JPH10203868A - 強誘電体キャパシタ用pzt薄膜 - Google Patents

強誘電体キャパシタ用pzt薄膜

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JPH10203868A
JPH10203868A JP9319830A JP31983097A JPH10203868A JP H10203868 A JPH10203868 A JP H10203868A JP 9319830 A JP9319830 A JP 9319830A JP 31983097 A JP31983097 A JP 31983097A JP H10203868 A JPH10203868 A JP H10203868A
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pzt
thin film
mol
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donor
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JP9319830A
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Kanin Ri
完 寅 李
Shunki Ri
俊 冀 李
Ichisho Tei
一 燮 鄭
Tigen Tei
智 元 鄭
Inkei Ryu
寅 敬 柳
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Samsung Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PZT薄膜の優れた強誘電体特性を維持する
とともにその耐久性を向上させ得る、強誘電体キャパシ
タ用PZT薄膜を提供する。 【解決手段】 PZT強誘電体に、ドナーとアクセプタ
間の電荷不均衡による空乏の発生を避けることができる
量に、例えばNb及びTaから選択されるドナー元素
と、例えばMg及びZnから選択されるアクセプタ元素
とを同時にドーピングさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体キャパシタ用
PZT(PbZr1−xTi)薄膜に関するもの
で、詳しくは、強誘電体キャパシタの製作時PZT強誘
電体に少量の外来元素をドーピングして膜の疲労特性
(fatigue property)を向上させ得る
強誘電体キャパシタ用PZT薄膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電体キャパシタ材料のうち、PZT
は分極(polarization)値が非常に大き
く、電気的及び材料的特性が優秀である。又、強誘電体
の目的に用いられるPZTはペロブスカイト(pero
vskite)構造を形成しており、ZrとTiの比が
53:47付近の組成で正方晶(tetragona
l)構造と斜方面体晶(rhombohedral)構
造の相転移(phase transition)が存
在する。即ち、正にこのような組成付近で分極値又は誘
電常数値が最大になる等、強誘電体材料として優れた特
性を表す。
【0003】しかし、PZTが強誘電体材料として有す
る一つの欠点は耐久性が良好でないことである。即ち、
反復されたスイッチングにより残留分極(remane
ntpolarization)が減り、履歴曲線(h
ysteresis loop)の形態が変形される問
題点があり、このような強誘電体分極特性が低下する現
象を“疲労”という。
【0004】強誘電体材料が記憶素子(memory
device)として用いられるためには1012サイ
クル以上の耐久性が要求される。一般的に、純粋なPZ
Tの場合は、10サイクル以後から疲労現象が酷く現
れ、10サイクル以上では強誘電体特性がそれ以上現
れなくなるか、又は材料自体が破損される。これによ
り、純粋なPZTの耐久性を改善させるために、現在ま
で色々の方法が試された。
【0005】先ず、電極物質を既存のPtから、金属酸
化物のうち電気伝導性が比較的優秀である物質に代替し
ようとする試みがあった。
【0006】通常、疲労現象が起こる原因としては酸素
空乏(oxygen vacancy)の界面蓄積が挙
げられる。即ち、反復されたスイッチングサイクルによ
りPZT薄膜で生成される酸素空乏は次第に電極との界
面付近に蓄積され、スイッチングサイクルが続けられる
ことにより酸素空乏が蓄積された界面層は次第に拡大さ
れ、とどのつまりは全体PZT膜が電気的に破壊され
る。従って、金属酸化物のうち、電気伝導性が比較的優
秀である物質を電極物質として使用すると、電極との界
面付近に蓄積された酸素空乏を酸化物電極層が受容でき
るので、PZT膜の耐久性が改善されると推測される。
【0007】その一例として、RuOを電極物質とし
て使用して耐久性がかなり改善されたという報告があっ
た(D.P.Vijay, C.K.Kwok, W.
