JPH10196794A

JPH10196794A - Ｏリング

Info

Publication number: JPH10196794A
Application number: JP1761497A
Authority: JP
Inventors: Koji Sakatani; 廣司阪谷; Tomohito Inoue; 智史井上
Original assignee: HIGASHIO MEC KK
Current assignee: HIGASHIO MEC KK
Priority date: 1997-01-13
Filing date: 1997-01-13
Publication date: 1998-07-31

Abstract

(57)【要約】【課題】パイプ挿入時のＯリングの傷付きを防止す
る。【解決手段】中心に空孔２を有する横断面円環型とす
る。空孔２を有するので弾性変形して、パイプ挿入時に
逃げやすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種流体の密封
（シール）に用いられるＯリングに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から各種寸法・各種ゴム材質の多数
のＯリングが密封（シール）用として使用されてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のＯリ
ングはその横断面形状が中実丸型のものばかりであっ
た。上水道用管継手等にＯリングを用いた場合、管継手
内へパイプを挿入する際、Ｏリングに傷が付くことがあ
った。その理由は、上水道用管継手の寸法公差、パイプ
の寸法公差が比較的大きく、また、パイプ端角部にかえ
りが出ている場合もあったためであるが、Ｏリング自体
がやや硬すぎて、パイプ端角部が当たったときに、逃げ
にくいためでもあった。

【０００４】また、長期使用（常時圧縮）により、圧縮
率（反発力・弾性力）が低下して、流体圧力が作用しな
いとき（低圧時）に、流体洩れを生じ易いという別の問
題もあった。

【０００５】本発明の目的とするところは、このように
パイプ接続作業にて傷付き易い用途に於ても、有効に傷
付きを防止できて、また、長期使用しても弾発力を失わ
ないで、（低圧時にも）確実に密封することができるＯ
リングの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係るＯ
リングは、横断面形状が中心に空孔を有する円環型とさ
れている。また、横断面形状が中心に芯材を有し外部に
該芯材を包囲する円環状外装材を有する二重構造であ
る。また、芯材の硬度が外装材の硬度よりも小さく軟ら
かい場合と、逆に、芯材の硬度が外装材の硬度よりも大
で硬い場合がある。また、横断面形状が中心に空孔を有
する円環型とされ、コイルスプリングを該空孔に挿入し
て成る。あるいは、横断面形状が中実丸型であって、コ
イルスプリングが内部に埋設されている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態に基づき
本発明を説明する。

【０００８】図１に示すように、横断面形状が中心に空
孔２を有する円環型とされる。材質はブチルゴム，ニト
リルゴム，スチレンゴム等の各種ゴム材が好適である。
図２と図３に於て、このＯリング１を、管継手３のシー
ル溝４に嵌込み、その後、被接続パイプ５を矢印のよう
に挿入してゆくと、内部に空孔２を有するため、図３の
実線から２点鎖線の如く、このＯリング１は軟らかく変
形しやすく、パイプ５の先端角部６にて、傷付くことが
減少する。また、Ｏリング１は、パイプ挿入に伴って、
捩じれることが少なくなって、その後の密封性も向上す
る。

【０００９】次に、図４は変形例を示し、横断面形状
が、中心に芯材７を有し、外部に該芯材７を包囲する円
環状外装材８を有する二重構造となっている。このと
き、芯材７の硬度は、外装材８の硬度よりも小さくて軟
らかく設定すれば、図１〜図３にて述べたＯリングと同
様の作用効果が得られる。芯材７及び外装材８の材質
は、上述のような各種ゴム材を用いて、その硬度を相違
させれば良い。

【００１０】次に、図５は実施の形態を示し、二重構造
とされたＯリングであって、その芯材７の硬度が、外装
材８の硬度よりも大であって硬く設定される。そのよう
にすれば、長期使用後（常時圧縮状態）に、圧縮率（反
発力・弾発力）の低下を防止できる利点があり、特に、
低圧時の洩れを、（内部の硬度の大きい芯材７によって
弾発力を維持して、）防止できる。

