JPH10191048A - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法および画像処理装置

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JPH10191048A
JPH10191048A JP9261692A JP26169297A JPH10191048A JP H10191048 A JPH10191048 A JP H10191048A JP 9261692 A JP9261692 A JP 9261692A JP 26169297 A JP26169297 A JP 26169297A JP H10191048 A JPH10191048 A JP H10191048A
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Yasuhiko Murayama
靖彦 村山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シェーディングの影響が顕著に現れやすい線
画に対して少ないワークメモリでシェーディングの影響
を除去し、見た目によい画像とする。 【解決手段】 入力された画像データの所定ラインごと
にそのラインを構成する画素が線画のエッジ部を構成す
る画素か否かを判断し、当該処理対象ラインにおいて、
線画におけるエッジ部の輝度の影響を除去した各画素ご
との輝度値を求める背景予測処理を行う(ステップs
1)。次に、この背景予測処理で得られた処理対象ライ
ンにおける各画素ごとの輝度値にエッジ部以外の線画部
分の影響が含まれているか否かを判断し、エッジ部以外
の線画部分の影響が含まれている場合に、その影響を除
去した各画素ごとの輝度値を求める背景予測の修正処理
を行う(ステップs2)。さらに、この背景予測の修正
処理で得られた各画素ごとの輝度値基に、所望の輝度値
となるように輝度補正して背景補正する(ステップs
3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像および画像関
連機器における画像処理技術に関するもので、CCDカ
メラなどのシェーディング(照明むらによる輝度差)が
生じるセンサで撮られた画像のシェーディングを補正す
るのに適した画像処理方法および画像処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】CCDカメラなどのエリアセンサで撮ら
れた画像は、シェーディングによる影響により、ディジ
タル処理後の画像に暗い影が生じる場合がある。特に、
画像の端部に近い部分(画像の周辺部という)にシェー
ディングの影響が現れやすい。さらに、風景などの自然
画を取り込んだ場合に比べ、均一な背景色の中に文字や
図形などの線画が存在する画像を取り込んだ場合に、シ
ェーディングの影響が画像に顕著に現れ、見た目によく
ない画像となる場合が多い。
【0003】ところで、最近では、手書き入力情報だけ
でなくCCDカメラを内蔵して画像の取り込みをも可能
にした小型携帯情報処理機器が実用化されてきている。
この小型携帯情報処理機器は、取り込んだ情報を取り込
みと同時に表示したり、すでに取り込まれている情報を
読み出して表示するための表示部が設けられている。こ
のような小型携帯機器の表示部としては、電池の寿命を
考慮して反射形の液晶表示装置(LCDという)が用い
られることが多い。
【0004】このLCDは、一般に、表示階調数が少な
く、たとえば4階調程度である場合が多い。これに対し
て、CCD撮像素子を用いたCCDカメラは、256階
調というように高い階調数を持っている。したがって、
CCDカメラで取り込んだ画像をLCDに表示する場合
は、階調数を減らす必要がある。
【0005】この階調を減らす処理を行う際、前記した
ようなシェーディングの影響を受けて周辺が暗くなった
画像を、たとえば、4値化処理すると、処理後の画像
は、周辺部の暗い部分が黒いつぶれとなって現れる場合
もある。
【0006】そこで、シェーディングの影響を受けた画
像に対して、そのシェーディングの影響を補正する必要
が生じてくる。
【0007】従来のシェーディング補正の方法として、
シェーディングの影響を受けた1画面分の画像データを
取り込んだのち、似たような明るさになるように画面を
幾つかの領域に分割して、全体が滑らかな明るさの変化
となるような処理を行うものがある(信学技報、IE9
6−21,1996−09、「CCDカメラで取り込ん
だ画像の2値化に関する研究」)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術は、シェ
ーディング補正を行う際、1画面分の画像データを取り
込んで幾つかの領域に分割する処理を行うため、ワーク
メモリとして、少なくとも1画面分の画像データを蓄え
るための大きな容量を持ったメモリが必要となる。
【0009】しかし、CCDカメラは一般に小型の機器
に使用される場合が多い。特に、電子手帳のような携帯
用の情報処理機器に、今後、さらに使用されることが多
くなると思われる。この種の機器にあっては、小型、軽
量化は勿論、低コスト化も要求され、使用する部品にも
大きな制約がある。したがって、ワークメモリなどもな
るべく小容量のものを使用することが望ましい。
【0010】また、CCDカメラで撮影される被写体
は、線画のみではなく、風景などの自然画もその対象と
なる。そして、これらの画像を前記したように、階調数
の少ない表示部で表示する場合には、階調数を少なくす
る処理(たとえば、256階調を4階調とする処理)を
行う必要がある。
【0011】この階調数を少なくする処理としては、
「大津の方法」(電気通信学会論文誌、'84/4,vol.J63-
D No.4 349頁)や誤差拡散法、ディザ法などを適用す
ることで対応できる。
【0012】前記した「大津の方法」は、2値化するた
めのしきい値を設定するには適した技術である。これを
利用して、たとえば、4値化する場合には、まず、2値
化のためのしきい値を決定する処理を行ったのち、その
しきい値により分割されたそれぞれの領域に対して同様
にそれぞれしきい値を求めるという処理を行う。この方
法は、n値化を行うための演残量は多いが、線画などエ
ッジを明瞭に保存する必要のある画像に対しては有効な
方法である。
【0013】一方、誤差拡散法やディザ法は、面積的に
階調を出そうとするものであるため、エッジが保存され
にくい欠点がある。このため、明るい背景の中に文字や
図形などの線画が存在するような画像を取り込んで、階
調変換処理するような場合は、その有意情報である線画
のエッジ部分が不明瞭なものとなりやすく、見た目によ
い画像が得られないという問題がある。
【0014】このように、文字や図形などの線画に対し
ては、大津の方法などによる固定的なしきい値を用いた
2値化処理が適し、自然画に対しては面積的に階調を出
そうとする誤差拡散法やディザ法階調が適している。し
たがって、階調を減らすためには、線画か自然画かに応
じて、階調処理方法を選択して階調処理を施すことが望
ましい。
【0015】そこで本発明は、まず、シェーディングの
影響が顕著に現れやすい文字や図形などの線画に対し
て、所定ライン単位でシェーディングの影響を除去する
ことで、ワークメモリの小容量化を図ることを目的と
し、装置全体の小型軽量化を図り、低コスト化をも可能
とすることを1つの目的としている。
【0016】また、このシェーディング補正と、n−1
個のしきい値によるn値化処理とを組み合わせることに
より、CCDカメラなどのエリアセンサで撮られたシェ
ーディングのある画像に対して、そのシェーディングの
影響を無くし、かつ、エッジが保存された状態で階調を
減らすことができるようにし、さらに、線画か否かを判
断し、線画である場合のみにシェーディング補正すると
いう処理を行うことにより、シェーディングが顕著に現
れやすい線画のみに対してシェーディング補正処理を行
うことができ、処理を軽減し、処理時間の短縮化を図
る。さらにまた、線画か否かを判断し、線画であればシ
ェーディング補正を行うとともに、nー1個のしきい値
を用いた階調処理を行い、線画でなければ、自然画とみ
なして自然画に適した階調処理方法により階調処理する
という処理を行うことにより、CCDカメラなどのシェ
ーディングの発生しやすいエリアセンサで撮られた画像
を反射型のLCDなどに表示する際に、撮影対象に関係
なく撮影対象に適した処理を自動的に行い、良好な画像
を表示することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明の画像処理方法は、請求項1に記載され
るように、入力された画像データの所定ラインごとにそ
のラインを構成する画素が線画のエッジ部を構成する画
素か否かを判断し、当該処理対象ラインにおいて、線画
におけるエッジ部分の輝度の影響を除去した各画素ごと
の輝度値を求める背景予測処理を行ったのち、この背景
予測処理で得られた処理対象ラインにおける各画素ごと
の輝度値にエッジ部以外の線画部分の影響が含まれてい
るか否かを判断し、エッジ部以外の線画部分の影響が含
まれている場合に、その影響を除去した各画素ごとの輝
度値を求める背景予測の修正処理を行い、さらに、この
背景予測の修正処理で得られた各画素ごとの輝度値を基
に、所望とする輝度値となるように輝度値補正する背景
補正処理を行うことを特徴としている。
【0018】その具体的な方法としては、請求項2に記
載されるように、入力された画像データの所定ラインご
とにその所定ラインを構成する画素が線画のエッジ部を
構成する画素か否かを判断し、エッジを構成する画素で
ない場合は、それ以前に処理されたライン上の対応する
画素位置の輝度値をもとに処理中の画素の輝度値を演算
により求め、この求められた輝度値により、それ以前に
処理された輝度値を更新し、エッジを構成する画素であ
る場合は、それ以前に処理されたライン上の対応する画
素位置の輝度値をそのまま保持する処理を、所定ライン
づつその所定ラインを構成する画素ごとに繰り返した行
うことで、線画におけるエッジ部分の輝度の影響を除去
した各画素ごとの輝度値を所定ライン単位で求める背景
予測処理を行ったのち、この背景予測処理において得ら
れた所定ラインにおける各画素ごとの輝度値が、所望と
する輝度値以下であると判定された場合に、その輝度値
を有する画素を含む所定の探索範囲を設定し、その探索
範囲内における隣接画素との輝度変化を各画素ごとに調
べ、探索範囲内において輝度変化の少ない画素が予め設
定した数以上である場合には、その輝度変化の少ない画
素の輝度値を基にして輝度値を決定し、探索範囲内にお
いて輝度変化の少ない画素が予め設定した数より少ない
場合には、探索範囲全体の画素の輝度値をもとにして輝
度値を決定して、この決定された値により背景予測結果
の修正処理を行い、さらに、この背景予測結果の修正処
理により修正された結果と、所望とする値として設定さ
れた輝度値とを比較して、その差分を求め、求められた
差分を前記入力された画像データの対応する画素位置の
輝度値に対して加減することにより、所望の輝度値とな
るような背景補正を行うことを特徴としている。
【0019】このように本発明では、シェーディングの
影響が顕著に現れやすい文字や図形などの線画に対し
て、所定ライン単位でシェーディングの影響を除去する
ようにしている。特に、1ラインづつの処理を行うこと
により、ワークメモリとしては1ライン分のラインメモ
リで済むためワークメモリの小容量化を図ることがで
き、また、1ラインごとの処理であるため、画像の取り
込みを行いながら1ラインの処理が終了したらそれを表
示し、次の1ラインの処理が終了したらそれを表示する
ということができるため、連続的な入力に対応しやすい
という利点がある。さらに、請求項3に記載されている
ように、前記処理されたライン上の対応する画素位置の
画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を演算によ
り求める処理は、それ以前に処理されたライン上の対応
する画素位置の輝度値と、処理中の画素の輝度値との平
均をとる処理である。これにより、簡単な演算でエッジ
部分の輝度の影響を減らすことができる。
【0020】また、本発明の画像処理方法は、請求項4
に記載されるように、入力された画像データの所定ライ
ン単位の画像データからn値化を行う上で必要なn−1
個(nは2以上の正の整数)のしきい値を求めるための
データを所定ラインごとに取得し、ある1定のライン分
の処理が終了したのち、n−1個のしきい値を求め、前
記入力された画像データを所定ライン単位でシェーディ
ング補正を行い、このシェーディング補正された画像を
前記n−1個のしきい値を用いてn値化処理することを
特徴としている。
【0021】この請求項4の発明は、シェーディング補
正処理と、n−1個のしきい値を用いたn値化処理とを
組み合わせたものである。これは、CCDカメラなどの
エリアセンサで撮られたシェーディングのある画像に対
して、そのシェーディングの影響を無くし、かつ、エッ
ジが保存された状態で階調を減らす必要のある場合に、
有効な方法となる。さらに、ラインごとの処理であるた
め、前記同様、ワークメモリを小容量化することがで
き、画像の取り込みを行いながら1ラインの処理が終了
したらそれを表示し、次の1ラインの処理が終了したら
それを表示するということができるため、連続的な入力
に対応しやすいという利点がある。
【0022】また、本発明の画像処理方法は、請求項5
に記載されるように、入力された画像データの所定ライ
ン単位の画像データから画像が線画による画像か否かを
判断するために必要なデータを所定ラインごとに取得
し、ある1定のライン分の処理が終了したのち、線画か
否かを判断し、線画による画像であると判断された場合
は、前記画像データを所定ライン単位でシェーディング
補正することを特徴としている。
