JPH1017456A - 細胞活性剤、化粧料及び養毛料 - Google Patents

細胞活性剤、化粧料及び養毛料

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JPH1017456A
JPH1017456A JP8173285A JP17328596A JPH1017456A JP H1017456 A JPH1017456 A JP H1017456A JP 8173285 A JP8173285 A JP 8173285A JP 17328596 A JP17328596 A JP 17328596A JP H1017456 A JPH1017456 A JP H1017456A
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hair
cell
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boehmeria
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JP8173285A
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Hiroaki Sato
宏晶 佐藤
Hiroshi Nagafuku
博志 長福
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KANSAI KOUSO KK
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KANSAI KOUSO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性に優れ、テストステロン 5α−リダク
ターゼ阻害活性、血管拡張作用、表皮保湿活性、細胞増
殖活性、チロシナーゼ阻害活性、SOD様活性、抗酸化
作用又はこれらを組合わせた活性等に優れる細胞活性剤
及び化粧料、更には脱毛予防や育毛作用に優れた養毛料
を提供すること。 【解決手段】マオ属(Boehmeria)植物の溶媒抽出物、所
望によりテストステロン5α−リダクターゼ阻害活性、
表皮保湿活性、細胞増殖活性を有するマオ属植物の溶媒
抽出物を有効成分として含有する細胞活性剤、該細胞活
性剤を含む化粧料及び養毛料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物由来の溶媒抽
出物を有効成分とする、テストステロン 5α−リダク
ターゼ阻害活性、血管拡張作用、表皮保湿活性、細胞増
殖活性、チロシナーゼ阻害活性、SOD様活性、抗酸化
作用又はこれらを組合わせた活性等を示す細胞活性剤、
化粧料及び養毛料に関する。
【0002】
【従来の技術】マオ属(Boehmeria)に属する植物は、多
年生の低木又は小高木であり、世界中の熱帯及び温帯域
に広く分布する植物であって、古くからその繊維がロー
プや網等に利用され、また、止血剤や熱病等に利用され
たり、若芽は食用されることもある。しかし、マオ属植
物の溶媒抽出物については従来検討されていない。一
方、従来より細胞活性作用や保湿作用等の化粧料等に利
用可能な物質として、種々の植物の溶媒抽出物が検討さ
れている。しかし、前述のマオ属植物の溶媒抽出物の作
用については全く知られていない。
【0003】ところで、従来から脱毛予防又は育毛を目
的として男性ホルモンを抑制する物質が種々提案されて
いる。例えば、エストラジオール、エチニルエストラジ
オール等の女性ホルモン作用を有する物質も抗男性ホル
モン作用を有する物質として知られているが、安全性の
点で問題がある。他方、男性ホルモン抑制機構の研究の
結果、毛根における男性ホルモン活性は、テストステロ
ンがテストステロン 5α−リダクターゼ(以下TSR
と略す)によって還元されて生成する5α−ジヒドロテ
ストステロン(以下DHTと略す)であると言われてい
る。このDHTはテストステロンの数倍から十数倍強力
な男性ホルモン作用を有することが知られており、この
DHTが細胞内の受容体と結合し、毛母細胞に作用して
その細胞***を抑制することによって毛髪の成長が妨げ
られると考えられている。そこで、このようなTSR活
性阻害機構に係る物質がいくつか報告されているが、そ
の作用や安全性は不十分であったり、コスト的に問題が
あるのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、安全性に優れ、TSR阻害活性、血管拡張活性、表