【００１１】次に、図６と図７は別の実施の形態を示
す。つまり、横断面形状が中心に空孔２を有する円環型
であり、コイルスプリング９をこの空孔２に挿入して成
る。このコイルスプリング９としては、金属又はプラス
チックとし、丸線を巻いたものが用いられる。又は、図
８に示すように、平板線を巻いたコイルスプリング９を
用いるも好ましい。

【００１２】図９に於て、（図６〜図８に示した）コイ
ルスプリング９を空孔２内に挿入したＯリング１では、
シール溝４を閉じる（ピストンロッド又はシリンダチュ
ーブ内面等の）相手部材Ｅと、Ｏリング１との接触面圧
Ｐの分布は、低圧時には、実線のように局部的に大とな
り、洩れを有効に防止できる。なお、図９に於て破線は
従来のＯリングの場合を比較のために示した。なお、図
５のように芯材７の硬度を外装材８よりも大とした場合
も、図９と同様に、低圧時の相手部材Ｅへの接触面圧Ｐ
を確保できて、密封性を維持できる。

【００１３】次に、図10に示した横断面図と、図11に示
した要部縦断面図に示す如く、横断面形状が中実丸型で
あって、コイルスプリング９が内部に埋設された形状・
構造とするも、好ましい。その場合の作用・効果は、図
９にて説明した前述の実施の形態と、同様である。

【００１４】次に、図12は、図６〜図８（又は図11）に
示したＯリングの別の使用方法と密封構造を示し、要す
るに「シール溝」を省略しても良いことを示す。即ち、
図12（イ）のように、開口部12ａが僅かに大径とされた
孔12には、シール溝が無く、この孔12にＯリング１を嵌
込んで、パイプ５を挿入してゆくと、Ｏリング１は転が
りながら内方へ送られると共に、図12の（ロ）及び図13
のように径方向に弾性変形して、十分な接触圧力を発生
する。13は押え部材で、その後、ボルト等にて固定すれ
ば、Ｏリング１の外方への抜止めとなる。

【００１５】本発明では、内部にコイルスプリング９を
有するため、長期間使っても、接触面圧を維持して、密
封性が保持される。そして、シール溝を省略できるの
で、継手等の加工が著しく容易となる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上述の構成により次のような著
大な効果を奏する。（請求項１又は３によれば、）（図２・図３に示し
たように）パイプ５挿入時にＯリングが捩じれることが
少なくなり、流体のその後の洩れを防止できる。かつ、
全体に軟らかくなり、パイプ先端角部６にて傷が付くこ
とも防止できる。（請求項２によれば、）二重構造として、捩れ防
止、傷付防止、弾発力、耐クリープ性等の各種特性を、
使用条件に応じて、設定しやすくなり、複雑な仕様に対
応可能となる。（請求項４又は５又は６によれば、）長期使用によ
るゴム材料の劣化が生じても、弾発力が低下しにくく、
特に低圧力状態でも確実な密封性を保つ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態の横断面図である。

【図２】使用方法説明図である。

【図３】使用状態の拡大説明図である。

【図４】本発明の実施の他の形態の横断面図である。

【図５】本発明の実施の別の形態の横断面図である。

【図６】本発明の実施のさらに別の形態の横断面図であ
る。

【図７】その要部縦断面図である。

【図８】変形例を示す要部縦断面図である。

【図９】作用説明図である。

【図10】さらに別の実施の形態を示す横断面図である。

【図11】その縦断面図である。

【図12】本発明の使用方法説明図である。

【図13】その要部拡大断面図である。

【符号の説明】

２空孔７芯材８外装材９コイルスプリング

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】横断面形状が中心に空孔を有する円環型
とされたことを特徴とするＯリング。
【請求項２】横断面形状が中心に芯材を有し外部に該
芯材を包囲する円環状外装材を有する二重構造とされた
ことを特徴とするＯリング。
【請求項３】芯材の硬度が外装材の硬度よりも小さく
て軟らかく設定した請求項２記載のＯリング。
【請求項４】芯材の硬度が外装材の硬度よりも大であ
って硬く設定した請求項２記載のＯリング。
【請求項５】横断面形状が中心に空孔を有する円環型
とされ、コイルスプリングを該空孔に挿入して成ること
を特徴とするＯリング。
【請求項６】横断面形状が中実丸型であって、コイル
スプリングが内部に埋設されていることを特徴とするＯ
リング。