【0023】この請求項5の発明は、線画か否かを判断
し、線画であればシェーディング補正を行うというもの
である。これにより、シェーディングが顕著に現れやす
い線画のみに対してシェーディング補正処理を行うこと
ができ、線画のシェーディングを目立たなくすることが
でき、かつ、線画のみに対して補正処理を行うことで、
処理を軽減し、処理時間の短縮化も図れる。さらに、ラ
インごとの処理であるため、前記同様の効果も得られ
る。
【0024】また、本発明の画像処理方法は、請求項6
に記載されるように、入力された画像データの所定ライ
ン単位の画像データから画像が線画による画像か否かを
判断するために必要なデータを所定ラインごとに取得
し、ある1定のライン分の処理が終了したのち、線画か
否かを判断するとともに、入力された画像データの所定
ライン単位の画像データからn値化を行う上で必要なn
−1個のしきい値を求めるためのデータを所定ラインご
とに取得し、ある1定のライン分の処理が終了したの
ち、n−1個のしきい値を求め、前記線画判断により線
画であると判断された場合には、前記入力された画像デ
ータを所定ライン単位でシェーディング補正を行い、こ
のシェーディング補正された画像をn−1個のしきい値
を用いてn値化処理を行い、前記線画判断により線画で
ないと判断された場合は、面積的な階調を得る階調処理
を行うことを特徴としている。
【0025】この請求項6の発明は、線画か否かを判断
し、線画であればシェーディング補正を行うとともに、
nー1個のしきい値を用いた階調処理を行い、線画でな
ければ、自然画とみなして自然画に適した階調処理(た
とえば、ディザ処理や誤差拡散処理)を行うものであ
る。
【0026】これにより、CCDカメラなどのシェーデ
ィングの発生しやすいエリアセンサで撮られた画像を反
射型のLCDなどに表示する場合、階調を落とす処理を
行う際、線画に対してはシェーディング補正を行うとと
もに、n−1個のしきい値を用いてn値化処理し、自然
画に対しては自然画に適した階調処理を行うので、撮影
対象に関係なく撮影対象に適した処理が自動的に行え、
良好な画像を表示することができる。さらに、ラインご
との処理であるため、前記同様の効果も得られる。
【0027】前記請求項4、5、6のいずれかの発明に
おいて、前記シェーディング補正処理は、入力された画
像データの所定ラインごとにその所定ラインを構成する
画素が線画のエッジ部を構成する画素か否かを判断し、
エッジを構成する画素でない場合は、それ以前に処理さ
れたライン上の対応する画素位置の輝度値をもとに処理
中の画素の輝度値を演算により求め、この求められた輝
度値により、それ以前に処理された輝度値を更新し、エ
ッジを構成する画素である場合は、それ以前に処理され
たライン上の対応する画素位置の輝度値をそのまま保持
する処理を、所定ラインづつその所定ラインを構成する
画素ごとに繰り返して行うことで、線画におけるエッジ
部分の輝度の影響を除去した各画素ごとの輝度値を所定
ライン単位で求める背景予測処理を行ったのち、この背
景予測処理において得られた所定ラインにおける各画素
ごとの輝度値が、所望とする輝度値以下であると判定さ
れた場合に、その輝度値を有する画素を含む所定の探索
範囲を設定し、その探索範囲内における隣接画素との輝
度変化を各画素ごとに調べ、探索範囲内において輝度変
化の少ない画素が予め設定した数以上である場合には、
その輝度変化の少ない画素の輝度値を基にして輝度値を
決定し、探索範囲内において輝度変化の少ない画素が予
め設定した数より少ない場合には、探索範囲全体の画素
の輝度値をもとにして輝度値を決定して、この決定され
た値により背景予測結果の修正処理を行い、さらに、こ
の背景予測結果の修正処理により修正された結果と、所
望とする値として設定された輝度値とを比較して、その
差分を求め、求められた差分を前記入力された画像デー
タの対応する画素位置の輝度値に対して加減することに
より、所望の輝度値となるような背景補正を行うように
している。
【0028】そして、請求項8に記載されるように、前
記処理されたライン上の対応する画素位置の画素の輝度
値をもとに処理対象画素の輝度値を演算により求める処
理は、それ以前に処理されたライン上の対応する画素位
置の輝度値と、処理中の画素の輝度値との平均をとるよ
うにししている。
【0029】シェーディング補正をこのような方法で行
うことにより、シェーディングの影響が顕著に現れやす
い文字や図形などの線画に対して、所定ライン単位でシ
ェーディングの影響を確実に除去することができ、良好
な画像を得ることができる。特に、1ラインづつの処理
を行うことにより、ワークメモリとしては1ライン分の
ラインメモリで済むためワークメモリの小容量化を図る
ことができ、また、1ラインごとの処理であるため、画
像の取り込みを行いながら1ラインの処理が終了したら
それを表示し、次の1ラインの処理が終了したらそれを
表示するということができるため、連続的な入力に対応
しやすいという利点がある。
【0030】さらに、処理されたライン上の対応する画
素位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を
演算により求める処理は、それ以前に処理されたライン
上の対応する画素位置の輝度値と、処理中の画素の輝度
値との平均をとる処理であるため、背簡単な演算でエッ
ジ部分の輝度の影響を減らすことができる。
【0031】また、本発明の画像処理装置は、請求項9
に記載されるように、入力された画像データの所定ライ
ン分のデータを保持する画像データ用ラインメモリと、
この画像データ用ラインメモリに保持された所定ライン
分の画像データを構成するそれぞれの画素が線画のエッ
ジ部を構成する画素か否かを判断し、当該処理対象ライ
ンにおいて、線画におけるエッジ部分の輝度の影響を除
去した各画素ごとの輝度値を求めることで背景予測を行
う背景予測手段と、この背景予測手段で得られた処理対
象ラインにおける各画素ごとの輝度値を保持する背景予
測用ラインメモリと、この背景予測手段で得られた背景
予測用ラインメモリの内容をもとに、処理対象ラインに
おける背景予測された各画素ごとの輝度値にエッジ部以
外の線画部分の影響が含まれているか否かを判断し、エ
ッジ部以外の線画部分の影響が含まれている場合に、そ
の影響を除去した各画素ごとの輝度値を求め、前記背景
予測用ラインメモリの対応する位置の画素の輝度値をそ
の求めた値に更新する背景予測修正手段と、この背景予
測修正手段による修正後の結果が保持された背景予測用
ラインメモリの内容を基に、前記画像データ用ラインメ
モリの内容を所望とする輝度値となるように輝度補正す
る背景補正手段とを有することを特徴としている。
【0032】その具体的な装置としては、請求項10に
記載されるように、入力された画像データの所定ライン
分のデータを保持する画像データ用ラインメモリと、こ
の画像データ用ラインメモリに保持された画像データの
所定ラインごとにその所定ラインを構成する画素が線画
のエッジ部を構成する画素か否かを判断し、エッジを構
成する画素でない場合は、それ以前に処理されたライン
上の対応する画素位置の輝度値をもとに、処理中の画素
の輝度値を演算により求め、この求められた輝度値によ
り、それ以前に処理された輝度値を更新し、エッジを構
成する画素である場合は、それ以前に処理されたライン
上の対応する画素位置の輝度値をそのまま保持する処理
を、所定ラインづつその所定ラインを構成する画素ごと
に繰り返して行うことで、線画におけるエッジ部分の輝
度の影響を除去した処理対象ラインにおける各画素ごと
の輝度値をライン単位で求める背景予測手段と、この背
景予測手段で得られた処理対象ラインにおける各画素ご
との輝度値を保持する背景予測用ラインメモリと、前記
背景予測処理において得られた背景予測用ラインメモリ
の内容をもとに、処理対象ラインにおいて、各画素位置
対応の輝度値が、所望とする輝度値以下であると判定さ
れた場合に、その輝度値を有する画素を含む所定範囲の
探索範囲を設定し、その探索範囲内における隣接画素と
の輝度変化を各画素ごとに調べ、探索範囲内において輝
度変化の少ない画素が予め設定した数以上である場合に
は、その輝度変化の少ない画素の輝度値を基にして輝度
値を決定し、探索範囲内において輝度変化の少ない画素
が予め設定した数より少ない場合には、探索範囲全体の
画素の輝度値を基にして輝度値を決定し、前記背景予測
用ラインメモリの対応する画素位置の内容を前記決定さ
れた内容に更新して背景予測結果の修正を行う背景予測
修正手段と、前記背景予測結果修正手段により修正され
た結果と、所望とする値として設定された輝度値とを比
較してその差分を求め、求められた差分を前記画像デー
タ用ラインメモリの対応する画素位置の輝度値に対して
加減することにより所望とする輝度値に輝度補正する背
景補正手段とを有することを特徴としている。
【0033】このように本発明では、シェーディングの
影響が顕著に現れやすい文字や図形などの線画に対し
て、所定ライン単位でシェーディングの影響を除去する
ようにしている。特に、1ラインづつの処理を行うこと
により、ワークメモリとしては1ライン分の画像データ
用ラインメモリと背景予測用ラインメモリで済むためワ
ークメモリの小容量化を図ることができ、装置全体を小
型軽量化が図れ、低コスト化も可能となる。また、1ラ
インごとの処理であるため、画像の取り込みを行いなが
ら1ラインの処理が終了したらそれを表示し、次の1ラ
インの処理が終了したらそれを表示するということがで
きるため、連続的な入力に対応しやすいという利点があ
る。
【0034】さらに、請求項11に記載されているよう
に、前記処理されたライン上の対応する画素位置の画素
の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を演算により求
める処理は、それ以前に処理されたライン上の対応する
画素位置の輝度値と、処理中の画素の輝度値との平均を
とる処理である。これにより、簡単な演算でエッジ部分
の輝度の影響を減らすことができる。
【0035】また、本発明の画像処理装置は、請求項1
2に記載されるように、入力された画像データの所定ラ
イン単位のデータを保持する画像データ用ラインメモリ
と、この画像データ用ラインメモリに保持された画像デ
ータをもとに、所定ライン単位で画像データのシェーデ
ィング補正を行うシェーディング補正手段と、前記画像
データ用ラインメモリに保持された画像データから、n
値化を行う上で必要なn−1個のしきい値を求めるため
のデータを取得し、ある1定のライン分の処理が終了し
た後に、n−1個のしきい値を求めるしきい値算出手段
と、前記シェーディング補正手段によりシェーディング
補正された画像を前記n−1個のしきい値を用いてn値
化処理するn値化処理手段とを有することを特徴として
いる。
【0036】この請求項12の発明は、シェーディング
補正手段と、n−1個のしきい値を得るしきい値算出手
段と、n値化処理手段とを組み合わせたものである。こ
れは、CCDカメラなどのエリアセンサで撮られたシェ
ーディングのある画像に対して、そのシェーディングの
影響を無くし、かつ、エッジが保存された状態で階調を
減らす必要のある場合に、有効な装置となる。さらに、
ラインごとの処理であるため、前記同様、ワークメモリ
を小容量化することができ、画像の取り込みを行いなが
ら1ラインの処理が終了したらそれを表示し、次の1ラ
インの処理が終了したらそれを表示するということがで
きるため、連続的な入力に対応しやすいという利点があ
る。
【0037】また、本発明の画像処理装置は、請求項1
3に記載されるように、入力された画像データの所定ラ
イン単位のデータを保持する画像データ用ラインメモリ
と、この画像データ用ラインメモリに保持された画像デ
ータをもとに、所定ライン単位で画像データが線画か否
かを判断するために必要なデータを取得し、ある1定の
ライン分の処理が終了した後に、線画か否かを判断する
線画判断手段と、前記画像データ用ラインメモリに保持
された画像データをもとに、所定ライン単位で画像デー
タのシェーディング補正を行うシェーディング補正手段
と、前記線画判断手段から線画による画像であるとの判
断結果を受けると、前記画像データ用ラインメモリの内
容をシェーディング補正手段に与えるスイッチ手段とを
有することを特徴としている。
【0038】この請求項13の発明は、線画か否かを判
断し、線画であればシェーディング補正を行うというも
のである。これにより、シェーディングが顕著に現れや
すい線画のみに対してシェーディング補正処理を行うこ
とができ、線画のシェーディングを目立たなくすること
ができ、かつ、線画のみに対して補正処理を行うこと
で、処理を軽減し、処理時間の短縮化も図れる。さら
に、ラインごとの処理であるため、前記同様の効果も得
られる。
【0039】また、本発明の画像処理装置は、請求項1
4に記載されるように、入力された画像データの所定ラ
イン単位のデータを保持する画像データ用ラインメモリ
と、この画像データ用ラインメモリに保持された画像デ
ータをもとに、所定ライン単位で画像データが線画か否
かを判断するために必要なデータを取得し、ある1定の
ライン分の処理が終了したのちに、線画か否かを判断す
る線画判断手段と、前記画像データ用ラインメモリに保
持された画像データからn値化を行う上で必要なn−1
個のしきい値を求めるためのデータを取得し、ある1定
のライン分の処理が終了したのちに、n−1個のしきい
値を求めるしきい値算出手段と、前記画像データ用ライ
ンメモリに保持された画像データをもとに、所定ライン
単位で画像データのシェーディング補正を行うシェーデ
ィング補正手段と、前記シェーディング補正手段により
シェーディング補正された画像を前記n−1個のしきい
値を用いてn値化処理するn値化処理手段と、線画以外
の画像に対して面積的な階調処理を行う自然画用階調処
理手段と、前記線画判断手段からの線画か線画でないか