Pan, I.K.Yoo及びS.B.Desu,“E
lectrode Effects on Elect
rical Properties of Ferro
electric Thin Film”, ISAF
Proceedings 8th IEEE, 40
8(1992))。
【0008】その外にもPZTドナードーピング(do
nor doping)を実施してPZT薄膜内の酸素
空乏を減らすことにより耐久性を改善しようとする試み
があり、例えばドナー元素であるLaをPZTにドーピ
ングし、ドナー元素であるNd及びNbをPZTにドー
ピングした事例(S.B.Desu等)があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法を使用する場合には、PZT強誘電体キャパシタの
漏洩電流がむしろ増加し、電極を製造する方法が容易で
なくて再現性が優秀でない等の問題点があった。
【0010】又、後者のように、PZTにLaをドーピ
ングする場合は、Laのドーピング量が増加するにつれ
て残留分極が急激に減るので、強誘電体材料として適切
でなく、PZTにNd及びNbをドーピングした場合も
あまり成功的な結果が得られなかった。
【0011】
【発明の目的】従って、本発明の目的は前述した問題点
を解決するだけでなく、PZTの疲労現象を著しく改善
させ得る強誘電体キャパシタ用PZT薄膜を提供するこ
とにある。
【0012】本発明の他の目的は低電圧変換工程が可能
であり、パイロクロール状が全くない純粋なプロブスカ
イト状で構成された強誘電体キャパシタ用PZT薄膜を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明による強誘電体キャパシタ用PZT薄膜は、請
求項1に記載しているように、ドナー元素とアクセプタ
元素がドーピングされた強誘電体キャパシタ用PZT薄
膜において、前記ドナー元素とアクセプタ元素がドナー
とアクセプタ間の電荷不均衡による空乏の発生を避ける
ことができる量にドーピングされて電荷均衡が調整され
ることを特徴としている。
【0014】そして、本発明による強誘電体キャパシタ
用PZT薄膜の実施態様においては、請求項2に記載し
ているように、前記ドナー元素はNb及びTaでなる群
から少なくとも一つ選択されて、前記アクセプタ元素は
Mg及びZnでなる群から少なくとも一つ選択されて、
前記ドナー元素とアクセプタ元素のドーピング総量はP
ZT誘電体に対して約0.1〜8モル%であるものとし
たり、請求項3に記載しているように、前記ドナー元素
が約0.1〜5モル%のNbであって、前記アクセプタ
元素が約0.05〜2.5モル%のMgであるものとし
たり、請求項4に記載しているように、前記ドナー元素
が約0.1〜5モル%のTaであって、前記アクセプタ
元素が約0.05〜2.5モル%のMgであるものとし
たり、請求項5に記載しているように、前記ドナー元素
が約0.1〜5モル%のNbであって、前記アクセプタ
元素が約0.05〜2.5モル%のZnであるものとし
たり、請求項6に記載しているように、前記ドナー元素
が約0.1〜5モル%のTaであって、前記アクセプタ
元素が約0.05〜2.5モル%のZnであるものとし
たりすることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の構成を添付図面に基づいてよ
り詳細に説明する。
【0016】ペロブスカイト構造を有するPZT単位セ
ルにおいて、Pb(+2)は単位セルのコーナーである
A席に位置し、O(−2)は面心に存在する。反面、P
b(+2)とO(−2)に比べて大きさの小さいTi
(+4)とZr(+4)は八面体(octahedra
l)席であり、かつ体心であるB席に位置する。従っ
て、Ti(+4)又はZr(+4)に大きさが類似であ
り、原子価が異なる元素をドーピングすると、PZTの
電気的、構造的特性に影響を及ぼすことができる。即
ち、PZTのB席に原子価が+5であるドナーをドーピ
ングすると、下記式(1)に示すようにPZT構造内の
