JPH10176760A - 逆止機能付流量調整弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 管路に使用する弁を少なくするため、逆止弁
の機能と流量調整弁の機能を合わせて持つ逆止機能付流
量調整弁を提供すること。 【解決手段】 流入路３と流出路４が垂直の通路５によ
って連結されており、垂直の通路５の出口の周囲に弁座
６が設けられた弁箱２と、弁箱にふたをする蓋７と、弁
箱２及び蓋７内を上下動する弁棒８と、この弁棒８の下
端に固定したシリンダー9aと、このシリンダー9aの中を
上下動自在で、上端にガイド11を設けたスライド棒10a
と、このスライド棒10a の下端に固定され、且つ上記弁
座に着座することができる弁体12とからなるものとした
こと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、逆止機能付流量調
整弁、詳細には弁棒に上下動自在の弁体を取り付けた逆
止機能付流量調整弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】各種の装置、施設などに設けられている
流体用管路には、ポンプの異常停止、停止による流撃の
防止、流量の調整などのため、それぞれ異なった機能を
持つ仕切弁、調整弁及び逆止弁が用いられている。従
来、このような用途に用いる各種弁のうちの調整弁とし
ては、一般的には図７に示したようにハンドル13を回す
ことによって弁棒８を上下動し、この弁棒８の下端に固
定した弁体12a を上下動し、弁体12a と弁座６との間隙
を調節して流れる流量を調整するようにしたものが使用
されてきた。

【０００３】また、逆止弁としては、図８のに示したよ
うに流体が左から右へ流れる場合には、流体の圧力で弁
体12b を持ち上げて矢印のように流れ、左から右方向へ
流れようとすると、自重により流れを阻止するととも
に、流体が弁体の中の空間28に流体流通孔29から流込
み、弁体12b を弁座６に押しつけるようにしたものが使
用さている。

【０００４】しかし、従来の装置、施設などの配管にお
いては、このような異なった機能を持つ３種類の弁を使
用しなければならないため、高価な弁を少なくとも３個
使用しなければならないという欠点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、管路に使用
する弁を少なくするため、逆止弁の機能と流量調整弁の
機能を合わせて持つ逆止機能付流量調整弁を提供するこ
とを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の逆止機能付流量調整弁においては、流入路
と流出路が垂直の通路によって連結されており、垂直の
通路の出口の周囲に弁座を設けた弁箱と、弁箱に蓋をす
る蓋と、上端に取り付けたハンドルを回すことにより弁
箱及び蓋内を上下動する弁棒と、この弁棒の下端に固定
したシリンダーと、このシリンダーの中を上下動自在
で、上端にガイドを設けたスライド棒と、上記スライド
棒の下端に設けられ、且つ上記弁座に着座することがで
きる弁体とからなるものとしたことである。

【０００７】また、上記目的を達成するため、本発明の
逆止機能付流量調整弁においては、流入路と流出路が垂
直の通路によって連結されており、垂直の通路の出口の
周囲に弁座を設けた弁箱と、弁箱に蓋をする蓋と、上端
に取り付けたハンドルを回すことにより弁箱及び蓋内を
上下動する弁棒と、この弁棒の下端に固定され、底のな
いシリンダーと、このシリンダーの中を上下動自在のス
ライド棒と、このスライド棒の下端に設けられ、且つ上
記弁座に着座することができる弁体とからなるものとし
たことである。

【０００８】さらに、上記目的を達成するため、本発明
の逆止機能付流量調整弁においては、弁棒の下端に固定
されたシリンダーの上部と下部の少なくとも一方にシリ
ンダーの中に入った流体を抜く流体抜き孔をそれぞれ１
個以上設けたことである。なお、本発明の逆止機能付流
量調整弁においては、弁棒を支持する手段、弁棒を上下
動する手段などの上記以外の弁として必要な手段、弁箱
などの構造は従来から知られているもので、本発明に使
用できるものであれば如何なるものでもよいことはもち
ろんである。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図１は、本発明の逆止機能付流量調整弁
の第一の実施の形態を示す断面図である。本発明の第一
の実施の形態の逆止機能付流量調整弁は、図１に示した
ように弁箱２と、弁箱に蓋をする蓋７と、弁箱２内など
を上下動する弁棒８と、この弁棒８の下端に固定したシ
リンダー9aと、このシリンダー9aの中を自由に上下動で
きるスライド棒10a と、このスライド棒10a の下端に設
けた弁体12などからなるものである。

