JPH10168091A - ジアミン白金錯体及びこれを含有する医薬 - Google Patents

ジアミン白金錯体及びこれを含有する医薬

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JPH10168091A
JPH10168091A JP33202096A JP33202096A JPH10168091A JP H10168091 A JPH10168091 A JP H10168091A JP 33202096 A JP33202096 A JP 33202096A JP 33202096 A JP33202096 A JP 33202096A JP H10168091 A JPH10168091 A JP H10168091A
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JP33202096A
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English (en)
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Kinichi Mogi
錦一 茂木
Noriaki Shioiri
紀明 塩入
Hiroshi Hasegawa
博司 長谷川
Koichi Yokoi
好一 横井
Hidehiko Kamiya
英彦 神谷
Mari Otsuka
真理 大塚
Hiroyuki Mizuno
博之 水野
Susumu Sato
佐藤  進
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SSP Co Ltd
Original Assignee
SSP Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基、
置換基を有してしてもよいアラルキル基又は置換基を有
していてもよいアシル基を示し、Xはハロゲン原子を示
すか、又は2個のXが一緒になって置換基を有していて
もよいマロン酸残基を形成する。〕で表されるジアミン
白金錯体及びこれを有効成分とする医薬。 【効果】 抗腫瘍効果に優れ、安全性が高く、かつシス
プラチン耐性株に対して有効に作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた抗腫瘍効果を
有し、かつ安全性の高い新規白金錯体及びこれを含有す
る医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、悪性腫瘍は死亡原因のトップを占
めるに至っており、これに対し、種々の抗腫瘍物質が開
発されている。このうち抗腫瘍性白金化合物であるシス
プラチンは幅広い抗腫瘍スペクトラムを有し、種々の腫
瘍の化学療法において重要な位置を占めている。
【0003】しかしながら、シスプラチンは腎毒性、血
液毒性、消化器毒性、神経毒性といった副作用が多いと
いう問題があった。そこで、シスプラチンの腎毒性を軽
減し、水溶性を増加するものとしてカルボプラチン[最
新医学,41(3),509(1986)]が開発され
たが、カルボプラチンの抗腫瘍効果は、必ずしも満足の
いくものではなかった。さらに、他の抗癌剤同様、耐性
細胞の出現をまぬがれなかったこともシスプラチンの弱
点として挙げられる。
【0004】そこで、新しい抗腫瘍性白金錯体の開発に
あたっては、優れた抗腫瘍効果を有すると共に、シスプ
ラチン耐性細胞に対して有効に作用する錯体を創出する
ことが望まれる。そのような試みとして、例えばL12
10のシスプラチン耐性株が交叉耐性を示さない、1,
2−ジアミノシクロヘキサンを配位子とする白金錯体が
数多く合成された例[キャンサーリサーチ,37,34
55−3457(1977)]等を挙げることができ
る。
【0005】また、田代らは、L1210のシスプラチ
ン耐性株(L1210/DDP)、P388のシスプラ
チン耐性株(P388/DDP)、Colon26のシ
スプラチン耐性株(Colon26/DDP)等のシス
プラチン耐性株を誘導し、これを用いて、種々の白金錯
体について、その交叉耐性パターンを比較〔癌と化学療
法,17(3),PART−(II),509−514
(1990)〕している。その論文の中で、田代らは、
トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサンを配位
子とする白金錯体には、L1210/DDPは交叉耐性
は示さないが、P388/DDPは交叉耐性を示すこと
等を報告し、多くのシスプラチン耐性株が交叉耐性を示
さない様なキャリアーリガンドを有する白金錯体を見出
すことが、シスプラチン耐性克服の足掛かりとなると指
摘している。このように、種々の試みがなされている
が、いまだ満足すべき白金錯体は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、抗腫瘍効果に優れ、安全性が高く、かつシスプラチ
ン耐性株に対して有効に作用する白金錯体及びこれを含
有する医薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情に鑑み本発明
者は鋭意研究を行なった結果、下記一般式(1)で表さ
れるジアミン白金錯体が優れた抗腫瘍効果を示し、安全
性も高く、かつシスプラチン耐性株に対して有効である
ことを見出し本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】〔式中、R1 は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又
は置換基を有していてもよいアシル基を示し、Xはハロ
ゲン原子を示すか、又は2個のXが結合して、置換基を
有していてもよいマロン酸残基を形成する。〕で表され
るジアミン白金錯体を提供するものである。また本発明
は上記一般式(1)で表されるジアミン白金錯体を有効
成分とする医薬を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のジアミン白金錯体は上記
一般式(1)で表されるものであり、式中R 1 で示され
るアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又