の判断結果に応じて、前記しきい値算出手段、シェーデ
ィング補正手段、n値化手段からなる線画用の階調処理
手段か前記自然画用階調処理手段のいずれかを選択する
選択手段とを有し、線画の場合は前記線画用の階調処理
手段によりシェーディング補正を含んだ階調処理を行
い、線画でない場合は前記自然画用の階調処理手段によ
り階調処理を行うことを特徴としている。
【0040】この請求項14の発明は、線画か否かを判
断し、線画であればシェーディング補正を行うととも
に、nー1個のしきい値を用いた階調処理を行い、線画
でなければ、自然画とみなして自然画に適した階調処理
(たとえば、ディザ処理や誤差拡散処理)を行うもので
ある。
【0041】これにより、CCDカメラなどのシェーデ
ィングの発生しやすいエリアセンサで撮られた画像を反
射型のLCDなどに表示する場合、階調を落とす処理を
行う際、線画に対してはシェーディング補正を行うとと
もに、n−1個のしきい値を用いてn値化処理し、自然
画に対しては自然画に適した階調処理を行うので、撮影
対象に関係なく撮影対象に適した処理が自動的に行え、
良好な画像を表示することができる。さらに、ラインご
との処理であるため、前記同様の効果も得られる。
【0042】前記請求項12、13、14のいずれかの
発明において、シェーディング補正手段は、入力された
画像データの所定ライン分のデータを保持する画像デー
タ用ラインメモリと、この画像データ用ラインメモリに
保持された画像データの所定ラインごとにその所定ライ
ンを構成する画素が線画のエッジ部を構成する画素か否
かを判断し、エッジを構成する画素でない場合は、それ
以前に処理されたライン上の対応する画素位置の輝度値
をもとに、処理中の画素の輝度値を演算により求め、こ
の求められた輝度値により、それ以前に処理された輝度
値を更新し、エッジを構成する画素である場合は、それ
以前に処理されたライン上の対応する画素位置の輝度値
をそのまま保持する処理を、所定ラインづつその所定ラ
インを構成する画素ごとに繰り返して行うことで、線画
におけるエッジ部分の輝度の影響を除去した処理対象ラ
インにおける各画素ごとの輝度値をライン単位で求める
背景予測手段と、この背景予測手段で得られた処理対象
ラインにおける各画素ごとの輝度値を保持する背景予測
用ラインメモリと、前記背景予測処理において得られた
背景予測用ラインメモリの内容をもとに、処理対象ライ
ンにおいて、各画素位置対応の輝度値が、所望とする輝
度値以下であると判定された場合に、その輝度値を有す
る画素を含む所定範囲の探索範囲を設定し、その探索範
囲内における隣接画素との輝度変化を各画素ごとに調
べ、探索範囲内において輝度変化の少ない画素が予め設
定した数以上である場合には、その輝度変化の少ない画
素の輝度値を基にして輝度値を決定し、探索範囲内にお
いて輝度変化の少ない画素が予め設定した数より少ない
場合には、探索範囲全体の画素の輝度値を基にして輝度
値を決定し、前記背景予測用ラインメモリの対応する画
素位置の内容を前記決定された内容に更新して背景予測
結果の修正を行う背景予測修正手段と、前記背景予測結
果修正手段により修正された結果と、所望とする値とし
て設定された輝度値とを比較してその差分を求め、求め
られた差分を前記画像データ用ラインメモリの対応する
画素位置の輝度値に対して加減することにより所望とす
る輝度値に輝度補正する背景補正手段とを有することを
特徴としている。
【0043】そして、前記処理されたライン上の対応す
る画素位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度
値を演算により求める処理は、それ以前に処理されたラ
イン上の対応する画素位置の輝度値と処理中の輝度値の
平均をとるようにしている。シェーディング補正をこの
ような装置を用いて行うことにより、シェーディングの
影響が顕著に現れやすい文字や図形などの線画に対し
て、所定ライン単位でシェーディングの影響を確実に除
去することができ、良好な画像を得ることができる。特
に、1ラインづつの処理を行うことにより、ワークメモ
リとしては1ライン分の画像データ用ラインメモリと背
景予測用ラインメモリで済むためワークメモリの小容量
化を図ることができ、装置の小型軽量化、低コスト化が
図れる。また、1ラインごとの処理であるため、画像の
取り込みを行いながら1ラインの処理が終了したらそれ
を表示し、次の1ラインの処理が終了したらそれを表示
するということができるため、連続的な入力に対応しや
すいという利点がある。
【0044】さらに、処理されたライン上の対応する画
素位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を
演算により求める処理は、それ以前に処理されたライン
上の対応する画素位置の輝度値と、処理中の画素の輝度
値との平均をとる処理であるため、簡単な演算でエッジ
部分の輝度の影響を減らすことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0046】(第1の実施の形態)この第1の実施の形
態では、撮影対象画像はほぼ均一色の背景内に文字や図
形などの線画が描かれているような画像であるものと
し、その画像がシェーディングの影響を受けているもの
とする。図1は第1の実施の形態の全体的な概略処理を
説明するフローチャートであり、以下、処理手順を説明
する。
【0047】まず、概略的な処理について説明し、個々
の詳細な処理については、のちに説明する。
【0048】図1において、CCDカメラで取り込まれ
た画像データの1ライン分のデータについて背景を予測
するための背景予測を行う(ステップs1)。そして、
その背景予測された結果を用いて、予測結果の修正を行
い(ステップs2)、その予測結果の修正データを参照
して背景補正を行う(ステップs3)。そして1画面の
全ラインの処理が終了したか否かを判断して(ステップ
s4)、終了していなければ、次のラインについてステ
ップs1以降の処理を行う。
【0049】前記背景予測処理は以下のようにして行
う。
【0050】図2はCCDカメラにより取り込まれた或
る1画面分の画像例を示すもので、明るい均一色の背景
10に文字などの線画20が存在している。そして、こ
の図2では表現されていないが、シェーディングの影響
を受けて、画像の周辺部が中央部に比べて暗い画像とな
っているものとする。
【0051】図3(a)は図2で示すような画像のある
1ライン(たとえば、図2の破線で示す1ライン)にお
ける画素(それぞれの画素番号を「0,1,2,・・
・,i,・・・,n」で表す)に対する輝度値(0から
255の輝度範囲をとるものとする)の関係を示すもの
で、輝度値が急激に落ち込んでいる部分は、文字を構成
する画素の輝度を示すものであり、その他は背景を構成
する画素の輝度を示している。なお、図2の破線で示す
1ライン上における文字部分の輝度と図3の輝度の変化
はこの場合、必ずしも一致していない。また、この画像
はシェーディングの影響を受けているので、背景部分の
輝度の変化曲線は、画像の中央付近の輝度が高く、両端
部に近いほど輝度が小さくなるような曲線を描いてい
る。
【0052】このようなシェーディングの影響を受けた
背景に対してシェーディングの影響を除去するのである
が、まず、文字の影響を殆ど除去して背景部分の輝度変
化を大まかになだらかにする処理を行う。これをここで
は背景予測処理と呼ぶ。この背景予測処理について、図
4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】図4において、まず、処理対象のラインが
最初のラインか否かを判定する(ステップs11)。最
初のラインである場合には、予測結果バッファに最初の
ラインを構成する各画素の輝度を画素対応にそのまま格
納する(ステップs12)。一方、処理対象のラインが
最初のラインでない場合には、ステップs13以降の処
理に入る。
【0054】ステップs13では、当該ラインにおける
処理対象画素の輝度値a〔i〕をその処理対象画素の直
前の画素の輝度値a〔i-1〕から引いて、その差をCと
する処理を行う。次に、ステップs13で求めたCの絶
対値と予め定めた定数αとを比較して(ステップs1
4)、当該画素が文字のエッジ部分の画素であるか、そ
れ以外の画素であるかを判定する。つまり、取り込まれ
た画像データの輝度範囲を0〜255とした場合、ここ
では、αを「10」程度に定め、|C|≦αであれば、
当該画素は背景部分を構成する画素であると判断し、|
C|≦αでなければ、文字のエッジ部分の画素であると
みなす。なお、αの値は「10」に限られるものではな
く、様々な条件によって最適な値を設定することができ
る。
【0055】この処理によって、処理対象画素が背景画
素であると判定された場合は、当該処理対象画素に対応
する予測結果バッファの内容を更新する。すなわち、予
測結果バッファの内容のうち、処理対象画素の位置に対
応する画素の輝度値に、処理対象画素の輝度値を足し算
してそれを2で割って、つまり、平均を取って、その計
算結果を予測結果バッファの対応する画素位置に格納す
る(ステップs15)。これをさらに具体的に説明す
る。
【0056】1ライン分の画素の番号を、1,2,・・
・,i,・・・,nで表すとすれば、予測結果バッファ
には1ライン分の各画素に対応した輝度値b〔1〕,b
〔2〕,・・・,b〔i〕,・・・,b〔n〕が格納さ
れる。そして、現在の処理対象画素が、あるラインのi
番目の画素であるとすれば、その処理対象画素の輝度値
a〔i〕と、予測結果バッファにすでに格納されている
前ラインのi番目の画素の輝度値b〔i〕との平均を取
って、その値を新たなデータとして、予測結果バッファ
のb〔i〕とする。背景の輝度において急激な変化はな
いと考えられるので、平均を取ることによりノイズに強
い背景予測となる。
【0057】そして次に、現在処理中の1ラインの全画
素について処理を終了したか否かを判断し(ステップs
16)、処理が終了していなければ、そのラインの次の
画素について、ステップs13の処理を行い、ステップ
s14にて|C|≦αであれば、当該画素は背景部分を
構成する画素であると判断し、ステップs15,s16
の処理を行う。このように、予測結果バッファには、そ
れぞれの位置の画素ごとに、前ラインの同位置の画素の
輝度値と現在処理中の画素との平均の輝度値が格納され
る。
【0058】そして、その1ラインのすべての画素につ
いての処理が終了すると、次に予測結果の修正処理に移
る。この処理については後に詳細に説明する。
【0059】以上のように、処理対象のラインにおける
それぞれの画素が背景であるとみなされた場合には、そ
れまでの計算結果(処理されたラインのそれぞれ対応す
る位置における画素の輝度値の平均値)を用いて、その
計算結果と現在処理中の画素の輝度値の平均を求めて、
それを新たなデータとして予測結果バッファに格納し、
次のラインでは、対応する位置の画素が背景であるとみ
なされた場合には、それまでの計算結果(対応する位置
の画素の輝度値の平均値)を用いて、その計算結果と現
在処理中の画素の輝度値の平均を求めて、それを新たな
データとして予測結果バッファに格納するという処理を
行う。
【0060】一方、ステップs14において、|C|≦
αでないと判定された場合、つまり、処理対象画素がエ
ッジ部を構成する画素であると判定された場合には、背
景の輝度の変化はなだらかであること、および、文字等
を構成するエッジ部分の影響の除去を考慮して、何も処
理を行わない。したがって、予測結果バッファの値は変
更されず、その画素に対応する位置の輝度値は、前ライ
ンまでに求められたデータがそのまま保持される。
【0061】図3(b)は以上のような背景予測処理を
行ったあとの或るライン(図3(a)と同じライン)に
おけるそれぞれの画素に対する輝度変化を示す曲線であ
る。この図3(b)からもわかるように、図3(a)に
比べて、シェーディングの影響による背景部分の輝度の
予測は、ある程度は滑らかなものとなっている。なお。
図3(b)において、L0はシェーディングの影響を除
去して或る一定の輝度値にしようとする際の所望とする
輝度値を示している。
【0062】また、図3(b)において、まだ、輝度の
急激な低下部分が残っている。これは、これまでの背景
予測処理ではエッジ部分以外の文字のデータは使われる
ため、その影響により生じるものである。
【0063】つまり、図4のフローチャートにおけるス
テップs14は、|C|≦αであれば背景、|C|≦α
でなければエッジというように説明したが、実際には文
字は一定の幅を持ち、幅を持つ線の部分を構成する画素
の場合は、隣接する画素との間で、|C|≦αが成り立
つことになり、その線の部分のデータが用いられて、ス
テップs15の処理が行われることになる。したがっ
て、図3(b)の輝度が急激に下がっている部分は、文
字の影響が少し残っているために生じるものである。こ
れを修正するのが予測結果の修正処理である。この予測
結果修正処理は予測結果バッファのデータを用いて、予
測結果の修正処理を行う(ステップs2)。この予測結
果の修正処理は、文字の影響が残った部分を中心に背景
を修正し、背景のみの輝度曲線を得る処理であり、以下
に、この予測結果の修正処理について図5のフローチャ
ートを参照しながら説明する。
【0064】図5において、まず、所望とする輝度L0
と処理対象ラインにおける1つの画素の輝度b〔i〕を
比較し(ステップs21)、L0>b〔i〕、つまり、
所望とする輝度L0よりも予測結果バッファ内のある画
素の輝度が小さい場合は、その画素は文字の影響が残っ
ていて輝度が落ち込んでいるものとみなして修正処理を
行う。この修正処理はステップs22以降の手順に従っ
て行う。
【0065】始めに探索範囲の設定を行う(ステップs
22)。この探索範囲の設定は、処理対象画素を中心
に、画像における1ライン上の幅の1/10程度を探索
