JPH10156445A - 反射板の製造方法およびその装置と反射板の製造用金型 - Google Patents

反射板の製造方法およびその装置と反射板の製造用金型

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JPH10156445A
JPH10156445A JP8316456A JP31645696A JPH10156445A JP H10156445 A JPH10156445 A JP H10156445A JP 8316456 A JP8316456 A JP 8316456A JP 31645696 A JP31645696 A JP 31645696A JP H10156445 A JPH10156445 A JP H10156445A
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JP
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mold
roller
workpiece
reflector
manufacturing
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Application number
JP8316456A
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English (en)
Inventor
Yasushi Tokuge
やすし 徳毛
Tomokazu Yoshida
云一 吉田
Seiji Matsuda
誠司 松田
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Electric Lighting Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Electric Lighting Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射板などのスピニング加工による内面の鏡
面加工が必要な製品では、被加工材と金型表面との間の
加工液の膜厚や接触状態などにより成形された鏡面の状
態に良否が生じ、鏡面の安定した成形が困難である課題
があった。 【解決手段】 反射板内面の鏡面とする部分に接する領
域の表面粗さが少なくとも0.4μm以下である金型を
使用し、前記金型表面の少なくとも反射板内面の鏡面と
する部分に接する領域全面に平均厚さで前記金型の表面
粗さと同程度以上0.6μm以下になるように加工液を
塗布し、前記金型と共に被加工材を回転させながら前記
金型表面に沿ってローラを移動させ、前記ローラで前記
被加工材を前記金型に押圧して成形するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金型と共に被加
工材を回転させながらローラで前記被加工材を金型に押
圧して成形するスピニング加工により、軸対称形状の反
射板を製造する反射板の製造方法およびその装置と、そ
れら反射板の製造方法およびその装置に用いる反射板の
製造用金型に関するものであり、特に内面に良好な鏡面
が要求される製品のスピニング加工に適する反射板の製
造方法およびその装置と反射板の製造用金型に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来の反射板の製造方法を実
現する反射板の製造装置によるスピニング加工時のロー
ラ、被加工材の要部を示す部分断面図である。図におい
て、1は反射板の製造用の金型、2は被加工材、3は加
工液膜、5はローラである。従来のスピニング加工の工
程では、まず被加工材2が金型1に凝着することを防止
するため、図示しない回転機構により回転している金型
表面に加工液膜3を手作業で形成する。すなわち、加工
液を軍手、ウェス、スポンジ等の液体含浸性に優れた工
具に染み込ませて金型1に倣わせる。加工液膜3は薄く
均一であることが望ましい。そのため必要に応じて金型
表面に塗布された加工液のうち余分な加工液を前記塗布
作業に用いたものとは別の軍手、ウェス、スポンジ等の
工具を用いて拭き取り、金型表面に薄く均一な加工液膜
3を形成するが、この作業には高度の技能を要し、加工
液膜3は厚く不均一になることが多い。その後いったん
金型1の回転を停止させ、金型1に被加工材2を図示し
ないテールストックで挟みつけ、金型1を再び回転させ
ると被加工材2が金型1と共に回転する。次いで文献
「回転加工」(1990年12月コロナ社発行)にある
図16(a)もしくは(b)に示すように、ローラ5を
移動させて被加工材2に金型形状が成形されるように倒
す。なお、被加工材2は倒されていく(塑性変形してい
く)過程でその表面が粗化される。
【0003】表面が粗化された被加工材2は金型1に押
圧され金型表面に接触する。金型表面の粗さは一般に製
品内面の良好な鏡面部分の表面粗さ以下であるから粗化
された被加工材2の表面粗さに比べると充分平滑であ
り、それが被加工材2に転写される。製品内面が鏡面に
なったり非鏡面になったりするのは、被加工材2が金型
1に押圧されるときに金型1と被加工材2の間に導入さ
れる加工液の膜厚に応じて粗化された被加工材表面と金
型表面の接触状態が違うため、金型表面の粗さが被加工
材表面にどの程度転写されるかが異なるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の反射板の製造方
法およびその装置と反射板の製造用金型は以上のように
構成されていたので、反射板などのスピニング加工によ
る内面の鏡面加工が必要な製品では、良好な鏡面が形成
できるか否かは金型表面の加工液の膜厚や被加工材と金
型表面との間の接触状態など微妙な条件により左右さ
れ、内面を安定して鏡面に成形することが困難である課
題があった。
【0005】また、製品内面に良好な鏡面を形成するた
めには、金型表面に形成する加工液膜を薄く均一な膜厚
にする必要があるが、膜厚の適正値は明確にされていな
いという課題があった。
【0006】さらに、加工液の塗布作業は手作業であ
り、回転する金型に加工液を塗布したり拭取る作業は危
険性が高く、また薄く均一な加工液膜を形成するのは非
常に熟練を要する作業であって一般の作業者にとっては
容易でない課題があった。
【0007】さらに、良好な鏡面を得るためには金型表
面を充分に磨く必要があるが、そのために必要とされる
金型表面粗さも明確にされていないため、必要以上に金
型表面を研磨して多大の時間を要したり、逆に金型表面
の研磨が不充分な金型を用いてスピニング加工を行った
結果良好な鏡面が得られず再度研磨を実施するなど、作
業効率の点でも改善が望まれている課題があった。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、内面が良好な鏡面である反射板を
安定して製造できる反射板の製造方法およびその装置と
反射板の製造用金型を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る反射板の製造方法は、少なくとも反射板内面の鏡面と
する部分に接する領域の表面粗さが0.4μm以下であ
る金型を使用し、前記金型の表面の少なくとも反射板内
面の鏡面とする部分に接する領域全面に平均厚さで前記
金型の表面粗さと同程度以上0.6μm以下の加工液を
塗布し、前記金型とともに被加工材を回転させながら前
記金型の表面に沿って移動するローラで被加工材を前記
金型に押圧して成形するスピニング加工を行うようにし
たものである。
【0010】請求項2記載の発明に係る反射板の製造方
