JPH1020525A - 浸漬塗工装置及びこれを用いる電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

浸漬塗工装置及びこれを用いる電子写真感光体の製造方法

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JPH1020525A
JPH1020525A JP19393396A JP19393396A JPH1020525A JP H1020525 A JPH1020525 A JP H1020525A JP 19393396 A JP19393396 A JP 19393396A JP 19393396 A JP19393396 A JP 19393396A JP H1020525 A JPH1020525 A JP H1020525A
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coating
coated
coating liquid
liquid
substrate
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JP19393396A
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Junichi Yamazaki
純一 山崎
Naoki Imahashi
直樹 今橋
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜むらがほとんど見られない浸漬塗工装置
を提供する。 【解決手段】 塗工液面の被塗工物と同心円上の位置
に、塗工液面位置と同期して上下動が可能な仕切り
輪、又は該塗工物が塗工液に降下侵入するときは塗工
液面位置と同期に塗工液面と同じ位置に位置するがそれ
以外は塗工液中に没することが可能な仕切り輪、を浸漬
塗工装置に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浸漬塗工装置及び電
子写真感光体の製造方法に関し、詳しくは、特に電子写
真感光体製造時、円筒状基体に感光層形成液等を浸漬塗
布するのに有用な装置、及びこの製造を用いる電子写真
感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浸漬塗布装置は数多くの分野で利用さ
れ、電子写真感光体を製造するのもその一例である。一
般に円筒状の基体上に感光層を設けた電子写真感光体を
作成するには、塗工槽に感光液を入れ、この感光層中に
円筒状基体を垂直方向に降ろして感光液中に浸漬した
後、これを吊り上げ、続いて乾燥を行なうことによりな
される。
【0003】浸漬塗工による電子写真感光体の作成で
は、一本の被塗工基体に対して独立でかつ被塗工基体に
対して最適な内径をもつ塗工膜を用意して塗工する場合
は均一で良好な塗膜が形成できる。しかし、1本の被塗
工基体に対して独立であるが、内径が最適でない塗工槽
の場合は良好な塗膜が形成できず、塗膜ムラが発生する
場合が有る。このような場合、各寸法の塗工基体毎に最
適な塗工槽を用意することは、品種切り替えの柔軟さを
欠き、生産コストも高くなる。また、大量生産時に、一
つの大きな塗工槽を準備し、これで同時に多数本の塗工
を行なう際も塗工ムラが発生しやすい。
【0004】これらの問題に対して、従来よりいくつか
の検討が行なわれているが、いずれも未解決の事柄が残
されている。それらの代表例をあげれば次のとおりであ
る。 (イ)特開昭59−42068号公報にみられる塗布方
法では、塗工槽の液面に仕切り板を設けている。この方
法では仕切り板内側の液面の液は循環されることが少な
く、よどみが発生し易い。従って、繰り返し塗工に伴い
塗工槽内部の液にムラが生じることになり、塗工の均一
性が維持できなくなる問題が有る。 (ロ)特開平5−72760号公報にみられる浸漬塗工
装置でも仕切り板を設けているが、この場合も前記
(イ)と同様に切り板内側の液面の液は循環されること
