JPH10196646A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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Publication number
JPH10196646A
JPH10196646A JP35870896A JP35870896A JPH10196646A JP H10196646 A JPH10196646 A JP H10196646A JP 35870896 A JP35870896 A JP 35870896A JP 35870896 A JP35870896 A JP 35870896A JP H10196646 A JPH10196646 A JP H10196646A
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JP
Japan
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oil
bearing
sintered
impregnated
capillary force
Prior art date
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Pending
Application number
JP35870896A
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English (en)
Inventor
Masamichi Hayakawa
正通 早川
Ryukichi Tsuno
柳吉 津野
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑油を軸受含油軸受機能及び動圧軸受機能
の両機能を長期にわたって良好に両立させることを可能
とする。 【解決手段】 軸受部5,6における毛細管力を焼結含
油軸受3の焼結孔よりも大きく設定することにより、軸
受部5,6内の潤滑油を焼結含油軸受3内に入り込ませ
ることなく良好に保持するとともに、軸受部5,6内の
潤滑油が焼結多孔質材の焼結孔を通して軸受部5,6の
外部に滲み出したとしても、その滲み出した潤滑油を、
軸受部5,6に連なるように配置した油導入部10,1
1と軸受部5,6との毛細管力の大小関係に従って軸受
部5,6移動させることによって、油導入部10,11
を通して軸受部5,6に再び戻すように循環させ、軸受
部5,6に対する潤滑油の補給を常時行わせるととも
に、軸受装置のいずれかの部位に気泡が発生・膨張して
も、その気泡を、毛細管力の小さい部位に移動させて、
軸受部内に侵入させることなく軸受部5,6の外部側の
油導入部10,11や油溜り部13の内部に保持させる
ように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含油軸受機能及び
動圧軸受機能の両機能を備えるように構成した動圧軸受
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に高速回転するモータ等の各種
回転機器において、潤滑油の動圧力を利用した動圧軸受
装置が広く用いられつつあるが、軸受を焼結多孔質材か
らなる含油軸受から構成することによって、動圧軸受の
利点と含油軸受の利点とを兼ね備えるようにした、いわ
ゆるハイブリッド型軸受が、実開昭59ー164822
号公報等において提案されている。
【0003】このハイブリッド型軸受では、軸受を構成
する焼結多孔質材に動圧発生用の溝が形成されており、
動圧を支持するために上記動圧発生用溝の底面及び側面
に目つぶし加工が施されている。一方、含油軸受の滑り
性は、焼結多孔質材の表面孔からの油の滲み出し作用に
依存することから、動圧発生用溝以外の部位には目つぶ
し加工は施されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成を有するハイブリッド型軸受では、上述したように
目つぶし加工が施されていない部位があるために、数〜
十気圧程度にもなる動圧力によって軸受部内の潤滑油が
焼結孔を通して外部に逃げてしまい、軸受部の動圧力が
次第に低下していく傾向がある。軸受部から逃げた潤滑
油の一部は、軸受部に戻されるが100%ではないため
に、軸受部内の潤滑油は徐々に減少していき、その分動
圧力も低下して、いずれは動圧軸受として機能しなくな
ることもある。
【0005】また、温度上昇や減圧等の原因で、軸受部
内に気泡が発生し、あるいは気泡が膨張した場合には、
動圧力で圧縮された気泡が容易に焼結孔内に入り込んで
いき、上述した潤滑油の漏出を促進させることとなる。
