JPH101629A - 水性インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク及びインクジェット記録方法

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JPH101629A
JPH101629A JP15274596A JP15274596A JPH101629A JP H101629 A JPH101629 A JP H101629A JP 15274596 A JP15274596 A JP 15274596A JP 15274596 A JP15274596 A JP 15274596A JP H101629 A JPH101629 A JP H101629A
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JP
Japan
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general formula
water
aqueous ink
ink
weight
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Pending
Application number
JP15274596A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Akiko Konishi
昭子 小西
Masayuki Koyano
正行 小谷野
Ikuko Yamada
郁子 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
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Publication of JPH101629A publication Critical patent/JPH101629A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、普通紙に印字された画像の乾燥性に優
れ、且つ印字画像にじみの発生やインクの裏抜けの発生
が少なく、鮮明な印字画像が得られ、また保存安定性や
吐出信頼性に優れたインクジェット記録に適した水性イ
ンクを提供する。 【解決手段】 水に分散または溶解する着色剤、水およ
び湿潤剤を主成分とする表面張力が50mN/m以下の
水性インクにおいて、少なくとも下記一般式(1)で示
される分子量80000〜250000の高分子化合物
を含有することを特徴とする水性インク。 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンイオンを
表す。x、yは構造単位比率を表し、x:y=25:7
5〜75:25である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクに関
し、更にはインクジェット記録に適した水性インク、特
に所謂普通紙に対するカラー画像を形成するのに優れた
特性を示す水性インク、及びその水性インクを用いたイ
ンクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリン夕ーは低騒音、低
ランニングコストといった利点から広く普及し、普通紙
に印字可能なカラープリンターも市場に投入されてい
る。近年、特にカラーインクジェットプリンターの高速
化が進み、それに伴い、普通紙などの被記録紙に印字さ
れた画像の乾燥速度が速く、且つ鮮明な印字画像の得ら
れるインクジェット記録用の水性インクが要求されてい
る。
【0003】従来から、印字画像の乾燥性を向上させる
ために、水性インクの成分として界面活性剤が添加され
ている。界面活性剤の役割は水性インクの表面張力を下
げ、水性インクの被記録紙への浸透性を高めることであ
り、それによって印字画像の乾燥性を向上させることが
できる。
【0004】しかしながら、界面活性剤を用いて水性イ
ンクの被記録紙への浸透性を高めると被記録紙の種類に
より画像にじみが発生し画像の鮮明性が低下するという
不具合がある。特に、カラーインクジェットプリンター
の場合には、イエロー、マゼンタ、シアンの単色印字部
で画像にじみの発生がなくとも、レッド、グリーン、ブ
ルーの2色重ね部分で画像にじみが発生し画像の鮮明性
が低下し易いという問題がある。
【0005】特公昭60−23793号公報には、界面
活性剤としてジアルキルスルホコハク酸を用いることに
より、乾燥性を向上させ且つ画像品質の劣化を少くする
ことが開示されているが、記録紙の種類によっては印字
画像における画素径が著しく異なり画像濃度が低下する
という問題があり、また水性インクのpHがアルカリ側
であるときは界面活性剤が分解し水性インクの保存中に
界面活性剤の効果がなくなるといった欠点がある。特開
昭56−57862号公報等には、印字画像の乾燥性を
向上させるために強塩基性物質の添加された水性インク
が開示されているが、ロジンサイズされた酸性紙では効
果があるもののアルキルケテンダイマーやアルケニルス
ルホコハク酸をサイズ剤として用いた記録紙には効果が
なく、また、酸性紙でも2色重ね部分における印字画像
では効果がないという欠点がある。また、特開平1−2
03483号公報には多価アルコール誘導体及びペクチ
ンを含有する水性インクが開示されているが、これは増
粘剤としてペクチンを添加し、にじみを防止するもので
あるが、ペクチンは水酸基を親水基とする非イオン性で
あるため水に対する溶解性が悪く、印字休止後の吐出信
頼性や水性インクの保存安定性に欠けるという欠点があ
る。
【0006】特開平6−240188号公報には、界面
活性剤としてアルキルアミンオキシド、水溶性高分子と
