JPH10156860A - 嵌合孔を持つ反応射出成形体とその製造方法 - Google Patents

嵌合孔を持つ反応射出成形体とその製造方法

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JPH10156860A
JPH10156860A JP33282196A JP33282196A JPH10156860A JP H10156860 A JPH10156860 A JP H10156860A JP 33282196 A JP33282196 A JP 33282196A JP 33282196 A JP33282196 A JP 33282196A JP H10156860 A JPH10156860 A JP H10156860A
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fitting hole
metal plate
molded body
reaction injection
mold
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JP33282196A
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Hiroshi Ozeki
宏 大関
Masahiro Funaki
正博 舟木
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転軸あるいは支軸との接続強度に優れ、回
転トルク荷重を良好に受けることが可能であり、回転軸
または支軸とのガタ付きが少なく、安価な嵌合孔を持つ
反応射出成形体およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 嵌合孔14aの開口端に面する反応射出
成形体2の表面に、成形体2に形成された嵌合孔14a
と略同一芯の嵌合孔14bが形成された金属板4がイン
サート成形してある。金属板4の縁部が成形体2の内部
側に折曲してある。金属板4には、皿孔18を形成して
も良い。嵌合孔を持つ反応射出成形体2の具体的用途
は、特に限定されず、ファン、羽根車、回転翼、開閉
扉、開閉ケーシングなどの回転体(回動体も含む)、ま
たは回転体を回転自在(回動自在も含む)に支持する支
軸が取り付けられるケーシング、カバーなどの回転体支
持部材などが例示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵌合孔を持つ反応
射出成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反応射出成形(以下、RIMとも言う)
法は、二以上の反応原液をミキシングチャンバで混合し
て金型装置のキャビティに送り込み、金型装置内で反応
させつつ射出成形を行う製法である。このRIM法は、
ノルボルネン系モノマーからポリマー(成形体)を成形
する場合などに好適に用いられている。
【0003】RIM成形体は、耐衝撃性に優れ、しかも
大型成形体の成形が容易であることから、多方面の技術
分野において用いられることが検討されている。たとえ
ばRIM成形体で羽根車、回転翼などの回転体をRIM
で成形する試みや、回転体のための支軸が取り付けられ
るケーシングをRIMで成形する試みが成されている。
このような場合には、RIM成形体に嵌合孔を形成する
必要があり、この嵌合孔に回転軸あるいは支軸を嵌合さ
せ、ナットなどを用いて成形体と回転軸または支軸とを
一体化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、RIM
成形体の嵌合孔は、機械的強度に優れたRIM成形体に
形成された嵌合孔であっても、合成樹脂に直接形成され
た嵌合孔であるために、摩耗などが問題となり、回転軸
または支軸とのガタ付きが生じるおそれがあった。そこ
で、成形体に形成された嵌合孔に、円筒状の金属製カラ
ーなどを装着し、このカラーに形成された嵌合孔に回転
軸あるいは支軸を嵌合させていた。
【0005】しかしながら、カラーに回転トルク荷重が
全て作用することから、カラーと成形体との接続強度が
問題となり、カラーと成形体とが剥がれるおそれがあっ
た。また、円筒状のカラーは、それ自体が高価である
上、カラーの剥がれを防止するために、カラーと成形体
との接続部に何らかの工夫が必要であり、嵌合部を持つ
成形体のコストを押し上げていた。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、回転軸あるいは支軸との接続強度に優れ、回転トル
ク荷重を良好に受けることが可能であり、回転軸または
支軸とのガタ付きが少なく、安価な嵌合孔を持つ反応射
出成形体およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る嵌合孔を持つ反応射出成形体は、嵌合
孔の開口端に面する成形体の表面には、成形体に形成さ
