JPH10198712A - 建設図面からの斜め壁認識方法及び建設図面認識装置 - Google Patents

建設図面からの斜め壁認識方法及び建設図面認識装置

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JPH10198712A
JPH10198712A JP9000444A JP44497A JPH10198712A JP H10198712 A JPH10198712 A JP H10198712A JP 9000444 A JP9000444 A JP 9000444A JP 44497 A JP44497 A JP 44497A JP H10198712 A JPH10198712 A JP H10198712A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設図面からその間取りを知る上で重要な情
報である輪郭や骨格、特に水平又は垂直方向に対して傾
斜した斜め壁を精度よく認識できるようにする。 【解決手段】 画像読取部2で読み取った建設図面のイ
メージ画像データの黒又は白ドットからなる画像領域
を、斜め壁認識部13によって限定し、その限定した画
像領域のイメージ画像データの中の黒又は白ドットが全
体的に示すスキュー角度を求め、その求めたスキュー角
度方向に、上記限定した画像領域のイメージ画像データ
の黒又は白ドット数を計測してドット数計測配列データ
を作成し、その作成したドット数計測配列データに基づ
いて建設図面の輪郭及び骨格の一部をなす斜め壁を認識
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築・設備業等
の建設業界で広く使用されている建設図面中の輪郭及び
骨格である壁の認識、特に水平又は垂直方向に対して傾
斜した斜め壁の認識方法及びその機能を持つ建設図面認
識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CADシステム等を用いて、家屋
やビル等の建築図面あるいは水道管,ガス管,電力・通
信ケーブル等の配管図面等を含む建設図面を容易に作成
したり、そのデータを記憶させておいて設計変更や増改
築等の際に利用することは行なわれている。しかし、そ
の建設図面のデータには、作成したシステムにより互換
性がなく、期間の経過や業者の変更により利用できなく
なる。また、家屋の増改築等を行なう場合には、紙に描
かれた古い建設図面しかない場合が多く、増改築の間取
り図等を変更しない部分も含めて全て描きなおさなけれ
ばならなかった。
【0003】そこで、紙に描かれた建設図面を読み取っ
て、コンピュータで処理できるデータとして認識して記
憶させることも試みられているが、そのための特別な方
法や装置はなく、建設図面をイメージスキャナで読み取
り、そのイメージ画像データをパーソナルコンピュータ
等に入力させて、一般の図形認識機能を利用して線分認
識やパターン認識を行なっている。あるいはさらに、高
機能の図形エディタを補助に使うことによって図形認識
機能をレベルアップし、自動認識機能が多少不完全な場
合でも、例えばラスタ・ベクタ変換することにより直線
や円弧等の基本線図を自動認識できるようにしたものも
ある。
【0004】しかしながら、このような従来の図面認識
装置は、高度の操作知識等を必要とし、パソコンなどを
使い慣れている人や専門のオペレータに利用が限定さ
れ、建設図面を頻繁に使用する業界関係者にとって、決
して使い勝手のよいものであるとはいえなかった。
【0005】また、直線や円弧等の基本線図は自動認識
することができるが、基本線図の組み合わせ等からなる
建設図面特有の図形シンボル(例えば、壁や柱等)を個
別に認識をすることはできなかった。そのため、認識し
た図面を修正する際には線分毎に行なわなければなら
ず、多くの手間を要していた。
【0006】さらに、建設業において使用される家屋や
ビル等の建設図面は、その図面上の各線分が人間の目に
は同じ大きさの連続線として見えても、厳密に見れば太
さも一様でなく、軌跡もゆらいでいる。また、連続線の
はずであっても所々切れている場合もある。これらの不
完全さは作図時のみならず、用紙の経年変化や読み取り
時の誤差などからも生じるものである。そのため、例え
ば線分として認識できる太さの限界があまり細いと、わ
ずかなかすれでも線分が切れていると認識してしまう。
また太めの線分を長方形のように認識してしまうことも
ある。
【0007】これは、原図の品質は勿論であるが、感光
紙を使用したいわゆる青焼き図面のようにコントラスト
が低い(黒と白の境界がはっきりしない)図面が多く、
さらにその青焼きの特徴である細かな点が表面に現れる
ため、従来の図面認識装置では精度の高い自動認識をす
ることは困難であり、その修正に多くの手間を要するの
で殆ど実用にならなかった。
【0008】ところで、家屋の建設図面(建築図面)で
は間取りを仕切る壁が図面の中心的役割を果たし、図面
中のどの部分が壁であるかを認識することによって、建
設図面のおおよその間取りを理解することができる。従
って、図面中の壁の位置及びその長さを認識すること
は、建設図面を認識する上で最も重要な事項である。
【0009】さらに、建設図面の大半は、水平及び垂直
方向に延びる輪郭及び骨格をなす壁で仕切られた間取図
になっている。従って、その壁に注目すると、多くの壁
や仕切りは、水平及び垂直方向の直線形状を呈してい
る。しかし、一部の壁や仕切りが水平あるいは垂直方向
に対して斜め方向に傾いた直線状(斜め壁)であった
り、円弧を描く形状であったりするものもある。そこ
で、建設図面を認識するには、このような「斜め壁」を
含む全ての壁を確実に認識することが必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の図面認
識方法では次のような問題があった。 (1)輪郭線追跡方法では、壁等の輪郭線にカスレや凹
凸が多いと途切れた直線として認識され、あるいは2本
や3本に分かれた直線として認識されてしまって正確に
認識できなかった。 (2)黒ドットの度数分布から求める射影特徴抽出方法
では、壁又は仕切り線が水平及び垂直方向に対して傾い
ているとき、特徴抽出ができなくなってしまい、壁らし
い直線の認識ができなくなる。
【0011】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、紙に描かれた建設図面を読み取ったイメージ画
像データ、あるいはそのランレングスを符号化した符号
化画像データから、その建設図面の間取りを知る上で重
要な情報である輪郭及び骨格をなす壁、特に上記斜め壁
を精度よく認識できるようにする方法、並びにその斜め
壁を自動認識する機能を有する建設図面認識装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、次のような建設図面からの斜め壁認識方
法及び建設図面認識装置を提供する。この発明による建
設図面からの斜め壁認識方法は、建設図面の画像を読み
取ったイメージ画像データの黒又は白ドットからなる画
像領域を限定し、その限定した画像領域のイメージ画像
データの中の黒又は白ドットが全体的に示すスキュー角
度を求め、その求めたスキュー角度方向に、上記限定し
た画像領域のイメージ画像データの黒又は白ドット数を
計測してドット数計測配列データを作成し、その作成し
たドット数計測配列データに基づいて建設図面の輪郭及
び骨格の一部をなす斜め壁を認識することを特徴とす
る。
【0013】この建設図面からの斜め壁認識方法におい
て、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データの
水平及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して水平及
び垂直方向のドット数計測配列データを作成し、その作
成した水平及び垂直方向のドット数計測配列データに基
づいて建設図面の輪郭及び骨格を認識し、その認識した
輪郭及び骨格に基づいて、上記イメージ画像データの黒
又は白ドットからなる画像領域を限定するようにすると
よい。
