JPH10153396A - 多板式熱交換器 - Google Patents

多板式熱交換器

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JPH10153396A
JPH10153396A JP31237796A JP31237796A JPH10153396A JP H10153396 A JPH10153396 A JP H10153396A JP 31237796 A JP31237796 A JP 31237796A JP 31237796 A JP31237796 A JP 31237796A JP H10153396 A JPH10153396 A JP H10153396A
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Taiji Sakai
耐事 坂井
Shinji Futamura
信地 二村
Tsutomu Wada
努 和田
Mitsuru Ishikawa
満 石川
Hidetaka Kayanuma
秀高 茅沼
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Toyo Radiator Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝達媒体が充分に攪拌されながら熱伝達面
全体に行き渡って貫流することにより高い熱伝達効率が
得られ、かつ構造簡単で製作容易な多板式熱交換器を提
供する。 【解決手段】 両面に凹凸加工を施した2枚の板状体
1、1を互に重ね合わせて素子9を形成し、この素子を
複数個重ね合わせて、各素子の内側の空間を一方の熱伝
達媒体の媒体通路12とし、各素子間の空間を他方の媒体
の媒体通路15とする。各板状体1は、両端部にそれぞれ
開口4を有し、該開口の周囲に、板状体1の一方の面に
おいては少くとも該面に施された凹凸の凹部と同じ深さ
まで凹入した平坦面5が、他方の面においては少くとも
該面に施された凹凸の凸部と同じ高さまで突出した平坦
面6が形成されている。このような板状体1、1を前記
一方の面を内側に他方の面を外側にして互いに重ね合わ
せて素子9を形成し、各素子9を前記突出した平坦面6
どうしを互いに当接させて順次結合することにより多板
式熱交換器を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面に凹凸加工を
施した2枚の板状体を互いに重ね合わせて形成した素子
を複数個重ね合わせ、各素子の内側の空間を熱伝達媒体
の一方を通過させるための通路とし、各素子間の空間を
他方の媒体を通過させるための通路とした多板式熱交換
器に関する。
【0002】
【従来技術】上記のような多板式熱交換器は従来周知で
あるが、従来の多板式熱交換器は、その各通路が扁平か
つ平行な形状であるため、該通路内を貫流する媒体の確
実なかきまぜを行うことができず、高い熱効率を得るこ
とができないので、これらの問題を解決するために、特
公昭56−52223号公報に記載されているような板
型熱交換装置が提案されている。
【0003】この板型熱交換装置は2つの熱伝達媒体が
平行に互いに反対方向に流れる向流型の熱交換器で、各
板の中央部に上記媒体の流れ方向と交叉する向きに直線
状に延びる多数の凹溝および突条が交互に配列形成さ
れ、これにより、各素子の内側および各素子の間に、媒
体の流れ方向に波形に蛇行しながら延びる通路が形成さ
れ、該通路に沿って媒体を流すことにより媒体が良好に
かきまぜられるようになされている。
【0004】各板の前記中央部の両側は、中央部の前記
波形に対し直角方向に延びる波形が形成された分配帯域
となっており、各板を重ね合わせることにより、該分配
帯域に前設各素子の内側の媒体通路に連通する通路と、
各素子間の媒体通路に連通する通路とが画成され、これ
らの通路がそれぞれ各媒体の流通回路に接続される。
【0005】
【解決しようとする課題】上記従来の板型熱交換装置に
おいては、各板に、媒体の流れの方向に沿って山部と谷