してアルギン酸ソーダ、1,5ペンタンジオールが添加
された水性インクにより、水性インクの吸収乾燥による
しわ(コックリング)の発生、色重ね部分の境界にじ
み、文字にじみなどが改良されることが開示されている
が、水性インクの裏抜けの発生により画像濃度が低下し
て画像の鮮明性が低下し、また耐水性の悪い染料系でな
いと印字休止後の吐出信頼性に欠けるという欠点があ
る。
【0007】また、特開平6−92008号公報等に
は、アセチレンアルコール系の界面活性剤とアルキレン
グリコールが添加された水性インクにより、印字画像の
乾燥性と画像にじみを改善することが開示されている
が、水性インクの裏抜けの発生が充分に防止できないと
いう欠点がある。
【0008】特開平6−136306号公報には、スチ
レンアクリル酸共重合体が添加された浸透性に優れた水
性インクが開示されているが、特に、固定ヘッド型のイ
ンクジェットプリンターでは十分な吐出信頼性が得られ
ないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録用水性インクにおいては、水性インクの浸透性を高
めて印字画像の乾燥性を向上させると印字画像にじみが
発生して画像の鮮明性が低下し、またその印字画像にじ
みを防止すると印字画像の画素径が変化して画像濃度が
低下し、或いは水性インクの裏抜けの発生により印字画
像の濃度が低下して画像の鮮明性に欠けるようになり、
また印字休止後の吐出信頼性や水性インクの保存安定性
に欠けるという問題があり、カラーインクジェットプリ
ンターなどの高速化に適応する優れた特性を有するイン
クジェット記録用の水性インクを得ることは困難であっ
た。
【0010】そこで本発明の第1の課題はこのような問
題点を解決し、特に、普通紙に印字された画像の乾燥性
に優れ、且つ印字画像にじみの発生やインクの裏抜けの
発生が少なく、鮮明な印字画像が得られるインクジェッ
ト記録に適した水性インクを提供することにある。
【0011】本発明の第2の課題は、更にインクの保存
安定性および印字休止後の吐出信頼性に優れた上記の水
性インクを提供することにある。
【0012】また、本発明の第3の課題は、高速化に対
応し、且つ鮮明な印字画像が得られるインクジェット記
録方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、水
に分散または溶解する着色剤、水および湿潤剤を主成分
とする表面張力が50mN/m以下の水性インクにおい
て、少なくとも下記一般式(1)で示される分子量80
000〜250000の高分子化合物を含有することを
特徴とする水性インクによって達成される。
【0014】
【化1】
【0015】(式中、Mはアルカリ金属、第4級アンモ
ニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表
す。x、yは構造単位比率を表し、x:y=25:75
〜75:25である。)
【0016】一般式(1)で示される高分子化合物はビ
ニルピロリドンとアクリル酸とから得られる親水性の高
分子化合物であり、pH4.5以上では水によく溶解
し、従来粘度調整や画質向上のために添加されていたア
クリル酸ナトリウムと比べ、特にアルカリ性で安定した
水溶性を示し、また着色剤である染料を可溶化する能力
が大きいため、水性インクの吐出信頼性に優れていると
共に、更に普通紙などの被記録紙中に存在する塩化カル
シウムや硫酸アルミニウム等の2価、3価の無機塩によ
り沈殿するという特徴があり、これにより普通紙などの
被記録紙に裏抜けや画像にじみの発生などの少ない鮮明
な印字画像を形成することできることを見い出し本発明
に至ったものである。
【0017】また、アクリル酸ナトリウムでは熱素子へ
の分解物の付着(所謂コゲーション)が顕著で吐出信頼
性などに欠けるが、一般式(1)で示される高分子化合
物ではビニルピロリドンを共重合することでこの点も改
良されている。特に、上記一般式(1)で示される高分
子化合物におけるビニルピロリドン部分とアクリル酸部
分の構造単位比率x:yは25:75乃至75:25が
好ましく、xがこれを下回るようになると吐出信頼性に
欠けるようになり、xがこれを越えるようになると画像
にじみ防止の効果が少なくなる。
【0018】すなわち、本発明によれば、水に分散また
は溶解する着色剤、水および湿潤剤を主成分とし、表面
張力が50mN/m以下の水性インクに、上記一般式
(1)で示される分子量80000〜250000の高
分子化合物を含有させることにより、特に、普通紙への
浸透性が高く印字画像の乾燥性に優れ、高速印字に対応
でき、且つ裏抜け等による画像濃度の低下や画像にじみ
の発生などが少なく、鮮明な印字画像を形成することが
でき、吐出信頼性にも優れたインクジェット記録に適し
た水性インクを得ることができる。
【0019】本発明における表面張力は、液の紙への浸
透性を示す指標であり、液の表面が形成されてから1秒
以下の短い時間での動的表面張力であり、Wilhel
my式の吊り板式表面張力計を用いて測定される値であ
る。表面張力が50mN/m以下の水性インク、特に4
0mN/m以下の水性インクに、上記一般式(1)で示
される分子量80000〜250000の高分子化合物
を含有させることが好ましく、これにより更に優れた乾
燥性が得られる。
【0020】一般式(1)で示される高分子化合物の添
加量としては、分子量分布にもよるが一般的なものでは
水性インクの0.01重量%から1重量%の範囲で用い
ることが好ましい。0.01重量%よりも少なくなると
裏抜けや画像にじみの発生を防止する効果が不十分とな
り、1%重量を越えるようになると水性インクの粘度が
高くなりすぎて常温では吐出が困難となり過大なエネル
ギーを必要とするため好ましくない。