皮保湿活性、細胞増殖活性、チロシナーゼ阻害活性、S
OD様活性、抗酸化作用又はこれらを組合わせた活性等
に優れる細胞活性剤及び化粧料を提供することにある。
本発明の他の目的は、脱毛予防や育毛作用に優れた養毛
料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、マオ属
(Boehmeria)植物の溶媒抽出物を有効成分として含有す
る細胞活性剤が提供される。また本発明によれば、前記
有効成分としてのマオ属(Boehmeria)植物の溶媒抽出物
が、TSR阻害活性、表皮保湿活性、細胞増殖活性又は
これらを組合わせた活性を示す前記細胞活性剤が提供さ
れる。更に本発明によれば、前記細胞活性剤を含む化粧
料が提供される。更にまた本発明によれば、前記TSR
阻害活性を示す細胞活性剤を含む養毛料が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の細胞活性剤の有効成分は、マオ属植物の溶
媒抽出物であって、この有効成分は、TSR阻害活性、
血管拡張活性、表皮保湿活性、細胞増殖活性、チロシナ
ーゼ阻害活性、SOD様活性、抗酸化作用又はこれらを
組合わせた活性等の細胞活性作用を示すと共に、化粧料
等に要求される特に表皮保湿活性、細胞増殖活性等に優
れ、更にはTSR阻害活性を示し、養毛料等に利用でき
る他、各種医薬品、医薬部外品等に利用することができ
る。前記マオ属に属する植物は、多年生の低木又は小高
木であり、世界中の熱帯及び温帯域に広く分布する植物
であって、その数は豊富である。また古くからその繊維
がロープや網等に利用されており、また止血剤や熱病に
利用されたり、若芽が食用に供されることもあり毒性の
少ない植物として知られている。マオ属に属する植物の
具体例としては、ヤブマオ(Boehmeria longispica Ste
ud)、メヤブマオ(Boehmeria platanifolia Franch. e
t Sav.)、オニヤブマオ(Boehmeriaholosericea Blum
e)、ナガバヤブマオ(Boehmeria sieboldiana Blum
e)、アカソ(Boehmeria tricuspis Makino)、コアカ
ソ(Boehmeria spicata Thumb.)、ラセイタソウ(Boeh
meria biloba Wedd.)、カラムシ(Boehmeria nivea Ga
ud.)等を挙げることができる。
【0007】前記有効成分を調製するには、例えばマオ
属植物の所望部位を溶媒に浸漬させ、抽出液を得る方
法、該抽出液から所望の前記細胞活性、特にTSR阻害
活性、表皮保湿活性、細胞増殖活性等を示す成分を更に
精製して得る方法又は該抽出液を濃縮乾燥して固形抽出
物を得る方法等により製造できる。マオ属植物を溶媒抽
出する部位は特に限定されず、葉、茎、根又はこれらの
混合物のいずれであっても良く、また乾燥させたもので
も良い。溶媒抽出する際には、通常、マオ属植物の所望
部位を数mm程度に調整して溶媒に浸漬させれば良い。
【0008】溶媒としては、熱水;メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル等の低級アルコール;プロピレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグ
リコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリ
ン等のグリセリン類;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類;酢酸エチル、脂肪酸のエチルエステル等の
各種エステル類;トルエン等の芳香族炭化水素等の各種
極性有機溶媒;これらの含水物又はこれらの混合物等を
挙げることができる。これらの溶媒は必要に応じて加温
したり、pH調整して使用することもできる。
【0009】マオ属植物を溶媒に浸漬させる時間は、溶
媒の種類、温度等により異なり、特に限定されないが、
通常、3日間以上、好ましくは7〜15日間、特に好ま
しくは8〜10日間程度である。得られた抽出液は、そ
のまま有効成分として用いることができる他、抽出液を
減圧濃縮して溶媒を除去し、抽出固形物としても良く、
更に抽出液又は抽出固形物を、吸着、分子ふるい、遠心
分離、イオン交換、各種クロマトグラフィー又はこれら
を組合わせた各種精製工程によって高濃度に精製した抽
