JPH10169470A - スロットルアクチュエータ制御装置 - Google Patents

スロットルアクチュエータ制御装置

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JPH10169470A
JPH10169470A JP8327069A JP32706996A JPH10169470A JP H10169470 A JPH10169470 A JP H10169470A JP 8327069 A JP8327069 A JP 8327069A JP 32706996 A JP32706996 A JP 32706996A JP H10169470 A JPH10169470 A JP H10169470A
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opening
throttle valve
value
throttle
fully closed
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Application number
JP8327069A
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English (en)
Inventor
Masashi Matsuyama
昌史 松山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットルバルブの全閉位置と全開位置をす
ばやく正確に検出する。 【解決手段】 アクチュエータ駆動手段の駆動指令値と
スロットルバルブ開度検出値とに基づいてアクチュエー
タに加わる外乱を推定し、この外乱推定値に基づいてス
ロットルバルブの全閉端または全開端への当接を検出
し、当接検出時にスロットルバルブの開度検出値を補正
する。これにより、スロットルバルブの全閉端と全開端
をすばやく正確に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクセルペダルと
機械的な連結機構を介さずにスロットルバルブの開閉を
行なうスロットルアクチュエータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクセルペダルから機械的な連結機構を
介さず、アクチュエータによりスロットルバルブの開閉
を行なうスロットルアクチュエータ制御装置が知られて
いる(例えば、特開平3−271537号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スロットル
バルブはアクチュエータにより全閉端から全開端までの
間で駆動され、スロットルバルブが全閉端または全開端
に当接するとアクチュエータがロックされる。従来のス
ロットルアクチュエータ制御装置では、スロットルバル
ブの開度をフィードバック制御するためにバルブ開度を
センサーによって検出しているが、センサーの取り付け
誤差やスロットルアクチュエータの作動誤差などによっ
て、全閉位置および全開位置におけるセンサー出力が異
なることがある。スロットルバルブ開度をフィードバッ
ク制御している時に、スロットルバルブが全閉端または
全開端に当接すると、スロットルアクチュエータがロッ
クされるためにアクチュエータの負荷電流が増大し、バ
ッテリー電力を無駄に消耗することになる。したがっ
て、スロットルバルブの全閉位置と全開位置をすばやく
正確に検出する必要がある。
【0004】従来のスロットルアクチュエータ制御装置
の全閉および全開位置の検出方法には次のような方法が
ある。 (1) 開度フィードバック制御における開度目標値と
開度検出値との偏差に基づいて判定する方法。 (2) 開度フィードバック制御によるアクチュエータ
の駆動パルスのデューティー比に基づいて判定する方
法。 (3) 開度フィードバック制御によるアクチュエータ
の負荷電流に基づいて判定する方法。 (4) 開度フィードフォワード制御における開度偏差
に基づいて判定する方法。
【0005】(1)の方法によれば、スロットルバルブ
が全閉端または全開端に当接してロックすると開度フィ
ードバック制御における開度偏差が増加するので、開度