法は、20℃における動粘度が40mm2 /s以下であ
る加工液を液体含浸性に優れた塗布工具に含浸させたの
ち前記塗布工具を回転している金型に押し付け倣わせる
加工液塗布工程と、液体吸収性に優れた拭取り工具を前
記金型に押し付け倣わせ平均厚さで前記金型の表面粗さ
と同程度以上0.6μm以下の加工液膜を形成する加工
液膜形成工程と、前記金型と共に被加工材を回転させな
がら前記金型の表面に沿って移動するローラで被加工材
を前記金型に押圧して成形するスピニング加工を行うス
ピニング加工工程とを備えるようにしたものである。
【0011】請求項3記載の発明に係る反射板の製造方
法は、20℃における動粘度が40mm2 /s以下であ
る加工液を、粒径10μm以下の微粒子にして回転して
いる金型に吹き付けて平均厚さで金型の表面粗さと同程
度以上0.6μm以下の加工液膜を形成する加工液吹付
形成工程と、前記金型と共に被加工材を回転させながら
前記金型の表面に沿って移動するローラで前記被加工材
を前記金型に押圧して成形するスピニング加工を行うス
ピニング加工工程とを備えるようにしたものである。
【0012】請求項4記載の発明に係る反射板の製造方
法は、5%以下のトリエタノールアミンまたは0.1〜
2g/lの無水クロム酸を含む加工液を用いるようにし
たものである。
【0013】請求項5記載の発明に係る反射板の製造方
法は、金型と共に回転する被加工材の外縁から当該被加
工材の直径の1%〜10%の領域を、金型回転軸となす
角を45゜〜80゜または100゜〜135゜に倒す被
加工材外縁加工工程を備えるようにしたものである。
【0014】請求項6記載の発明に係る反射板の製造装
置は、円筒形状に形成され、その回転軸と金型回転軸と
のなす角が120゜〜150゜であり、被加工材と接触
するときには前記円筒形状の外周面の下端と金型表面と
の距離を3mmから10mmの範囲で一定にして金型表
面を倣う第1のローラと、該第1のローラに随動し、前
記被加工材の厚さの5倍以上20倍以下の曲率半径の曲
線部を回転軸を含む断面において有する第2のローラと
により、金型と共に被加工材を回転させながら被加工材
を金型に押圧して成形する構成を備えるようにしたもの
である。
【0015】請求項7記載の発明に係る反射板の製造装
置は、第1のローラを弾性率105kgf/cm2 以下
の材質により構成し、第2のローラを前記第1のローラ
以上の弾性率の材質により構成するようにしたものであ
る。
【0016】請求項8記載の発明に係る反射板の製造装
置は、長さが被加工材の塑性変形させる部分の半径方向
の長さ以上であり被加工材と接触する角度が金型回転軸
に対し120゜〜150゜である直線部を回転軸を含む
断面において有する第1のローラ構成部と、前記被加工
材の厚さの5倍以上20倍以下の曲率半径の曲線部を回
転軸を含む断面において有する第2のローラ構成部とか
ら構成され、金型表面に沿って移動するローラを備える
ようにしたものである。
【0017】請求項9記載の発明に係る反射板の製造装
置は、被加工材の厚さの5倍以上の曲率半径の曲線部を
ローラの回転軸を含む断面において有する第1のローラ
構成部と、前記被加工材の厚さの5倍以上20倍以下で
ありかつ前記第1のローラ構成部の前記曲率半径と同等
もしくは小さい曲率半径の曲線部をローラの回転軸を含
む断面において有する第2のローラ構成部とから構成さ
れているローラを備えるようにしたものである。
【0018】請求項10記載の発明に係る反射板の製造
装置は、第1のローラ構成部を弾性率105 kgf/c
2 以下の材質により構成し、第2のローラ構成部を前
記第1のローラ構成部以上の弾性率の材質により構成す
るようにしたものである。
【0019】請求項11記載の発明に係る反射板の製造
用金型は、熱膨張係数が4.0×10-6〜6.5×10
-6/Kである材料からなる金型表面の少なくとも反射板
内面の鏡面とする部分に接する領域に厚さが0.5μm
〜8μmで、表面粗さが0.4μm以下であるダイヤモ
ンド状カーボン膜を形成するようにしたものである。
【0020】請求項12記載の発明に係る反射板の製造
用金型は、Feを主成分とする基材と、前記基材からな
る金型表面の少なくとも反射板内面の鏡面とする部分に
接する領域に形成された厚さが0.5μm〜8μmで、
表面粗さが0.4μm以下であるダイヤモンド状カーボ
ン膜と、熱膨張係数が4.0×10-6〜6.5×10-6
/Kの材料からなり前記ダイヤモンド状カーボン膜の直
下に形成されている厚さ0.3μm以上の中間層とを備
えるようにしたものである。
【0021】請求項13記載の発明に係る反射板の製造
用金型は、金属粉を主成分とし、少なくとも反射板内面
の鏡面とする部分に接する領域の表面粗さが0.4μm
以下とした多孔質焼結体である基材を用いるようにした
ものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による反
射板の製造方法を実現する反射板の製造装置においてス
ピニング加工が行われているときの反射板の製造用の金
型、ローラ、被加工材の要部を示す断面図である。図に
おいて、1は金型、2は被加工材、3は加工液膜、5は
ローラ、6はローラの回転軸であり、ローラ5は金型1
と共に回転する被加工材2に接触すると回転軸6を軸と
して金型1とともに回転する。また、金型1の製造の各
工程は、まず、金型基材として準備した例えば工具鋼に
放電加工や切削・研削・研磨等の機械加工を施し、要求
精度を満たす所望の形状に加工する。このとき反射板内
面を良好な鏡面とするには、少なくとも反射板内面の鏡
面とする部分に接する領域の表面粗さを0.4μm以下
となるように仕上げておく必要がある。金型1の前記領
域の表面粗さが0.4μmより大きいと被加工材2の金
型表面への凝着や焼付き、金型1の欠けが発生し良好な
鏡面が得られない。良好な鏡面を必要としない領域の金
型表面では表面粗さは0.4μmより大きくてもよい。
なお、金型1として通常用いられる合金工具鋼(JI
S:SKD11等)や高速度工具鋼(JIS:SKH5
1等)には、充分大きな硬さと適度な靭性を確保するた
めに焼入れおよび焼き戻し等の熱処理を施し、ロックウ
ェル硬さHRC58〜64程度の硬さに調整することが
望ましい。
【0023】次に、この金型1を用いた反射板の製造方
法について説明する。先ず、被加工材2が金型1に凝着
することを防止するため回転している金型1の表面に加
工液を塗布する。金型表面に形成された加工液膜3の厚
さは、少なくとも反射板内面の鏡面とする部分に接する
領域においては平均厚さで金型表面粗さと同程度以上
0.6μm以下であることが望ましい。次いで金型1の
回転を停止させ、被加工材2を金型1に図示しないテー
ルストックを前進させて挟みつけ、金型1を再び回転さ
せると被加工材2が金型1と共に回転する。次にローラ
5で被加工材2を金型1に押圧しローラ5を金型1に倣
わせると金型形状すなわち所望の形状が成形された製品
が得られる。その後、金型1の回転を停止して前記テー
ルストックを後退させ製品を金型1から取り外す。
【0024】次に、金型表面への加工液膜3の形成方法
を図2について説明する。図2は金型表面へ加工液膜の
形成方法を示す断面図であり、図において、10は液体
含浸性に優れた塗布工具、11は液体吸収性に優れた拭
取り工具、12は連接棒、25は金型1の取付板、26
は金型1の駆動軸であり、拭取り工具11は塗布工具1
0に従動するように連接棒12により塗布工具10と連
接されている。連接棒12は図示しないアームに固定さ
れており、前記アームを所要の駆動機構により金型1に
倣わせる。膜厚を均一にするためには一定圧力で押圧す
ることが望ましい。倣わせる方向を図に一例として矢印
で示したが、必ずしもこの方向に限定されるものではな