範囲とし、その範囲の画素を探索範囲画素として設定す
る。たとえば、図3(b)において、iの位置の画素
が、L0>b〔i〕と判断された場合、その画素を中心
に、図示の如く、探索範囲wが設定される。
【0066】このようにして探索範囲の設定が行われる
と、次に初期化を行う(ステップs23)。この初期化
は、add〔1〕を0、countを0とするとともに、add
〔2〕を0、refを直前の画素の予測結果とする。これ
らの意味については、説明を分かり易くするため、ステ
ップs24,s25,s26の処理説明のなかで述べ
る。
【0067】ステップs24では、refから探索範囲内
のある画素の予測結果b〔j〕を引いた値が、予め定め
た定数βより小さいか否かの判断を行う。つまり、ref
−b〔j〕<βを判断する。ここで、jはステップs22
で設定された探索範囲内での位置を示す変数である。ま
た、βは画像の輝度範囲0〜255とした場合、β=2
0程度に設定される。この値βは、これに限られるもの
ではなく、様々な条件によって最適な値とすればよい。
【0068】そして、ref−b〔j〕<βである場合に
は、処理対象画素の予測結果が直前の画素の予測結果と
差が比較的小さいということであるため、その処理対象
画素の予測結果は良好な値であって輝度の変化が滑らか
であると判断する。このような処理対象画素の予測結果
が良好であると判断された場合は、その処理対象画素の
予測結果をこれまでのadd〔1〕に新たにプラスして、
それをadd〔1〕とする。さらに、良好であると判断さ
れた画素の数をこれまでのcountにプラスする(ステッ
プs25)。
【0069】このように、add〔1〕は探索範囲内にお
いて良好な予測結果を有する画素の予測結果を加算して
得られる値であり、countはその画素数を表すものであ
る。
【0070】ここで、処理対象画素が探索範囲内での最
初の画素であれば、add〔1〕は初期値として「0」、c
ountも初期値として「0」となっているので、この1番
目の画素に対する処理後には、add〔1〕の値は当該画
素の予測結果そのものとなるとともに、countは「1」
となる。
【0071】次に、ステップ26により、その処理対象
画素の予測結果を、これまでのadd〔2〕に新たにプラ
スして、それをadd〔2〕とする。たとえば、処置対象
画素の予測結果をb〔j〕とすれば、add〔2〕+b
〔j〕とし、その結果を新たなadd〔2〕とする。このa
dd〔2〕は、良好な予測結果か良好でない予測結果にか
かわらず探索範囲全体の画素の予測結果を加算して得ら
れる値である。たとえば、処理対象画素が探索範囲内で
の最初の画素であれば、add〔2〕は初期値として
「0」となっているので、この1番目の画素に対する処
理後には、add〔2〕の値は当該画素の予測結果そのも
のとなる。
【0072】ところで、前記ステップs24において、
ref−b〔j〕<βでない場合には、処理対象画素の予測
結果が直前の画素の予測結果と差が大きいということで
あるため、その処理対象画素の予測結果は良好でない
値、すなわち背景以外の文字等の影響が残る画素である
と判断する。このように、処理対象画素の予測結果が良
好でないと判断された場合は、直接、ステップ26の処
理を行い、その処理対象画素の予測結果をこれまでのad
d〔2〕に新たにプラスして、それをadd〔2〕とする。
このように、add〔2〕は、良好な予測結果か良好でな
い予測結果にかかわらず探索範囲全体の画素の予測結果
を加算して得られる値となる。
【0073】そして次に、探索範囲のすべての画素につ
いて処理が終了したか否かを判断し(ステップs2
7)、終了していなければ、当該探索範囲内の次の画素
についてステップs24、s25,s26の処理を行
う。
【0074】このようにして、探索範囲内のすべての画
素について処理が終了すると、次に、修正値の決定処理
を行う(ステップs28)。この修正値の決定処理は、
次のようにして行う。
【0075】まず、1つの探索範囲内における各画素に
ついての処理(ステップs24〜s26)が終了したの
ち、countの数、つまり、良好であるとされた予測結果
を有する画素数が幾つあるかを判断して、その数がある
一定数以上に達しているときは、add〔1〕の値(この
値は、良好であるとされた予測結果の累計値)を、coun
tの数で割って、平均の予測結果を求める。そして、こ
のようにして求められた平均の予測結果を、L0>b
〔i〕となった画素(ステップs21)に対する予測結
果の修正輝度値とする。ここである一定数以上としたの
は、ステップs2の予測結果の修正は統計量を基に修正
を行っており、サンプル数が少ない場合は、統計量とし
て適切でないからである。
【0076】一方、良好であるとされた予測結果を有す
る画素数がある一定数以上に達していないとき、つま
り、良好であるとされた予測結果を有する画素数が少な
いときは、ステップs26にて求められた探索範囲内の
予測結果累計値add〔2〕を、探索範囲内のすべての画
素数で割って、探索範囲内の平均の予測結果を求め、そ
の探索範囲内の平均の予測結果を、L0>b〔i〕とな
った画素(ステップs21)に対する予測結果の修正輝
度値とする。
【0077】このように、この修正処理は、設定された
探索範囲内において、良好であるとされた画素数がある
一定数以上存在する場合には、良好であるとされた予測
結果の累計値の平均の予測結果を用いて処理対象画素の
輝度値を修正処理し、良好であるとされた予測結果を有
する画素数が少ないときは、探索範囲内全体の予測結果
累計値の平均の予測結果を求め、探索範囲内全体の平均
の予測結果を用いて、処理対象画素の輝度値を修正処理
を行う。
【0078】以上のようにして、ある画素についての処
理が終了すると、次に、現在処理中のラインの全画素に
ついて処理が終了したか否かを判断し(ステップs2
9)、終了していなければ、ステップs21に処理が戻
って、再び、ステップs21以降の処理を行う。
【0079】図3(c)は以上説明した予測結果の修正
処理が終了して、文字の影響が殆どなくなった背景部分
の予測結果を示すものである。
【0080】次に、このような背景の予測結果を用い
て、シェーディングの影響を除去した一定の輝度値とす
る背景補正処理を行う(ステップs3)。
【0081】この背景補正処理は、図3(c)に示され
る予測結果の修正処理がなされた処理対象ラインの輝度
曲線において、処理対象ラインのそれぞれの画素に対す
る輝度値を、所望とするある一定の輝度値L0とする処
理であり、たとえば、ある一定の輝度値L0と予測結果
修正された輝度曲線との差を各画素ごとに取って、その
差を0とするように、処理対象ラインの各画素の輝度に
適当な値をプラスあるいはマイナスして行う。これによ
り、背景の輝度は、ある一定の輝度値L0となって、明
るさが一定となり、シェーディングの影響が除去された
ものとなる。
【0082】そして、最終的には、処理対象ラインにお
ける文字の部分を含めた輝度分布は図3(d)のように
なる。以上のような処理をすべてのラインについて行っ
たのちの画像は、画面全体がほぼ均一の明るい背景とな
り、シェーディングの影響が取り除かれた画像となる。
【0083】図6は本発明の実施の形態を実現するため
の装置の構成例を示すもので、レンズ1、CCDカメラ
2、A/D変換器3、CCD制御回路4、画像処理装置
5から構成されている。
【0084】画像処理装置5はこれまで説明した処理を
行う部分であり、画像データ用ラインメモリ51、背景
予測用ラインメモリ52、背景予測手段53、予測結果
修正手段54、背景補正手段55を有し、前記背景予測
用ラインメモリ52、背景予測手段53、予測結果修正
手段54、背景補正手段55によりシェーディング補正
部56を構成している。
【0085】前記画像データ用ラインメモリ51は、C
CDカメラ2で取り込まれてA/D変換された画像デー
タのある1ライン分のデータを格納するメモリである。
そして、背景予測手段52は、画像データ用ラインメモ
リ51に格納された1ライン分の画像データを用いて、
前記図4のフローチャートで説明したような背景予測処
理を行い、この背景予測を行う際のワークメモリとして
背景予測用ラインメモリ52が用いられる。この背景予
測用ラインメモリ52は、図4においては予測結果バッ
ファに相当するものであり、ある1ラインにおける全画
素の処理が終了した時点では、当該ラインにおける各画
素の予測結果がそれぞれの画素対応に格納される。
【0086】また、予測結果修正手段54は、図5のフ
ローチャートで説明した背景結果修正処理を行うもの
で、背景予測用ラインメモリ52の内容を用いて図5の
処理手順に沿った修正処理を行う。そして、背景予測用
ラインメモリ52のデータを、修正後のデータに更新す
る。
【0087】さらに、背景補正手段55は、図1のフロ
ーチャートのステップs3の処理を行うもので、修正後
のデータが格納された背景予測用ラインメモリ52のデ
ータを用て、画像データラインメモリ51の内容に対し
て背景補正を行い、最終的に図3(d)に示すような画
像とする。
【0088】以上の処理は1ライン毎に行われるもの
で、画像の取り込みを行いながら1ラインの処理が終了
したらそれを表示し、次の1ラインの処理が終了したら
それを表示するというような1ライン毎の連続的な処理
を行う。
【0089】以上説明したように、第1の実施の形態
は、線画部分の影響がでないような背景部分の予測を行
い、しかも、前ラインにおいて求められたデータを使用
して背景部分の予測を行っているので、シェーディング
により輝度変化の大きい背景画像を、なだらかな輝度変
化とすることができ、最終的には、シェーディングの影
響が除去された所望とする輝度の背景画像とすることが
できる。
【0090】また、図6の構成からもわかるように、ワ
ークメモリとしてはラインメモリのみで済むので、1画
面分のフレームメモリを使用する場合に比べてメモリの
小容量化が図れる。また、前記したように、1ライン毎
の処理であるため、画像の取り込みを行いながら1ライ
ンの処理が終了したらそれを表示し、次の1ラインの処
理が終了したらそれを表示するということができるた
め、連続的な入力に対応しやすいという効果も得られ
る。
【0091】なお、図1において背景予測(ステップs
1)を省いて、入力された画像データをステップs1の
背景予測結果にみたてて、ステップs2以降の処理を行
うこともできる。この場合、処理速度は速くなるが、ス
テップs2により求められた背景予測の精度は落ちる。
【0092】(第2の実施の形態)この第2の実施の形
態は、第1の実施の形態で説明したシェーディング補正
処理と、階調を落とす処理とを組み合わせた処理を行う
ものである。
【0093】すなわち、前記従来技術の項で述べたよう
に、CCDカメラなどのように階調数の多い撮像手段で
取り込んだ画像を、反射型のLCDのように階調数の小
さい表示部で表示する場合、階調数を減らす必要があ
る。この階調を落とす際、前記したようなシェーディン
グの影響を受けて周辺が暗くなった画像を、たとえば、
4値化処理すると、処理後の画像は、周辺部の暗い部分
が黒いつぶれとなって現れる場合もある。そこで、階調
を落とす処理を行う際、シェーディングの影響を受けた
画像に対して、そのシェーディングの影響を補正する必
要が生じてくる。この第2の実施の形態では、CCDカ
メラなどのエリアセンサで撮られたシェーディングのあ
る画像画像に対しても、そのシェーディングによる影響
を無くして階調を減らすことを可能とするものであり、
以下、この第2の実施の形態について説明する。
【0094】図7は第2の実施の形態の全体的な処理手
順を説明するフローチャートであり、まず、処理対象画
像からn値化するための第1〜第n−1のしきい値を求
める(ステップs31)。これは、CCDカメラなどに
より入力された、たとえば、0〜255の256階調の
画像データを、4階調の画像データとする場合には、第
1〜第3のしきい値を求める処理である。
【0095】そして、シェーディング補正処理(ステッ
プs32)を行い、その後、第1〜第n−1のしきい値
を用いてn値化処理する(ステップs33)。
【0096】前記ステップs31におけるn値化のため
のn−1個のしきい値を求める処理は、特に限定される
ものではなく、撮影対象が線画であれば、たとえば、
「大津の方法」を拡張して用いることも可能である。
【0097】この「大津の方法」は前記したように、線
画には適した2値化方法であるが、それを用いて4値化
しようとすると、まず、最初に2値化して、それにより
分割された領域を、さらにそれぞれ2値化するというよ
うに、2値化する処理を3回行なう必要があるため、演
算量が膨大なものとなり、多くの処理時間を要する問題
がある。
【0098】そこで、この第2の実施の形態では、n値
化するためのn−1個のしきい値を求める方法として、
「大津の方法」にわずかな演算を加えるだけでn−1個
のしきい値を求める方法を採用する。このn値化するた
めのn−1個のしきい値を求める方法を図8のフローチ
ャートを参照しながら以下に説明する。
【0099】まず、CCDカメラで取り込まれた画像デ
ータについて累積度数分布を求める(ステップs4
1)。求められた累積度数分布の例を図9(a)に示
す。なお、ここでの処理対象画像は、前記同様、画像の
大部分を占める明るい背景内に文字や図形などの線画が
描かれているような画像であるとする。したがって、0
〜255の輝度範囲における各輝度に対する累積度数の
曲線は、図9(a)に示されるように、輝度の大きい側
に累積度数が多くなる曲線となる。なお、この場合、C
CDカメラによる輝度範囲を0〜255の256階調と
する。
【0100】そして、このような累積度数分布を用いて
「大津の方法」により2値化しきい値th
〔0〕を求め
る。この2値化しきい値により分割された領域のうち、
低輝度側を第1のクラスC1、高輝度側を第2のクラス
C2とする。ここで、第1のクラスC1の累積輝度は主