が少なく、上記と同じ問題が有る。 (ハ)特開平5−88384号公報にみられる記録媒体
の塗布装置では塗布液が自由に通れる貫通孔をもった円
筒状擬似塗工槽は案外作りにくく、コスト高になるおそ
れがある。 (ニ)特開平5−197170号公報(電子写真感光体
の製造方法)にみられる浸漬塗工では、塗工上端部の膜
厚が薄くなる現象が(タレ現象)が発生するが、この対
策として基体保持治具に送気機構を組み込み、塗工過程
で液面に送気することによってタレ現象の発生を抑制す
る方法があり、その有効性も確認されている。しかし、
ここに記述されているように液面にドーナッツ状円板を
浮かべると、ドーナッツ状円板が気流に対して遮蔽とな
り、効果的な液面送気が行なえず、タレ対策の効果が出
ない欠点が有る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
欠点を解消するものであって、その第一の目的は異なっ
た寸法の被塗工基体に対してそれぞれの専用の最適な内
径を持つ塗工槽を用意すること、また、品種切り替えの
手間を減らすことによってコストを下げ、且つ、均一で
良好な塗膜の形成を可能にする、浸漬塗工装置を提供す
るものである。本発明の第二の目的は多数の被塗工基体
を一つの塗工槽で塗工することを可能にし、また、品種
切り替えの手間を減らすことによってコストを下げ、ま
た、均一で良好な塗膜の形成を可能にする、浸漬塗工装
置を提供するものである。本発明の第三の目的は、基体
保持治具に送気機構を組み込み、塗工過程で液面に送気
することによって塗膜上端のタレ現象を抑制しようとす
る際、その効果を基体の周方向において均一に維持す
る、浸漬塗布装置を提供するものである。本発明の第四
の目的は、液タレのほとんど生じない電子写真感光体の
製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(1)
電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する際に用いる浸漬
塗工装置において、塗工液面の被塗工物と同心円上の位
置に、塗工液面位置と同期して上下動が可能な幅2〜1
0mm、厚さ5〜10mmの仕切り輪を設けたことを特
徴とする浸漬塗工装置、(2)電子写真感光体を浸漬塗
工法で製造する際に用いる浸漬塗工装置において、塗工
液面の被塗工物と同心円上の位置に、該塗工物が塗工液
に降下浸入するときは塗工液面位置と同期に塗工液面と
同じ位置に位置するがそれ以外は塗工液中に没すること
が可能な幅2〜10mm、厚さ5〜10mmの仕切り輪
を設けたことを特徴とする浸漬塗工装置、(3)前記
(1)又は(2)において、仕切り輪と被塗工物との間
隔が10〜50mmである請求項1又は2記載の浸漬塗
工装置、(4)前記(1)又は(2)において、仕切り
輪は単独あるいは2個以上まとめて簡易に塗工装置に取
付け・取外しが可能であることを特徴とする浸漬塗工装
置、(5)前記(1)〜(4)のいずれかの仕切り輪を
使用し、かつ、基体保持治具に送気孔部を設け、塗工過
程で送気できることを可能にしたことを特徴とする浸漬
塗工装置、が提供される。また、本発明によれば、
(6)前記(5)の浸漬塗工装置を使用し、塗工過程で
送気しながら導電性基体上に感光層被膜を形成すること
を特徴とする電子写真感光体の製造方法、が提供され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付の図面に従い
ながらさらに詳細に説明する。図1は本発明を実施する
のに好適な装置の一例であって、電子写真感光体を浸漬
塗工法で製造する際に使用する浸漬塗工装置において、
塗工液面の被塗工物と同心円上の位置に、塗工液面位置
と同期して上下動が可能な、幅が2mm以上、10mm
以下、厚さが5mm以上、10mm以下である仕切り輪
を設けたことを特徴とするものである。
【0008】昇降機4に取り付けられたアームには基体
保持治具5が取り付けられており、これは被塗工基体6