部を交互にくり返す中央領域の波形と、該波形とある角
度をもって交叉する方向の両端領域の波形とを形成しな
ければならないので、各板の加工が難しく高価となる。
【0006】しかも、1つの素子を形成する2枚の板は
形状を異にするので、上記のように複雑で加工の難しい
板を2種類製作しなければならず、コストがますます上
昇する。
【0007】さらに、各素子の内側を流れる媒体と各素
子間を流れる媒体とに対する外部の各媒体回路を、いず
れも両端の分配帯域においてそれぞれ対応する通路に連
通するように接続しなければならないので、その接続構
造が複雑になる。
【0008】また、前記中央部における通路の形状は、
媒体の流れの方向に関して縦断面においては波形パター
ンを有するが、媒体の流れの方向に関して横断面におい
ては扁平スロット形パターンを有するので、横断方向に
おける媒体のかきまぜは充分に行われない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に鑑みてなされたものであり、本発明の多板式熱交換器
は、両面に凹凸加工を施した2枚の板状体を互いに重ね
合わせて形成した素子を複数個重ね合わせ、各素子の内
側の空間を熱伝達媒体の一方を通過させるための通路と
し、各素子間の空間を他方の媒体を通過させるための通
路とした多板式熱交換器であって、前記各板状体は、両
端部にそれぞれ開口を有し、該開口の周囲に、該板状体
の一方の面においては少なくとも該面に施された前記凹
凸の凹部と同じ深さまで凹入した平坦面が、他方の面に
おいては少なくとも該面に施された前記凹凸の凸部と同
じ高さまで突出した平坦面が形成されており、かかる板
状体を前記一方の面を内側に他方の面を外側にして互い
に重ね合わせて前記素子を形成し、各素子を前記突出し
た平坦面どうしを互いに当接させて結合して構成されて
いる。
【0010】上記のように形成された2枚の板状体を上
記のように重ね合わせて形成された素子は、両端部に、
前記凹入した平坦面によって、両板部材の開口を通じて
外部に通ずるとともに、該素子の内側に形成される媒体
通路に連通する空所が形成され、一方の空所に導入した
媒体を該媒体通路を通じて他方の空所へ流し、該空所側
から導出することができる。しかしてこのような各素子
を外側の前記突出した平坦面どうしを当接させ結合して
多板式熱交換器を構成することにより、該熱交換器の両
端部に、前記空所を連ねた媒体導入通路と媒体導出通路
がそれぞれ形成される。
【0011】各素子を形成する板部材は比較的簡単な形
状を有し、しかも各板部材が同一形状のものでよいの
で、製作が容易で、コストも安くつく。また各素子の両
端部に形成された空所が連なって一方の熱伝達媒体の導
入、導出通路を形成するので、該媒体用のタンク等を設
ける必要がなく、部品点数を削減することができ、かつ
小型化が可能である。
【0012】各素子を形成する2枚の板状体を周縁に沿
って互いに密封することにより、各素子内の一方の媒体
用の通路を各素子間の他方の媒体用の通路から確実に区
画して、一方の媒体が他方の媒体側へ漏洩するのを防止
することができる。
【0013】板状体の他方の面上、すなわち各素子の外
側になる面上に間隔保持用突起を設けることにより、前
記他方の媒体の通路断面積を広げ、流動抵抗を減ずるこ
とができる。
【0014】上記本発明の多板式熱交換器においては、
さらに、前記開口を板状体の長手方向両端部に設け、前
記凹凸を、該板状体の面にプレス加工により形成され長
手方向に交互に等間隔に配列されてそれぞれ巾方向に延
びる平面形状波形の凹溝および突条により形成するのが
望ましい。
【0015】この板状体は形状が単純で製作が容易であ
る。また、前記平面形状波形の凹凸により充分な補強効
果が得られるので、肉厚を薄くして、軽量化ならびに熱
伝達率の向上を図ることができる。
【0016】上記板状体は、隣接する板状体の前記凹凸
の波形どうしが交叉するようにして順次重ね合わせるの
が良い。このようにすれば、素子内側の媒体通路および
各素子間の媒体通路を流れる各媒体は、交叉する波形の
凹凸パターンに影響されて、進行方向に対して左右に振