【００１０】本発明の逆止機能付流量調整弁１の弁箱２
は、上部に弁体12、シリンダー9aなどを収容する部分が
あり、また下部に流入路３と流出路４とがあるもので、
流入路３と流出路４とは２つの傾斜した壁と１つの水平
壁とで仕切られており、この水平の壁に垂直の通路５が
設けられているものである。この水平の壁の垂直の通路
５の周囲には弁座６が設けられており、後から述べる弁
体12が着座するようになっている。

【００１１】この弁箱２には、上部に弁棒８などを支持
する蓋７が螺合して取り付けられている。この蓋７に
は、弁棒８に設けた雄ねじ14に螺合する雌ねじ15が設け
られており、また上部に流体が外部に流出しないように
パッキン16、パッキン押さえ17が入っており、これらを
固定する袋ナット18が螺合されている。この袋ナット1
8、パッキン16、蓋７には、その中心に弁棒８が入って
おり、この弁棒８の下部は弁箱２に達するようになって
いる。この弁棒８には、上端にハンドル13がナット19で
固定されており、中央部よりやや下に雄ねじ14が設けら
れ、蓋７に設けた雌ねじ15に螺合しており、下端にシリ
ンダー9aがボルト20で固定されている。この弁棒８は、
ハンドル13を回すと上下動し、後で述べる弁体12を上下
動することになる。

【００１２】弁棒８の下端に固定されたシリンダー9a
は、上部と下部がそれらに設けた雄ねじと雌ねじ21、22
によって一体に固定されているもので、その内部にはス
ライド棒10a が入っている。このスライド棒10a は、上
端にガイド11がボルト23で固定されており、下端に弁体
12が固定されている。この弁体12は、下部がテーパー状
になっているもので、スライド棒10a の下端に一体的に
設けられたフランジ24を弁体固定ねじ25と弁体12との間
に、弁体固定ねじ25の雄ねじと弁体12に設けた雌ねじ26
によって挟み付けられるようにして固定されている。こ
のスライド棒10a は、上端にガイド11が設けられている
ので、左右に揺れることなくシリンダー9a内を自由に上
下動することができる。また弁体12は、下部がテーパー
状になっており、弁体12の落下が弁座６の中心でなくて
も、弁座６に対して密着して着座するようになってい
る。

【００１３】次に、この逆止機能付流量調整弁の機能を
図１〜図３を参考にして説明する。この逆止機能付流量
調整弁は、ハンドル13を回して弁棒８、シリンダー9aを
下げ、このシリンダー9aで弁体12を弁座６に押し付ける
と図１に示したように垂直の通路５が閉じられて流体の
流れが停止する。この状態から、ハンドル13を回して弁
棒８、シリンダー9aを上げると、図２に示したように弁
体12は流体の圧力で持ち上げられて垂直の通路５が開か
れ、流入路３から流出路４の方向に流体が流れるように
なる。この状態においてポンプが異常停止すると、流入
路３から流体が入ってこなくなるため、弁体12が流体の
圧力によって押し上げられなくなり、図３に示したよう
に弁体12は自重により落下して垂直の通路５が閉ざさ
れ、流出路４から流入路３への逆流が阻止される。

【００１４】この逆止機能付流量調整弁は、シリンダー
9a内に入った流体を抜く孔を設けていないが、弁棒８が
上下動した場合において弁体12の上下動を迅速にするた
め、図５に示したようにシリンダー9aの上部と下部の両
方又は何れか一方に流体抜き孔27a 、27b をそれぞれ１
個以上設けることができる。また上部にのみ流体抜き孔
14a を設けると、流体が逆流した場合にシリンダー9aの
上部に流体が入り、スライド棒10a はそれによって押し
下げられるため、より確実に弁体12を弁座６に押しつけ
ることができる。また、シリンダー9a内にスライド棒10
a を下に押すようにばねを入れておくことによって流体
の圧力を減圧することができる。さらに、弁体12の下降
を迅速にするためにシリンダー9a内にスライド棒10a を
下に押すように弱いばねを入れておくこともできる。

【００１５】次に、本発明の逆止機能付流量調整弁の第
二の実施の形態を説明する。図４は、本発明の逆止機能
付流量調整弁の第二の実施の形態を示す断面図である。
本発明の第二の実施の形態の逆止機能付流量調整弁は、
図４に示したように第一の実施の形態の逆止機能付流量
調整弁のシリンダー9aを底のないシリンダー9bにすると
ともに、シリンダー9bの中を上下動するスライド棒10b
を、ガイド11のないものとしたものである。