【0021】また、一般式(1)で示される高分子化合
物における対イオンMをナトリウム、リチウムあるいは
下記一般式(2)で示される第4級アンモニウム、第4
級ホスホニウムまたはアルカノールアミン陽イオンとす
ることにより、その高分子化合物の溶解安定性が向上
し、それにより保存安定性や吐出信頼性の更に優れた水
性インクを得ることができる。特に、熱エネルギーを与
えることにより吐出を行うインクジェット記録における
信頼の向上をはかることができる。
【0022】
【化2】
【0023】(式中、Xは窒素またはリン、R1、R2
3およびR4は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
ヒドロキシアルキル基またはハロゲン化アルキル基を表
す。)
【0024】本発明においては、従来知られているよう
に界面活性剤を添加することにより水性インクの表面張
力を50mN/m以下とすることができるが、アニオン
系界面活性剤、特に下記一般式(3)で示されるポリオ
キシエチレンアルキルエーテル酢酸塩及び/または下記
一般式(4)で示されるジアルキルスルホ琥珀酸塩を添
加して表面張力を50mN/m以下にすることにより、
水性インクと被記録紙との濡れ性が向上し水性インクの
浸透性がより高まり、印字画像の乾燥性を更に向上させ
ることができる共に、上記一般式(1)で示される高分
子化合物を用いることにより、裏抜け等による画像濃度
の低下や画像にじみの発生などが更に少ない鮮明な印字
画像を形成することができる。画像にじみの発生などが
更に少なくなるのは、被記録紙の紙面より供給されるプ
ロトンにより水性インクが増粘するためであると推定さ
れる。
【0025】
【化3】
【0026】(式中、R5は炭素数6〜14の分岐して
もよいアルキル基、R6は炭素数5〜7の分岐したアル
キル基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウム、第4
級ホスホニウムまたはアルカノールアミンを表し、mは
3〜12の整数を表す。)
【0027】一般式(3)または(4)で示されるアニ
オン系界面活性剤の添加量としては、水性インクの0.
05〜10重量%の範囲で用いることが好ましく、0.
05%重量%よりも少ないと浸透性が不十分となり2色
重ね部境界でにじみが発生するようになり、10重量%
を越えると界面活性剤自体が低温で析出し易かったり、
また着色剤である染料が析出することがあり吐出信頼性
が悪くなる。また、一般式(3)または(4)で示され
るアニオン系界面活性剤における対イオンMをナトリウ
ム、リチウムあるいは下記一般式(2)で示される第4
級アンモニウム、第4級ホスホニウムまたはアルカノー
ルアミン陽イオンとすることにより該界面活性剤の溶解
安定性が向上し、それにより特に低温での保存安定性や
吐出信頼性が更に優れた水性インクを得ることができ
る。さらに、特に、熱エネルギーを与えることにより吐
出を行うインクジェット記録における信頼の向上をはか
ることができる。
【0028】
【化2】
【0029】(式中、Xは窒素またはリン、R1、R2
3およびR4は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
ヒドロキシアルキル基またはハロゲン化アルキル基を表
す。)
【0030】一般式(3)または(4)で示されるアニ
オン系界面活性剤の具体例を遊離酸型で示すと、例えば
下記表1または表2のものが挙げられる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】本発明における一般式(1)で示される高
分子化合物、或いは一般式(3)または(4)で示され
るアニオン系界面活性剤において、対イオンをアルカリ
金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
ム、アルカノールアミンイオンとするには、例えば水酸
化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物を添加し、ま
た一般式(2)の第4級アンモニウム、ホスホニウム、
アルカノ−ルアミンイオンに関しては、例えば下記表3
に示す水酸化物を添加すればよい。
【0034】
【表3】
【0035】なお、本発明における一般式(1)で示さ
れる高分子化合物、或いは一般式(3)または(4)で
示されるアニオン系界面活性剤の対イオンがすべてがナ
トリウム、リチウムあるいは前記一般式(2)で示され
る第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムまたはアル
カノールアミン陽イオンなどである必要はなく、他のア
ルカリイオンと混合することもできる。ナトリウム、リ
チウムあるいは前記一般式(2)で示される第4級アン
モニウム、第4級ホスホニウムまたはアルカノールアミ
ン陽イオンなどによるイオンの量としては、それぞれの
ユニットモル数にたいして30モル%以上、より好まし
くは50モル%以上となるように添加することが好まし
い。
【0036】また、本発明において、非イオン系の界面
活性剤、特に下記一般式(5)で示されるポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル及び/または下記一般
式(6)で示されるアセチレングリコール系界面活性剤
を添加して表面張力を50mN/m以下とし、且つ前記
一般式(1)で示される高分子化合物を用いることによ
り、水性インクと被記録紙との濡れ性が向上し水性イン
クの浸透性を更に高めることができ、印字画像の乾燥性
がより向上すると共に裏抜け等による画像濃度の低下や
画像にじみの発生などが更に少ない鮮明な印字画像を形
成することができる。
【0037】
【化4】