れながら、熱交換面全面に行き渡って流れるので、良好
な媒体かきまぜ効果ならびに熱伝達効率が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の多板式熱交換器
の基本的構成部材である板状体の一実施形態を示すもの
であり、該板状体1の一面A(以下A面と称する)の平
面図である。図2は同板状体1の中心線に沿う縦断面
図、図3は同板状体1の他方の面B(以下B面と称す
る)の平面図である。
【0018】板状体1の両面には、両端部を除いた中央
部の全面に波形の凹凸模様が形成されている。この凹凸
模様は、例えばA面側から凹溝2、2…をプレス加工す
ることにより形成されたものである。各凹溝2は板状体
1の巾方向に連続した波形の平面形状をなしており、こ
のような凹溝2が板状体1の長手方向に等間隔に配列さ
れており、隣接する凹溝2と2の間は同様に波形をなす
突条3となっている。
【0019】A面において凹溝2が形成されている部分
は、B面においては外側へ突出して凹溝2と同じ形状の
突条3bとなっており、A面における突条3に相当する
部分がB面においては凹溝2bとなっている。
【0020】板状体1の長手方向両端部には、それぞれ
開口4a,4bが打抜かれている。そしてこれらの開口
4a,4bの周囲部分は、前記凹溝2と同時のプレス加
工により、A面側においては凹入した平坦面5、B面側
においては突出した平坦面6に形成されている(図
2)。なお、突条3bの所々には、該突条3bよりさら
に僅かに突出した突起7が点状に設けられている。これ
らの突起7は、プレス加工によりA面側に凹溝2を形成
する時同時に形成される。平坦面5の凹入深さは前記凹
溝2の深さと同程度もしくはそれよりやや深くし、平坦
面6の突出高さは前記突起7と同じ高さとしてある。
【0021】板状体1の一方の端部の開口4a部分にお
いては、該開口4aの周縁に沿い、前記平坦面6からさ
らに突出した突出縁8が形成されているが、この点を除
けば、板状体1の両端部の形状は全く同一である。
【0022】本発明の多板式熱交換器は、上述したよう
な形状の唯一種類の板状体1を多数組み合わせて構成さ
れる。
【0023】先ず、2枚の板状体1を前記A面どうしが
互いに向い合うようにして重ね合わせることにより、上
記多板式熱交換器の素子9(図5)が形成されるが、こ
の時、図1に示す状態の板状体1に重ね合わせる他方の
板状体1は、図4に示すように図1とは左右を逆にした
状態として、両者を重ね合わせる。すなわち、一方の板
状体の開口4aが他方の板状体の開口4bに整合し、か
つ両板状体の前記A面どうしが向い合わせになるように
して両板状体1、1を重ね合わせる。
【0024】図1および図4をそれぞれ図の右側を上に
して見た場合、前記凹溝2は図1においてはM字状をな
し、図2においてはW字状をなしている。従って2枚の
板状体1、1を上記のようにして重ね合わせた場合、両
者の合わせ面において一方の板状体1の凹溝2と他方の
板状体1の凹溝2とは図6に示すように互いに交叉し、
また突条3どうしも互いに交叉する。図6において実線
1 は一方の板状体の凹溝、鎖線22 は他方の板状体の
凹溝を示す。
【0025】素子9を構成する2枚の板状体1、1は周
縁の平坦部10(図1、2)どうしを互いに当接させてろ
う付け等により密封される。このようにして周縁を密封
された素子の内側には、両端部において各板状体1の前
記凹入平坦面5が向い合うことにより、それぞれ空所1
1、11が形成されている。そしてこれら両端の空所11、1
1間に各板状体1の凹溝2により、両空所11、11に連通
する媒体通路12が形成され、一方の空所11から他方の空
所11へ該媒体通路12を通じて熱伝達媒体の一方が流れ
る。
【0026】図6は、媒体通路12内における媒体の流れ
を説明するための略図である。媒体は一方の空所11から
図示してない他方の空所11へ向って、全体的には点線矢
印aで示すように板状体1(素子9)の長手方向に並進
するが、局部的には互いに交叉する凹溝2に影響され、
例えば実線矢印a1 に示すように1つの凹溝21 に沿っ