偏差がしきい値を超えたら全閉または全開位置であると
判定する。しかし、サーボ系の遅れや定常偏差を考慮
し、誤検出を防止するためにしきい値を高めに設定する
必要があり、判定時間がかかって検出が遅れる。
【0006】(2)の方法によれば、スロットルバルブ
が全閉端または全開端に当接してロックすると、開度偏
差の増加にともなって駆動デューティー比が増加するの
で、デューティー比がしきい値を超えたら全閉または全
開位置であると判定する。しかし、駆動デューティー比
にはスロットルバルブとその駆動機構のイナーシャを駆
動する分が含まれているので、誤検出を防止するために
しきい値を高めに設定しなければならず、判定時間がか
かって検出が遅れる。
【0007】(3)の方法によれば、スロットルバルブ
が全閉端または全開端に当接してロックするとアクチュ
エータの負荷電流が増加するので、負荷電流がしきい値
を超えたら全閉または全開位置であると判定する。しか
し、負荷電流にはスロットルバルブとその駆動機構のイ
ナーシャを駆動する分が含まれているので、誤検出を防
止するためにしきい値を高めに設定しなければならず、
判定時間がかかって検出が遅れる。さらに、負荷電流を
検出するためのセンサーが必要となり、コストがかか
る。
【0008】(4)のフィードフォワードによる全閉お
よび全開位置の学習では、フリクションに負けない大き
なデューティー比を設定する必要があるので、スロット
ルバルブがフィードバック制御に比べて速い速度で全閉
端または全開端に衝突し、スロットルアクチュエータの
耐久性を損うおそれがある。
【0009】本発明の目的は、スロットルバルブの全閉
位置と全開位置をすばやく正確に検出することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施の形態の
構成を示す図1および図2により本発明を説明すると、 (1) 請求項1の発明は、内燃機関のスロットルバル
ブを開閉するアクチュエータ1と、アクチュエータを駆
動する駆動手段5と、スロットルバルブの開度を検出す
る開度検出手段2,3と、開度検出値θを開度指令値θ
rに追従させるための駆動指令値Irを演算して駆動手
段5を制御する制御手段4(16〜19)と、駆動指令
値Irと開度検出値θとに基づいてアクチュエータ1に
加わる外乱を推定し、駆動指令値Irを補正する外乱推
定手段4(11〜15)とを備えたスロットルアクチュ
エータ制御装置であって、外乱推定手段4(11〜1
5)による外乱推定値u2に基づいてスロットルバルブ
が全閉端または全開端に当接したことを検出する開閉端
検出手段4と、開閉端検出手段4によりスロットルバル
ブの全閉端または全開端への当接が検出された時に開度
検出手段2,3の開度検出値を補正する開度検出値補正
手段4とを備える。外乱推定値u2に基づいてスロット
ルバルブの全閉端または全開端への当接を検出し、当接
検出時にスロットルバルブの開度検出値を補正する。 (2) 請求項2のスロットルアクチュエータ制御装置
は、開閉端検出手段4によって、外乱推定値が所定値を
超える状態が所定時間続いたらスロットルバルブが全閉
端または全開端に当接していると判定するようにしたも
のである。 (3) 請求項3のスロットルアクチュエータ制御装置
は、開閉端検出手段4によりスロットルバルブの全閉端
または全開端への当接が検出されても開度検出値補正手
段4はすぐに開度検出値を補正せず、制御手段4(16
〜19)が駆動手段5の制御を一時停止し、制御手段4
(16〜19)による制御再開後にふたたび開閉端検出
手段4によりスロットルバルブの全閉端または全開端へ
の当接が検出されたら、開度検出値補正手段4は開度検
出手段4の開度検出値を補正するようにしたものであ
る。 (4) 請求項4のスロットルアクチュエータ制御装置
は、開閉端検出手段4および開度検出値補正手段4は、
所定の操作に応じてスロットルバルブの全閉端および全
開端の位置学習モードへ移行するようにしたものであ
る。
【0011】上記課題を解決するための手段の項では説
明を解りやすくするために発明の一実施の形態の図面を
参照したが、本発明が発明の一実施の形態に限定される
ものではない。