【0038】さらに、これら界面活性剤と共に尿素また
はヒドロキシエチル尿素、ジヒドロキシエチル尿素など
の尿素誘導体を添加することにより、着色剤である染料
と非イオン活性剤間の相互作用が弱められ、また染料の
会合が緩和されることで浸透性が更に高められて印字画
像の乾燥性がより向上し、且つ長期保存性や吐出信頼性
にも優れた水性インクを得ることができる。これら尿素
または尿素誘導体の添加量としては、水性インクの0.
1重量%から5重量%の範囲で用いることが好ましい。
0.1重量%よりも少ないと添加の効果がなく、5重量
%を越えると水分蒸発時の粘度変化に影響を及ぼし吐出
信頼性が悪くなることがある。
【0039】本発明の水性インクにおいて表面張力を調
整するために、上記のような界面活性剤のほかに、例え
ば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフ
ェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テト
ラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価
アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、フッ素
系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級
アルコール類などを添加してもよく、特に、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0040】また、本発明の水性インクには、水性イン
クの乾燥を防止するため、または前記一般式(1)で示
される高分子化合物の溶解安定性を向上させるため等の
目的で湿潤剤が添加されている。
【0041】湿潤剤としては、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,5ペンタンジオール、1,6へキサンジオー
ル、グリセロール、1,2,6−へキサントリオール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタント
リオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチ
レングリコ一ルモノメチルエーテル、プロピレングリコ
−ルモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエ
ーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、
エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アル
コールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプ
ロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N
−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド
等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノ−ルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチル
スルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫
黄化合物類、プロピレンカ−ボネート、炭酸エチレン、
γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、これらは単
独もしくは、複数混合して用いることができる。
【0042】これらの中で特に好ましいものは、ジエチ
レングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリ
コール200〜600、トリエチレングリコール、グリ
セロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1、2、
4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタ
ンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロ
キシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3ジメチ
ルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより
前記一般式(1)で示される高分子化合物の溶解性を向
上させることができ、また水分蒸発による吐出不良を更
によく防止することができる。
【0043】本発明におてい用いられる着色材として
は、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染
料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染
料で耐水、耐光性が優れたものが好ましい。
【0044】これらの染料の具体例としては、酸性染料
及び食用染料としてC.I.アシッドイエロー17,2
3,42,44,79,142、C.I.アシッドレッ
ド1,8,13,14,18,26,27,35,3
7,42,52,82,87,89,92,97,10
6,111,114,115,134,186,24
9,254,289、C.I.アシッドブルー9,2
9,45,92,249、C.I.アシッドブラック
1,2,7,24,26,94、C.I.フードイエロ
ー3,4、C.I.フードレッド7,9,14、C.
