JPH10203975A - タクサンの経口吸収を増大させる医薬組成物 - Google Patents

タクサンの経口吸収を増大させる医薬組成物

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JPH10203975A
JPH10203975A JP10005248A JP524898A JPH10203975A JP H10203975 A JPH10203975 A JP H10203975A JP 10005248 A JP10005248 A JP 10005248A JP 524898 A JP524898 A JP 524898A JP H10203975 A JPH10203975 A JP H10203975A
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JP
Japan
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taxane
cinchonine
paclitaxel
administration
medicine composition
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Pending
Application number
JP10005248A
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English (en)
Inventor
Steven B Hansel
ビー ハンセル スチーブン
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Bristol Myers Squibb Co
Original Assignee
Bristol Myers Squibb Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タクサンの経口吸収を増大させる医薬組成物
を提供する。 【解決手段】 タクサンを必要とするヒトに薬理学的に
活性なタクサンの経口吸収を増大させる、タクサン及び
シンコニンの組合せからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は経口的に利用可能な
薬理学的に活性なタクサン(taxane)化合物を含
む医薬組成物に関するものである。詳しくは、タクサン
を必要とするヒトに薬理学的に活性なタクサンの経口吸
収を増大させる、タクサン及びシンコニンの組合せから
なる医薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】タクソールR (パクリタクセ
ル)は北米西岸原産のイチイ属の木、タクサスブレビホ
リア(Taxus brevifolia)、の樹皮か
ら抽出される天然の製品である。生体内での動物モデル
で優れた抗腫瘍活性をもつことが明らかにされ、そして
最近の研究は、チュービュリンの異常な重合及び有糸分
裂の破壊を含む、その独特な作用の様式を解明してい
る。タクソールR は難治性の進行性卵巣癌及び乳癌の治
療用として最近認められ、そして他の癌を含む研究では
将来有望な結果を示している。パクリタクセル(pac
litaxel)の臨床試験の結果が、「The Ph
armacological and Use ofA
ntimicrotubule Agents in
Cancer Chemotherapeutics」
Pharmac.Ther.,52:35−84,19
91;の著者ロウインスキー及びドンハウワーにより、
「Paclitaxel,A Review of i
ts Pharmacodynamic and Ph
armacokinetic Properties
andTherapeutic Potential
in the Treatment of Cance
r」Drug,48(5)974−847,1994の
著者スペンサー及びフォールズにより、「Chemis
try and Biology of Taxol」
Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,
33:15−44,1994の著者ケイ・シー ニコラ
ウにより、そして本明細書で引用する文献の著者等の多
くの研究者により、再検討されている。
【0003】タクソテレ(TaxotereR )(デセ
タクセル)と命名されたパクリタクセルの半合成類似体
は良好な抗腫瘍活性をもつことがまた明らかにされた。
パクリタクセル及びデセタクセルの構造は下記に示され
る。
【0004】
【化1】
【0005】タクソールR (パクリタクセル): R=
Ph;R' =アセチル タクソテレR (デセタクセル):R=t−ブトキシ;R
' =水素
【0006】パクリタクセル及びデセタクセルの経口生
物学的利用能は極めて低いので、これらの化合物は経口
的には本質的に不活性である。(例えば、経口的に投与
されたパクリタクセルのラットの血漿濃度を示す図2を
参照のこと)。これらの薬剤は静脈内投与される。卵巣
癌の化学療法によって以前に治療された典型的な患者で
は、パクリタクセルの推奨される摂生は3周間毎に3時
間にわたって静脈内投与される135mg/m2 又は1
75mg/m2 である。乳癌を患う患者では、パクリタ
クセルの推奨される投与量は3周間毎に3時間にわたっ
て静脈内投与される175mg/m2 である。(Phy
sicians’Desk Reference,第4
9版,1995)。パクリタクセル(又は全ての薬理学
的に活性なタクサン)のそのような静脈内注入は抗癌剤
の投与を極めて不便且つ高価なものにする。従ってタク
