    る請求項11または12に記載の光波長変換機構。
  14. 【請求項14】 光波長変換機構より画像表示側に特定
    波長の光を透過しない層を設けたことを特徴とする請求
    項11〜13いずれかに記載の光波長変換機構。
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