【0014】また、この発明による建設図面認識装置
は、図面の画像を読み取ったイメージ画像データを入力
する画像データ入力手段と、該手段によって入力したイ
メージ画像データの水平方向又は垂直方向の黒又は白ド
ット数を計測して水平及び垂直方向のドット数計測配列
データを作成するドット数計測配列データ作成手段と、
該手段によって作成された水平及び垂直方向のドット数
計測配列データに基づいて建設図面の輪郭及び骨格を認
識する輪郭・骨格認識手段とを有する。
【0015】さらに、上記輪郭・骨格認識手該手段によ
って認識された建設図面の輪郭及び骨格に基づいて、上
記入力したイメージ画像データの画像領域を限定し、そ
の限定した画像領域のイメージ画像データの黒又は白ド
ットが全体的に示すスキュー角度を求め、そのスキュー
角度の方向に上記限定した画像領域のイメージ画像デー
タの黒又は白ドット数を計測してドット数計測配列デー
タを作成し、その作成したドット数計測配列データに基
づいて建設図面の輪郭及び骨格の一部をなす斜め壁を認
識する斜め壁認識手段を有することを特徴とする。上記
画像データ入力手段は、建設図面の画像を読み取ってそ
のイメージ画像データを入力する画像読取手段であれば
よい。
【0016】あるいはまた、画像データ入力手段として
建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データのラン
レングスを符号化した符号化画像データを入力する画像
データ入力手段を設け、ドット数計測配列データ作成手
段は、その入力された符号化画像データから元のイメー
ジ画像データの水平方向又は垂直方向の黒又は白ドット
数を計測して水平又は垂直方向のドット数計測配列デー
タを作成するようにしてもよい。
【0017】これらの建設図面認識装置に、上記斜め壁
認識手段による認識結果を表示する表示手段を設けると
よい。その表示手段は、上記画像データ入力手段により
入力したイメージ画像データを上記認識結果と同時に表
示する手段を有するのが望ましい。さらに、その同時に
表示する手段が、上記イメージ画像データと認識結果と
を重ね合わせて表示する手段であるとよい。
【0018】あるいは、上記画像データ入力手段により
入力したイメージ画像データと上記認識結果とを選択的
に表示するように表示内容を変更する表示選定手段を設
けてもよい。また、上記認識結果を操作者が確認して、
その認識結果を外部からの指示によって確定する認識結
果確認手段を設けるのが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。図1は、この発明によ
る建設図面からの斜め壁認識方法を実施する建設図面認
識装置の一例の概略構成を示すブロック図であり、ハー
ド構成とマイクロコンピュータによるソフト処理の機能
とを混在して示している。
【0020】この装置は、全体制御部1,画像読取部
2,通信制御部3,メモリ4,自動スキュー補正部5,
ドット数計測配列データ作成部6,輪郭・骨格認識部
7,再マッピング制御部8,表示部9,操作入力部1
0,外部記憶装置11,印刷装置12,斜め壁認識部1
3,及びこれらを接続するバス14などから構成され
る。なお、これらの各部(又は装置)とバス14との間
に必要なインタフェース部は図示を省略している。
【0021】全体制御部1は、この建設図面認識装置全
体の動作及び機能を制御するマイクロコンピュータ(C
PU,ROM,RAM等から構成されるが代表して「C
PU」と略称される)であり、自動スキュー補正部5並
びにこの発明に係るドット数計測配列データ作成部6,
輪郭・骨格認識部7,再マッピング制御部8,及び斜め
壁認識部13の各機能も、そのCPUのソフト処理によ
って実現できる。
【0022】画像読取部2は、セットされた建築図面等
の建設図面をスキャンしてその画像を読み取ってイメー
ジ画像データを入力する画像データ入力手段であり、ス
キャン光学系及びCCDなどのイメージセンサとその駆
動回路等からなる公知のイメージスキャナである。ま
た、その読み取ったイメージ画像データを所定の解像度
で2値化して白ドットと黒ドットの画像データにする回
路も含んでいる。
【0023】通信制御部3は、画像読取部2から画像デ
ータを取り込む代りに、外部から通信によりイメージ画
像データ又はそのランレングスが符号化された符号化画
像データを受信して入力する画像データ受信手段である
と共に、この装置によって認識した建設図面の輪郭及び
骨格データを外部装置へ送信することもできる。具体的
にはFAXモデムやパソコン通信制御手段を含むもので
ある。
【0024】メモリ4は、画像読取部2によって読み取
ったイメージ画像データ、通信制御部3によって受信し
たイメージ画像データ又は符号化画像データをはじめ、
自動スキュー補正部5によってスキュー補正された画像
データ、ドット数計測配列データ作成部6によって作成
されたドット数計測配列データ、輪郭・骨格認識部7に
よって認識された輪郭及び骨格の認識結果、斜め壁認識
部13によって認識された斜め壁の認識結果、及び再マ
ッピング制御部8によって再マッピングされた画像デー
タ等を格納する大容量のRAMあるいはハードディスク
等によるメモリである。
【0025】自動スキュー補正部5は、メモリ4に格納
した画像データの角度を調整して水平及び垂直の線分方
向を装置の水平及び垂直の基準方向と一致させるように
補正するためのものであり、公知の自動スキュー補正技
術を用いることができる。なお、この自動スキュー補正
部5により修正された画像データは、再びメモリ4に格
納される。
【0026】ドット数計測配列データ作成部6は、自動
スキュ補正がなされてメモリ4に格納されたイメージ画
像データ又は符号化画像データ、及び後述する再マッピ
ング制御部8によって再マッピングされた画像データに
対して、その画像データを水平及び垂直方向の2方向に
限定して、それぞれドット幅単位に黒又は白ドット数を
計測(カウント)し、その結果により水平及び垂直方向
のドット数計測配列データ(ヒストグラム)を作成して
メモリ4に格納するドット数計測配列データ作成手段で
ある。
【0027】なお、読み取った建設図面がポジ図面(地
の明度より図の明度が低い図面)の場合には黒ドット数
を計測し、ネガ図面(地の明度より図の明度が高い図
面)の場合には白ドット数を計測する。
【0028】輪郭・骨格認識部7は、ドット数計測配列
データ作成部6によって作成された水平及び垂直方向の
ドット数計測配列データに基づいて、建設図面の輪郭及
び骨格を認識し、特に壁の位置,長さ,厚さ,種類等の
壁データを抽出するための輪郭・骨格認識手段であり、
その詳細は後で詳述する。
【0029】なお、参照したドット数計測配列データで
は、壁の認識(抽出)が困難あるいは不確実な場合は、
図面の水平及び垂直方向のドット数計測配列データ作成
範囲の再設定要求を全体制御部1へ送り、作成範囲を変
更設定してドット数計測配列データ作成部6に再度ドッ
ト数計測配列データを作成させる。
【0030】再マッピング制御部8は、輪郭・骨格認識
部7により、壁と認識された部分により建設図面の範囲
を限定して、その部分を他の認識情報をも考慮した上
で、再度マッピングし、その限定した範囲毎にドット数
計測配列データ作成部6に再度ドット数計測配列データ
を作成させるための画像データを作成するものであり、
その際に原稿のノイズあるいは画像読取部2での読取ノ
イズも除去した画像データを作成する。このデータもメ
モリ4に格納される。
【0031】斜め壁認識部13は、輪郭・骨格認識部7
によって抽出した水平方向と垂直方向の壁の交点や端点
を出発点にして、メモリ4に格納した画像データの黒又
は白ドットからなる部分(直線部分及び孤立した島な
ど)が全体的に示すスキュー角度を求め、その求めた方
向に黒又は白ドット数を計測して斜め方向のドット数計
測配列データを作成し、その作成した各方向のドット数
計測配列データに基づいて建設図面の輪郭及び骨格(斜
め壁)を認識する処理を行なう。この認識によって輪郭
が拡張された画像データは再びメモリ4に格納される。
すなわち、この斜め壁認識部13は、イメージ画像デー
タの黒又は白ドットからなる部分の斜め方向の直線形状
