JPH1016068A - 繊維強化熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法

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JPH1016068A
JPH1016068A JP8174911A JP17491196A JPH1016068A JP H1016068 A JPH1016068 A JP H1016068A JP 8174911 A JP8174911 A JP 8174911A JP 17491196 A JP17491196 A JP 17491196A JP H1016068 A JPH1016068 A JP H1016068A
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preform
fiber
core
thermoplastic resin
reinforced thermoplastic
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Hajime Sato
元 佐藤
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリフォームの生産性の向上、および、品質
の安定をはかり、より安価で高品質の繊維強化熱可塑性
樹脂からなる筒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 複数方向に繊維を配置した補強繊維4と
熱可塑性樹脂からなるマトリックス5で構成され、最大
の曲げ剛性を有する方向を縦方向とし、横方向の剛性を
縦方向の剛性の70%以下にしたプリプレグシート2
を、縦方向が筒体1の軸方向となるように筒状に2周以
上巻いてプリフォーム3とし、プリフォームを中子と外
型の間に挿入し、加熱と、中子の膨張力による押圧で筒
体を成形し、繊維強化熱可塑性樹脂からなる筒体を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性樹脂を
マトリックスとするプリプレグシートを用いた繊維強化
熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法に関するものであ
って、特にプリプレグシートの横方向の剛性を縦方向よ
り小にすることにより能率よく製造できるようにした繊
維強化熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】 一般に、ポリエーテルエーテルケトン
等の所謂、エンジニアリング熱可塑性樹脂をマトリック
スとする複合材料は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を
マトリックスとする複合材料に比して、靭性、耐熱性、
耐環境性が格段に優れている。そのため、これら熱可塑
性樹脂をマトリックスとするプリプレグシートで積層成
形品、例えば、筒体をつくり、この筒体をトルクーチュ
ーブ等の構造部材やクラッシュエレメント等の緩衝材に
用いる試みがなされている。
【0003】前記筒体の製造方法としては、複数本の連
続繊維を一方向に引き揃えた補強繊維層に熱可塑性樹脂
からなるマトリックスを含浸したプリプレグシートを渦
巻状に巻回し、積層して筒状のプリフォームとし、その
筒状のプリフォームに、ポリテトラフルオロエチレン等
の熱膨張性樹脂からなる中子、または、可撓性の筒状袋
体の中に流体を封入してなる中子を挿入し、その外側を
外型で覆い、次いで、プリフォームおよび中子を加熱し
て熱可塑性樹脂を軟化もしくは溶融し、中子の膨張力に
よって該プリフォームを加圧成形して筒体とする方法が
知られている(例えば、特開平6ー71654号公報及
び特開平5ー293908号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記のよ
うな方法は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
等の可塑化温度の高い熱可塑性樹脂をマトリックスとす
る繊維強化熱可塑性樹脂の筒体の製造方法としてフィラ
メントワインディング等のそれ以前よりおこなわれてい
た製造方法に比べれば有効な技術である。
【0005】しかし、上記熱可塑性樹脂をマトリックス
とするプリプレグシートは、常温ではタッキネスのほと
んどない硬いシートであるが、次のような問題があっ
た。即ち、複数本の連続繊維を引き揃えて補強繊維を一
方向に配列したプリプレグシートを渦巻状に巻回し、積
