JPH101619A - 出版グラビアインキ用銅フタロシアニン顔料組成物 - Google Patents

出版グラビアインキ用銅フタロシアニン顔料組成物

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JPH101619A
JPH101619A JP15391696A JP15391696A JPH101619A JP H101619 A JPH101619 A JP H101619A JP 15391696 A JP15391696 A JP 15391696A JP 15391696 A JP15391696 A JP 15391696A JP H101619 A JPH101619 A JP H101619A
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JP
Japan
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copper phthalocyanine
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pigment composition
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dry
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JP15391696A
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Kazunobu Tomimori
和宣 富盛
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磨砕助剤、湿潤剤、有機溶剤、水を使用する
ことなく、出版グラビアインキに使用した場合に、濃
度、流動性、貯蔵安定性に優れた銅フタロシアニン顔料
組成物を提供すること。 【解決手段】 (1)β型銅フタロシアニンのクルード
を乾式磨砕して得られるα型とβ型が混在した銅フタロ
シアニンの乾式磨砕物、及び(2)フタロシアニン骨格
に、アミノメチル基、アルキルアミノメチル基、ジアル
キルアミノメチル基、アミノアルキルアミノスルホニル
基、アルキルアミノアルキルアミノスルホニル基又はジ
アルキルアミノアルキルアミノスルホニル基を有する銅
フタロシアニン誘導体を含有する出版グラビアインキ用
銅フタロシアニン顔料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出版グラビアイン
キ中において、銅フタロシアニン顔料の濃度、流動性、
貯蔵安定性を著しく改善し得る銅フタロシアニン顔料組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、出版グラビアインキ用に使用され
るβ型銅フタロシアニン顔料としては、(1)特開昭5
1−28119号公報には、銅フタロシアニンのクルー
ドを、塩化ナトリウムのような水溶性無機塩から成る磨
砕助剤及びジエチレングリコール、エチレングリコール
等のポリオール類、アルコール又はアミン等の有機液体
と共に、ニーダー又はシンプソンミックスマーラー等の
磨砕機を用いて湿式磨砕する、いわゆるソルベントソル
トミリング法によって顔料化して得た混練物を、水に解
膠して水洗、ろ過することによって水溶性無機塩である
磨砕助剤と有機液体を除去して顔料を得る方法が開示さ
れている。また、(2)特開昭50−157419号公
報及び特開昭52−69435号公報には、磨砕助剤及
び有機液体の不存在下に銅フタロシアニンのクルード
を、ボールミル、アトライターのような磨砕機を使用し
て乾式磨砕する、いわゆるドライミリング法によって、
クルード銅フタロシアニンの乾式磨砕物を得た後、この
銅フタロシアニンのクルードの乾式磨砕物が微細化に伴
って結晶型が一部β型からα型へ転移して、強く凝集し
ているので、このα型とβ型が混在した乾式磨砕物を水
とキシレンの混合溶液、又は水とアルコールの混合溶液
等の結晶化溶剤と加熱することによって、α型をβ型に
転移させると共に、結晶粒子を大きくして分散させた
後、結晶化溶剤を蒸留によって留去して顔料を得る方法
が開示されている。これらの方法等によって得られたβ
型銅フタロシアニン顔料は、銅フタロシアニン誘導体を
用いて処理された上で、実用に供されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