【0012】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、外乱推定値に基づい
てスロットルバルブの全閉端または全開端への当接を検
出し、当接検出時にスロットルバルブの開度検出値を補
正するようにしたので、スロットルバルブの全閉端と全
開端をすばやく正確に検出することができ、スロットル
バルブが開閉端へ当接してバッテリー電力を無駄に消費
することが避けられ、スロットルアクチュエータの機械
的な損傷を防止することができる。 (2) 請求項2の発明によれば、外乱推定値が所定値
を超える状態が所定時間続いたらスロットルバルブが全
閉端または全開端に当接していると判定するようにした
ので、スロットルバルブの開閉端への当接を確実に検出
できる。 (3) 請求項3の発明によれば、スロットルバルブの
全閉端または全開端への当接が検出されてもすぐに開度
検出値を補正せず、アクチュエータの駆動制御を一時停
止し、制御再開後にふたたびスロットルバルブの全閉端
または全開端への当接が検出されたら開度検出値を補正
する。これにより、スロットルバルブまたはその駆動機
構が異物によりロックされていた場合には、フィードバ
ック制御の停止と再開の間に異物が自然に取り除かれる
ことがあるので、上述した全閉位置および全開位置の誤
認を防止できる確立が高くなる。 (4) 請求項4の発明によれば、所定の操作に応じて
スロットルバルブの全閉端および全開端の位置学習モー
ドへ移行するようにした。例えばイグニッションキーを
オフした時に開閉端の学習モードへ移行すれば、次回の
走行時にはスロットルバルブの開閉端をすばやく正確に
検出でき、スロットルバルブの開閉端の補正を合理的に
行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
−発明の第1の実施の形態− 図1は発明の第1の実施の形態の構成を示す図である。
スロットルアクチュエータ1は、内燃機関の吸入空気流
路に設けられたバタフライ型スロットルバルブを駆動す
る。駆動源にはDCモータが用いられ、モータの出力を
減速機により減速して、ばねにより付勢されたスロット
ルバルブを開閉駆動する。センサー2はスロットルバル
ブの開口角度を検出する。この実施形態ではアナログ信
号を出力する安価なポテンショメータ式とするが、高精
度な光学式エンコーダを用いてもよい。センサー信号処
理回路3は増幅器およびA/D変換器を有し、角度セン
サー2からのアナログ信号を増幅してディジタル信号に
変換する。
【0014】スロットルバルブコントローラ4はマイク
ロコンピュータおよびその周辺部品から構成され、スロ
ットルバルブ開度検出値が開度指令値に追従するような
モータ電流指令値を演算する。電流制御アンプ5は、実
際のモータ電流がモータ電流指令値に追従するようにパ
ワートランジスタのスイッチング時間を制御する。
【0015】なお、この実施形態では電流検出センサー
を用いたフィードバック式電流制御アンプで構成してい
るが、電流制御アンプはこの実施形態に限定されない。
例えば、スロットル開度と後述のモデルマッチング補償
器出力とに基づいて、後述の外乱補償器で一定化された
制御対象の動特性モデルでモータの逆起電力を推定し、
この逆起電力推定値で電流指令値から求まる有効電圧を
補正して電流制御用パワートランジスタのスイッチング
時間を演算制御するフィードフォワード式電流制御アン
プを用いてもよい。
【0016】図2は、スロットルバルブコントローラ4
の構成を示す制御ブロック図である。スロットルバルブ
コントローラ4は、好ましくない外乱やパラメータ変動
を抑制するための外乱補償器(ロバスト補償器とも呼
ぶ)11〜15と、スロットル開度指令値に対する実ス
ロットル開度の応答性を予め設定した所望の応答特性に
一致させるためのモデルマッチング補償器16〜19と
を有する。
【0017】なお、電流制御アンプ5、モータとバルブ
可動機構からなるスロットルアクチュエータ1、角度セ
ンサー2およびセンサー信号処理回路3がコントローラ
4の制御対象であり、また、スロットル開度指令値θr
がスロットルバルブ開度指令値(目標値)、電流指令値
Irが駆動指令値(操作量)、スロットル開度θがスロ
ットルバルブ開度検出値(制御量)である。
【0018】まず、外乱補償器11〜15について説明