酸素空乏が減少するか又はPb空乏が増加する。
【0017】
【式1】
【0018】ここで、Dはドナー、Vは酸素空乏、V
PbはPb空乏、BTi or Z はB席に留まるT
i又はZr、BはB席に満たされたドナーを意味す
る。
【0019】一方、Ti(+4)又はZr(+4)との
大きさ類似性を考慮する時、代表的なドナー元素として
は、Nb(+5)又はTa(+5)が挙げられるが、N
b(+5)又はTa(+5)をPZTにドーピングして
強誘電体キャパシタを製造した後、耐久性特性を測定し
た結果、耐久性サイクルは殆ど改善されなかった。
【0020】反面、原子価が+3又は+2であるアクセ
プタ元素をドーピングすると、下記式(2)に示すよう
に、PZT構造内に酸素空乏が増加するか又はPb空乏
が減少することもある。
【0021】
【式2】
【0022】ここで、Aはアクセプタ、Vは酸素空
乏、VPbはPb空乏、BTi or ZrはB席に留ま
るTi又はZr、BはB席に満たされたアクセプタを
意味する。
【0023】Ti(+4)又はZr(+4)との大きさ
が類似であり、d−オルビタルが空いているアクセプタ
元素としては、Sc(+3),Zn(+2)、Mg(+
2)等が挙げられ、d−オルビタルの一部が満たされた
アクセプタ元素、例えばFe,Cr,Ni等を使用する
場合は誘電常数が減少し漏洩電流が増加する問題点があ
る。
【0024】一方、アクセプタ元素であるZn(+
2)、Mg(+2)及びSc(+3)をそれぞれPZT
にドーピングした場合の特性を述べると次のようであ
る。
【0025】Zn(+2)をPZTにドーピングさせた
場合、恒電界(coercivefield)の値は変
わらないが、残留分極値が小さくなり、疲労特性のうち
耐久性サイクルは多少改善されるが、漏洩電流値が急増
する。又、Mg(+2)をドーピングさせた場合は、前
記Zn(+2)のドーピング時に現れた現象がさらに深
化され、残留分極の値が著しく減り、耐久性サイクルは
全く改善されない。反面、Sc(+3)をPZTに単独
でドーピングさせた場合は、恒電界が減ってスイッチン
グが容易になり、残留分極は純粋なPZTに殆ど類似で
ある(図4ないし図7参照)、又、Sc(+3)の濃度
増加につれて残留分極の値が減り始め、4%以上ドーピ
ング時にはその値が著しく減る。疲労特性の場合、耐久
性サイクルが著しく改善され、1011サイクルまで疲
労現象が現れない。
【0026】一方、Sc(+3)の単独ドーピングによ
る恒電界が純粋なPZTに比べて減る現象はSc(+
3)の導入によりスイッチングが容昜になる点に起因す
る。即ち、ペロブスカイト構造で、Sc元素の注入がB
席の元素の移動を易しくする結果を生むためであると推
測される。
【0027】前述したように、Sc(+3)のようなア
クセプタ元素がPZTにドーピングされると、PZT薄
膜内の酸素空乏が増加するか又はPb空乏が減少でき
る。即ち、酸素空乏が増加すると、漏洩電流が増加し、
疲労の進行が速くなるが、Pb空乏が減ることにより、
Pb空乏による問題点が除去されることができる。換言
すれば、Pbが不足である時に可能なパイロクロール相
(pyrochlorephase)の生成を抑制し、
純粋なペロブスカイト相が得られるので、これにより耐
久性サイクルが改善できる。しかし、Sc(+3)のド
ーピング量が増加するにつれて漏洩電流値が増加するた
めに、適正なSc(+3)ドーピング量の選定が必須的
である。望ましいSc(+3)のドーピング量はPZT
強誘電体に対して0.1〜5モル%程度である。しか
し、Scドーピングにおける僅かの問題点はドーピング
により漏洩電流が少量増加することにある。これの理由
はアクセプタドーピングによりPZT層内に酸素空乏が
増加するためである。
【0028】前述したSc元素のドーピングが随伴する
漏洩電流特性を改善する方法としては、アクセプタ元素
とドナー元素のドーピングを同時に実現することが挙げ
られる。アクセプタ元素とドナー元素を同時にドーピン
グすることにより、電荷不均衡(charge unb
alance)による影響を減少させることである。こ
