JPH1014820A - 着座検知装置と衛生洗浄装置 - Google Patents

着座検知装置と衛生洗浄装置

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Publication number
JPH1014820A
JPH1014820A JP19560196A JP19560196A JPH1014820A JP H1014820 A JPH1014820 A JP H1014820A JP 19560196 A JP19560196 A JP 19560196A JP 19560196 A JP19560196 A JP 19560196A JP H1014820 A JPH1014820 A JP H1014820A
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JP
Japan
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toilet seat
switch
drive shaft
seated
valve body
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Application number
JP19560196A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Shinohara
邦彰 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着座動作をインターロックとして手動にて洗
浄水吐水を行なう。 【解決手段】 ラック40は、便座16に使用者が着座
した着座状態では、便座16と共に押し下げられ、この
ラック40に噛み合っているピニオン42は、時計回り
方向Bの方向に回転する。係合円盤44は、ピニオン4
2と一体になって回転するので、係合爪54a,54b
は、それまで係合していたフランジ52の係合片53
a,53bから離れる。よって、便座16への着座によ
り、係合爪54a,54bと係合片53a,53bとの
係合が解かれ、フランジ52と一体の中央シャフト48
は、角度θの範囲で回転可能となり、この中央シャフト
48に固定されたハンドルは、回転操作が可能となる。
中央シャフト48は、洗浄水吐水の流量調整弁の弁体に
固定されているので、着座状態に限ってハンドル操作を
通した洗浄水吐水ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洋式便器の便座へ
の着座を検出する着座検知装置と、人体局部を洗浄する
洗浄機構若しくは人体局部を乾燥させる乾燥機構を有す
る衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の着座検知装置は、人体局
部を洗浄したり乾燥したりする衛生洗浄装置におけるイ
ンターロックに用いられている。具体的に説明すると、
着座検知装置により着座が検知されていない場合には、
洗浄水吐水スイッチがオンされたり温風乾燥スイッチが
オンされても洗浄水吐水や温風吹き出しが実行されない
ようにされている。
【0003】ところで、この着座検知装置としては、種
々のものが用いられており、使用者が便座に着座するこ
とで便座に起きる変位を光学的に検知するタイプや、電
気的に検知するタイプがある。前者のタイプのものは、
便座を便器本体から持ち上げておき着座による便座と便
器本体との間の間隔の変化を、反射型或いは透過型の光
センサで検出し、この光センサにより着座を検知する。
また、後者のタイプのものは、便座に使用者が着座する
ことで起きる便座での静電容量の変化を検出し、検出し
た静電容量変化により着座を検知する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の着座検知装置では、次のような問題点が指摘さ
れている。
【0005】反射型或いは透過型の光センサを用いたも
のでは、塵やほこり等の付着により光量が変化すると感
度が低下したり、部屋の照度や温度の依存性が強く、着
座検知の信頼性に欠ける。よって、信頼性の維持のため
には、光センサの定期的な掃除を必要としたり、照度や
温度による感知距離のバラツキが大きい等の不具合があ
った。また、静電容量の変化を通して着座を検知するも
のでは、人体の有する静電容量自体に個人差があるた
め、やはり着座検知の信頼性に欠ける。
【0006】また、これら着座検知装置をインターロッ
クとして用いた衛生洗浄装置では、着座検知装置が電気
回路の接点を開閉するよう当該電気回路に組み込まれて
いたり、着座検知装置からの着座信号の入力があればそ
れ以降の種々のスイッチ(例えば洗浄水吐水スイッチ)
が有効に機能するよう電子制御装置を用いて構成されて
いる。このため、用いる光センサ等のデバイスに起きた
故障,断線等の電気的な不具合により着座検知装置が機
能しない場合には、着座動作を検知できず衛生洗浄装置
を用いることができない。
【0007】ところで、熱帯や亜熱帯の地域では、洗浄
水吐水を通した人体局部の洗浄だけでよく人体局部を強
制的に乾燥させる必要がない場合がある。このような場
合に、洗浄水吐水のオン/オフ並びにその流量調整を手
動で行なえるよう構成すれば、着座検知装置が機能しな
い場合であっても衛生洗浄装置を使用できる。しかし、
便座に着座していない場合にも洗浄水吐水が行なわれて
しまい、着座動作を洗浄水吐水のインターロックとして
用いることができない。なお、手動での洗浄水吐水を可
能とした衛生洗浄装置であれば、熱帯や亜熱帯の地域に
限らず、他の地域でも上記した問題がある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、便座への着座の検知の信頼性を向上させることを
第1の目的とする。また、着座動作をインターロックと
して用いる新たな衛生洗浄装置を提供することを第2の
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、第1の発明の着座検知装置
は、洋式便器の便座への着座を検出する着座検知装置で
あって、前記便座に上向きの付勢力を及ぼし、前記便座
を、便器本体上面から持ち上げて保持する保持手段と、
前記便座への着座時に前記便座と共に前記付勢力に抗し
て押し下げられるラックと、回転自在に軸支され、前記
ラックに噛み合うピニオンと、を備える。
【0010】上記構成を有する第1の発明の着座検知装
置では、便座に使用者が着座すると、保持手段の付勢力
を受けて便器本体上面から持ち上げて保持されている便
座は、この付勢力に抗して押し下げられる。この際、ラ
ックもこの便座と共に押し下げられるので、ラックに噛
み合っているピニオンは、使用者の着座により所定方向
に回転する。また、着座した使用者が便座から離れれ
ば、便座並びにラックは、保持手段の付勢力を受けて便
器本体上面から持ち上げられ、ピニオンは逆向きに回
転、即ち反転し元の状態に復帰する。つまり、便座への
着座がピニオンの回転位置の変化として表われるため