い。塗布工具10が倣ったあとには金型表面に加工液膜
3aが形成されるが、一般に膜厚は平均厚さで0.6μ
m以上であることが多い。続いて拭取り工具11が倣っ
たあとには金型表面に平均厚さで金型表面粗さと同程度
以上0.6μm以下の加工液膜3が形成される。
【0025】膜厚の平均厚さの下限値を金型表面粗さと
同程度と規定したのは、これを下まわると、反射板内面
に良好な鏡面は得られるものの凝着や焼き付きが生じ、
反射板の美観を著しく損ねるためである。また上限値を
0.6μmとしたのは、これ以上の膜厚で塗布すると凝
着や焼き付きは生じないものの、金型1と被加工材2の
間に導入される加工液の膜厚が厚すぎ、粗化された被加
工材表面が金型表面に充分に接触せず、被加工材表面が
良好な鏡面に要求される表面粗さにまで平滑化されない
ことによる。
【0026】なお、平均厚さで金型表面粗さと同程度の
加工液膜3を形成したときの金型表面と加工液膜3の様
子を図3に示す。図において、金型1の表面粗さをRd
とすると、金型表面に存在する凹凸のうち山の部分を覆
う加工液膜3の厚さが0.5Rd、谷の部分を覆う加工
液膜3の厚さが1.5Rdである。また、金型1の表面
粗さを0.4μm以下としたのは、製品内面に転写され
る表面粗さは転写元になる金型1の表面粗さ以上である
から、少なくとも金型表面の粗さは内面が鏡面とみなせ
る製品の鏡面部分の表面粗さ以下である必要があり、実
験の結果、内面が鏡面とみなせる製品の鏡面部分の表面
粗さは0.4μm以下であったため、これに見合った表
面粗さを規定した。
【0027】図4は加工液膜を別の方法で形成するとき
の加工液膜の形成方法を示す断面図である。図におい
て、15は吹出口、16は霧化された霧状加工液であ
る。加工液を粒径が10μm以下になるように図示しな
い超音波式霧化器、ノズル等を利用して霧化し、霧化さ
れた霧状加工液16を吹出口15に導き金型表面に吹き
付ける。吹出口15は図示しない駆動機構に接続されて
おり、金型表面から一定の距離と速度を保ちながら金型
1を倣わせると、金型表面には加工液膜3が形成され
る。この加工液膜3の膜厚は平均厚さで金型表面粗さと
同程度以上0.6μm以下であることが望ましい。霧化
された霧状加工液16の粒径が10μmを越えると加工
液膜3の膜厚を平均厚さで0.6μm以下にすることが
非常に困難になる。
【0028】以上説明したように、この実施の形態1に
よれば、反射板内面の鏡面とする部分に接する領域の金
型表面粗さは0.4μm以下(内面が鏡面とみなせる製
品の鏡面部分の表面粗さ以下)であり、これは製品内面
が鏡面となるに充分な表面粗さである。また、塗布工具
10と拭取り工具11を一定圧力で金型表面を倣わせる
ため、従来の手作業による加工液の塗布と拭き取りでは
著しく困難であった(平均厚さで)拭き取り金型表面粗
さと同程度以上0.6μm以下の加工液膜3を安定して
形成することができるようになった。なお、加工液とし
ては、特に20℃における動粘度が40mm2 /s以下
のものを使用することで、金型1に塗布したとき金型表
面に形成される加工液膜3の膜厚を前記平均厚さに塗布
することが容易になる。動粘度が40mm2 /sを越え
ると加工液の延びが悪くなり塗布作業が困難である他、
被加工材2がローラ5で金型1に押圧される際に金型1
と被加工材2の間に導入される加工液の量が動粘度が高
くなるほど多くなる点でも好ましくない。
【0029】また加工液として5%以下のトリエタノー
ルアミンを含むもの、もしくは0.1〜2g/lの無水
クロム酸を含むものを使用すると、成形しながら反射板
内面の防食処理を行うことができる。上記加工液を用い
る加工法は、内面に良好な鏡面が要求されない製品のス
ピニング加工に適用しても、成形しながら製品内面の防
食処理を行うことが出来る効果がある。なお、金型1の
形状が複雑になると加工液膜3の形成が困難な場合も想
定される。その場合は金型表面にではなく金型と接触す
る側の被加工材表面に加工液膜を形成してもよい。この
被加工材を金型とともに回転させ、金型に押圧して成形
するスピニング加工を行う。加工液膜の形成は、軍手、
ウェス、スポンジなどの工具を用いる方法、図4に示す
方法、図2に示す液体含浸性に優れた塗布工具、液体吸
収性に優れた拭取り工具を用いる方法、被加工材をその
重心まわりに1000rpm〜10000rpmで(レ
コード盤のように)回転させているところに加工液を滴
下し加工液膜を形成するいわゆるスピンコートの方法の
いずれであってもよい。
【0030】実施の形態2.図5は、この発明の実施の
形態2による反射板の製造装置におけるローラの回転軸
を含む平面を断面とする断面図である。図において、5
はローラ、5aは第1のローラ構成部、5bは第2のロ
ーラ構成部であり、第1のローラ構成部5aはローラの
回転軸6を含んだ断面において被加工材2の厚さの5倍
以上の曲率半径で構成される曲線部5mを有し、弾性率
が105 kgf/cm2 以下の材質からなる。第2のロ
ーラ構成部5bは被加工材2の厚さの5倍以上20倍以
下でかつ前記第1のローラ構成部5aの曲線部5mの曲
率半径に対し同等もしくは小さい曲率半径で構成された
曲線部5nを有し、弾性率が第1のローラ構成部5aの
弾性率以上の材質からなる。6はローラの回転軸で、回
転軸6に垂直な断面は円であり、ローラ5は金型1と共
に回転する被加工材2に接触すると回転軸6を軸として
金型1とともに回転する。
【0031】ローラ5の製造方法について説明する。ま
ず、第1のローラ構成部5a用の基材として例えば弾性
率が例えば7×104 kgf/cm2 のアラミドを、第
2のローラ構成部5b用として例えば弾性率が6×10
6 kgf/cm2 の超硬合金を準備し、これらに機械加
工を施し概略所望の形状に加工する。ただし第1のロー
ラ構成部5aと第2のローラ構成部5bの合せ面は、表
面粗さが0.8μm以下になるように加工し、ボルト締
めもしくは接着により両者を結合する。その後、要求精
度を満たす所望の形状に仕上げる。
【0032】次に、このように構成されたローラ5を用
いた反射板の製造方法について説明する。前記実施の形
態1の説明と同様の方法により、金型表面に加工液膜3
を形成し被加工材2を金型1にテールストックで挟みつ
け金型1と共に回転させる。次いでローラ5で被加工材
2を金型1に押圧しローラ5を金型1に倣わせる。ロー
ラ5の第1のローラ構成部5aは被加工材2をローラ5
の進行方向に倒し被加工材2を塑性変形させる。被加工
材2は塑性変形が進むにつれて表面に肌荒れが発生する
が、金型1と被加工材2の間に導入される加工液の膜厚
は被加工材2の表面粗さに比例し、この膜厚が厚すぎる
と反射板内面は鏡面にならない。続いて第2のローラ構
成部5bが被加工材2を金型1に押圧し金型1の表面形
状(粗さ)を当接する被加工材表面に転写する。
【0033】従来のスピニング加工による反射板の製造
装置では、製品内面の鏡面性を特に重視する場合に弾性
率の大きな材質の工具を用いて被加工材2を金型1に充
分に押圧して金型1の表面粗さを当接する被加工材表面
に転写し良好な鏡面を得ていた。そのために全体が超硬
合金からなるローラや図6に示すヘラ60などの工具を
用いていた。しかし、この場合にはローラもしくはヘラ
60の硬さが被加工材2よりも硬いため被加工材2を傷
つけることがあった。そこで、ローラの材質が超硬合金
の場合に比べ成形された反射板内面の鏡面性は劣るもの
の、ローラの材質を樹脂にして被加工材2を傷つけるこ
とを防いでいた。いずれにせよ、ローラもしくはヘラ6
0は全体を単一の材質で構成していたため、鏡面性の向
上と被加工材2の傷つき防止を両立させることは非常に
困難であった。ローラ先端に形成されている曲面部分の