出精製物を有効成分とすることもできる。
【0010】本発明の細胞活性剤は、前記抽出物を有効
成分として含有しておれば良く、その含有割合は、前記
抽出物の種類によって異なるが、0.0001重量%以
上、好ましくは0.0001〜20重量%含有されてお
れば良い。0.0001重量%未満では、所望の細胞活
性作用が得られない恐れがあるので好ましくない。
【0011】本発明の化粧料は、前記細胞活性剤を含有
し、好ましくはTSR阻害活性、表皮保湿活性、細胞増
殖活性のうちの少なくとも1以上の細胞活性等を示し、
その剤型は特に限定されず、例えば液状、エマルジョ
ン、クリーム、ゲル、エアゾール、パウダー等の外皮に
適用できるものであれば良い。化粧料の種類としては、
パック剤、ハップ剤、プラスター剤、シャンプー、リン
ス、ヘアートニック、コンディショナー、スカルプトリ
ートメント、養毛剤、ファンデーション、化粧水、乳
液、浴用剤、ボディ洗浄剤、ローション、洗顔洗浄剤、
歯磨き剤、口中清涼剤、消炎剤、石鹸、栄養クリーム、
腋臭防止剤、デオドラント剤、口臭防止剤、清感剤、ス
キンオイル、消毒液、紫外線防止剤、てんか粉類等が挙
げられ、これら各種化粧料に細胞活性剤を配合すること
により所望効果を発揮させることができる。化粧料とす
る際の前記細胞活性剤の配合割合及び形態は、前述の化
粧料の種類等により適宜選択することができるが、通常
配合割合は、細胞活性剤中の有効成分であるマオ属植物
の溶媒抽出物換算で、0.0001重量%以上、特に
0.0001〜20重量%が望ましい。0.0001重
量%未満では、所望の細胞活性作用が得られない恐れが
あるので好ましくない。
【0012】本発明の化粧料には、前述の所望の化粧料
の種類に応じて、通常配合される各用途に必要な有効成
分や、油脂類、界面活性剤、アルコール類、脂肪酸類、
防腐剤、殺菌剤、増粘剤、酸化防止剤、色素、香料、水
溶性高分子、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、
緩衝剤、精製水又はこれらの混合物等の他の成分を適宜
配合することができる。これら他の成分の配合割合は、
化粧料の種類並びに所望効果に応じて適宜選択すること
ができる。
【0013】本発明の養毛料は、前記TSR阻害活性を
示すマオ属植物の溶媒抽出物を有効成分として含む細胞
活性剤を含有する。この細胞活性剤の配合割合は、含有
される溶媒抽出物の精製度や形態等により適宜選択する
ことができるが、通常、細胞活性剤中の有効成分である
マオ属植物の溶媒抽出物換算で、0.0001重量%以
上、特に0.0001〜20重量%が望ましい。0.0
001重量%未満では、所望のTSR阻害活性作用等が
得られない恐れがあるので好ましくない。
【0014】本発明の養毛料には、通常養毛料に含有さ
れる各種公知の材料を含有させることができる。例えば
養毛剤、抗菌剤、清涼剤、保湿剤又はこれらの混合物等
を適量配合することができる。
【0015】養毛剤としては、例えばビタミンB6、ビ
タミンE及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘
導体、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸エステル類、
サイクロスポリン類、塩化カルプロニウム、セファラン
チン、オキセンドロン、ジアゾキシド、ミノキシジル、
エチニルエストラジオール、エストラジオール又はこれ
らを含有する動植物抽出物等を挙げることができ、使用
に際しては単独若しくは混合物として用いることができ
る。抗菌剤としては、例えばヒノキチオール、ピロクト
オラミン、ピロチオン亜鉛、ヘキサクロロフェン、フェ
ノール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウ
ム、ウンデシレン酸、トリクロロカルバニリド又はこれ
らの混合物等を挙げることができる。清涼剤としては、
メントール等を挙げることができる。保湿剤としては、
例えばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ポリ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価
アルコール類;アミン酸、乳酸ナトリウム、ピロリドン
カルボン酸ナトリウム等のNMF成分;ヒアルロン酸;
コラーゲン;エラスチン;コンドロイチン硫酸;フィブ
ロネクチン;セラミド類;ヘパリン類似様物質;キトサ