【００１６】この逆止機能付流量調整弁は、機能が第一
の実施の形態の逆止機能付流量調整弁と同様であるが、
ガイド11及びガイド11を固定するためのボルト23を用い
る必要がないので、弁箱２の高さを低くすることがで
き、またシリンダー9b及びスライド棒10b の形状が簡単
であるため、製造が容易である。

【００１７】この逆止機能付流量調整弁は、シリンダー
9b内に入った流体を抜く孔を設けていないが、弁棒８が
上下動した場合に弁体12の運動を迅速にするため、図６
に示したようにシリンダー9bの上部に流体抜き孔27c を
１個以上設けることができる。またこのように上部に流
体抜き孔27c を設けると、流体が逆流した場合にシリン
ダー9bの上部に流体が入り、より確実に弁体12を弁座６
に押しつけることができる。また、シリンダー9a内にス
ライド棒10a を下に押すようにばねを入れておくことに
よって流体圧を調整することができる。さらに、弁体12
の下降を迅速にするためにシリンダー9b内にスライド棒
10b を下に押すように弱いばねを入れておくともでき
る。

【００１８】

【発明の効果】本発明の逆止機能付流量調整弁は、上記
構成にしたことにより、次のような優れた効果を奏す
る。 （１）１個の弁で逆止弁の機能と流量調整弁の機能があ
るので、管路に設置する弁の数を少なくすることができ
る。 （２）管路に設置する弁の数を少なくすることができる
ため、それぞれの弁を適切な位置に設置することがで
き、また弁を設置するための作業量を少なくすることも
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施の形態の逆止機能付流量調
整弁の縦断側面図である。

【図２】図１の逆止機能付流量調整弁の機能を説明する
ための縦断側面図である。

【図３】図１の逆止機能付流量調整弁の機能を説明する
ための縦断側面図である。

【図４】本発明の第二の実施の形態の逆止機能付流量調
整弁の縦断側面図である。

【図５】図１の逆止機能付流量調整弁の変形例を説明す
るための部分縦断側面図である。

【図６】図４の逆止機能付流量調整弁の変形例を説明す
るための部分縦断側面図である

【図７】従来の流量調整弁の縦断側面図である。

【図８】従来の逆止弁の縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 逆止機能付流量調整弁 ２ 弁箱 ３ 流入路 ４ 流出路 ５ 垂直の通路 ６ 弁座 ７ 蓋 ８ 弁棒 9a、9b シリンダー 10a 、10b スライド棒 11 ガイド 12、12a 、12b 弁体 13 ハンドル 14、22、26 雌ねじ 15、21 雄ねじ 16 パッキン 17 パッキン押さえ 18 袋ナット 19 ナット 20、23 ボルト 24 フランジ24を 25 弁体固定ねじ 27a 、27b 、27c 流体抜き孔 28 空間 29 流体流通孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流入路（３）と流出路（４）が垂直の通
   路（５）によって連結されており、垂直の通路（５）の
   出口の周囲に弁座（６）が設けられた弁箱（２）と、弁
   箱に蓋をする蓋（７）と、弁箱（２）及び蓋（７）内を
   上下動する弁棒（８）と、この弁棒（８）の下端に固定
   したシリンダー（9a）と、このシリンダー（9a）の中を
   上下動自在で、上端にガイド（11）を設けたスライド棒
   （10a)と、このスライド棒（10a)の下端に固定され、且
   つ上記弁座（６）に着座することができる弁体（12）と
   からなることを特徴とする逆止機能付流量調整弁。
2. 【請求項２】 流入路（３）と流出路（４）が垂直の通
   路（５）によって連結されており、垂直の通路（５）の
   出口の周囲に弁座（６）が設けられた弁箱（２）と、弁
   箱に蓋をする蓋（７）と、弁箱（２）及び蓋（７）内を
   上下動する弁棒（８）と、この弁棒（８）の下端に固定
   された底のないシリンダー（9b）と、このシリンダー
   （9b）の中を上下動自在のスライド棒（10b)と、このス
   ライド棒（10b)の下端に固定され、且つ上記弁座（６）
   に着座することができる弁体（12）とからなることを特
   徴とする逆止機能付流量調整弁。
3. 【請求項３】 シリンダー（9a、9b）の上部と下部の少
   なくとも一方に流体抜き孔（27a 、27b 、27c)を設けた
   ことを特徴とする請求項１または請求項２記載の逆止機
   能付流量調整弁。