JPH10155899A - 医療用回路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法 - Google Patents

医療用回路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法

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JPH10155899A
JPH10155899A JP8318261A JP31826196A JPH10155899A JP H10155899 A JPH10155899 A JP H10155899A JP 8318261 A JP8318261 A JP 8318261A JP 31826196 A JP31826196 A JP 31826196A JP H10155899 A JPH10155899 A JP H10155899A
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JP
Japan
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liquid
circuit
medical circuit
medical
discharge
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Application number
JP8318261A
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English (en)
Inventor
Sumio Ohara
澄夫 大原
Shigeru Sasahara
茂 笹原
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療用回路内の細菌及びエンドトキシン等の
生体有害物を除去することができる医療用回路洗浄装置
及び医療用回路洗浄方法を提供する。 【解決手段】 医療用回路と、ポンプと、液導入手段
と、液排出手段と、排出循環阻止手段と、微粒子濾過フ
ィルターとを備えてなることを特徴とする医療用回路洗
浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用回路洗浄装
置及び医療用回路洗浄方法に関し、更に詳しくは、医療
用回路内の生体有害物を除去することができる医療用回
路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、例えば慢性腎不全、肝性昏睡、薬物中毒及び自己免
疫疾患等の治療を目的に血液中の除去対象溶質を除去す
る血液浄化法における体外循環回路、例えば血液透析回
路、血液透析濾過回路、血液濾過回路、血漿分離回路、
血漿成分分離回路及び腹膜透析回路、若しくは、生体内
に薬液を注入する場合における生体と薬液供給源とを結
ぶ注入ライン及び注入回路等の医療用回路において、前
記医療用回路内に所定の液を充填する場合、前記所定の
液を前記医療用回路内に充填した後に、この医療用回路
を放置しておくと、前記医療用回路内での細菌の増殖及
びエンドトキシンの増加等によって前記医療用回路内が
汚染されてしまうので、前記医療用回路内に前記所定の
液を充填した後、直ちに、前記医療用回路を使用する所
定の治療を開始しなければならなかった。
【0003】つまり、前記医療用回路内に前記所定の液
を充填した後、前記医療用回路内で前記所定の液を保存
することができなかった。
【0004】また、前記所定の液を充填した前記医療用
回路が放置されて、前記医療用回路内が汚染されてしま
った場合、この汚染された医療用回路は未使用であって
も所定の治療に使用することができなくなり、この汚染
された医療用回路を、2%水酸化ナトリウム溶液による
例えば24時間の洗浄、水洗浄、ホルマリン消毒及び消
毒液の除去という、一連の煩雑な洗浄作業によって洗浄
しなければならなかった。
【0005】しかもこの汚染された未使用の医療用回路
を洗浄する時間がない場合には、未使用の医療用回路を
廃棄処分することになるので、無駄が多くなり深刻なゴ
ミ問題をも引き起こしていた。
【0006】このように前記医療用回路内で前記所定の
液を保存することができないので、予め複数の前記医療
用回路に前記所定の液を充填する準備作業を行なうこと
ができず、複数の前記医療用回路を使用する場合の準備
作業効率が大変悪くなり、作業効率の向上が望まれてい
た。前記医療用回路を使用する医療現場においては、患
者に対する僅かな処置の遅れが患者の生命を左右するの
で、1分でも1秒でも作業効率を向上させることが重要
である。
【0007】一方、前記医療用回路を使用する所定の治
療が終了した後、例えば使用済みの血液透析器及び血液
透析回路を再使用する場合においても、前記血液透析器
と血液透析回路とを切り離して、それぞれを、2%水酸
化ナトリウム溶液による例えば24時間の洗浄、水洗
浄、ホルマリン消毒及び消毒液の除去という、一連の煩
雑な洗浄作業によって洗浄しなければならない。
【0008】よって、使用済みの血液透析器及び血液透
析回路の洗浄作業効率が大変悪く、作業効率の向上が望
まれていた。
【0009】本発明の目的は、医療用回路内の細菌及び
エンドトキシン等の生体有害物を除去することができる
医療用回路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法を提供する
ことにある。
【0010】本発明の他の目的は、医療用回路に所定の
液を充填した後、この医療用回路を放置しても、医療用
回路内の生体有害物を除去することができる医療用回路
洗浄装置及び医療用回路洗浄方法を提供することにあ
る。
【0011】本発明の他の目的は、医療用回路に所定の
液を充填した後、医療用回路内で所定の液を保存するこ
とができ、しかも自動的に医療用回路内の生体有害物を
除去することができる医療用回路洗浄装置及び医療用回
路洗浄方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、医療用回路に所定の
液を充填した後、医療用回路内で所定の液を保存するこ
とができ、所定の治療を開始するまでの時間的制約がな
い医療用回路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法を提供す
ることにある。
【0013】本発明の他の目的は、複数の医療用回路そ
れぞれに予め所定の液を充填する準備作業を行なうこと
ができる医療用回路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法を
提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、使用済みの医療用回
路を容易に自動洗浄することができる医療用回路洗浄装
置及び医療用回路洗浄方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、液を循環させる配管を有する医療用回
路と、前記医療用回路に介装され、かつ前記医療用回路
内の前記液を吸引し、前記液を吐出して強制的に前記医
療用回路に沿って前記液を循環させるポンプと、前記医
療用回路における、前記ポンプの吸引側の配管に結合さ
れ、かつ前記医療用回路内に前記液を導入することので
きる液導入手段と、前記医療用回路における、前記ポン
プの吐出側の配管に結合され、かつ前記医療用回路内の
前記液を排出することのできる液排出手段と、前記医療
用回路内の前記液を循環させる場合には前記液排出手段
による前記液の排出を阻止し、かつ前記医療用回路内の
前記液を排出する場合には前記医療用回路内における前
記液の循環を阻止することのできる排出循環阻止手段
と、前記医療用回路に着脱可能に介装され、かつ前記医
療用回路に沿って前記液を循環させることにより前記医
療用回路内の生体有害物を濾過することのできる微粒子
濾過フィルターとを備えてなることを特徴とする医療用
回路洗浄装置であり、前記課題を解決するための第2の
手段は、前記第1の手段における液導入手段が、前記第
1の手段における医療用回路に結合された導入管と、そ