層して筒状のプリフォームを成形する工程は工数がかか
り、かなり複雑である。
【0006】必要な強度や剛性を発現するには、少なく
とも2種類の方向のプリプレグを重ねるなどして巻かな
くてはならないが、方向性のあるプリプレグシートを筒
体の軸に一致させずに巻く時には、材料の反り返りのた
めに竹の子状に変形し易い。また2方向のプリプレグの
層間を密着させることも、反り返りの方向が異なるの
で、ある限度以上は困難であり、プリフォームの肉厚が
計算より厚くなってしまう場合が多い。
【0007】例えば、炭素繊維とポリエーテルエーテル
ケトンからなり厚さ0.125mmのプリプレグシート
を軸に対して互いに反対方向に±30度となるように2
0層巻いたときに、計算では厚さは2.5mmとなる
が、隙間ができて3.75mmと1.5倍の厚さになる
ことさえあり、この場合、膨張性中子の膨張はより大き
くなければならず、それが不十分だと押圧不足になり、
層間の密着が十分得られないことがある。
【0008】また、補強繊維を一方向に配列したプリプ
レグシートは、切り口において繊維方向にそって裂け易
いので、プリフォームの成形において注意が必要であ
る。また、従来の内圧成形法では、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)等の成形温度が高く、高価な材料
には適用できたが、ナイロン樹脂等の比較的成形温度が
低い(300℃以下)の材料には、マンドレルの熱膨張
が不足し、間隙を完全になくすことができ得なかった。
【0009】この発明は、かかる従来の課題に着目して
案出されたもので、プリフォームの生産性の向上、およ
び、品質の安定をはかり、より安価で高品質の繊維強化
熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、先ず、複数方向に繊維を配置した補強繊維
と熱可塑性樹脂からなるマトリックスで構成され、最大
の曲げ剛性を有する方向を縦方向とし、横方向、即ち、
縦方向に対しほぼ90度の方向の剛性を縦方向の剛性の
70%以下にしたプリプレグシートを用意する。
【0011】次に、そのプリプレグシートを前記の縦方
向が筒体の軸方向となるように筒状に2周以上巻いてプ
リフォームを製作する。そして、そのプリフォームに中
子を挿入し、その外側に外型を被せ、プリフォームと中
子をオーブン等の加熱手段で加熱してプリフォームのマ
トリックスを可塑化し、加熱された中子の膨張力と外型
でプレフォームを押圧して、巻き重られたプリプレグシ
ートの層間を融着して一体化し、筒体に成形する。そし
て水等の冷却手段で筒体のマトリックスを冷却して硬化
し、硬化した筒体を中子および外型から離型して繊維強
化熱可塑性樹脂からなる筒体を製造するものである。
【0012】そして、プリプレグシートの補強繊維に
は、プリプレグシートの縦方向、および、縦方向におお
むね直行する横方向にそれぞれ繊維束を配列し、プリプ
レグシートの横方向の曲げ剛性が縦方向の曲げ剛性の7
0%以下になるようにした補強繊維を使用するのが成形
が更に容易になるので好ましい選択の一つである。上
記、70%以下にすることにより、プリプレグシートを
巻き易くなり、緊密に巻くことが可能となる。また、前
記の補強繊維には、縦方向繊維と無方向性の不織布を合
わせた補強繊維を使用するのも好ましい選択の一つであ
る。
【0013】また、前記の補強繊維には、縦方向繊維と
ニットを合わせた補強繊維を使用するのも好ましい選択
の一つである。中子については、ポリテトラフルオロエ
チレン等の熱膨張性の樹脂でできたものを使用し、加熱
によりその中子を膨張させてプリフォームを押圧するよ
うにする方法が好ましい。
【0014】また、中子については、可撓性の筒状の袋
体の中に空気や水等の流体を封入したものを使用し、流
体の加圧および加熱による圧力上昇によってプリフォー
ムを押圧する方法も好ましい。上記方法で製造される筒
体は、航空機や自動車等に使用し、筒体の軸方向に衝撃
を受け、その衝撃力によって筒体を破壊して衝撃エネル
ギーを吸収するいわゆるクラッシュエレメントとして使
用することができ、上記製造方法はクラッシュエレメン
トの製造方法としても好ましい方法である。
【0015】また、上記方法で製造される筒体は、種々
の機器においてトルクの伝達に使用されるいわゆるトル
クチューブとして使用することができ、上記製造方法は
トルクチューブの製造方法としても好ましい方法であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、この発
明の実施形態を説明する。図1は、この発明の製造工程