をなす輪郭及び骨格を「斜め壁」として認識する手段で
あり、その詳細は後で説明する。
【0032】表示部9は、画像読取部2又は通信制御部
3から入力し、自動スキュー補正部5によってスキュー
補正された建設図面の画像データ、ドット数計測配列デ
ータ作成部6で作成された水平及び垂直方向の黒又は白
のドット数計測配列データ、輪郭・骨格認識部7によっ
て認識された壁データ、斜め壁認識部13によって認識
された斜め壁のデータ、再マッピング制御部8によって
再マッピングされた画像データ等を表示するためのもの
であり、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等である。
【0033】図2,図3は、表示部9の画面9aの表示
状態の例を示すものであり、図2は輪郭・骨格認識部7
及び斜め壁認識部13によって認識された建設図面の輪
郭及び骨格(この例では斜め壁W′を含む壁W)のデー
タを、再マッピング制御部8によって再マッピングした
画像データ(認識結果)の表示例である。この表示例に
おいて、二重の実線は壁の両面を示し、細線は壁の芯線
及びその延長線を示している。
【0034】図3は、自動スキュ補正部5によってスキ
ュー補正された建設図面の画像データ(入力したイメー
ジ画像データ)と、上記再マッピングされた認識結果で
ある壁の画像データを同時に重ね合わせて表示した例を
示す。この場合、両者の識別が容易にできるように、ス
キュー補正された建設図面のイメージ画像データはハー
フトーンで表示し(図3では図示の都合上点描で示して
いる)、認識結果である壁の画像データを実線で表示す
る。
【0035】また、表示部9がカラーの表示装置である
場合には、両画像の色を変えて表示することにより、識
別性を向上させることができる。例えば、スキュー補正
された入力イメージ画像データは薄青色で、認識結果の
画像データをオレンジ色あるいは緑色等で表示すること
により、操作者は認識結果の部分を容易に識別できる。
【0036】あるいは、表示部9の画面9aを分割し
て、スキュー補正された入力イメージ画像データと認識
結果の画像データを、その分割したそれぞれの画面に対
比させて表示することもできる。または、同一の画面上
にスキュー補正された入力イメージ画像データと再マッ
ピングされた認識結果の画像データを選択的に表示でき
るようにしてもよい。その場合には、後述する操作入力
部10に表示選択手段(キー等)を設ければよい。
【0037】さらに、この表示部9は、認識結果を操作
者が確認するための画面も表示する。すなわち、上記再
マッピングされた認識結果の画像データを表示し、「こ
の認識結果でよろしいですか?(YES/NO)」とい
うような表示を行なう。これにより、壁の認識が正確に
できているかどうかを操作者が確認することができる。
【0038】操作入力部10は、各種操作指示や機能選
択指令、編集データ等を入力するためのものであり、キ
ーボードやマウスあるいはタッチパネル等である。この
操作入力部10は、表示選択手段としての機能も有し、
表示部9の表示状態を操作者の所望の表示状態に変更す
ることができる。例えばキー操作により、スキュー補正
された建設図面の入力画像データと再マッピングされた
認識結果の画像データを重ね合わせて表示させたり、ど
ちらか一方のみを選択して表示させたりすることができ
る。
【0039】さらに、操作入力部10は、上記「この認
識結果でよろしいですか?(YES/NO)」の表示に
対し、「YES」または「NO」の情報を入力するため
のキー等の入力手段も有する。そして、「YES」が選
択された場合は認識処理を終了し、「NO」が選択され
た場合は再認識処理あるいは訂正処理に移行する。これ
により、操作者は認識結果の内容を確認し、それを確定
することができる。
【0040】外部記憶装置11は、入力した画像データ
や、ドット数計測配列データ作成部6で作成された黒ド
ット数計測配列データ、輪郭・骨格認識部7及び斜め壁
認識部13によって認識された壁データ、再マッピング
制御部8によって再マッピングされた認識結果の画像デ
ータ等をフロッピディスク(FD)や光磁気ディスク
(OMD)等の外部へ取り出し可能な記憶媒体に記憶さ
せる記憶装置である。印刷装置12は、上記の各種デー
タを紙に印刷あるいは描画して出力するプリンタあるい
はプロッタである。
【0041】ここで、建設図面(主に建築図面)におけ
る「輪郭」と「骨格」及び「外壁」と「内壁」の定義に
ついて、表1及び表2と図4によって説明する。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】「輪郭」とは「外輪郭」のことであり、表
1に○印で示すように外周壁の外部に面している箇所の
み(図4の(a)に示す二重線の外側の線の部分)を意
味するケース1の場合と、外部に接する壁の全体(図4
の(b)に太線で示す部分)を意味するケース2,3の
場合とがある。
【0045】「骨格」とは、壁の総て(図4の(b)
(c)に太線で示す部分の両方)を意味するケース1,
2の場合と、外輪郭を除く壁(図4の(c)に太線で示
す部分のみ)を意味するケース3の場合とがある。これ
らの定義において、特に断わらない場合はケース1の通
常の意味として扱われる。
【0046】「外壁」とは表2に○印で示すように、外
輪郭と同じく外周壁の外部に面している箇所のみ(図4
の(a)に示す二重線の外側の線で示す部分)を意味す
るケース4の場合と、外部に接する壁の全体(図4の
(b)に太線で示す部分)を意味するケース5の場合と
がある。
【0047】「内壁」とは表2に○印で示すように、ケ
ース4,5とも外壁を除く壁(壁=外壁+内壁)である
が、ケース4の場合は図4の(a)に示す二重線の内側
の線の部分と図4の(c)に太線で示す部分であり、ケ
ース5の場合は図4の(c)に太線で示す部分である。
これらの定義においても、特に断わらない場合はケース
5の通常の意味として扱われる。
【0048】次に、図1に示した建設図面認識装置によ
る建設図面(主に家屋やビル等の建築図面)認識の手順
について、図5乃至図8のフロー図と、図9乃至図29
によって説明する。上記図6〜図8において、各ステッ
プを「S」で示している。また、この実施形態では、認
識する建設図面がポジ図面であるものとする。
【0049】図5は、建設図面の認識処理のメインルー
チンを示すフローチャートである。図5の処理を開始す
ると、図1の画像読取部2にセットされた建設図面を読
み取り、そのイメージ画像データを入力して、自動スキ
ュ補正部5によって自動的にそのスキュを補正する。
【0050】そして、ステップAのサブルーチンでドッ
ト数計測配列データ作成部6及び輪郭・骨格認識部7等
により、その入力した画像データに対して水平及び垂直
方向の壁の位置の認識処理を実行する。この処理につい
ては後に詳述する。なお、イメージ画像データを符号化
したデータを通信制御部3から入力するようにしてもよ
い。
【0051】その後、斜め壁認識部13により、ステッ
プBからLの斜め壁の認識処理を実行する。まず、ステ
ップBの処理で、ステップAで認識した壁の端点及び交
点の抽出を行なって、それらの個数nとそれぞれの点の
位置座標を取得する。認識した壁の端点及び交点は、斜
め壁認識のための出発点として以下のステップで活用す
る。壁の端点及び交点の抽出は、従来の技術で実現でき
るので説明は省略する。
【0052】ステップCでは、ステップBで取得した斜
め壁認識のための出発点総てを順番にループ処理するた
めに、その回数カウンタのカウント値iの初期設定(i
←1)を行なう。そして、ステップDにおいて、回数カ
ウンタのカウント値iが斜め壁認識のための出発点の個
数nを超えた(i>n)かどうかを判定する。超えてい
れば、当該図面の解析を終了し、ステップMに移行す
る。超えていなければ、当該i番目の斜め壁認識のため
の出発点について、ステップE〜ステップLの斜め壁認
識処理を行う。
【0053】ステップEでは、当該i番目の斜め壁認識
のための出発点について、画像の4方向の領域を順番に
ループ処理するために、その回数カウンタのカウント値
jの初期設定(j←1)を行なう。そして、ステップF
において回数カウンタのカウント値jが4を超えた(4