て進行方向aに対し右方へ片寄りながら流れ、次いで他
方の板状体1の凹溝2 2 との交叉部13において、一部は
分岐して矢印a2 で示すように逆に左方へ片寄りながら
流れる等、板状体1の面全体に良好に行き渡りながらか
つ充分に攪拌されながら流れるので、該面を通ずる熱伝
達が高い効率で行われる。
【0027】上述したような素子9を多数重ね合わせて
組付けることにより、多板式熱交換器が形成されるが、
図7は互いに組付けられた隣接する2つの素子9を、図
5と同じ断面で示したものである。同図において上下の
素子9は、全く同じ形状のものであり、かつ同じ向きに
配置され、前記突出した外側の平坦面6どうしを当接さ
せて重ね合わされている。従って一方の素子9の開口4
の周縁に突出縁8を有する側の平坦面6は他方の素子9
の該突出縁8を有しない側の平坦面6に当接され、該他
方の素子9の開口4を一方の素子9の突出縁8に嵌合さ
せることにより、両素子9の位置決めが行われる。
【0028】このようにして組付けられた素子9、9間
には、周辺部に開口部14が形成され、両素子9間におい
て互いに当接する両端部の平坦面6、6間に形成される
媒体通路15がこの開口部14に連通している。組付けられ
た各素子9は、例えば、当接する平坦面6、6どうしを
ろう付けすることにより固結されており、かくして各素
子9の空所11が開口4を通じて液密に連通され、素子9
の内側の前記媒体通路12を流れる第1の媒体の導入通路
および導出通路を形成している。
【0029】前記素子9間の媒体通路15には前記開口部
14、特に板状体1の長辺の一つに沿う開口部14から第2
の媒体が導入され、媒体通路15内を板状体1の巾方向す
なわち前記素子9の内側における第1の媒体の流れ方向
に対して直角方向に流れ、両媒体間に熱伝達が行われ
る。媒体通路15においても、各素子9の互いに対向する
外側面にそれぞれ形成された前記凹溝2bどうしおよび
前記突条3bどうしが互いに交叉しており、媒体通路12
の互いに交叉する凹溝2および突条3について前述した
のと同じ媒体攪拌効果および熱伝達向上効果が得られ
る。
【0030】隣接する素子9どうしは、両端部において
平坦面6どうしが当接しているだけで、周囲は開口部14
となっているので、中央部において素子9がたわんで媒
体通路15の流路断面積が減少するのを防止するため、前
述のように突条3bの所々に間隔保持用の突起7が設け
られている。突起7は突条3bどうしの交叉部に設けら
れる。板状体1もしくは素子9の構造によっては、この
ような突起7を設けなくてもよいことは言うまでもな
い。
【0031】なお、図5および図7における媒体通路12
および媒体通路15の断面形状は、図1の切断線II−II線
に相当するものであるが、この断面形状は勿論切断線の
位置に応じて種々に変化する。
【0032】図8は、前述のようにして多数の板状体1
を重ね合わせて構成された熱交換器16を示す斜視図であ
る。図9はこの板状体1を吸収冷凍機の吸収器17に適用
した場合の形状を示す概略図で、図8にはこの場合にお
ける各媒体の流れを矢印で示してある。
【0033】周知のように、吸収器17には、蒸発器にお
いて蒸発しブラインを冷却して冷凍効果をあげ低圧ガス
となった冷媒蒸気が導入されるとともに(矢印A)、発
生器において冷媒を蒸発させて冷媒濃度が薄くなった吸
収液が配管18を経て導入される(矢印B)。
【0034】吸収器17内には熱交換器16が図示のように
配置されており、熱交換器16内に導入された上記冷媒蒸
気Aは、該熱交換器16の素子9、9間に形成された前記
開口部14の主として上方へ向って開口した部分から素子
9、9間の前記媒体通路15に入り、該媒体通路15内を下
方へ流下する。
【0035】配管18内に導入された上記吸収液Bは、ノ
ズル19を経て滴下もしくは噴霧され、前記開口部14に上
方から均等に散布され、媒体通路15内を下方へ流下す
る。媒体通路15においては、前述のように対向する両面
に形成された前記凹溝2bおよび突条3bが互いに交叉
しているので、媒体通路15内を流下する吸収液および前
記冷媒蒸気はこれらの凹溝2bおよび突条3bによって