れた嵌合孔と略同一芯の嵌合孔が形成された金属板がイ
ンサート成形してあることを特徴とする。
【0008】前記金属板の縁部が成形体の内部側に折曲
してあることが好ましい。また、前記金属板には、成形
体との接続強度をさらに向上するために、皿孔加工が施
してあることがさらに好ましい。
【0009】本発明に係る嵌合孔を持つ反応射出成形体
の製造方法は、嵌合孔が形成された金属板を金型の内部
に位置決めして取り付ける工程と、金型の内部に反応原
液を充填し、前記金属板の嵌合孔と同芯の嵌合孔が成形
体に形成されるように、しかも金属板が成形体に対して
インサート成形されるように反応射出成形を行う工程と
を有する。
【0010】嵌合孔が形成された金属板を金型の内部に
位置決めして取り付けるために、金型には、金属板を磁
力で吸着するマグネット保持体がキャビティ内に前進・
後退方向移動自在に装着してあることが好ましい。前記
マグネットとしては、電磁石でも永久磁石でも良い。前
記マグネット保持体には、前記金属板の嵌合孔に位置決
めされて挿入され、成形体に嵌合孔を形成するための嵌
合孔形成用凸部を形成しても良い。
【0011】本発明に係る嵌合孔を持つ反応射出成形体
では、嵌合孔の開口端に面する成形体の表面に、金属板
がインサート成形してあるので、この部分に回転軸ある
いは支軸を嵌合させることで、回転軸あるいは支軸との
接続強度が向上し、回転トルク荷重を良好に受けること
が可能である。しかも、回転軸または支軸とのガタ付き
が少ない。さらに、この金属板は、好ましくは、その縁
部が成形体の内部側に折曲してあるので、成形体との接
続強度に優れており、金属板が成形体から剥がれること
もない。さらにまた、金属板は、プレス加工などにより
容易に成形することが可能であるため、製造コストの低
減も図れる。
【0012】本発明に係る嵌合孔を持つ反応射出成形体
の製造方法では、嵌合孔を持つ反応射出成形体を、きわ
めて容易且つ安価に製造することができる。特に、マグ
ネット保持体がキャビティ内に前進・後退方向移動自在
に装着してある金型を用いれば、金属板の位置決めもき
わめて容易である。金属板の嵌合孔に対して略同一芯と
なる成形体の嵌合孔は、金型に装着された嵌合孔形成用
凸部により容易に成形することができる。
【0013】本発明において、反応射出成形に用いる反
応原液としては、特に限定されないが、ウレタン系、ウ
レア系、ナイロン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル
系、フェノール系および、ノルボルネン系などが挙げら
れ、一般的成形条件としては、反応原液温度は20〜8
0°C、反応原液の粘性は、たとえば、30°Cにおい
て、5cps〜3000cps好ましくは100cps
〜1000cps程度である。かかる成形においては、
補強材を予め金型内に設置しておき、その中に反応液を
供給して重合させることにより強化ポリマー(成形品)
を製造することができる。
【0014】補強材としては、例えば、ガラス繊維、ア
ラミド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊
維、金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティン
グガラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリ
コンカーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることが
できる。これらの補強材は、長繊維状またはチョップド
ストランド状のものをマット化したもの、布状に織った
もの、チョップ形状のままのものなど、種々の形状で使
用することができる。これらの補強材は、その表面をシ
ランカップリング材等のカップリング剤で処理したもの
が、樹脂との密着性を向上させる上で好ましい。配合量
は、特に制限はないが、通常成形品全重量の10重量%
以上、好ましくは20〜60重量%である。
【0015】また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシ
クロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種
々の添加剤を配合することにより、得られるポリマーの
特性を改質することができる。酸化防止剤としては、フ
ェノール系、リン系、アミン系など各種のプラスチック
・ゴム用酸化防止剤がある。充填剤にはミルドガラス、
カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、雲母などの無機質充填剤がある。エラスト
マーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
【0016】添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一
方または双方に混合しておく。反応射出成形に用いる金