に線画によるものであり、第2のクラスC2の累積輝度
はは主に背景によるものである。
【0101】次に、前記第2のクラスC2における輝度
の平均μ2と標準偏差σ2を算出する(ステップs4
2)。この第2のクラスC2は大部分が背景で占められ
ているので、第2のクラスC2における輝度の平均値μ
2は、ほぼ、背景の輝度の平均値と考えることができ
る。そして、これらの輝度の平均μ2と標準偏差σ2を
用いて、n値化するためのn−1個のしきい値のうち、
第1のしきい値th〔1〕を求める(ステップs4
3)。この第1のしきい値th〔1〕は th〔1〕=μ2−σ2×α・・・(1) で求められる。(1)式においてαは係数であり、実験
では、α=1/2とするとよい結果が得られたが、これ
に限られるものではなく、種々の条件によって、最適な
値を設定すればよい。
【0102】この(1)式により求められる第1のしき
い値th〔1〕は、線画と背景のほぼ境界を意味するも
のとなる。線画と背景の境界は、前記背景の輝度の平均
値μ2より暗い側に存在すると考えられる。したがっ
て、第1のしきい値th〔1〕は背景の輝度の平均値μ
2からある値を引いた値とすればよい。
【0103】ところで、背景の色がたとえ均一であった
としても背景の輝度の累積度数は、画像を入力するデバ
イスや撮影状態によってその幅が異なってくる。特に、
CCDカメラなどのエリアセンサで撮られたシェーディ
ングの存在する画像においては、累積度数分布における
背景に相当する部分の幅の変動は激しいものとなる。そ
こで、累積輝度の幅を吸収するために、幅の指標となる
第2のクラスC2の標準偏差σ2をパラメータとしてそ
のパラメータに適当な係数αを掛けたものを背景の輝度
の平均値μ2から引き算して第1のしきい値th〔1〕
を求めている。このようにして求められた第1のしきい
値th〔1〕を図9(b)に示す。
【0104】そして次に、図8のステップs44では、
この第1のしきい値th〔1〕をもとに、他のしきい値
を求める。ここで、求めるべき階調数をn階調とすれ
ば、n−1個のしきい値を決定することになる。したが
って、このステップs44では、第1のしきい値th
〔1〕をもとに第2のしきい値th〔2〕〜第n−1の
しきい値th〔n−1〕を求めることになる。この第1
のしきい値th〔1〕をもとに、第2のしきい値th
〔2〕〜第n−1のしきい値th〔n−1〕を求める処
理について以下に説明する。
【0105】第1のしきい値th〔1〕以下の各輝度ご
との累積画素数をすべて足し算して、合計の累積画素数
を求め、その合計の累積画素数をn−1等分する。この
実施の形態では、求めるべき階調数を4階調(n=4)
としているので、第1のしきい値th〔1〕以下の各輝
度ごとの画素数を足し算して得られた合計の累積画素数
を3等分して、第2のしきい値th〔2〕と第3のしき
い値th〔3〕を求めることになる。
【0106】具体例として、第1のしきい値th〔1〕
以下の各輝度ごとの累積画素数をすべて足し算して得ら
れた合計累積画素数が仮りに120であるとすると、そ
れを3等分して「40」を得る。そして、40画素ごと
にしきい値を設定する。つまり、輝度0から明るい方へ
各輝度毎の累積画素数を足し算して行き、合計画素数が
40画素となったところをしきい値(第3のしきい値t
h〔3〕)とし、この第3のしきい値th〔3〕から明
るい方へ各輝度毎の累積画素数を足し算して再び合計画
素数が40画素となったところをしきい値(第2のしき
い値th〔2〕)とするというようにして、第2、第3
のしきい値th〔2〕,th〔3〕を決定する。
【0107】このようにして第1〜第n−1のしきい値
が決定される。
【0108】ところで、図7のステップs32のシェー
ディング補正処理は、第1の実施の形態において、図1
〜図6を用いて説明した背景予測処理、予測結果の修正
処理、背景補正処理などの一連の処理であり、これらに
処理方法に関しては、前述したとおりであるので、ここ
ではその詳細な処理ついては説明を省略する。
【0109】なお、この第2の実施の形態においては、
所望とする輝度値L0は、最も輝度値の高い側に設定さ
れる第1のしきい値th〔1〕よりも大きい値とするの
がよい。このように、所望とする輝度値L0を、最も輝
度値の高い側に設定される第1のしきい値th〔1〕よ
りも大きい値とすることにより、n値化処理後におい
て、背景がより明るくなって文字などが見やすい画像と
なる。具体例としては、前記第2のクラスC2における
輝度の平均値μ2程度とすることが考えられる。
【0110】次に、シェーディング補正を終了したの
ち、第1〜第n−1のしきい値を用いてn値化処理を行
う。このn値化処理の一例について図10を参照しなが
ら説明する。なお、この図10のフローチャートはある
1つの画素ごとのn値化処理を示すものである。図10
において、まず、第1〜第n−1のしきい値のどのしき
い値を選ぶかについての初期化を行う(ステップs5
1)。この初期化は、この場合、k=1とする。つま
り、初期のしきい値として、第1のしきい値th〔1〕
とする。次に、処理対象の画素の輝度値aが、a>th
〔k〕であるか否かを判断する(ステップs52)。こ
の場合、k=1であるからa>th〔1〕を判断する。
そして、a>th〔1〕であれば、その画素の輝度値を
n−kとする(ステップs53)。ここで、画素の輝度
値を0〜3の4値化とすることを考えると、a>th
〔1〕であるときは、n=4、k=1であるから、当該
画素の輝度値を「3」とする。
【0111】このように、ある1画素のn値化(ここで
は4値化)処理が終了すると、次の画素のn値化処理に
移る。次の1画素に対しても、前記同様、輝度aが、a
>th〔1〕であるか否かを判断する。そして、a>t
h〔1〕でないとすると、ステップs54に進み、kを
k+1(この場合、k=2)とする。そして、k<nを
判断し(ステップs55)、k<nであれば、ステップ
s52に戻って、今度は、a>th〔2〕であるか否か
を判断する。そして、a>th〔2〕であれば、その画
素の輝度値をn−kとする(ステップs53)。このと
き、n=4、k=2であるから、当該画素の輝度値を
「2」とする。一方、前記ステップs52におけるa>
th〔2〕の判断において、a>th〔2〕でない場合
には、ステップs54に進み、kをk+1とする。これ
により、k=3となり、k<nを判断し(ステップs5
5)、k<nであれば、ステップs12に戻って、今度
は、a>th〔3〕であるか否かを判断する。そして、
a>th〔3〕であれば、その画素の輝度値をn−kと
する。このとき、n=4、k=3であるから、当該画素
の輝度値を「1」とする。そして、次の画素について同
様の処理を行う。
【0112】図11はこの第2の実施の形態を実現する
ための装置の構成例をを示すもので、概略的には図6と
同様、レンズ1、CCDカメラ2、A/D変換器3、C
CD制御回路4、画像処理装置5から構成されている。
【0113】画像処理装置5はこの第2の実施の形態で
説明した処理を行う部分であり、画像データ用ラインメ
モリ51、しきい値算出手段61、n値化処理手段6
2、シェーディング補正部56を有している。
【0114】シェーディング補正部56は、図6で示し
たシェーディング補正部56と同じものであり、背景予
測用ラインメモリ52、背景予測手段53、予測結果修
正手段54、背景補正手段55から構成されているが、
ここでは、これらの図示は省略されている。また、この
シェーディング補正部56が行う処理内容は、第1の実
施の形態で説明したので、ここではその説明は省略す
る。
【0115】前記しきい値算出手段61は、n値化する
ための第1〜第n−1のしきい値を算出するもので、そ
のしきい値算出の一例として、図8のフローチャートで
示されるような処理によりn−1個のしきい値の算出を
行う。ただし、実際には、直前に取り込んだ1画面分の
画像データから第1〜第n−1のしきい値を求めて、そ
のしきい値を次の1画面分の画像に反映しながら処理を
行う。
【0116】以下にこの画像処理装置の動作を説明す
る。
【0117】最初に取り込んだ1ラインづつの画像デー
タは、シェーディング補正部56にて前記したような処
理によりシェーディング補正される。これと同時に、し
きい値設定手段61では画像データラインメモリ51に
格納された1ライン分づつのデータを用いて、しきい値
を算出するために必要なデータを得て、1画面の入力が
終了したところで、図8の処理手順によって第1〜第n
−1のしきい値を求める。このようにして求められた第
1〜第n−1のしきい値は次の1画面の画像におけるし
きい値として使用される。
【0118】次の1画面における1ラインのデータが画
像データ用ラインメモリ51に取り込まれると、その1
ラインのデータは、シェーディング補正されるととも
に、n値化処理手段62により、前の1画面により算出
され第1〜第n−1のしきい値を用いてn値化処理され
る。また、このとき同時に、しきい値決定手段61では
画像データラインメモリ51に格納された処理対象画面
の1ライン分づつのデータを用いて、その1画面分のデ
ータを用いて第1〜第n−1のしきい値を算出し、これ
を新たな第1〜第n−1のしきい値とする。このように
して、直前に取り込んだ1画面分の画像データから第1
〜第n−1のしきい値を算出してそれを次の1画面分の
画像に反映しながら処理を行う。
【0119】なお、ここでのn値化処理は、第1〜第n
−1のしきい値というような固定的なしきい値を用いて
のn値化処理であり、エッジの保存を特に必要とする文
字などの線画に適したn値化である。そこで、これらし
きい値算出手段61、シェーディング補正部56、n値
化処理手段62をここでは線画用階調処理部63とい
う。
【0120】なお、図7において、処理ステップをステ
ップs32、ステップs31、ステップs33の順で行
うことも可能である。
【0121】以上説明したように、この第2の実施の形
態によれば、CCDカメラなどのように階調数の多い撮
像手段で取り込んだ画像を、LCDのように階調数の小
さい表示部で表示する場合、階調を落とす処理を行う際
に、シェーディングのある画像画像に対しても、そのシ
ェーディングによる影響を無くして階調を減らすことが
可能となり、特に、明るい背景に文字などの線画が描か
れているような撮影対象に対し、シェーディングの影響
を除去し、つぶれのない良好な画像を得ることができ、
きわめて見やすい画像を得ることができる。
【0122】(第3の実施の形態)この第3の実施の形
態は、処理対象画像が線画であるか否かを判断して、線
画に対してのみこれまで説明したシェーディング補正を
行うものである。これは、線画の場合は自然画に比べる
と、シェーディングの影響がより一層顕著に現れるた
め、対象画像が線画である場合のみにシェーディング補
正を行おうとするものである。
【0123】図12はこの第3の実施の形態の全体的な
処理手順を概略的に説明するフローチャートであり、処
理対象画像が線画であるか否かを判断するための処理を
行い(ステップs61)、その処理結果をもとにして線
画であるか否かを判断し(ステップs62)、線画であ
ると判断された場合のみにシェーディング補正処理を行
う(ステップs63)。
【0124】ここでの線画判断処理について図13のフ
ローチャートを参照しながら説明する。まず、初期化を
行う(ステップs71)。この初期化は、輝度変化の立
ち上がりまたは立ち上がりを判断するためのスイッチs
wを“1”(立ち下がりを判断する場合を“1”、立ち
上がりを判断する場合を“0”とする)に設定するとと
もに、線画部分の幅の長さの累計を示す値lengを
「0」、さらに、線の数を表す値numを「0」とする。
【0125】そして、処理対象画素の輝度値a[i]か
らその直前の画素の輝度値a[i-1]を引いて、その差
をCとする(ステップs72)。
【0126】次に、輝度の立ち上がりまたは立ち上がり
を判断するためのスイッチswの状態を判断する(ステ
ップs73)。ここでは、初期設定として、sw=
“1”となっているので、立ち下がりの検出処理を行
い、C≦−γであるか否かを判断する(ステップs7
4)。ここで、γは立ち下がりまたは立ち上がりを判断
する指標となる値であり、入力画像が256階調である
場合、γ=15程度に設定する。しかし、この値は、様
々な条件によって最適な値を設定すればよい。
【0127】ステップs74において、C≦−γである
場合は、輝度値が所定以上立ち下がっていると判断し、
次の処理として立ち上がりを検出するために、スイッチ
sw=“0”とするとともに、当該画素の位置iをstar
t位置とする(ステップs75)。つまり、輝度値が所
定以上立ち下がっている画素の位置が保存されることに
なる。
【0128】そして、すべての画素についての処理が終
了したか否かを判断し(ステップs76)、終了してい
なければ、ステップs72に処理が戻り、次の画素につ
いて直前の画素の輝度値との差を取る(ステップs7
2)。そして、sw=“1”か否かの判断を行うが、こ
のとき、sw=“0”となっているので、立ち上がりの
検出に入る。
【0129】この立ち上がりの検出は、C≧γを判断し
て(ステップs77)、C≧γであれば、輝度値が所定
以上立ち上がっていると判断し、C≧γでなければ、所
定以上の立ち上がりでないと判断する。
【0130】たとえば、図14に示すような場合を例に
すると、iの位置の画素においては、直前の画素(i−
1の位置の画素)との輝度差Cが、C≦−γである場
合、その位置iが保存され、次の画素(i+1の位置の
画素)について、直前の画素との輝度値の差を取り、C
≧γを判断するが、この場合、C≧γとはならないの
で、次の画素について、再び、C≧γを判断する。この
ような処理を繰り返し、やがて、i+nの画素につい
て、C≧γの処理がなされると、C≧γが成り立ち、立
ち上がりが検出されることになる。
【0131】そして、立ち上がりが検出されると、ステ
