JPH10192690A - スラリー床反応器 - Google Patents

スラリー床反応器

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JPH10192690A
JPH10192690A JP35861796A JP35861796A JPH10192690A JP H10192690 A JPH10192690 A JP H10192690A JP 35861796 A JP35861796 A JP 35861796A JP 35861796 A JP35861796 A JP 35861796A JP H10192690 A JPH10192690 A JP H10192690A
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JP
Japan
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slurry
reactor
catalyst
gas
outlet
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Application number
JP35861796A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Tomura
啓二 戸村
Takashi Ogawa
高志 小川
Masatsugu Mizuguchi
雅嗣 水口
Masami Ono
正巳 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
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  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒スラリー層内の触媒の偏在化を有効に防
止すると共に、反応器内部空間を全て反応に利用できる
スラリー床反応器を提供する。 【解決手段】 スラリー床反応器13は、粉末触媒を媒
体油に懸濁させたスラリー状反応層18と気層14とを
含み、下部に原料ガス送入口と上部に生成物排出口とを
備え;反応器上部に設けたスラリー取出口21;取出口
よりも反応器の下部に設けたスラリー挿入口23;及
び、取出口と挿入口とを連絡する外部送液管22;を含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末触媒を媒体油
に懸濁させたスラリー床反応器に関する。本発明による
反応器は、特には、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主原
料とするジメチルエーテル合成に好適に利用することが
できる。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素ガスと水素ガスとを主原料と
する合成ガス等から、ジメチルエーテル(CH3 OCH
3 )を合成する場合には、次の各反応が進行する。
【0003】
【化1】
【0004】前記の反応を利用して、一酸化炭素と水素
を主原料とする合成ガス等からジメチルエーテルを直接
合成する技術としては、固定床触媒層に原料ガスを通過
させ、反応させる技術が開発されている(特開平2−2
80836号公報、又は特開平3−8446号公報
等)。
【0005】しかし、前記反応式から明らかなように、
ジメチルエーテル合成反応は全体として強い発熱反応で
あるため、前記の固定床反応器では触媒層の温度制御が
困難であり、触媒層の局部加熱による触媒の失活が発生
した。これを避けるため、触媒微粒子を高沸点媒体油の
中に懸濁させたスラリーを充填した反応器の中に原料ガ
スを通過させて、高収率でジメチルエーテルを合成させ
る技術が開発されてきた(特開平2−9833号公報、
特開平3−52835号公報、特開平3−181453
号公報、特開平4−264046号公報、又は特表平5
−810069号公報等)。これらのスラリー床反応器
は、固定床反応器と比較すると、内部の温度均一性が高
く、温度制御も比較的容易である。
【0006】こうした公知のスラリー床反応器の一例を
図3に示す。このスラリー床反応器の本体13は一般に