に、このピニオンの回転位置の変化を通して着座の有無
を検知できる。よって、この第1の発明の着座検知装置
によれば、ラックとピニオンの噛み合わせを確保するだ
けで、便座への着座を高い信頼性で検知することができ
る。
【0011】上記の構成を有する第1の発明の着座検知
装置において、前記ピニオンの回転に伴って、前記便座
が非着座状態であることを示す第1の状態と、前記便座
が着座状態であることを示す第2の状態とを選択的に取
る状態指示手段を有するものとすることができる。
【0012】この構成の着座検知装置によれば、便座が
非着座状態であるときと着座状態であるときとで、状態
指示手段が異なる状態を選択的に取るので、この状態指
示手段の取った状態で着座の有無を高い信頼性で検知す
ることができる。
【0013】上記の着座検知装置において、前記状態指
示手段が前記第2の状態を取ったときに、着座信号を出
力する出力手段を有するものとすることができる。
【0014】この構成の着座検知装置では、便座が着座
状態となって状態指示手段が前記第2の状態を取ると、
出力手段から着座信号が出力されるので、この着座信号
を用いて他の制御機器を駆動制御することができる。こ
の場合、出力手段としては、ピニオンの回転によりオン
する回転スイッチやピニオンの歯の回転状態を直接検出
する電磁ピックアップ,ピニオンの回転に伴って回転す
る他の回転体の回転状態を検出するデバイス(電磁ピッ
クアップや近接スイッチ等)を例示することができる。
なお、ピニオンの歯の回転状態を電磁ピックアップで直
接検出する場合には、電磁ピックアップで得られたパス
ル数を計数し、所定パルス数となった場合に着座信号が
出力されるようにすればよい。
【0015】第2の発明の衛生洗浄装置は、人体局部に
洗浄水を吐水して該人体局部を洗浄する洗浄機構を有す
る衛生洗浄装置であって、洋式便器の便器本体上面に装
着される便座と、該便座に上向きの付勢力を及ぼし、前
記便座を、便器本体上面から持ち上げて保持する保持手
段と、前記便座への着座時に前記便座と共に前記付勢力
に抗して押し下げられるラックと、回転自在に軸支さ
れ、前記ラックに噛み合うピニオンと、前記洗浄機構に
おいて洗浄水流量を調整する弁体と連結され、該弁体を
駆動する弁体駆動シャフトと、前記ピニオンと一体に回
転するよう設けられ、前記便座が前記便器本体上面から
持ち上げられて保持されているときの初期位置と、前記
便座への着座時に前記ピニオンと一体に回転した回転位
置とを取る第1ピニオン回転体とを有し、該第1ピニオ
ン回転体は、前記初期位置にある場合に前記弁体駆動シ
ャフトと係合して、前記弁体が全閉位置を維持するよう
前記弁体駆動シャフトの動作を規制する規制手段と、前
記初期位置から前記回転位置に回転すると前記規制手段
の規制を解き、前記弁体が開位置に駆動するように前記
弁体駆動シャフトの動作を許容する許容手段とを有す
る。
【0016】上記構成を有する第2の発明の衛生洗浄装
置では、便座に使用者が着座すると、保持手段の付勢力
を受ける便座とラックは、この付勢力に抗して押し下げ
られる。よって、ラックに噛み合っているピニオンは、
使用者の着座により所定方向に回転する。また、使用者
が便座から離れれば、便座並びにラックは、保持手段の
付勢力を受けて便器本体上面から持ち上げられ、ピニオ
ンは逆向きに回転、即ち反転し元の状態に復帰する。
【0017】このように回転するピニオンには、これと
一体に回転するよう第1ピニオン回転体が設けられてお
り、この第1ピニオン回転体は、便座に使用者が着座し
ておらず便座が便器本体上面から持ち上げられて保持さ
れているときには、初期位置にあって弁体駆動シャフト
と係合しこの弁体駆動シャフトの動作を規制する。この
ため、未着座の場合には、弁体駆動シャフトは動作しな
いことから、洗浄機構において洗浄水流量を調整する弁
体は全閉位置、即ち流量ゼロの位置を維持する。よっ
て、未着座の場合には、洗浄水が吐水されることはな
い。
【0018】その一方、使用者の着座によるピニオンの
回転を通して第1ピニオン回転体が初期位置から回転位
置に回転すると、この第1ピニオン回転体は、弁体駆動
シャフトの動作規制を解き、弁体駆動シャフトの動作を
許容する。この場合、弁体駆動シャフトの動作は、洗浄
水流量調整のための弁体が開位置、即ち流量増大の側に
駆動するよう許容されるので、弁体駆動シャフトが動作
すると、このシャフトが連結された弁体も当該シャフト
の動作に応じて駆動する。このため、弁体の駆動に応じ
た量の洗浄水が洗浄機構から吐水され、人体局部が洗浄
される。つまり、便座に使用者が着座した場合に限っ
て、弁体駆動シャフト並びに弁体の駆動を通した洗浄水
吐水とその流量調整が可能となる。このため、第2の発
明の衛生洗浄装置によれば、便座への着座動作をインタ
ーロックとして人体局部を洗浄水にて洗浄することがで
きる。
【0019】また、この第2の発明の衛生洗浄装置で
は、便座への着座動作をインターロックとして用いるに
当たり、第1ピニオン回転体と弁体駆動シャフトとの係
合を通した弁体駆動シャフトの動作規制とこの規制の解
除並びに弁体駆動シャフトの動作の許容とを行なうに過
ぎない。よって、着座の電気的な検知手法を要しないの
で、電気的な機器構成が不要となり、その組み付け工数
の低減並びにコスト低減を図ることができる。また、着
座検知に関しての電気的な不具合は起きないので、この
第2の発明の衛生洗浄装置によれば、便座への着座動作
を確実なインターロックとして人体局部を洗浄水で洗浄
することができる。
【0020】上記の構成を有する第2の発明の衛生洗浄
装置において、前記第1ピニオン回転体は、前記弁体駆
動シャフトが動作して前記弁体を開位置の側に駆動させ
ていると、前記回転位置から前記初期位置に反転する際
に前記弁体駆動シャフトと係合して、前記弁体が前記開
位置から全閉位置に駆動するように前記弁体駆動シャフ
トを逆に動作させる反転手段を有するものとすることが
できる。
【0021】この構成の衛生洗浄装置では、着座した使
用者が便座から離れれば、便座並びにラックは、保持手
段の付勢力を受けて便器本体上面から持ち上げられて、
ピニオンは反転して元の状態に復帰し、第1ピニオン回
転体も回転位置から初期位置に反転する。この際、弁体
駆動シャフトが動作して弁体を流量増大の側に駆動させ
ていると、第1ピニオン回転体はこの弁体駆動シャフト
と係合する。そして、弁体駆動シャフトと係合した第1
ピニオン回転体は、弁体駆動シャフトを逆に動作させ
て、弁体を開位置(流量増大)から全閉位置(流量ゼ
ロ)に駆動させる。このため、使用者が便座から離れる
と、それまでなされていた人体局部の洗浄水吐水を停止
することができる。
【0022】上記のいずれかの構成を有する第2の発明
の衛生洗浄装置において、前記弁体駆動シャフトは、前
記ピニオンを回転自在に軸支してなるものとすることが
できる。
【0023】この構成の衛生洗浄装置では、弁体駆動シ
ャフトとピニオンとの同軸配置を通して、省スペース化
を図ることができる。
【0024】第3の発明の衛生洗浄装置は、吐水された
洗浄水で濡れた人体局部を乾燥させる乾燥機構を有する