充分に攪拌される。
【0036】さらに詳述すれば、吸収液は媒体通路15の
壁面に沿う液膜を形成しながら流下するが、前記突起7
により、該通路15内で向合っている突条3b間にはこれ
らの交叉部分においても、間隔が存在するので、上記の
ように壁面に沿う液膜となって流下する吸収液は交叉す
る突条3bによりあまり影響されない。一方、冷媒蒸気
の方は突条3bの影響を受けて攪拌され、また図6につ
いて前述したようにして左右へ偏倚しながら流下し、こ
れにより、上記液膜をなす吸収液の表面に攪拌作用を及
ぼす。さらに上記吸収液Bの主流は図3に点線B’で示
すように凹溝2bに沿って流れ、途中3箇所イ、ロ、ハ
で突条3bを乗り越え、この時吸収液自体が攪拌され
る。そしてこのような攪拌作用により、吸収液Bととも
に媒体通路15を流下する冷媒蒸気Aが該吸収液に良好に
吸収される。また、吸収液が媒体通路15の面全体に良好
に行き渡るとともに該面を良好に濡らし、熱伝達性能を
向上させる。
【0037】各素子9の内側に形成されている前記媒体
通路12には、上記吸収によって発生する吸収熱を除去す
るための冷却水Cが流される。前述のように、熱交換器
16の両端部には各素子9の空所11を液密に連ねた導入通
路20および導出通路21が形成されており、導入通路20に
流入した冷却水Cは次いで各素子9の媒体通路12に分配
されて該媒体通路12内を導出通路21側へ流れ、該導出通
路21から流出する。そしてこの間に媒体通路15を流れる
前記吸収液Bとの間に板状体1を介して熱交換が行われ
るが、冷却水Cも、図6について前述したように、凹溝
2および突条3によって充分に攪拌されながら、かつ熱
交換面全体に良好に行き渡って流れるので、乱流効果と
大きな熱伝達面積の確保とにより、媒体通路15側の吸収
液Bとの間に良好な熱伝達効率をもって熱交換が行われ
る。
【0038】かくして素子9間の媒体通路15内で冷媒蒸
気を吸収した冷媒濃度の濃い吸収液B’は、吸収器17の
底部に溜り、ここから図示していないポンプにより発生
器へ送られる。
【0039】上記熱交換器16は、素子9の数を増減する
ことにより所定の要求性能に容易に対応することがで
き、また各板状体1に波形の凹溝2、突条3が形成され
かつ隣接する板状体1の該波形が互いに交叉しているの
で、全体として高い剛性ならびに耐圧性を有している。
さらに、両端部に各素子9の空所11を連ねてそれぞれ導
入通路20および導出通路21が形成されているので、冷却
水のためのタンクもしくはジャケットが不要となり、構
造が簡単である。
【0040】本発明による熱交換器16は、以上のよう
に、吸収冷凍機の吸収器に適用して優れた効果を得るこ
とができるが、熱交換器16の適用分野はもちろん吸収器
に限られるものではなく、その他種々の装置において熱
交換器として用いることができ、例えば同様な冷凍吸収
器において蒸発器または凝縮器に適用することもでき
る。
【0041】前記熱交換器16を蒸発器に使用する場合に
は、素子9内の媒体通路12には導入通路20から導出通路
21へ向けてブラインを流通させ、素子9間の媒体通路15
には、凝縮器で凝縮し膨張弁で減圧された冷媒液を、前
記吸収器における吸収液Bのように、上方から滴下また
は噴霧し、この冷媒液が前記ブラインから蒸発熱を奪う
ことにより該ブラインを冷却する。冷媒液の蒸発により
媒体通路15内で発生して上昇して来る冷媒蒸気は吸収器
に導かれる。
【0042】熱交換器16を凝縮器に使用する場合には、
素子9内の媒体通路12に冷却水を通し、素子9間の媒体
通路15には、発生器からの高温高圧の冷媒蒸気を上方か
ら通して、前記冷却水により冷却、凝縮させ、凝縮液を
下側から取り出すようにすればよい。
【0043】また、熱交換器16を、凝縮器からの冷媒液
を蒸発器からの低温の冷媒蒸気により予冷して冷凍機の
成績係数を向上させ、また付加的に蒸発器からの湿り蒸
気を乾き蒸気とし湿り分の無効冷媒を無くすための過冷
却器として使用することもできる。この場合には、素子
9内の媒体通路12に上記冷媒液を通し、素子9間の媒体