特開昭51−28119号公報に記載された方法では、
β型銅フタロシアニンのクルードに対して、多量の水溶
性無機塩である磨砕助剤と、その磨砕物を良好なウエッ
ティング状態に保つ為に、多量の有機液体である湿潤剤
を使用するため、生産コストが増大し、また、長時間磨
砕したり、ウエットケーキを乾燥するのに多大なエネル
ギーを必要とするなどの問題点があった。また、この方
法では、大量の排水を処理する必要があり、多大な排水
処理費用と手間がかかる、あるいは、この排水から磨砕
助剤と湿潤剤を回収するには、溶剤回収設備と多大なエ
ネルギーが必要であるという問題点もあった。
【0004】また、(2)特開昭50−157419号
公報及び特開昭52−69435号公報に記載された方
法では、多量の有機溶剤を使用するために、作業環境の
溶剤による汚染があること、溶剤回収設備と多大なエネ
ルギーが必要であるほか、ウエットケーキを乾燥するの
に多大なエネルギーを必要とするなどの問題点があっ
た。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、磨砕助
剤、湿潤剤、有機溶剤、水を使用することなく、出版グ
ラビアインキに使用した場合に、濃度、流動性、貯蔵安
定性に優れた銅フタロシアニン顔料組成物を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、上記のソルトミリング法に依って得られ
たβ型銅フタロシアニン顔料、又はドライミリング法に
よって得られたα型とβ型が混在した乾式磨砕物を結晶
化溶剤との加熱処理に依って得られたβ型銅フタロシア
ニン顔料に代えて、ドライミリング法によって得られた
α型とβ型が混在した乾式磨砕物を用いると共に、特定
の銅フタロシアニン誘導体を含有させた顔料組成物が上
記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)β型銅フタロシアニンのクルードを乾式磨砕
して得られるα型とβ型が混在した銅フタロシアニンの
乾式磨砕物と、(2)(a)一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、CuPcは銅フタロシアニン残基
を表わし、nは1〜3の整数を表わし、 R1は水素原子
又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表わす。)で表わ
される銅フタロシアニン誘導体、及び(b)一般式(I
I)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、CuPcは銅フタロシアニン残基
を表わし、mは1〜3の整数を表わし、 R2は炭素原子
数1〜4のアルキル基を表わし、Aは炭素原子数2〜4
の線状又は分岐状の飽和アルキレン基を表わす。)で表
わされる銅フタロシアニン誘導体から成る群から選ばれ
る銅フタロシアニン誘導体を含有する出版グラビアイン
キ用銅フタロシアニン顔料組成物を提供する。
【0012】本発明で用いるドライミリンミリング法に
よって得られたα型とβ型が混在した銅フタロシアニン
の乾式磨砕物は、銅フタロシアニンのクルードを無機塩
等の磨砕助剤を用いないで、例えば、アトライター又は
ボールミル等の磨砕機で乾式磨砕によって得ることがで
きるが、これらの例に限定されるものではない。
【0013】ドライミリンミリング法によって得られた
α型とβ型が混在した銅フタロシアニンの乾式磨砕物
は、その一次粒子の大きさ、その比表面積の程度、その
α型銅フタロシアニンの含有率の程度等に限定されず、
いずれもが使用できるが、一次粒子径が0.01〜0.
05μmの範囲にあり、また、その比表面積が、5〜1
0m2 /gの範囲にあり、またα型銅フタロシアニンの
含有率が、40〜70重量%の範囲にある乾式磨砕物が
好ましい。
【0014】本発明で用いる一般式(I)で表わされる
銅フタロシアニン誘導体としては、公知の化合物が特に
制限なく使用することができる。そのような銅フタロシ
アニン誘導体としては、例えば、アミノメチル銅フタロ
シアニン、ジメチルアミノメチル銅フタロシアニン、ジ
エチルアミノメチル銅フタロシアニン等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いることも、2種以上混合
して用いることもできる。
【0015】また、本発明で用いる一般式(II)で表わ
される銅フタロシアニン誘導体は、例えば、一般式(II
I)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、CuPc及びmは一般式(II)に