の導入管の末端に設けられた結合手段と、この結合手段
に着脱自在に結合可能で、前記医療用回路に供給される
液を収容する液収容容器とを備えてなる前記第1の手段
における医療用回路洗浄装置であり、前記課題を解決す
るための第3の手段は、前記第1の手段における液導入
手段が、前記第1の手段における医療用回路にそれぞれ
結合された複数の液導入管と、これらの液導入管それぞ
れの末端に設けられた結合手段と、これらの各結合手段
に着脱自在に結合可能で、前記医療用回路に供給される
液を収容する液収容容器とを備えてなる前記第1の手段
における医療用回路洗浄装置であり、前記課題を解決す
るための第4の手段は、前記第1の手段における微粒子
濾過フィルターが、その液流入側に縮径された配管を有
してなる前記第1の手段における医療用回路洗浄装置で
あり、前記課題を解決するための第5の手段は、前記第
1の手段における液が、消毒液又は洗浄液である前記第
1の手段における医療用回路洗浄装置であり、前記課題
を解決するための第6の手段は、(1) 前記第1の手段に
おける医療用回路洗浄装置における液導入手段により医
療用回路に液を供給し、前記ポンプを駆動して医療用回
路に沿って前記第1の手段における配管内に前記液を流
通させ、前記排出循環阻止手段により前記医療用回路に
おける前記液の循環を阻止しつつ前記医療用回路内の前
記液を排出する工程、及び、(2) 前記液導入手段による
医療用回路への前記液の供給を停止し、前記排出循環阻
止手段により前記医療用回路における前記液の排出を阻
止しつつ前記医療用回路内での前記液の循環を可能な状
態にし、前記ポンプにより前記医療用回路中の前記液を
循環させる工程を有することを特徴とする医療用回路洗
浄方法であり、前記課題を解決するための第7の手段
は、前記第6の手段における液が、消毒液又は洗浄液で
ある前記第6の手段における医療用回路洗浄方法であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】
(一般的説明)本発明における医療用回路洗浄方法に使
用される医療用回路洗浄装置は、医療用回路と、ポンプ
と、液導入手段と、液排出手段と、排出循環阻止手段
と、微粒子濾過フィルターとを備えてなる。
【0017】前記医療用回路は、液を循環させる配管を
有してなる。
【0018】前記液としては、例えば、血液、腹膜透析
用透析液、点滴液等の薬液などの生体に供給される液、
血液透析器例えばダイアライザに供給され血液透析膜を
介して血液と接触する透析液、及び、前記医療用回路の
洗浄に用いられる消毒液、洗浄液、生理食塩水等を挙げ
ることができる。
【0019】前記液を循環させる配管は、前記医療用回
路における閉回路、即ち終端のない通路を形成すること
ができる。
【0020】前記閉回路は輪状、若しくは例えばブリッ
ジ回路のように網状に形成することができる。
【0021】前記配管としては、例えばチューブ、パイ
プ、カニューレ、バルーン、カテーテル、ドレーン等で
使用される中空管を挙げることができ、前記中空管を例
えばその末端同士を結合する等して輪状に形成すること
によって閉回路を形成することができる。
【0022】前記中空管としては、弾性を有する中空管
すなわち弾性中空管を採用するのが好ましい。
【0023】前記中空管の材質としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル、アイオノマー樹脂、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリアリレート、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペン
テン、シリコーンゴム、シリコーン−ポリウレタンエラ
ストマー、シリコーンとポリカーボネートとのブロック
ポリマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル
系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、オレフィ
ン系エラストマー、スチレン系エラストマー等を挙げる
ことができる。
【0024】前記ポンプは、前記医療用回路に介装さ
れ、かつ前記医療用回路内の前記液を吸引し、前記液を
吐出して強制的に前記医療用回路に沿って前記液を循環
させることができる。
【0025】前記ポンプとしては、前記医療用回路に介
装され、かつ前記医療用回路内の前記液を吸引し、前記
液を吐出して強制的に前記医療用回路に沿って前記液を
循環させることができる限りその構成に特に制限がな
く、例えば、しごきポンプ、容積式ポンプ、遠心ポン
プ、往復ポンプ等を挙げることができる。
【0026】前記しごきポンプとしては、ローラポン
プ、例えば、前記配管を一端と他端とに切り離した前記
医療用回路に介装される場合において、前記配管の一端
に連結可能な吸引側入口と前記配管の他端に連結可能な
吐出側出口とを有する弾性管部を備えてなり、且つ前記
吸引側入口から弾性管部内に液を吸引し、前記弾性管部
をローラでしごくことによって前記吐出側出口から弾性
管部内の液を吐出する配管連結型ローラポンプ、及び、
前記配管として前記弾性中空管を採用した前記医療用回
路に装着される場合において、前記弾性中空管を挟持す
ることができ、挟持した弾性中空管をローラでしごくこ
とによって前記弾性中空管内の液を移送する配管挟持型
ローラポンプを挙げることができる。
【0027】本発明においては、前記配管挟持型ローラ
ポンプを、前記弾性中空管を前記配管として採用した前
記医療用回路に装着した場合において、前記配管挟持型
ローラポンプは、前記弾性中空管における前記配管挟持
型ローラポンプにより挟持され且つローラでしごかれる
被挟持部で、液の吸引及び液の吐出、即ち液の移送を行
なうのであるから、前記弾性中空管における前記被挟持
部を前記配管挟持型ローラポンプの一部とみなす。
【0028】よって、前記医療用回路に装着された前記
配管挟持型ローラポンプは、前記配管挟持型ローラポン
プの一部である前記被挟持部が、前記医療用回路に介装
されることになる。
【0029】本発明においては、前記ポンプを構成する
部材と移送される液とを接触させることなく液を移送す
ることができること、及び構造が簡単であることという
観点からすると、前記ポンプとしては前記しごきポンプ
が好ましく、特にローラポンプが好適である。
【0030】前記液導入手段は、前記医療用回路におけ
る、前記ポンプの吸引側の配管に結合され、かつ前記医
療用回路内に前記液を導入することができる。
【0031】前記液導入手段は、前記医療用回路に結合
された導入管と、その導入管の末端に設けられた結合手
段と、この結合手段に着脱自在に結合可能で、前記医療
用回路に供給される液を収容する液収容容器とを備えて
なる。
【0032】前記液導入手段は、前記医療用回路内に前
記液を導入する場合には、前記液導入手段による前記液
の導入を阻止することなく、かつ前記医療用回路内の前
記液を循環させる場合には、前記液導入手段による前記
液の導入を阻止することのできる導入阻止手段を有する
ことが好ましい。
【0033】前記導入管の一端は、前記医療用回路にお
ける、前記ポンプの吸引側の配管に設けられた分岐管、
例えば三方コックに結合されてなる。
【0034】前記導入管の他端には、この導入管と前記
液収容容器とを着脱自在に結合することができる結合手
段が設けられてなる。
【0035】前記結合手段としては、針、コネクタ等を
挙げることができる。
【0036】前記導入管としては、前記配管と同様に、
例えば前記中空管を採用することができる。
【0037】前記液収容容器としては、前記医療用回路
に供給される液を収容することができれば特に限定され
ず、例えば軟質ポリ塩化ビニルで形成されたバッグ、開
口部をゴム等の弾性部材で封止してなる容器例えば薬液
瓶等を挙げることができる。
【0038】前記導入阻止手段としては、例えば、前記
導入管を挟持して前記液の流通を阻止するピンチコック
等を備えてなる挟持部材、ボール弁、ディスク弁、リー
フレット弁、電磁弁等を備えてなる弁部材を挙げること
ができる。
【0039】前記液排出手段は、前記医療用回路におけ
る、前記ポンプの吐出側の配管に結合され、かつ前記医