ン等の水溶性高分子物質又はこれらの混合物等を挙げる
ことができる。
【0016】本発明の養毛料の形態は、通常の液状等に
することができる他、クリームであっても良い。養毛料
には、通常配合される各種添加剤を配合することができ
る。添加剤としては、例えば油脂類、界面活性剤、アル
コール類、脂肪酸類、防腐剤、酸化防止剤、色素、香
料、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、緩衝剤、
精製水等を挙げることができ、その配合量は適宜選択す
ることができる。
【0017】
【発明の効果】本発明の細胞活性剤は、食用されること
もあるマオ属植物の溶媒抽出物を有効成分とするので、
毒性が少なく、優れたTSR阻害活性、血管拡張活性、
表皮保湿活性、細胞増殖活性、チロシナーゼ阻害活性、
SOD様活性、抗酸化作用又はこれらを組合わせた活性
等の細胞活性作用を示す。また、該溶媒抽出物は、特に
強力なTSR活性阻害作用を示すことができ、優れた表
皮保湿活性や細胞増殖活性等を示すので、化粧料、特に
養毛料等に利用できる他、各種医薬品や医薬部外品に利
用することもできる。本発明の化粧料及び養毛料は、前
記マオ属植物の溶媒抽出物を含む細胞活性剤を含有する
ので、優れた保湿性、細胞増殖性等の細胞活性を示し、
養毛料にあっては、脱毛の原因となるTSRを安全に抑
制、阻害し、優れた育毛効果を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】実施例1 ヤブマオの葉部及び茎部合計1kgを数mm程度に細か
く刻んだ後、90容量%アセトン溶液3リットルに浸漬
し、室温で1週間放置した後、濾過して濾液を回収し
た。濾液を充分減圧濃縮し、アセトン抽出乾燥物6.9
6gを得た。得られた乾燥物をジメチルスルホキシド
(DMSO)に20000ppmとなるように溶解して
サンプル溶液を調製した。
【0020】<ケラチノサイト細胞増殖試験>ケラチノ
サイト細胞5×104/μlを懸濁したK−GM培地
(クラボウ社製)5mlに、前記サンプル溶液25μl
を加え、最終濃度が培地中100ppmとなるように調
製した。次いで、ケラチノサイト細胞を、37℃にてC
2インキュベータ(CO2濃度5%)により5日間培養
した。この際培地は2日毎に交換した。培養後、顕微鏡
による肉眼増殖判定と、トリプシン/EDTA溶液で細
胞を培地から剥離し、3000rpm、5分間で遠心収
集し、血球計算盤(萱垣医理科工業社製)による細胞数
測定とによりケラチノサイト細胞増殖の評価を行った。
尚、対照としてサンプル溶液を添加しない場合と、コン
トロール(DMSO)のみの添加の場合も同様に評価し
た。評価は下記の基準で行った。結果を表1に示す。表
1の結果より、サンプル溶液は優れた細胞増殖作用を示
し細胞活性剤として有効であることがわかった。細胞増殖評価基準 ++:顕著に増殖、+:増殖、±:増殖傾向は見られる
が少ない、−:増殖なし。
【0021】
【表1】
【0022】<TSR活性阻害試験>tris−HCl
バッファー(pH7.8)1.7mlに、テストステロ
ン溶液(5.8mg/ml)75μl、NADPH溶液
(B液5.0mg/ml)及び前記調製したサンプル溶
液0.3mlを混合した。次いで、TSR酵素液(ラッ
ト肝臓ホモジネート液の上澄み液)0.5mlを加えて
撹拌し、37℃でインキュベートして反応を開始した。
30分後、1mlのジクロロメタンで反応を停止した。
次に、30mlのジクロロメタンで抽出を行い、ジクロ
ロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過
して濾液を充分減圧濃縮した。得られた濾過物にメタノ
ール3mlを加えて測定用サンプルを調製した。得られ
た測定用サンプルについてテストステロンのピークをH
PLCで検出し、その減少量からTSR阻害率を算出し
た(HPLC条件:検出波長240nm、アセトニトリ
ル:水=85:15、流速0.8ml/分)。その結
果、TSR活性は50%に減少しており、前記サンプル
溶液は非常に優れたTSR阻害活性を示すことがわかっ
た。尚、サンプル溶液を混合しない対照では、TSR活
性は100%であった。この結果から、サンプル溶液
は、細胞活性作用に加えて、優れたTSR活性阻害作用
をも示すことがわかった。
【0023】<保湿性試験>前記調製したアセトン抽出
乾燥物を、蒸留水に溶解し0.010重量%水溶液(以
下、「実施例1溶液」と称す)を調製した。実施例1溶液