を保持している。塗工槽2には塗工液3が満たされてお
り、塗工液3の表面には前記(1)の仕切り輪1が被塗
工基体と同軸上に存在する。昇降モーター7の駆動によ
り、被塗工基体は降下し、塗工槽2の中の塗工液3へ浸
漬する。次いで、昇降モーター7の駆動により、塗工液
3から被塗工基体を引き上げることにより、塗膜が形成
される。
【0009】これらの過程において、仕切り輪1は常
に、被塗工物と同軸上の液面に存在する。被塗工基体6
の降下及び上昇時に仕切り輪1は被塗工基体周囲の液表
面を均一化する作用を行う。また、仕切り輪1は充分に
薄いので、塗工液表面より上に突出することは無く、従
って、塗工槽上部の気流を乱して塗膜ムラを発生させる
ことはない。塗布後、循環ポンプ8を動作させて、撹拌
タンク9中の塗工液10を塗工槽2へ送液し、塗工槽2
からオーバーフローして撹拌タンク9に循環することに
より、塗工液の粘度調整、撹拌、濾過を行う。このと
き、仕切り輪1は液の遮蔽とならないので、液の循環、
オーバーフローの障害にならず、液均一化の妨げになら
ない。
【0010】仕切り輪の材質としては、使用する塗工液
に耐え、かつ、塗工液に影響を与えないものであれば特
に限定されないが、商品名テフロン等のフッ素系樹脂、
あるいは、金属に商品名テフロン等のフッ素系樹脂を被
覆した材料は液固化物の付着も無く、従って、均一な塗
膜の形成に適している。
【0011】なお、図1は一つの塗工槽で1本の被塗工
基体を塗工する装置の例であるが、一つの塗工槽で同時
に複数本の被塗工基体を塗布する場合も、各被塗工基体
に対応した仕切り輪を設けることが可能である。
【0012】図2は本発明を実施するのに好適な装置の
一例であって、電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する
際に使用する浸漬塗工装置において、被塗工物と同心円
上の位置に、幅が2mm以上、10mm以下、厚さが5
mm以上、10mmの仕切り輪を有し、該仕切り輪が、
被塗工物が塗工液に降下侵入するときは必ず、塗工液面
位置と同期して塗工液面と同じ位置に位置するが、それ
以外は塗工液中に没することが可能な仕切り輪を設けた
ことを特徴とするものである。
【0013】昇降機4に取り付けられたアームには基体
保持治具5が取り付けられており、これは被塗工基体6
を保持している。塗工槽2には塗工液3が満たされてお
り、塗工液3の表面あるいはその下には請求項1で示し
てある仕切り輪1が被塗工基体と同軸上に存在する。昇
降モーター7の駆動により、被塗工基体は降下し、塗工
槽2の中の塗工液3へ浸漬する。この時仕切り輪1は常
に、被塗工物と同軸上の塗工液面に存在し、被塗工基体
周囲の液表面を均一化する作用を行う。次いで、昇降モ
ーター7の駆動により、塗工液3から被塗工基体を引き
上げることにより、塗膜が形成される。
【0014】これらの過程において、仕切り輪1は充分
に薄いので、塗工液表面より上に突出することは無く、
従って、塗工槽上部の気流を乱して塗膜ムラを発生させ
ることはない。塗布後、循環ポンプ8を動作させて、撹
拌タンク9中の塗工液10を塗工槽2へ送液し、塗工槽
2からオーバーフローして撹拌タンク9に循環すること
により、塗工液の粘度調整、撹拌、濾過を行う。このと
き、仕切り輪1は塗工液中に没するので、塗工液の表面
に遮蔽はなく、従って、液の循環、オーバーフローの障
害にならず、液均一化の妨げにならない。
【0015】仕切り輪は材質としては図1で説明したも
のがそのまま使用できる。なお、図2は一つの塗工槽で
1本の被塗工基体を塗工する装置の例であるが、一つの
塗工槽で同時に複数本の被塗工基体を塗布する場合も、
各被塗工基体に対応した仕切り輪を設けることが可能で
ある。
【0016】図3及び図4は本発明を実施するのに好適
な装置の二例で、ともに仕切り輪と被塗工物の間隔が1
0mm以上、50mm以下となっているが、図3は一つ
の塗工槽で1本の被塗工基体を塗工する装置の例であ
り、図4は一つの塗工槽で複数の被塗工基体を塗工する