衛生洗浄装置であって、洋式便器の便器本体上面に装着
される便座と、該便座に上向きの付勢力を及ぼし、前記
便座を、便器本体上面から持ち上げて保持する保持手段
と、前記便座への着座時に前記便座と共に前記付勢力に
抗して押し下げられるラックと、回転自在に軸支され、
前記ラックに噛み合うピニオンと、前記乾燥機構におけ
るオン/オフスイッチと連結され、該スイッチにおける
オン位置とオフ位置との切り換えを行なうスイッチ駆動
シャフトと、前記ピニオンと一体に回転するよう設けら
れ、前記便座が前記便器本体上面から持ち上げられて保
持されているときの初期位置と、前記便座への着座時に
前記ピニオンと一体に回転した回転位置とを取る第2ピ
ニオン回転体とを有し、該第2ピニオン回転体は、前記
初期位置にある場合に前記スイッチ駆動シャフトと係合
して、前記スイッチがオフ位置を維持するよう前記スイ
ッチ駆動シャフトの動作を規制する規制手段と、前記初
期位置から前記回転位置に回転すると前記規制手段の規
制を解き、前記スイッチがオン位置に切り換えられるよ
うに前記スイッチ駆動シャフトの動作転を許容する許容
手段とを有する。
【0025】上記構成を有する第3の発明の衛生洗浄装
置では、便座に使用者が着座すると、保持手段の付勢力
を受ける便座とラックは、この付勢力に抗して押し下げ
られる。よって、ラックに噛み合っているピニオンは、
使用者の着座により所定方向に回転する。また、使用者
が便座から離れれば、便座並びにラックは、保持手段の
付勢力を受けて便器本体上面から持ち上げられ、ピニオ
ンは反転して元の状態に復帰する。
【0026】このように回転するピニオンには、これと
一体に回転するよう第2ピニオン回転体が設けられてお
り、この第2ピニオン回転体は、便座に使用者が着座し
ておらず便座が便器本体上面から持ち上げられて保持さ
れているときには、初期位置にあってスイッチ駆動シャ
フトと係合しこのスイッチ駆動シャフトの動作を規制す
る。このため、未着座の場合には、スイッチ駆動シャフ
トは動作しないことから、乾燥機構におけるオン/オフ
スイッチはオフ位置を維持する。よって、未着座の場合
には、人体局部の乾燥が行なわれることはない。
【0027】その一方、使用者の着座によるピニオンの
回転を通して第2ピニオン回転体が初期位置から回転位
置に回転すると、この第2ピニオン回転体は、スイッチ
駆動シャフトの動作規制を解き、スイッチ駆動シャフト
の動作を許容する。この場合、スイッチ駆動シャフトの
動作は、オン/オフスイッチがオン位置に切り換えられ
るよう許容されるので、スイッチ駆動シャフトが動作す
ると、このシャフトが連結されたオン/オフスイッチも
当該シャフトの動作に応じて切り換えられる。このた
め、オン/オフスイッチの切り換え位置に応じて乾燥機
構がオン或いはオフされ、人体局部の乾燥が実行され
る。つまり、便座に使用者が着座した場合に限って、ス
イッチ駆動シャフトの動作並びにオン/オフスイッチの
切り換えを通した人体局部の乾燥が可能となる。よっ
て、第3の発明の衛生洗浄装置によれば、便座への着座
動作をインターロックとして人体局部を乾燥させること
ができる。
【0028】また、この第3の発明の衛生洗浄装置であ
っても、第2ピニオン回転体とスイッチ駆動シャフトと
の係合を通したスイッチ駆動シャフトの動作規制とこの
規制の解除並びにスイッチ駆動シャフトの動作の許容と
を行なうに過ぎず、着座の電気的な検知手法を要しな
い。よって、電気的な機器構成が不要となるため組み付
け工数の低減並びにコスト低減を図ることができると共
に、着座検知に関しての電気的な不具合は起きないの
で、便座への着座動作を確実なインターロックとして人
体局部を乾燥させることができる。
【0029】上記の構成を有する第3の発明の衛生洗浄
装置において、前記第2ピニオン回転体は、前記スイッ
チ駆動シャフトが動作して前記スイッチをオン位置の側
に切り換えていると、前記回転位置から前記初期位置に
反転する際に前記スイッチ駆動シャフトと係合して、前
記スイッチがオン位置からオフ位置に切り換えられるよ
うに前記スイッチ駆動シャフトを逆に動作させる反転手
段を有するものとすることができる。
【0030】この構成の衛生洗浄装置では、着座した使
用者が便座から離れれば、便座並びにラックは、保持手
段の付勢力を受けて便器本体上面から持ち上げられて、
ピニオンは反転して元の状態に復帰し、第2ピニオン回
転体も回転位置から初期位置に反転する。この際、スイ
ッチ駆動シャフトが動作してオン/オフスイッチをオン
位置の側に切り換えていると、第2ピニオン回転体はこ
のスイッチ駆動シャフトと係合する。そして、スイッチ
駆動シャフトと係合した第2ピニオン回転体は、スイッ
チ駆動シャフトを逆に動作させて、オン/オフスイッチ
をオン位置からオフ位置に切り換える。このため、使用
者が便座から離れると、それまでなされていた人体局部
の乾燥を停止することができる。
【0031】上記のいずれかの構成を有する第3の発明
の衛生洗浄装置において、前記スイッチ駆動シャフト
は、前記ピニオンを回転自在に軸支してなるものとする
ことができる。
【0032】この構成の衛生洗浄装置では、スイッチ駆
動シャフトとピニオンとの同軸配置を通して、省スペー
ス化を図ることができる。
【0033】なお、上記したそれぞれの発明において、
付勢力を及ぼして便座を便器本体上面から持ち上げるに
当たっては、便座全体を持ち上げる必要はなく、便座の
適宜な箇所が便器本体上面から持ち上げられていればよ
い。そして、便座への使用者の着座を通して、この適宜
な箇所で便座が押し下げられればよい。
【0034】第4の発明の着座検知装置は、使用者の着
座時と非着座時で上下移動自在に配設された便座と、使
用者の体重によって生じる便座の上下の移動力を回転運
動に変換する変換手段と、該変換手段により変換された
回転に伴って、前記便座が非着座状態であることを示す
第1の状態と、前記便座が着座状態であることを示す第
2の状態とを選択的に取る状態指示手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0035】上記構成を有する第4の発明の着座検知装
置では、便座に使用者が着座すると、上下動自在に配設
された便座は、使用者の体重を受け下方に移動する。こ
の際、便座に加わる力(下方への移動力)は、変換手段
により回転運動に変換され、所定方向の回転が起きる。
そして、この回転に伴って、状態指示手段は、便座が着
座状態であることを示す第2の状態を選択的に取る。そ
の一方、着座した使用者が便座から離れれば、便座は、
体重による力が解除されて上方に移動し、変換手段では
逆向きの回転に変換される。そして、状態指示手段は、
この逆向きの回転に伴って、便座が非着座状態であるこ
とを示す第1の状態を選択的に取る。このため、第4の
発明の着座検知装置によれば、変換手段による回転運動
への変換を確保するだけで、便座への着座を、状態指示
手段が選択的に取った状態を通して高い信頼性で検知す
ることができる。
【0036】第5の発明の衛生洗浄装置は、人体局部に
洗浄水を吐水して該人体局部を洗浄する洗浄機構を有す