はシクロアルキル基が挙げられる。直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基としては、炭素数1〜9のアルキル基が好まし
く、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基等が挙げられる。このうち特に好まし
くは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基である。また、シクロアルキル基
としては、炭素数3〜7のシクロアルキル基、具体的に
はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられ
る。
【0012】アラルキル基としては、炭素数7〜19の
アラルキル基が好ましく、具体的にはベンジル基、フェ
ネチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基等が挙げら
れるが、就中ベンジル基が特に好ましい。
【0013】アシル基としては、炭素数1〜9のアルカ
ノイル基、炭素数3〜7のシクロアルカノイル基、ベン
ゾイル基又は5〜6員のヘテロアロイル基等が挙げられ
る。ここで炭素数1〜9のアルカノイル基としては、ホ
ルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル
基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル
基、オクタノイル基等が挙げられる。このうち炭素数2
〜7のアルカノイル基が特に好ましい。また、炭素数3
〜7のシクロアルカノイル基としては、シクロプロピル
カルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘ
キシルカルボニル基等が挙げられる。さらに、5〜6員
のヘテロアロイル基としては、5〜6員のヘテロ原子と
して窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有するヘテロア
ロイル基が挙げられ、具体的にはフロイル基、チオフェ
ンカルボニル基、ニコチニル基等が挙げられる。
【0014】また、これらのアルキル基、アラルキル基
又はアシル基には、ヒドロキシ、炭素数1〜9のアルコ
キシ及びハロゲン原子から選ばれる1〜3個が置換して
いてもよい。置換基含有アルキル基の例としてはヒドロ
キシエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、
クロロエチル基等が挙げられる。置換基含有アルカノイ
ル基の例としては、グリコロイル基、ラクトイル基等が
挙げられる。置換基含有ベンゾイル基の例としてはサリ
チロイル基、アニソイル基、p−クロロベンゾイル基、
p−ヒドロキシベンゾイル基、p−フルオロベンゾイル
基等が挙げられる。
【0015】これらR1 のうち、炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素数7〜14のアラルキル基、炭素数1〜7の
アルカノイル基、炭素数3〜7のシクロアルカノイル
基、ベンゾイル基又は5〜6員のヘテロ原子として窒素
原子、硫黄原子もしくは酸素原子を1個有するヘテロア
ロイル基(これらの基には、ヒドロキシ基、炭素数1〜
6のアルコキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよ
い)がより好ましい。
【0016】Xで示されるハロゲン原子としては、弗素
原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。ま
た、2個のXで形成されるマロン酸残基としては、次式
(2)で表されるものが挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】〔式中、R2 及びR3 は同一又は異なって
いてもよく、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基を示
すか、又はR2 及びR3 が結合して炭素数2〜5の直鎖
アルキレン基を形成してもよい〕
【0019】式(2)中、R1 及びR3 で示されるアル
キル基としては、炭素数1〜4のもの、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基が挙げられ、炭素数2〜5の直鎖アルキレン
基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチ
レン基、ペンタメチレン基が挙げられる。このうち、R
2 及びR3 が炭素数3〜5の直鎖アルキレン基、特にト
リメチレン基を形成する場合が好ましい。
【0020】本発明のジアミン白金錯体は、例えば次式
に従って製造することができる。
【0021】
【化5】
【0022】〔式中、R1 及びXは前記と同じものを示
す。〕
【0023】すなわち、塩化第一白金酸カリウムの水溶
液にヨウ化カリウムを加えて得たヨウ化第一白金酸カリ
ウム(K2PtI4)水溶液に、このK2PtI4に対して
1〜10倍モル、好ましくは1.2〜5倍モルのアミン
(3)を加え、0〜60℃、好ましくは10〜40℃で
0.5〜5時間反応させ、化合物(4)を得る。次いで
化合物(4)を水溶液中硝酸銀で処理してジアコ錯体
(5)とし、このジアコ錯体(5)の水溶液に、ジアコ
錯体に対し1〜3倍モルのマロン酸誘導体もしくはその
塩又はハロゲン原子を含む酸もしくはその塩を加え、0
〜60℃、好ましくは10〜40℃で1〜8時間反応せ
しめれば、目的とする本発明化合物(1)を得ることが
できる。化合物(1)は、常法により精製して用いるこ
ともできる。
【0024】このようにして得られたジアミン白金錯体
(1)は優れた抗腫瘍作用を有し、安全性が高く、かつ
シスプラチン耐性株に対して有効に作用するので、悪性
腫瘍治療用の医薬として有用である。
【0025】ジアミン白金錯体(1)を悪性腫瘍治療剤
としてヒトを含む哺乳類に投与するには、通常、医薬用
担体と組み合わせて医薬組成物とするのが好ましい。こ
のような医薬組成物としては、静脈注射、筋肉注射、腫
瘍注射等の注射用組成物、経口投与用組成物、直腸投与
用組成物などが挙げられるが、注射用組成物が特に好ま
しい。
【0026】経口投与用組成物、特に経口用固形製剤を
調製する場合には、本発明のジアミン白金錯体に賦形
剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯
味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、カプセル
剤、散剤、顆粒剤、細粒剤等とすればよい。賦形剤とし
ては、例えば乳糖、蔗糖、澱粉、タルク、ステアリン酸
マグネシウム、結晶セルロース、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナ
トリウム、アラビアゴム等が、結合剤としてはポリビニ
ルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロー
ス、アラビアゴム、シェラック、白糖等が、滑沢剤とし
てはステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられ
る。その他、着色剤、崩壊剤等は通常公知のものを用い
ることができる。なお、錠剤は周知の方法によりコーテ
ィングしてもよい。
【0027】注射用組成物を調製する場合には、本発明
のジアミン白金錯体に注射用蒸留水、pH調整剤、緩衝
剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法
により静脈内、筋肉内、腫瘍内用注射剤とすればよい。
pH調整剤及び緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸
ナトリウム、リン酸ナトリウム等が、安定化剤としては
ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオ
グリコール酸、チオ乳酸等が使用できる。
【0028】直腸投与用組成物、例えば坐剤は、本発明
のジアミン白金錯体に基剤、さらに必要に応じて界面活
性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
基剤としては、例えばマクロゴール、ラノリン、カカオ
油、脂肪酸トリグリセライド、ウィテップゾール(ダイ
ナマイトノーベルズ社製)等の油性基剤を用いることが
できる。
【0029】本発明の医薬、特に悪性腫瘍治療剤の投与
量は、用法、患者の状態、年齢、体重等によって異なる
が、注射剤の場合ジアミン白金錯体(1)として、1日
3〜150mg/m2 を1〜3回に分けて投与するのが好
ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】実施例1(化合物1) 塩化第一白金酸カリウム6.23g(15mmol)及びヨ
ウ化カリウム24.9g(150mmol)を水100mlに
加え、60℃で30分間攪拌し、ヨウ化第一白金酸カリ
ウムの水溶液を得た。この水溶液を室温に戻し、O−メ
チル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール1.56g
(15mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応
後、生成した結晶を濾取し、水、エタノール、エーテル
で順次洗浄し、乾燥して、シス−ジヨード(O−メチル
−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の
黄色結晶4.72g(収率57%)を得た。
【0032】融点:185-200℃(分解) 元素分析値 計算値:C,8.68;H,2.19;N,5.07 実測値:C,8.73;H,2.00;N,5.15
【0033】このシス−ジヨード(O−メチル−1,3
−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)2.77g
(5mmol)を水300mlに懸濁し、これに硝酸銀1.7
g(10mmol)を加え、室温で3時間攪拌し反応させ
た。反応後、生成したヨウ化銀を濾過によって取り除
き、濾液に1,1−シクロブタンジカルボン酸0.71
g(5mmol)を1規定水酸化ナトリウム溶液10mlに溶
かした溶液を加え、室温で終夜放置した。反応後、反応
液を約2mlに濃縮し、0℃に放置したところ、無色結晶
が生成した。生成した結晶を濾取し、冷水で洗浄し、乾
燥し、下記式で示す1,1−シクロブタンジカルボキシ
ラト(O−メチル−1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル)白金(II)(化合物1)1.12g(収率52%)
を得た。
【0034】
【化6】
【0035】融点:215-230℃(分解) 元素分析値 計算値:C,27.21 ;H,4.11;N,6.35 実測値:C,27.28 ;H,4.02;N,6.42 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3200, 3120, 1620, 1600
【0036】実施例2(化合物2) 実施例1において、O−メチル−1,3−ジアミノ−2
−プロパノールの代わりにO−エチル−1,3−ジアミ
ノ−2−プロパノールを用い、他は実施例1と同様にし
てシス−ジヨード(O−エチル−1,3−ジアミノ−2
−プロパノール)白金(II)の黄色結晶(収率57%)
を得た。
【0037】融点:210-220℃(分解) 元素分析値 計算値:C,10.59 ;H,2.94;N,4.94 実測値:C,10.51 ;H,3.15;N,4.80
【0038】このシス−ジヨード(O−エチル−1,3
−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を用い、他
は実施例1と同様にして、下記式で示す1,1−シクロ
ブタンジカルボキシラト(O−エチル−1,3−ジアミ
ノ−2−プロパノール)白金(II)(化合物2)(収率
67%)を得た。
【0039】
【化7】
【0040】融点:235-245℃(分解) 元素分析値 計算値:C,29.01 ;H,4.43;N,6.15 実測値:C,28.81 ;H,4.50;N,6.00 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3250, 3150, 1660, 1370
【0041】実施例3(化合物3) 実施例1において、O−メチル−1,3−ジアミノ−2
−プロパノールの代わりにO−メトキシメチル−1,3
−ジアミノ−2−プロパノールを用い、他は実施例1と
同様にしてシス−ジヨード(O−メトキシメチル−1,