円筒形であり、その内部には触媒スラリー18が充填さ
れ、そのスラリー液面12の上部に気層14が存在す
る。前記の触媒スラリー層18には反応熱を除去するた
めの伝熱管17が一般に配設されている。反応器本体1
3の底部には原料ガスライン2が接続され、頂部には反
応生成物ガスライン3が接続されている。このスラリー
床反応器による合成反応では、触媒微粒子を高沸点媒体
油の中に懸濁させた触媒スラリー層中で合成反応を行う
ことにより、反応器内部のヒートスポットの発生を抑止
し、高い反応率を達成することができる。
【0007】この種のスラリー床反応器によってジメチ
ルエーテルを合成する場合には、一酸化炭素ガスと水素
ガスとを主原料とする合成ガス等の原料ガスが、反応器
の下部から反応器に圧送され、触媒スラリー層を上昇す
る間に反応して、その反応生成物が反応器上部の配管か
ら流出する。すなわち、反応器の内部には、高沸点媒体
油と粉末触媒と原料ガスとによる三相混合のスラリーが
充填されており、反応器に流入する材料及び反応器から
流出する材料は、それぞれ原料ガス及び反応生成物ガス
である。ジメチルエーテル合成反応は強い発熱反応であ
るため、反応器の触媒スラリー層中には伝熱管等が設置
され、伝熱管中を流れる熱媒体等により、発生する反応
熱の除去が行われる。
【0008】しかし、この種のスラリー床反応器におい
ても、触媒スラリー層内で触媒の濃度分布が不均一にな
るという問題点がある。すなわち、触媒スラリー層は、
触媒微粒子が高沸点媒体油中に懸濁しているが、徐々に
触媒微粒子が媒体油中で沈降して、上下方向に濃度勾配
が発生すると共に、触媒微粒子がスラリー床反応器の底
部に蓄積する。反応器下部に蓄積した高濃度触媒は、反
応に充分に効率的に参加することが困難になる一方で、
反応器上部の低濃度触媒は、比較的短時間で消費されて
しまう。
【0009】また、例えば、ジメチルエーテルの合成方
法では、2種類の触媒を1つのスラリー床反応器に挿入
して反応を行うため、2種類の触媒の粒度や比重等の物
理的性質の差異より、これらの触媒に関しても、スラリ
ー床反応器内で上下方向に触媒の偏在が起き、結果的に
反応転化率やジメチルエーテル反応選択率の低下を招く
という問題があった。従来、こうした触媒の偏在化を防
止するために、図1に示すように、スラリー床反応器内
部に仕切板15(例えば、ドラフトチューブ)を設け、
反応器内部で触媒スラリーを対流的に流動させる(図1
の矢印a参照)技術が種々開発されてきた(特開昭52
−54078号公報又は特開平2−42971号公
報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ドラフトチューブなどの仕切板では、対流的に流動する
液量を制御することが困難であり、対流的流動により、
しばしば反応生成物が反応器下部に戻りすぎることによ
る反応転化率の低下を招く問題を引き起こすこともあっ
た。また、対流的流動では、反応器下部に蓄積した触媒
を上部へ移動させることが困難であり、それらの触媒が
反応器下部に蓄積したまま残留することがあった。更
に、ドラフトチューブなどの仕切板を反応器内部に設け
ると、対流的流動用の空間が必要になるので、反応に利
用することのできる反応器内部空間が狭くなるという欠
点もあった。
【0011】従って、本発明の目的は、スラリー床を用
いた触媒反応器において、触媒スラリー層内の触媒の偏
在化を有効に防止すると共に、反応器内部空間を全て反
応に利用することのできるスラリー床反応器を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
より、粉末触媒を媒体油に懸濁させたスラリー状反応層
とその上部の気層とを反応器内部に含み、反応器下部に
原料ガス送入口と反応器上部に生成物排出口とを備えた
スラリー床反応器において、反応器上部に設けたスラリ
ー取出口;そのスラリー取出口よりも反応器の下部に設
けたスラリー挿入口;及び、前記スラリー取出口と前記
スラリー挿入口とを連絡する外部送液管;を含むことを
特徴とするスラリー床反応器(以下、スラリー還流型反
応器と称することがある)によって達成することができ
る。また、前記の目的は、本発明により、粉末触媒を媒
体油に懸濁させたスラリー状反応層とその上部の気層と