曲率半径に関しては、おおむね被加工材2の厚みの5倍
以上が良いといわれているが、あまり大きすぎるとロー
ラにより被加工材2を金型1に押圧するために要する力
が過大になり、場合によっては装置の能力を越えてしま
うこともあった。また、被加工材2を倒す場合に図7に
示すように前記曲面の曲率半径が小さい場合と大きい場
合とを比較すると、曲率半径が小さい場合は被加工材2
のローラ5先端部に沿う領域の曲率半径も小さくなる。
従って曲げ加工部の塑性変形量が局所的に極めて大きく
なり、被加工材2の破断や顕著な肌荒れが発生し易く、
これは良好な鏡面を得ることを妨げることになる。
【0034】しかしながらこの実施の形態2では、ロー
ラ5の回転軸6を含む断面において、被加工材2を倒す
部分である第1のローラ構成部5aは被加工材2の厚さ
の5倍以上の曲率半径で構成される曲線部を有し弾性率
が105 kgf/cm2 以下であるため、被加工材2の
倒し量が過大にならず、被加工材表面に破断や顕著な肌
荒れあるいは傷が発生しない。また、被加工材2を金型
1に押圧する部分である第2のローラ構成部5bは被加
工材2の厚さの5倍以上20倍以下であり、かつ前記第
1のローラ構成部5aの曲率半径と同等もしくは小さい
曲率半径の曲線部を有し、弾性率は第1のローラ構成部
5aよりも大きいため、ローラ5を押し付ける力が過大
にならずに被加工材2を金型1に充分押圧でき、良好な
鏡面が得られる。
【0035】次に、ローラの別の構成を図8に基づいて
説明する。図において、17はローラ、5cは第1のロ
ーラ構成部、5dは第2のローラ構成部、9はテールス
トックである。テールストック9を前進させて被加工材
2を金型1に挟みつけ金型1と共に回転させる。ローラ
17の回転軸6を含む断面において、第1のローラ構成
部5cは長さが被加工材2の塑性変形させる部分の半径
方向の長さ以上であり被加工材2と接触するときに金型
回転軸となす角が120゜〜150゜である直線部5x
を有し、第2のローラ構成部5dは被加工材2の厚さの
5倍以上20倍以下の曲率半径で構成される曲線部5y
を有する。
【0036】このような構成のローラ17では、第1の
ローラ構成部5cは例えば弾性率が7×104 kgf/
cm2 のアラミド、第2のローラ構成部5dは例えば弾
性率が6×106 kgf/cm2 の超硬合金とし、前記
直線部5xと金型回転軸のなす角は120゜とした。な
お、被加工材2の塑性変形させる部分の半径方向の長さ
は、図9に示すように、被加工材2の半径r1 と金型1
が被加工材2に対し当接している当り面の半径r2 との
差である。図9では被加工材2は図示しないテールスト
ックで金型1に挟みつけられている。
【0037】次にこのように構成したローラ17を用い
た反射板の製造方法について説明する。前記実施の形態
1での説明と同様の方法により金型表面に加工液膜を形
成し、被加工材2を金型1にテールストック9で挟みつ
け金型1と共に回転させる。次いでローラ17で被加工
材2を金型1に押圧しローラ17を金型1に倣わせる。
先ず、ローラ17の第1のローラ構成部5cが被加工材
2に接触し被加工材2は塑性変形する。ローラ17が被
加工材2と接触する部分である直線部5xの長さを被加
工材2の塑性変形させる部分の半径方向の長さ以上と
し、また被加工材2と接触するときにおいて前記直線部
5xが金型回転軸となす角を120゜〜150゜とした
ので、被加工材2のローラ17の直線部5xに沿う部分
の曲率半径が大きくなり、被加工材2の倒し量が過大に
ならず、被加工材表面に破断や顕著な肌荒れが発生しな
い。また、材質を弾性率が7×104 kgf/cm2
アラミドとしたため被加工材2を傷つけにくい。続い
て、第2のローラ構成部5dが被加工材2を金型1に押
圧する。材質を弾性率が6×106 kgf/cm2 の超
硬合金としたため被加工材2を金型1に充分に押圧で
き、また第2のローラ構成部5dの曲線部5yの曲率半
径を被加工材2の5倍以上20倍以下としているためロ
ーラ17を押し付ける力が過大になることもなく良好な
鏡面が得られる。
【0038】次に、ローラのさらに別の構成を図10に
示す。図において、第1のローラ5gは回転軸に垂直な
断面が円である円筒形状であり、前記回転軸は金型回転
軸となす角が120゜〜150゜となるように傾けられ
ており、被加工材2と接触するときには円筒外周面の下
端と金型1の表面との距離が3〜10mmで一定となる
ように金型表面を倣う。5hは第1のローラ5gに随動
する第2のローラであり、被加工材2の厚さの5倍以上
20倍以下の曲率半径で構成される曲線部5zを有す
る。ここでは、前記なす角を120゜、前記距離を5m
mとした。
【0039】次に、このように構成した第1のローラ5
gおよび第2のローラ5hを用いたスピニング加工の工
程を説明する。まず、第1のローラ5gが被加工材2と
接触する。第1のローラ5gは被加工材2を倒す働きを
するが、その回転軸と金型回転軸とのなす角が120゜
〜150゜となるように傾けられており、被加工材2と
接触するときには円筒外周面の下端と金型1の表面との
距離が3〜10mmで一定となるように金型表面を倣
う。従って第1のローラ5gが被加工材2と接触してい
るときの第1のローラ5gをその回転軸を含む平面で切
った断面では、第1のローラ5gの長方形断面の直線
部、つまり第1のローラ5gの側面に被加工材2が接触
するためこの部分の曲率半径が大きく、また、金型回転
軸となす角が120゜〜150゜であるため被加工材2
の倒し量が過大にならず、被加工材表面に破断や顕著な
肌荒れが発生しない。なお、第1のローラ5gの一方の
先端部分には曲面部5iを形成しておくことが望まし
い。この曲面部5iが形成されていない場合は第1のロ
ーラ5gの端面のエッジ部が被加工材2に当たり、第1
のローラ5gが傷つくことがある。また第2のローラ5
hの曲線部5zの曲率半径を被加工材2の5倍以上20
倍以下としているため第2のローラ5hを押し付ける力
が過大になることもなく良好な鏡面が得られる。
【0040】実施の形態3.図11はこの発明の実施の
形態3における反射板の製造用金型の表層部分の材料構
成を示す断面図である。図において、1aはFeを主成
分とする材料からなる基材、40は熱膨張係数が4.0
×10-6〜6.5×10-6/Kの材料からなる中間層、
41はダイヤモンド状カーボン膜である。反射板内面の
鏡面とする部分に接する領域の表層近傍が図11の材料
構成を有している反射板の製造用金型の製造方法につい
て説明する。まず、金型基材として準備した例えば工具
鋼に、放電加工や切削・研削・研磨等の機械加工を施し
要求精度を満たす所望の形状に加工する。このとき、ス
ピニング加工時における被加工材の金型表面への凝着や
焼付き、基材1aの欠けの発生を抑制するとともに、ダ
イヤモンド状カーボン膜41の局部的な摩耗や剥離を避
けるために、基材1aの製品と接する領域の表面粗さを
0.8μm以下に仕上げておくことが望ましい。なお、
基材1aとして通常用いられる合金工具鋼(JIS:S
KD11等)や高速度工具鋼(JIS:SKH51等)
には、充分大きな硬さと適度な靭性を確保するために焼
入れ及び焼き戻し等の熱処理を施し、ロックウェル硬さ
HRC58〜64程度の硬さに調整することが望まし
い。
【0041】その後、アセトンを使用したスプレー洗浄
等により、基材表面に付着した加工粉や加工油分を除去
した後、少なくとも反射板内面の鏡面とする部分に接す
る領域に高エネルギーガス溶射等の手法を用いて例えば
厚さ5μmのWC(タングステンカーバイト)被膜を形
成する。次いで、このWC被膜表面に対して研磨加工を
施すが、このとき後述する理由から中間層40上に形成
されるダイヤモンド状カーボン膜41の表面粗さは0.