3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の黄色結
晶(収率57%)を得た。
【0042】融点:180-190℃(分解) 元素分析値 計算値:C,10.30 ;H,2.42;N,4.80 実測値:C,10.42 ;H,2.20;N,4.63
【0043】このシス−ジヨード(O−メトキシメチル
−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を
用い、他は実施例1と同様にして、下記式で示す1,1
−シクロブタンジカルボキシラト(O−メトキシメチル
−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の
結晶(化合物3)(収率47%)を得た。
【0044】
【化8】
【0045】融点:230-250℃(分解) 元素分析値 計算値:C,28.03 ;H,4.28;N,5.94 実測値:C,28.10 ;H,4.50;N,5.75 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3200, 3110, 1630, 1605
【0046】実施例4(化合物4) 実施例1において、O−メチル−1,3−ジアミノ−2
−プロパノールの代わりにO−メトキシエチル−1,3
−ジアミノ−2−プロパノールを用い、他は実施例1と
同様にして、シス−ジヨード(O−メトキシエチル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の結
晶(収率60%)を得た。
【0047】融点:185-195℃(分解) 元素分析値 計算値:C,12.09 ;H,2.70;N,4.69 実測値:C,12.00 ;H,2.55;N,4.77
【0048】このシス−ジヨード(O−メトキシエチル
−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を
用い、他は実施例1と同様にして、下記式で示す1,1
−シクロブタンジカルボキシラト(O−メトキシメチル
−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の
結晶(化合物4)(収率49%)を得た。
【0049】
【化9】
【0050】融点:225-235℃(分解) 元素分析値 計算値:C,29.09 ;H,4.57;N,5.77 実測値:C,29.04 ;H,4.50;N,5.48 IR(KBr)νmaxcm-1:3500, 3250, 3100, 1620, 1580
【0051】実施例5(化合物5) 塩化第一白金酸カリウム4.15g(10mmol)及びヨ
ウ化カリウム16.6g(100mmol)を水70mlに溶
解し、室温で1時間攪拌した。反応後、反応液を50℃
で減圧濃縮乾固した。残渣をエタノール80mlで抽出
し、不溶物を濾過によって取り除いた。濾液にO−ベン
ジル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩
3.53g(10mmol)及び水酸化ナトリウム0.80
g(20mmol)を加え、室温で60分攪拌した。反応
後、生成した結晶を濾取し乾燥し、シス−ジヨード(O
−ベンジル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白
金(II)の黄色結晶5.75g(収率91%)を得た。
【0052】融点:200-215℃(分解) 元素分析値 計算値:C,19.09 ;H,2.56;N,4.45 実測値:C,19.20 ;H,2.42;N,4.38
【0053】このシス−ジヨード(O−ベンジル−1,
3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)4.40
g(7mmol)及び硝酸銀2.38g(14mmol)に水3
00mlを加え、室温で6時間攪拌した。反応後、生成し
たヨウ化銀を濾過によって取り除き、濾液に1,1−シ
クロブタンカルボン酸0.994g(7mmol)を1規定
水酸化ナトリウム14mlに溶解したものを加え、室温で
終夜放置した。反応後、反応液を30mlに濃縮し、0℃
で放置して生成した結晶を濾取し、乾燥して、下記式で
示す1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O−ベン
ジル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(I
I)(化合物5)の無色結晶1.01g(収率25%)
を得た。
【0054】
【化10】
【0055】融点:230-250℃(分解) 元素分析値 計算値:C,37.14 ;H,4.29;N,5.41 実測値:C,37.11 ;H,4.22;N,5.31 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3210, 3110, 1660, 1630
【0056】実施例6(化合物6) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(p−フルオ
ロベンジル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール二
塩酸塩を用い、他は実施例5と同様にして、シス−ジヨ
ード(O−(p−フルオロベンジル)−1,3−ジアミ
ノ−2−プロパノール)白金(II)の黄色結晶(収率7
3%)を得た。
【0057】融点:180-190℃(分解) 元素分析値 計算値:C,18.56 ;H,2.34;N,4.33 実測値:C,18.76 ;H,2.18;N,4.19
【0058】このシス−ジヨード(O−(p−フルオロ
ベンジル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白
金(II)を用い、他は実施例5と同様にして、下記式で
示す1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O−(p
−フルオロベンジル)−1,3−ジアミノ−2−プロパ
ノール)白金(II)(化合物6)の無色結晶(収率47
%)を得た。
【0059】
【化11】