型は、必ずしも剛性の高い高価な金型である必要はな
く、金属製金型に限らず、樹脂製金型、または単なる型
枠を用いることができる。反応射出成形は、低粘度の反
応液を用い、比較的低温低圧で成形できるためである。
重合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰
囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。また、
金型のキャビティ内に反応原液を注入する前に、キャビ
ティ内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換することが好
ましい。
【0017】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0〜100
Kgf/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜選択す
ればよいが、通常、反応液の注入終了後、20秒〜20
分程度である。
【0018】本発明に係る反応射出成形方法により得ら
れた嵌合孔を持つ反応射出成形体の具体的用途は、特に
限定されず、ファン、羽根車、回転翼、開閉扉、開閉ケ
ーシングなどの回転体(回動体も含む)、または回転体
を回転自在(回動自在も含む)に支持する支軸が取り付
けられるケーシング、カバーなどの回転体支持部材など
が例示される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る嵌合孔を持つ
反応射出成形体およびその製造方法を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0020】図1は本発明の一実施形態に係る嵌合孔を
持つ反応射出成形体の要部断面図、図2は同実施形態に
係る反応射出成形体の要部斜視図、図3は図1,2に示
す反応射出成形体の製造方法を示す金型の要部断面図で
ある。
【0021】図1に示すように、本実施形態に係る反応
射出成形体2は、嵌合孔14aを持ち、その嵌合孔14
aに、回転軸6の端部8が嵌合するようになっている。
本実施形態の成形体2は、ファン、羽根車、回転翼、開
閉扉、開閉ケーシングなどの回転体(回動体も含む)で
あり、図示省略してある軸受により保持された回転軸6
と共に回転自在(回動自在)となっている。
【0022】図1,2に示すように、嵌合孔14aの開
口端に面する成形体2の表面には、成形体2に形成され
た嵌合孔14aと略同一芯の嵌合孔14bが形成された
金属板4がインサート成形してある。この金属板4の両
端部(縁部)16,16は、成形体2の内部側に予め折
曲加工してある。また、金属板4には、成形体側で先細
と成る皿孔18が加工してある。この皿孔18には、イ
ンサート成形時に、成形体2を構成する樹脂が埋め込ま
れ、金属板4と成形体2との一体化を強化している。皿
孔18は、金属板4の端部にも形成しても良い。金属板
4に形成してある嵌合孔14bは、成形体2に形成して
ある嵌合孔14aと同じ形状であり、本実施形態では、
回転軸6の端部8の形状に合わせて、長孔形状にしてあ
る。なお、回転軸6の端部8には、ナット12が螺合す
るための雌ネジが形成してある。
【0023】本実施形態では、金属板4の厚みは、成形
体の厚みをtとした場合に、tの30〜50%程度の厚
みであることが好ましい。tが余りに薄すぎると、回転
トルクに対する強度が不十分となる傾向にあり、余りに
厚すぎると、成形体との一体化が困難になる傾向にあ
る。金属板4を構成する金属としては、特に限定されな
いが、ステンレス、鉄製、黄銅などが例示される。
【0024】金属板4を成形体2にインサート成形する
ための本実施形態に係る嵌合孔を持つ反応射出成形体の
製造方法を、次に説明する。まず、両端部16,16が
折曲加工され、皿孔18,18が形成され、嵌合孔14
bが形成された金属板4を準備する。このような金属板
4は、プレス加工により容易に成形することができる。
次に、図3に示す金型20,22を開いた状態で、金属
板4を位置決めして取り付ける。
【0025】本実施形態では、一方の金型22に、金属
板4を磁力で吸着するマグネット30が取り付けられた
マグネット保持体28が装着してある。マグネット保持
体28は、駆動ロッド32に連結してあり、このロッド
32を軸方向に移動させることで、金型20,22のキ
ャビティ24内に前進・後退方向に移動自在になってい
る。マグネット30としては、電磁石でも永久磁石でも
良い。
【0026】マグネット保持体28の略中央部には、金
属板4の嵌合孔14bに位置決めして挿入される嵌合孔
形成用凸部34が形成してある。この嵌合孔形成用凸部
34は、図1,2に示す成形体2に嵌合孔14aを成形
するためのものでもあり、金型が閉じられた状態で、他
方の金型20のキャビティ内周面に当接するような突出
高さを有する。
【0027】金属板4を、金型22に装着されたマグネ
ット保持体28の嵌合孔形成用凸部34に位置決めして