の保湿性試験を3人のパネルにより行った。まず、パネ
ラー3人の前腕屈内を70%エタノールで拭き、室温1
7〜18℃、相対湿度70%以下の環境において10分
間放置した。次いで、適当な面積の被験部位4箇所を前
記エタノールで拭いた部分に設定し、各部位に1滴の蒸
留水を滴下して10秒後に乾いたガーゼで水滴を拭き取
った。その直後、30秒後、60秒後及び120秒後
に、ベクトルインピーダンスメーター(ヒューレットパ
ッカード社製)により各部位のインピーダンスを測定
した。次に、30分後に、各部位に、実施例1溶液、保
湿作用を有することが知られている0.010重量%ヒ
アルロン酸水溶液並びに0.010重量%スクワラン水
溶液、コントロールとしての蒸留水を各10μl、各々
の部位に塗布した。塗布直後に、各部位に蒸留水1滴を
滴下し、10秒後に乾いたガーゼで水滴を拭き取った。
その直後、30秒後、60秒後及び120秒後に、ベク
トルインピーダンスメーター(ヒューレットパッカード
社製)により各部位のインピーダンスを測定した。こ
れらの測定結果に基づいて下記式により皮膚伝導度及
びを算出した。
【0024】
【数1】
【0025】 W0 :水負荷直後の皮膚のインピーダンス W30 :水負荷30秒後の皮膚のインピーダンス W60 :水負荷60秒後の皮膚のインピーダンス W90 :水負荷90秒後の皮膚のインピーダンス W120:水負荷120秒後の皮膚のインピーダンス 更に、式(水分保持能(△Ω~1)=皮膚伝導度−皮膚
伝導度)により各水分保持能を算出した。結果を図1
に示す。この際、皮膚伝導度は水分保持能と相関してお
り、皮膚伝導度が高いと保湿性が高いこととなる。従っ
て、図1の結果より、実施例1溶液は、一般に保湿性能
が高いと言われるヒアルロン酸及びスクワラン水溶液よ
りも同一濃度(0.010重量%)において優れた保湿
性を有していることがわかり、特に化粧料への利用が可
能であることがわかる。
【0026】<育毛効果試験>C3Hマウス(6週令、
体重:18.3〜20.5g)12匹の背部をバリカン
で刈毛し、更に商品名「エバクレームS」(東京田辺製
薬(株)製)で除毛し、4日間発毛休止期であることを
確認した。除毛4日後、除毛部位1×2cmの測定部位
を設定し、1群3匹として0.1mlの前記アセトン抽
出乾燥物により調製したサンプル溶液、市販の育毛剤
(センブル抽出ペースト)及びコントロールとしてのD
MSO:エタノール=1:1の溶液を1日2回(朝、
夕)、28日間塗布した。塗布開始10日目、15日
目、17日目、20日目、24日目及び28日目に発毛
状態を写真撮影し、発毛面積を測定した。尚、無塗布の
群についても同様に発毛状態を観察した。この発毛面積
の測定は、1×2cmのクリアーシートの重量をT(測
定部位全体に相当するクリアーシートの重量)とし、該
クリアーシートを測定部位に載置して、発毛部位に印を
付け、該印を付けた箇所のクリアーシートを切り取りそ
の重量をP(発毛部位に相当するクリアーシートの重
量)とし、この重量比(P/T)を発毛面積の割合とし
て行った。その結果を表2に示し、サンプル溶液を塗布
した部位が100%に達した15日目までの結果を図2
に示す。
【0027】この結果、本実施例におけるサンプル溶液
は、市販の育毛剤に比べて非常に短期間に発毛作用が見
られ、且つ100%発毛が再現することがわかる。更
に、無塗布の群が10日目以降から発毛が開始されてい
るので、試験開始後10日目までは発毛休止期であった
が、10日目以降は発毛期に入っていることがわかる。
この点からコントロールや市販育毛剤では、発毛休止期
における発毛は全く認められないのに対して、本実施例
では発毛休止期であっても発毛作用を発現させうること
がわかる。
【0028】
【表2】
【0029】実施例2 以下に示す組成のヘアートニックを調製した。 (1)実施例1で調製したヤブマオのアセトン抽出乾燥物 2.0重量%、 (2)レゾルシン 0.1重量%、 (3)β−グリチルリチン酸 0.05重量%、 (4)l−メントール 0.1重量% (5)グリセリン 10.0重量% (6)香料 0.3重量% (7)キレート剤 0.1重量% (8)エタノール 60.0重量% (9)精製水 残余。
【0030】実施例3 以下に示す組成のシャンプーを調製した。 (1)実施例1で調製したヤブマオのアセトン抽出乾燥物 2.0重量%、 (2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.0重量%、 (3)ラウリル硫酸トリエタノールアミン 10.0重量%、 (4)アルカノールアミド 5.0重量% (5)グリコールジステアレート 5.0重量% (6)プロピレングリコール 3.0重量% (7)安息香酸 1.0重量% (8)香料 0.2重量% (9)精製水 残余。