療用回路内の前記液を排出することができる。
【0040】前記液排出手段は、前記医療用回路に結合
された排出管を備えてなる。
【0041】前記排出管の一端は、前記医療用回路にお
ける、前記ポンプの吐出側の配管に設けられた分岐管、
例えば三方コックに結合されてなる。
【0042】前記排出管の他端は、前記液を排出し、排
出された前記液を例えば排液受器に貯留することができ
るように配置されてなる。
【0043】前記排出管としては、前記配管と同様に、
例えば前記中空管を採用することができる。
【0044】前記排出管には、前記医療用回路内の前記
液を循環させる場合に、前記液排出手段による前記液の
排出を阻止することができる排出阻止手段が備えられて
なる。
【0045】さらに前記医療用回路における前記ポンプ
の吐出側の配管の、前記排出管が結合された分岐管より
も、前記ポンプの吐出側から遠い位置には、前記医療用
回路内の前記液を排出する場合に前記医療用回路内にお
ける前記液の循環を阻止することができる循環阻止手段
が備えられてなる。
【0046】前記排出阻止手段と前記循環阻止手段と
は、互いにコンピュータあるいは制御リレ−等の制御手
段によって制御され、前記医療用回路内の前記液を循環
させる場合には、前記排出阻止手段が前記液排出手段に
よる前記液の排出を阻止し、かつ前記医療用回路内の前
記液を排出する場合には、前記循環阻止手段が前記医療
用回路内における前記液の循環を阻止することができ
る。
【0047】また前記コンピュータ等制御手段による制
御によって、前記排出阻止手段と前記循環阻止手段と
は、前記液の排出と前記液の循環とを平行して行なうこ
ともできる。
【0048】前記排出阻止手段及び前記循環阻止手段と
しては、例えば、その開閉がコンピュータ等の制御手段
によって制御可能で前記排出管を挟持して前記液の流通
を阻止するピンチコック等を備えてなる挟持部材、その
開閉がコンピュータ等の制御手段によって制御可能なボ
ール弁、ディスク弁、リーフレット弁、電磁弁等を備え
てなる弁部材等を挙げることができる。
【0049】本発明においては、前記排出阻止手段と、
前記循環阻止手段と、前記排出阻止手段及び前記循環阻
止手段を制御するコンピュータ等の制御手段とで、排出
循環阻止手段を形成してなる。
【0050】本発明においては、前記排出循環阻止手段
におけるコンピュータ等の制御手段は、前記排出阻止手
段及び前記循環阻止手段の制御を行なうと共に、前記導
入阻止手段の制御も連動して行なうように形成されるの
が好ましい。
【0051】このように前記導入阻止手段と、前記排出
阻止手段と、前記循環阻止手段と、前記導入阻止手段、
前記排出阻止手段、及び前記循環阻止手段を制御するコ
ンピュータ等の制御手段とで導入排出循環阻止手段を形
成することによって、例えば前記医療用回路に複数の液
導入管を結合し、これらの液導入管それぞれの末端に設
けられたそれぞれの結合手段に結合した複数の液収容容
器から前記医療用回路内に、異なる種類の液を所定の順
に導入する場合においても、容易に所定の液を前記医療
用回路内に導入することができ、前記液の導入、前記液
の循環及び前記液の排出を効率よく、自動に行なうこと
ができる。
【0052】前記微粒子濾過フィルターは、前記医療用
回路に着脱可能に介装され、かつ前記医療用回路に沿っ
て前記液を循環させることにより前記医療用回路内の生
体有害物を濾過することができる。
【0053】前記微粒子濾過フィルターとしては、少な
くとも細菌及びエンドトキシン等の生体有害物を漉し取
ることができればよいのであり、就中(1)特に医療用
回路においては水の濾過能力が高いこと、(2)医療用
回路内に導入される液、例えば消毒液及び洗浄液に含ま
れる薬品に対する耐薬品性に優れること、(3)前記微
粒子濾過フィルターに接触する液、例えば透析液におけ
る成分組成を変化させないこと、(4)医療用回路内に
消毒液及び洗浄液を導入して消毒及び洗浄を行なった
後、例えば生理食塩水を導入して医療用回路内を再洗浄
した場合、消毒液及び洗浄液の残留濃度が、生体に対し
て安全な所定の濃度になること、(5)医療用回路に装
着若しくは医療用回路から離脱する場合に、医療用回路
内が一時的に外気と接触するので、短時間の間に医療用
回路に着脱できること、(6)万一医療用回路内に気泡
が混入したとしても、容易に気泡が除去できること、及
び、(7)医療用回路内に例えば血液を導入した場合、
血栓が形成されにくい抗血栓性を有すること、等の要件
を満足するフィルターが好ましい。
【0054】前記微粒子濾過フィルターとしては、例え
ばポアサイズが0.22μm以下、好ましくは0.08
〜0.22μmであり、かつエンドトキシンの吸着能に
優れる疎水性材料、例えばポリエステル系ポリマーアロ
イであるポリアリレートとポリエーテルスルホンのアロ
イ(以下、PEPA膜と称することがある。)、ポリス
ルホン等を採用した微粒子濾過フィルターを挙げること
ができ、前記抗血栓性を有する抗血栓性材料としては、
例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート−スチレン
ブロック共重合体、ポリプロピレンオキシド−セグメン
ト化ナイロン610等を採用した微粒子濾過フィルター
を挙げることができる。
【0055】前記PEPA膜を採用したフィルターは、
従来のフィルターがエンドトキシンサブユニットの分子
量より小さい分画分子量を有する中空糸を形成し、分子
ふるいでエンドトキシンを除去するのでフィルターにお
ける圧力−流量特性が低いのに対して、前記PEPA膜
はエンドトキシンを吸着することによってエンドトキシ
ンを除去することができ、フィルターにおける圧力−流
量特性に優れるので好ましい。
【0056】前記微粒子濾過フィルターとして前記PE
PA膜を採用すると、前記微粒子濾過フィルターに対す
る前記液の濾過処理量を増やしても圧力を高くする必要
がなく、消毒液に使用される次亜塩素酸ナトリウム及び
酢酸等に対する耐薬品性に優れ、しかも例えば透析液中
の成分Na、Ca等の電解質、重炭酸ナトリウム等のア
ルカリ剤の組成を変化させないので好ましい。
【0057】前記微粒子濾過フィルターとして前記PE
PA膜を採用した場合、前記医療用回路の消毒後に、水
洗浄を行なうことによって、水洗浄前に2000ppm
を超えていた残留塩素濃度を、水洗浄を開始して0.1
分後には600ppm、1分後には200ppm、30
分後には検出限界の0.05ppm以下にまで低下させ
ることができる。
【0058】また前記微粒子濾過フィルターの形態とし
ては、前記医療用回路に容易に着脱することができるよ
うに、前記微粒子濾過フィルターにおける前記液の流入
口ポート及び流出口ポートをカプラ対応にするのが好ま
しく、そうすることによって前記微粒子濾過フィルター
を容易にしかも短時間の間に医療用回路に着脱すること
ができる。
【0059】さらに、前記微粒子濾過フィルターが、そ
の液流入側に縮径された配管を有してなるのが好まし
い。前記微粒子濾過フィルターにおける前記液の流入口
側の配管の内径が、前記微粒子濾過フィルターの流入口
に向かって縮径するように形成されてなると、前記液の
流入口側の配管中における前記微粒子濾過フィルターに
流入する液流の線速度を上げることができるので、前記
微粒子濾過フィルターによって濾過され、集められた生
体有害物が逆流して前記医療用回路内に拡散することを
防止することができる。
【0060】本発明においては、前記医療用回路内での
細菌の増殖及びエンドトキシンの増加等による前記医療
用回路内の汚染を防止することを目的に、前記医療用回
路に介装した前記微粒子濾過フィルター、若しくは前記
医療用回路全体を冷却手段によって冷却するのが好まし
い。そうすることによって前記医療用回路に前記液とし
て例えば透析液を導入した後、前記医療用回路に透析液
を長時間保存することができるので、複数の医療用回路
それぞれに予め透析液を導入する準備作業を行なうこと
ができる。
【0061】(具体的説明)以下に、図面を参照して本
発明の医療用回路洗浄装置及び医療用回路洗浄方法を詳
述する。
【0062】(薬液注入回路洗浄装置)図1に示すよう
に、本発明の医療用回路洗浄装置の一実施例である薬液