方向の領域総ての捜索を終えた:j>4)かどうかを判
定する。超えていれば、当該i番目の斜め壁認識のため
の出発点からの解析(斜め壁の捜索)を終了し、ステップ
Gに移行する。超えていなければ、当該i番目の斜め壁
認識のための出発点からj番目の方向の領域について、
ステップH〜ステップLの斜め壁認識処理を行なう。
【0054】ステップGでは、斜め壁認識のための次の
出発点から、継続して認識処理するために、斜め壁認識
のための出発点の回数カウンタiを+1してから、ステ
ップDに戻って上述の処理を繰り返し行う。
【0055】ステップHでは、当該i番目の斜め壁認識
のための出発点から、j領域方向に壁があることを想定
して、黒ドットに注目したスキュー角度を算出する。j
方向(4方向)の領域分けは、例えば出発点を原点、水
平方向をX軸、垂直方向をY軸にしたXY平面の第1象
限から第4象限までを、適当に領域1(j=1)から領
域4(j=4)とする。
【0056】その例を図29に示す。この例では図中の
VWは垂直方向の壁、HWは水平方向の壁である。また
原点Oが出発点であり、第1領域にあるSWが目標の斜
め壁である。角度θがスキュー角度である。この処理
は、例えば図29において、出発点である原点Oから領
域1(j=1)内の原点Oの近傍医に黒ドットが有るか
否かを調べ、もしあればその方向に黒ドットが続いてい
るか否かの判断を、角度θがを確定できるまで行なうこ
とによって達成される。
【0057】ステップIでは、求めたスキュー角度方向
に斜め直線壁を捜索する。これは、ステップHで求めた
スキュー角度の方向に黒ドット数計測配列データを作成
し、そのデータに基づいて、ステップAにおける壁の位
置の認識処理(後で図6乃至図8によって詳述する)の
場合と同様にして行なう。
【0058】その後、ステップJにおいて、斜め方向の
直線壁が認識できたかどうかを判定する。斜め方向の直
線壁が認識できれば、ステップKに移行し、ステップK
では、壁位置座標などの認識結果情報を格納した後、ス
テップLに移行する。一方、斜め方向の直線壁が認識で
きなければ、ステップKをスキップして直接ステップL
に移行する。
【0059】ステップLでは、斜め壁認識のための次の
領域を捜索するために、当該i番目の斜め壁認識のため
の出発点からの領域方向回数カウンタjを+1してか
ら、ステップFに戻って上述の処理をあと3回(j=4
まで)繰り返し行う。
【0060】ステッブFでj>4になるとステップGで
iを+1してステップDで戻る。以上のステップD〜ス
テップLまでの処理を、抽出した出発点の数nの回数だ
け繰り返し行なって、認識した結果をステップMで出力
し、この壁認識の処理を終了する。ステップMによる処
理では、画像データの壁位置(始点・終点等の座標値)
を建設図面からの壁の認識結果としてメモリ4又は外部
記憶装置11に記憶、あるいは表示部9に表示する等の
出力をする。
【0061】図25は、壁の芯線を認識し、その結果か
ら矩形閉ループを抽出する処理に使用した建設図面の入
力画像データ(イメージ画像)を、再マッピングさせた画
像データの表示例である。
【0062】図26は、その認識結果の矩形閉ループを
表示した例を示す図である。また、図27は、スキュー
補正された建設図面の入力画像データを認識結果の矩形
閉ループ画像データと重ね合わせて表示した例である。
図28は、建設図面である建築図面(家屋の間取り図)
の画像データと、その中の斜め壁に注目した一部の領域
から作成した斜め方向の黒ドット数計測配列データの具
体例を示すものである。
【0063】このようにして、カスレや凹凸によって所
々途切れたり結合したりしている図面についても、ま
ず、水平及び垂直方向の壁認識を行って、その後、その
端点や交点を出発点にして、斜め方向の直線状の壁も認
識出来るので、壁認識処理をより正確に実施することが
できる。
【0064】次に、図5のステップAによる壁の認識処
理について説明する。図6はその壁の位置を認識する処
理のサブルーチンの内容を示すフロー図である。まず、
ステップ3において、自動スキュ補正された画像データ
の全体を調査対象とする。そして、ステップ4におい
て、ネスト変数は0(初期値:画像全体を対象にすると
いう意味)である。「ネスト変数」は建設図面の解析範
囲をトップダウンで絞り込む時の絞り込み段階を表わ
す。ネスト変数の値が大きいほど解析が深くなっている
(細かい部分まで進んでいる)ことを表わす。
【0065】ステップ5において、壁の位置の調査対象
の領域を限定する処理を行なう。具体的には、この処理
にいたる直前に調査領域の指示が示されていて、ここで
は以降のステップ6〜9の処理のための準備(インタフ
ェースの共通化)を行なうだけである。個々の調査対象
領域の形は矩形図になる。最初はネスト変数が0なので
図面全体を調査対象とする。
【0066】ステップ6において、水平方向の黒ドット
数計測配列データを作成する。これは、画像データの垂
直方向の1ドット幅毎に水平方向の黒ドット数を計数
(計測)し、その各計数データを保持するものである。
次にステップ7において、ステップ6で作成した水平方
向の黒ドット数計測配列データに基づいて、壁の抽出
(認識)処理を行なう。その処理手順については後述す
る。
【0067】ステップ8では、ステップ6と同様に垂直
方向の黒ドット数計測配列データを作成する。すなわ
ち、画像データの水平方向の1ドット幅毎に垂直方向の
黒ドット数を計数(計測)し、その各計数データを保持
する。ステップ9では、その垂直方向の黒ドット数計測
配列データに基づいて壁の抽出(認識)処理を行なう。
【0068】そして、ステップ10において領域を分割
する壁候補があるかどうかを判断する。ここで、水平あ
るいは垂直方向で1つでも領域を分割する壁候補があれ
ば、ステップ11へ、1つもそのような壁候補がなけれ
ば、ステップ13へ進む。例えば、図9の(a)に示す
ような調査対象領域Sa内に領域を分割する壁候補Wd
が存在するかどうかを判断する。
【0069】ステップ11では、ネスト変数を+1して
再設定する。これは、現在の解析領域の中から壁を認識
し、その壁を使って新たに区切られた現在の領域内の小
領域に解析範囲を限定する段階に入ることを表わす。
【0070】そして、ステップ12において、その調査
対象の領域の細分化を行なう。具体的には、ステップ
7,ステップ9で認識した壁候補の芯線(中心線)で、
例えば図9の(a)に示すように調査対象領域Saを壁
候補W,Wdの細線で示す芯線によって領域Sa1,S
a2に2分割する。さらに、その最初の細分化領域(例
えば最も左上の領域)に調査対象の位置づけを行なう。
【0071】この新たに細分化された領域群の中での解
析の順番には特別な順序が必要になる訳ではないが、例
えば、領域開始位置のx,y座標値の小さい順番に行な
うことなどが考えられる。図9の(b)は、壁候補によ
って細分化された各領域のネストNo.とその解析処理順
序の一例を示し、実線は壁候補の芯線(中心線)を、
,,はネストNo.を、1〜8の小さい数字は処理
順序をそれぞれ示している。
【0072】その後、ステップ5に戻って上述の処理を
繰り返し行なう。ステップ10において、領域を分割す
べき壁候補が1つもなかった場合は、ステップ13に進
んで同次ネスト領域(図9の(b)で同じネストNo.の
領域)の残りがないかどうかを判断する。残りがある場
合は、ステップ15において同次ネストの次の領域に調
査対象を進めてステップ5に戻る。
【0073】同次ネスト領域の残りがない場合は、ステ
ップ14へ進んでネスト変数が0であるかどうかを判断
する。ネスト変数が0でない場合は、ステップ16にお
いてネスト変数を−1して1段階上位のネスト領域の処
理に戻り、ステップ13でその段階の残りのネスト領域
があるかどうかを判断する。あればステップ15で次の
ネスト領域に調査対象を進めてステップ5に戻る。
【0074】ステップ14でネスト変数が0の場合は、
ステップ17へ進んで、ステップ7,9によって得られ
た各領域毎の壁候補の認識データをもとに各壁の位置及
びサイズを確定し、その壁認識データをメモリ4に格納
する。その格納方法については後述する。そして以上の