を反応器内部に含み、反応器下部に原料ガス送入口と反
応器上部に生成物排出口とを備えたスラリー床反応器に
おいて、反応器上部に設けたスラリー取出口;前記の原
料ガス送入口に連絡する原料ガス供給管に設けたスラリ
ー挿入口;前記スラリー取出口と前記スラリー挿入口と
を連絡する外部送液管;及び、前記スラリー取出口から
抜き出したスラリーを、前記外部送液管及び原料ガス供
給管を介して、反応器内部のスラリー状反応層へ戻すこ
とのできる送液手段;を含むことを特徴とするスラリー
床反応器(以下、原料ガス混入型反応器と称することが
ある)によって達成することもできる。更に、本発明
は、前記のスラリー還流型反応器又は原料ガス混入型反
応器の外部送液管の途中に、気液分離手段を設けた、そ
れぞれのスラリー床反応器にも関する。本明細書におい
て、前記のスラリー還流型反応器と原料ガス混入型反応
器とを区別する必要がない場合には、それらを集合的
に、単にスラリー床反応器又は反応器と称する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による反応器は、スラリー
床反応器(特にはジメチルエーテル合成用スラリー床反
応器)であり、その内部にスラリー状反応層と気層とを
含む。前記のスラリー状反応層は、媒体油、特には高沸
点媒体油〔例えば、高沸点食用油、深度脱硫軽油、フィ
シャートロプシュ合成油(FTオイル)又はn−セタ
ン〕に触媒微粒子を懸濁させた触媒スラリー層であり、
反応器の底部から上部に向かって充填され、その上に気
層が存在する。本発明の反応器は、更に、触媒スラリー
層の上部に存在する低濃度触媒含有スラリーを、制御さ
れた量で、触媒スラリー層の下部に送る手段を備えてい
る。
【0014】本発明による第1の装置であるスラリー還
流型反応器は、 (1)反応器上部に設けたスラリー取出口; (2)そのスラリー取出口よりも反応器の下部に設けた
スラリー挿入口;及び (3)前記スラリー取出口と前記スラリー挿入口とを連
絡する外部送液管;を含み、更に場合により (4)前記スラリー取出口から抜き出し、前記外部送液
管を介して、前記スラリー挿入口へスラリーを移送する
ことのできる手段;及び/又は (5)前記スラリー取出口から抜き出し、前記外部送液
管を介して、前記スラリー挿入口へ移送するスラリーの
量を制御することのできる手段; を含むことができる。
【0015】本発明に係るスラリー還流型反応器の一態
様を図1に示す。図1の各部分が、図3に示す従来のス
ラリー床反応器と同様の部分である場合は、同一の参照
数字で示す。この態様では、反応器本体13の上部側面
にスラリー取出口21を設け、そして反応器本体13の
下部側面にスラリー挿入口23を設け、それらを外部送
液管22によって連絡する。また、外部送液管22の途
中に、スラリー量を調整することのできる制御手段(例
えば、調整弁)25を設けると、攪拌制御ができるので
好ましい。従って、図1に示す反応器では、反応器上部
に存在する低濃度触媒含有スラリーを、気泡の上昇に伴
う対流の効果により、スラリー取出口21から外部送液
管22を経由して、更に好ましくは前記調整弁25によ
って流量を調整しながら、反応器下部のスラリー挿入口
23へ送り、そのスラリー挿入口23から低濃度触媒含
有スラリーを触媒スラリー層18へ送ることができるの
で、触媒の濃度勾配を均一化することができる。また、
スラリーの循環系が反応器の外部に設けられるので、反
応器内部を反応に有効に利用することができる。
【0016】更に、前記のスラリー還流型反応器におい
ては、外部送液管22の途中(好ましくは、スラリー取
出口21と前記調整弁25との間)に、気液分離手段
(例えば、気液分離室)31を設けることができる。こ
の気液分離室31においては、スラリー取出口21から
抜き出したスラリーに含まれている気層(生成物ガス)
14aを、触媒スラリー18bから分離することができ
る。こうして分離した生成物ガス14aを、ガスライン
26によって、反応器本体13の上部から連絡している
反応生成物ガスライン3に合流させることができる。ガ
スライン26の途中に調整弁32を設け、生成物ガス1
4aの排出の制御及び流量調整を行うのが好ましい。ま
た、調整弁25,32によって生成物ガス14aと触媒
スラリー18bとの排出を適宜調節して、外部送液管2