注入回路洗浄装置1は、薬液注入回路2と、ローラポン
プ3と、薬液導入手段4と、薬液排出手段5と、排出循
環阻止手段6と、フィルター7と、冷却手段8と、気泡
除去装置9とを備えてなる。
【0063】前記薬液注入回路2は、薬液を循環させる
軟質塩化ビニル製のチューブ10を有してなり、前記チ
ューブ10は、前記薬液注入回路2において、前記薬液
導入手段4と、前記ローラポンプ3と、前記気泡除去装
置9と、前記薬液排出手段5と、前記排出循環阻止手段
6と、前記フィルター7とを連結し、輪状の閉回路を形
成してなる。
【0064】前記ローラポンプ3は、吸引側入口3aと
吐出側出口3bとを有する弾性管(図示せず)と、前記
弾性管をしごいて前記吸引側入口3aから吸引した液を
前記吐出側出口3bから吐出するローラ(図示せず)と
を備えてなり、前記チューブ10における吸引側チュー
ブ10aと前記吸引側入口3aとが連結され、前記チュ
ーブ10における吐出側チューブ10bと前記吐出側出
口3bとが連結されてなる。
【0065】前記薬液導入手段4は、前記吸引側チュー
ブ10aに設けられた三方コック11に結合された導入
チューブ12と、前記導入チューブ12の末端に設けら
れた針型コネクタ13と、前記針型コネクタ13に着脱
自在に結合可能で前記薬液注入回路2に供給される薬液
を収容する薬液バッグ14と、前記導入チューブ12を
挟持して前記導入チューブ12を閉塞することができる
ピンチコック15とを備えてなる。
【0066】前記薬液排出手段5は、前記吐出側チュー
ブ10bに設けられた三方コック16に結合された排出
チューブ17と、前記排出チューブ17の末端に設けら
れた排出口18と、前記排出口18から排出された前記
薬液を受ける排液受器(図示せず)とを備えてなる。
【0067】前記排出チューブ17には、前記薬液排出
手段5による前記薬液の排出を阻止することができる排
出阻止手段である電磁弁19が備えられてなる。
【0068】前記吐出側チューブ10bにおける、前記
三方コック16よりも前記吐出側出口3bから遠い位置
には、前記薬液注入回路2内の前記薬液を排出する場合
に前記薬液注入回路2内における前記薬液の循環を阻止
することができる循環阻止手段である電磁弁20が備え
られてなる。
【0069】前記電磁弁19及び前記電磁弁20は、コ
ンピュータ21によって制御され、前記薬液注入回路2
内の前記薬液を循環させる場合には、前記電磁弁19が
前記排出チューブ17を閉塞し、かつ前記薬液注入回路
2内の前記薬液を排出する場合には、前記電磁弁20が
前記吐出側チューブ10bを閉塞することができる。ま
た前記コンピュータ21の制御によって、前記電磁弁1
9及び前記電磁弁20は、前記薬液導入手段4による薬
液の導入を阻止している場合に、前記薬液注入回路2内
の前記薬液を循環しつつ前記薬液の排出を行なうことが
でき、前記薬液導入手段4により薬液を導入する場合
に、前記薬液注入回路2内に前記薬液を導入しつつ前記
薬液の排出を行なうことができる。
【0070】本発明においては、前記電磁弁19と、前
記電磁弁20と、前記電磁弁19及び前記電磁弁20を
制御するコンピュータ21とで、前記排出循環阻止手段
6を形成してなる。
【0071】前記フィルター7は、ポアサイズ0.22
μmのPEPA膜を有し、前記薬液注入回路2に容易に
着脱することができるように、前記フィルター7におけ
る前記薬液の流入口ポート7a及び流出口ポート7bが
カプラ対応に形成されてなり、前記流入口ポート7aと
前記チューブにおける流入側チューブ10cとがカプラ
によって連結され、前記流出口ポート7bと前記チュー
ブにおける流出側チューブ10dとがカプラによって連
結されてなる。
【0072】前記流入側チューブ10cはコネクタ22
を介して前記吐出側チューブ10bと着脱可能に連結さ
れ、前記流出側チューブ10dはコネクタ23を介して
前記吸引側チューブ10aと着脱可能に連結されてな
る。
【0073】前記流入側チューブ10cにおける前記コ
ネクタ22側の内径は4.7mmに、前記流入側チュー
ブ10cにおける前記流入口ポート7a側の内径は3.
4mmに形成されてなり、前記流入側チューブ10c
は、前記フィルター7における前記流入口ポート7aに
向かって、その内径が縮径するように形成されてなる。
【0074】また、前記流出側チューブ10dの内径は
4.7mmに形成されてなる。
【0075】前記冷却手段8は、前記流入側チューブ1
0c内の一部、前記フィルター7内、及び前記流出側チ
ューブ10d内の一部において、前記薬液を冷却するこ
とができる冷却装置を備えてなる。
【0076】(薬液注入回路洗浄方法)次に、前記薬液
注入回路洗浄装置1を用いて薬液を生体に注入する場合
における薬液注入回路洗浄方法ついて説明する。
【0077】前記薬液注入回路洗浄方法は、前記薬液注
入回路洗浄装置1における前記薬液導入手段4により前
記薬液注入回路2に前記薬液を供給し、前記ローラポン
プ3を駆動して前記薬液注入回路2に沿って前記チュー
ブ10内に前記薬液を流通させ、前記排出循環阻止手段
6により前記薬液注入回路2における前記薬液の循環を
阻止しつつ前記薬液注入回路2内の前記薬液を排出する
準備工程、及び、前記薬液導入手段4による前記薬液注
入回路2への前記薬液の供給を停止し、前記排出循環阻
止手段6により前記薬液注入回路2における前記薬液の
排出を阻止しつつ前記薬液注入回路2内での前記薬液の
循環を可能な状態にし、前記ローラポンプ3により前記
薬液注入回路2中の前記薬液を循環させる循環工程を有
する。
【0078】−準備工程− 前記準備工程においては、前記薬液注入回路洗浄装置1
における前記薬液注入回路2内に前記薬液を流通させ
て、前記薬液注入回路2内の気泡を除去すると共に、未
使用であっても前記薬液注入回路2内を前記薬液で洗浄
する。
【0079】まず、準備第1工程として、前記薬液導入
手段4における前記ピンチコック15が開放状態である
ことを確認して、前記コンピュータ21の指示によって
前記薬液排出手段5における前記電磁弁19を開放状態
に、及び前記排出循環阻止手段6における前記電磁弁2
0を閉鎖状態にする。
【0080】前記ローラポンプ3を駆動させると、前記
薬液バッグ14中の薬液が、前記導入チューブ12を流
通し、前記三方コック11において吸引側チューブ10
a内に導入され、さらに前記薬液は、前記ローラポンプ
3における前記吸引側入口3aから前記弾性管内に導入
され、前記ローラポンプ3の前記ローラが前記弾性管を
しごくことによって、前記吐出側出口3bから前記吐出
側チューブ10b内に吐出される。
【0081】前記吐出側チューブ10bには、前記気泡
除去装置9が介装されてなり、前記気泡除去装置9によ
って気泡が除去された薬液は、前記三方コック16から
前記排出チューブ17を流通して前記前記排出口18か
ら排出される。
【0082】これによって前記薬液注入回路2における
前記三方コック11から前記三方コック16までの洗浄
を行なうことができる。
【0083】次に、準備第2工程として、前記薬液導入
手段4における前記ピンチコック15を開放状態に維持
し、前記コンピュータ21の指示によって前記薬液排出
手段5における前記電磁弁19を閉鎖状態に、及び前記
排出循環阻止手段6における前記電磁弁20を開放状態
にする。
【0084】前記気泡除去装置9によって気泡が除去さ
れた薬液は、前記吐出側チューブ10bから前記流入側
チューブ10cに導入され、さらに前記流入口ポート7
aから前記フィルター7内に流入し、前記流出口ポート
7bから前記流出側チューブ10d内に流出する。
【0085】前記流出側チューブ10dは、コネクタ2
3を介して前記吸引側チューブ10aに連結されてなる
ので、前記流出側チューブ10d内に流出した前記薬液
が再度前記気泡除去装置9に到達することによって、前
記薬液注入回路2内の気泡を除去することができる。
【0086】さらに、準備第3工程として、前記薬液導
入手段4における前記ピンチコック15を開放状態に維
持し、前記コンピュータ21の指示によって前記薬液排
出手段5における前記電磁弁19を開放状態に、及び前
記排出循環阻止手段6における前記電磁弁20を閉鎖状
態にする。
【0087】前記再度前記気泡除去装置9に到達した薬