ップs78に処理が移り、次の処理として立ち下がりを
検出するために、sw=“0”とするとともに、文字の
幅の累計を示す値lengをこれまでのlengに今回の文字幅
をプラスする。つまり、leng+{i−start}を計算す
る。なお図14の例ではleng+{(i+n)−i}が計算さ
れることになる。さらに、これまでの線の数の累計を表
すnumに1をプラスする。
【0132】このようにして、画像を構成するすべての
画素について処理が終了すると(ステップs76)、ス
テップs78にて計算された累計のlengとnumを用い
て、累計のlengを累計のnumで割って、1個当たりの線
の太さを判断する。そして、その1個当たりの太さをあ
る値δと比較して線画であるか否かを判断する(ステッ
プs79)。ここで、δは解像度が320画素×240
画素の画像の場合、δ=7程度に設定する。ただし、こ
の値も様々な条件により最適な値を設定すればよい。
【0133】ここで線画は高周波成分が多く、自然画は
低周波成分が多い。よって、線の太さの平均値を示すle
ng/numは線画の場合は小さく、自然画の場合は大きくな
る。よって、leng/num≦δである場合は、線画と判断
し、leng/num≦δでない場合は、自然画など線画以外
であると判断する(ステップs80a,s80b)。
【0134】このようにして、線画か線画以外化の判断
がなされる。そして、線画である場合のみに、第1の実
施の形態で説明したシェーディング補正処理を行うよう
にする。
【0135】図15はこの第3の実施の形態を実現する
ための装置の構成例をを示すもので、概略的には図6と
同様、レンズ1、CCDカメラ2、A/D変換器3、C
CD制御回路4、画像処理装置5から構成されている。
【0136】画像処理装置5はこの第3の実施の形態で
説明した処理を行う部分であり、画像データ用ラインメ
モリ51、線画判断手段71、シェーディング補正部5
6、シェーディング補正を行うか否かを設定するシェー
ディング補正設定スイッチ72を有している。
【0137】前記シェーディング補正部56は、図6で
示したシェーディング補正部56と同じものであり、背
景予測用ラインメモリ52、背景予測手段53、予測結
果修正手段54、背景補正手段55から構成されている
が、ここでは、これらの図示は省略されている。また、
このシェーディング補正部56が行う処理内容は、第1
の実施の形態で説明したのでここでの説明は省略する。
【0138】線画判断手段71は図13のフローチャー
トで示した処理を行うもので、この場合、実際の処理は
直前に取り込んだ1画面分の画像データから線画である
か否かを判断した結果を次の1画面分の画像に反映しな
がら処理を行う。
【0139】したがって、シェーディング補正設定スイ
ッチ72は、初期設定では、たとえば、オフ、つまり、
最初の1画面分については線画以外の画像に対する処理
設定としておく。
【0140】このように、初期設定においてシェーディ
ング補正設定スイッチ72がオフに設定されているとす
ると、最初に取り込んだ1ラインづつの画像データは、
シェーディング補正がなされずに、そのまま、1ライン
づつ出力されて表示される。これと同時に、線画判断手
段71では画像データラインメモリ51に格納された1
ライン分づつのデータを用いて、図13の処理手順にて
各ライン毎に1画面分の処理を行う。
【0141】そして、1画面分の処理が終了したところ
で、その画面が線画であるか否かを判断する。この判断
結果は次の1画面の画像の種類の判別に使われる。たと
えば、最初の1画面の画像が線画であると判断された場
合は、シェーディング補正設定スイッチ72をオンと
し、次の1画面はシェーディング補正が行われる。
【0142】このように、シェーディング補正設定スイ
ッチ72がオンとなると、画像データ用ラインメモリ5
1に取り込まれた1ラインごとのデータは、1ライン毎
にシェーディング補正されたのち、1ラインごとに出力
される。そして、このとき同時に、線画判断手段71で
は画像データラインメモリ51に格納された1ライン分
づつのデータを用いて、図13の処理手順にて各ライン
毎に1画面分の処理を行う。そして、1画面分の処理が
終了したところで、その画面が線画であるか否かを判断
する。この判断結果は次の1画面の画像の種類の判別に
使われる。このようにして、直前に取り込んだ1画面分
の画像データから線画であるか否かを判断した結果を次
の1画面分の画像に反映しながら処理を行う。
【0143】以上説明したように、第3の実施の形態で
は、処理対象画像が線画であるか否かを判断して、シェ
ーディングの影響がより一層顕著に現れる線画に対して
のみシェーディング補正を行うようにしている。また、
この第3の実施の形態では、線画以外の自然画はシェー
ディングの影響は余り目立たないので、特別な処理を施
さないようにしている。したがって、シェーディング補
正は線画に対して行えばよいので、処理時間の短縮にも
つながる。
【0144】(第4の実施の形態)この第4の実施の形
態は、処理対象画像が線画か否かを判断し、線画である
場合には、シェーディング補正を行い、かつ、前記のよ
うにして求められた第1〜第n−1のしきい値を用いた
階調処理を行って、線画でないと判断された場合には、
自然画とみなして自然画に適した階調変更処理を行うも
のである。
【0145】図16は第4の実施の形態の概略的な処理
手順を説明するフローチャートであり、まず、線画判断
を行うための処理(ステップs81)を行い、その処理
結果を用いて線画であるか否かの判断を行う(ステップ
s82)。そして、線画であれば、線画用階調処理を行
い(ステップs83)、線画でなければ自然画用の階調
処理を行う(ステップs84)。
【0146】ステップs81における線画判断を行うた
めの処理は、図13のフローチャートで説明した処理で
あり、この処理で得られた結果が線画である場合には、
線画用階調処理を行う。この線画用の階調処理は、第2
の実施の形態で説明した処理であり、概略的な処理手順
としては、図7に示されているように、まず、処理対象
画像からn値化するためのn−1個のしきい値を求める
(ステップs31)。これは、CCDカメラなどにより
入力された、たとえば、0〜255の256階調の画像
データを、4階調の画像データとするために、第1〜第
3のしきい値を求める処理である。そして、シェーディ
ング補正処理(ステップs32)を行ったのち、n−1
個のしきい値を用いてn値化処理(ステップs33)を
行う。
【0147】一方、線画でないと判断された場合には、
自然画に適した階調処理を行う。この自然画に適した階
調処理というのは、面積的な階調を得ようとする階調処
理であり、たとえば、ディザ法や誤差拡散法などがあ
る。
【0148】このように、線画に対しては、エッジが保
存される階調処理を行い、自然画に対しては、ディザ法
や誤差拡散法などの面積的な階調処理を施すことによ
り、階調数を減らす必要がある場合、より一層見た目に
良好な画像とすることができる。
【0149】図17はこの第4の実施の形態を実現する
ための装置の構成例を示すもので、第1〜第3の実施の
形態同様、概略的には、レンズ1、CCDカメラ2、A
/D変換器3、CCD制御回路4、画像処理装置5から
構成されている。
【0150】画像処理装置5は、この第4の実施の形態
の場合、画像データ用ラインメモリ51、線画判断手段
71、線画用階調処理部63、自然画用階調処理部81
と、これら線画用階調処理部63、自然画用階調処理部
81を選択する選択スイッチ82などを有している。
【0151】前記線画判断手段71は図15の構成で示
した線画判断手段71と同じものであり、図13で説明
した処理を行い、1フレーム(1画面分)の処理が終了
後に、その1画面の画像が線画であるか線画でないかを
判定して、線画であることを示す信号または線画でない
ことを示す信号を選択スイッチ82に出力する。
【0152】選択スイッチ82はこの線画判断手段71
からの線画であることを示す信号を受けると、線画用階
調処理部63を選択し、線画でないことを示す信号を受
けると自然画用階調処理部81を選択するように切替動
作を行う。
【0153】また、線画用階調処理部63は、図11の
構成図で説明した線画用階調処理部63と同じものであ
り、しきい値決定手段61、シェーディング補正部5
6、n値化処理手段62から構成されている。
【0154】ところで、線画判断手段71は図13のフ
ローチャートで示した処理を行うものであるが、前記し
たように、1画面分の処理が終了した後、その結果を次
の1画面の画像データに反映させるものであるため、選
択スイッチ82は、初期設定では、たとえば、自然画用
階調処理部82側としておく。
【0155】したがって、最初に取り込んだ1ラインづ
つの画像データは、自然画用階調処理部82により階調
処理されて出力される。これと同時に、線画判断手段7
1では画像データラインメモリ51に格納された1ライ
ン分づつのデータを用いて、図13の処理手順にて各ラ
イン毎に1画面分の処理を行う。そして、1画面分の処
理が終了したところで、その画面が線画であるか否かを
判断する。この判断結果は次の1画面の画像の種類の判
別に使われる。たとえば、最初の1画面の画像が線画で
あると判断された場合は、選択スイッチ82を線画用階
調処理部63側に切り替えて、次の1画面は線画用階調
処理部63による階調処理がなされる。このとき同時
に、線画判断手段71では画像データラインメモリ51
に格納された1ライン分づつのデータを用いて、図13
の処理手順にて各ライン毎に1画面分の処理を行う。そ
して、1画面分の処理が終了したところで、その画面が
線画であるか否かを判断する。この判断結果は次の1画
面の画像の種類の判別に使われる。このようにして、直
前に取り込んだ1画面分の画像データから線画であるか
否かを判断した結果を次の1画面分の画像に反映しなが
ら処理を行う。
【0156】以上のように、この第4の実施の形態によ
れば、処理対象画像が線画か否かを判断し、線画である
場合には、シェーディング補正を行い、かつ、前記のよ
うにして求められた第1〜第n−1のしきい値を用いた
線画用の階調処理を行い、線画でないと判断された場合
には、自然画とみなして自然画に適したディザ法や誤差
拡散法といった階調変更処理を行うようにしているの
で、それぞれに適した階調処理が行え、CCDカメラな
どで取り込んだ画像を反射型のLCDに表示するような
場合、撮影する対象に関係なく、線画あるいは自然画そ
れぞれに適した処理がなされることにより見た目によい
画像を表示することができる。
【0157】ところで、以上説明した第2の実施の形態
から第4の実施の形態において、画像データがCCDカ
メラなどから連続入力されている場合は、前の1フレー
ム分(1画面分)で作成されたデータ(第1〜第n−1
のしきい値、線画か否かの判断結果など)を用いて処理
を行うことにより、全体的な処理を簡素化することがで
きる。この処理について、第4の実施の形態で説明した
処理内容の場合を例にして、図18のフローチャートを
参照しながら説明する。
【0158】図18において、しきい値および線画判断
結果の初期化を行う(ステップs91)。このしきい値
の初期化は、たとえば、n値化とする場合は、第1〜第
n−1のしきい値th〔1〕〜th〔n−1〕の値を初
期値として適当な値を設定するというような処理であ
り、また、線画判断結果の初期値としては、たとえば、
自然画とする。
【0159】次に、あるフレームにおける1ラインデー
タの入力(ステップs92)を行ったのち、その1ライ
ンデータから各種のデータを取得する(ステップs9
3)。ここでの各種のデータというのは、しきい値算出
に必要な累積度数分布作成のためのデータや線画か否か
を判断するためのデータとして図13のフローチャート
で説明したleng、numなどのデータである。
【0160】そして次に、直前のフレームデータを基に
得られた線画か否かの結果を判断し(ステップs9
4)、線画でなければ自然画用の階調処理による階調処
理を行い(ステップs95)、線画であれば、直前のフ
レームデータを基に算出された第1〜第n−1のしきい
値を用いた線画用の階調処理(シェーディング処理を含
む)を行う(ステップs96)、次に、1フレーム分に
おける全ラインの処理が終了したか否かを判断し(ステ
ップs97)、終了していなければ、ステップs92に
処理が戻り、終了していればn値化のための第1〜第n
−1のしきい値を更新するとともに、線画判断結果を更
新する(ステップs98)。そして、次のフレームデー
タがあるか否かを判断し(ステップs99)、次のフレ
ームデータがあれば、その新たなフレームに対してステ
ップs92以降の処理を行い、次のフレームがなければ
処理を終了する。
【0161】このように、画像データが連続して入力さ
れている場合は、前の1フレームにおいて求められたし
きい値や線画判断結果を、現在取り込んでいるフレーム
データに用いて処理することが可能となる。なお、この
連続入力を考慮した処理は、ここで説明した第4の実施
の形態への対応だけではなく、第2に実施の形態、第3
の実施の形態に対しても同様に可能である。
【0162】さらに、本発明は、最初に説明した第1の
実施の形態において、レンズの収差への対応処理を可能
とする。
【0163】このレンズの収差による影響というのは、
たとえば、図19(a)に示すように、背景10の中に
同じ太さでかつ同じ濃さの直線の線画11が存在した場
合、それをレンズを通して取り込んだ画像の輝度(図1
9(a)の破線で示すラインにおける輝度)は、同図
(b)に示すように、画像の端部に近いほど線の幅が太
く背景との輝度のコントラストが小さくなって中央部に
比べてシャープさに欠けた画像となる現象である。
【0164】これを解消するために、本発明では、背景
補正処理後のデータ(図3(d))に対して、図20(a)
のように、所望とする背景輝度L0より少し小さい輝度
値L1(図示破線で示す)を設定し、これより小さな輝