I.フードブラック1,2などが、直接性染料として
C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,3
3,44,50,86,120,132,142,14
4、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,1
7,20,28,31,39,80,81,83,8
9,225,227、C.I.ダイレクトオレンジ2
6,29,62,102、C.I.ダイレクトブルー
1,2,6,15,22,25,71,76,79,8
6,87,90,98,163,165,199,20
2、C.I.ダイレクトブラック19,22,32,3
8,51,56,71,74,75,77,154,1
68,171などが、塩基性染料としてC.I.ベーシ
ックイエロー1,2,11,13,14,15,19,
21,23,24,25,28,29,32,36,4
0,41,45,49,51,53,63,64,6
5,67,70,73,77,87,91、C.1.ベ
ーシック.レッド2,12,13,14,15,18,
22,23,24,27,29,35,36,38,3
9,46,49,51,52,54,59,68,6
9,70,73,78,82,102,104,10
9,112、C.I.ベーシックブルー1,3,5,
7,9,21,22,26,35,41,45,47,
54,62,65,66,67,69,75,77,7
8,89,92,93,105,117,120,12
2,124,129,137,141,147,15
5、C.I.ベーシックブラック2,8などが、また反
応性染料としてC.I.リアクティブブラック3,4,
7,11,12,17、C.I.リアクティブイエロー
1,5,11,13,14,20,21,22,25,
40,47,51,55,65,67、C.I.リアク
ティブレッド1,14,17,25,26,32,3
7,44,46,55,60,66,74,79,9
6,97、C.I.リアクティブブルー1,2,7,1
4,15,23,32,35,38,41,63,8
0,95などが挙げられる。特に酸性染料及び直接性染
料が好ましい。
【0045】また、インクジェット用で新たに開発され
た染料ももちろん用いることができ、例えば、Proj
et Fast B1ack 2,Projet Fast
Magenta 2,Projet Fast Yell
ow 2,Projet Fast Cyan 2(以上登
録商品名、ゼネカ社製)が挙げられる。さらに、着色材
として用いられる顔料としては、有機顔料としてアゾ
系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリド
ン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、
ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、
アゾメチン系、ロ−ダミンBレーキ顔料、カーボンブラ
ックなどが、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリ
ウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロ
ー、金属粉などが挙げられる。
【0046】顔料分散剤として親水性高分子を添加して
もよく、親水性高分子としては、例えば天然系ではアラ
ビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ロ
ーカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、
クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン
酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、
カゼイン、アルブミン、コラーゲン、セラック等の動物
系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系
高分子などが、半合成系ではメチルセルロ−ス、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の
繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デ
ンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分
子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コールエステル等の海藻系高分子などが、また純合成系
ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポ
リアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金
属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹
脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフ
タレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン
酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアル
カリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン
性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物などが挙げら
れる。
【0047】本発明の水性インクには、さらに従来より
知られている添加剤を加えることができる。例えば、防
腐防黴剤として、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸
ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナ
トリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノー
ルナトリウム等が使用できる。
【0048】また、pH調整剤としては、調合される水
性インクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整で
きるものであれば、任意の物質を使用することができ
る。その例としては、例えばジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水
酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸
化物、第4級ホスホニウム水酸化物、或いは炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の
炭酸塩などが挙げられる。
【0049】また、キレート試薬として、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等が使用でき、また防錆剤として、例
えば酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコ
ール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトラ
イト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシル
アンモニウムニトライト等が使用できる。その他目的に
応じて水溶性紫外線吸収剤や水溶性赤外線吸収剤を添加
することもできる。
【0050】さらに、本発明の水性インクにおいては、
そのpHを6以上、特に6以上11以下に調整すること
により、水性インクの保存安定性がより向上し、長期間
の保存後においても沈殿物の析出、表面張力や粘度等の
物性の変化などがなく、常に鮮明な印字画像を得ること
ができる。ただし、pHが9以上では保存時に(4)の
活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため
(4)を用いる場合はpHを6〜9とすることが好まし
い。
【0051】本発明の水性インクを用いることにより、
普通紙やインクジェット用コート紙に、乾燥性に優れ、
且つにじみや裏抜けの発生が少ない鮮明な印字画像を形
成することができ、カラー画像の色再現性にも優れたイ
ンクジェット記録を行うことができる。また、オーバー
ヘッドプロジェクター用フィルムに対してもカラー画像
の色再現性に優れたインクジェット記録を行うことがで
きる。
【0052】オフィスで一般に使用されているコピ−用
紙や用箋等の普通紙はpHが5〜6のものが多く、これ
らの被記録材に対しても、本発明の水性インクを熱エネ
ルギーまたは機械エネルギ−により微小な液滴として飛
翔させて被記録材に付着せしめることにより、乾燥性に
優れ、且つにじみや裏抜けの発生が少ない鮮明な印字画
像を安定して形成することができる。
【0053】特に、ステキヒトサイズ度が3秒以上の所
謂普通紙に上記の方法により印字画像を形成することに
よって、高画質、高解像度の印字画像を得ることができ
る。印字画像の形成は、更に具体的には、例えば本発明
の水性インクを熱エネルギーまたは機械エネルギ−によ
り、20〜60μm径の微細な吐出口から吐出重量が1
0ng〜160ngの液滴として5〜20m/sで飛翔
させ、被記録材に付着せしめることによって行われる。
【0054】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれにより限定されるものではない。 実施例1 下記処方の組成物を60℃で撹拌溶解し、室温にて放冷
した後、水酸化リチウムの10%水溶液によりpHが
8.5になるように調整し、これを0.22μmのテフ
ロンフィルターで濾過てし水性インク1を得た。 Projet Fast B1ack 2(ゼネカ社製) 3重量% グリセロール 5重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=75:25、分子量250000) 0.1重量% 前記具体例(3−1)の界面活性剤 0.8重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0055】実施例2 下記組成物を用い、pHを水酸化ナトリウムにより8.