液は、前記薬液注入回路2内のコンタミ等を同伴して前
記三方コック16から前記排出チューブ17を流通して
前記前記排出口18から排出される。
【0088】前記準備第2工程及び準備第3工程を交互
に繰り返すことによって、前記薬液注入回路2の洗浄を
行なうことができる。
【0089】−循環工程− 前記循環工程においては、前記薬液導入手段4による前
記薬液注入回路2への前記薬液の供給を停止し、前記排
出循環阻止手段6により前記薬液注入回路2における前
記薬液の排出を阻止しつつ前記薬液注入回路2内で前記
薬液を循環し、、前記フィルター7による前記薬液の濾
過を行なう。
【0090】まず、前記薬液導入手段4における前記ピ
ンチコック15を閉鎖状態にし、前記コンピュータ21
の指示によって前記薬液排出手段5における前記電磁弁
19を閉鎖状態に、及び前記排出循環阻止手段6におけ
る前記電磁弁20を開放状態にする。
【0091】前記ローラポンプ3を駆動させると、前記
薬液注入回路2内で前記薬液が循環して、前記薬液注入
回路2内の細菌及びエンドトキシン等が前記フィルター
7によって濾過される。
【0092】前記フィルター7における前記流入口ポー
ト7aに連結する前記流入側チューブ10cは、前記フ
ィルター7における前記流入口ポート7aに向かって、
その内径が縮径するように形成されてなるので、前記フ
ィルター7によって濾過された細菌及びエンドトキシン
等が前記流入側チューブ10c内に逆流して前記薬液注
入回路2内に拡散することを防止することができる。
【0093】さらに、前記薬液注入回路2内の前記薬液
を循環させつつ、前記冷却手段を作動させることによっ
て、前記薬液注入回路2内における細菌の増殖及びエン
ドトキシンの増加等を防止することができ、前記薬液注
入回路2内に前記薬液を長時間保存することができる。
【0094】よって複数の前記薬液注入回路洗浄装置1
を採用した場合、それぞれの前記薬液注入回路洗浄装置
1における前記薬液注入回路2内に予め所定の薬液を充
填する準備作業を効率良く行なうことができる。
【0095】前記薬液注入回路洗浄装置1は、図2に示
すように、前記フィルター7、前記流入側チューブ10
c、及び前記流出側チューブ10dを前記コネクタ22
及び前記コネクタ23から取り外し、前記コネクタ23
をめくら栓(図示せず)によって閉塞し、前記コネクタ
22に注入チューブ24を連結することによって、前記
薬液バッグ14から前記薬液注入回路2及び前記注入チ
ューブ24を通じて、所定の被注入部位25に前記薬液
を注入することができる。
【0096】この場合前記薬液導入手段4における前記
ピンチコック15が開放状態であることを確認して、前
記コンピュータ21の指示によって前記薬液排出手段5
における前記電磁弁19を閉鎖状態に、及び前記排出循
環阻止手段6における前記電磁弁20を開放状態にし、
前記ローラポンプ3を駆動させることによって、前記薬
液バッグ14中の薬液を、前記薬液注入回路2及び前記
注入チューブ24を通じて、前記被注入部位25に注入
することができる。
【0097】(血液回路洗浄装置)図3に示すように、
本発明の医療用回路洗浄装置の一実施例である血液回路
洗浄装置26は、血液回路27と、ローラポンプ28
と、消毒液導入手段29と、洗浄液導入手段30と、生
理食塩水導入手段31と、前記血液回路27内に導入さ
れた血液、消毒液、洗浄液、及び生理食塩水等の液を排
出する液排出手段32と、導入排出循環阻止手段33
と、フィルター34と、冷却手段35と、ダイアライザ
36と、気泡除去装置37とを備えてなる。
【0098】前記血液回路27は、血液を循環させる軟
質塩化ビニル製のチューブ38を有してなり、前記チュ
ーブ38は、前記血液回路27において、前記生理食塩
水導入手段31と、前記洗浄液導入手段30と、前記消
毒液導入手段29と、前記ローラポンプ28と、前記ダ
イアライザ36と、前記気泡除去装置37と、前記液排
出手段32と、前記導入排出循環阻止手段33と、前記
フィルター34とを連結し、輪状の閉回路を形成してな
る。
【0099】前記ローラポンプ28は、吸引側入口28
aと吐出側出口28bとを有する弾性管(図示せず)
と、前記弾性管をしごいて前記吸引側入口28aから吸
引した液を前記吐出側出口28bから吐出するローラ
(図示せず)とを備えてなり、前記チューブ38におけ
る吸引側チューブ38aと前記吸引側入口28aとが連
結され、前記チューブ38における吐出側チューブ38
bと前記吐出側出口28bとが連結されてなる。
【0100】前記消毒液導入手段29は、前記吸引側チ
ューブ38aに設けられた三方コック29aに結合され
た導入チューブ29bと、前記導入チューブ29bの末
端に設けられた針型コネクタ29cと、前記針型コネク
タ29cに着脱自在に結合可能で前記血液回路27に供
給される消毒液を収容する消毒液バッグ29dと、前記
消毒液導入手段29による前記消毒液の導入を阻止する
ことができる導入阻止手段である電磁弁29eとを備え
てなる。
【0101】前記洗浄液導入手段30は、前記吸引側チ
ューブ38aに設けられた三方コック30aに結合され
た導入チューブ30bと、前記導入チューブ30bの末
端に設けられた針型コネクタ30cと、前記針型コネク
タ30cに着脱自在に結合可能で前記血液回路27に供
給される洗浄液を収容する洗浄液バッグ30dと、前記
消毒液導入手段30による前記洗浄液の導入を阻止する
ことができる導入阻止手段である電磁弁30eとを備え
てなる。
【0102】前記生理食塩水導入手段31は、前記吸引
側チューブ38aに設けられた三方コック31aに結合
された導入チューブ31bと、前記導入チューブ31b
の末端に設けられた針型コネクタ31cと、前記針型コ
ネクタ31cに着脱自在に結合可能で前記血液回路27
に供給される生理食塩水を収容する生理食塩水バッグ3
1dと、前記生理食塩水導入手段31による前記生理食
塩水の導入を阻止することができる導入阻止手段である
電磁弁31eとを備えてなる。
【0103】前記液排出手段32は、前記吐出側チュー
ブ38bに設けられた三方コック32aに結合された排
出チューブ32bと、前記排出チューブ32bの末端に
設けられた排出口32cと、前記排出口32cから排出
された前記薬液を受ける排液受器(図示せず)とを備え
てなる。
【0104】前記排出チューブ32bには、前記液排出
手段32による前記液の排出を阻止することができる排
出阻止手段である電磁弁32dが備えられてなる。
【0105】前記吐出側チューブ38bにおける、前記
三方コック32aよりも前記吐出側出口28bから遠い
位置には、前記血液回路27内の前記液を排出する場合
に前記血液回路27内における前記液の循環を阻止する
ことができる循環阻止手段である電磁弁33aが備えら
れてなる。
【0106】前記電磁弁29e、前記電磁弁30e、前
記電磁弁31e、前記電磁弁32d及び前記電磁弁33
aは、コンピュータ39によって制御され、前記血液回
路27内の前記液を循環させる場合には、前記電磁弁3
2dが前記排出チューブ32bを閉塞し、かつ前記血液
回路27内の前記液を排出する場合には、前記電磁弁3
3aが前記吐出側チューブ38bを閉塞することができ
る。
【0107】また前記コンピュータ39の制御によっ
て、前記電磁弁32d及び前記電磁弁33aは、前記電
磁弁29e、前記電磁弁30e、及び前記電磁弁31e
のいずれかにより前記液の導入を阻止している場合に、
前記血液回路27内の前記液を循環しつつ前記液の排出
を行なうことができ、前記電磁弁29e、前記電磁弁3
0e、及び前記電磁弁31eのいずれかにより前記液を
導入する場合に、前記血液回路27内に前記液を導入し
つつ前記液の排出を行なうことができる。
【0108】本発明においては、前記電磁弁29eと、
前記電磁弁30eと、前記電磁弁31eと、前記電磁弁
32dと、前記電磁弁33aと、前記電磁弁29e、前
記電磁弁30e、前記電磁弁31e、前記電磁弁32d
及び前記電磁弁33aを制御するコンピュータ39と
で、前記導入排出循環阻止手段33を形成してなる。
【0109】前記フィルター34としては、前記薬液注
入回路洗浄装置1で使用したフィルターと同様のものを
採用することができ、前記フィルター34における前記