【0006】そこで本発明は、含油軸受機能及び動圧軸
受機能の両機能を、長期にわたって良好に両立させるこ
とができるようにした動圧軸受装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる動圧軸受装置では、軸に対して相対
回転するように設けられた軸受が焼結多孔質材からなる
含油軸受により構成されているとともに、当該焼結含油
軸受及び軸における各軸受面どうしが所定の隙間をもっ
て対面する軸受部内に潤滑油が充填され、上記焼結含油
軸受及び軸の各軸受面の少なくとも一方側に形成された
動圧発生用溝により上記潤滑油が加圧されることによっ
て、含油軸受機能及び動圧軸受機能の両機能を備えるよ
うに構成された動圧軸受装置において、上記焼結含油軸
受側の軸受面から軸受外方に連続して延びる傾斜面と、
前記軸側の軸受面との間に形成された狭小隙間からなる
油導入部が、当該油導入部における狭小隙間の毛細管力
によって軸受部外の潤滑油を軸受部内に案内するように
設けられているとともに、上記油導入部における軸受部
近傍の毛細管力が、前記軸受部における毛細管力より小
さく、かつ、焼結含油軸受の焼結孔における毛細管力の
平均値よりも大きく設定されていることを特徴とする動
圧軸受装置。
【0008】このような本発明にかかる動圧軸受装置に
よれば、軸受部における毛細管力が焼結含油軸受の焼結
孔よりも大きく設定されているため、軸受部内の潤滑油
が焼結含油軸受の内部に入り込むことなく良好に保持さ
れる。また、軸受部内の潤滑油が焼結多孔質材の焼結孔
を通して軸受部外部に滲み出したとしても、その滲み出
した潤滑油は、軸受部に連なるように配置された油導入
部と軸受部との毛細管力の大小関係に従って軸受部側に
移動することとなることから、潤滑油は、油導入部を通
して軸受部に再び戻されて循環され、軸受部に対する潤
滑油の補給が常に行われるようになっている。
【0009】また、昇温や減圧等によって軸受内のいず
れかの部位に気泡が発生したり膨張した場合には、焼結
含油軸受の軸受端面の表面孔から泡立つようにして潤滑
油が漏れ出すことがあるが、その気泡は、油保持部の空
間内でつぶされて当該油保持部内に潤滑油が保持される
ため、気泡は、軸受部内に侵入することなく軸受部の外
部側の油導入部や油溜り部の内部に保持されるようにな
っている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる動圧軸受装
置をHDDスピンドルモータに適用した実施形態につい
て図面に基づき説明する。まず、図1に示されている軸
回転型のHDDスピンドルモータの実施形態において
は、固定部材としてのモータフレーム1の略中央部分に
立設された略中空円筒状の軸受ホルダー2の内周部に、
焼結多孔質材からなる含油軸受3が固定されている。こ
の焼結含油軸受3は、含油軸受機能及び動圧軸受機能の
両機能を備えたラジアル動圧軸受を構成するものであっ
て、当該焼結含油軸受3の内周部に回転軸4が図示を省
略した潤滑油を介して回転可能に装着されている。
【0011】すなわち、上記焼結含油軸受3の内周面
と、回転軸4の外周面との間には、狭小隙間からなる軸
受部5,6が軸方向に所定間隔離して配置されており、
これらの軸受部5,6を構成している焼結含油軸受3側
の軸受面、及び回転軸4側の軸受面の少なくとも一方側
に、例えばヘリングボーン形状の多数の動圧発生溝(図
示省略)が環状に配列されている。そして、これらの両
軸受部5,6内に連続的に充填された潤滑油が、上記回
転軸4の回転時における動圧発生溝のポンピング作用に
よって昇圧され、その潤滑油の動圧力により回転軸4の
支承が行われるようになっている。
【0012】このとき、上記軸受ホルダー2の図示下側
における底面開口部には、スラスト受板7が螺子8によ
り固定されており、そのスラスト受板7によって閉塞・
画成された軸受ホルダー2の内部側における上記軸受部
5,6を含む袋状の筒状空間内に潤滑油が満たされてい
る。
【0013】また、上記軸受部5には、当該軸受部5の
図示上側及び下側にそれぞれ連続するようにして、第1
の油導入部10及び第2の油導入部11が付設されてい
る。これらの各油導入部10,11は、前記焼結含油軸
受3の軸方向両端部分(図示上下の端部分)に配置され
ており、前記軸受部5を構成する焼結含油軸受3側の軸
受面から軸受外方(図示上下方向)に連続して延びるよ
うに形成された傾斜面と、これらの各傾斜面に対して半
径方向に対面する回転軸4側の軸受面(外周面)との間
に形成された狭小隙間から構成されている。
【0014】上記各油導入部10,11を構成する狭小
隙間は、軸受外方(図示上下方向)に向って連続的に拡
大するように画成されており、当該狭小隙間に生じる毛
細管現象によって得られる毛細管力と、前記軸受部5に