【0031】実施例4 以下に示す組成のリンスを調製した。 (1)実施例1で調製したヤブマオのアセトン抽出乾燥物 2.0重量%、 (2)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0重量%、 (3)塩化アルキルトリメチルアンモニウム 1.0重量%、 (4)ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0重量% (5)モノステアリン酸グリセル 3.0重量% (6)セタノール 1.0重量% (7)ステアリルアルコール 1.0重量% (8)ハイソルブEPH 0.1重量% (9)パラオキシ安息香酸エステル 0.1重量% (10)香料 0.4重量% (11)精製水 残余。
【0032】実施例5 以下に示す組成のヘアクリームを調製した。 (1)実施例1で調製したヤブマオのアセトン抽出乾燥物 2.0重量%、 (2)ステアリン酸 0.2重量%、 (3)液状ラノリン 1.0重量%、 (4)流動パラフィン 45.0重量% (5)ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.5重量% (6)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.5重量% (7)パラオキシ安息香酸エステル 0.1重量% (8)2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオール 0.1重量% (9)エデト酸4ナトリウム 0.1重量% (10)プロピレングリコール 2.0重量% (11)香料 0.3重量% (12)精製水 残余。
【0033】実施例6 以下に示す組成の養毛剤を調製した。 (1)実施例1で調製したヤブマオのアセトン抽出乾燥物 2.0重量%、 (2)酢酸dl−α−トコフェロール 0.1重量%、 (3)パントテニルエチルエーテル 0.1重量%、 (4)ヒノキチオール 0.1重量% (5)l−メントール 0.1重量% (6)香料 0.3重量% (7)グリセリン 10.0重量% (8)エタノール 40.0重量% (9)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1重量% (10)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 1.0重量% (11)精製水 残余。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で行った保湿性試験の結果を示すグラ
フである。
【図2】実施例1で行った育毛効果試験の結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 ADA A61K 35/78 ADAC

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マオ属(Boehmeria)植物の溶媒抽出物を
    有効成分として含有する細胞活性剤。
  2. 【請求項2】 有効成分としてのマオ属(Boehmeria)植
    物の溶媒抽出物が、テストステロン 5α−リダクター
    ゼ阻害活性を有することを特徴とする請求項1記載の細
    胞活性剤。
  3. 【請求項3】 有効成分としてのマオ属(Boehmeria)植
    物の溶媒抽出物が、表皮保湿活性及び/又は細胞増殖活
    性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の細胞
    活性剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の細
    胞活性剤を含む化粧料。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の細胞活性剤を含む養毛
    料。
JP8173285A 1996-07-03 1996-07-03 細胞活性剤、化粧料及び養毛料 Pending JPH1017456A (ja)

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