サンの経口的生物学的利用能をより高める方法が患者自
身による投薬を可能にし、そして投与を便利にし且つ全
体の医療経費を低廉にする。
【0007】経口吸収を増大させる目的をもってタクサ
ンをプロドラッグに転換させ、その後にその遊離のタク
サンを全身にわたって浸透効果を発揮するように放出す
ることによって、タクサンの経***性を増大させる試み
がなされている。そのような方法の1つが1995年2
月22日に公開されたヨーロッパ特許出願第63957
7号明細書に記載されている。プロドラッグ方法に頼る
ことなしに、本発明者はシンコニンと共投与(同時投
与)される経口投与パクリタクセルがパクリタクセルの
経口的生物学的利用能を著しく増加させることを驚くべ
きことに今や明らかにした。この作用の機構は全く理解
されていない。
【0008】
【発明の概要】本発明は経口的に生物学的に利用可能な
薬理学的に活性なタクサン化合物を製造する方法に関す
る。詳しくは、本発明はタクサンを必要とするヒトに薬
理学的に活性なタクサンの経口吸収を増大させる、タク
サン及びシンコニンの組合せからなる医薬組成物を提供
する。即ち本発明はタクサン及びシンコニンを含む医薬
組成物に関するものである。本発明のさらなる態様はタ
クサンを必要とする患者にタクサンをシンコニンと共に
経口投与する方法に関するものである。
【0009】図1はパクリタクセル(50mg/kg)
及びシンコニン(250mg/kg)のp.o.共投与
後のラット血漿パクリタクセル濃度を示す。図1に示す
データは次の方法で得た。試薬を3匹のラット(それぞ
れ約350グラムの体重)に約2.2mlのクレームフ
ォー(Cremefor)EL溶液と共に経口投与し
た。20分、40分、1時間、2時間及び6時間の間隔
で投与前及び投与後にそれぞれのラットから血液サンプ
ルを(各サンプル毎に約1.5mg)採集した。各サン
プル毎に、血液から血漿を分離して、パクリタクセル濃
度をHPLC−UV検出方法で測定した。図2はパクリ
タクセル(50mg/kg)及びシンコニン(250m
g/kg)のp.o.共投与後のラット血漿パクリタク
セル濃度、及びパクリタクセル(50mg/kg)のみ
のp.o.投与後のラット血漿パクリタクセル濃度を示
す。図1のデータを得た方法と同様の方法で図2に示す
データを得た。但し、パクリタクセルのみについては4
匹のラットを使用して平均を取り、そして投与溶液はシ
ンコニンを全く含有しなかった。
【0010】
【発明の具体的な記載】シンコニンと共投与される「薬
理学的に活性なタクサン化合物」(以下単にタクサンと
する)とは下記の構造のジテルペン骨格を持つ化合物を
示す。
【0011】
【化2】
【0012】これらの化合物は異常な細胞増殖に対して
固有の阻害作用をもち、そして異常な細胞増殖によって
惹起される病態症状の患者の治療を可能にする固有の治
療特性をもつ。病態症状とは、非制限的に、筋肉、骨及
び/又は結合組織;皮膚、脳、肺及び生殖器官;リンパ
腺及び/又は腎臓器官;乳細胞及び/又は血液細胞;肝
臓、消化器官及び膵臓;及び甲状腺及び/又は副腎等を
含む種々の組織及び/又は臓器の悪性又は非悪性の異常
な細胞増殖を含む。これらの病態症状は、乾癬、固体腫
瘍;卵巣、肺、脳、前立腺、大腸、胃、腎臓及び/又は
睾丸癌、カポジ肉腫;胆管癌腫;漿尿癌腫;神経芽細胞
腫;ウイルムス腫瘍;ホジキン病;黒色腫;多発性骨髄
腫;慢性リンパ球白血病;及び急性又は慢性顆粒性白血
球リンパ腫をまた含む。本願発明によるタクサンは非ホ
ジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、黒色腫、及び卵巣、食
道、肺及び乳癌に特に有用である。タクサンは発症又は
再発を防止し又は遅らせるために使用することができ、
またはこれらの病態症状を治療するためにも使用するこ
とができる。さらに、タクサンはポリシスティク腎臓疾
患(PKD)及び慢性関節リウマチの治療及び/又は予
防に有用である。当然に、薬理学的に活性なタクサンは
パクリタクセル又はドセタクセル等の種類を含む。
【0013】
【具体的な態様】1つの具体例では、パクリタクセル及
びシンコニン、シンコナアルカロイド、をそれぞれ50
及び250mg/kgの量で同時に経口投与した。これ
らの2つの薬剤をパクリタクセル及びシンコニンのそれ
ぞれに対して8及び40mg/mlの濃度を生じる同じ
投与用溶液(10%EtOH、10%Cremopho
rEL、及び80%水)に溶解した。生じたパクリタク
セル血漿AUC’s(area−under−the−
curve)は、パクリタクセルが単独で投与されたと
きの今までのデータに比べてシンコニンと共投与された
ときには3匹のラットにおいて20−40倍高くなっ
た。これらの結果はパクリタクセルのみの投与との比較
で確認されている(図2)。シンコニンによるこの増大
の機構は全く理解されていない。
【0014】本発明はヒトを含む哺乳動物の生物学的に
活性なタクサン化合物の経口吸収を増加させる、即ち経
口的生物学的利用能を増大させる組成物に関するもので
る。さらに詳しくは、本発明はタクサンを必要とするヒ
トに薬理学的に活性なタクサンの経口吸収を増大させ
る、タクサン及びシンコニンの組合せからなる医薬組成
物を提供する。タクサンをシンコニンと共投与すること
により、シンコニンが経口的に又は非経口的に、経口タ
クサン投与と同時に又は別個に投与されることが意図さ
れる。例えば、本発明はタクサン化合物の経口投与前又
は後にシンコニンの静脈内投与によってタクサンの生物
学的利用能を増加させる方法をまた包含する。しかしな
がら、好ましい方法はタクサンの投与を必要とするヒト
患者等の哺乳動物へのタクサン及びシンコニンの同時経
口投与である。