4μm以下である必要があるため、WC被膜表面の反射
板内面の鏡面とする部分に接する領域の表面粗さは0.
4μm以下に仕上げておくことが望ましい。これらの工
程を経て、熱膨張係数が4.0×10-6〜6.5×10
-6/Kの材料からなる中間層40が形成される。
【0042】次に、アセトン超音波洗浄等により、基材
1aおよび中間層40の表面に付着した加工粉、加工油
分や酸化物層を除去する。次いで、プラズマCVD法等
の手法を用いて、金型表面の少なくとも中間層40が形
成されている領域に、厚さ2μmのダイヤモンド状カー
ボン膜41を形成する。この場合、所望部分が鏡面であ
る反射板を得るためには、ダイヤモンド状カーボン膜4
1の表面の反射板内面の鏡面とする部分に接する領域の
表面粗さは0.4μm以下でなければならない。従っ
て、形成後のダイヤモンド状カーボン膜41の表面粗さ
が0.4μm以上である場合には、研磨加工等により
0.4μm以下に仕上げる。ダイヤモンド状カーボン
は、自己潤滑性と大きな硬さを併せ持っており、これら
は成形された反射板内面の鏡面性を向上させる効果を発
揮するが、そのビッカース硬さは3000〜5000に
も達し、脆い性質を有している。このため、ダイヤモン
ド状カーボン膜41の厚さが8μmを越える場合には、
膜内残留応力により膜中にクラックが発生し、ダイヤモ
ンド状カーボン膜41が砕散するという不都合が生じ
る。また、ダイヤモンド状カーボン膜41の厚さが0.
5μm未満の場合には、充分な耐摩耗性が確保できない
ために、金型表面の自己潤滑性が早期に失われるという
不都合が生じる。従ってダイヤモント状カーボン膜41
の膜厚は0.5〜8μmでなければならない。
【0043】前述のように、ダイヤモンド状カーボンは
脆い性質を有しているため、スピニング加工中における
局所的な加圧に耐えきれずに膜内にクラックが発生して
ダイヤモンド状カーボン膜41が剥離しやすいという問
題があり、これは膜内残留応力の値が大きいほど顕著と
なる。従って、ダイヤモンド状カーボン膜41の持つ自
己潤滑性と耐摩耗性を長期間安定して発揮し得る金型を
得るためには、ダイヤモンド状カーボン膜41の膜内残
留応力を小さくすることが重要となる。図11に示した
断面方向の材料構成を有する金型のダイヤモンド状カー
ボン膜41の膜内残留応力の発生は、主としてダイヤモ
ンド状カーボン膜41の形成プロセス中における金型1
の昇温に起因している。すなわち、ダイヤモンド状カー
ボン膜41の形成手法として最もプロセス温度の低い
(150℃〜300℃程度)部類に属するプラズマCV
D法を用いた場合であっても、鉄系材料の熱膨張係数は
ダイヤモンド状カーボンの熱膨張係数の2〜3倍である
ことから、成膜プロセスが完了して常温に戻ったときに
は、ダイヤモンド状カーボン膜41内には極めて大きな
圧縮残留応力が発生してしまう。これに対し、中間層4
0の熱膨張係数を、基材1aの熱膨張係数の値とダイヤ
モンド状カーボン膜41の熱膨張係数の値の間にあるも
のとし、かつダイヤモンド状カーボン膜41の熱膨張係
数値に近いものにすることにより、成膜完了後における
ダイヤモンド状カーボン膜41内の圧縮残留応力の値を
大幅に低減することが可能となる。これを実現するため
に、この実施の形態3においては中間層40として熱膨
張係数が4.0×10-6〜6.5×10-6/Kの材料を
用いるものとしており、その材料として超硬合金を例示
した。ただし、中間層40の膜厚が0.3μmを下まわ
ると、前記圧縮残留応力値を低減する効果が著しく低下
する。したがって中間層40の膜厚は0.3μm以上で
なければならない。
【0044】実施の形態4.図12はこの発明の実施の
形態4における反射板の製造用金型の表層部分の材料構
成を示す断面図である。図において、51は基材、52
は気孔である。次に、この実施の形態4による反射板の
製造用金型の製造方法について説明する。先ず、金型基
材として準備した金属粉を主成分とする多孔質焼結体
に、放電加工や切削・研削・研磨等の機械加工を施し、
要求精度を満たす所望の形状に加工する。このとき反射
板内面を良好な鏡面とするには、少なくとも反射板内面
の鏡面とする部分に接する領域の表面粗さは0.4μm
以下に仕上げておくことが望ましい。金型1の表面粗さ
が0.4μmより大きいと被加工材2の金型表面への凝
着や焼付き、金型1の欠けなどが発生し良好な鏡面が得
られない。良好な鏡面を必要としない領域の金型表面で
は表面粗さは0.4μmより大きくてもよい。なお、基
材51には充分大きな硬さと適度な靱性を確保するため
に、焼入れおよび焼き戻し等の熱処理を施し、ロックウ
ェル硬さHRC58以上の硬さに調整することが望まし
い。
【0045】次に、このようにして製作された金型1を
用いたスピニング加工時の金型1と被加工材2の界面の
状態について説明する。先ず、加工に先立ち基材51に
加工液を含浸させておく。この実施の形態4では、含浸
させた加工液の容積百分率は40%程度とした。スピニ