のようにすることにより、PZT薄膜の疲労特性だけで
なく漏洩電流特性を同時に向上させることができる。
【0029】代表的なドナー元素としては、Nb(+
5)、Ta(+5)等が挙げられ、アクセプタ元素とし
てはSc(+3)、Mg(+2)、Zn(+2)等が挙
げられる。即ち、このような元素を適宜組合してドーピ
ングするとPZTの構造改善の効果が得られ、ドナーと
アクセプタ間の電荷不均衡による空乏の発生を避けるこ
とができる。例えば、Nb(+5)とSc(+3)、N
b(+5)とMg(+2)、Nb(+5)とZn(+
2)、Ta(+5)とSc(+3)、Ta(+5)とM
g(+2)、Ta(+5)とZn(+2)等のようにド
ナーとアクセプタをPZTに同時にドーピングして全体
的な電荷均衡を調整し得る。特に望ましいPZTの組成
はNb(+5)とSc(+3)が同時ドーピングされた
PZT組成、Ta(+5)とSc(+3)が同時ドーピ
ングされたPZT組成である。
【0030】ここで、前記ドナー元素とアクセプタ元素
はPZTのTi及びZrの席に置き換えて作用する。例
えば、+4値であるTiの席に+5値であるNbが置き
換われば電子がひとつ残ってPZTシステム内でドナー
に作用して、+2値であるMgが置き換われば電子が二
つ足りなくてPZTシステム内でアクセプタに作用す
る。このような場合には、1モルのMgに対して2モル
のNbが反応して電気的に均衡が保たれる。したがって
Nb:Mgの割合が2:1となる。
【0031】すなわち、ドナー元素およびアクセプタ元
素が単独にPZTに追加されると電気的に不均衡が発生
してシステムはそれを中世化させるために点欠陥(po
int defect)が発生し、このような点欠陥は
漏洩電流に悪影響を及ぼすので、これを除去するために
電気的な中性を維持する必要がある。
【0032】このようにして製造された、ドーピングさ
れたPZT薄膜は漏洩電流が小さく、耐久性が優れる。
疲労特性の測定結果、耐久性が著しく改善されて、10
11サイクルまで疲労減少が現れなく(図3参照)、漏
洩電流の値は純粋PZTに似る。又、恒電界が小さく低
電圧スイッチング工程も可能である。Scを単独ドーピ
ングしたものに比べる時、耐久性は類似であるが、漏洩
電流値は著しく小さい。一方、ドーパントの量が増加す
るにつれて残留分極の値が減るため、ドナー元素とアク
セプタ元素がPZT強誘電体に対して0.1〜8モル%
でドーピングされたPZT組成が特に望ましい。
【0033】又、ドナー元素とアクセプタ元素の各々の
ドーピング量は、Nb(+5)とSc(+3)の場合に
それぞれ0.1〜4モル%、Nb(+5)とMg(+
2)の場合にそれぞれ0.1〜5モル%と0.05〜
2.5モル%、Nb(+5)とZn(+2)の場合にそ
れぞれ0.1〜5モル%と0.05〜2.5モル%、T
a(+5)とSc(+3)の場合にそれぞれ0.1〜4
モル%、Ta(+5)とMg(+2)の場合にそれぞれ
0.1〜5モル%と0.05〜2.5モル%、Ta(+
5)とZn(+2)の場合にそれぞれ0.1〜5モル%
と0.05〜2.5モル%がドーピングされたPZT組
成が特に優れる。
【0034】一方、本発明によりドーピングされたPZ
T薄膜を製造し、特性評価のための強誘電体キャパシタ
の製造工程を下記実施例に詳述した。
【0035】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明
をより詳細に説明するが、これらが本発明の範疇を限定
するものではない。
【0036】実施例1.PSNZT(Sc1モル%及び
Nb1モル%ドーピングされたPZT)薄膜を用いた強
誘電体キャパシタの製造及び電気特性 先ず、Pt電極が蒸着される基板を次のように用意し
た。
【0037】SiOが300nmの厚さに蒸着された
Siウエーハを基板として用いた。Pt下部電極層がS
iO層間の優秀な接着のためにTiを約20nm程度
蒸着し、以後DCマグネトロンスパッタリングによりP
tを約250nm程度蒸着して下部電極を製作した。
【0038】一方、添付図面の図1はゾル−ゲル溶液法