2には、生成物ガス14aを除いた触媒スラリー18b
のみを送ることができる。
【0017】本発明によるスラリー還流型反応器におい
て、前記調整弁25の代わりに、あるいは前記調整弁2
5に加えて、送液手段、例えば、送液ポンプ(図示せ
ず)を、外部送液管22の途中(好ましくは、前記調整
弁25又は気液分離室31とスラリー挿入口23との
間)に、設けることができる。送液ポンプ24によって
循環させる触媒スラリー量の調整を行うこともできる。
【0018】本発明による第2の装置である原料ガス混
入型反応器は、 (1)反応器上部に設けたスラリー取出口; (2)原料ガス送入口に連絡する原料ガス供給管に設け
たスラリー挿入口; (3)前記スラリー取出口と前記スラリー挿入口とを連
絡する外部送液管;及び (4)前記スラリー取出口から抜き出したスラリーを、
前記外部送液管及び原料ガス供給管を介して、反応器内
部のスラリー状反応層へ戻すことのできる送液手段;を
含む。
【0019】本発明に係る原料ガス混入型反応器の一態
様を図2に示す。図2の各部分が、図3に示す従来のス
ラリー床反応器と同様の部分である場合は、同一の参照
数字で示す。この態様でも、反応器本体13の上部側面
にスラリー取出口21を設ける。しかし、スラリー挿入
口23は、反応器本体13の底部に接続している原料ガ
ス供給管2の途中に設ける。そして、スラリー取出口2
1とスラリー挿入口23とを外部送液管22によって連
絡する。また、外部送液管22の途中に、送液手段、例
えば、送液ポンプ24を設ける。従って、図2に示す反
応器では、反応器上部に存在する低濃度触媒含有スラリ
ーを、送液ポンプ24により、スラリー取出口21から
外部送液管22に取り出し、好ましくは送液ポンプ24
によって流量を調整しながら、スラリー挿入口23へ送
り、その場でスラリーと原料ガスとを混合し、3相(気
体/液体/固体)スラリーの形で、反応器底部の原料ガ
ス噴出口19から噴出させる。
【0020】本発明に係る原料ガス混入型反応器では、
前記のように、原料ガス及び触媒スラリーを3相スラリ
ーの形で噴出口19から噴出させるので、原料ガスのみ
が噴出される通常の反応器とは異なり、触媒スラリー層
を吹き上げる能力が高い。従って、触媒スラリー層の底
部に存在する高濃度触媒含有媒体油が、前記の3相スラ
リーによって吹き上げられ、触媒の濃度勾配を均一化す
ることができる。また、スラリーの循環系が反応器の外
部に設けられるので、反応器内部を反応に有効に利用す
ることができる。この原料ガス混入型反応器において
も、スラリー量を調整することのできる制御手段(例え
ば、調整弁)を外部送液管22の途中に設けることがで
きる。
【0021】前記の原料ガス混入型反応器においても、
外部送液管22の途中に、気液分離手段、例えば、気液
分離室(図示せず)を設け、スラリー取出口21から抜
き出したスラリーに含まれている生成物ガスと触媒スラ
リーとを分離し、分離した生成物ガスを反応生成物ガス
ライン3に合流させ、スラリー挿入口23には、生成物
ガスを除いた触媒スラリーのみを送ることができる。
【0022】本発明に係るスラリー床反応器、特には原
料ガス混入型反応器においては、図2に示すように、外
部送液管22の途中に触媒スラリー補充ライン36を設
けることができる。触媒スラリー補充ライン36によ
り、触媒スラリータンク35から新しい触媒スラリー
を、送液ポンプ37により送液管36を介して、外部送
液管22に挿入することができる。また、図2に示すよ
うに、外部送液管22の途中に分枝ライン33と調整弁
34を設け、劣化した触媒スラリーを抜き出すことがで
きる。
【0023】本発明のスラリー還流型反応器及び原料ガ
ス混入型反応器において、スラリー取出口を設ける位置
は、低濃度の触媒を含有するスラリーを取り出すことの
できる位置であれば限定されないが、反応器内部の触媒
スラリー層の全体の高さに対して、好ましくはスラリー
液面から反応器底面方向へ1/3の高さ(スラリー層の
上から1/3の高さ)まで、より好ましくはスラリー液
面から反応器底面方向へ1/4の高さ(スラリー層の上
から1/4の高さ)まで、最も好ましくはスラリー液面
直下である。
【0024】また、本発明によるスラリー還流型反応器
において、スラリー挿入口を設ける位置は、前記のスラ