ング加工の工程はおおむね前記実施の形態1で述べたも
のと同一であり、含浸させておいた加工液が金型表面に
表出し金型表面に加工液膜3が形成された時点でスピニ
ング加工を行う。この加工液膜3は平均厚さで金型表面
粗さと同程度以上0.6μm以下であることが望まし
い。スピニング加工を繰り返すにつれて予め含浸した加
工液の金型表面への表出が進行して、金型表面に形成さ
れる加工液膜3の厚さが平均厚さで金型表面粗さと同程
度を下まわり被加工材2が金型に凝着するようになった
場合には加工液を基材51に再度含浸させる。加工液膜
3を前記実施の形態1で述べた方法によって形成しても
よいが、金型1内より加工液が表出するため金型表面に
加工液膜3を形成する作業回数を減らすことができる。
【0046】なお、金型表面に形成された加工液膜3の
膜厚が平均厚さ0.6μmを上回っていても、金型1の
基材51が多孔質材料であるためローラ5で被加工材2
を金型1に押圧すると、金型1と被加工材2の間に導入
された加工液のうち余剰な分が金型表面に連なっている
気孔52へ排出される。
【0047】実施の形態5.図13は、この発明の実施
の形態5におけるスピニング加工時の金型、ローラ、被
加工材の要部を示す断面図である。図において、31は
被加工材2の外縁、32はカエリである。スピニング加
工の工程は前記実施の形態1で説明したものと概略同一
であり相違している点のみ説明する。被加工材2を金型
1と共に回転させた後、被加工材2の外縁31から直径
の1%〜10%の領域を金型回転軸となす角が45゜〜
80゜もしくは100゜〜135゜となるように倒す。
続いてローラ5で被加工材2を金型1に押圧しローラ5
を金型1に倣わせると被加工材2が倒され、すなわち塑
性変形し所望の形状に成形される。被加工材2が塑性変
形し形状が創成されていく際に被加工材2の外縁部には
しわが発生しやすく、場合によっては被加工材2の破断
に至る。そこで従来は被加工材2のローラと接触してい
る面の反対側の面すなわち反射板の内面になる側の被加
工材表面を図示しないバックアップローラで押さえてし
わの発生を抑えていた。しかし鏡面が要求される製品内
面になる被加工材表面にバックアップローラが接触する
ことは、バックアップローラの硬さが被加工材2の硬さ
以上の場合には被加工材2が傷つき、また被加工材2の
硬さよりも小さい場合にはバックアップローラが被加工
材2により削り取られ、その削りカスが被加工材2の表
面すなわち反射板内面になる面に付着して被加工材2と
金型1の密着を妨げ、いずれも鏡面を得るには不都合で
ある。そこで良好な鏡面を得たい場合には樹脂等の軟質
材を用いたバックアップローラを使用し、加工中はバッ
クアップローラ表面をウェス等で拭いながら加工する。
通常、この作業は手作業で回転している工具を拭うため
非常に危険である。
【0048】なお、被加工材2の外縁31を倒す方法と
しては、例えば図10のように、ローラ構成を2個のロ
ーラで構成し、第1のローラの回転軸と金型回転軸との
なす角を100゜〜135゜もしくは45゜〜80゜と
しておき、これを被加工材外縁部に当てて倒す。前記倒
すべき領域を被加工材2の外縁31から直径の1%〜1
0%としたのは、1%より小さいと剛性が充分に増さ
ず、10%を超えた場合は剛性は充分増すものの加工時
にローラ5が被加工材2の外縁31に接触してローラ5
が傷つきやすくなったり、材料歩留りの観点からも好ま
しくないからである。また、金型回転軸となす角が80
゜を超え100゜よりも小さい場合は剛性が充分増さず
被加工材2の外縁31にしわが発生する。45゜より小
さい場合は加工時にローラ5が被加工材2の外縁31に
接触してローラが傷つきやすく、また135゜を超えた
場合は図14に示すようにスピニング加工時に被加工材
2の前記倒された領域が金型1に接触して被加工材2に
環状の節4ができるためである。この節4は製品の美観
を著しくそこね、好ましくない。なお、上記の製造方法
は、内面に良好な鏡面が要求されない製品のスピニング
加工にも適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、少なくとも反射板内面の鏡面とする部分に接する
領域の表面粗さが0.4μm以下である金型を使用し、
前記金型表面の少なくとも反射板内面の鏡面とする部分
に接する領域全面に平均厚さで金型の表面粗さと同程度
以上0.6μm以下になるように加工液を塗布して、前
記金型と共に被加工材を回転させながら前記金型の表面
に沿って移動するローラで前記被加工材を前記金型に押
圧して成形するスピニング加工を行うように構成したの
で、製品内面が鏡面の反射板を安定して製造できる効果
がある。
【0050】請求項2記載の発明によれば、20℃にお
ける動粘度が40mm2 /s以下である加工液を液体含
浸性に優れた塗布工具に含浸させたのち前記塗布工具を
回転している金型に押し付け倣わせる加工液塗布工程
と、液体吸収性に優れた拭取り工具を前記金型に押し付
け倣わせて平均厚さで金型の表面粗さと同程度以上0.