場合の例である。また、これらは共に、昇降機4に取り
付けられたアームには基体保持治具5が取り付けられて
おり、これは被塗工基体6を保持している。また、塗工
槽2には塗工液3が満たされており、塗工液3の表面に
は前記(1)で示してある仕切り輪1が被塗工基体と同
軸上に存在し、被塗工基体6の外面と仕切り輪1の内側
の間隔は10mm以上5mm以下であることを特徴とす
る。
【0017】本発明者らの検討したところによれば、塗
膜均一性の形成に関して、被塗工基体が塗工液中に降下
する過程が重要であり、この時被塗工基体周辺に均一な
液の流れを作り出すことが必要であることを見出した。
そして、被塗工基体周辺の液の流れは塗工槽の形状や寸
法あるいは被塗工基体の寸法に係わらず被塗工基体の外
面から6〜8mmの範囲においては常に均一に流れてい
ることをも見出した。その結果、被塗工基体6の外面と
仕切り輪1の内側の間隔を10mm以上、50mm以下
に設定すると、塗工槽の形状や寸法、あるいは被塗工基
体の寸法を受けず、均一な塗工液の流れを作ることを見
出した。
【0018】また一方で、図3及び図4は仕切り輪が単
独あるいは2個以上まとめて簡易に塗工装置に取り付け
・取り外しが可能であり、図3は1個の塗工槽で1本の
被塗工基体を塗布する浸漬塗工装置の例である。図3に
おいて、塗工槽2には塗工液3が満たされており、塗工
液3の表面には仕切り輪1が被塗工基体6と同軸上に存
在する。
【0019】昇降機4に取り付けられたアームには基体
保持治具5が取り付けられており、これは被塗工基体6
を保持している。昇降モーター7の駆動により、被塗工
基体6は降下し、塗工槽2の中の塗工液3へ浸漬する。
この時仕切り輪1は常に、被塗工物と同軸上の塗工液面
に存在し、被塗工基体6の周囲の液表面を均一化する作
用を行う。仕切り輪1は、簡易に塗工槽から取り付け・
取り外しが可能になっており、被塗工基体の寸法と位置
に合わせて最適な仕切り輪1を取り付けることができ
る。これによって、迅速な品種交換が可能となり、ま
た、被塗工基体に合わせて最適な塗工条件を設定するこ
とが可能である。
【0020】図4は一つの塗工槽を使用して同時に多数
本の塗工を行う浸漬塗工装置の例である。図4におい
て、塗工槽2には塗工液3が満たされており、塗工液3
の表面には各被塗工基体6と同軸上に複数個の仕切り輪
1が存在する。仕切り輪1は、それぞれ単独、あるいは
連結した状態で簡易に塗工槽から取り付け・取り外しが
可能になっており、被塗工基体6の寸法と位置に合わせ
て最適な仕切り輪1あるいは仕切り輪のセットを取り付
けることができる。これによって、迅速な品種交換が可
能となり、また、被塗工基体に合わせて最適な塗工条件
を設定することが可能である。
【0021】図5は本発明を実施するのに好適な装置の
一例で、前記(1)〜(4)で示したいずれかの仕切り
輪を使用し、かつ、基体保持治具に送気孔部を設け、塗
工過程で送気できることを可能にした浸漬塗工装置であ
る。昇降機4に取り付けられたアームには基体保持治具
5が取り付けられており、これは被塗工基体6を保持し
ている。基体保持治具は送気孔11を備えており、送気
ガス源13から送気ガス配管12を経て供給された気体
は、塗工動作に合わせて動作する送気電磁弁14を経て
送気孔11から送気できるようになっている。
【0022】塗工槽2には塗工液3が満たされており、
塗工液3の表面には請求項1で示してある仕切り輪1が
被塗工基体と同軸上に存在する。昇降モーター7の駆動
により、被塗工基体は降下し、塗工槽2の中の塗工液3
へ浸漬する。このとき、送気孔11より、気体の送気を
行う。次いで、昇降モーター7の駆動により、塗工液3
から被塗工基体を引き上げることにより、塗膜が形成さ
れる。この時に送気孔11より送気を行っても良い。
【0023】送気ガスとしては空気、窒素ガス、アルゴ
ンガス等が使用できるが、塗工液に対して影響を与えな
いことから、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン、酸素を