を示し、袋体1はプリプレグシート2、プリフォーム3
の工程を経て製造される。図1(a)において、プリプ
レグシート2は、補強繊維4と熱可塑性樹脂からなるマ
トリックス5で構成され、補強繊維4は、プリプレグシ
ート2の縦方向に縦繊維束6を引き揃え、横方向、即
ち、縦繊維束と直行する方向に横繊維束7を引き揃えて
なり、マトリックス5を媒体としてシート状に形成され
ている。そして、補強繊維4は、プリプレグシート2の
横方向の剛性が縦方向の剛性の70%以下となるよう
に、縦繊維束6および横繊維束7を構成している。
【0017】例えば、縦繊維束6および横繊維束7に同
一の剛性を有する繊維束を使用する場合は、横繊維束7
の引き揃え密度を、縦繊維束6の引き揃え密度の70%
以下とし、また、縦繊維束6および横繊維束7を同じ引
き揃え密度とする場合は、横繊維束の剛性を、70%以
下とするなどして、プリプレグシート1の横方向の剛性
が縦方向の剛性の70%以下となるようにしている。な
お、この場合の補強繊維は、縦繊維と横繊維で織られて
いてもよい。
【0018】また図1(b)に示すように、補強繊維
6’を1枚のプリプレグシート1の中に縦方向に対して
一定の角度θとなるように互いにバイアス状に2方向に
配設しても良い。この交差角度2θを変えることによっ
て、上記の縦方向及び横方向お剛性比を適宜調節するこ
とが出来る。次に、図1(c),図1(d)において、
プリフォーム3は、縦繊維束6が筒体1の軸方向を形成
するようにして2周以上巻かれたプリプレグシート2に
より形成されている。
【0019】図2に示すように、円筒状の外型8と円筒
状の中子9との間にプリフォーム3を挿入する。外型8
は金属等で構成され、また中子9は熱膨張性の高いポリ
テトラフルオロエチレン等の樹脂で構成されている。前
記中子9とプリフォーム3をオーブン等の加熱手段で加
熱し、マトリックス5を可塑化し、その状態で中子の膨
張力と外型によってプリフォーム3を押圧し筒体に成形
する。そして、それらを水中に入れる等の手段で冷却
し、冷却によって硬化したプリフォーム、即ち、筒体を
中子と外型から離型し、完成した筒体を得る。
【0020】前記マトリックスは熱可塑性樹脂であり、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリマーアロイ等が適している。また、補強
繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化珪
素繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維等の耐熱性を備え
た、強度の大きい繊維が好ましい。プリプレグの樹脂含
浸状態や平滑性は、できるだけ完全な含浸が達成され、
平滑性の高いものが好ましい。
【0021】中子には、耐熱性と熱膨張性の大きい材質
が望ましく、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等が好ま
しい。また、中子9には、可撓性の筒状袋体の中に流体
を封入した膨張性の中子も使用できる。この場合は、プ
リフォームに、流体を封入していないかあるいは十分に
は封入していない筒状袋体を挿入し、外型に組入れ、そ
の後に空気、水等の流体を封入加圧してプリフォームを
押圧し、加熱によってさらに一層押圧することができ
る。このようにするとプリフォームの内径が小さめにで
きていても、中子はプリフォームに容易に挿入される。
【0022】図3は、プリプレグシート2の他の実施形
態であり、補強繊維4は、縦方向に引き揃えられた縦繊
維束6と無方向性の不織布10を重合わせてなってい
る。この場合も横方向の剛性は縦方向の剛性の70%以
下に調整されている。図4は、プリプレグシート2のさ
らに他の実施形態であり、補強繊維4は、縦方向に引き
揃えられた縦繊維束6とニット11を重合わせてなって
いる。この場合も横方向の剛性は縦方向の剛性の70%
以下に調整されている。
【0023】この発明では、プリプレグシートの横方向
の剛性が縦方向の剛性の70%以下で小さい。したがっ
て、プリプレグシートを巻いてプリフォームとする時に
プリプレグシートが巻き易い。特に上記の熱可塑性樹脂
はタッキネスがほとんどない場合が多いので層間が密着
しにくく、そのために、横方向の剛性が大きいと層間の
隙間が大きくなり、プリフォームが径方向に嵩張り、そ
の外径が大きくなる。
【0024】そのような時にプリフォームを中子と外型
の間に挿入するには、熱膨張の大きな中子を使って中子
の外径を小さくしなければならないが、それに適応でき
る耐熱性の中子の材料は乏しい。即ち、この発明は、横