【0060】融点:205-220℃(分解) 元素分析値 計算値:C,35.89 ;H,3.95;N,5.23 実測値:C,35.74 ;H,4.25;N,5.10 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3210, 3120, 1660, 1610
【0061】実施例7(化合物7) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(p−クロロ
ベンジル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩
酸塩を用い、他は実施例5と同様にして、シス−ジヨー
ド(O−(p−クロロベンジル)−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール)白金(II)の黄色結晶(収率40
%)を得た。
【0062】融点:230-240℃(分解) 元素分析値 計算値:C,18.10 ;H,2.28;N,4.22 実測値:C,18.15 ;H,2.19;N,4.16
【0063】このシス−ジヨード(O−(p−クロロベ
ンジル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)を用い、他は実施例5と同様にして、下記式で示
す1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O−(p−
クロロベンジル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル)白金(II)(化合物7)の無色結晶(収率67%)
を得た。
【0064】
【化12】
【0065】融点:210-225℃(分解) 元素分析値 計算値:C,34.82 ;H,3.84;N,5.08 実測値:C,34.88 ;H,3.74;N,4.87 IR(KBr)νmaxcm-1:3400, 3220, 3120, 1640, 1610
【0066】実施例8(化合物8) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−アセチル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩を用い、
他は実施例5と同様にして、シス−ジヨード(O−アセ
チル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(I
I)の黄色結晶(収率65%)を得た。
【0067】融点:205-220℃(分解) 元素分析値 計算値:C,10.34 ;H,2.08;N,4.82 実測値:C,10.19 ;H,2.12;N,4.71
【0068】このシス−ジヨード(O−アセチル−1,
3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を用い、
他は実施例5と同様にして、下記式で示す1,1−シク
ロブタンジカルボキシラト(O−アセチル−1,3−ジ
アミノ−2−プロパノール)白金(II)(化合物8)の
無色結晶(収率54%)を得た。
【0069】
【化13】
【0070】融点:215-230℃(分解) 元素分析値 計算値:C,28.15 ;H,3.87;N,5.97 実測値:C,28.19 ;H,3.69;N,5.99 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3250, 3110, 1730, 1640, 16
00
【0071】実施例9(化合物9) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(n−バレリ
ル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩を
用い、他は実施例5と同様にして、シス−ジヨード(O
−(n−バレリル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ール)白金(II)の黄色結晶(収率70%)を得た。
【0072】融点:210-220℃(分解) 元素分析値 計算値:C,15.42 ;H,2.91;N,4.50 実測値:C,15.46 ;H,3.05;N,4.35
【0073】このシス−ジヨード(O−(n−バレリ
ル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(I
I)を用い、他は実施例5と同様にして、下記式で示す
1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O−(n−バ
レリル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)(化合物9)の無色結晶(収率72%)を得た。
【0074】
【化14】
【0075】融点:220-240℃(分解) 元素分析値 計算値:C,32.88 ;H,4.73;N,5.48 実測値:C,32.73 ;H,4.71;N,5.40 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3280, 3200, 3180, 2950, 17
40, 1710,1640, 1595, 1380
【0076】実施例10(化合物10) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−グリコリル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩を用い、
他は実施例5と同様にして、シス−ジヨード(O−グリ
コリル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)の黄色結晶(収率36%)を得た。
【0077】融点:185-195℃(分解) 元素分析値 計算値:C,10.06 ;H,2.03;N,4.69 実測値:C,9.96 ;H,2.00;N,4.81
【0078】このシス−ジヨード(O−グリコリル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を用
い、他は実施例5と同様にして、下記式で示す1,1−
シクロブタンジカルボキシラト(O−グリコリル−1,
3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)(化合物
10)の無色結晶(収率40%)を得た。
【0079】
【化15】