取り付けた後、金型20,22を閉じ、反応射出成形を
行う。型締め時の圧力は、特に限定されないが、0.1
〜100Kgf/cm2 である。型閉の時点では、金型
内部には、反応原液が注入されておらず、金型内の温度
は、温度制御された金型自体の温度であり、50〜10
0°C程度である。
【0028】型締めと同時に、本実施形態では、図示省
略してあるパージ手段により、キャビティ内部を窒素パ
ージする。このパージにより、キャビティ24の内部
は、窒素ガスで置換され、キャビティ24の内部は、0
〜3kgf/cm2 (ゲージ圧)程度の窒素ガスで満た
される。窒素パージを行うことで、キャビティ内の湿気
を追い出し、反応原液の失活を防止することができ、成
形品の表面での反応性が良好になり、かつ金型の内周面
の汚れも防止できる。この窒素パージは、反応原液の注
入開始直前まで行われる。
【0029】次に、ポンプを用いて、A液タンクおよび
B液タンクからミックスチャンバへ、反応原液となる配
合液をそれぞれ供給し、チャンバ内で混合し、スプー
ル、ランナーおよびゲートを通してキャビティ24内部
に反応原液を注入する。
【0030】本実施形態では、反応射出成形は、ノルボ
ルネン系モノマーを用いた反応射出成形である。本実施
形態において使用するモノマーは、ジシクロペンタジエ
ンやジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデ
セン、トリシクロペンタジエン等のノルボルネン環を有
するシクロオレフィンである。
【0031】ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出
成形において使用することができるメタセシス触媒は、
六塩化タングステン、トリドデシルアンモニウムモリブ
デート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート
等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノルボルネン
系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触
媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモ
ニウム塩が好ましい。活性剤(共触媒)としては、エチ
ルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロ
リド等のアルキルアルミニウムハライド、これらのアル
コキシアルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物
等が挙げられる。
【0032】反応射出成形の前準備として、ノルボルネ
ン系モノマー、メタセシス触媒及び活性剤を主材とする
反応射出成形用材料をノルボルネン系モノマーとメタセ
シス触媒とよりなるA液と、前記のノルボルネン系モノ
マーと活性剤とよりなるB液との安定な2液に分けて、
それぞれを別のタンクに入れておく。
【0033】前述したように、反応射出成形に際して
は、この2液をミキシングチャンバで混合し、次いで、
この混合液を、スプール、ランナーおよびゲートを通し
てキャビティ24内部に注入する。注入開始から注入終
了までの時間は、成形体の大きさなどにより決定され
る。
【0034】注入終了後に重合反応が開始し、反応終了
後、除冷され、注入終了後の約120〜150秒後に、
型開きされ、成形体2が取り出される。型開き時には、
同時にまたは型開き後に、駆動ロッド32が動作して、
マグネット保持体28をキャビティ24から後退移動さ
せて、成形体2の取り出しを容易にする。このようにし
て得られた成形体2には、金属板4がインサート成形さ
れ、しかも、金属板4の嵌合孔14bと同一軸芯で同一
形状の嵌合孔14aが同時に成形される。
【0035】このようにして成形された反応射出成形体
2の嵌合孔14a,14bには、図1に示すように、回
転軸6の端部8を挿通し、端部8における成形体2の金
属板4側に、ワッシャ10とナット12を装着する。そ
して、ナット12を端部8の雄ネジ部にねじ込むこと
で、成形体2は、回転軸6に対して強固に嵌合され、回
転軸6からの回転トルクが成形体2に良好に伝達する。
または、成形体2からの回転トルクが回転軸6に良好に
伝達する。
【0036】本実施形態に係る嵌合孔を持つ反応射出成
形体2では、嵌合孔14aの開口端に面する成形体2の
表面に、金属板4がインサート成形してあるので、この
部分に回転軸6の端部8を嵌合させることで、回転軸6
との接続強度が向上し、回転トルク荷重を良好に受ける
ことが可能である。しかも、回転軸6とのガタ付きが少
ない。さらに、この金属板4は、その両端部16が成形
体2の内部側に折曲してあるので、成形体2との接続強
度に優れており、金属板4が成形体2から剥がれること
もない。さらにまた、金属板4は、プレス加工などによ
り容易に成形することが可能であるため、製造コストの