方向の剛性の小さいプリプレグシートを使用するので、
たとえマトリックスにタッキネスの少ない樹脂を使用し
てても、プリプレグシートは巻き易く、層間の隙間がほ
とんどなく、肉厚の薄く嵩張らないプリフォームを作る
ことができる。
【0025】また、横方向の剛性が小さいために、巻き
崩れが起こらず、シート端縁の跳ね返りも小さいので端
縁を簡単に溶接するだけでプリフォームの形は維持で
き、中子と外型の装着も容易である。また、プリフォー
ムがこのように理想的に作られるので、仕上がった袋体
にも、偏肉や層間剥離がおこらない。なお、横方向の剛
性が縦方向の剛性の70%を越えると、プリフォームの
層間の隙間が大きくなってきて、製造し難くなってく
る。
【0026】また、プリフォームがプリプレグを1層巻
いてなる場合にもこの発明の製造方法で製造できるが、
この場合はプリフォームが嵩張ることがないので、この
発明による効果は少ない。以上のように、この発明によ
れば、高機能の材料を使って品質の高い袋体を製造する
ことができるので、高機能と信頼性が要求されるクラッ
シュエレメントやトルクチューブ等を容易に製造でき
る。
【0027】
【実施例】外径および長さが同一の袋体をこの発明の製
造方法(実施例1、実施例2)、および、他の製造方法
(比較例1、比較例2)により製造し、その優劣を評価
した。 (実施例1)繊維を縦方向と横方向の割合が7:3にな
るように配した方向性ガラス平織布2枚を合わせて補強
繊維とし、ナイロン6をマトリックスとするプリプレグ
シートを用意した。この場合プリプレグシートの剛性の
実測値は横方向剛性が縦方向剛性の54%であり、プリ
プレグシートの厚さは0.33mmであった。また、繊
維体積含有率は50%であった。
【0028】次いで、プリプレグシートの縦方向を筒体
の軸方向とし、内径を46.5mmとして、プリプレグ
シートを層間がよく密着するように巻き、巻き終わり部
を超音波スポット溶接してプリフォームを製作した。次
いで、このプリフォームに、ポリテトラフルオロエチレ
ンからなり、外径46mm、内径19mmの中子を挿入
し、プリフォームの上に離型処理したポリイミドフィル
ムを一周巻き、内径が55.0mmの銅製の外型に挿入
した。
【0029】次いで、これを250℃のオーブンに入
れ、水平に保ちながら60分間放置し、オーブンから出
し、水中に入れて冷却してから、硬化した筒体を離型し
取り出した。 (実施例2)縦方向にガラス繊維からなる繊維束を引き
揃え、それにガラス繊維からなる無方向性の不織布を合
わせて補強繊維とし、ポリプロピレンをマトリックスと
するプリプレグシートを用意した。この場合プリプレグ
シートの剛性の実測値は横方向剛性が縦方向剛性の25
%でり、プリプレグシートの厚さは0.33mmであっ
た。また繊維体積含有率は45%であった。
【0030】次いで、実施例1と同じ方法でプリフォー
ムを製作した。この場合プリフォームは、以下の表ー1
に示すサイズとなった。次いで、筒体1と同じ中子と外
型に、同じ方法でプリオームを挿入し、同じ条件で加熱
し、冷却し、硬化した筒体を離型し取り出した。 (比較例1)ガラス繊維からなる繊維束を一方向のみに
引き揃えて補強繊維とし、ナイロン6をマトリックスと
するプリプレグシートを用意した。この場合プリプレグ
シートの厚さは0.15mmであった。
【0031】次いで、2葉のプリプレグシートを筒体の
軸方向に対して繊維束が±30度となるように、互いに
反対の方向に巻いた。ただし、2葉のプリプレグシート
は巻き崩れが起こり、緊密に巻かれたプリフォームを形
成することは困難であったので、プリフォームの内側か
ら溶接により数箇所固定する必要があった。
【0032】また、プリフォームの嵩張りが大きく、完
成した筒体の厚さに対しプリフォームの厚さが280%
になったので、熱膨張性中子は使えず、流体封入可撓性
袋体の中子を使用して、実施例1と同じ条件で加熱成形
をおこなった。製造された袋体は多少偏肉し、プリフォ
ームの巻き崩れのため両端部がラフであり、巻き崩れに
より加熱成形時に端部が型よりはみ出し中子の取り外し
が困難であった。
【0033】(比較例2)繊維を縦方向と横方向が1:
1の割合に配し、両方向の剛性が等しいガラス平織布を
2枚合わせて補強繊維とし、ナイロン6をマトリックス
とするプリプレグシートを用意し、その他は実施例1と
同じ方法で製造した。この場合横方向の剛性は実施例1
の1.7倍であった。
【0034】プリプレグシートを、プリフォームが内径
55mmの外型に挿入できるように巻くことは、プリプ
レグシートの横方向の剛性が高かったために、層間の隙
間が大きくなり困難であった。したがって、予定の10