液の流入口ポート34a及び流出口ポート34bがカプ
ラ対応に形成されてなり、前記流入口ポート34aと前
記チューブにおける流入側チューブ38cとがカプラに
よって連結され、前記流出口ポート34bと前記チュー
ブにおける流出側チューブ38dとがカプラによって連
結されてなる。
【0110】前記冷却手段35としては、前記薬液注入
回路洗浄装置1で使用した冷却装置と同様のものを採用
することができる。
【0111】(血液回路洗浄方法)次に、前記血液回路
洗浄装置26における前記血液回路27を用いて血液を
体外循環する場合の、血液回路洗浄方法ついて説明す
る。
【0112】前記血液回路洗浄方法は、前記血液回路洗
浄装置26における前記消毒液導入手段29、洗浄液導
入手段30、及び生理食塩水導入手段31により前記血
液回路27に所定の前記液を供給し、前記ローラポンプ
28を駆動して前記血液回路27に沿って前記チューブ
38内に所定の前記液を流通させ、前記導入排出循環阻
止手段33により前記血液回路27における所定の前記
液の循環を阻止しつつ前記血液回路27内の所定の前記
液を排出する準備工程、及び、前記消毒液導入手段2
9、洗浄液導入手段30、及び生理食塩水導入手段31
による前記血液回路27への所定の前記液の供給を停止
し、前記導入排出循環阻止手段33により前記血液回路
27における所定の前記液の排出を阻止しつつ前記血液
回路27内での所定の前記液の循環を可能な状態にし、
前記ローラポンプ28により前記血液回路27中の所定
の前記液を循環させる循環工程を有する。
【0113】−準備工程− 前記準備工程及び循環工程においては、前記血液回路洗
浄装置26における前記血液回路27内に所定の前記液
を流通させて、前記血液回路27内の気泡を除去すると
共に、未使用であっても前記血液回路27内を所定の前
記液で洗浄する。
【0114】ここでは使用済の前記血液回路27を洗浄
して再使用する場合について説明する。
【0115】まず、消毒液準備第1工程として、適宜の
方法により前記血液回路27内に残留する血液を排出し
た後、前記コンピュータ39の指示によって前記電磁弁
29e及び前記電磁弁32dを開放状態にし、前記電磁
弁30e、前記電磁弁31e、及び前記電磁弁33aを
閉鎖状態にする。
【0116】前記ローラポンプ28を駆動させると、前
記消毒液バッグ29d中の消毒液が、前記導入チューブ
29bを流通し、前記三方コック29aにおいて前記吸
引側チューブ38a内に導入され、さらに前記消毒液
は、前記ローラポンプ28における前記吸引側入口28
aから前記弾性管内に導入され、前記ローラポンプ28
の前記ローラが前記弾性管をしごくことによって、前記
吐出側出口28bから前記吐出側チューブ38b内に吐
出される。
【0117】前記吐出側チューブ38bには、前記ダイ
アライザ36及び前記気泡除去装置37が介装されてな
り、前記ダイアライザ36を消毒し、前記気泡除去装置
37によって気泡が除去された消毒液は、前記三方コッ
ク32aから前記排出チューブ32bを流通して前記排
出口32cから排出される。
【0118】次に、消毒液準備第2工程として、前記コ
ンピュータ39の指示によって前記電磁弁29e及び前
記電磁弁33aを開放状態にし、前記電磁弁30e、前
記電磁弁31e、及び前記電磁弁32dを閉鎖状態にす
る。
【0119】前記気泡除去装置37によって気泡が除去
された消毒液は、コネクタ40を介して前記吐出側チュ
ーブ38bから前記流入側チューブ38cに導入され、
さらに前記流入口ポート34aから前記フィルター34
内に流入し、前記流出口ポート34bから前記流出側チ
ューブ38d内に流出する。
【0120】前記流出側チューブ38dは、コネクタ4
1を介して前記吸引側チューブ38aに連結されてなる
ので、前記流出側チューブ38d内に流出した前記消毒
液が再度前記気泡除去装置37に到達することによっ
て、前記血液回路27内を消毒で充填することができ
る。
【0121】さらに、消毒液準備第3工程として、前記
コンピュータ39の指示によって前記電磁弁29e及び
前記電磁弁32dを開放状態にし、前記電磁弁30e、
前記電磁弁31e、及び前記電磁弁33aを閉鎖状態に
する。
【0122】前記再度前記気泡除去装置37に到達した
消毒液は、前記血液回路27内の残留血液、コンタミ等
を同伴して前記三方コック32aから前記排出チューブ
32bを流通して前記排出口32cから排出される。
【0123】前記消毒液準備第2工程及び消毒液準備第
3工程を交互に繰り返すことによって、前記血液回路2
7の消毒を行なうことができる。
【0124】前記消毒液準備第1〜3工程に続いて、適
宜の方法により前記血液回路27内に残留する消毒液を
排出した後、前記消毒液準備第1〜3工程と同じ要領
で、洗浄液準備第1〜3工程、及び、生理食塩水準備第
1〜3工程を行なう。
【0125】−循環工程− 前記生理食塩水準備第1〜3工程を十分に行なった後、
生理食塩水準備第2工程を終了した時点において、前記
血液回路27内には生理食塩水が充填されてなる。
【0126】前記循環工程においては、前記コンピュー
タ39の指示によって前記電磁弁33aを開放状態に
し、前記電磁弁29e、前記電磁弁30e、前記電磁弁
31e、及び前記電磁弁32dを閉鎖状態にする。
【0127】前記血液回路27への前記生理食塩水の供
給を停止し、前記導入排出循環阻止手段33により前記
血液回路27における前記生理食塩水の排出を阻止しつ
つ前記血液回路27内で前記生理食塩水を循環し、前記
フィルター34による前記生理食塩水の濾過を行なう。
【0128】前記ローラポンプ28を駆動させると、前
記血液回路27内で前記生理食塩水が循環して、前記血
液回路27内の細菌及びエンドトキシン等が前記フィル
ター34によって濾過される。
【0129】前記流入側チューブ38cの内径は、前記
フィルター34における前記流入口ポート34aに向か
って、その内径が縮径するように形成されてなるので、
前記フィルター34における前記流入口ポート34aに
流入する液流の線速度を上げることができ、前記フィル
ター34によって濾過された細菌及びエンドトキシン等
が前記流入側チューブ38c内に逆流して前記血液回路
27内に拡散することを防止することができる。
【0130】さらに、前記血液回路27内の前記生理食
塩水を循環させつつ、前記冷却手段を作動させることに
よって、前記血液回路27内における細菌の増殖及びエ
ンドトキシンの増加等を防止することができ、前記血液
回路27内に前記生理食塩水を長時間保存することがで
きる。
【0131】よって複数の前記血液回路洗浄装置26を
採用した場合、それぞれの前記血液回路洗浄装置26に
おける前記血液回路27内に予め生理食塩水を充填する
準備作業を効率良く行なうことができる。
【0132】前記血液回路洗浄装置26は、図4に示す
ように、前記フィルター34、前記流入側チューブ38
c、及び前記流出側チューブ38dを前記コネクタ40
及び前記コネクタ41から取り外し、前記コネクタ40
及び前記コネクタ41に注入カテーテル42及び注出カ
テーテル43を連結することによって、所定の被注入部
位44に前記生理食塩水を注入し、血液透析治療を開始
することができる。
【0133】この場合前記ダイアライザ36には、透析
液を循環させる別系統の透析液循環回路(図示せず)が
接続されてなり、前記注出カテーテル43から前記血液
回路27に注出され、前記血液回路27を循環する血液
と、前記別系統の透析液循環回路を循環する透析液とが
前記ダイアライザ36における透析膜(図示せず)を介
して接触することができる。
【0134】(血液透析回路洗浄装置)図5に示すよう
に、本発明の医療用回路洗浄装置の一実施例である血液
透析回路洗浄装置45は、血液回路洗浄装置26と透析
液回路洗浄装置46とを有してなる。
【0135】前記血液回路洗浄装置26は、図3を参照
しながら上述したように、血液回路27と、ローラポン
プ28と、消毒液導入手段29と、洗浄液導入手段30
と、生理食塩水導入手段31と、前記血液回路27内に
導入された血液、消毒液、洗浄液、及び生理食塩水等の
液を排出する液排出手段32と、導入排出循環阻止手段
33と、フィルター34と、冷却手段35と、ダイアラ
イザ36と、気泡除去装置37とを備えてなる。