する。電流指令値Irからスロットル開度θまでの制御
対象の連続系伝達特性Gp(s)を(K/(as2+b
s+c))(以下、0次/2次と表わす)とし、これを
離散化した伝達特性をGp(z-1)で表わす。
【数1】
【0019】Gp(z-1)のゼロ点(−bp0/bp
1)は、サンプリングタイムが小さいほど−1に収束す
るので、Gp(z-1)の逆系を補償器に用いると不安定
になってしまう。これを避けるために、次のように外乱
補償器を設計する。制御ブロック11は、定常ゲインが
1であるローパスフィルタH0(z-1)に、Gp
(z-1)のゼロ点を有するQ(z-1)を付加したフィル
タH(z-1)である。この制御ブロック11は、電流指
令値Irをローパスフィルタ処理して電流指令値Ir’
を出力する。
【数2】H(z-1)=H0(z-1)・Q(z-1
【0020】制御ブロック12はフィルタH(z-1)/
Gp(z-1)である。したがって、−1に収束するゼロ
点が相殺され、制御ブロック12は安定なディジタルフ
ィルタとなる。この制御ブロック12は、電流指令値I
rからスロットル開度θまでの制御対象の離散系伝達特
性Gp(z-1)と、スロットル開度θとに基づいて電流
指令値を逆算し、さらにローパスフィルタ処理して電流
指令値Ir”を出力する。
【0021】減算器14は、電流指令値Ir”から電流
指令値Ir’を減算して、電流アンプ5からセンサー信
号処理回路3までの制御対象の外乱やパラメータ変動に
よる電流指令値Irのずれ量u2(以下、外乱推定値と
呼ぶ)を求める。さらに、減算器15は電流指令値u1
から外乱推定値u2を減算して補正し、外乱やパラメー
タ変動による影響を排除した電流指令値Irを出力す
る。
【0022】外乱推定値u2は、制御対象に外乱やパラ
メータ変動がない場合にゼロとなる。制御対象に外乱d
やパラメータ変動Δがある場合には、
【数3】 となり、H(z-1)のゲイン特性が1である周波数帯域
では、
【数4】θ=Gp(z-1)・u1 となる。つまり、外乱やパラメータ変動の影響が完全に
キャンセルされて、制御対象の動特性がノミナルモデル
Gp(z-1)に一定化される。H(z-1)のカットオフ
周波数を上げると高周波数域まで同様な効果が得られる
が、逆にハイゲインフィードバックとなり、安定余裕が
減少するのでトレードオフ設計が必要となる。
【0023】制御ブロック13はモータ電流の上下限に
相当するリミッタであり、実際の制御対象の入力である
モータ電流が飽和した時に外乱補償器の入力を制限する
ことによって、外乱推定値u2に誤差が溜まるのを防止
して応答性能の劣化を防ぐ。
【0024】次に、モデルマッチング補償器16〜19
について説明する。まず、所望の応答特性を連続系規範
モデル伝達特性Gm0(s)(0次/2次)で与える。
これを離散化した規範モデル伝達特性をGm0(z-1
とすると、制御対象の伝達特性Gp(z-1)と同様に、
サンプリングタイムを小さくすると−1に収束するゼロ
点を有する。したがって、モデルマッチング補償器の設
計の際に両者を相殺させる目的で、規範モデル伝達特性
Gm0(z-1)のゼロ点を制御対象伝達特性Gp
(z-1)のゼロ点で置き換えたGm(z-1)を規範モデ
ル伝達特性として用いる。なお、サンプリングタイムが
充分小さければ、Gm(z-1)とGm0(z-1)との差
はほとんどなく、実用上問題はない。
【数5】
【0025】数式1と数式5の各係数を用いると、モデ
ルマッチング補償器の制御ブロック16は1/R
(z-1)、制御ブロック17はL(z-1)、制御ブロッ
ク18はBmfで構成される。
【数6】
【0026】図3は、スロットルバルの開度制御プログ
ラムを示すフローチャートである。このフローチャート
により、第1の実施の形態のスロットルバルブの全閉位
置および全開位置の検出および補正処理を説明する。コ
ントローラ4のマイクロコンピュータは例えば2mSご
とにこの制御プログラムを実行する。ステップ1で、セ
ンサー2から出力されるスロットルバルブの開口角度θ
に応じた電圧信号を増幅してA/D変換する。続くステ
ップ2で、ディジタル信号に変換された電圧信号をスロ
ットル開度θに変換する。ステップ3では、乗員のアク
セルペダルの操作量などによりアクチュエータの開度指