る衛生洗浄装置であって、洋式便器の便器本体上面に装
着され、使用者の着座時と非着座時で上下移動自在な便
座と、使用者の体重によって生じる便座の上下の移動力
を回転運動に変換し、非着座時に前記便座が上方位置で
保持されているときの第1の位置と、着座時に前記便座
が下方位置で保持されているときの第2の位置とを取る
変換手段と、前記洗浄機構において洗浄水流量を調整す
る弁体と連結され、該弁体を駆動する弁体駆動シャフト
と、を備え、前記変換手段は、前記第1の位置にある場
合に前記弁体駆動シャフトと係合して、前記弁体が全閉
位置を維持するように前記弁体駆動シャフトの動作を規
制する規制手段と、前記第1の位置から前記第2の位置
に変位すると前記規制手段の規制を解き、前記弁体が開
位置に駆動するように前記弁体駆動シャフトの動作を許
容する許容手段とを備えたことを特徴とする。
【0037】上記構成を有する第5の発明の衛生洗浄装
置では、便座に使用者が着座すると、着座時と非着座時
とで上下動自在の便座は、使用者の体重を受け下方に移
動しこの下方位置で保持される。この際、便座に加わる
力は、変換手段により回転運動に変換されて所定方向の
回転運動が起き、変換手段は、第2の位置を取る。ま
た、使用者が便座から離れれば、便座は、体重による力
が解除されて上方に移動しその上方位置で保持される。
この際、変換手段は、逆向きの回転を起こすと共に、第
1の位置に復帰する。
【0038】このように回転運動を引き起こす変換手段
は、便座に使用者が着座しておらず第1の位置にあると
きには、弁体駆動シャフトと係合しこの弁体駆動シャフ
トの動作を規制する。このため、未着座の場合には、弁
体駆動シャフトは動作しないことから、洗浄機構におい
て洗浄水流量を調整する弁体は全閉位置、即ち流量ゼロ
の位置を維持する。よって、未着座の場合には、洗浄水
が吐水されることはない。
【0039】その一方、使用者の着座により変換手段が
第1の位置から第2の位置にその回転を通して変化する
と、この変換手段は、弁体駆動シャフトの動作規制を解
き、弁体駆動シャフトの動作を許容する。この場合、弁
体駆動シャフトの動作は、洗浄水流量調整のための弁体
が開位置、即ち流量増大の側に駆動するよう許容される
ので、弁体駆動シャフトが動作すると、このシャフトが
連結された弁体も当該シャフトの動作に応じて駆動す
る。このため、弁体の駆動に応じた量の洗浄水が洗浄機
構から吐水され、人体局部が洗浄される。つまり、便座
に使用者が着座した場合に限って、弁体駆動シャフト並
びに弁体の駆動を通した洗浄水吐水とその流量調整が可
能となる。このため、第5の発明の衛生洗浄装置によれ
ば、便座への着座動作をインターロックとして人体局部
を洗浄水にて洗浄することができる。
【0040】また、この第5の発明の衛生洗浄装置で
は、便座への着座動作をインターロックとして用いるに
当たり、変換手段と弁体駆動シャフトとの係合を通した
弁体駆動シャフトの動作規制とこの規制の解除並びに弁
体駆動シャフトの動作の許容とを行なうに過ぎない。よ
って、着座の電気的な検知手法を要しないので、電気的
な機器構成が不要となり、その組み付け工数の低減並び
にコスト低減を図ることができる。また、着座検知に関
しての電気的な不具合は起きないので、この第5の発明
の衛生洗浄装置によれば、便座への着座動作を確実なイ
ンターロックとして人体局部を洗浄水で洗浄することが
できる。
【0041】上記の構成の第5の発明の衛生洗浄装置に
おいて、前記変換手段は、前記弁体駆動シャフトが動作
して前記弁体を開位置の側に駆動させていると、前記第
2の位置から前記第1の位置に反転する際に前記弁体駆
動シャフトと係合して、前記弁体が前記開位置から前記
閉位置に駆動するように前記弁体駆動シャフトを逆に動
作させる反転手段と、を備えるものとすることができ
る。
【0042】この構成の衛生洗浄装置では、着座した使
用者が便座から離れれば、便座は、重による力が解除さ
れて上方に移動しその上方位置で保持され、変換手段も
第2の位置から第1の位置に反転する。この際、弁体駆
動シャフトが動作して弁体を開位置の側に駆動させてい
ると、変換手段はこの弁体駆動シャフトと係合する。そ
して、弁体駆動シャフトと係合した変換手段は、弁体駆
動シャフトを逆に動作させて、弁体を開位置(流量増
大)から全閉位置(流量ゼロ)に駆動させる。このた
め、使用者が便座から離れると、それまでなされていた
人体局部の洗浄水吐水を停止することができる。
【0043】第6の衛生洗浄装置は、吐水された洗浄水
で漏れた人体局部を乾燥させる乾燥機構を有する衛生洗
浄装置であって、洋式便器の便器本体上面に装着され、
使用者の着座時と非着座時で上下移動自在な便座と、使
用者の体重によって生じる便座の上下の移動力を回転運
動に変換し、非着座時に前記便座が上方位置で保持され
ているときの第1の位置と、着座時に前記便座が下方位
置で保持されているときの第2の位置とを取る変換手段
と、前記乾燥機構におけるオン/オフスイッチと連結さ
れ、該スイッチにおけるオン位置とオフ位置との切り換
えを行うスイッチ駆動シャフトと、を備え、前記変換手
段は、前記第1の位置にある場合に前記スイッチ駆動シ
ャフトと係合して、前記スイッチがオフ位置を維持する
ように前記スイッチ駆動シャフトの動作を規制する規制
手段と、前記第1の位置から前記第2の位置に回転する
と前記規制手段の規制を解き、前記スイッチがオン位置
に駆動するように前記スイッチ駆動シャフトの動作を許
容する許容手段とを備えたことを特徴とする。
【0044】上記構成を有する第6の発明の衛生洗浄装
置では、便座に使用者が着座すると、着座時と非着座時
とで上下動自在の便座は、使用者の体重を受け下方に移
動しこの下方位置で保持される。この際、便座に加わる
力は、変換手段により回転運動に変換されて所定方向の
回転運動が起き、変換手段は、第2の位置を取る。ま
た、使用者が便座から離れれば、便座は、体重による力
が解除されて上方に移動しその上方位置で保持される。
この際、変換手段は、逆向きの回転を起こすと共に、第
1の位置に復帰する。
【0045】このように回転運動を引き起こす変換手段
は、便座に使用者が着座しておらず第1の位置にあると
きには、スイッチ駆動シャフトと係合しこのスイッチ駆
動シャフトの動作を規制する。このため、未着座の場合
には、スイッチ駆動シャフトは動作しないことから、乾
燥機構におけるオン/オフスイッチはオフ位置を維持す
る。よって、未着座の場合には、人体局部の乾燥が行な
われることはない。
【0046】その一方、使用者の着座による変換手段が
第1の位置から第2の位置にその回転を通して変化する
と、この変換手段は、スイッチ駆動シャフトの動作規制
を解き、スイッチ駆動シャフトの動作を許容する。この
場合、スイッチ駆動シャフトの動作は、オン/オフスイ
ッチがオン位置に駆動するよう許容されるので、スイッ
チ駆動シャフトが動作すると、このシャフトが連結され
たオン/オフスイッチも当該シャフトの動作に応じて切
り換えられる。このため、オン/オフスイッチの駆動位
置に応じて乾燥機構がオン或いはオフされ、人体局部の
乾燥が実行される。つまり、便座に使用者が着座した場