周を巻くことができず、9周巻きとした。この場合層間
の隙間は平均0.126mmであった。また、出来上が
った筒体の外観は良好であったが、周方向に偏肉があ
り、厚い部分の一部に層間剥離があった。表−1に上記
実施例、比較例の要点を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
横方向の剛性が縦方向の剛性の70%以下で、横方向の
剛性の小さいプリプレグシートを使用するので、たとえ
マトリックスにタッキネスの少ない樹脂を使用してて
も、プリプレグシートは巻きやすく、層間の隙間がほと
んどなく、肉厚の薄く嵩張らないプリホームを作ること
ができる。
【0037】また、プリフォームは巻き崩れが起こら
ず、シート端縁の跳ね返りも小さいので、プリフォーム
の形は容易に維持でき、中子と外型の装着も容易であ
り、膨張性樹脂の中子の使用が容易である。また、プリ
フォームが理想的に作られるので、特に、比較的成形温
度の低い安価な材料でも、偏肉や層間剥離のない、均質
で高品質の筒体を製造できる。従って、高機能と信頼性
が要求されるクラッシュエレメントやトルクチューブを
容易に製造できる。
【0038】即ち、この発明によれば、以上のような高
生産性および高品質の繊維強化熱可塑性樹脂からなる、
クラッシュエレメント、トルクチューブ等の筒体を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、この発明の製造工程を示す
一部切欠した平面図と、斜視図である。
【図2】この発明の成形工程を示す断面図である。
【図3】この発明のプリプレグシートの一例を示す一部
切欠した平面図である。
【図4】この発明のプリプレグシートの一例を示す一部
切欠した平面図である。
【符号の説明】
1 筒体 6 縦繊維束 2 プリプレグシート 7 横繊維束 3 プリフォーム 8 外型 4 補強繊維 9 中子 5 マトリックス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数方向に繊維を配置した補強繊維と熱
    可塑性樹脂からなるマトリックスで構成され、最大の曲
    げ剛性を有する方向を縦方向とし、横方向の剛性を縦方
    向の剛性の70%以下に設定したプリプレグシートを、
    前記縦方向が筒体の軸方向となるように筒状に2周以上
    巻いてプリフォームを構成し、このプリフォームに中子
    を挿入し、その外側に外型を被せ、プリフォームと中子
    とを加熱手段で加熱してプレフォームのマトリックスを
    可塑化し、前記中子の膨張力と外型でプレフォームを押
    圧することにより層間を融着して筒体に成形し、冷却手
    段で筒体のマトリックスを冷却して硬化し、硬化した筒
    体を中子および外型から離型することを特徴とする繊維
    強化熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記補強繊維が、縦方向繊維束、およ
    び、縦方向に略直行する横方向繊維束からなる請求項1
    に記載の繊維強化熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記補強繊維が、縦方向繊維と無方向性
    の不織布を合わせてなる請求項1に記載の繊維強化熱可
    塑性樹脂からなる請求項1に記載の筒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記補強繊維が、縦方向繊維とニットを
    合わせてなる請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂か
    らなる請求項1に記載の筒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 中子が熱膨張性の樹脂からなり、加熱に
    より該中子を膨張させてプリフォームを押圧するように
    した請求項1, 請求項2,請求項3または請求項4に記
    載の繊維強化熱可塑性樹脂からなる筒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 中子が可撓性の筒状袋体の中に流体を封
    入したものであり、流体の圧力上昇によりプリフォーム
    を押圧するようになした請求項1,請求項2,請求項3
    または請求項4に記載の繊維強化熱可塑性樹脂からなる
    筒体の製造方法。
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