6μm以下の加工液膜を形成する加工液膜形成工程と、
前記金型と共に被加工材を回転させながら前記金型の表
面に沿って移動するローラで前記被加工材を前記金型に
押圧して成形するスピニング加工を行うスピニング加工
工程を備えるように構成したので、金型表面に形成され
る加工液膜を平均厚さで金型の表面粗さと同程度以上
0.6μm以下の厚さに安定して形成できるようにな
り、この結果、製品内面が鏡面の反射板を安定して製造
できる効果がある。
【0051】請求項3記載の発明によれば、加工液を粒
径10μm以下の微粒子にして回転している金型に吹き
付けて平均厚さで金型の表面粗さと同程度以上0.6μ
m以下の加工液膜を形成する加工液吹付形成工程と、前
記金型と共に被加工材を回転させながらローラで前記被
加工材を前記金型に押圧して成形するスピニング加工を
行うスピニング加工工程を備えるように構成したので、
金型表面の加工液を拭取る工程が不要になる分、加工液
膜の形成を効率的に行うことができ、製品内面が鏡面の
反射板を安定かつ効率的に製造できる効果がある。
【0052】請求項4記載の発明によれば、5%以下の
トリエタノールアミンを含む加工液または0.1〜2g
/lの無水クロム酸を含む加工液を使用し、金型と共に
被加工材を回転させながらローラで前記被加工材を前記
金型に押圧して成形するスピニング加工を行うように構
成したので、反射板の成形と同時に防食機能を付与でき
る効果がある。
【0053】講求項5記載の発明によれば、金型と共に
回転する被加工材の外縁から直径の1〜10%の領域を
金型回転軸となす角が45゜〜80゜もしくは100゜
〜135゜となるように倒す被加工材外縁加工工程と、
前記金型と共に前記被加工材を回転させながらローラで
前記被加工材を前記金型に押圧して成形するスピニング
加工を行うスピニング加工工程を備えるように構成した
ので、製品内面が鏡面の反射板を安定して製造できる効
果がある。
【0054】請求項6記載の発明によれば、円筒形状に
形成され、その回転軸は金型回転軸となす角が120゜
〜150゜となるように傾けられ、被加工材と接触する
ときには前記円筒形状の外周面の下端と金型表面との距
離が3〜10mmで一定となるように金型表面を倣う第
1のローラと、該第1のローラに随動し、前記被加工材
の厚さの5倍以上20倍以下の曲率半径で構成される曲
線部を有する第2のローラ構成部からなるローラを有
し、金型と共に前記被加工材を回転させながら前記第1
のローラと前記第2のローラにより前記被加工材を前記
金型に押圧して成形するスピニング加工を行うように構
成したので、前記被加工材の倒し量が過大にならず、前
記被加工材に破断や顕著な肌荒れを生じることがなく、
また、ローラを金型に押し付ける力も過大にならず、製
品内面が鏡面の反射板を安定して製造できる効果があ
る。
【0055】請求項7記載の発明によれば、第1のロー
ラを弾性率105 kgf/cm2 以下の材質から構成
し、第2のローラを前記第1のローラ以上の弾性率の材
質から構成するようにしたので、被加工材を傷つけるこ
となく金型に充分に押圧することができるため、製品内
面が鏡面の反射板を安定して製造できる効果がある。
【0056】請求項8記載の発明によれば、ローラの回
転軸を含む断面において、長さが被加工材の塑性変形さ
せる部分の半径方向の長さ以上であり前記被加工材と接
触するときにおいて金型回転軸となす角が120゜〜1
50゜である直線部を有する第1のローラ構成部と、前
記被加工材の厚さの5倍以上20倍以下の曲率半径で構
成される曲線部を有する第2のローラ構成部からなるロ
ーラを有し、金型と共に被加工材を回転させながら前記
ローラを前記金型の表面に沿って移動させ前記被加工材
を前記金型に押圧して成形するスピニング加工を行うよ
うに構成したので、前記被加工材の倒し量が過大になら
ず、前記被加工材に破断や顕著な肌荒れが生じることが
なく、また、ローラを金型に押しつける力も過大になら
ず、製品内面が鏡面の反射板を安定して製造できる効果
がある。
【0057】請求項9記載の発明によれば、ローラの回
転軸を含む断面において、被加工材の厚さの5倍以上の
曲率半径で構成される曲線部を有する第1のローラ構成
部と、前記被加工材の厚さの5倍以上20倍以下であり
かつ前記第1のローラ構成部の曲率半径と同等もしくは
小さい曲率半径で構成される曲線部を有する第2のロー
ラ構成部からなるローラを有し、金型と共に被加工材を
回転させながら前記金型の表面に沿って移動するローラ
で被加工材を金型に押圧して成形するスピニング加工を
行うように構成したので、前記被加工材の倒し量が過大
にならず、前記被加工材に破断や顕著な肌荒れが生じる
ことがなく、また、ローラを金型に押しつける力も過大
にならず、製品内面が鏡面の反射板を安定して製造でき
る効果がある。
【0058】請求項10記載の発明によれば、第1のロ
ーラを弾性率105 kgf/cm2以下の材質から構成
し、第2のローラを前記第1のローラ以上の弾性率の材
質から構成するようにしたので、被加工材を傷つけずに
金型に充分に押圧することができるため、製品内面が鏡
面の反射板を安定して製造できる効果がある。
【0059】請求項11記載の発明によれば、熱膨張係
数が4.0×10-6〜6.5×10-6/Kである材料か
らなる基材と、前記基材からなる金型表面の少なくとも
反射板内面の鏡面とする部分に接する領域に形成された
厚さ0.5〜8μmのダイヤモンド状カーボン膜を有
し、前記ダイヤモンド状カーボン膜の少なくとも反射板
内面の鏡面とする部分に接する領域の表面粗さを0.4
μm以下とするように構成したので、スピニング加工時
の前記ダイヤモンド状カーボン膜の局部的な摩耗や剥離
の発生、被加工材の金型表面への凝着や焼付き、金型の
基材の破損などを防止しつつ、製品内面が鏡面の反射板
を安定して成形できる効果がある。
【0060】請求項12記載の発明によれば、Feを主
成分とする基材と、金型表面の少なくとも反射板内面の
鏡面とする部分に接する領域に形成された厚さ0.5〜
8μmのダイヤモンド状カーボン膜と、熱膨張係数が
4.0×10-6〜6.5×10-6/Kの材料からなり前
記ダイヤモンド状カーボン膜の直下に形成されている厚
さ0.3μm以上の中間層とを有し、前記ダイヤモンド
状カーボン膜の少なくとも反射板内面の鏡面とする部分
に接する領域の表面粗さを0.4μm以下とするように
構成したので、前記ダイヤモンド状カーボン膜内の圧縮
残留応力の値を低減でき、前記ダイヤモンド状カーボン
膜の剥離を防ぐことが可能となって、製品内面が鏡面の
反射板を安定して成形できる効果がある。
【0061】請求項13記載の発明によれば、基材が金
属粉を主成分とする多孔質焼結体であり、少なくとも反
射板内面の鏡面とする部分に接する領域の表面粗さを
0.4μm以下とするように構成したので、金型表面の
加工液膜の平均厚さが金型表面の粗さと同程度を下まわ
っても、予め前記多孔質焼結体に含浸した加工液が表出
して、被加工材の金型表面への凝着が防止され、製品内
面が鏡面の反射板を安定して成形できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による反射板の製造
方法を実現する反射板の製造装置においてスピニング加
工が行われているときの反射板の製造用の金型、ロー
ラ、被加工材の要部を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による反射板の製造
方法を実現する反射板の製造装置の加工液膜の形成方法
を示す断面図である。
【図3】 平均厚さで金型表面粗さと同程度の加工液膜
を形成したときの金型表面と加工液膜の様子を示す説明
図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による反射板の製造
方法を実現する反射板の製造装置の加工液膜の別の形成
方法を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による反射板の製造
装置に用いられるローラを示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による反射板の製造
装置のスピニング加工を説明するための従来のスピニン
グ加工に用いられるヘラの部分斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による反射板の製造
装置のスピニング加工において被加工材をローラが倒す
場合のローラ曲面の曲率半径が小さい場合と大きい場合
とを比較した説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による反射板の製造
装置のスピニング加工におけるローラの別の構成を示す
説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による反射板の製造
装置のスピニング加工における被加工材の塑性変形させ
る部分を示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態2による反射板の製
造装置のスピニング加工における円筒形状の第1のロー
ラと第2のローラを示す説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における反射板の