令値θrを決定する。
【0027】ステップ4において、精度の違うスロット
ル開度の切り換えを行なう。スロットル角度センサー2
のアナログ出力信号を増幅してA/D変換し、スロット
ル開度計測値として外乱補償器11〜15とモデルマッ
チング補償器16〜19の演算に用いると、センサー2
のアナログ出力信号には必ずある程度のノイズが混入す
るので、外乱補償器11〜15が充分に機能せず、目標
とするスロットル制御分解能を実現できない場合があ
る。
【0028】そこで、図4に示すように、スロットル角
度センサー2のアナログ出力信号を大きく増幅(この例
では4倍)することによって、増幅器の有効周波数域を
上回る高周波ノイズを相対的に低減する。また、A/D
変換器の入力電圧には当然、上限があるので、非常に高
いスロットル制御分解能が必要となるアイドル制御時、
つまり低スロットル開度域のみこれを行ない、単位合せ
の後、図5に示すように増幅しない通常のA/D変換値
と補間演算してスロットルバルブ開度検出値として用い
る。滑らかに両方のA/D変換値をつなぐためには、増
幅しない通常のA/D変換値や1サンプル周期前に補間
演算した値に基づいて、双方の間で補間演算する。
【数7】補間値=k・(A/D変換値2)+(1−k)
・(A/D変換値1)、 ここで、(A/D変換値1)≦θの場合はk=1、θ2
<(A/D変換値1<θ1の場合は0<k<1、θ2≦
(A/D変換値1)の場合はk=0とする。
【0029】ステップ5において、エンジンの制御状態
に応じて図2に示す制御ブロック11および12の外乱
補償器(ロバスト補償器)の周波数特性を切り換え、上
述した図2に示す外乱補償器11〜15の演算を行なっ
て外乱推定値u2を算出する。外乱補償器の周波数特性
の切り換えについては後述する。ステップ6で、図2に
示すモデルマッチング補償器16〜19によって、スロ
ットル開度指令値に対する実スロットル開度の応答性を
予め設定した所望の応答特性に一致させる。
【0030】ステップ7〜12において、スロットルバ
ルブの全閉および全開位置を検出して位置の補正を行な
う。ステップ7で、外乱推定値u2の絶対値が後述する
しきい値αを超えているかどうかを判定する。|u2|
がしきい値αを超えていれば、ステップ9へ進んでカウ
ンターCONTをインクリメントし、続くステップ10
でカウンターによる計測時間が所定時間tを超えている
かどうかを判定する。なお、|u2|がしきい値αを超
えていなければステップ8でカウンターをクリヤーす
る。
【0031】外乱推定値の絶対値|u2|がしきい値α
を超えている時間が所定時間tよりも長い時は、ステッ
プ11でスロットルバルブが全閉端または全開端に当接
してロックしていると判断し、ステップ12で角度セン
サー2の出力と全閉位置または全開位置の関係を補正す
る。なお、スロットルバルブが全閉端に当接したか、ま
たは全開端に当接したかはその時のスロットルバルブの
駆動方向、すなわち閉じ方向に駆動しているか、開方向
に駆動しているかにより容易に判断できる。
【0032】ステップ8において、図2に示すモデルマ
ッチング補償器16〜19により算出した電流指令値u
1から外乱補償器11〜14により算出した外乱推定値
u2を減算して補正し、外乱やパラメータ変動による影
響を排除した電流指令値Irを求め、電流制御増幅器5
へ出力する。
【0033】図6は、図3のステップ5におけるロバス
ト補償器の周波数特性の切り換え処理を示すフローチャ
ートである。ステップ51と52において、周波数特性
の異なるロバスト補償器1(カットオフ周波数f1〔H
z〕)とロバスト補償器2(カットオフ周波数f2〔H
z〕)によって、外乱推定値1と外乱推定値2を演算す
る。続くステップ53で、エンジンの制御状態量である
実スロットル開度θに応じて外乱推定値1または外乱推
定値2を選択する。
【数8】θ>θoの場合は、外乱推定値1を選択、 θ<θoの場合は、外乱推定値2を選択 複数の外乱補償器によって演算された複数の外乱推定値
を、スロットル開度などのエンジン制御状態に応じて選
択することによって、外乱補償器の特性をリアルタイム
に大きく変更することができ、これにより実スロットル
開度の段差を最小に押え且つ連続的にすることができ