除去した窒素が好ましい。
【0024】これらの過程において、仕切り輪1は常
に、被塗工物と同軸上の液面に存在する。被塗工基体6
の降下及び上昇時に仕切り輪1は被塗工基体周囲の液表
面を均一化する作用を行う。また、仕切り輪1は充分に
薄いので、塗工液表面より上に突出することは無く、従
って、送気時の塗工槽上部の気流を乱して塗膜ムラを派
生させることはない。
【0025】塗布後、循環ポンプ8を動作させて、撹拌
タンク9中の塗工液10を塗工槽2へ送液し、塗工槽2
からオーバーフローして撹拌タンク9に循環することに
より、塗工液の粘度調整、撹拌、濾過を行う。このと
き、仕切り輪1は液の遮蔽とならないので、液の循環、
オーバーフローの障害にならず、液均一化の妨げになら
ない。また、塗工槽の液面上には塗工液から蒸発した溶
媒蒸気が層状に存在し(これを蒸気層という)、これが
塗工膜仕上がりの均一化に寄与しているが、仕切り輪は
塗工液表面の面積に比べて十分に小さいので、塗工液か
らの溶媒の蒸発を妨げることが無く、送気によって一時
的に失われた蒸気層の回復・形成を妨げない。
【0026】本発明では前記(5)の浸漬塗工装置を使
用し、塗工過程で送気することにより塗膜上部の膜厚が
薄くなることなく、良質の電子写真感光体を製造するこ
とができる。電子写真感光体の製造のための材料等は従
来のものがそのまま使用できる。例えば電荷輸送層塗工
液に使用する樹脂としてはビスフェノールAタイプのポ
リカーボネート、ビスフェノールZタイプのポリカーボ
ネート等が使用できる。また、電荷輸送層塗工液として
は、実施例に示したような高分子と電荷輸送剤及び、溶
剤からなる液の他に、電荷輸送剤の重合物と溶剤からな
る液、あるいは、高分子と電荷輸送剤の重合物及び溶剤
からなる液、あるいは、高分子と電荷輸送剤と電荷輸送
剤の重合物及び溶剤からなる液でも良い。
【0027】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 (下引き層の形成)以下の材料を溶解して下引き層塗布
液を調合した 可溶性ナイロン(アラミンCM−8000、東レ社製) 5重量部 メタノール 95重量部 外径30mm,長さ250mmのアルミニウム製円筒状
基体を、上記の調合した下引き層塗布液に浸漬塗布した
後、100℃で10分間乾燥して、厚さ0.3μmの下
引き層を形成した。
【0029】(電荷発生層の形成) 下記構造式(1)に示す電荷発生剤 10重量部
【化1】 ポリビニルブチラール 7重量部 テトラヒドロフラン 145重量部 をボールミルに入れ、72時間ミリングした。更にシク
ロヘキサノン200重量部を加えて、1時間分散を行っ
た。分散を終了した液を更に、シクロヘキサノンで希
釈、調整し、電荷発生層塗布液とした。下引き層を形成
した前記アルミニウム製円筒状基体上に電荷発生層塗布
液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して厚さ約
0.1μmの電荷発生層を形成した。
【0030】(電荷輸送層の形成) 下記構造式(2)に示す電荷輸送剤 7重量部
【化2】 ポリカーボネート(パンライトC−1400、帝人社製) 10重量部 テトラヒドロフラン 83重量部 を溶解して電荷輸送層塗布液を調合した。電荷発生層を
形成したアルミニウム製円筒状基体を前記(1)に示し
た浸漬塗工装置を使用して、電荷輸送層を塗工後、乾燥
機に入れて120℃で30分間乾燥し、これを試料1と
した。また、浸漬塗工装置から仕切り輪を取り外し、こ
れに電荷発生層を形成したアルミニウム製円筒状基体を
セットして、電荷輸送層を塗工後、乾燥機に入れて12
0℃で30分間乾燥し、これを試料2とした。
【0031】浸漬塗工装置の塗工槽は幅60mm、奥行
き60mm、深さ300mmであった。作成した試料は
安立電気社製の電子マイクロメーターK351Cによっ
て膜厚を測定した。測定は試料をその周方向に6分割
し、各分割に対して、塗工上端から15mmより下を1
0mmおきに測定した。測定結果を表1に示す。表1よ