処理の後、当該サブルーチンを終了する。
【0075】次に図7に基づいて、図6のステップ7及
び9の壁の抽出(認識)処理の手順を説明するが、それ
に先立って、建設図面である建築図面(家屋の間取り
図)の画像データとその全領域から作成した水平及び垂
直方向の黒ドット数計測配列データの具体例を図10及
び図11に示す。これらの図において、(a)は建築図
面の画像データ、(b)は水平方向の黒ドット数計測配
列データ、(c)は垂直方向の黒ドット数計測配列デー
タである。さらに、図10の(c)に示した垂直方向の
黒ドット数計測配列データを拡大して図12に示す。
【0076】図10の建築図面では、壁のシンボルが壁
の両面と芯線によって表わされており、図11の建築図
面では、壁のシンボルが壁の厚さ内の塗りつぶし(黒)
によって表わされている。この黒ドット数計測配列デー
タにおいて、一番細い黒線の幅が1ドット幅であり、各
黒線の長さが(a)に示す建築図面の画像データの1ド
ット幅毎の水平方向又は垂直方向の黒ドット数の計数値
に相当する。
【0077】これらの図から明らかなように、建築図面
を構成する線分の大部分(90%以上)は水平方向又は
垂直方向に描かれており、特に壁の部分で黒ドットの密
度が高くなっている。そのため、水平方向及び垂直方向
の黒ドット数計測配列データには、壁が存在する位置に
ピークが表われることになる。
【0078】図7のフローの処理を開始すると、まずス
テップ21において、指定方向とクロスする方向(水平
方向の黒ドット数計測配列データ作成の指定であれば垂
直方向に、また垂直方向の指定であれば水平方向に)
に、建設図面の基準の単位長に相当する所定間隔ごとに
何回壁認識処理のループが可能かを確認する。ここで、
この単位長は一般の住宅の場合にはその最小壁間隔であ
る「半間」あるいは「1メートル(m)」であり、ここ
では半間(91cm)とする。
【0079】そして、水平方向の黒ドット数計測配列デ
ータに対しては垂直方向の画像幅より若干長い寸法を幅
サイズLとし、垂直方向の黒ドット数計測配列データに
対しては水平方向の画像幅より若干長い寸法を幅サイズ
Lとして自動設定する。また、半間サイズをhとし、こ
の値は予め図面の縮尺データ及び半間長を入力するか又
は計算による自動算出などにより決定する。この幅サイ
ズLと半間サイズをhからL/hを算出して小数点以下
は切上げた数値を壁認識処理の大ループの実行回数nと
する。図12にhで示す範囲が1回の大ループでの処理
範囲である。
【0080】次いで、ステップ22で大ループの回数カ
ウンタのカウント値iの初期設定(i←1)を行なう。
そして、ステップ23において回数カウンタのカウント
値iが可能な大ループの実行回数nを超えた(i>n)
かどうかを判定する。超えていれば、当該領域の解析を
終了する。超えていなければ、ステップ24において当
該i番目の半間内の最初の解析処理として最高ピーク
(図12にPで示す)に位置付け、その点をxpとす
る。このように半間毎に解析処理することにより、その
中のピーク値が壁の一部である可能性が高いことにな
る。
【0081】次に、ステップ25において壁の対象とし
ての最初の条件であるピーク(極大値)の高さが半間
(h)以上かどうかを判定する。その結果、ピークの高
さが半間未満の場合には壁の認識不明として、次の半間
先の解析に移るためにステップ34に進む。ピークの高
さが半間以上ある時には次の解析ステップ26に移行す
る。このステップ26において、最高ピークの位置から
左右両側(例えば、2W幅)を調べて、壁の厚みの範囲
(両面の位置:W1,W2及び厚みWe=|W1−W2|)
の絞り込みを行なう。ここでWは壁の厚みの意味で、例
えばWmaxと同じ値で使用する。
【0082】この絞り込み方法としては、(最高ピーク
値−min)*rate+min 以上の値を持つ最高ピーク位置
の両端又は片側のピーク位置を、壁の両面の位置W1
2又は最高ピーク位置xpが壁の一方の面の位置W1
あるときの他方の面の位置W2として絞り込む方法があ
る。
【0083】図13はこの絞り込み処理の説明図であ
り、(a)は最高ピーク位置xpの両側に壁の両面の位
置W1,W2が存在する場合の例である。この場合は、最
高ピーク位置xpは壁の芯線位置の候補と推定される。
【0084】図13の(b)は最高ピーク位置xpが壁
の一方の面の位置W1であり、その片側に他方の面の位
置W2が存在する場合の例である。この場合は、長い方
のピーク位置が図2に二重線で示した外輪郭の外壁位置
の候補で、それに近接する短い方のピークがその内壁位
置の候補と推定し得る。
【0085】ここで、rateは解析の前半(ネスト変数の
値が小さい時)は小さめに、後半(ネスト変数の値が大
きい時)では大きめにする(例えば、最初はrater=0.
70とする)。min は図13の(c)に示すように現在
注目している最大ピークPの位置xpの左右両側2Wに
拡がった4W幅程度の幅内の黒ドット数計測データの最
小値である。
【0086】このようにして、図7のステップ26で絞
り込んだ結果を基に、ステップ27と28で壁としての
妥当性を確認する。まずステップ27においては、壁の
厚みWeがその最大値Wmax(例えば30cm)を超え
ているか否かを判断し、超えている時は壁の認識不明と
して次の半間先の解析に移るためステップ34に進む。
超えていなければステップ28へ進み、壁の厚みWeが
最小値Wmin(例えば2.5cm)未満か否かを判断す
る。
【0087】その結果、壁の厚みWeが最小値 Wmin未
満の場合はステップ30へ進み、そうでない時はステッ
プ29に進む。ステップ30においては壁以外のピーク
(例えば、畳,窓,引戸など)を認識したものとしてそ
の情報を得る。ステップ29においては、壁の候補とな
る領域から、壁としての条件を満たすかどうかを後述す
る2等分割探索法によって判定し、壁だと認識できたも
のについて、ステップ31において当該壁の両面の位置
1,W2及び厚みWeなどの情報を退避(記憶)してス
テップ32に進む。
【0088】ステップ29で壁としての条件を満たさな
ければステップ32に移行する。ステップ32において
は、壁の両面位置(座標)W1及びW2が共に現在処理を
行なっている領域の内側かどうかを判定し、内側であれ
ばステップ33に進む。そうでなければステップ34に
移行する。
【0089】ステップ33では、現在の処理領域を細分
化し、新しい細分領域を示す境界データとして、W1
2,Weを退避(記憶)する。また、(W1+W2)/
2がその壁の芯線位置である。ステップ34では、次の
半間先の処理を行なうために大ループの回数カウンタの
カウント値iを+1してから、ステップ23に戻って上
述の処理を繰り返し行なう。
【0090】このようにして、対象となる黒ドット数計
測配列データの一端(先頭要素)から半間毎に解析処理
し、反対の端まで解析が終われば、今回の範囲の解析を
終了する。水平方向と垂直方向の2方向のを黒ドット数
計測配列データに対して別々に解析し、次回の解析範囲
は、今回の解析で壁と認識できた範囲に限定する。その
ため、水平及び垂直方向の黒ドット数計測配列データを
解析した結果を組み合わせて、総当たりの場合分けを行
なう。
【0091】この実施形態では、壁の芯線位置は隣の壁
との間隔が半間単位の整数倍になるように配置されてい
るとみなす。そして、特徴的なピークが発見できる範囲
までを解析データとして有効に使用する。逆に云えば、
解析対象とするある範囲内に壁に相当する特徴が、水平
方向及び垂直方向の両方合わせても一つも発見できなか
ったときは解析を終了する。1回の解析範囲は、最初は
図面全体を対象にし、以後発見された壁で区切られた範
囲に限定し直す方法をとって、壁のピークが発見されや
すくし、且つ細部までの解析が容易になるようにする。
【0092】次に、図7のステップ29において「壁と
しての条件を満たすか」を判断する2等分割探索法につ
いて、図8のフロー図によって説明する。この図8に示
すフローの処理を開始すると、まずステップ41におい
て、2等分割探索法の初期設定を行なう。すなわち、壁
分析のための領域分割要素数nを1にし、壁部か非壁部
かが未確定である分割要素の配列要素の最も小さいNo.