おける場合と同じ定義である。)で表わされる銅フタロ
シアニンスルフォニルクロライド1モルと、一般式(I
V)
【0018】
【化6】
【0019】(式中、A及びR2は一般式(II)におけ
る場合と同じ定義である。)で表わされるジアミン1〜
3モルを用いて、常法により水中、有機溶媒中又は水と
の混合溶媒中で反応させることにより容易に製造するこ
とができる。
【0020】上記反応に用いるジアミンとしては、例え
ば、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチ
ルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルア
ミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジ
エチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピ
ルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルア
ミノブチルアミン、ジエチルアミノブチルアミン、ジプ
ロピルアミノブチルアミン、ジブチルアミノブチルアミ
ンが挙げられる。これらのジアミンは、単独で用いるこ
とも、2種以上混合して用いることもできる。
【0021】本発明で使用する一般式(I)及び一般式
(II)で表わされる銅フタロシアニン誘導体の使用量
は、銅フタロシアニンのクルードを乾式磨砕して得たα
型とβ型が混在した銅フタロシアニンの乾式磨砕物10
0重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲が好まし
く、2〜15重量部の範囲が特に好ましい。
【0022】銅フタロシアニンのクルードを乾式磨砕し
て得たα型とβ型が混在した銅フタロシアニンの乾式磨
砕物と、一般式(I)及び一般式(II)で表わされる銅
フタロシアニン誘導体を混合して、本発明の顔料組成物
とする方法は、いかなる方法でもよく、例えば、一般
式(I)及び一般式(II)で表わされる銅フタロシアニ
ン誘導体を、銅フタロシアニンの乾式磨砕物に粉末の状
態で混合する方法、ないしは乾式磨砕機の中へ加える方
法;銅フタロシアニンのクルードに、一般式(I)及
び一般式(II)で表わされる銅フタロシアニン誘導体を
粉末の状態で混合した後、乾式磨砕を行なう方法;銅
フタロシアニンのクルードのスラリー中に一般式(I)
及び一般式(II)で表わされる銅フタロシアニン誘導体
を混合して、ろ過、水洗、乾燥してから乾式磨砕する方
法;銅フタロシアニンのクルードのウエットケーキと
一般式(I)及び一般式(II)で表わされる銅フタロシ
アニン誘導体のウエットケーキ同志を混合し、乾燥して
から乾式磨砕する方法;銅フタロシアニンのクルード
の存在下で一般式(I)及び一般式(II)で表わされる
銅フタロシアニン誘導体を形成させた後、ろ過、水洗、
乾燥してから乾式摩砕を行なう方法;銅フタロシアニ
ンのクルードを乾式磨砕して得たα型とβ型が混在した
銅フタロシアニンを含有する乾式磨砕物をベヒクルに分
散させる工程で一般式(I)及び一般式(II)で表わさ
れる銅フタロシアニン誘導体を加える方法;β型銅フ
タロシアニンのクルードを乾式磨砕して得たα型とβ型
が混在した銅フタロシアニンを含有する乾式磨砕物を分
散させたインキ中へ、一般式(I)及び一般式(II)で
表わされる銅フタロシアニン誘導体を分散させたインキ
を加える方法、等が挙げられるが、これらの例に限定さ
れるものではない。通常、上記及びの方法で十分な
効果が得られる。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において、
「部」は『重量部』を表わす。
【0024】<合成例1>撹拌機、温度計を備えた容量
1000mlの琺瑯容器にフタルイミドメチル銅フタロ
シアニンのウエットケーキ2400部(フタルイミドメ
チル銅フタロシアニンの乾燥重量で600部に相当)及
び水3800部を加え、充分に分散させた後、20%水
酸化ナトリウム水溶液860部を加え、撹拌下に85℃
で2時間反応させた後、20%塩酸1200部を加え、
更に撹拌下に85℃で2時間反応させた。反応終了後、
20%水酸化ナトリウム水溶液530部を加えて反応混
合物を弱アルカリ性とした後、結晶を濾別し、濾別した
結晶を水洗してアミノメチル銅フタロシアニンウエット
ケーキ1440部(アミノメチル基を平均1.4個有す
るアミノメチル銅フタロシアニン;乾燥重量で432部