り、試料1の仕切り輪を用いた方が膜厚の最大値と最小
値の差が少ないことがわかり、仕切り輪に効果があるこ
とがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 図2に示す装置を使用する以外は実施例1と同様にして
試料を作成した。仕切り輪は図2に示したように被塗工
基体が降下時に塗工液面に常に存在するが、それ以外は
塗工液中に没するようにして連続して20本塗工し、そ
の後続けて塗工した21本目から25本目までを試料3
とした。また、仕切り輪が常に塗工液面に存在するよう
にして連続して20本塗工し、その後続けて塗工した2
1本目から25本目までを試料4とした。試料3と試料
4の塗膜を目視で評価した結果(外観評価結果)を表2
に示す。これより被塗工基体が塗工液へ降下する時は常
に塗工液面にあり、その時以外は、仕切り輪は塗工液中
に没することができるので、塗工液の更新、均一化が可
能となり、ムラなく均一な塗膜が得られる。
【0034】
【表2】
【0035】実施例3 図5に示した装置を使用し、実施例1に示した方法と同
様にして電子写真感光体の製造を行なった。ただし、電
荷輸送層の塗工において、被塗工基体を塗工液中に降下
浸漬させる時、送気孔11より窒素ガスを100cc/
secの流量で送気して作成した電子写真感光体を試料
5とする。また、試料5と同様であるが、窒素ガスの送
気を行なわないで作成した電子写真感光体を試料6とし
た。
【0036】試料5と試料6の塗工膜厚を安立電気社製
の電子マイクロメーターK315Cにより測定した。測
定は周方向4分割し、各分割について塗工上端より2m
mおきに測定した。試料5及び試料6とも、塗工上端部
は薄いが、下方になると約25μmの厚さで一定となっ
ている。膜厚は上方から徐々に厚くなっているが、膜厚
が23μmとなる塗工上端からの位置を表3に示す。表
3からわかるように試料5の方が、膜厚が23μmにな
る長さが短いことがわかる。電子写真感光体がその特性
を完全に発揮するには、全幅にわたって膜厚が規格内で
あることが必要である。浸漬塗工法では上端部の膜が規
格に対して薄くなる現象があるが、この部分は感光体と
しての性能を満足しないので、この部分はなるべく短い
方が良い。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、浸漬塗工装置
の仕切り輪は、塗工液面位置にあって、塗工液面位置と
同期して上下動が可能なので、被塗工基体の周囲に均一
な液の流れを形成でき、その大きさが小さいので、塗工
液の循環の妨げにならず、また、塗工液面上部の気流を
乱すことがないため、ムラが無く、均一な塗膜を持った
電子写真感光体を製造することができる。請求項2の発
明によれば、浸漬塗工装置の仕切り輪は、被塗工基体が
塗工液へ降下する時は常に塗工液面にあるので、被塗工
基体の周囲に均一な液の流れを形成でき、また、被塗工
基体が塗工液へ降下する時以外は、仕切り輪は塗工液中
に没することができるので、塗工液の循環の妨げになら
ず、塗工槽内の塗工液の更新、均一化が可能となるた
め、ムラが無く、均一な塗膜を持った電子写真感光体を
製造できる。
【0039】請求項3の発明によれば、浸漬塗工装置の
仕切り輪と被塗工基体の間隔が10mm以上50mm以
下であるので、塗工槽の形状や被塗工基体の寸法にかか
わらず、被塗工基体の周囲に均一な塗工液の流れを形成
でき、従って、ムラ無く、均一な塗膜を持った電子写真
感光体が製造できる。請求項4の発明のよれば、浸漬塗
工装置の仕切り輪は簡易に取り外し、取り付けが可能に
なっているので、一つの塗工槽で寸法の異なる被塗工基
体の塗工を行なおうとする際、あるいは、一つの塗工槽
で同時に多数本の被塗工基体の塗工を行なおうとする
際、各被塗工基体に対してそれぞれ最適な仕切り輪を設
定でき、従って、最適な塗工条件の設定が可能となっ
て、安価に良好な塗膜を持った電子写真感光体を製造で
きる。請求項5の発明によれば、請求項1から請求項4