生じる毛細管現象により得られる毛細管力との大小関係
によって、軸受部5の外部側にある潤滑油を軸受部5内
に案内するように構成されている。すなわち、これらの
両油導入部10,11における隙間寸法は、傾斜面から
構成することによって前記軸受部5の軸受面隙間寸法よ
り徐々に大きく形成されており、これによって、油導入
部10,11における毛細管力が、前記軸受部5におけ
る毛細管力より次第に小さくなるように設定されてい
る。
【0015】さらに、上記両油導入部10,11におけ
る軸受部近傍の毛細管力は、焼結含油軸受3の焼結孔に
おける毛細管力より大きく設定されている。すなわち、
上記両油導入部10,11の軸受部近傍における隙間寸
法は、焼結含油軸受3を構成する焼結多孔質材の焼結孔
の平均的隙間寸法より小さく形成されており、これによ
って、非回転時には上記軸受部5内に存在する潤滑油
が、毛細管現象によって焼結含油軸受3の焼結孔内に入
り込むことなく当該軸受部5内に保持されるとともに、
両油導入部10,11軸受近傍に存在する潤滑油が、軸
受部5側に連続するように保持される。
【0016】さらに、上記第1の油導入部10の軸方向
外方部分(図示上方側部分)には、油保持部12が設け
られている。この油保持部12は、焼結含油軸受3の図
示上側端面に近接配置された遮蔽板12aを有してお
り、この遮蔽板12aと、焼結含油軸受3の図示上端面
との間に画成された空間によって毛細管現象を利用した
毛細管シール部が構成されている。すなわち、この油保
持部12における潤滑油が滲み出したときの潤滑油によ
る毛細管力によって、焼結含油軸受3の図示上側端面を
通して上面側に漏れ出した油を保持する構成になされて
おり、焼結含油軸受3の図示上端面と遮蔽板12aとの
間隔は、油保持部12が下を向いても潤滑油が漏れ出さ
ない間隔に設定されている。また、この油保持部12を
構成する毛細管シール部の油保持容量は、焼結含油軸受
3からの漏れ油を許容する容量に設定されている。
【0017】さらにまた、上記第2の油導入部11の軸
方向内方側部分(図示下側の軸受中心側部分)には、当
該第2の油導入部11連続するようにして油溜り部13
が設られている。この油溜り部13は、上記第2の油導
入部11の内端部(図示下端部)における最大拡大隙間
とほぼ同じ隙間寸法の空間から形成されており、上記最
大拡大隙間となされた油溜り部13における毛細管力
は、焼結含油軸受3の焼結孔における毛細管力の平均値
よりも小さく設定されているとともに、上述した油保持
部12における毛細管力よりも大きくなるように設定さ
れている。
【0018】このように、潤滑油に対する毛細管力の大
きさが各部位で異ならされており、図示上側の軸受部5
に関しては、毛細管力の大きい順に、軸受部5、油導入
部10,11の軸受部近傍、焼結含油軸受3の焼結孔、
油溜り部13、油保持部12の順になされている。な
お、油保持部12における毛細管力は、当該油保持部1
2内に蓄えられた潤滑油の自重に耐えうる程度の大きさ
に設定されているが、通常は、上記油保持部12内に潤
滑油は存在しない。
【0019】また、前記図示下側の軸受部6に関して
は、油保持部12を除いて上述した図示上側の軸受部5
に関する構造を図示上下に対照的に構成しており、上述
した油溜り部13から底部側(図示下側)に向って、油
導入部14、軸受部6、油導入部15が連続的に設けら
れている。このとき、上記各部位における毛細管力の大
きさは、軸受部6、油導入部14,15の軸受部近傍、
焼結孔の平均値、油溜り部13の順に設定されている。
【0020】このような毛細管力の関係を得るために、
例えば、軸受部5,6の隙間寸法を数(3〜5)μmと
した場合には、油導入部14,15の隙間寸法が5〜1
00μm、焼結含油軸受3の焼結孔の平均的隙間寸法が
数十μm、油溜り部13の隙間寸法が100〜200μ
m、油保持部12の隙間寸法が200〜500μmに設
定される。
【0021】また、前記回転軸4の先端部(図示下側
部)は、前記スラスト受板7に摺動可能に滑り接触され
ており、これら回転軸4の先端面とスラスト受板7の受
面とによって、スラスト方向の動圧滑り面が構成されて
いる。そして、上記回転軸4の先端部分には、鍔状の抜
止板16が固着されており、この抜止板16によって回
転軸4の脱落が防止されるようになっている。一方、前
述した軸受ホルダー2の外周部には、ステータコア21
が嵌着されており、当該ステータコア21の突極部に巻
線22が巻回されている。
【0022】さらに、上記回転軸4の軸方向外側端(図
示上側端)には、ロータ組を構成するハブ24の中心部
分が一体に回転するように固定されている。上記ハブ2
4は、アルミ材より形成され、複数体の磁気ディスクを
外周部に装着する略円筒形状の胴部24aを有している