に相当)を得た。このウエットケーキ100部を、70
〜80℃で乾燥させて、アミノメチル銅フタロシアニン
30部を得た。
【0025】<合成例2>撹拌機及び温度計を備えた容
量1000mlのオートクレーブに、合成例1で得たア
ミノメチル銅フタロシアニンのウエットケーキ100部
(アミノメチル銅フタロシアニンの乾燥重量で30部に
相当)、水400部、88%ギ酸27部(アミノ基に対
して7.6倍モル)及び80%パラホルムアルデヒド6
部(アミノ基に対して2.3倍モル)を仕込み、撹拌下
に1時間かけて140℃に昇温させた後、同温度で5時
間反応させた。反応中のオートクレーブ内は、圧力が上
昇し、5.0〜5.5kg/cm2 になっていた。反応終了
後、室温まで冷却し、脱ガスした後、反応混合物に20
%水酸化ナトリウム水溶液71部を加えて弱アルカリ性
とした後、結晶を濾別し、濾別した結晶を水洗してジメ
チルアミノメチル銅フタロシアニンのウエットケーキを
得た。このウエットケーキを、70〜80℃で乾燥させ
て、ジメチルアミノメチル銅フタロシアニン30部を得
た。
【0026】<合成例3>撹拌機及び温度計を備えた容
量1000mlのガラス製反応容器にクロルスルホン酸
1000部を仕込んだ後、撹拌しながら塩化チオニル2
00部を加えた。この混合物を撹拌しながら冷却し、4
0℃以下で、β型銅フタロシアニンのクルード(大日本
インキ化学工業(株)製の「Fastogen Blue
AC」)250部を仕込んだ。更に、40℃以下で1
時間撹拌した後、1時間かけて90℃迄昇温した。反応
温度を90±0.5℃に保ちながら7時間反応させた
後、内温を20℃以下迄冷却した。撹拌機及び温度計を
備えた2000mlビーカーに水300部及び砕氷70
0部を入れ、氷水を撹拌しながら、5℃以下に保ちなが
ら上記反応液を徐々に取り出した後、析出した結晶を濾
別し、濾別した結晶を5℃以下の氷水で洗液のpHが3
以上となるまで水洗して銅フタロシアニンスルホニルク
ロライドウエットケーキ1568部(1分子中にスルホ
ニルクロライド基を平均1.3個有する銅フタロシアニ
ンスルホニルクロライド;乾燥重量で290部に相当)
を得た。
【0027】次に、撹拌機及び温度計を備えた容量20
00mlのガラス製反応容器に水150部及び砕氷30
0部を入れ、氷水を撹拌しながら、ジメチルアミノプロ
ピルアミン210部を加えて、溶液の温度を5℃以下に
維持し、撹拌しながら、上記で得た銅フタロシアニンス
ルホニルクロライドウエットケーキ1568部(乾燥重
量で290部に相当)を少しずつ加えた後、0〜5℃で
1時間反応させた後、温度を徐々に上げ、2時間後に2
5℃とした。その後、25℃で更に2時間撹拌を続け
た。
【0028】撹拌機及び温度計を備えた容量10000
mlの琺瑯製の容器に、水5000部を仕込み、撹拌し
ながら上記反応液を少しずつ取り出した。その後、水を
3500部追加した後、温度を80〜85℃に昇温し
て、その後80〜85℃で6時間撹拌して結晶を成長さ
せた。その後、結晶を濾別し、濾別した結晶を水洗した
後、70〜80℃で乾燥させて、銅フタロシアニンジメ
チルアミノプロピルスルホアミド297部を得た。
【0029】<合成例4>合成例3において、ジメチル
アミノプロピルアミン210部に代えて、ジエチルアミ
ノエチルアミン240部を使用した以外は、合成例3と
同様にして銅フタロシアニンジエチルアミノエチルスル
ホアミド310部を得た。
【0030】<合成例5>合成例3において、ジメチル
アミノプロピルアミン210部に代えて、ジエチルアミ
ノプロピルアミン269部を使用した以外は合成例3と
同様にして、銅フタロシアニンジエチルアミノプロピル
スルホアミド313部を得た。
【0031】<合成例6>合成例3において、ジメチル
アミノプロピルアミン210部に代えて、ジブチルアミ
ノプロピルアミン384部を使用した以外は合成例3と
同様にして、銅フタロシアニンジブチルアミノプロピル
スルホアミド319部を得た。
【0032】<実施例1>容量5リットルのアトライタ
ー(三井鉱山株式会社製の「MA−1D型」)に、3/
8インチスチールボール13500部、及びβ型銅フタ
ロシアニンのクルード(大日本インキ化学工業(株)製の
「Fastogen Blue B.81」)500部
を仕込み、温度80℃、300回転/分で80分間乾式
磨砕して、α型とβ型が混在した銅フタロシアニンの乾
式摩砕物(αの含有率が62%の乾式磨砕物)495部
を得た。この銅フタロシアニンの乾式摩砕物の平均一次
粒子径は0.03μm、比表面積は7m2/gであっ
た。
【0033】合成例1で得たアミノメチル銅フタロシア