度値を有する部分に対してレンズ収差を考慮した係数を
掛けることで、少なくとも輝度の高さを補正しコントラ
ストを良くすることができる。
【0165】前記所望とする背景輝度L0より少し小さ
い輝度値L1は、たとえば、所望とする背景輝度L0×
0.8により得られる値とする。また、前記レンズ収差を
考慮した係数は、1画面分におけるある1ライン上の画
素の位置0,1,2,・・・,nに対して、図20
(b)のような曲線を描く係数値とする。つまり、画面
の中央部は係数は「1」とし、中央部から端部に行くに
従って、係数値を小さく(係数値<1)する。ここで、
レンズの収差の影響は事前に決定できるので、計測によ
って予め係数を求めておくことができる。されるこのよ
うな係数曲線から得られる係数値を図20(a)の線画
部分の輝度値に掛けることにより、端部付近に存在する
線画の輝度値は、図20(c)に示すように、より小さ
な値となり、背景とのコントラストが大きくなり、レン
ズ収差の影響が改善される。
【0166】なお、以上説明した第2〜第4の実施の形
態において用いられるn値化するためのしきい値算出用
のデータや線画判断のためのデータは、1つの画面全体
から求めるのではなく、画面の周辺部を除いて求めるよ
うにしてもよい。これは、画面の周辺部にはこれらのデ
ータを求める際に重要なデータが少ないと考えられるた
めである。
【0167】また、線画判断は、1画面単位で行ってい
るが、たとえば、文字などと風景などの画像が両方入り
交じっているような画像に対処しやすいように、線画領
域と自然画領域とを分離して、それぞれの領域ごとに線
画か否かを判断して、領域毎に必要な処理を行うように
してもよい。
【0168】また、第1〜第4の実施の形態において、
輝度(モノクロ)に対する処理として説明したが、カラ
ーへの対応も可能である。すなわち、カラー入力(例え
ばRGB)されたデータを輝度と色に関する他のデータ
(例えばYUV)に変換し、輝度に対して上述の処理を
行い、再び基に変換(例えばRGB)することにより対
応できる。
【0169】また、本発明の処理を行う処理プログラム
は、フロッピィディスク、光ディスク、ハードディスク
などの記憶媒体に記憶させておくことができ、本発明
は、それらの記憶媒体をも含むものであり、また、ネッ
トワークからデータを得る形式でもよい。
【0170】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、シェー
ディングの影響が顕著に現れやすい文字や図形などの線
画に対して、所定ライン単位でシェーディングの影響を
除去するようにしている。特に、1ラインづつの処理を
行うことにより、ワークメモリとしては1ライン分の画
像データ用ラインメモリと背景予測用ラインメモリで済
むためワークメモリの小容量化を図ることができ、装置
全体の小型軽量化に寄与し、低コスト化も図れる。ま
た、1ラインごとの処理であるため、画像の取り込みを
行いながら1ラインの処理が終了したらそれを表示し、
次の1ラインの処理が終了したらそれを表示するという
ことができるため、連続的な入力に対応しやすいという
効果も得られる。
【0171】また、このシェーディング補正と、n−1
個のしきい値によるn値化処理とを組み合わせることに
より、CCDカメラなどのエリアセンサで撮られたシェ
ーディングのある画像に対して、そのシェーディングの
影響を無くし、かつ、エッジが保存された状態で階調を
減らすことができる。
【0172】また、線画か否かを判断し、線画である場
合のみにシェーディング補正するという処理を行うこと
により、シェーディングが顕著に現れやすい線画のみに
対してシェーディング補正処理を行うことができ、線画
のシェーディングを目立たなくすることができ、かつ、
線画のみに対して補正処理を行うことで、処理を軽減
し、処理時間の短縮化も図れる。
【0173】さらに、線画か否かを判断し、線画であれ
ばシェーディング補正を行うとともに、nー1個のしき
い値を用いた階調処理を行い、線画でなければ、自然画
とみなして自然画に適した階調処理方法(たとえば、デ
ィザ法や誤差拡散法)により階調処理するという処理を
行うことにより、CCDカメラなどのシェーディングの
発生しやすいエリアセンサで撮られた画像を反射型のL
CDなどに表示する際に、階調を落とす処理を行う場
合、線画に対してはシェーディング補正を行うととも
に、n−1個のしきい値を用いてn値化処理し、自然画
に対しては自然画に適した階調処理を行うので、撮影対
象に関係なく撮影対象に適した処理が自動的に行え、良
好な画像を表示することができる。
【0174】また、これらのシェーディング補正と前記
したn値化処理、線画判断処理などのそれぞれの処理を
組み合わせた各処理は、ラインごとの処理が可能である
ため、前記したように、ワークメモリを小容量化するこ
とができ、かつ、連続的な入力に対応しやすいという効
果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体的な処理を説
明するフローチャート。
【図2】第1の実施の形態を説明するための画像の一例
を示す図。
【図3】第1の実施の形態において画像のある1ライン
における背景予測処理から背景補正処理までを説明する
図。
【図4】第1の実施の形態における背景予測処理を説明
するフローチャート。
【図5】第1の実施の形態における背景予測の修正処理
を説明するフローチャート。
【図6】第1の実施の形態における画像処理装置をCC
Dカメラと組み合わせた装置構成例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の全体的な処理を説
明するフローチャート。
【図8】第2の実施の形態におけるn−1個のしきい値
を算出する処理手順を説明するフローチャート。
【図9】n−1個のしきい値算出方法の一例を説明する
ための輝度値に対する画素の累積度数分布を示す図。
【図10】第2の実施の形態におけるn値化処理を説明
するフローチャート。
【図11】第2の実施の形態における画像処理装置をC
CDカメラと組み合わせた装置構成例を示す図。
【図12】本発明の第3の実施の形態の全体的な処理を
説明するフローチャート。
【図13】第3の実施の形態における線画判断の処理手
順を説明するフローチャート。
【図14】線画判断に必要なデータについてを文字部分
の輝度変化を例にして説明する図。
【図15】第3の実施の形態における画像処理装置をC
CDカメラと組み合わせた装置構成例を示す図。
【図16】本発明の第4の実施の形態の全体的な処理を
説明するフローチャート。
【図17】第4の実施の形態における画像処理装置をC
CDカメラと組み合わせた装置構成例を示す図。
【図18】本発明において画像を連続入力する場合の処
理を第4の実施の形態を例にとって説明するフローチャ
ート。
【図19】レンズの収差に対処する処理を説明するため
の画像例とレンズ収差の影響を受けた画像の輝度分布例
を示す図。
【図20】レンズの収差に対処する処理を説明するため
の図。
【符号の説明】
1 レンズ 2 CCDカメラ 3 A/D変換器 4 CCD制御回路 5 画像処理装置 51 画像データ用ラインメモリ 52 背景予測用ラインメモリ 53 背景予測手段 54 予測結果修正手段 55 背景補正手段 56 シェーディング補正部 61 しきい値算出手段 62 n値化処理手段 63 線画用階調処理部 71 線画判断手段 72 シェーディング補正設定スイッチ 81 自然画用階調処理手段 82 選択スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/335 H04N 1/40 101D

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像データの所定ラインごと
    にそのラインを構成する画素が線画のエッジ部を構成す
    る画素か否かを判断し、当該処理対象ラインにおいて、
    線画におけるエッジ部分の輝度の影響を除去した各画素
    ごとの輝度値を求める背景予測処理を行ったのち、 この背景予測処理で得られた処理対象ラインにおける各
    画素ごとの輝度値にエッジ部以外の線画部分の影響が含
    まれているか否かを判断し、エッジ部以外の線画部分の
    影響が含まれている場合に、その影響を除去した各画素
    ごとの輝度値を求める背景予測の修正処理を行い、 さらに、この背景予測の修正処理で得られた各画素ごと
    の輝度値を基に、所望とする輝度値となるように輝度値
    補正する背景補正処理を行うことを特徴とする画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】 入力された画像データの所定ラインごと
    にその所定ラインを構成する画素が線画のエッジ部を構
    成する画素か否かを判断し、エッジを構成する画素でな
    い場合は、それ以前に処理されたライン上の対応する画
    素位置の輝度値をもとに処理中の画素の輝度値を演算に
    より求め、この求められた輝度値により、それ以前に処
    理された輝度値を更新し、エッジを構成する画素である
    場合は、それ以前に処理されたライン上の対応する画素
    位置の輝度値をそのまま保持する処理を、所定ラインづ
    つその所定ラインを構成する画素ごとに繰り返した行う
    ことで、線画におけるエッジ部分の輝度の影響を除去し
    た各画素ごとの輝度値を所定ライン単位で求める背景予
    測処理を行ったのち、 この背景予測処理において得られた所定ラインにおける
    各画素ごとの輝度値が、所望とする輝度値以下であると
    判定された場合に、その輝度値を有する画素を含む所定
    の探索範囲を設定し、その探索範囲内における隣接画素
    との輝度変化を各画素ごとに調べ、探索範囲内において
    輝度変化の少ない画素が予め設定した数以上である場合
    には、その輝度変化の少ない画素の輝度値を基にして輝
    度値を決定し、探索範囲内において輝度変化の少ない画
    素が予め設定した数より少ない場合には、探索範囲全体
    の画素の輝度値をもとにして輝度値を決定して、この決
    定された値により背景予測結果の修正処理を行い、 さらに、この背景予測結果の修正処理により修正された
    結果と、所望とする値として設定された輝度値とを比較
    して、その差分を求め、求められた差分を前記入力され
    た画像データの対応する画素位置の輝度値に対して加減
    することにより、所望の輝度値となるような背景補正を
    行うことを特徴とする画像処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理されたライン上の対応する画素
    位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を演
    算により求める処理は、それ以前に処理されたライン上
    の対応する画素位置の輝度値と、処理中の画素の輝度値
    との平均をとる処理であることを特徴とする請求項2記
    載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 入力された画像データの所定ライン単位
    の画像データからn値化を行う上で必要なn−1個のし
    きい値を求めるためのデータを所定ラインごとに取得
    し、ある1定のライン分の処理が終了したのち、n−1
    個のしきい値を求め、前記入力された画像データを所定
    ライン単位でシェーディング補正を行い、このシェーデ
    ィング補正された画像を前記n−1個のしきい値を用い
    てn値化処理することを特徴とする画像処理方法。
  5. 【請求項5】 入力された画像データの所定ライン単位
    の画像データから画像が線画による画像か否かを判断す
    るために必要なデータを所定ラインごとに取得し、ある
    1定のライン分の処理が終了したのち、線画か否かを判
    断し、線画による画像であると判断された場合は、前記
    画像データを所定ライン単位でシェーディング補正する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  6. 【請求項6】 入力された画像データの所定ライン単位
    の画像データから画像が線画による画像か否かを判断す
    るために必要なデータを所定ラインごとに取得し、ある
    1定のライン分の処理が終了したのち、線画か否かを判
    断するとともに、入力された画像データの所定ライン単
    位の画像データからn値化を行う上で必要なn−1個の
    しきい値を求めるためのデータを所定ラインごとに取得
    し、ある1定のライン分の処理が終了したのち、n−1
    個のしきい値を求め、 前記線画判断により線画であると判断された場合には、
    前記入力された画像データを所定ライン単位でシェーデ
    ィング補正を行い、このシェーディング補正された画像
    をn−1個のしきい値を用いてn値化処理を行い、 前記線画判断により線画でないと判断された場合は、面
    積的な階調を得る階調処理を行うことを特徴とする画像
    処理方法。
  7. 【請求項7】 前記シェーディング補正処理は、入力さ
    れた画像データの所定ラインごとにその所定ラインを構
    成する画素が線画のエッジ部を構成する画素か否かを判
    断し、エッジを構成する画素でない場合は、それ以前に
    処理されたライン上の対応する画素位置の輝度値をもと
    に処理中の画素の輝度値を演算により求め、この求めら
    れた輝度値により、それ以前に処理された輝度値を更新
    し、エッジを構成する画素である場合は、それ以前に処
    理されたライン上の対応する画素位置の輝度値をそのま