【0080】融点:220-230℃(分解) 元素分析値 計算値:C,27.22 ;H,3.74;N,5.77 実測値:C,27.18 ;H,3.69;N,5.52 IR(KBr)νmaxcm-1:3350, 3260, 3220, 3110, 1750, 16
40, 1590
【0081】実施例11(化合物11) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−シクロプロパ
ンカルボニル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール二
塩酸塩を用い、シス−ジヨード(O−シクロプロパンカ
ルボニル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)の黄色結晶(収率68%)を得た。
【0082】融点:215-225℃(分解) 元素分析値 計算値:C,13.85 ;H,2.32;N,4.61 実測値:C,13.98 ;H,2.11;N,4.31
【0083】このシス−ジヨード(O−シクロプロパン
カルボニル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白
金(II)を用い、他は実施例5と同様にして、1,1−
シクロブタンジカルボキシラト(O−シクロプロパンカ
ルボニル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)(化合物11)の無色結晶(収率88%)を得
た。
【0084】
【化16】
【0085】融点:215-225℃(分解) 元素分析値 計算値:C,31.52 ;H,4.07;N,5.65 実測値:C,31.44 ;H,4.09;N,5.60 IR(KBr)νmaxcm-1:3500, 3220, 3150, 1710, 1620, 15
90
【0086】実施例12(化合物12) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−ピバロイル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩を用い、
他は実施例5と同様にして、シス−ジヨード(O−ピバ
ロイル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)の黄色結晶(収率75%)を得た。
【0087】融点:220-230℃(分解) 元素分析値 計算値:C,15.42 ;H,2.91;N,4.50 実測値:C,15.40 ;H,3.01;N,4.35
【0088】このシス−ジヨード(O−ピバロイル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を用
い、他は実施例5と同様にして、下記式で示す1,1−
シクロブタンジカルボキシラト(O−ピバロイル−1,
3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)(化合物
12)の無色結晶(収率53%)を得た。
【0089】
【化17】
【0090】融点:235-250℃(分解) 元素分析値 計算値:C,32.88 ;H,4.73;N,5.48 実測値:C,32.79 ;H,4.77;N,5.31 IR(KBr)νmaxcm-1:3500, 3250, 3090, 1710, 1630, 15
80
【0091】実施例13(化合物13) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(2−フロイ
ル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩を
用い、他は実施例5と同様にして、シス−ジヨード(O
−(2−フロイル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ール)白金(II)の黄色結晶(収率68%)を得た。
【0092】融点:195-205℃(分解) 元素分析値 計算値:C,15.18 ;H,1.91;N,4.42 実測値:C,15.23 ;H,1.62;N,4.31
【0093】このシス−ジヨード(O−(2−フロイ
ル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(I
I)を用い、他は実施例5と同様にして、下記式で示す
1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O−(2−フ
ロイル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)(化合物13)の無色結晶(収率54%)を得
た。
【0094】
【化18】
【0095】融点:225-240℃(分解) 元素分析値 計算値:C,32.25 ;H,4.48;N,5.37 実測値:C,32.01 ;H,4.49;N,5.47 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3250, 3120, 1710, 1630, 16
00
【0096】実施例14(化合物14) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(2−チオフ
ェンカルボニル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル二塩酸塩を用い、他は実施例5と同様にして、シス−
ジヨード(O−(2−チオフェンカルボニル)−1,3
−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の黄色結晶
(収率60%)を得た。
【0097】融点:190-200℃(分解) 元素分析値 計算値:C,15.57 ;H,1.96;N,4.54 実測値:C,15.39 ;H,1.90;N,4.59
【0098】このシス−ジヨード(O−(2−チオフェ
ンカルボニル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル)白金(II)を用い、他は実施例5と同様にして、下
記式で示す1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O
−(2−チオフェンカルボニル)−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール)白金(II)(化合物14)の無色結