る。
【0034】このように、外乱推定値に基づいてスロッ
トルバルブの全閉端または全開端への当接を検出し、当
接検出時にスロットルバルブの開度検出値を補正するよ
うにしたので、スロットルバルブの全閉端と全開端をす
ばやく正確に検出することができ、スロットルバルブが
開閉端へ当接してバッテリー電力を無駄に消費すること
が避けられ、スロットルアクチュエータの機械的な損傷
を防止することができる。また、外乱推定値が所定値を
超える状態が所定時間続いたらスロットルバルブが全閉
端または全開端に当接していると判定するようにしたの
で、スロットルバルブの開閉端への当接を確実に検出で
きる。
【0035】なお、上述した第1の実施の形態ではスロ
ットルバルブが全閉端または全開端に当接してロックし
たことを検出し、スロットルバルブ角度センサーの出力
を補正するようにした。しかし、スロットルバルブまた
はその駆動機構に異物が挟まれ、スロットルバルブが全
閉端および全開端以外の位置でロックすることがある。
そのような場合にスロットルバルブが全閉端または全開
端に当接していると判断して角度センサーの出力を補正
すると、かえって検出誤差が大きくなってしまう。
【0036】そこで、スロットルバルブのロック状態が
検出されたら、すぐに角度センサーの補正処理をせず、
いったんフィードバック制御を停止する。この時、制御
停止時にばねにより全閉と全開の中間開度に保持される
構成のスロットルバルブでは、初期位置である中間開度
に復帰する。その後、ふたたびフィードバック制御を開
始し、改めてスロットルバルブのロック状態が検出され
たら全閉端または全開端に当接していると判断してセン
サー出力の位置補正を行なう。一方、スロットルバルブ
またはその駆動機構が異物によりロックされていた場合
には、フィードバック制御の停止と再開の間に異物が自
然に取り除かれることがあるので、上述した全閉位置お
よび全開位置の誤認を防止できる確立が高くなる。
【0037】−発明の第2の実施の形態− スロットルバルブ開度のフィードバック制御中に、イグ
ニッションキーのオフ操作などの所定の操作により全閉
位置および全開位置の学習モードへ移行し、全閉位置お
よび全開位置を補正する第2の実施の形態を説明する。
図7は第2の実施の形態のスロットルバルブの開度制御
プログラムを示す。なお、この第2の実施の形態の構成
は図1および図2に示す第1の実施の形態の構成と同様
であり説明を省略する。また、図3に示すプログラムと
同様な処理を行なうステップに対しては同一のステップ
番号を付して相違点を中心に説明する。さらに、この実
施の形態では全閉位置学習モードについて説明し、全開
位置学習モードについての説明を省略する。
【0038】実スロットル開度算出後のステップ21に
おいて全閉位置学習モードが設定されたらステップ22
へ進み、スロットル開度指令値θrを閉じ方向に減少さ
せる。続くステップ4〜6で、上述したようにスロット
ル開度の補間と単位変更を行ない、外乱補償器(ロバス
ト補償器)とモデルマッチング補償器の演算を行なう。
スロットル開度指令値θrを閉じ方向に減少させながら
外乱推定値u2をモニターし、ステップ23で外乱推定
値の絶対値|u2|がしきい値αを超えているかどうか
を判定する。|u2|がしきい値αを超えたらステップ
24へ進み、カウンターをインクリメントする。なお、
外乱推定値の|u2|がしきい値αを超えていなければ
ステップ25でカウンターをクリヤーする。ステップ2
6でカウンターの計測時間が所定時間tを超えたらスロ
ットルバルブが全閉端に当接していると判断し、ステッ
プ27で角度センサー2の出力を補正し、ステップ28
で全閉位置の学習を終了する。
【0039】なお、全開位置の学習モードでは、スロッ
トル開度指令値θrを増加させ、スロットルバルブを全
開端に当接させて上記と同様な処理を行なえばよい。
【0040】次に、上述した従来のスロットルアクチュ
エータ制御装置の全閉および全開位置検出結果と、上述
した第1および第2の実施の形態による全閉および全開
位置の検出結果を比較する。ここで、従来のスロットル
アクチュエータ制御装置の検出結果は、上述した検出方
法(1)の開度フィードバック制御における開度目標値
と開度検出値との偏差に基づいて判定する方法と、検出