    ま保持する処理を、所定ラインづつその所定ラインを構
    成する画素ごとに繰り返して行うことで、線画における
    エッジ部分の輝度の影響を除去した各画素ごとの輝度値
    を所定ライン単位で求める背景予測処理を行ったのち、 この背景予測処理において得られた所定ラインにおける
    各画素ごとの輝度値が、所望とする輝度値以下であると
    判定された場合に、その輝度値を有する画素を含む所定
    の探索範囲を設定し、その探索範囲内における隣接画素
    との輝度変化を各画素ごとに調べ、探索範囲内において
    輝度変化の少ない画素が予め設定した数以上である場合
    には、その輝度変化の少ない画素の輝度値を基にして輝
    度値を決定し、探索範囲内において輝度変化の少ない画
    素が予め設定した数より少ない場合には、探索範囲全体
    の画素の輝度値をもとにして輝度値を決定して、この決
    定された値により背景予測結果の修正処理を行い、 さらに、この背景予測結果の修正処理により修正された
    結果と、所望とする値として設定された輝度値とを比較
    して、その差分を求め、求められた差分を前記入力され
    た画像データの対応する画素位置の輝度値に対して加減
    することにより、所望の輝度値となるような背景補正を
    行うことを特徴とする請求項4、5、6のいずれかに記
    載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 前記処理されたライン上の対応する画素
    位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を演
    算により求める処理は、それ以前に処理されたライン上
    の対応する画素位置の輝度値と、処理中の画素の輝度値
    との平均をとる処理であることを特徴とする請求項7に
    記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】 入力された画像データの所定ライン分の
    データを保持する画像データ用ラインメモリと、 この画像データ用ラインメモリに保持された所定ライン
    分の画像データを構成するそれぞれの画素が線画のエッ
    ジ部を構成する画素か否かを判断し、当該処理対象ライ
    ンにおいて、線画におけるエッジ部分の輝度の影響を除
    去した各画素ごとの輝度値を求めることで背景予測を行
    う背景予測手段と、 この背景予測手段で得られた処理対象ラインにおける各
    画素ごとの輝度値を保持する背景予測用ラインメモリ
    と、 この背景予測手段で得られた背景予測用ラインメモリの
    内容をもとに、処理対象ラインにおける背景予測された
    各画素ごとの輝度値にエッジ部以外の線画部分の影響が
    含まれているか否かを判断し、エッジ部以外の線画部分
    の影響が含まれている場合に、その影響を除去した各画
    素ごとの輝度値を求め、前記背景予測用ラインメモリの
    対応する位置の画素の輝度値をその求めた値に更新する
    背景予測修正手段と、 この背景予測修正手段による修正後の結果が保持された
    背景予測用ラインメモリの内容を基に、前記画像データ
    用ラインメモリの内容を所望とする輝度値となるように
    輝度補正する背景補正手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  10. 【請求項10】 入力された画像データの所定ライン分
    のデータを保持する画像データ用ラインメモリと、 この画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    の所定ラインごとにその所定ラインを構成する画素が線
    画のエッジ部を構成する画素か否かを判断し、エッジを
    構成する画素でない場合は、それ以前に処理されたライ
    ン上の対応する画素位置の輝度値をもとに、処理中の画
    素の輝度値を演算により求め、この求められた輝度値に
    より、それ以前に処理された輝度値を更新し、エッジを
    構成する画素である場合は、それ以前に処理されたライ
    ン上の対応する画素位置の輝度値をそのまま保持する処
    理を、所定ラインづつその所定ラインを構成する画素ご
    とに繰り返して行うことで、線画におけるエッジ部分の
    輝度の影響を除去した処理対象ラインにおける各画素ご
    との輝度値をライン単位で求める背景予測手段と、 この背景予測手段で得られた処理対象ラインにおける各
    画素ごとの輝度値を保持する背景予測用ラインメモリ
    と、 前記背景予測処理において得られた背景予測用ラインメ
    モリの内容をもとに、処理対象ラインにおいて、各画素
    位置対応の輝度値が、所望とする輝度値以下であると判
    定された場合に、その輝度値を有する画素を含む所定範
    囲の探索範囲を設定し、その探索範囲内における隣接画
    素との輝度変化を各画素ごとに調べ、探索範囲内におい
    て輝度変化の少ない画素が予め設定した数以上である場
    合には、その輝度変化の少ない画素の輝度値を基にして
    輝度値を決定し、探索範囲内において輝度変化の少ない
    画素が予め設定した数より少ない場合には、探索範囲全
    体の画素の輝度値を基にして輝度値を決定し、前記背景
    予測用ラインメモリの対応する画素位置の内容を前記決
    定された内容に更新して背景予測結果の修正を行う背景
    予測修正手段と、 前記背景予測結果修正手段により修正された結果と、所
    望とする値として設定された輝度値とを比較してその差
    分を求め、求められた差分を前記画像データ用ラインメ
    モリの対応する画素位置の輝度値に対して加減すること
    により所望とする輝度値に輝度補正する背景補正手段
    と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記処理されたライン上の対応する画
    素位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を
    演算により求める処理は、それ以前に処理されたライン
    上の対応する画素位置の輝度値と現在処理している画素
    の輝度値の平均をとる処理であることを特徴とする請求
    項10記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 入力された画像データの所定ライン単
    位のデータを保持する画像データ用ラインメモリと、 この画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    をもとに、所定ライン単位で画像データのシェーディン
    グ補正を行うシェーディング補正手段と、 前記画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    から、n値化を行う上で必要なn−1個のしきい値を求
    めるためのデータを取得し、ある1定のライン分の処理
    が終了した後に、n−1個のしきい値を求めるしきい値
    算出手段と、 前記シェーディング補正手段によりシェーディング補正
    された画像を前記n−1個のしきい値を用いてn値化処
    理するn値化処理手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  13. 【請求項13】 入力された画像データの所定ライン単
    位のデータを保持する画像データ用ラインメモリと、 この画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    をもとに、所定ライン単位で画像データが線画か否かを
    判断するために必要なデータを取得し、ある1定のライ
    ン分の処理が終了した後に、線画か否かを判断する線画
    判断手段と、 前記画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    をもとに、所定ライン単位で画像データのシェーディン
    グ補正を行うシェーディング補正手段と、 前記線画判断手段から線画による画像であるとの判断結
    果を受けると、前記画像データ用ラインメモリの内容を
    シェーディング補正手段に与えるスイッチ手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  14. 【請求項14】 入力された画像データの所定ライン単
    位のデータを保持する画像データ用ラインメモリと、 この画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    をもとに、所定ライン単位で画像データが線画か否かを
    判断するために必要なデータを取得し、ある1定のライ
    ン分の処理が終了したのちに、線画か否かを判断する線
    画判断手段と、 前記画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    からn値化を行う上で必要なn−1個のしきい値を求め
    るためのデータを取得し、ある1定のライン分の処理が
    終了したのちに、n−1個のしきい値を求めるしきい値
    算出手段と、 前記画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    をもとに、所定ライン単位で画像データのシェーディン
    グ補正を行うシェーディング補正手段と、 前記シェーディング補正手段によりシェーディング補正
    された画像を前記n−1個のしきい値を用いてn値化処
    理するn値化処理手段と、 線画以外の画像に対して面積的な階調処理を行う自然画
    用階調処理手段と、 前記線画判断手段からの線画か線画でないかの判断結果
    に応じて、前記しきい値算出手段、シェーディング補正
    手段、n値化手段からなる線画用の階調処理手段か前記
    自然画用階調処理手段のいずれかを選択する選択手段
    と、 を有し、 線画の場合は前記線画用の階調処理手段によりシェーデ
    ィング補正を含んだ階調処理を行い、線画でない場合は
    前記自然画用の階調処理手段により階調処理を行うこと
    を特徴とする画像処理装置。
  15. 【請求項15】前記シェーディング補正手段は、入力さ
    れた画像データの所定ライン分のデータを保持する画像
    データ用ラインメモリと、 この画像データ用ラインメモリに保持された画像データ
    の所定ラインごとにその所定ラインを構成する画素が線
    画のエッジ部を構成する画素か否かを判断し、エッジを
    構成する画素でない場合は、それ以前に処理されたライ
    ン上の対応する画素位置の輝度値をもとに、処理中の画
    素の輝度値を演算により求め、この求められた輝度値に
    より、それ以前に処理された輝度値を更新し、エッジを
    構成する画素である場合は、それ以前に処理されたライ
    ン上の対応する画素位置の輝度値をそのまま保持する処
    理を、所定ラインづつその所定ラインを構成する画素ご
    とに繰り返して行うことで、線画におけるエッジ部分の
    輝度の影響を除去した処理対象ラインにおける各画素ご
    との輝度値をライン単位で求める背景予測手段と、 この背景予測手段で得られた処理対象ラインにおける各
    画素ごとの輝度値を保持する背景予測用ラインメモリ
    と、 前記背景予測処理において得られた背景予測用ラインメ
    モリの内容をもとに、処理対象ラインにおいて、各画素
    位置対応の輝度値が、所望とする輝度値以下であると判
    定された場合に、その輝度値を有する画素を含む所定範
    囲の探索範囲を設定し、その探索範囲内における隣接画
    素との輝度変化を各画素ごとに調べ、探索範囲内におい
    て輝度変化の少ない画素が予め設定した数以上である場
    合には、その輝度変化の少ない画素の輝度値を基にして
    輝度値を決定し、探索範囲内において輝度変化の少ない
    画素が予め設定した数より少ない場合には、探索範囲全
    体の画素の輝度値を基にして輝度値を決定し、前記背景
    予測用ラインメモリの対応する画素位置の内容を前記決
    定された内容に更新して背景予測結果の修正を行う背景
    予測修正手段と、 前記背景予測結果修正手段により修正された結果と、所
    望とする値として設定された輝度値とを比較してその差
    分を求め、求められた差分を前記画像データ用ラインメ
    モリの対応する画素位置の輝度値に対して加減すること
    により所望とする輝度値に輝度補正する背景補正手段
    と、 を有することを特徴とする請求項12、13、14のい
    ずれかに記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 前記処理されたライン上の対応する画
    素位置の画素の輝度値をもとに処理対象画素の輝度値を
    演算により求める処理は、それ以前に処理されたライン
    上の対応する画素位置の輝度値と処理中の輝度値の平均
    をとる処理であることを特徴とする請求項15記載の画
    像処理装置。
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JP2010191952A (ja) * 2009-01-22 2010-09-02 Canon Inc シェーディング補正を行なう装置及び方法

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