合に限って、スイッチ駆動シャフトの動作並びにオン/
オフスイッチの駆動を通した人体局部の乾燥が可能とな
る。よって、第6の発明の衛生洗浄装置によれば、便座
への着座動作をインターロックとして人体局部を乾燥さ
せることができる。
【0047】上記の構成の第6の発明の衛生洗浄装置に
おいて、前記変換手段は、前記スイッチ駆動シャフトが
動作して前記スイッチをオン位置の側に切り換えている
と、前記第2の位置から前記第1の位置に反転する際に
前記スイッチ駆動シャフトと係合して、前記スイッチが
オン位置からオフ位置に切り換えられるように前記スイ
ッチ駆動シャフトを逆に動作させる反転手段と、を備え
るものとすることができる。
【0048】この構成の衛生洗浄装置では、着座した使
用者が便座から離れれば、便座は、重による力が解除さ
れて上方に移動しその上方位置で保持され、変換手段も
第2の位置から第1の位置に反転する。この際、スイッ
チ駆動シャフトが動作してオン/オフスイッチをオン位
置の側に切り換えていると、変換手段はこのスイッチ駆
動シャフトと係合する。そして、スイッチ駆動シャフト
と係合した変換手段は、スイッチ駆動シャフトを逆に動
作させて、オン/オフスイッチをオン位置からオフ位置
に切り換える。このため、使用者が便座から離れると、
それまでなされていた人体局部の乾燥を停止することが
できる。
【0049】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の態様としては、上記した
第1の発明の着座検知装置において、前記ピニオンが所
定位置まで回転すると、電気信号を出力する出力手段
と、該電気信号により駆動し、前記便器本体のボール内
を脱臭する脱臭手段とを有するものとすることができ
る。
【0050】この第1の態様では、便座に使用者が着座
すると、便座並びにラックの押し下げを経てピニオンが
回転し、電気信号が出力される。そして、この電気信号
を受けて脱臭がなされるので、使用者の便座への着座と
同時にボール内の脱臭を開始することができる。
【0051】また、第2の態様としては、上記した第2
の発明の衛生洗浄装置において、前記弁体で流量調整さ
れた洗浄水の供給を受け、その液体圧力にて洗浄水吐水
ノズルを所定の洗浄位置まで駆動し、該洗浄水吐水ノズ
ルから前記洗浄水を吐水する洗浄機構を有し、前記弁体
駆動シャフトは、当該シャフトを手動にて回転操作する
ための操作部を有するものとすることができる。
【0052】この第2の態様では、便座への着座動作を
インターロックとして用いるに当たり、既述したように
着座の電気的な検知手法を要しない。また、洗浄水吐水
ノズルの駆動を液体圧力にて行なうと共に、弁体駆動シ
ャフトの回転を通した洗浄水吐水およびその流量調整を
操作部の手動操作で行なって、その際に電源を必要とし
ない。よって、この第2の態様の衛生洗浄装置によれ
ば、停電時や震災等により電気の供給が断たれた時期で
あっても、洗浄水供給が確保されていれば、便座への着
座動作をインターロックとして人体局部を洗浄水にて洗
浄することができる。また、人体局部を洗浄水吐水を通
して洗浄する衛生洗浄装置の適用地域を、電源供給施設
がなくて水道設備があるに過ぎない地域にまで拡大する
ことができる。
【0053】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る着座検知装置
と衛生洗浄装置の実施の形態を実施例に基づき説明す
る。図1は、衛生洗浄装置10を装着した洋式便器を示
す外観図、図2は、衛生洗浄装置10と便座16との連
結の様子を説明するための要部斜視図、図3は、衛生洗
浄装置10の概略分解斜視図である。
【0054】図示するように、衛生洗浄装置10は、便
器本体12の後部に装着されており、機器収納本体13
を有する。この機器収納本体13には、便器本体12の
ボール内に進退するよう構成され、洗浄水を局部に噴出
するノズル装置14が収納されている。また、この衛生
洗浄装置10には、便器本体12の上面に装着される便
座16とこれを閉じる便蓋18とが、開閉自在に設けら
れており、便座16は、機器収納本体13に設けられた
ヒンジ軸20に次のように連結されている。
【0055】図2に示すように、円柱状のヒンジ軸20
は、機器収納本体13の上部ケーシング13aの上方に
水平に支持されており、便座16は、左右の弾性カラー
22を介してこのヒンジ軸20に掛け止めされている。
この弾性カラー22は、C字状の断面形状を有し、便座
16の端部裏面に半円形状に陥没形成されたカラー収納
孔24に嵌め込み・固定されている。そして、弾性カラ
ー22の内径はヒンジ軸20の外径と略等しくされてお
り、弾性カラー22の開口端部は、便座16のカラー収
納孔24から外側に位置しヒンジ軸20をその外方から
締め付けている。このため、便座16は、ヒンジ軸20
に弾性カラー22が係合することで、ヒンジ軸20を中
心に開閉自在に衛生洗浄装置10に備え付けられる。
【0056】この場合、便器本体12を閉鎖した位置に
ある便座16をそのまま上方に持ち上げれば、弾性カラ
ー22の開口端部は、締め付けているヒンジ軸20によ
り押し広げられるので、便座16を便器本体12から取
り外すことができる。また、ヒンジ軸20に弾性カラー
22の開口端部を押し当てた状態で便座16を押し下げ
れば、ヒンジ軸20は弾性カラー22の開口端部を押し
広げて弾性カラー22に嵌り込み、便座16が装着され
る。
【0057】上記したように便座16が連結されるヒン
ジ軸20は、図2,図3および図2の4−4線概略断面
図である図4に示すように、下方に延びた一対の脚26
a,26bを有し、次のようにして機器収納本体13に
装着されている。
【0058】機器収納本体13の上部ケーシング13a
には、脚26a,26bがそれぞれ差し込まれる貫通孔
28が空けられており、下部ケーシング13bには、こ
の貫通孔28に対向して上下ガイド軸30a,30bが
突設されている。そして、この上下ガイド軸30a,3
0bが脚26a,26bの内部に空けられたガイド軸挿
入穴32に入り込むようにして、ヒンジ軸20は脚26
a,26bおよび上下ガイド軸30a,30bを介して
機器収納本体13に装着される。この際、ガイド軸挿入
穴32には、スプリング34が組み込まれる。従って、
このヒンジ軸20は、スプリング34の付勢力を常時上
向きに受けた状態で、脚26a,26bにより水平に支
えられ、この付勢力を便座16に及ぼして当該便座を後
端側で支持する。
【0059】なお、脚26a,26bには、上下に延び
る長孔36が空けられており、この長孔36を貫通して
ビス38が上下ガイド軸30a,30bにネジ止めされ
ている。従って、ヒンジ軸20は、ビス38により上下
ガイド軸30a,30bから抜止される。
【0060】このヒンジ軸20に上記したように連結さ
れた便座16は、図4および洋式便器の概略側面図であ
る図5に示すように、先端側の脚16aと中間の脚16
bとを有する。そして、この便座16は、後端側では上
記したようにヒンジ軸20に支持されスプリング34の
付勢力が及んで持ち上げられており、先端側の脚16a