晶(収率59%)を得た。
【0099】
【化19】
【0100】融点:190-200℃(分解) 元素分析値 計算値:C,31.29 ;H,3.38;N,5.21 実測値:C,31.35 ;H,3.29;N,5.11 IR(KBr)νmaxcm-1:3450, 3250, 3100, 1695, 1630, 15
80
【0101】実施例15(化合物15) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−ベンゾイル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール二塩酸塩を用い、
他は実施例5と同様にして、シス−ジヨード(O−ベン
ゾイル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金
(II)の黄色結晶(収率46%)を得た。
【0102】融点:210-225℃(分解) 元素分析値 計算値:C,18.68 ;H,2.19;N,4.36 実測値:C,18.63 ;H,2.11;N,4.29
【0103】このシス−ジヨード(O−ベンゾイル−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)を用
い、他は実施例5と同様にして、下記式で示す1,1−
シクロブタンジカルボキシラト(O−ベンゾイル−1,
3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)(化合物
15)の無色結晶(収率46%)を得た。
【0104】
【化20】
【0105】融点:245-260℃(分解) 元素分析値 計算値:C,36.16 ;H,3.79;N,5.27 実測値:C,36.03 ;H,3.72;N,5.38 IR(KBr)νmaxcm-1:3500, 3400, 3250, 3090, 1710, 16
30, 1590
【0106】実施例16(化合物16) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(4−ヒドロ
キシルベンゾイル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ール二塩酸塩を用い、他は実施例5と同様にして、シス
−ジヨード(O−(4−ヒドロキシルベンゾイル)−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の黄
色結晶(収率81%)を得た。
【0107】融点:225-235℃(分解) 元素分析値 計算値:C,18.22 ;H,2.14;N,4.25 実測値:C,18.19 ;H,2.01;N,4.30
【0108】このシス−ジヨード(O−(4−ヒドロキ
シルベンゾイル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル)白金(II)を用い、他は実施例5と同様にして、下
記式で示す1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O
−(4−ヒドロキシルベンゾイル)−1,3−ジアミノ
−2−プロパノール)白金(II)(化合物16)の無色
結晶(収率62%)を得た。
【0109】
【化21】
【0110】融点:225-240℃(分解) 元素分析値 計算値:C,35.11 ;H,3.68;N,5.12 実測値:C,35.03 ;H,3.94;N,5.01 IR(KBr)νmaxcm-1:3350, 3220, 3120, 1700, 1620, 15
90
【0111】実施例17(化合物17) 実施例5において、O−ベンジル−1,3−ジアミノ−
2−プロパノール二塩酸塩の代わりにO−(2−ヒドロ
キシルベンゾイル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ール二塩酸塩を用い、他は実施例5と同様にして、シス
−ジヨード(O−(2−ヒドロキシルベンゾイル)−
1,3−ジアミノ−2−プロパノール)白金(II)の黄
色結晶(収率77%)を得た。
【0112】融点:240-250℃(分解) 元素分析値 計算値:C,18.22 ;H,2.14;N,4.25 実測値:C,18.18 ;H,2.10;N,4.44
【0113】このシス−ジヨード(O−(2−ヒドロキ
シルベンゾイル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル)白金(II)を用い、他は実施例5と同様にして、下
記式で示す1,1−シクロブタンジカルボキシラト(O
−(2−ヒドロキシルベンゾイル)−1,3−ジアミノ
−2−プロパノール)白金(II)(化合物17)の無色
結晶(収率20%)を得た。
【0114】
【化22】
【0115】融点:240-250℃(分解) 元素分析値 計算値:C,35.11 ;H,3.68;N,5.12 実測値:C,35.00 ;H,3.51;N,5.18 IR(KBr)νmaxcm-1:3350, 3220, 3100, 1670, 1620, 15
90
【0116】試験例1 シスプラチン耐性細胞L1210/DDP及びP388
/DDPの交叉耐性試験:マウス同系腫瘍4株(L1210
leukemia, L1210/DDP, P388 leukemia, P388/DDP)につ
いて、3日間培養系(薬剤48時間添加)によるWST
−1比色法(MTT法の変法、Chem. Pharm. Bull., 4
1, 1118-1122, (1993)参照)により細胞傷害活性を測定
した。各種細胞株を10%FCS(牛胎児血清)を含む
RPMI1640培養液(P388/DDPの培養液は
さらに、2−Mercaptoethanol を10μM含有する)に
て1×105 cells/mlに調整し、その100μl(1×
10 4 cells/100μl/well)を96穴培養プレートに播
種した。37℃5%CO2 インキュベーターにて24時
間培養後に、各用量の薬剤を10μlを添加し、さらに
37℃5%CO2 インキュベーターにて、48時間培養
した。48時間培養終了(細胞培養開始後72時間目)
の4時間前にWST−1を各ウエルに10μlを添加
し、その4時間後に、プレートリーダにてO.D.45
0nmにおける吸光度を測定した。無処置対照群のO.