とともに、この胴部24aの図示下端縁に取付部24b
を有しており、この取付部24bに、バックヨーク25
を介して駆動マグネット26が、ステータコア21に対
向するようにして環状に装着されている。
【0023】このような実施形態にかかる動圧軸受装置
によれば、軸受部5,6における毛細管力が、焼結含油
軸受3の焼焼結多孔質材の焼結孔における毛細管力より
も大きく設定されているため、軸受部5,6内の潤滑油
が、焼結含油軸受3内に入り込むことなく良好に保持さ
れる。
【0024】また、軸受部5,6内の潤滑油が、焼結含
油軸受3の焼結孔を通して軸受部外部に滲み出したとし
ても、その滲み出した潤滑油は、軸受部5,6に連なる
ように配置された油導入部10,11と軸受部5,6と
の毛細管力の大小関係に従って、油導入部10,11か
ら軸受部5,6側に移動するため、潤滑油は、油導入部
10,11を通して軸受部5,6に再び戻されるように
して循環が行われ、その結果、軸受部5,6に対する潤
滑油の補給が常に行われるようになっている。
【0025】さらに、昇温や減圧等によって軸受内のい
ずれかの部位に気泡が発生したり膨張した場合には、軸
受端面(図示上端面)の表面孔から泡立つようにして潤
滑油が漏れ出すことがあるが、その気泡は、油保持部1
2の空間内でつぶされ、その後、当該油保持部12内に
潤滑油が保持される。従って、上記気泡は、軸受部5,
6内に侵入することなく軸受部5,6の外部側の油導入
部10,11や油溜り部13の内部に保持されるように
なっており、非回転時には、上記毛細管力に従って潤滑
油は軸受部等に供給される。
【0026】一方、図2には、軸固定型のHDDスピン
ドルモータの実施形態が示されている。この実施形態に
おいては、固定部材としてのモータフレーム31の略中
央部分に固定軸32が立設されているとともに、この固
定軸32に対して、回転部材としてのハブ33が、含油
軸受機能及び動圧軸受機能の両機能を備えたラジアル焼
結含油軸受34を介して回転自在に支承されている。こ
のラジアル焼結含油軸受34は、上記ハブ33の内周部
に固定されており、このラジアル焼結含油軸受34の内
周部が、上記固定軸31に対し潤滑油を介在して回転可
能に装着されている。
【0027】すなわち、上記ラジアル焼結含油軸受34
の内周面と、回転軸32の外周面との間には、狭小隙間
からなる軸受部35,36が軸方向に所定間隔離して配
置されており、これらの軸受部35,36を構成してい
るラジアル焼結含油軸受34側の軸受面、及び固定軸3
2側の軸受面の少なくとも一方側に、例えばヘリングボ
ーン形状の多数の動圧発生溝が環状に配列されている。
そして、これらの両軸受部35,36内に連続的に充填
された潤滑油が、上記ハブ33の回転時における動圧発
生溝のポンピング作用によって昇圧され、その潤滑油の
動圧力によりハブ33の支承が行われるようになってい
る。
【0028】このようなラジアル動圧軸受を構成する焼
結含油軸受34の構成は、上述した実施形態と同様な構
成であるので、詳細な説明は省略するが、潤滑油に対す
る毛細管力の大きい順に、軸受部35,36、油導入部
40,41,44,45の軸受部近傍、焼結含油軸受3
4の焼結孔、油溜り部43、油保持部42の順の順にな
されている。なお、本実施形態における油保持部42
は、焼結含油軸受34の図示下方側に配置されている。
【0029】また、上記固定軸32の図示上方部分に
は、含油軸受機能及び動圧軸受機能の両機能を備えたス
ラスト焼結含油軸受51が固定されている。このスラス
ト焼結含油軸受51の軸方向下面は、上記ラジアル焼結
含油軸受34の図示上側端面に対して軸方向上側から近
接するように対向配置されており、これら両部材の間に
軸受部52を構成する狭小隙間が半径方向に延在するよ
うに画成されている。また、上記スラスト焼結含油軸受
51の軸方向上面は、前記ハブ33の上面側にネジ止め
されたスラスト押え板53の図示下面側に対して軸方向
に近接対向されており、これらスラスト軸受51とスラ
スト押え板53との間にも、軸受部54を構成する狭小
隙間が半径方向に延在するように画成されている。
【0030】上記スラスト焼結含油軸受51の図示上下
面に各々画成された半径方向隙間からなる軸受部52,
54は、当該スラスト焼結含油軸受51の外周側に画成
された軸方向隙間55を介して連通されており、図2の
断面において略コの字状の油通路が形成されている。そ
して、この油通路内には、上述したラジアル焼結含油軸
受34から連続するようにして潤滑油が充填されてお
り、この潤滑油が、上記スラスト焼結含油軸受51の図
示上下面に形成された動圧発生用溝(図示省略)の作用
により昇圧されることによってスラスト動圧軸受が構成
されている。
【0031】このとき、図示下側及び上側の各軸受部5