方法(2)の開度フィードバック制御によるアクチュエ
ータの駆動パルスのデューティー比に基づいて判定する
方法を例に上げて説明する。
【0041】まず、各検出方法における全閉および全開
位置の判定しきい値を決定する。しきい値は、スロット
ルアクチュエータに最大の負荷がかかる駆動制御状態、
すなわちスロットルバルブを全閉端および全開端に当接
させないようにして、開度指令値θrを全閉→全開→全
閉にステップ状に変化させた時の、デューティー比相当
値(所定の定数により実際のデューティー比に換算する
前の値)と外乱推定値u2の最大値の110%の値とす
る。ただし、開度偏差Δθ(=θr−θ)についてはそ
の最大値とする。
【0042】図8は、開度指令値θrを0度から75度
にステップ状に変化させた時の開度指令値θr[度]、
開度検出値θ[度]、デューティー比相当値(dut
y、単位なし)、開度偏差Δθ(=θr−θ)、外乱推
定値u2[度]を示す。デューティー比相当値の最大値
は60であるからその110%の66をしきい値とす
る。開度偏差Δθの最大値は75であるからしきい値を
75とする。外乱推定値u2の最大値は9であるからし
きい値を10とする。
【0043】図9は、従来装置と上記実施の形態による
検出動作のシュミレーション結果を示す。このシュミレ
ーションは電源オフ時にばねにより中間開度に保持され
る構成のスロットルバルブを用い、開度指令値θrを5
0度からランプ状(−200度/1秒)に減少させた時
のものである。図において、上から順に開度指令値θ
r、角度センサー2のよる開度検出値θ、デューティー
比相当値(従来の検出方法(2))、開度偏差Δθ(従
来の検出方法(1))、外乱推定値u2(第1および第
2の実施の形態)の変化を示す。なお、各パラメータが
しきい値を超えてから実際に全閉位置の検出結果がでる
までの検出遅れ時間を100msとする。
【0044】従来のアクチュエータの駆動パルスのデュ
ーティー比による検出方法(2)では、スロットルバル
ブが全閉位置に当接(図中のx点)してから、a点でデ
ューティー比相当値がしきい値−66を超え、100m
sの検出遅れ時間後のb点で全閉位置を検出する。つま
り、この従来の検出方法による検出時間はx点からb点
までの455msとなる。
【0045】また、従来の開度偏差Δθによる検出方法
(1)では、スロットルバルブが全閉位置に当接(図中
のx点)してから、c点で開度偏差Δθがしきい値−7
5を超え、100msの検出遅れ時間後のd点で全閉位
置を検出する。つまり、この従来の検出方法による検出
時間はx点からd点までの455msとなる。
【0046】これに対し、上記実施の形態による検出方
法では、スロットルバルブが全閉位置に当接(図中のx
点)してから、e点で外乱推定値u2がしきい値10を
超え、100msの検出遅れ時間後のf点で全閉位置を
検出する。つまり、上記実施の形態による検出時間はx
点からf点までの105msとなる。このように、上記
実施の形態による検出時間は、従来装置による検出方法
に比べおよそ350ms早く全閉位置を検出することが
できる。
【0047】以上の一実施形態の構成において、アクチ
ュエータ1がアクチュエータを、電流制御アンプ5が駆
動手段を、スロットル角度センサー2およびセンサー信
号処理回路3が開度検出手段を、スロットルバルブコン
トローラ4の制御ブロック16〜19が制御手段を、ス
ロットルバルブコントローラ4の制御ブロック11〜1
5が外乱推定手段を、スロットルバルブコントローラ4
が開閉端検出手段および開度検出値補正手段をそれぞれ
構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 スロットルバルブコントローラの構成を示す
制御ブロック図である。
【図3】 第1の実施の形態のスロットルバルブ開度制
御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】 スロットル開度検出値の処理方法を説明する
図である。
【図5】 スロットル開度検出値の処理方法を説明する
図である。
【図6】 外乱補償器(ロバスト補償器)の周波数特性
の切り換え処理を示すフローチャートである。