通路15に上記冷媒蒸気を通せばよい。
【0044】図10は、本発明の他の実施形態を示す図
8と同様な斜視図である。図10の熱交換器22の基本構
造は前記のものと同じであるが、これを構成している各
板状体23の形状が前記板状体1の形状と相違している。
すなわち板状体23においては板状体1と同様な一連の凹
溝24および突条25が2列に設けられ、かつこれらの列が
上下方向に指向しており、従って前記開口4に相当する
開口は熱交換器22の上下の両端部に設けられている。し
かして下端部においては各列について1つずつ2つの開
口26a、26bが設けられているが、上端部においては各
列にまたがって1つの開口26cが設けられている。
【0045】板状体23は前記板状体1の平坦部10と同様
な周縁に沿う平坦部27を有するとともに、凹溝24、突条
25の各列の間にも平坦部27aを有している。従って2枚
の板状体23をこれらの平坦部27、27aで当接させて形成
された各素子の内側には、互いに当接する中央の平坦部
27aによって分離された左右2つの媒体通路28a、28b
が形成されており、これらの流体通路は下端において前
記開口26aおよび開口26bにそれぞれ接続するととも
に、上端においては開口26cにより互いに連結されてい
る。
【0046】この熱交換器22を前記と同様な吸収器用の
熱交換器として使用する場合には、冷却水cを開口26a
側から素子内に導き、媒体通路28a、開口26cおよび媒
体通路28bを経て開口26b側から流出させる。吸収液B
は前記実施形態と同様に各素子間の媒体通路に上方から
散布されるが、本実施形態においては図示のように各素
子すなわち板状体23が長手方向を上下方向にして配置さ
れ、熱交換器の上面面積が前記実施形態におけるより小
さく、従って吸収液散布面積が減少するので、例えばス
プレー散布の場合スプレーチツプの個数が少なくてす
む。冷媒蒸気Aは図示のように熱交換器22の3面から各
素子間の媒体通路に流入させ、このようにして蒸気圧損
を低減できる。
【0047】この熱交換器22も、前記熱交換器16と同様
に、吸収器としてだけではなく、蒸発器、凝縮器、過冷
却器等としても使用できることは言うまでもない。
【0048】上記各実施形態においては、各凹溝および
突条がそれぞれ2つの山形を連結したWまたはM字状を
なしているが、これらを1つの山形からなるV字状の凹
溝および突条としてもよい。
【0049】また、図11に示すような形状の凹溝およ
び突条を板状体に形成してもよい。図11は板状体1の
素子の外側になる面を示す平面図で、前記図3の各部に
対応する部分に同じ参照符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における板状体の一面を一
部切断して示した平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図である。
【図3】板状体の他の面を示す図1と同様な平面図であ
る。
【図4】図1の板状体を左右逆にして同じ面を示した平
面図である。
【図5】2枚の板状体を重ね合わせて形成した素子の図
2と同様な断面図である。
【図6】前記2枚の板状体の素子内側の面にそれぞれ形
成された凹溝および突条の配置関係を示す図である。
【図7】互いに重ね合わされて隣接する素子を図2と同
様な断面に沿って切断して示した断面図である。
【図8】熱交換器の全体斜視図である。
【図9】上記熱交換器を吸収冷凍機の吸収器に適用した
場合の形態を示す概略図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示す図8と同様な斜
視図である。
【図11】板部材に施す凹凸形状の他の例を示す平面図
である。
【符号の説明】
1…板状体、2…凹溝、3…突条、4…開口、5…平坦
面、6…平坦面、7…突起、8…突出縁、9…素子、10
…平坦部、11…空所、12…媒体通路、13…交叉部、14…
開口部、15…媒体通路、16…熱交換器、17…吸収器、18
…配管、19…ノズル、20…導入通路、21…導出通路、22
…熱交換器、23…板状体、24…凹溝、25…突条、26…開