【0136】前記血液回路27は、血液を循環させる軟
質塩化ビニル製のチューブ38を有してなり、前記チュ
ーブ38は、前記血液回路27において、前記生理食塩
水導入手段31と、前記洗浄液導入手段30と、前記消
毒液導入手段29と、前記ローラポンプ28と、前記ダ
イアライザ36と、前記気泡除去装置37と、前記液排
出手段32と、前記導入排出循環阻止手段33と、前記
フィルター34とを連結し、輪状の閉回路を形成してな
る。
【0137】前記ローラポンプ28は、吸引側入口28
aと吐出側出口28bとを有する弾性管(図示せず)
と、前記弾性管をしごいて前記吸引側入口28aから吸
引した液を前記吐出側出口28bから吐出するローラ
(図示せず)とを備えてなり、前記チューブ38におけ
る吸引側チューブ38aと前記吸引側入口28aとが連
結され、前記チューブ38における吐出側チューブ38
bと前記吐出側出口28bとが連結されてなる。
【0138】前記ダイアライザ36は、血液流入口36
aと、血液流出口36bと、透析液流入口36cと、透
析液流出口36dと、血液透析膜として中空糸膜(図示
せず)とを有する中空糸型透析器であり、前記血液回路
27の前記吐出側チューブ38bにおける前記ローラポ
ンプ28と前記気泡除去装置37との間に介装されてな
り、前記血液回路27が前記血液流入口36aと前記血
液流出口36bとに連結されてなる。
【0139】前記透析液回路洗浄装置46は、透析液回
路47と、ローラポンプ48と、透析液導入手段49
と、透析液排出手段50と、導入排出循環阻止手段51
と、フィルター52と、冷却手段53と、気泡除去装置
54とを備えてなる。
【0140】前記透析液回路47は、透析液を循環させ
る軟質塩化ビニル製のチューブ55を有してなり、前記
チューブ55は、前記透析液回路47において、前記透
析液導入手段49と、前記ローラポンプ48と、前記気
泡除去装置54と、前記透析液排出手段50と、前記導
入排出循環阻止手段51と、前記フィルター52とを連
結し、輪状の閉回路を形成してなる。
【0141】前記ローラポンプ48は、吸引側入口48
aと吐出側出口48bとを有する弾性管(図示せず)
と、前記弾性管をしごいて前記吸引側入口48aから吸
引した液を前記吐出側出口48bから吐出するローラ
(図示せず)とを備えてなり、前記チューブ55におけ
る吸引側チューブ55aと前記吸引側入口48aとが連
結され、前記チューブ55における吐出側チューブ55
bと前記吐出側出口48bとが連結されてなる。
【0142】前記ダイアライザ36は、前記血液回路4
7の前記吐出側チューブ55bにおける前記ローラポン
プ48と前記気泡除去装置54との間に介装されてな
り、前記血液回路47が前記透析液流入口36cと前記
透析液流出口36dとに連結されてなる。
【0143】前記透析液導入手段49は、三方コック4
9aと、導入チューブ49bと、針型コネクタ49c
と、透析液バッグ49dと、電磁弁49eとを備えてな
る。
【0144】前記透析液排出手段50は、三方コック5
0aと、排出チューブ50bと、排出口50cと、排出
阻止手段である電磁弁50dと、排液受器(図示せず)
とを備えてなる。
【0145】前記吐出側チューブ55bにおける、前記
三方コック50aよりも前記吐出側出口48bから遠い
位置には、前記透析液回路47内の前記透析液を排出す
る場合に、前記透析液回路47内における前記透析液の
循環を阻止することができる循環阻止手段である電磁弁
51aが備えられてなる。
【0146】前記電磁弁49e、前記電磁弁50d、及
び前記電磁弁51aは、コンピュータ56によって制御
される。
【0147】本発明においては、前記電磁弁49eと、
前記電磁弁50dと、前記電磁弁51aと、前記電磁弁
49e、前記電磁弁50d、及び前記電磁弁51aを制
御するコンピュータ56とで、前記導入排出循環阻止手
段51を形成してなる。
【0148】前記フィルター52としては、前記薬液注
入回路洗浄装置1で使用したフィルターと同様のものを
採用することができる。
【0149】前記冷却手段53としては、前記薬液注入
回路洗浄装置1で使用した冷却装置と同様のものを採用
することができる。
【0150】(血液透析回路洗浄方法)次に、前記血液
透析回路洗浄装置45における前記血液回路27及び前
記透析液回路47を用いて血液透析治療を行なう場合
の、血液透析回路洗浄方法ついて説明する。
【0151】前記血液透析回路洗浄装置45における前
記血液回路洗浄装置26は、図3を参照しながら上述し
たように、前記生理食塩水準備第2工程を終了した時点
において、前記血液回路27内に生理食塩水が充填され
てなる。
【0152】前記血液回路27においては、図6に示す
ように、前記フィルター34、前記流入側チューブ38
c、及び前記流出側チューブ38dが、前記コネクタ4
0及び前記コネクタ41から取り外され、前記コネクタ
40及び前記コネクタ41に注入カテーテル42及び注
出カテーテル43を連結することによって、所定の被注
入部位44に前記生理食塩水を注入し、前記注出カテー
テル43から注出される血液を前記血液回路27におい
て体外循環する血液透析治療を開始することができる。
【0153】この場合前記ダイアライザ36における前
記血液流入口36aから流入した血液は、前記中空糸膜
を通過し、前記血液流出口36bから流出する。
【0154】一方、前記透析液回路47においては、図
6に示すように、前記フィルター52、流入側チューブ
55c、及び流出側チューブ55dが、コネクタ57及
びコネクタ58から取り外され、前記コネクタ57及び
前記コネクタ58が連結チューブ55eによって連結さ
れてなり、前記ダイアライザ36における前記透析液流
入口36cから流入した透析液は、前記中空糸膜を介し
て前記血液と接触し、前記透析液流出口36dから流出
する。
【0155】
【発明の効果】本発明の医療用回路洗浄装置及び医療用
回路洗浄方法は、例えば慢性腎不全、肝性昏睡、薬物中
毒及び自己免疫疾患等の治療を目的に血液中の除去対象
溶質を除去する血液浄化法における体外循環回路、例え
ば血液透析回路、血液透析濾過回路、血液濾過回路、血
しょう分離回路、血しょう成分分離回路及び腹膜透析回
路、若しくは、生体内に薬液を注入する場合における生
体と薬液供給源とを結ぶ注入ライン及び注入回路等の医
療用回路内に所定の液を充填する場合において、前記医
療用回路に細菌及びエンドトキシン等の生体有害物を除
去することができる微粒子濾過フィルターを介装するこ
と、及び、前記医療用回路内に充填した所定の液を前記
医療用回路内で循環させることにより、(1)前記医療
用回路内を容易に自動洗浄することができ、(2)医療
用回路内の細菌及びエンドトキシン等の生体有害物を除
去することができ、(3)医療用回路に所定の液を充填
した後、この医療用回路を放置しても、医療用回路内の
生体有害物を除去することができ、(4)医療用回路に
所定の液を充填した後、医療用回路内で所定の液を保存
することができ、しかも自動的に医療用回路内の生体有
害物を除去することができ、(5)医療用回路に所定の
液を充填した後、医療用回路内で所定の液を保存するこ
とができるので所定の治療を開始するまでの時間的制約
がなく、(6)複数の医療用回路それぞれに予め所定の
液を充填する準備作業を行なうことができ、(7)使用
済みの医療用回路を容易に自動洗浄することができ、
(8)洗浄する医療用回路に応じて、所望の消毒液及び
洗浄液等の複数種の液を使用することができる。
【0156】また、前記医療用回路に介装した微粒子濾
過フィルターにおける流入口ポートに連結する流入側配
管の内径が、前記微粒子濾過フィルターにおける流入口
ポートに向かって縮径するように形成されてなることに
より、前記微粒子濾過フィルターに濾過された細菌及び
エンドトキシン等が流入側配管内に逆流して前記医療用
回路内に拡散することを防止することができる。
【0157】さらに、前記医療用回路全体、若しくは、
前記医療用回路に介装された前記微粒子濾過フィルター
を冷却手段により冷却することによって、前記医療用回
路内における細菌の増殖及びエンドトキシンの増加等を
防止することができ、前記医療用回路内に所定の液を長
時間保存することができる。