【0015】タクサン及びシンコニンが共投与されると
きには、これらの化合物は別個の調剤又は同じ調剤であ
ることができる。従って、本発明の他の態様はタクサ
ン、シンコニン及び経口吸収(及び以後生物学的利用能
とする)を増大させる目的のためにデザインされた1以
上の製薬的に許容し得る賦形剤を含む医薬調剤(組成
物)に関する。代表的な製薬的に許容し得る賦形剤は、
例えば、マノトール、尿素、デキストラン、ラクトー
ス、ジャガイモ及びトウモロコシのデンプン、ステアリ
ン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレング
リコール、エチルセルロース、ポリ(ビニルピロリド
ン)、炭酸カルシウム、オレイン酸エチル、ミリスチン
酸イソプロピル、安息香酸ベンゾイル、炭酸ナトリウ
ム、ゼラチン、炭酸カリウム、又は珪酸である。医薬調
剤(組成物)は乳化剤、保存剤、湿潤剤等、例えば、ソ
ルビタンモノウラウレート、オレイン酸トリエタノー
ル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、トリパルミ
チン酸グリセリル、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム
等、の非毒性補助剤をまた包含する。
【0016】本願発明による方法を実施するために使用
されるシンコニン及び薬理学的に活性なタクサンの投与
量は予防治療を投与すること又は最大の治療応答を惹起
することを可能にする量である。投与量は投与の様式、
選択される個々の製品及び治療される患者の個人的特性
に依存して変化する。一般に、投与量は異常な細胞増殖
によって引き起こされる疾病の治療に治療学的に有効な
量である。使用される実際の投与量は処方される個々の
組成物、投与経路、及び治療される疾病の個々の部位、
宿主及びタイプに従って変化する。患者の年齢、体重、
性別、治療食及び身体的症状を含む薬剤の作用を変化さ
せる多くの因子が服用量の決定に考慮されるであろう。
通常、シンコニン及び薬理学的に活性なタクサンの好ま
しい投与量は独立してタクサンを必要とするヒト患者を
含む哺乳動物に対して投与毎に1〜500mg/kgで
ある。パクリタクセルはタクソールの商品名でブリスト
ルーマイヤーズ スクイブカンパニーにより既に市販さ
れ、静脈内投与による有効量及び投与方法に関して詳細
な文献及び情報が報告されている。また、シンコニンは
かって抗マラリア剤として市販されており、経口投与に
よる有効量及び投与方法に関して多数の文献がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はパクリタクセル(50mg/kg)及び
シンコニン(250mg/kg)のp.o.共投与後の
ラット血漿パクリタクセル濃度を示す。
【図2】図2はパクリタクセル(50mg/kg)及び
シンコニン(250mg/kg)のp.o.共投与後の
ラット血漿パクリタクセル濃度、及びパクリタクセル
(50mg/kg)のみのp.o.投与後のラット血漿
パクリタクセル濃度を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タクサンを必要とするヒトに薬理学的に
    活性なタクサンの経口吸収を増大させる、タクサン及び
    シンコニンの組合せからなる医薬組成物。
  2. 【請求項2】 経口的に共投与される形態の請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 タクサン及びシンコニンが経口的に且つ
    同時に投与される物理的混合物の形態である請求項1記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 タクサンがパクリタクセルである請求項
    1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 タクサンがドセタクセルである請求項1
    〜3のいずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 パクリタクセルが50mg/kgであ
    り、シンコニンが250mg/kgである請求項4項記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】 一種以上の製薬的に許容し得る賦形剤を
    含む請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
JP10005248A 1997-01-15 1998-01-14 タクサンの経口吸収を増大させる医薬組成物 Pending JPH10203975A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB97/00405 1997-01-15
PCT/US1997/000405 WO1997027855A1 (en) 1996-01-31 1997-01-15 A method of making pharmaceutically active taxanes orally bioavailable

Publications (1)

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JPH10203975A true JPH10203975A (ja) 1998-08-04

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ID=22260207

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