ニン粉末7.5部と、α型とβ型が混在した銅フタロシ
アニンの乾式磨砕物92.5部とを1000mlポリ瓶
を用いて混合して顔料組成物を得た。
【0034】この顔料組成物20部に、トルエン45
部、出版グラビアインキ用ワニス(荒川化学工業(株)製
の「Wワニス」)185部を加え、ボールミリングして
出版グラビア用インキ250部を得た。
【0035】このようにして得た出版グラビア用インキ
について、以下の方法により、濃度、流動性及び貯蔵安
定性の評価を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0036】<濃度の評価方法>出版グラビア用インキ
を0.15mmバーコーターを用いてヘンリーコート紙
に塗布した。この塗布膜を目視判定することによって、
濃度の高い方から◎、○、△、×、××の5段階に評価
した。
【0037】<流動性の評価方法>ブルックフィールド
粘度計(No.2ローター又はNo.3ローター)を用いて、
20℃、60回転/分の条件でインキの粘度を測定し
た。
【0038】<貯蔵安定性の評価方法>50℃で3日間
貯蔵したインキの粘度を、ブルックフィールド粘度計
(No. 2ローター又はNo. 3ローター)を用いて、20
℃、60回転/分の条件で測定した。
【0039】<比較例1>実施例1において、合成例1
で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末を使用せず
に、実施例1で使用したα型とβ型が混在した銅フタロ
シアニンの乾式磨砕物20部を用いた以外は、実施例1
と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実施例1
と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価を行な
い、その結果を下記表1に示した。
【0040】<比較例2>実施例1において、合成例1
で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、銅
フタロシアニンスルフォン酸ステアリルアミン塩(1分
子中にスルフォン酸基を平均1.1個有する銅フタロシ
アニンスルフォン酸ステアリルアミン塩)を用いた以外
は、実施例1と同様にして顔料組成物を得た。
【0041】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0042】<比較例3>実施例1において、合成例1
で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、銅
フタロシアニンジスルフォン酸ステアリルアミン塩(1
分子中にスルフォン酸基を平均2.3個有する銅フタロ
シアニンジスルフォン酸ステアリルアミン塩)を用いた
以外は、実施例1と同様にして顔料組成物を得た。
【0043】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0044】<実施例2>実施例1において、合成例1
で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、合
成例2で得たジメチルアミノメチル銅フタロシアニン粉
末を用いた以外は、実施例1と同様にして顔料組成物を
得た。
【0045】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0046】<実施例3>実施例2において、合成例2
で得たジメチルアミノメチル銅フタロシアニン粉末と、
実施例1で得たα型とβ型が混在した銅フタロシアニン
の乾式磨砕物との混合割合を7.5部:92.5部から
3部:97部に変更した以外は、実施例2と同様にして
顔料組成物を得た。
【0047】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0048】<実施例4>実施例2において、合成例2
で得たジメチルアミノメチル銅フタロシアニン粉末と、
実施例1で得たα型とβ型が混在した銅フタロシアニン
の乾式磨砕物との混合割合を7.5部:92.5部から
12部:88部に変更した以外は、実施例2と同様にし
て顔料組成物を得た。
【0049】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0050】<実施例5>実施例1において、合成例1
で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、合
成例3で得た銅フタロシアニンジメチルアミノプロピル