8に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク2
を得た。 Projet Fast Magenta 2(ゼネカ社製) 1.5重量% ダイレクトレッド227 0.5重量% 1,2,6−へキサントリオール 4重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 前記具体例(4−1)の界面活性剤 1.2重量% 前記具体例(2−1)の25%水溶液 0.8重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=50:50、分子量250000) 0.2重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0056】実施例3 下記組成物を用い、pHを水酸化リチウムにより8.5
に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク3を
得た。 Projet Fast Cyan 2(ゼネカ社製) 1重量% C.I.ダイレクトブルー199 1.2重量% ジエチレングリコール 5重量% グリセロール 5重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=25:75、分子量250000) 0.1重量% 前記一般式(5)の界面活性剤(R7:C919、k:12) 2重量% 前記具体例(2−3)の25%水溶液 0.2重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0057】実施例4 下記組成物を用い、pHを水酸化リチウムにより7.5
に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク4を
得た。 Projet Fast Yelow 2(ゼネカ社製) 1.2重量% エチレングリコール 5重量% グリセロール 2重量% 1,5−ペンタンジオール 10重量% 前記一般式(6)の界面活性剤(m、n=20) 0.8重量% 前記具体例(2−4)の25%水溶液 2重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (X:Y=75:25、分子量80000) 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0058】実施例5 下記組成物を用い、pHを水酸化ナトリウムにより7.
8に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク5
を得た。 C.I.ダイレクトブラック168 4重量% トリエチレングリコール 5重量% ペトリオール 10重量% 具体例(3−5)の活性剤 2重量% 具体例(2−2)の25%水溶液 1.5重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=50:50、分子量80000) 0.2重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0059】実施例6 下記組成物を用い、pHを水酸化リチウムにより8.0
に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク6を
得た。 C.I.フードブラック2 1.5重量% C.I.ダイレクトブラック154 0.5重量% プロピレングリコ−ル 8重量% グリセロール 7重量% 前記一般式(6)の界面活性剤(m+n=15) 1重量% 前記一般式(6)の界面活性剤(m、n=0) 1重量% 前記具体例(2−7)の25%水溶液 2重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=25:75、分子量80000) 0.3重量% 尿素 2重量% イオン交換水 残量
【0060】実施例7 下記組成物を用い、pHを水酸化リチウムにより8.0
に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク7を
得た。 C.I.ダイレクトレッド9 1.8重量% C.I.アシッドレッド289 0.5重量% N−メチル−2−ピロリドン 8重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 前記具体例(3−4)の界面活性剤 0.8重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=25:75、分子量80000) 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.1重量% 尿素 1重量% イオ交換水 残量
【0061】実施例8 下記組成物を用い、pHを水酸化リチウムにより7.5
に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク8を
得た。 C.I.ダイレクトブルー199 2.0重量% C.I.アシッドブルー249 0.5重量% チオジエタノール 5重量% グリセロール 10重量% 前記一般式(5)の界面活性剤(R7:C1021、k:12)1.5重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=25:75、分子量80000) 0.4重量% 安息香酸ナトリウム 0.1重量% イオン交換水 残量
【0062】実施例9 下記組成物を用い、pHを水酸化リチウムにより8.0
に調整した以外は実施例1と同様にして水性インク9を