2,54には、当該軸受部52,54の内周側端部に連
続するようにして、第1の油導入部56及び第2の油導
入部57が付設されている。これらの各油導入部56,
57は、前記スラスト焼結含油軸受51の半径方向内端
部分に配置されており、前記軸受部52,54を構成す
るスラスト焼結含油軸受51の軸受面から軸受外方(中
心方向)に連続して延びるように形成された傾斜面と、
これらの各傾斜面に対して軸方向に対面するラジアル焼
結含油軸受34及びスラスト押え板53の各端面と、の
間に形成された狭小隙間から構成されている。
【0032】上記各油導入部56,57を構成する狭小
隙間は、軸受外方(半径方向内側)に向って連続的に拡
大するように画成されており、当該油導入部56,57
における狭小隙間の毛細管力と、前記軸受部52,54
の毛細管力との大小関係によって、軸受部52,54の
外部側にある潤滑油を軸受部52,54内に案内するよ
うに構成されている。すなわち、これら両油導入部5
6,57における隙間寸法は、前記軸受部52,54に
おける隙間寸法より大きく形成されており、これによっ
て、油導入部56,57における毛細管力が、前記軸受
部52,54における毛細管力より小さく設定されてい
る。
【0033】また、上記両油導入部56,57における
軸受部近傍の毛細管力は、焼結含油軸受51の焼結孔に
おける毛細管力より小さく設定されている。すなわち、
上記両油導入部56,57の軸受部近傍の隙間寸法は、
焼結含油軸受51を構成する焼結多孔質材の焼結孔の平
均的隙間寸法より小さく形成されており、これによっ
て、両軸受部52,54内に存在する潤滑油が、非回転
時にはスラスト焼結含油軸受51の焼結孔内に入り込む
ことなく保持されるとともに、両油導入部56,57の
軸受部近傍に存在する潤滑油が、上記軸受部に供給され
るように保持される。
【0034】さらに、上記第2の油導入部57の軸方向
外方部分(図示上側部分)には、スラスト押え板53と
固定軸31との間の隙間からなる油保持部58が設けら
れている。この油保持部58は、前述した遮蔽板12と
同じく毛細管シール部として構成されているものであっ
て、当該油保持部58における毛細管力によって、前記
軸受部54及び第2の油導入部57から外部に漏れ出し
た油を保持するように構成されている。この油保持部5
8を構成する毛細管シール部の油保持容量は、スラスト
焼結含油軸受51からの漏れ油を許容する容量に設定さ
れている。
【0035】このように本実施形態では、潤滑油に対す
る毛細管力の大きさが、大きい順に、軸受部52,5
4、油導入部56,67の軸受部近傍、スラスト焼結含
油軸受51の焼結孔、油保持部58に設定されている。
【0036】このような第2の実施形態にかかる動圧軸
受装置によれば、上述した第1の実施形態と同様な作用
・効果が、ラジアル焼結含油軸受のみならず、スラスト
焼結含油軸受においても同様に得られる。
【0037】なお、本第2実施形態におけるモータの駆
動系については、上述した第1の実施形態と同様である
ので、対応する構成部材についての説明は省略する。
【0038】以上、本発明者によってなされた発明を各
実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各
実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもな
い。例えば、本発明は、上記各実施形態のようなHDD
スピンドルモータにおける動圧軸受装置に限定されるこ
となく、多種多様な動圧軸受に対しても同様に適用する
ことができる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる動圧軸
受装置は、軸受部における毛細管力を焼結含油軸受の焼
結孔よりも大きく設定することにより、軸受部内の潤滑
油を焼結含油軸受内に入り込ませることなく良好に保持
するとともに、軸受部内の潤滑油が焼結多孔質材の焼結
孔を通して軸受部の外部に滲み出したとしても、その滲
み出した潤滑油を、軸受部に連なるように配置した油導
入部と軸受部との毛細管力の大小関係により軸受部側に
移動させることによって、油導入部を通して軸受部に再
び戻すように循環させ、軸受部に対する潤滑油の補給を
常時行わせるとともに、軸受装置のいずれかの部位に気
泡が発生・膨張しても、その気泡を、毛細管力の小さい
部位に移動させて、軸受部内に侵入させることなく軸受
部外部の油導入部や油溜り部の内部に保持させるように
構成したものであるから、潤滑油を軸受部内に安定的に
保持することができ、含油軸受機能及び動圧軸受機能の
両機能を長期にわたって良好に両立させて、動圧軸受装