口、27…平坦部、28…媒体通路。
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】図10は、本発明の他の実施形態を示す図
8と同様な斜視図である。図10の熱交換器22の基本
構造は前記のものと同じであるが、これを構成している
各板状体23の形状が前記板状体1の形状と相違してい
る。すなわち板状体23においては板状体1と同様な一
連の凹溝24および突条25が2列に設けられ、かつこ
れらの列が上下方向に指向しており、従って前記開口4
に相当する開口として、下端部において各列について1
つずつ2つの開口26a、26bが設けられている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 努 東京都渋谷区代々木3丁目25番3号 東洋 ラジエーター株式会社内 (72)発明者 石川 満 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 茅沼 秀高 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面に凹凸加工を施した2枚の板状体を
    互いに重ね合わせて形成した素子を複数個重ね合わせ、
    各素子の内側の空間を熱伝達媒体の一方を通過させるた
    めの通路とし、各素子間の空間を他方の媒体を通過させ
    るための通路とした多板式熱交換器において、前記各板
    状体は、両端部にそれぞれ開口を有し、該開口の周囲
    に、該板状体の一方の面においては少なくとも該面に施
    された前記凹凸の凹部と同じ深さまで凹入した平坦面
    が、他方の面においては少なくとも該面に施された前記
    凹凸の凸部と同じ高さまで突出した平坦面が形成されて
    おり、かかる板状体を前記一方の面を内側に他方の面を
    外側にして互いに重ね合わせて前記素子を形成し、各素
    子を前記突出した平坦面どうしを互いに当接させて結合
    したことを特徴とする多板式熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記素子を形成する2枚の板状体はその
    周縁に沿って互いに密封されている請求項1の多板式熱
    交換器。
  3. 【請求項3】 前記板状体の前記他方の面上に間隔保持
    用突起が設けられている請求項1または2の多板式熱交
    換器。
  4. 【請求項4】 前記開口が板状体の長手方向両端部に設
    けられ、前記凹凸が、該板状体の面にプレス加工により
    形成され長手方向に交互に等間隔に配列されてそれぞれ
    巾方向に延びる平面形状波形の凹溝および突条により形
    成されている請求項1、2または3の多板式熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記板状体を、隣接する板状体の前記凹
    凸の波形どうしが交叉するようにして順次重ね合わせた
    請求項4の多板式熱交換器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007263472A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Univ Of Tokyo マイクロ熱交換器およびその製造方法
KR100955332B1 (ko) * 2002-07-18 2010-04-30 한라공조주식회사 적층형 열교환기, 이 적층형 열교환기의 플레이트 제조방법
JP2012516990A (ja) * 2009-02-04 2012-07-26 アルファ ラヴァル コーポレイト アクチボラゲット プレート式熱交換器
JP2016070558A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 国立大学法人 東京大学 熱交換器
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