を便器本体12の上面に接触させた状態で便器本体12
に装着される。この場合、中間の脚16bは、便座16
に使用者が着座していないときには便器本体12の上面
に隙間が空くようその高さが定められているので、便座
16は、その中間部分を便器本体12の上面から持ち上
げた状態で保持されることになる。そして、便座16に
使用者が着座した着座状態では、便座16は、中間の脚
16bが便器本体12の上面に接するまで、スプリング
34の付勢力に抗して押し下げられる。その一方、使用
者が便座16から離れた未着座状態では、便座16は、
スプリング34の付勢力を受けてヒンジ軸20と共に持
ち上げられる。つまり、便座16は使用者の着座に伴っ
てヒンジ軸20と共に上下動し、中間の脚16bと便器
本体12の上面との間の隙間は、着座の際の便座16の
上下ストロークとなり、本実施例では、約6.5mm程
度とされている。
【0061】次に、この便座16への着座動作を検知す
るための着座検知機構(第1の着座検知機構)と、この
第1の着座検知機構35に連動して機能する洗浄機構に
ついて説明する。まず、着座検知機構について説明す
る。
【0062】第1の着座検知機構35は、図3,図4に
示すように、ヒンジ軸20の一方の脚26aの側面に上
下方向に亘って設けられたラック40と、これに噛み合
いラック40の上下動に伴って回転するピニオン42と
を含んで構成される。このピニオン42は、図3におけ
る6−6線断面図である図6に示すように、一方に係合
円盤44を有する中空シャフト46に嵌合・固定されて
いる。そして、中空シャフト46の中央貫通孔46aに
は中央シャフト48が挿入されているので、ピニオン4
2は、中空シャフト46並びに係合円盤44と一体とな
って中央シャフト48の回りに正逆回転可能である。
【0063】中央シャフト48は、機器収納本体13の
下部ケーシング13bに図示しない軸支部材により回転
自在に支持されており、その一端は、後述する洗浄水バ
ルブ体60に連結されている。また、中央シャフト48
の他端には、ハンドル50が固定されており、シャフト
中間部は、係合円盤44と対向するフランジ52とされ
ている。ここで、このフランジ52と係合円盤44との
関係について、未着座状態における概略分解斜視図であ
る図7を用いて説明する。
【0064】この図7に示すように、フランジ52は、
その外周縁に外側に突出した係合片53a,53bを1
80度のピッチで備える。一方、係合円盤44は、フラ
ンジ52の側の盤面上に、フランジ52に向けて突出し
た係合爪54a,54bを180度のピッチで備える。
そして、この係合円盤44とフランジ52とは、図6お
よびその組み付け状態を表わす図8に示すように重ねて
組み付けられるので、係合片53aが係合爪54aの半
時計回り方向Aの側に位置して、係合片53bが係合爪
54bの半時計回り方向Aの側に位置して、それぞれの
係合片と係合爪とがそれぞれの側面を接合させて係合す
る。また、下部ケーシング13bには、係合片53aと
半時計回り方向Aの側で当接するストッパー55が設け
られている。
【0065】従って、未着座状態では、フランジ52並
びに中央シャフト48は、半時計回り方向Aの側にはス
トッパー55への係合片53aの当接によりその回転が
規制されると共に、時計回り方向Bの側には係合円盤4
4の係合爪54a,54bへの係合片53a,53bの
当接によりその回転が規制される。このため、未着座状
態では、係合円盤44は図8に示す初期位置に留まり、
フランジ52並びに中央シャフト48はいずれの方向に
も回転することはない。よって、未着座状態にあって
は、中央シャフト48はその回転が規制され、ハンドル
50を回転操作することはできない。
【0066】その一方、便座16に使用者が着座する
と、便座16並びにヒンジ軸20における脚26aのラ
ック40は、既述したようにスプリング34の付勢力に
抗して押し下げられるので、このラック40に噛み合っ
ているピニオン42は、図9に示すように、便座16の
上下ストローク(約6.5mm)に相当する角度θだけ
時計回り方向Bの方向に回転する。このため、未着座状
態で初期位置(図8参照)にあった係合円盤44は、ピ
ニオン42と共に時計回り方向Bの方向に回転し、使用
者が着座している着座状態の期間に亘っては、上記の初
期位置から角度θだけ回転した回転位置に留まる。従っ
て、フランジ52の係合片53a,53bにそれぞれ係
合していた係合円盤44の係合爪54a,54bは、そ
れまで係合していた係合片から離れて角度θだけ時計回
り方向Bの方向に回転する。
【0067】このように係合円盤44が回転位置に留ま
ると、フランジ52の係合片53a,53bは、係合円
盤44の係合爪54a,54bによる係合が解かれるの
で、フランジ52並びに中央シャフト48の回転規制も
解除される。このため、中央シャフト48は、係合片5
3a,53bが図9中に二点鎖線で示すように時計回り
方向Bの側の係合爪54a,54bにその側面で当接す
るまで、その回転が許容される。よって、着座状態で
は、ハンドル50の回転操作が可能となり、このハンド
ル50の回転操作により、中央シャフト48は、係合片
53a,53bと係合爪54a,54bの係合を通して
その回転が規制されていた規制位置(図8参照)から時
計回り方向Bの方向に回転する。また、中央シャフト4
8は、ハンドル50の逆回転操作により、規制位置に回
転して戻ることができる。つまり、着座状態では、中央
シャフト48は、規制位置から上記の角度θの範囲にお
いて、正逆に回転することができ、その位置はハンドル
50の回転操作量に応じて定まる。また、上記したよう
なピニオン42,係合円盤44の回転を通して、便座1
6への使用者の着座の有無が検知されることになる。
【0068】そして、着座していた使用者が便座16か
ら離れると、便座16並びにヒンジ軸20はスプリング
34の付勢力を受けて持ち上げられ、これに伴ってラッ
ク40も上昇する。このため、ピニオン42は半時計回
り方向Aの方向に反転して図8に示す元の初期位置に復
帰するので、初期位置復帰後には、中央シャフト48は
改めてその回転が規制される。この際、中央シャフト4
8が時計回り方向Bの方向に回転済みであると、係合片
53bに係合爪54bがその側面で当接して係合するの
で、この中央シャフト48も図8の規制位置に強制的に
半時計回り方向Aの方向に反転して復帰することにな
る。
【0069】なお、中央シャフト48にはE型止め輪4
8aがセットされているので、ピニオン42と中空シャ
フト46とは、図6における右方向に移動しないようさ
れている。よって、ピニオン42,中空シャフト46が
右方向に移動して係合片53a,53bと係合爪54
a,54bとの係合が不用意に解かれてしまうような不
具合は生じない。
【0070】次に、上記した第1の着座検知機構35に
連動して機能する洗浄機構について説明する。図3に示
すように、洗浄機構は、洗浄水を局部に噴出するノズル
装置14と、中央シャフト48の一端が連結された洗浄
水バルブ体60とを含んで構成される。ノズル装置14
は、給水を受けると、洗浄用ノズルにおける吐水口周辺