を指すkを0に、また、調査領域の分割配列要素とし
て、S
〔0〕,E
〔0〕それぞれに入力のスタート及び
エンド画像アドレスを代入して初期設定とする。
【0093】その後、ステップ42に進み、調査領域の
開始アドレスS〔k〕と終了アドレスE〔k〕が等しけ
ればステップ53に移行し、等しくなければステップ4
3に進む。ステップ43においてはイメージ画像データ
の対象領域の分割処理を行ない、元の領域を小数以下の
誤差を除いて2等分割する。
【0094】すなわち、分割する前半の領域のスタート
及びエンド画像アドレスS1,E1を、S1=S
〔k〕,E1=(1/2)(S〔k〕+E〔k〕)とし、
後半の領域のスタート及びエンド画像アドレスS2,E
2を、S2=(1/2)(S〔k〕+E〔k〕)+1,E
2=E〔k〕とする。
【0095】それによって、例えば図14に示すよう
に、建設図面のイメージ画像データ中において、壁候補
が存在する線(一点鎖線で示す)の元の領域幅を最初は
1の位置で2等分割する。その後壁の有無を判別できる
まで、順次図14に示す位置2で2回目、3の位置で3
回目、4の位置で4回目というように2等分割を繰り返
して細分化した領域でステップ44及び45の壁調査を
行なうようにする。ステップ44及び45においては、
2等分割したそれぞれの領域P1,P2が壁で満たされ
ているかどうかを調査し、ステップ46に進む。
【0096】ここでは、指定された領域(スタートアド
レスからエンドアドレスまで)の黒ドット数計測配列デ
ータを分析した結果、黒ドットのピーク(壁の厚みの広
がりを保って)高さが、指定された領域の幅(長さ)と
比較して次の〜の判断をする。
【0097】 :5%以下のとき、 v=0:非壁部と判断 :95%以上のとき、v=1:壁部と判断 :上記以外のとき、 v=2:どちらとも判断できな
い これを図に示すと図15に,,で示すようにな
る。
【0098】ステップ46においては、ステップ43で
分割された前半の領域P1について、壁が存在するかど
うか判断できない(v=2)場合はステップ47に進
み、そうでなければステップ49に進む。ステップ47
においては、ステップ43によって分割する前の領域範
囲の格納配列要素S〔k〕,E〔k〕,v〔k〕を、ス
テップ43で分割された後半の領域データ(スタート及
びエンド画像アドレスS2,E2と判定結果v2)で置
き換える。
【0099】ステップ48においては、新しい格納配列
要素S〔n〕,E〔n〕,v〔n〕として、ステップ4
3で分割された前半の領域データ(スタート及びエンド
画像アドレスS1,E1と判定結果v1)を退避し、ス
テップ51に移行する。ステップ49においては、ステ
ップ43によって分割する前の領域範囲の格納配列要素
S〔k〕,E〔k〕,v〔k〕を、ステップ43で分割
された前半の領域データ(スタート及びエンド画像アド
レスS1,E1と判定結果v1)で置き換える。
【0100】ステップ50においては、新しい格納配列
要素S〔n〕,E〔n〕,v〔n〕として、ステップ4
3で分割された後半の領域データ(スタート及びエンド
画像アドレスS2,E2と判定結果v2)を退避し、ス
テップ51に移行する。ステップ51では、領域アドレ
スの新しい格納配列要素を示せるように新しい格納配列
要素No.を示す変数nを+1してから、ステップ52に
進む。
【0101】ステップ52においては、壁部か非壁部か
が未確定である分割要素の最も小さいNo.を指すk要素
内の分類コードvが壁が存在するかどうか判らない内容
(v=2)の場合は、ステップ42に戻って更に細分割
する処理を繰り返す。そうでない場合はステップ53に
進む。ステップ53では、壁が存在するかどうか判らな
い内容が一つ解決したとして、その指標kを+1してか
らステップ54に進む。
【0102】ステップ54においては、壁分析のための
領域分割要素数nと、壁部か非壁部かが未確定である分
割要素の配列要素の最も小さいNo.を指すkとが、等し
くなっているかどうか判定し、等しければ壁認識のため
の分割処理が終了したと判断してステップ55へ進む。
等しくなければステップ52へ戻る。
【0103】ステップ55においては、分割された領域
アドレス・データ(配列)が上昇順に並ぶよう、スター
トアドレス順(昇順)にソートを実行してステップ56
に移行する。すなわち、S
〔0〕〜S〔n−1〕,E
〔0〕〜E〔n−1〕,v
〔0〕〜v〔n−1〕のデー
タをS〔 〕をキーにして昇順にソートする。
【0104】ステップ56においては、壁部分及び非壁
部分が連続している場合は、それぞれ縮退処理(一つの
範囲で表現)して終了する。すなわち、連続したv
〔 〕値が0又は1の状態の場合は、S〔 〕,E
〔 〕データを圧縮する。なお、この時に、壁が存在す
るかどうか判らない内容(v=2)の配列要素を含む場
合は、その要素の前後の要素が壁を示している場合には
壁データに変更し、また、非壁を示している場合には非
壁データに変更して処理する。
【0105】上述した二等分割探索処理による画像デー
タ中の壁位置の分析例を図16に示す。この図16の
(a)には壁のイメージ画像(斜線を施した部分)Wと
その調査対象領域を破線で示しており、この調査領域は
先に認識された壁候補の存在位置に沿って設定される。
そして、S
〔0〕=0がその調査領域の最初のスタート
アドレス、E
〔0〕=15が最初のエンドアドレスであ
る。4,5,7等の途中の数字は分割後の対象領域のス
タート又はエンドアドレス(いずれも画像アドレス)で
ある。
【0106】図16の(b)には変数n=1〜10の各
調査段階における各対象領域のスタートアドレスS,エ
ンドアドレスE,及び壁の有無に関する判断結果vとそ
の確定状況、ソート状況、並びに縮退処理結果をkの値
と共に示している。そして、最終的には画像アドレス5
〜12に壁が存在することを認識している。
【0107】次に、図17によって簡単な建設図面の壁
認識例を説明する。この図17には、ネスト変数(ne
st)と、領域分割状態と認識された実際の壁の状態と
を示している。まず、ネスト変数=0で建設図面の全体
を壁位置の調査対象として壁の抽出を行なう。その結果
(A)に実線で示すように建設図面の家屋部の輪郭と水
平及び垂直方向の壁候補の位置を認識できたとする。し
かし、その認識できた壁候補のうち実際の壁は(a)に
示す部分だけであるが、それはまだ判らない。
【0108】そこで次に、ネスト変数=1にして、
(A)に示す認識できた壁候補の芯線で区切られた各矩
形領域毎に調査対象領域を限定して壁の抽出を行なう。
それによって(B)に,,,で示す4つの調査
対象領域で新たに太線で示す壁候補が認識されると共
に、先に認識された壁候補のうち、実際の壁は(a)に
示された部分だけであったことが確認され、(b)に示
す壁の状態が認識される。
【0109】さらに、ネスト変数=2にして、(B)に
おいて新たな壁候補が認識された4つの領域〜をそ
れぞれその新たに認識された壁によって分割して、調査
対象領域をさらに限定して壁の抽出を行なう。それによ
って、(C)に,で示す2つの調査対象領域で新た
に太線で示す壁候補が認識され、(c)に示す壁の状態
が認識される。
【0110】その後、ネスト変数=3にして、(C)に
おいて新たな壁候補が認識された2つの領域,をそ
れぞれその新たに認識された壁によって分割して、調査
対象領域をさらに限定して壁の抽出を行なう。その結果
いずれの分割領域でも新たな壁候補を抽出できなにかっ
た場合には、それによって壁位置の調査を終了し、
(c)に示す壁位置が最終的な壁認識結果であることが
確定し、そのデータをメモリに格納する。
【0111】このように、分割した各調査対象領域のい
ずれでも新たな壁候補が抽出されなくなるまで、調査対
象領域を細分化して壁の抽出を行なう。それによって、
小さな壁でも確実に認識することができ、且つ壁候補の
うち実際には壁が存在する部分と存在しない部分とを正
確に判別することができる。
【0112】ここでさらに、前述した図6のフローチャ
ートに従った具体的な建設図面の認識処理手順の例を、
図18乃至図20によって説明する。図18乃至図20
は一連の図であるが、図示の都合上3枚の図に分割して
示している。これらの図におけるS3〜S17は、図6
のS3〜S17の各ステップに対応している。また、各
段階での領域分割図と実壁状態も図示している。
【0113】以下の説明ではステップを「S」と略称す
る。図18のS3で図面全体を調査対象とし、S4でネ
スト変数を0にする。S5で調査対象の限定を行なうが
ネスト変数が0なのでやはり図面全体を調査対象とす
る。S6〜S7で水平方向の黒ドット数計測配列データ
を作成して壁を抽出するが、輪郭以外の壁を発見でき
ず、S8〜S9で垂直方向の黒ドット数計測配列データ
を作成して壁を抽出し、輪郭以外の壁を2か所に発見す
る。したがって、S10でYESになり、S11でネス
ト変数を1にし、S12で領域の細分化(各壁の位置
で)をしてS5へ戻り、調査対象領域を一番左の領域に
限定する。
【0114】そして、S6〜S7で壁を2か所に発見
し、S8〜S9では壁を発見できなかったがS10では
YESになり、S11でネスト変数を2にして「入れ子