スルホアミド粉末を用いた以外は、実施例1と同様にし
て顔料組成物を得た。
【0051】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0052】<実施例6>容量5リットルのアトライタ
ー(三井鉱山株式会社製の「MA−1D型」)に、3/
8インチスチールボール13500部、β型銅フタロシ
アニンのクルード(大日本インキ化学工業(株)製の「F
astogen Blue B.81」)462.5部
及び合成例3で得た銅フタロシアニンジメチルアミノプ
ロピルスルホアミド37.5部を仕込み、温度80℃、
300回転/分で80分間乾式磨砕して、α型とβ型が
混在した銅フタロシアニンの乾式摩砕物(αの含有率が
66%の乾式磨砕物)495部を得た。この銅フタロシ
アニンの乾式摩砕物の平均一次粒子径は0.03μm、
比表面積は7m2/gであった。
【0053】このようにして得た銅フタロシアニンの乾
式摩砕物を用いて実施例1と同様にして出版グラビア用
インキを製造し、実施例1と同様にして濃度、流動性及
び貯蔵安定性の評価を行ない、その結果を下記表1に示
した。
【0054】<比較例4>実施例6において、銅フタロ
シアニンジメチルアミノプロピルスルホアミド37.5
部に代えて、銅フタロシアニンジスルフォン酸ステアリ
ルアミン塩(1分子中にスルフォン酸基を平均2.3個
有する銅フタロシアニンジスルフォン酸ステアリルアミ
ン塩)37.5部を用いた以外は、実施例6と同様にし
て、α型とβ型が混在した銅フタロシアニンの乾式摩砕
物(αの含有率が66%の乾式磨砕物)498部を得
た。
【0055】このようにして得た銅フタロシアニンの乾
式摩砕物を用いて実施例1と同様にして出版グラビア用
インキを製造し、実施例1と同様にして濃度、流動性及
び貯蔵安定性の評価を行ない、その結果を下記表1に示
した。
【0056】<実施例7>実施例5において、銅フタロ
シアニンジメチルアミノプロピルスルホアミド粉末と、
実施例1で得たα型とβ型が混在した銅フタロシアニン
の粗顔料(乾式磨砕物)の粉末との混合割合を7.5
部:92.5部から3部:97部に変更した以外は、実
施例5と同様にして顔料組成物を得た。
【0057】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0058】<実施例8>実施例5において、銅フタロ
シアニンジメチルアミノプロピルスルホアミド粉末と、
実施例1で得たα型とβ型が混在した銅フタロシアニン
の粗顔料(乾式磨砕物)の粉末との混合割合を7.5
部:92.5部から12部:88部に変更した以外は、
実施例5と同様にして顔料組成物を得た。
【0059】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0060】<実施例9>実施例1において、合成例1
で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、合
成例4で得た銅フタロシアニンジエチルアミノエチルス
ルホアミド粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして
顔料組成物を得た。
【0061】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0062】<実施例10>実施例1において、合成例
1で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、
合成例5で得た銅フタロシアニンジエチルアミノプロピ
ルスルホアミド粉末を用いた以外は、実施例1と同様に
して顔料組成物を得た。
【0063】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0064】<実施例11>実施例1において、合成例
1で得たアミノメチル銅フタロシアニン粉末に代えて、
合成例6で得た銅フタロシアニンジブチルアミノプロピ
ルスルホアミド粉末を用いた以外は、実施例1と同様に
して顔料組成物を得た。
【0065】このようにして得た顔料組成物を用いて実
施例1と同様にして出版グラビア用インキを製造し、実
施例1と同様にして濃度、流動性及び貯蔵安定性の評価
を行ない、その結果を下記表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示した結果から、本発明のフタロシ
アニン顔料組成物を用いた各実施例の出版グラビア用イ
ンキは、濃度が高く、流動性に優れ、貯蔵安定性の評価