を用いた純粋PZT又はドーピングされたPZTの製造
工程図、図2はPZTドーピング用ドーパント溶液の製
造工程図である。即ち、Sc1モル%及びNb1モル%
ドーピングされたPZT薄膜は図1及び図2のゾル−ゲ
ル溶液工程を用いて製造し、ゾル−ゲル前駆溶液も図1
及び図2に示す方法で製造した。これをより詳細に説明
すると次のようである。
【0039】先ず、図1に示すように、4.70gのZ
r(n−OPr)に2.672gのTi(i−OP
r)を添加し、これに酢酸5mlを添加し超音波洗浄
器(untrasonic bath)で混合した。そ
の後、再び5mlのn−プロパノールを添加し、同一洗
浄器で混合した。この際に、Zr:Tiは53:47で
あり、Pbは10%以上である。又、前記Zr(n−O
Pr)とTi(i−OPr)で、“Pr”はプロピ
ル(Propyl)を意味する。一方、Zr(n−OP
r)とTi(i−OPr)の量はドーパントが導入
される時、化学量論的に調節される。
【0040】次に、図2に示すように、3gのSc(O
Ac)・HOに25mlの2,4−ペンタンジオン
(pentan edione)を添加し95℃で反応
させた後、2時間リフラクス(reflux)させて製
造したSc(OEt)3−x(AcAc)原液(st
ock solution)を製造した。
【0041】又、図2に示すように、5gのNb(OE
t)に15mlの2,4−ペンタンジオンを添加し8
0℃で反応させた後、30分間リフラクスして製造した
Nb(OEt)5−x(AcAc)(x=1〜4)原
液を製造した。前記Sc(OEt)3−x(AcAc)
(x=1〜2)原液とNb(OEt)5−x(AcA
c)原液をPZTドーピング溶液として添加した。こ
の際に、前記“Et”はエチル(ethyl)を意味
し、“AcAc”は2,4−ペンタンジオンを意味す
る。これに再び8.345gのPb(OAc)・3H
Oを添加し95℃で溶解させた後、5mlの酢酸と5
mlのn−プロパノールを添加して超音波洗浄器で混合
した。
【0042】その後、再び5mlの酢酸を添加し、溶液
の総容積が50mlになるようにn−プロパノールを添
加した後、超音波洗浄器で混合してScが2モル%ドー
ピングされたPZT前駆溶液を製造した。
【0043】このようにして製造したPZT前駆溶液を
既に製造され下部電極上にスピンコーター(spin
coater)を用いて蒸着した。この際、スピンコー
ターの1分間回転数(rpm)を2000としスピン時
間を40秒とした。その後、150℃で10分間ベーキ
ングしスピンコーティングサイクルを反復し、酸素雰囲
気下の650℃で30分間アニーリングした。このよう
な工程により製造された薄膜の厚さは200nmであ
り、XRD(X−Ray Diffraction)分
析の結果、純粋ペロブスカイト構造が得られたことがわ
かった。
【0044】一方、前述した工程により製造した、ドー
ピングされたPZT薄膜の電気的特性を測定するために
次のように上部電極を製造した。
【0045】直径が75μmであるシャドーマスクを用
いてDCマグネトロンスパッタリングによりPtを15
0nmの厚さに蒸着して上部電極を製作した。この際、
下部のPZT薄膜と接触しているシャドーマスクの隙間
に汚染(smearing)されるPtを除去するため
にイオンミリング法を用いて全体的に10nm程度エッ
チングした。以後、イオンミリング法により誘発される
かも知れないイオン損傷を回復するために550℃で2
0分間酸素雰囲気下でアニーリングした。このようにし
て製作した上部電極の大きさを光マイクロスコピー(O
pticalMicroscopy)を用いて測定した
結果、4.5×10−5cmであった。一方、履歴曲
線、耐久性及び漏洩電流の測定はそれぞれRadian
t Technologies Inc.のstand
ard RT66A及びRT6000HVSとHewl
ett PackardのHP8116A Pulse
Generatorを用いて遂行した。
【0046】実施例2.PSZT(Sc2モル%ドーピ
ングされたPZT)薄膜を用いた強誘電体キャパシタの