リー取出口よりも下部であれば限定されないが、反応器
本体の全体の高さに対して、好ましくは底面から頂部方
向へ1/3の高さ(反応器の下から1/3の高さ)ま
で、より好ましくは反応器本体の底面から頂部方向へ1
/4の高さ(反応器の下から1/4の高さ)まで、最も
好ましくは底面である。
【0025】本発明のスラリー床反応器をジメチルエー
テル合成反応器として用いる場合にも、反応器に前記の
スラリー取出口、スラリー挿入口、外部送液管、制御手
段、及び送液手段などを設けること以外の点では、従来
公知の同種のスラリー床ジメチルエーテル合成反応器と
同様の構造を有することができる。すなわち、反応器の
出口側に、まず反応生成ガスを冷却してメタノール及び
水を凝縮させて分離するメタノール/水分離器、残りの
ガスを更に冷却してジメチルエーテル及び二酸化炭素を
凝縮させ、一酸化炭素及び水素を分離する未反応ガス分
離器及び凝縮分離されたジメチルエーテルと二酸化炭素
とを分離するCO2 分離器をこの順に設けるのが好まし
い。上記のメタノール/水分離器と未反応ガス分離器
は、それぞれ凝縮器と気液分離器に分かれていてもよ
い。また、メタノール、水、ジメチルエーテル及び二酸
化炭素の全てを凝縮あるいは凝固させて一酸化炭素と水
素をまず分離し、その後でこの凝縮凝固物からジメチル
エーテルを分離する装置を用いることもできる。
【0026】こうしたジメチルエーテル合成反応器の一
例を図4に示す。この製造装置は反応器R、メタノール
/水分離器S1、未反応ガス分離器S2及びCO2 分離
器S3よりなっていることができる。反応器Rの底部に
は原料ガスライン2を接続させ、この原料ガスライン2
には新たな原料ガスを供給するメイクアップ(フレッシ
ュ)ガスライン1と未反応CO及びH2 を循環供給する
リサイクルガスライン7を接続させることができる。反
応器Rの頂部から排出された反応生成物は、反応生成物
ガスライン3によりメタノール/水分離器S1に運ばれ
る。メタノール/水分離器S1のメタノール/水出口に
はメタノール/水ライン4が接続され、反応生成物出口
には反応生成物ガスライン5が接続されている。反応生
成物ガスライン5は未反応ガス分離器S2に接続され
る。この未反応ガス分離器S2の未反応ガス出口には前
述のリサイクルガスライン7の他端が接続されている。
このリサイクルガスライン7の途中にはそのガスの一部
を引き抜くパージライン10が接続されている。未反応
ガス分離器S2のジメチルエーテル/CO2 出口にはジ
メチルエーテル/CO2 ライン6が接続され、ジメチル
エーテル/CO2 ライン6の他端はCO2 分離器S3に
接続され、CO2 分離器S3のCO2 出口にはCO2
イン8が接続され、ジメチルエーテル出口にはジメチル
エーテルライン9がそれぞれ接続されている。
【0027】本発明の反応器をジメチルエーテル合成反
応器として用いる場合には、ジメチルエーテル合成触媒
として、メタノール合成触媒とメタノール脱水触媒とを
混合して充填し、更に場合により水性ガスシフト触媒を
加えることもできる。
【0028】本発明の反応器において用いることのでき
る媒体油は、使用する反応条件下において液体状態を呈
するものであれば、特に限定されない。例えば、ジメチ
ルエーテル合成反応の場合には、脂肪族、芳香族及び脂
環族の炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケ
トン及びハロゲン化物、これらの化合物の混合物等を使
用することができる。また、硫黄分を除去した軽油、減
圧軽油、水素化処理したコールタールの高沸点留分、フ
ィッシャートロプシュ合成油、高沸点食用油等も使用す
ることができる。媒体油中に存在させる触媒量は、媒体
油の種類、反応条件などによって適宜決定することがで
きるが、通常は媒体油に対して1〜50重量%であり、
10〜30重量%程度が好ましい。
【0029】本発明の反応器において用いることのでき
る反応条件も特に限定されるものではないが、ジメチル
エーテル合成反応の場合には、反応温度は好ましくは1
50〜400℃、より好ましくは250〜350℃であ
る。反応温度が150℃より低いか又は400℃より高
いと、一酸化炭素の転化率が低くなることがある。反応
圧力は、好ましくは10〜100kg/cm2 、より好