の洗浄並びに吐水口からの洗浄水吐水を行なう周知の構
成を備える。なお、以下にその構成を簡単に説明する。
【0071】図10の概略断面図に示すように、ノズル
装置14は、ノズルシリンダ14a内に洗浄用ノズル1
4bをその軸方向に摺動自在に有し、この洗浄用ノズル
14bは、その鍔部14cを介してスプリング14dの
付勢力を常時受けている。よって、洗浄用ノズル14b
は、通常は図示する位置を採り、その先端部をノズルシ
リンダ14aから外部に突出させている。また、ノズル
シリンダ14aの開口端には、給水金具14eを有する
キャップ14fが水密に固定されている。なお、洗浄用
ノズル14bは、ノズルシリンダ14a内において軸回
りに回転しないよう、回り止めされている。
【0072】上記した構成のノズル装置14は、給水金
具14eから給水を受けると、その水圧によりスプリン
グ14dの付勢力に抗して洗浄用ノズル14bを図中右
方向に摺動させる。この摺動の過程では、水は、鍔部1
4cとノズルシリンダ14aの内壁との間の隙間を経て
ノズルシリンダ14a先端のノズル開口14gから流れ
出す。これにより、洗浄用ノズル14bにおける吐水口
14hの周辺の洗浄が行なわれる。また、人体局部の洗
浄に適した洗浄位置まで洗浄用ノズル14bが図中右方
向に摺動すると、吐水口14hから吐水されるよう構成
されている。
【0073】このノズル装置14は洗浄水バルブ体60
と接続されており、洗浄水バルブ体60はノズル装置1
4への給水およびその際の流量調整を行ない、以下の構
成を備える。洗浄水バルブ体60は、その概略断面図で
ある図11に示すように、下部ケーシング13bに固定
されるベース61を有し、その下面に取り付けられた給
水ソケット62を経てインレットパイプ63から給水を
受ける。
【0074】こうして給水された水は、ベース61の下
部流路61aを通ってその上流の逆止弁64に至り、更
にその上流の調圧弁65における調圧駒65aで調圧さ
れてから、バルブ本体66の流入室66aに流れ込む。
このバルブ本体66には、流入室66aに対向して弁室
66bが形成されており、この弁室66bに流量調整用
の弁体67が組み込まれている。
【0075】弁体67は、その外周に埋め込み設置され
たYパッキン67aによりその水密化が図られていると
共に、弁室66bにおいて軸線回りに回動自在とされて
いる。そして、この弁体67には、既述した中央シャフ
ト48の一端が埋め込み固定されている。このため、着
座状態にあってハンドル50が回転操作されると、中央
シャフト48と一体となって正逆方向に回転する。ま
た、弁体67には、通過する水の流量を規定する流路が
その外周壁を貫通して形成されており、中央シャフト4
8が上記の規制位置にあるときには、弁体67は、バル
ブ本体66の上面に水密に固定された逆流防止弁68に
おける流出管路68aを閉鎖するよう、組み込まれてい
る。従って、中央シャフト48が上記の規制位置にある
ときには、弁体67により流量はゼロとされる。そし
て、着座状態にあってハンドル50が時計回り方向Bの
方向に回転操作されると、弁体67は、中央シャフト4
8と共にこの方向に回転し、ハンドル50の操作量に応
じた流量に調整してから、その流量の水を流出管路68
aに流し込む。
【0076】こうして弁体67により流量調整された水
は、逆流防止弁68の弁室68bを経てノズル給水管6
9に流れ込み、既述したノズル装置14に供給される。
その後は、上記したようにノズル装置14によって洗浄
水吐水が行なわれ、人体局部の洗浄がなされる。なお、
ハンドル50の操作により流量過多となった場合には、
逆流防止弁体68cを押し上げて水がオーバーフロー管
70に流れ込み、外部に排出される。
【0077】以上説明したように本実施例の衛生洗浄装
置10では、便座16に使用者が着座していない未着座
状態では、便座16をスプリング34の付勢力により持
ち上げておき、ラック40に噛み合ったピニオン42を
回転させない。そして、この未着座状態では、係合爪5
4a,54bと係合片53a,53bとの当接を通して
中央シャフト48の回転を規制し(図8参照)、ハンド
ル50を回転操作不可とする。この際には、洗浄水バル
ブ体60における弁体67は、流量ゼロの位置にあるの
で、ノズル装置14からは洗浄水吐水がなされることは
ない。
【0078】その一方、使用者が便座16に着座する
と、スプリング34の付勢力を受ける便座16,ヒンジ
軸20およびラック40は、この付勢力に抗して押し下
げられる。そして、ラック40の押し下げにより起きる
ピニオン42の時計回り方向Bの方向への回転並びに係
合片53a,53bと係合爪54a,54bの係合の解
除を通して(図9参照)、それまで規制されていた中央
シャフト48の回転を許容し、ハンドル50の回転操作
を可能とする。このため、ハンドル50が回転操作され
ると、中央シャフト48が固定された弁体67が回転し
て洗浄水バルブ体60における流量をハンドル50の操
作量に応じて調整し、流量調整済みの洗浄水がノズル装
置14から人体局部に向けて吐水される。
【0079】この結果、本実施例の衛生洗浄装置10に
よれば、未着座状態ではハンドル50の回転操作を通し
た洗浄水吐水を実行不可とし、着座状態ではハンドル5
0の回転操作を通した洗浄水吐水並びにその流量調整を
実行可能とすることができる。よって、着座状態の場合
に限って、ノズル装置14からの洗浄水吐水とその流量
調整を可能とするので、便座16への着座動作をインタ
ーロックとして人体局部の洗浄水による洗浄と、その際
の流量調整とを行なうことができる。
【0080】また、本実施例の衛生洗浄装置10では、
便座への着座動作をインターロックとして用いるに当た
り、係合円盤44における係合爪54a,54bとフラ
ンジ52における係合片53a,53bとの係合並びに
ストッパー55による中央シャフト48の回転規制と、
係合爪と係合片との係合の解除を通した中央シャフト4
8の回転規制の解除並びに回転の許容とを行なうに過ぎ
ない。よって、便座16への使用者の着座検知に電気的
な検知手法を要しないので、電気的な機器構成が不要と
なり、その組み付け工数の低減並びにコスト低減を図る
ことができる。更に、着座検知に関しての電気的な不具
合は起きないので、本実施例の衛生洗浄装置10によれ
ば、便座への着座動作を確実なインターロックとして人
体局部を洗浄水で洗浄することができる。
【0081】しかも、この衛生洗浄装置10では、着座
した使用者が便座16から離れれば、便座16並びにヒ
ンジ軸20をスプリング34の付勢力により持ち上げ、
これに伴ってラック40も上昇させて、ピニオン42を
反転して元の初期位置に復帰させる(図8参照)。そし
て、この際に、ハンドル50の回転操作により中央シャ
フト48が回転済みで洗浄水吐水が実行されていれば、
係合片53bへの係合爪54bの係合を経て中央シャフ
ト48を強制的に反転させて図8の規制位置に復帰させ
る。このため、この中央シャフト48の規制位置復帰に
より弁体67も元の位置に復帰して流量をゼロとするの
で、使用者が便座16から離れると、それまでなされて