においても、比較例のインキの粘度よりも極めて低く、
貯蔵安定性に優れていることが理解できる。
【0068】
【発明の効果】本発明の出版グラビアインキ用銅フタロ
シアニン顔料組成物は、出版グラビアインキに使用した
場合に、濃度、流動性、貯蔵安定性に優れたものであ
る。
【0069】また、本発明の出版グラビアインキ用銅フ
タロシアニン顔料組成物は、磨砕助剤、湿潤剤、有機溶
剤及び水を使用しないで、高品位の顔料を製造すること
ができるので、従来技術のソルベントソルトミリング或
いはドライミリング法で得た乾式磨砕物を溶剤を用いて
顔料化して得られる銅フタロシアニン顔料組成物と比較
して、原料費、廃水処理に要する費用及び摩砕助剤、湿
潤剤、有機溶剤の回収に要する費用が削減でき、作業環
境の溶剤汚染がないという利点がある。
【0070】更に、本発明の出版グラビアインキ用銅フ
タロシアニン顔料組成物は、その製造に際し、顔料化工
程を必要としないので、設備化設備が不要で、顔料化に
要するエネルギーを低減でき、しかも生産量の増大が極
めて容易であるという利点がある。
【0071】更にまた、本発明の出版グラビアインキ用
銅フタロシアニン顔料組成物は、従来技術のソルベント
ソルトミリング或いはドライミリング法で得た乾式磨砕
物を溶剤を用いて顔料化して得られる銅フタロシアニン
顔料組成物と比較して、カサが半減するので、単位容積
当たりの充填量が増す結果、容器費及び輸送費を削減で
きるという利点がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)β型銅フタロシアニンのクルード
    を乾式磨砕して得られるα型とβ型が混在した銅フタロ
    シアニンの乾式磨砕物と、 (2)(a)一般式(I) 【化1】 (式中、CuPcは銅フタロシアニン残基を表わし、n
    は1〜3の整数を表わし、 R1は水素原子又は炭素原子
    数1〜2のアルキル基を表わす。)で表わされる銅フタ
    ロシアニン誘導体、及び(b)一般式(II) 【化2】 (式中、CuPcは銅フタロシアニン残基を表わし、m
    は1〜3の整数を表わし、 R2は炭素原子数1〜4のア
    ルキル基を表わし、Aは炭素原子数2〜4の線状又は分
    岐状の飽和アルキレン基を表わす。)で表わされる銅フ
    タロシアニン誘導体から成る群から選ばれる銅フタロシ
    アニン誘導体を含有する出版グラビアインキ用銅フタロ
    シアニン顔料組成物。
  2. 【請求項2】 β型銅フタロシアニンのクルードを乾式
    磨砕して得たα型とβ型が混在した銅フタロシアニンを
    含有する銅フタロシアニンの乾式磨砕物が、その一次粒
    子径が0.01〜0.05μmの範囲にあり、その比表
    面積が5〜10m2/gの範囲にあり、かつα型銅フタ
    ロシアニンの含有率が40〜70重量%の範囲にある請
    求項1記載の出版グラビアインキ用銅フタロシアニン顔
    料組成物。
  3. 【請求項3】 銅フタロシアニン顔料組成物中に請求項
    1記載の銅フタロシアニン誘導体を0.5〜20重量%
    の範囲で含有する請求項1又は2記載の出版グラビアイ
    ンキ用銅フタロシアニン顔料組成物。
  4. 【請求項4】 銅フタロシアニン顔料組成物中に請求項
    1記載の銅フタロシアニン誘導体を2〜15重量%の範
    囲で含有する請求項1又は2記載の出版グラビアインキ
    用銅フタロシアニン顔料組成物。
JP15391696A 1996-06-14 1996-06-14 出版グラビアインキ用銅フタロシアニン顔料組成物 Pending JPH101619A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2390095A (en) * 2002-06-25 2003-12-31 Riso Kagaku Corp Ink for stencil printing
JP2007254628A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Toyo Ink Mfg Co Ltd 油性リキッドインキ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2390095A (en) * 2002-06-25 2003-12-31 Riso Kagaku Corp Ink for stencil printing
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