得た。 C.I.ダイレクトイエロー142 1.5重量% C.I.アシッドレツド23 1.0重量% 2−ピロリドン 5.0重量% グリセロール 15.0重量% 前記一般式(6)の界面活性剤(m+n=40) 1.0重量% 前記具体例(3−2)の界面活性剤 1.0重量% 前記一般式(1)の高分子化合物遊離酸型 (x:y=25:75、子量:80000) 0.2重量% ペンタクロロフェノールナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0063】比較例1 実施例1において一般式(1)の高分子化合物を除いた
以外は実施例1と同様にして水性インク10を得た。
【0064】比較例2 実施例2において一般式(1)の高分子化合物に代えて
ポリビニルアルコールを用い、具体例(4−1)の界面
活性剤をドデシルベンゼンスルホン酸に代えた以外は実
施例2と同様にして水性インク11を得た。
【0065】比較例3 実施例3において一般式(1)の高分子化合物に代えて
ポリアクリル酸ナトリウムを用い、具体例(2−3)の
25%水溶液を除き、水性インクのpHを4.5とした
以外は実施例3と同様にして水性インク12を得た。
【0066】比較例4 実施例3において一般式(1)の高分子化合物に代えて
スチレン−アクリル酸共重合体を用いた以外は実施例3
と同様にして水性インク13を得た。
【0067】比較例5 実施例4において一般式(1)の高分子化合物に代えて
アルギン酸ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様に
して水性インク14を得た。
【0068】比較例6 実施例6において一般式(1)の高分子化合物に代えて
スチレン−アクリル酸共重合体を用い、具体例(2−
7)の25%水溶液を除き、水酸化カリウムでpHを8
に調整した以外は実施例6と同様にして水性インク15
を得た。
【0069】比較例7 実施例7において一般式(1)の高分子化合物と尿素を
除いた以外は実施例7と同様にして水性インク16を得
た。
【0070】比較例8 実施例8において一般式(1)の高分子化合物に代えて
ペクチンを用いた以外は実施例8と同様にして水性イン
ク17を得た。
【0071】比較例9 実施例9において一般式(1)の高分子化合物に代えて
酢酸ビニル重合体を用い、具体例(3−2)の界面活性
剤を除いた以外は実施例9と同様にして水性インク18
を得た。
【0072】つぎに、上記の様にして得られた実施例1
〜9及び比較例1〜9の水性インクを用いて下記の試験
を行った。その結果を表4に示す。 1)画像の鮮明性 サーマルインクジェット方式のノズル径30μm、60
0dpiのノズルを有するインクジェットプリンター、
及び積層PZTを液室流路の加圧に使用したノズル径2
7μm、600dpiのノズルを有するインクジェット
プリンターにより、各水性インクを用いて市販の再生
紙、上質紙およびボンド紙の3種類の被記録紙に印字を
行った。それぞれの印字画像について、2色重ね部境界
のにじみ、画像にじみ、色調、画像濃度及び裏抜けを目
視により総合的に判断し、次の基準に従って評価した。 ○……全ての特性が優れていた。 △……いずれか一つの特性が満足されなかった。 ×……2色重ね部境界のにじみ、画像にじみの二つの特
性が満足されなかった。
【0073】2)画像の乾燥性 上記1)よる印字画像に30g/cm2の圧力で濾紙
を、印字2秒後、4秒後、6秒後、8秒後、10秒後、
12秒後に押しつけインクが濾紙に転写しなくなるまで
の時間を測定した。3種類のいずれの被記録紙でも10
秒以内でインクが濾紙に転写しなくなった(乾燥した)
場合に○、11秒以上40秒未満でインクが濾紙に転写
しなくなった(乾燥した)場合に△、40秒以上でイン
クが濾紙に転写しなくなった(乾燥した)場合に×と判
定した。
【0074】3)保存安定性 各水性インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5
℃、20℃、70℃のそれぞれの条件下で3カ月保存
し、保存後の表面張力、粘度、及び沈澱物析出の有無を
調べた。どの条件で保存しても、物性等の変化がないも
のを○とし、物性変化がいずれかで認められるものを△
とし、沈澱物の析出があるものを×として評価した。
【0075】4)印字休止時の信頼性 各水性インクを用い、口径30μm、128ノズルの四
つのヘッドを有するピエゾ方式のインクジェットプリン
ターの動作中にキャップをせずに一定時間印字を休止
し、ノズルのクリーニングを行わずに印字を再作動させ
たときに、噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重
量が変化する様になるまでの休止時間を測定し、次の基
準に従って信頼性を評価した。 ○……常に良好な噴射安定性を示した。 △……600秒以下で噴射方向変化または吐出液滴の著
しい重量変化が発生した。 ×……600秒以下で目詰りが発生した。
【0076】5)画像の耐水性 上記1)より得られた印字画像サンプルを30℃の水に
1分間浸潰し、浸潰前後の画像濃度の変化をマクベス濃
度計で測定し、下記の式により耐水性(褪色率%)を求
めた。 褪色率(%)=[1−(処理後の画像濃度/処理前の画
像濃度)]×100 3種類の被記録紙のいづれでも20%未満となったもの
を○、20%以上30%未満のものを△、30%以上の
ものを×とした。
【0077】
【表4】
【0078】表4から明らかなように、インクジェット
記録に本発明の水性インクを用いることにより、画像の
乾燥性に優れ、且つ画像にじみやインクの裏抜けの発生
が少ない鮮明な印字画像を得ることができる。また、本
発明の水性インクは、保存安定性および印字休止後の吐