【0158】よって複数の前記医療用回路洗浄装置を採
用した場合、それぞれの前記医療用回路洗浄装置におけ
る前記医療用回路内に予め所定の液を充填する準備作業
を効率良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用回路洗浄装置及び医療
用回路洗浄方法の一実施例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の医療用回路洗浄装置の一実施
例を採用した治療方法の概略図である。
【図3】図3は、本発明の医療用回路洗浄装置及び医療
用回路洗浄方法の他の一実施例を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明の医療用回路洗浄装置の他の一
実施例を採用した治療方法の概略図である。
【図5】図5は、本発明の医療用回路洗浄装置及び医療
用回路洗浄方法の他の一実施例を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の医療用回路洗浄装置の他の一
実施例を採用した治療方法の概略図である。
【符号の説明】
1・・・薬液注入回路洗浄装置、2・・・薬液注入回
路、3・・・ローラポンプ、3a・・・吸引側入口、3
b・・・吐出側出口、4・・・薬液導入手段、5・・・
薬液排出手段、6・・・排出循環阻止手段、7・・・フ
ィルター、8・・・冷却手段、9・・・気泡除去装置、
10・・・チューブ、10a・・・吸引側チューブ、1
0b・・・吐出側チューブ、11・・・三方コック、1
2・・・導入チューブ、13・・・針型コネクタ、14
・・・薬液バッグ、15・・・ピンチコック、16・・
・三方コック、17・・・排出チューブ、18・・・排
出口、19・・・電磁弁、20・・・電磁弁、21・・
・コンピュータ、22・・・コネクタ、23・・・コネ
クタ、24・・・注入チューブ、25・・・被注入部
位、26・・・血液回路洗浄装置、27・・・血液回
路、28・・・ローラポンプ、28a・・・吸引側入
口、28b・・・吐出側出口、29・・・消毒液導入手
段、29a・・・三方コック、29b・・・導入チュー
ブ、29c・・・針型コネクタ、29d・・・消毒液バ
ッグ、29e・・・電磁弁、30・・・洗浄液導入手
段、30a・・・三方コック、30b・・・導入チュー
ブ、30c・・・針型コネクタ、30d・・・洗浄液バ
ッグ、30e・・・電磁弁、31・・・生理食塩水導入
手段、31a・・・三方コック、31b・・・導入チュ
ーブ、31c・・・針型コネクタ、31d・・・生理食
塩水バッグ、31e・・・電磁弁、32・・・液排出手
段、32a・・・三方コック、32b・・・排出チュー
ブ、32c・・・排出口、32d・・・電磁弁、33・
・・導入排出循環阻止手段、33a・・・電磁弁、34
・・・フィルター、34a・・・流入口ポート、34b
・・・流出口ポート、35・・・冷却手段、36・・・
ダイアライザ、36a・・・血液流入口、36b・・・
血液流出口、36c・・・透析液流入口、36d・・・
透析液流出口、37・・・気泡除去装置、38・・・チ
ューブ、38a・・・吸引側チューブ、38b・・・吐
出側チューブ、38c・・・流入側チューブ、38d・
・・流出側チューブ、39・・・コンピュータ、40・
・・コネクタ、41・・・コネクタ、42・・・注入カ
テーテル、43・・・注出カテーテル、44・・・被注
入部位、45・・・血液透析回路洗浄装置、46・・・
透析液回路洗浄装置、47・・・透析液回路、48・・
・ローラポンプ、48a・・・吸引側入口、48b・・
・吐出側出口、49・・・透析液導入手段、49a・・
・三方コック、49b・・・導入チューブ、49c・・
・針型コネクタ、49d・・・透析液バッグ、49e・
・・電磁弁、50・・・透析液排出手段、50a・・・
三方コック、50b・・・排出チューブ、50c・・・
排出口、50d・・・電磁弁、51・・・導入排出循環
阻止手段、51a・・・電磁弁、52・・・フィルタ
ー、53・・・冷却手段、54・・・気泡除去装置、5
5・・・チューブ、55a・・・吸引側チューブ、55
b・・・吐出側チューブ、55c・・・流入側チュー
ブ、55d・・・流出側チューブ、55e・・・連結チ
ューブ、56・・・コンピュータ、57・・・コネク
タ、58・・・コネクタ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液を循環させる配管を有する医療用回路
    と、 前記医療用回路に介装され、かつ前記医療用回路内の前
    記液を吸引し、前記液を吐出して強制的に前記医療用回
    路に沿って前記液を循環させるポンプと、 前記医療用回路における、前記ポンプの吸引側の配管に
    結合され、かつ前記医療用回路内に前記液を導入するこ
    とのできる液導入手段と、 前記医療用回路における、前記ポンプの吐出側の配管に
    結合され、かつ前記医療用回路内の前記液を排出するこ
    とのできる液排出手段と、 前記医療用回路内の前記液を循環させる場合には前記液
    排出手段による前記液の排出を阻止し、かつ前記医療用
    回路内の前記液を排出する場合には前記医療用回路内に
    おける前記液の循環を阻止することのできる排出循環阻
    止手段と、 前記医療用回路に着脱可能に介装され、かつ前記医療用
    回路に沿って前記液を循環させることにより前記医療用
    回路内の生体有害物を濾過することのできる微粒子濾過
    フィルターとを備えてなることを特徴とする医療用回路
    洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の液導入手段は、前
    記請求項1に記載の医療用回路に結合された導入管と、
    その導入管の末端に設けられた結合手段と、この結合手
    段に着脱自在に結合可能で、前記医療用回路に供給され
    る液を収容する液収容容器とを備えてなる前記請求項1
    に記載の医療用回路洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の液導入手段は、前
    記請求項1に記載の医療用回路にそれぞれ結合された複
    数の液導入管と、これらの液導入管それぞれの末端に設
    けられた結合手段と、これらの各結合手段に着脱自在に
    結合可能で、前記医療用回路に供給される液を収容する
    液収容容器とを備えてなる前記請求項1に記載の医療用
    回路洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載の微粒子濾過フィル
    ターは、その液流入側に縮径された配管を有してなる前
    記請求項1に記載の医療用回路洗浄装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載の液が、消毒液又は
    洗浄液である前記請求項1に記載の医療用回路洗浄装
    置。
  6. 【請求項6】 (1) 前記請求項1に記載の医療用回路洗
    浄装置における液導入手段により医療用回路に液を供給
    し、前記ポンプを駆動して医療用回路に沿って前記請求
    項1に記載の配管内に前記液を流通させ、前記排出循環
    阻止手段により前記医療用回路における前記液の循環を
    阻止しつつ前記医療用回路内の前記液を排出する工程、
    及び、(2) 前記液導入手段による医療用回路への前記液
    の供給を停止し、前記排出循環阻止手段により前記医療
    用回路における前記液の排出を阻止しつつ前記医療用回
    路内での前記液の循環を可能な状態にし、前記ポンプに
    より前記医療用回路中の前記液を循環させる工程を有す
    ることを特徴とする医療用回路洗浄方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載の液が、消毒液又は
    洗浄液である前記請求項6に記載の医療用回路洗浄方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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