処理」を、図19のS14でNoになり入れ子処理を終
了するまで繰り返し実行し、左側の縦長の領域を新たに
発見された2つの壁によって区切った3つの分割領域に
対して、順次壁の抽出処理を行なう。
【0115】この例ではそれによって新たな壁は発見さ
れず、図19のS16でネスト変数を−1して1に戻
し、真中の縦長の領域を調査対象領域として同様に壁の
抽出を行なうが、この例では新たな壁候補は発見されな
い。そこで、S15,S5で右側の縦長の領域に調査対
象領域を変更し、S6〜S7で壁を1ケ所発見する。
【0116】そこで、図20のS10でYESになり、
S11でネスト変数を2にして「入れ子処理」を開始
し、右側の縦長の領域を新たに発見された壁によって分
割し、その各分割領の壁抽出処理を順次行なう。その結
果、いずれの分割領域でも新たな壁は発見されず、S1
3でNoになり入れ子処理を終了し、S16でネスト変
数を−1して1にするが、ネスト変数1の領域は残って
いないので、さらにネスト変数を0に戻すが、その領域
も残っていない。そのため、壁抽出の処理は完了したと
判断し、S17で抽出された壁候補の認識データにより
各壁の位置及びサイズを確定し、そのデータをメモリに
格納する。
【0117】次に、上述のようにして認識した建設図面
の輪郭及び骨格に相当する壁の位置及びサイズ等の情報
(解析結果データ)を図1に示したメモリ4及び外部記
憶装置11の記憶媒体に格納する内容の一例について、
図21によって説明する。図21において、(A)はネ
スト数、(B)は固有ネスト情報、(C)水平方向の壁
情報、(D)は垂直方向の壁情報、(E)は水平な壁の
モデル、(F)は垂直な壁のモデルを示す。
【0118】ネスト数は、子ネストポインタの入れ子
(親子関係)の深さを示し、壁が全然認識されなかった
場合は、ネスト数=0である。固有ネスト情報は、ネス
トNo.,NEXT兄弟ポインタ,子ネストポインタ,壁
数(水平方向及び垂直方向),壁情報ポインタ(水平方
向及び垂直方向)からなる。
【0119】NEXT兄弟ポインタは、同時階層ネスト
情報の次のアドレスを持つ。したがって、このポインタ
が示す場所の固有ネスト情報内のネストNo.は、当該処
理のものと同じ値である。子ネストポインタは、一階層
下の階層ネスト情報の先頭データのアドレスを持つ。し
たがって、このポインタが示す場所の固有ネスト情報内
のネストNo.は、当該処理のものに+1した値である。
【0120】(B)に示す固有ネスト情報中の水平方向
の壁情報ポインタが示すアドレスを先頭アドレスとし
て、(C)に示す水平方向の壁情報が格納される。その
壁情報は、次の水平方向の壁情報の先頭アドレスの位置
を示すNEXTポインタ、壁の始点座標(x座標:a,
y座標:b)、壁の横(x方向)サイズ:c、壁の縦
(y方向)サイズ:壁の厚みdからなる。これらのa〜
dによって(E)に示す水平な壁のモデルを記憶し、ま
たそれを再現することができる。
【0121】同様に、固有ネスト情報中の垂直方向の壁
情報ポインタが示すアドレスを先頭アドレスとして、
(D)に示す垂直方向の壁情報が格納される。その壁情
報は、次の垂直方向の壁情報の先頭アドレスの位置を示
すNEXTポインタ、壁の始点座標(x座標:e,y座
標:f)、壁の縦(y方向)サイズ:g、壁の横(x方
向)サイズ:壁の厚みhからなる。これらのe〜hによ
って(F)に示す垂直な壁のモデルを記憶し、またそれ
を再現することができる。
【0122】ところで、実際の建築図面の画像データに
対して、その図面全体を調査対象領域として水平方向及
び垂直方向の黒ドット数計測配列データを作成した例を
図10及び図11に示したが、その黒ドット数計測配列
データに基づいて壁候補を認識した次の段階で、その図
面の領域を認識した壁候補によって分割し、調査対象領
域を限定した画像データに基づく水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データの作成例を、図22乃至図24
に示す。
【0123】図23及び図24は、図22よりさらに調
査対象領域を細分化した例である。このようにして、新
たな壁候補が発見されなくなるまで、調査対象領域を細
分化して、その画像データによる水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データを作成し、壁の抽出を行なう。
【0124】なお、この実施形態ではポジ画像の建設図
面を認識対象としたので、その2値化した画像データの
水平及び垂直方向の黒ドット数を計測(カウント)して
黒ドット数計測配列データを作成したが、ネガ画像の建
設図面を認識対象とする場合には、その2値化した画像
データの水平及び垂直方向の白ドット数を計測(カウン
ト)して白ドット数計測配列データを作成すれば、壁の
認識を同様に行なうことができる。
【0125】また、上述のようにして認識した建設図面
の輪郭及び骨格に関する認識データは、CAD用ベクト
ルデータに変換をすることができ、異機種間のCADデ
ータの互換性を得ることができる。
【0126】さらに、この実施形態では黒ドットからな
る部分の輪郭を斜め方向に黒ドット数を計測(カウン
ト)して黒ドット数計測配列データを作成し、それによ
って傾いた直線壁でも射影特徴抽出できる認識処理を行
なうので、次に示すようなメリットがある。
【0127】(1)図面の水平及び垂直線から斜めに傾
いた直線から構成される図形でも、傾いた角度さえ分か
れば、認識できるという認識範囲が拡大する。 (2)図面の水平及び垂直向きに正対した直線(壁な
ど)と、斜めに傾いた直線の両方が混在している対象
(矩形以外の多角形)でも認識&抽出が可能になる。
【0128】なお、手書き図面で家図面の正対方向のス
キュ補正が困難な場合、手書き図面を方眼紙に記述し
て、スキュ補正はその方眼紙のマス目を利用して行なう
ようにするとよい。また、やむをえず利用者の手作業に
委ねる場合、スキャナ読込時にできるだけスキュ補正が
不要な正対する図面を作成するように注意を促すマニュ
アルを添えるとよい。
【0129】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る建設図からの斜め壁面認識方法によれば、建設図面内
存在する水平又は垂直方向に対して傾斜した直線状の斜
め壁を、建設図面の輪郭及び骨格の一部として確実に認
識することができる。しかも、手書き図面や青焼きなど
の比較的コントラストが低い図面や、ノイズの多い図面
あるいは古い建設図面など、記載状態や画質の悪い建設
図面でも、その斜め壁を精度よく認識することができ
る。
【0130】また、この発明による建設図面認識装置に
よれば、建設図面の画像を読み取ったイメージ画像デー
タを入力して、その建設図面の輪郭及び骨格をなす壁
を、斜,め壁も含めて精度よく自動的に認識することが
できる。
【0131】そして、その認識したデータをパソコンな
どに取り込んで利用すれば、増改築の際の見取り図など
の建設図面を容易且つ迅速に作成することが可能にな
る。さらに、建設図面のイメージデータをランレングス
符号化した画像データとしてFAX通信等によって入力
し、その建設図面の輪郭及び骨格を認識することもでき
る。
【0132】さらに、斜め壁を含む輪郭・骨格の認識結
果を表示することにより、その認識結果を確認し、確定
することができる。その場合、入力した建設図面のイメ
ージ画像データを認識結果と同時にあるいは選択的に表
示することにより、その表示内容を比較検討して、誤認
識箇所や認識できなかった部分を見つけることができ
る。入力したイメージ画像データと認識結果とを重ね合
わせて表示すれば、誤認識箇所や認識できなかった部分
の発見及びその修正が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による建設図面からの斜め壁認識方法
を実施する建設図面認識装置の一例の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図1の表示部9における再マッピングされた認
識結果の画像データの表示例を示す図である。
【図3】同じくスキュ補正された建設図面の入力画像デ
ータを認識結果の画像データと重ね合わせて表示した例
を示す図である。
【図4】建設図面における外輪郭,外壁,内壁及び骨格
の定義を説明するための図である。
【図5】図1に示した建設図面認識装置による建設図面
認識処理のメインルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】図5におけるステップAの壁の位置認識処理の
サブルーチンの詳細を示すフロー図である。
【図7】図6におけるステッブ7及び9の壁の抽出(認
識)処理のサブルーチンのフロー図である。
【図8】同じく壁の位置を認識する2等分探索法を実行
処理するフロー図である。
【図9】調査対象領域内の壁候補とそれによる領域分割
例及び壁候補によって細分化された領域群のネストN
o.とその解析処理順序の一例を示す説明図である。
【図10】建築図面(家屋の間取り図)の画像データと
その全領域から作成した水平及び垂直方向の黒ドット数
計測配列データの具体例を示す図である。