に示した仕切り輪と、被塗工基体の保持治具に送気機構
を持っているので、塗工時に送気が可能であり、また、
塗工時に被塗工基体周囲に均一な塗工液の流れをを形成
できるので、塗膜上部の膜厚が薄くなることなく、安価
に均一な塗膜を持った電子写真感光体を製造できる。
【0040】請求項6の電子写真感光体の浸漬塗工方法
の発明によれば、塗工装置に送気機能と、仕切り輪を有
し、塗工過程で送気しながら浸漬塗工するので、塗膜上
部の膜厚が薄くなることなく、安価に均一な塗膜を持っ
た電子写真感光体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浸漬塗工装置の概略を表わした図。
【図2】本発明の浸漬塗工装置の概略を表わした図。
【図3】本発明の浸漬塗工装置の概略を表わした図。
【図4】本発明の浸漬塗工装置の概略を表わした図。
【図5】本発明の浸漬塗工装置の概略を表わした図。
【符号の説明】
1 仕切り輪 2 塗工層 3 塗工液 4 昇降機 5 基体保持治具 6 被塗工基体 7 昇降モーター 8 循環ポンプ 9 撹拌ポンプ 10 塗工液 11 送気孔 12 送気ガス配管 13 送気ガス源 14 送気電磁弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する
    際に用いる浸漬塗工装置において、塗工液面の被塗工物
    と同心円上の位置に、塗工液面位置と同期して上下動が
    可能な幅2〜10mm、厚さ5〜10mmの仕切り輪を
    設けたことを特徴とする浸漬塗工装置。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する
    際に用いる浸漬塗工装置において、塗工液面の被塗工物
    と同心円上の位置に、該塗工物が塗工液に降下浸入する
    ときは塗工液面位置と同期に塗工液面と同じ位置に位置
    するがそれ以外は塗工液中に没することが可能な幅2〜
    10mm、厚さ5〜10mmの仕切り輪を設けたことを
    特徴とする浸漬塗工装置。
  3. 【請求項3】 仕切り輪と被塗工物との間隔が10〜5
    0mmである請求項1又は2記載の浸漬塗工装置。
  4. 【請求項4】 仕切り輪は単独あるいは2個以上まとめ
    て簡易に塗工装置に取付け・取外しが可能である請求項
    1又は2記載の浸漬塗工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの仕切り輪を使
    用し、かつ、基体保持治具に送気孔部を設け、塗工過程
    で送気できることを可能にした浸漬塗工装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の浸漬塗工装置を使用し、塗工
    過程で送気しながら導電性基体上に感光層被膜を形成す
    ることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
JP19393396A 1996-07-04 1996-07-04 浸漬塗工装置及びこれを用いる電子写真感光体の製造方法 Pending JPH1020525A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296704B1 (en) 1998-03-27 2001-10-02 Ricoh Company, Ltd. Dip coating apparatus
US6921435B2 (en) * 2001-08-10 2005-07-26 Konica Corporation Apparatus and method for coating electro-photographic sensitive members, and electro-photographic sensitive members made thereby

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