D.値を100%として、各薬剤の用量毎の細胞増殖抑
制率を算出し、一次回帰直線より各薬剤処置群のIC50
値を算出した。また、以下の式により各錯体のL121
0/DDP及びP388/DDPに対する Resistance
Factor(RF値)を算出した。その結果を表1に示す。
【0117】RF値a)=(L1210/DDPに対する
IC50値)÷(L1210に対するIC50値) RF値b)=(P388/DDPに対するIC50値)÷
(P388に対するIC50値)
【0118】
【表1】
【0119】試験例2 マウス白血病細胞L1210に対する抗腫瘍性試験:マ
ウス白血病細胞L1210 1×105 個を6週齢の雄
性CDF1 マウスの腹腔内に移植し、その翌日から1日
1回5日間薬物(本発明化合物)を腹腔内に投与し、3
0日間観察し、薬物処置群及び無処置群の平均生存日数
から、下記式により延命率(LLS:Increase in life spa
n)を求めた。
【0120】ILS=(T/C−1)×100(%) T=薬物処置群の平均生存日数 C=薬物無処置群の平均生存日数
【0121】また、各サンプルの各用量毎のILS値を
基に一次回帰直線よりILS50値(5回投与におけるI
LS値が50%を示す用量)を、また用量設定時に得ら
れたLD50値(単回腹腔内投与における50%致死用
量)より、治療係数を算出した。その結果を表2に示
す。なお、表中ILSmax は設定用量域におけるILS
の最大値(%)及び括弧内にその用量(mg/kg)を示
す。
【0122】
【表2】
【0123】
【発明の効果】本発明のジアミン白金錯体(1)は抗腫
瘍効果に優れ、安全性が高く、かつシスプラチン耐性株
に対して有効に作用するため、医薬、特に悪性腫瘍治療
剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 英彦 千葉県成田市吾妻2−2−21−404 (72)発明者 大塚 真理 千葉県習志野市谷津4−7−15−704 (72)発明者 水野 博之 千葉県印旛郡富里町日吉台1−24−19 (72)発明者 佐藤 進 千葉県成田市玉造6−15−5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有してしてもよいアラルキル基又は置換基を有
    していてもよいアシル基を示し、Xはハロゲン原子を示
    すか、又は2個のXが一緒になって置換基を有していて
    もよいマロン酸残基を形成する。〕で表されるジアミン
    白金錯体。
  2. 【請求項2】 R1 が、炭素数1〜9の直鎖若しくは分
    岐鎖のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、
    炭素数7〜19のアラルキル基、炭素数1〜9のアルカ
    ノイル基、炭素数3〜7のシクロアルカノイル基、ベン
    ゾイル基又は5〜6員のヘテロアロイル基(これらの基
    にはヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基及びハ
    ロゲン原子から選ばれる1〜3個が置換していてもよ
    い)であり;Xがハロゲン原子、又は次式(2) 【化2】 (式中、R2 及びR3 は同一又は異なっていてもよく、
    水素原子、炭素数1〜9のアルキル基を示すか、又はR
    2 及びR3 が一緒になって炭素数2〜5の直鎖アルキレ
    ン基を形成してもよい。)で表される基である請求項1
    記載のジアミン白金錯体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のジアミン白金錯体
    を有効成分とする医薬。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のジアミン白金錯体
    を有効成分とする悪性腫瘍治療剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316075A (ja) * 1999-02-22 2006-11-24 Baxter Internatl Inc ピペラジンナトリウムおよびタゾバクタムナトリウムの注射の予備混合処方物
JP2007538000A (ja) * 2004-01-08 2007-12-27 リージエンツ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・カリフオルニア 制御性t細胞は自己免疫を抑制する

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