製造及び電気的特性 本実施例では、前記実施例1とは異なり、Sc(OE
t)3−x(AcAc)原液のみをPZTドーピング
溶液として使用してPZT前駆溶液を製造したことを除
き前記実施例1と同一工程により強誘電体キャパシタを
製作し、前記実施例1で用いたのと同一測定機器を使用
して履歴曲線、耐久性及び漏洩電流を測定した。
【0047】比較例1.純粋PZT薄膜を用いた強誘電
体キャパシタの製造及び電気的特性 本比較例は本発明との比較のために導入したもので、前
記実施例1及び2とは異なり、PZTドーピング溶液を
全然使用しなく0.4M PZT前駆溶液を製造したこ
とを除き前記実施例1と同一工程により強誘電体キャパ
シタを製作し、前記実施例1で用いたのと同一測定機器
を使用して履歴曲線、耐久性及び漏洩電流を測定した。
【0048】比較例.PNZT(Nb4モル%ドーピ
ングされたPZT)薄膜を用いた強誘電体キャパシタの
製造及び電気的特性 本比較例も前記比較例1と同様に本発明との比較のため
に導入したもので、前記実施例1及び2とは異なり、前
記実施例1に記載されたNb(OEt)5−x(AcA
c)原液のみをPZTドーピング溶液として使用して
PZT前駆溶液を製造したことを除き前記実施例1と同
一工程により強誘電体キャパシタを製作し、前記実施例
1で用いたのと同一測定機器を使用して履歴曲線、耐久
性及び漏洩電流を測定した。
【0049】耐久性測定のために、振幅が±5Vであ
り、振動数が1MHzである定常波(square p
ulse)をスイッチングソースとして使用した。一定
疲労サイクル毎に残留分極値を測定し、疲労テスト以前
の残留分極値との比率を相対分極と定義した。
【0050】図3は純粋PZT薄膜とドーピングされた
PZT薄膜の耐久性を示すもので、疲労サイクルによる
相対分極変化を示すグラフである。
【0051】図3に示すように、比較例1の純粋PZT
の場合、10サイクルから急激な疲労現象を表す。ま
た、比較例2のNb4モル%ドーピングされたPZT試
料の場合、耐久性が少し向上されたが、同前疲労現象が
酷い。これに対して、実施例2のSc2モル%ドーピン
グされたPZT試料の場合、1011サイクルまで疲労
現象が現れない等、優秀な耐久性を表す。しかし、疲労
サイクルにより残留分極値が少し増加したが、これは疲
労テスト中に漏洩電流が増加するためであると思われ
る。一方、実施例1のSc1モル%、Nb1モル%ドー
ピングされたPZTの場合、同様に1011サイクルま
で疲労現象がなく、残留分極値が一定である優秀な特性
を表した。
【0052】一方、履歴曲線を得るために電圧を−5V
から+5Vまで変化させた。電圧が“0”である時に有
する分極値を残留分極と言い、スイッチング現象が起こ
りはじめる電圧、つまり履歴曲線がx軸と合う点の電圧
を恒電界という。
【0053】図4〜図7はそれぞれ比較例1の純粋PZ
T、比較例2のNb4モル%ドーピングされたPZT、
実施例2のSc2モル%ドーピングされたPZT、実施
例1のSc1モル%及びNb1モル%ドーピングされた
PZTの履歴曲線を示す図面である。
【0054】図4〜図7に示すように、4種のPZTキ
ャパシタは全て類似である残留分極値を表し、Sc2モ
ル%ドーピングされたPZT試料とSc1モル%及びN
b1モル%ドーピングされたPZT試料が減少された恒
電界値を表す。従って、Sc2モル%ドーピングされた
PZTとSc1モル%及びNb1モル%ドーピングされ
たPZTが低電圧でスイッチング可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、アクセプタ元素と
ドナー元素の同時ドーピングによりPZT薄膜の特性は
次のように改善された。
【0056】一番面、ドーピングによりPZT薄膜の耐
久性サイクルが10サイクルから1011サイクルに
向上された。
【0057】二番目、恒電界が小さくなるので、低電圧
でのスイッチングができる。
【0058】三番目、パイロクロール相が全くない純粋
プロブスカイト相の薄膜が製造できる。
【0059】四番目、純粋PZT薄膜を製造する時と同