低減も図れる。
【0037】本実施形態に係る嵌合孔を持つ反応射出成
形体の製造方法では、嵌合孔14a,14bを持つ反応
射出成形体2を、きわめて容易且つ安価に製造すること
ができる。特に、図3に示すように、マグネット保持体
28がキャビティ24内に前進・後退方向移動自在に装
着してあるので、金属板4の位置決めもきわめて容易で
ある。金属板4の嵌合孔14bに対して略同一芯となる
成形体2の嵌合孔14aは、金型に装着された嵌合孔形
成用凸部34により容易に成形することができる。
【0038】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0039】たとえば、上記実施形態では、成形体2
を、ファン、羽根車、回転翼、開閉扉、開閉ケーシング
などの回転体として用いたが、本発明に係る成形体の用
途は、これに限定されず、回転体を回転自在に支持する
支軸(回転軸6に対応する)が取り付けられるケーシン
グ、カバーなどの回転体支持部材などであっても良い。
また、成形体および金属板に形成する嵌合孔の形状は、
長孔形状に限定されず、円形、半円形、三角形、矩形、
多角形、楕円形など、種々の形状を採用することができ
る。さらに、金属板4の形状も特に限定されず、円形、
半円形、三角形、矩形、多角形、楕円形など種々の形状
を採用することができる。また、金属板4の端部(縁
部)と成形体2との接続強度をさらに高めるために、こ
の端部の表面を粗面化処理したり、あるいは凹凸加工な
どを施しても良い。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
嵌合孔を持つ反応射出成形体によれば、嵌合孔の開口端
に面する成形体の表面に、金属板がインサート成形して
あるので、この部分に回転軸あるいは支軸を嵌合させる
ことで、回転軸あるいは支軸との接続強度が向上し、回
転トルク荷重を良好に受けることが可能である。しか
も、回転軸または支軸とのガタ付きが少ない。さらに、
この金属板は、好ましくは、その縁部が成形体の内部側
に折曲してあるので、成形体との接続強度に優れてお
り、金属板が成形体から剥がれることもない。さらにま
た、金属板は、プレス加工などにより容易に成形するこ
とが可能であるため、製造コストの低減も図れる。
【0041】本発明に係る嵌合孔を持つ反応射出成形体
の製造方法では、嵌合孔を持つ反応射出成形体を、きわ
めて容易且つ安価に製造することができる。特に、マグ
ネット保持体がキャビティ内に前進・後退方向移動自在
に装着してある金型を用いれば、金属板の位置決めもき
わめて容易である。金属板の嵌合孔に対して略同一芯と
なる成形体の嵌合孔は、金型に装着された嵌合孔形成用
凸部により容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る嵌合孔を持つ
反応射出成形体の要部断面図である。
【図2】図2は同実施形態に係る反応射出成形体の要部
斜視図である。
【図3】図3は図1,2に示す反応射出成形体の製造方
法を示す金型の要部断面図である。
【符号の説明】
2… 成形体 4… 金属板 6… 回転軸 8… 端部 10… ワッシャ 12… ナット 14a,14b… 嵌合孔 16… 端部(縁部) 18… 皿孔 20,22… 金型 24… キャビティ 28… マグネット保持体 30… マグネット 32… 駆動ロッド 34… 嵌合孔形成用凸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵌合孔が形成された反応射出成形体であ
    って、 嵌合孔の開口端に面する成形体の表面には、成形体に形
    成された嵌合孔と略同一芯の嵌合孔が形成された金属板
    がインサート成形してある嵌合孔を持つ反応射出成形
    体。
  2. 【請求項2】 前記金属板の縁部が成形体の内部側に折
    曲してある請求項1に記載の嵌合孔を持つ反応射出成形
    体。
  3. 【請求項3】 嵌合孔が形成された金属板を金型の内部
    に位置決めして取り付ける工程と、 金型の内部に反応原液を充填し、前記金属板の嵌合孔と
    同芯の嵌合孔が成形体に形成されるように、しかも金属
    板が成形体に対してインサート成形されるように反応射
    出成形を行う工程とを有する嵌合孔を持つ反応射出成形
    体の製造方法。
JP33282196A 1996-11-28 1996-11-28 嵌合孔を持つ反応射出成形体とその製造方法 Pending JPH10156860A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009090475A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Mitsubishi Electric Corp 筐体の製造方法および金型
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