出信頼性に優れたものである。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、特に、普通紙に印字さ
れた画像の乾燥性に優れ、且つ印字画像にじみの発生や
インクの裏抜けの発生が少なく、鮮明な印字画像が得ら
れるインクジェット記録に適した水性インクを得ること
ができる。
【0080】また、本発明によれば、更にインクの保存
安定性および印字休止後の吐出信頼性に優れた上記の水
性インクを得ることができる。
【0081】また、本発明によれば、高速化に対応し、
且つ鮮明な印字画像が得られるインクジェット記録を行
うことができる。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 郁子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に分散または溶解する着色剤、水およ
    び湿潤剤を主成分とする表面張力が50mN/m以下の
    水性インクにおいて、少なくとも下記一般式(1)で示
    される分子量80000〜250000の高分子化合物
    を含有することを特徴とする水性インク。 【化1】(式中、Mはアルカリ金属イオン、第4級アン
    モニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンイ
    オンを表す。x、yは構造単位比率を表し、x:y=2
    5:75〜75:25である。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される高分子化合物に
    おける対イオンMがナトリウム、リチウムあるいは下記
    一般式(2)で示される第4級アンモニウム、第4級ホ
    スホニウムまたはアルカノールアミン陽イオンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水性インク。 【化2】(式中、Xは窒素またはリン、R1、R2、R3
    およびR4は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒ
    ドロキシアルキル基またはハロゲン化アルキル基を表
    す。)
  3. 【請求項3】 界面活性剤として下記一般式(3)で示
    されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩及び
    /または下記一般式(4)で示されるジアルキルスルホ
    琥珀酸塩を含有することを特徴とする請求項1または2
    記載の水性インク。 【化3】(式中、R5は炭素数6〜14の分岐してもよ
    いアルキル基、R6は炭素数5〜7の分岐したアルキル
    基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホ
    スホニウムまたはアルカノールアミンを表し、mは3〜
    12の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 一般式(3)または(4)で示される界
    面活性剤における対イオンMがナトリウム、リチウムあ
    るいは下記一般式(2)で示される第4級アンモニウ
    ム、第4級ホスホニウムまたはアルカノールアミン陽イ
    オンであることを特徴とする請求項3記載の水性イン
    ク。 【化2】(式中、Xは窒素またはリン、R1、R2、R3
    およびR4は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒ
    ドロキシアルキル基またはハロゲン化アルキル基を表
    す。)
  5. 【請求項5】 界面活性剤として下記一般式(5)で示
    される化合物及び/または下記一般式(6)で示される
    化合物を含有することを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4項記載の水性インク。 【化4】(式中、R7は炭素数6〜14の分岐してもよ
    いアルキル基、kは5〜12の整数を表し、m、nは0
    〜40の整数を表す。)
  6. 【請求項6】 尿素または尿素誘導体を含有することを
    特徴とする請求項5記載の水性インク。
  7. 【請求項7】 pHが6以上11以下であることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5または6記載の水性イ
    ンク。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    項記載の水性インクを熱エネルギーまたは機械エネルギ
    −により微小な液滴として飛翔させ、これをステキヒト
    サイズ度が3秒以上の被記録材に付着せしめることによ
    り画像を形成をすることを特徴とするインクジェット記
    録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2060610A1 (en) 2007-11-13 2009-05-20 Ricoh Company, Ltd. Ink-jet o/w emulsion ink and ink-jet recording method using the same
US8187372B2 (en) 2007-11-13 2012-05-29 Ricoh Company, Ltd. Ink-jet O/W emulsion ink and ink-jet recording method using the same

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