製造用金型の表層部分の材料構成を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態4における反射板の
製造用金型の表層部分の材料構成を示す断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態5におけるスピニン
グ加工時の金型、ローラ、被加工材の要部を示す断面図
である。
【図14】 この発明の実施の形態5におけるスピニン
グ加工時の被加工材外縁部分に環状の節ができてしまう
状態を示す説明図である。
【図15】 従来の反射板の製造方法およびその方法を
実現する反射板の製造装置によるスピニング加工時の反
射板の製造用の金型、ローラ、被加工材の要部を示す部
分断面図である。
【図16】 文献「回転加工」(1990年12月コロ
ナ社発行)のスピニング加工時の被加工材に金型形状が
ローラ移動により成形される状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 金型、1a,51 基材、2 被加工材、3 加工
液膜、5,17 ローラ、5a,5c 第1のローラ構
成部、5b,5d 第2のローラ構成部、5g第1のロ
ーラ、5h 第2のローラ、5m,5n,5y,5z
曲線部、5x直線部、10 塗布工具、11 拭取り工
具、40 中間層、41 ダイヤモンド状カーボン膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 誠司 神奈川県鎌倉市大船5丁目1番1号 三菱 電機照明株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射板内面の鏡面とする部分に接する領
    域の表面粗さが少なくとも0.4μm以下である金型を
    使用し、前記金型表面の少なくとも反射板内面の鏡面と
    する部分に接する領域全面に平均厚さで金型の表面粗さ
    と同程度以上0.6μm以下の加工液を塗布し、前記金
    型と共に被加工材を回転させながらローラを前記金型に
    沿って移動させ、前記ローラで前記被加工材を前記金型
    に押圧して成形するスピニング加工を行う反射板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 20℃における動粘度が40mm2 /s
    以下である加工液を液体含浸性に優れた塗布工具に含浸
    させたのち前記塗布工具を回転している金型に押し付け
    倣わせる加工液塗布工程と、液体吸収性に優れた拭取り
    工具を前記金型に押し付け倣わせ平均厚さで前記金型の
    表面粗さと同程度以上0.6μm以下の加工液膜を形成
    する加工液膜形成工程と、前記金型と共に被加工材を回
    転させながら前記金型の表面に沿って移動するローラで
    被加工材を前記金型に押圧して成形するスピニング加工
    を行うスピニング加工工程とを備えていることを特徴と
    する請求項1記載の反射板の製造方法。
  3. 【請求項3】 20℃における動粘度が40mm2 /s
    以下である加工液を、粒径10μm以下の微粒子にして
    回転している金型に吹き付けて平均厚さで金型の表面粗
    さと同程度以上0.6μm以下の加工液膜を形成する加
    工液吹付形成工程と、前記金型と共に被加工材を回転さ
    せながら前記金型の表面に沿って移動するローラで前記
    被加工材を前記金型に押圧して成形するスピニング加工
    を行うスピニング加工工程とを備えていることを特徴と
    する請求項1記載の反射板の製造方法。
  4. 【請求項4】 加工液は、5%以下のトリエタノールア
    ミンまたは0.1〜2g/lの無水クロム酸を含むこと
    を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1
    項記載の反射板の製造方法。
  5. 【請求項5】 金型と共に回転する被加工材の外縁から
    当該被加工材の直径の1%〜10%の領域を、金型回転
    軸となす角を45゜〜80゜または100゜〜135゜
    に倒す被加工材外縁加工工程を備えていること特徴とす
    る請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の反
    射板の製造方法。
  6. 【請求項6】 金型と共に被加工材を回転させながら前
    記金型の表面に沿って移動するローラで被加工材を金型
    に押圧して成形するスピニング加工を行う反射板の製造
    装置において、前記ローラは、円筒形状に形成され、そ
    の回転軸と金型回転軸とのなす角が120゜〜150゜
    であり、被加工材と接触するときには前記円筒形状の外
    周面の下端と金型表面との距離を3mmから10mmの
    範囲で一定にして金型表面を倣う第1のローラと、該第
    1のローラに随動し、前記被加工材の厚さの5倍以上2
    0倍以下の曲率半径の曲線部を回転軸を含む断面におい
    て有する第2のローラを備えていることを特徴とする反
    射板の製造装置。
  7. 【請求項7】 第1のローラが弾性率105 kgf/c
    2 以下の材質からなり、第2のローラが前記第1のロ
    ーラ以上の弾性率の材質からなる請求項6記載の反射板
    の製造装置。
  8. 【請求項8】 金型と共に被加工材を回転させながら前
    記金型の表面に沿って移動するローラで被加工材を金型
    に押圧して成形するスピニング加工を行う反射板の製造
    装置において、前記ローラは、長さが被加工材の塑性変
    形させる部分の半径方向の長さ以上であり被加工材と接
    触する角度が金型回転軸に対し120゜〜150゜であ
    る直線部を回転軸を含む断面において有する第1のロー
    ラ構成部と、前記被加工材の厚さの5倍以上20倍以下
    の曲率半径の曲線部を回転軸を含む断面において有する
    第2のローラ構成部とから構成されていることを特徴と
    する反射板の製造装置。
  9. 【請求項9】 金型と共に被加工材を回転させながら前
    記金型の表面に沿って移動するローラで被加工材を金型
    に押圧して成形するスピニング加工を行う反射板の製造
    装置において、前記ローラは、被加工材の厚さの5倍以
    上の曲率半径の曲線部をローラの回転軸を含む断面にお
    いて有する第1のローラ構成部と、前記被加工材の厚さ
    の5倍以上20倍以下でありかつ前記第1のローラ構成
    部の前記曲率半径と同等もしくは小さい曲率半径の曲線
    部をローラの回転軸を含む断面において有する第2のロ
    ーラ構成部とから構成されていることを特徴とする反射
    板の製造装置。
  10. 【請求項10】 第1のローラ構成部が弾性率105
    gf/cm2 以下の材質からなり第2のローラ構成部が
    前記第1のローラ構成部以上の弾性率の材質からなる請
    求項8または請求項9記載の反射板の製造装置。
  11. 【請求項11】 熱膨張係数が4.0×10-6〜6.5
    ×10-6/Kである材料からなる基材と、前記基材から
    なる金型表面の少なくとも反射板内面の鏡面とする部分
    に接する領域に形成された厚さ0.5μm〜8μmのダ
    イヤモンド状カーボン膜を有し、前記ダイヤモンド状カ
    ーボン膜の少なくとも反射板内面の鏡面とする部分に接
    する領域の表面粗さが0.4μm以下であることを特徴
    とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記
    載の反射板の製造用金型。
  12. 【請求項12】 Feを主成分とする基材と、熱膨張係
    数が4.0×10-6〜6.5×10-6/Kの材料からな
    りダイヤモンド状カーボン膜の直下に形成されている厚
    さ0.3μm以上の中間層とを備えていることを特徴と
    する請求項11記載の反射板の製造用金型。
  13. 【請求項13】 基材が金属粉を主成分とする多孔質焼
    結体であり、少なくとも反射板内面の鏡面とする部分に
    接する領域の表面粗さが0.4μm以下であることを特
    徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項
    記載の反射板の製造用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003059547A1 (en) * 2002-01-17 2003-07-24 Massee Johan Method and forming machine for manufacturing a product having various diameters

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US8539805B2 (en) 2002-01-17 2013-09-24 Johan Massee Method and forming machine for manufacturing a product having various diameters

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