【図11】同じくその他の具体例を示す図である。
【図12】図10の(c)に示した垂直方向の黒ドット
数計測配列データを拡大して示した図である。
【図13】図7のステップ26におけるピークの両側又
は片側に壁の両面を絞り込む処理の説明図である。
【図14】図8のステップ43における領域幅の分割処
理の説明図である。
【図15】図8のステップ44,45における対象領域
の壁調査による判断の説明図である。
【図16】図8に示した2等分割探索処理による壁のサ
ンプル(壁候補)の分析例を示す説明図である。
【図17】この発明による簡単な建設図面の壁認識例の
説明図である。
【図18】図6のフローチャートに従った具体的な建設
図面の認識処理手順の例を示す説明図である。
【図19】図18の続きの説明図である。
【図20】図19の続きの説明図である。
【図21】解析結果データのメモリへの格納内容の一例
を示す説明図である。
【図22】図10に示した建築図面の調査対象領域を限
定した画像データとそれに基づく水平及び垂直方向の黒
ドット数計測配列データの例を示す図である。
【図23】図22より調査対象領域をさらに限定した画
像データとそれに基づく水平及び垂直方向の黒ドット数
計測配列データの例を示す図である。
【図24】図22より調査対象領域をさらに限定した他
の部分の画像データとそれに基づく水平及び垂直方向の
黒ドット数計測配列データの例を示す図である。
【図25】図1の表示部9におけるスキュー補正された
建設図面の入力画像データの表示例を示す図である。
【図26】同じくその入力画像データの認識結果を表示
した例を示す図である。
【図27】同じく図25に示した建設図面の入力画像デ
ータとその認識結果の画像データとを重ね合わせて表示
した例を示す図である。
【図28】斜め壁を有する建設図面の入力画像データと
その斜め壁を含む領域の各斜め壁のスキュー方向につい
て作成した黒ドット数計測配列データを示す図である。
【図29】図5のステップHにおけるj領域とスキュー
角度算出処理の説明図である。
【符号の説明】
1:全体制御部(CPU) 2:画像読取部 3:通信制御部 4:メモリ 5:自動スキュ補正部 6:ドット数計測配列データ作成部 7:輪郭・骨格認識部 8:再マッピング制御部 9:表示部 10:操作入力部 11:外部記憶装置 12:印刷装置 13:斜め壁認識部 14:バス

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設図面の画像を読み取ったイメージ画
    像データの黒又は白ドットからなる画像領域を限定し、 その限定した画像領域のイメージ画像データの中の黒又
    は白ドットが全体的に示すスキュー角度を求め、 その求めたスキュー角度方向に、前記限定した画像領域
    のイメージ画像データの黒又は白ドット数を計測してド
    ット数計測配列データを作成し、 その作成したドット数計測配列データに基づいて建設図
    面の輪郭及び骨格の一部をなす斜め壁を認識することを
    特徴とする建設図面からの斜め壁認識方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建設図面認識方法におい
    て、 建設図面の画像を読み取ったイメージ画像データの水平
    及び垂直方向の黒又は白ドット数を計測して水平及び垂
    直方向のドット数計測配列データを作成し、 その作成した水平及び垂直方向のドット数計測配列デー
    タに基づいて建設図面の輪郭及び骨格を認識し、 その認識した輪郭及び骨格に基づいて、前記イメージ画
    像データの黒又は白ドットからなる画像領域を限定する
    ことを特徴とする建設図面からの斜め壁認識方法。
  3. 【請求項3】 建設図面の画像を読み取ったイメージ画
    像データを入力する画像データ入力手段と、 該手段によって入力したイメージ画像データの水平方向
    又は垂直方向の黒又は白ドット数を計測して水平及び垂
    直方向のドット数計測配列データを作成するドット数計
    測配列データ作成手段と、 該手段によって作成された水平及び垂直方向のドット数
    計測配列データに基づいて建設図面の輪郭及び骨格を認
    識する輪郭・骨格認識手段と、 該手段によって認識された建設図面の輪郭及び骨格に基
    づいて、前記入力したイメージ画像データの画像領域を
    限定し、その限定した画像領域のイメージ画像データの
    黒又は白ドットが全体的に示すスキュー角度を求め、そ
    のスキュー角度の方向に前記限定した画像領域のイメー
    ジ画像データの黒又は白ドット数を計測してドット数計
    測配列データを作成し、その作成したドット数計測配列
    データに基づいて建設図面の輪郭及び骨格の一部をなす
    斜め壁を認識する斜め壁認識手段とを有することを特徴
    とする建設図面認識装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の建設図面認識装置におい
    て、前記画像データ入力手段が、建設図面の画像を読み
    取ってそのイメージ画像データを入力する画像読取手段
    であることを特徴とする建設図面認識装置。
  5. 【請求項5】 建設図面の画像を読み取ったイメージ画
    像データのランレングスを符号化した符号化画像データ
    を入力する画像データ入力手段と、 該手段によって入力した符号化画像データから元のイメ
    ージ画像データの水平方向又は垂直方向の黒又は白ドッ
    ト数を計測して水平又は垂直方向のドット数計測配列デ
    ータを作成するドット数計測配列データ作成手段と、 該手段によって作成された水平及び垂直方向のドット数
    計測配列データに基づいて建設図面の輪郭及び骨格を認
    識する輪郭・骨格認識手段と、 該手段によって認識された建設図面の輪郭及び骨格に基
    づいて、前記入力したイメージ画像データの画像領域を
    限定し、その限定した画像領域のイメージ画像データの
    黒又は白ドットが全体的に示すスキュー角度を求め、そ
    のスキュー角度の方向に前記限定した画像領域のイメー
    ジ画像データの黒又は白ドット数を計測してドット数計
    測配列データを作成し、その作成したドット数計測配列
    データに基づいて建設図面の輪郭及び骨格の一部をなす
    斜め壁を認識する斜め壁認識手段とを有することを特徴
    とする建設図面認識装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の建設図面認識装置におい
    て、前記画像データ入力手段が、前記符号化画像データ
    を通信により受信して入力する画像データ受信手段であ
    ることを特徴とする建設図面認識装置。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれか一項に記載の
    建設図面認識装置において、前記斜め壁認識手段による
    認識結果を表示する表示手段を設けたことを特徴とする
    建設図面認識装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の建設図面認識装置にお
    いて、前記表示手段は、前記画像データ入力手段により
    入力したイメージ画像データを前記認識結果と同時に表
    示する手段を有することを特徴とする建設図面認識装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の建設図面認識装置におい
    て、前記イメージ画像データを前記認識結果と同時に表
    示する手段は、前記イメージ画像データを前記認識結果
    と重ね合わせて表示する手段であることを特徴とする建
    設図面認識装置。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の建設図面認識装置に
    おいて、前記画像データ入力手段により入力したイメー
    ジ画像データと前記認識結果とを選択的に表示するよう
    に表示内容を変更する表示選定手段を設けたことを特徴
    とする建設図面認識装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれか一項に記
    載の建設図面認識装置において、前記表示手段に表示し
    た前記認識結果を外部からの指示により確定する認識結
    果確認手段を設けたことを特徴とする建設図面認識装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112802151A (zh) * 2020-12-25 2021-05-14 佛山欧神诺云商科技有限公司 一种墙线绘制方法、电子设备、存储介质
CN116628834A (zh) * 2023-07-26 2023-08-22 北京飞渡科技股份有限公司 一种基于神经网络的轮廓分段矫正方法及装置

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