一工程により製造し、工程が確立されているPtを電極
物質として用いることができる。
【0060】五番目、漏洩電流値が純粋PZTに類似で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゾル−ゲル溶液工程を用いた純粋PZT又はド
ーピングされたPZTの製造工程図である。
【図2】PZTドーピング用ドーパント溶液の製造工程
図である。
【図3】純粋PZT薄膜とドーピングされたPZT薄膜
の耐久性を示すグラフである。
【図4】純粋PZTの履歴曲線を示すグラフである。
【図5】Nb4モル%ドーピングされたPZTの履歴曲
線を示すグラフである。
【図6】Sc2モル%ドーピングされたPZTの履歴曲
線を示すグラフである。
【図7】Sc1モル%及びNb1モル%ドーピングされ
たPZTの履歴曲線を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 鄭 智 元 大韓民国 京畿道 龍仁郡 器興邑 農書 里 山14番地 (72)発明者 柳 寅 敬 大韓民国 京畿道 龍仁郡 器興邑 農書 里 山14番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドナー元素とアクセプタ元素がドーピン
    グされた強誘電体キャパシタ用PZT薄膜において、 前記ドナー元素とアクセプタ元素がドナーとアクセプタ
    間の電荷不均衡による空乏の発生を避けることができる
    量にドーピングされて電荷均衡が調整されることを特徴
    とする強誘電体キャパシタ用PZT薄膜。
  2. 【請求項2】 前記ドナー元素はNb及びTaでなる群
    から少なくとも一つ選択されて、 前記アクセプタ元素はMg及びZnでなる群から少なく
    とも一つ選択されて、 前記ドナー元素とアクセプタ元素のドーピング総量はP
    ZT誘電体に対して約0.1〜8モル%であることを特
    徴とする請求項1記載の強誘電体キャパシタ用PZT薄
    膜。
  3. 【請求項3】 前記ドナー元素が約0.1〜5モル%の
    Nbであって、前記アクセプタ元素が約0.05〜2.
    5モル%のMgであることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の強誘電体キャパシタ用PZT薄膜。
  4. 【請求項4】 前記ドナー元素が約0.1〜5モル%の
    Taであって、前記アクセプタ元素が約0.05〜2.
    5モル%のMgであることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の強誘電体キャパシタ用PZT薄膜。
  5. 【請求項5】 前記ドナー元素が約0.1〜5モル%の
    Nbであって、前記アクセプタ元素が約0.05〜2.
    5モル%のZnであることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の強誘電体キャパシタ用PZT薄膜。
  6. 【請求項6】 前記ドナー元素が約0.1〜5モル%の
    Taであって、前記アクセプタ元素が約0.05〜2.
    5モル%のZnであることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の強誘電体キャパシタ用PZT薄膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020079045A (ko) * 2001-04-12 2002-10-19 김상섭 누설전류 억제 구조의 메모리 소자
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CN100385669C (zh) * 2004-04-23 2008-04-30 精工爱普生株式会社 强电介质膜层叠体、强电介质存储器、压电元件

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