【図7】 第2の実施の形態のスロットルバルブ開度制
御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】 全閉位置および全開位置を判定するためのし
きい値の決定方法を説明する図である。
【図9】 全閉位置検出動作のシュミレーション結果を
示す図である。
【符号の説明】
1 スロットルアクチュエータ 2 スロットル角度センサー 3 センサー信号処理回路 4 スロットルバルブコントローラ 5 電流制御アンプ 11〜15 外乱補償器(ロバスト補償器) 16〜19 モデルマッチング補償器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のスロットルバルブを開閉する
    アクチュエータと、 前記アクチュエータを駆動する駆動手段と、 前記スロットルバルブの開度を検出する開度検出手段
    と、 前記開度検出値を開度指令値に追従させるための駆動指
    令値を演算して前記駆動手段を制御する制御手段と、 前記駆動指令値と前記開度検出値とに基づいて前記アク
    チュエータに加わる外乱を推定し、前記駆動指令値を補
    正する外乱推定手段とを備えたスロットルアクチュエー
    タ制御装置であって、 前記外乱推定手段による外乱推定値に基づいて前記スロ
    ットルバルブが全閉端または全開端に当接したことを検
    出する開閉端検出手段と、 前記開閉端検出手段により前記スロットルバルブの全閉
    端または全開端への当接が検出された時に前記開度検出
    手段の開度検出値を補正する開度検出値補正手段とを備
    えることを特徴とするスロットルアクチュエータ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスロットルアクチュエ
    ータ制御装置において、 前記開閉端検出手段は、前記外乱推定値が所定値を超え
    る状態が所定時間続いたら前記スロットルバルブが全閉
    端または全開端に当接していると判定することを特徴と
    するスロットルアクチュエータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のスロッ
    トルアクチュエータ制御装置において、 前記開閉端検出手段により前記スロットルバルブの全閉
    端または全開端への当接が検出されても前記開度検出値
    補正手段はすぐに前記開度検出値を補正せず、前記制御
    手段が前記駆動手段の制御を一時停止し、前記制御手段
    による制御再開後にふたたび前記開閉端検出手段により
    前記スロットルバルブの全閉端または全開端への当接が
    検出されたら、前記開度検出値補正手段は前記開度検出
    手段の開度検出値を補正することを特徴とするスロット
    ルアクチュエータ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載のス
    ロットルアクチュエータ制御装置において、 前記開閉端検出手段および前記開度検出値補正手段は、
    所定の操作に応じて前記スロットルバルブの全閉端およ
    び全開端の位置学習モードへ移行することを特徴とする
    スロットルアクチュエータ制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006022805A (ja) * 2004-06-07 2006-01-26 Denso Corp センサ出力調整方法
EP2058489A2 (en) 2007-11-07 2009-05-13 Keihin Corporation Control system for internal combustion engine
JP2009115006A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Keihin Corp 内燃機関の制御装置
JP2009283190A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システムとその制御方法

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