置の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0040】特に、単なる動圧力ではカバーしきれない
回転領域、すなわち、起動・停止時に動圧のみでは軸と
軸受とが接触してしまう低回転領域や、高速回転のため
に動圧のみでは軸受ロスが大幅に増大してしまうような
回転領域については、本発明のような動圧含油軸受が有
効となるが、そのような場合に使用される動圧軸受装置
について、本発明は極めて大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を軸回転型のHDDスピンドルモータに
適用した場合の実施形態を表した横断面説明図である。
【図2】本発明を軸固定型のHDDスピンドルモータに
適用した場合の実施形態を表した横断面説明図である。
【符号の説明】
3 ラジアル焼結含油軸受 4 回転軸 5,6 軸受部 10,11,14,15 油導入部 12 油保持部 13 油溜り部 32 固定軸 34 ラジアル焼結含油軸受 35,36 軸受部 40,41,44,45 油導入部 42 油保持部 43 油溜り部 51 スラスト軸受 52,54 軸受部 56,57 油導入部 58 油保持部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸に対して相対回転するように設けられ
    た軸受が焼結多孔質材からなる含油軸受により構成され
    ているとともに、当該焼結含油軸受及び軸における各軸
    受面どうしが所定の隙間をもって対面する軸受部内に潤
    滑油が充填され、上記焼結含油軸受及び軸の各軸受面の
    少なくとも一方側に形成された動圧発生用溝により上記
    潤滑油が加圧されることによって、含油軸受機能及び動
    圧軸受機能の両機能を備えるように構成された動圧軸受
    装置において、 上記焼結含油軸受側の軸受面から軸受外方に連続して延
    びる傾斜面と、前記軸側の軸受面との間に形成された狭
    小隙間からなる油導入部が、当該油導入部における狭小
    隙間の毛細管力によって軸受部外の潤滑油を軸受部内に
    案内するように設けられているとともに、 上記油導入部における軸受部近傍の毛細管力が、前記軸
    受部における毛細管力より小さく、かつ、焼結含油軸受
    の焼結孔における毛細管力の平均値よりも大きく設定さ
    れていることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軸受部が、ラジアル軸受
    部又はスラスト軸受部でからなることを特徴とする動圧
    軸受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油導入部が、ラジアル軸
    受部の軸方向両端側に各々連続するように配置された第
    1及び第2の油導入部から構成され、 上記第1の油導入部の軸方向外方部分に、焼結含油軸受
    からの漏れ油を毛細管力により保持する油保持部が設け
    られているとともに、前記第2の油導入部に連続して、
    当該第2の油導入部の隙間を連続的に拡大した油溜り部
    が設けられ、 上記油溜り部における拡大隙間の毛細管力が、焼結含油
    軸受の焼結孔における毛細管力の平均値よりも小さく、
    かつ、上記油保持部の毛細管力より大きく設定されてい
    ることを特徴とする動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の油保持部が、焼結含油軸
    受の軸方向外方側端面と、この焼結含油軸受の外方側端
    面に近接配置された部材との間の隙間からなる毛細管シ
    ール部から構成され、 この毛細管シール部の油保持容量が、焼結含油軸受から
    の漏れ油を許容する容量に設定されていることを特徴と
    する動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の油保持部が、焼結含油軸
    受の軸方向外方側に配置されているとともに、油溜り部
    が、焼結含油軸受軸の軸方向中心側に配置されているこ
    とを特徴とする動圧軸受装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の油導入部が、スラスト軸
    受部に連続するように配置されているとともに、 この油導入部の外方には、焼結含油軸受からの漏れ油を
    毛細管力により保持する油保持部が設けられ、 上記油保持部の毛細管力が、焼結含油軸受の焼結孔にお
    ける毛細管力の平均値よりも小さく設定されていること
    を特徴とする動圧軸受装置。
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