ましくは15〜80Kg/cm2 、特に好ましくは20
〜70kg/cm2 である。反応圧力が10kg/cm
2 より低いと一酸化炭素の転化率が低くなることがあ
り、また100kg/cm2 より高いと反応器が特殊な
ものとなり、また昇圧のために多大なエネルギーが必要
であって経済的でない。空間速度(触媒lkgあたりの
標準状態における混合ガスの供給速度)は、好ましくは
100〜50000l/kg・h、より好ましくは50
0〜30000l/kg・hである。空間速度が500
00l/kg・hより大きいと一酸化炭素の転化率が低
くなることがあり、また100l/kg・hより小さい
と反応器が極端に大きくなって経済的でないことがあ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、触媒スラリー層内の触
媒の偏在化を有効に防止すると共に、反応器内部空間を
全て反応に利用することのできるスラリー床反応器を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である反応器の構造を示す
説明図である。
【図2】本発明の別の実施態様である反応器の構造を示
す説明図である。
【図3】従来の反応器の一例の構造を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の反応器が組み込まれるジメチルエーテ
ル製造装置の一例のフローシートである。
【符号の説明】
1・・・メイクアップ(フレッシュ)ガスライン;2・
・・原料ガスライン;3・・・反応生成物ガスライン;
4・・・メタノール/水ライン;5・・・反応生成物ガ
スライン;6・・・ジメチルエーテル/CO2 ライン;
7・・・リサイクルガスライン;8・・・CO2 ライ
ン;9・・・ジメチルエーテルライン;10・・・パー
ジライン;12・・・スラリー液面;13・・・反応器
本体;14,14a・・・気層;15・・・ドラフトチ
ューブ;17・・・伝熱管;18・・・スラリー状反応
層;18a・・・触媒スラリー;19・・・原料ガス噴
出口;21・・・スラリー取出口;22・・・外部送液
管;23・・・スラリー挿入口;24・・・送液ポン
プ;25,32,34・・・調整弁;26・・・ガスラ
イン;31・・・気液分離室;33・・・触媒スラリー
抜出しライン;35・・・触媒スラリータンク;36・
・・触媒スラリー補充ライン;37・・・送液ポンプ;
R・・・反応器;S1・・・メタノール/水分厳器;S
2・・・未反応ガス分離器;S3・・・CO2 分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 小野 正巳 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末触媒を媒体油に懸濁させたスラリー
    状反応層とその上部の気層とを反応器内部に含み、反応
    器下部に原料ガス送入口と反応器上部に生成物排出口と
    を備えたスラリー床反応器において、反応器上部に設け
    たスラリー取出口;そのスラリー取出口よりも反応器の
    下部に設けたスラリー挿入口;及び、前記スラリー取出
    口と前記スラリー挿入口とを連絡する外部送液管;を含
    むことを特徴とするスラリー床反応器。
  2. 【請求項2】 粉末触媒を媒体油に懸濁させたスラリー
    状反応層とその上部の気層とを反応器内部に含み、反応
    器下部に原料ガス送入口と反応器上部に生成物排出口と
    を備えたスラリー床反応器において、反応器上部に設け
    たスラリー取出口;前記の原料ガス送入口に連絡する原
    料ガス供給管に設けたスラリー挿入口;前記スラリー取
    出口と前記スラリー挿入口とを連絡する外部送液管;及
    び、前記スラリー取出口から抜き出したスラリーを、前
    記外部送液管及び原料ガス供給管を介して、反応器内部
    のスラリー状反応層へ戻すことのできる送液手段;を含
    むことを特徴とするスラリー床反応器。
  3. 【請求項3】 前記外部送液管の途中に、気液分離手段
    を設けた請求項1又は2に記載のスラリー床反応器。
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