いた人体局部の洗浄水吐水を、ハンドル50の回転操作
(反転操作)を経ることなく停止することができる。よ
って、使い勝手を向上させることができる。
【0082】更に、本実施例の衛生洗浄装置10では、
係合円盤44の回転を起こすためのピニオン42を、吐
水の実行並びに流量調整のための弁体67を回転させる
中央シャフト48で軸支する。よって、衛生洗浄装置1
0によれば、この両部材の同軸配置を通してその設置箇
所の省スペース化を図ることができ、衛生洗浄装置の小
型化を図ることができる。
【0083】また、本実施例の衛生洗浄装置10では、
既述したように便座への着座動作をインターロックとし
て用いるに当たって電気的な着座検知手法を要しないと
共に、ノズル装置14からの洗浄水吐水並びに流量調整
を行なうに当たっても、ハンドル50の回転操作でよ
く、電源および電気的な駆動機器を要しない。よって、
この衛生洗浄装置10によれば、停電時や震災等により
電気の供給が断たれた時期であっても、洗浄水供給設備
(水道設備)があれば、便座16への着座動作をインタ
ーロックとして人体局部を洗浄水にて洗浄することがで
きる。そして、この衛生洗浄装置10の適用地域を、電
源供給施設がなくて水道設備があるに過ぎない地域にま
で拡大することができる。
【0084】次に、他の実施例について説明する。な
お、以下の実施例の説明に当たっては、上記した実施例
(第1実施例)と同一の機能を果たす部材等については
その説明を省略し、第1実施例で用いた符号をそのまま
用いることとする。
【0085】第2実施例の衛生洗浄装置80は、洗浄水
を予め温めておき温水吐水が可能な点と、洗浄水で濡れ
た人体局部を乾燥させる乾燥機構を有する点と、便器本
体のボール内を脱臭する脱臭機構を有する点で、上記の
衛生洗浄装置10とその構成が相違する。
【0086】第2実施例の衛生洗浄装置80は、図12
の外観図に示すように、便器本体12の後部に装着され
た機器収納本体13を有し、この機器収納本体13に
は、洗浄設定部82と脱臭装置84とを有する。洗浄設
定部82は、洗浄水温度や局部乾燥の際の温風温度等を
設定するための種々の設定ボタンを有する。脱臭装置8
4は、便器本体12のボール内の空気を吸引し、内蔵す
る図示しないオゾン発生装置(オゾナイザー)で発生さ
せたオゾンでこの空気中の臭気を除去して脱臭するよう
構成されている。
【0087】また、衛生洗浄装置80は、上記の衛生洗
浄装置10と同様に洗浄水バルブ体60を有し、人体局
部に向けて温風を吹きかける図示しない乾燥装置86
と、供給を受けた水を貯留して昇温する図示しない貯留
タンクとを、機器収納本体13に内蔵して備える。この
貯留タンクは、ヒータを内蔵して、洗浄水バルブ体60
とインレットパイプ63との間に設置されており(図3
参照)、ヒータにて予め昇温済みの温水を洗浄水バルブ
体60に供給するよう構成されている。乾燥装置86
は、ヒータと送風ファンとを有し、ヒータで温められた
温風を送風ファンで人体局部に向けて吹きかけるよう構
成されている。
【0088】このほか、衛生洗浄装置80は、洗浄設定
部82における種々の設定ボタンの操作に基づいて貯留
タンクにおける洗浄水の温度(ヒータ温度)や乾燥装置
86におけるヒータの温度等を制御する制御装置(図示
省略)を有し、当該制御装置は機器収納本体13に内蔵
されている。よって、この制御装置により、洗浄水温度
や温風温度が調整されている。なお、制御装置は、CP
U,ROM,RAM等を中心に論理演算回路として構成
された電子制御装置であってもよいことは勿論、リレー
シーケンス回路から構成された制御装置であってもよ
い。
【0089】なお、この衛生洗浄装置80にあっても、
ヒンジ軸20による便座16の保持並びにスプリング3
4による便座16,ヒンジ軸20の持ち上げは、上記の
衛生洗浄装置10と同様に行なわれている。また、衛生
洗浄装置80は、衛生洗浄装置10と同様に、中央シャ
フト48,係合円盤44,フランジ52等から構成され
る第1の着座検知機構35を有する。このため、衛生洗
浄装置80でも、便座16への着座に応じて便座16は
上下動し、着座状態の場合に限って、中央シャフト48
の回転が許容されてハンドル50の回転操作が可能とな
る。そして、着座状態でのハンドル50の回転操作を通
して、貯留タンクで昇温済みの温水(洗浄水)の吐水並
びにその流量調整がなされる。
【0090】衛生洗浄装置80は、乾燥装置86を手動
操作でオン/オフさせるためのハンドル87を備え(図
12参照)、このハンドル87を着座状態に限って操作
可能とするための第2の着座検知機構85を有する。こ
の第2の着座検知機構85は、ハンドル50を着座状態
に限って操作可能とするための上記の第1の着座検知機
構35と左右対称な構成を備え、図6と同様の要部断面
図である図13に示すように、ヒンジ軸20の他方の脚
26bの側面に設けられたラック40と、これに噛み合
いラック40の上下動に伴って回転するピニオン42
と、係合片53a,53bを有するフランジ52と、係
合爪54a,54bを有する係合円盤44等から構成さ
れる。このピニオン42は、係合円盤44を有する中空
シャフト46に嵌合・固定されており、中央貫通孔46
aに挿入された中央シャフト88の回りに正逆回転可能
である。なお、この第2の着座検知機構85は、上記の
着座検知機構と左右対称な構成なため、その詳細につい
てはその説明を省略する。
【0091】中央シャフト88は、乾燥装置86をオン
させるためのオン信号とオフさせるためのオフ信号を出
力するオン/オフスイッチ90に連結されている。この
オン/オフスイッチ90は、いわゆるロータリー式のス
イッチであり、内蔵する回転体の回転に応じてオン信号
とオフ信号のいずれかを乾燥装置86に出力する。つま
り、オン/オフスイッチ90は、第2の着座検知機構8
5における中央シャフト88が中央シャフト48と同様
に規制位置にあるとき、即ち未着座状態には、オフ信号
を出力する。また、オン/オフスイッチ90は、着座状
態となって中央シャフト88の回転規制が解除され、こ
の際にハンドル87が回転操作されると、中央シャフト
88の回転に伴って回転体が回転することでオン信号を
出力するよう構成されている。そして、乾燥装置86
は、このオン信号によりオンして温風を吹き出し、オフ
信号によりオフして温風吹き出しを停止する。
【0092】次に、便器本体12のボール内を脱臭する
脱臭装置84を、着座動作に連動してオン/オフする脱
臭オン/オフ機構について説明する。衛生洗浄装置80
は、図14に示すように、近接スイッチ92を有する。
この近接スイッチ92は、その正面に検知対象物が接近
すると電気信号を出力するものであり、この際の検知対
象物は係合円盤44における係合爪54bとされてい
る。そして、便座16に使用者が着座して係合円盤44
がピニオン42と一体となって時計回り方向Bの方向に
回転し回転位置に達すると、検知対象物たる係合爪54
bが近接スイッチ92の正面に接近するように、この近
接スイッチ92は設置されている。このため、使用者が
便座16に着座すると、係合円盤44の回転を通して近
接スイッチ92から電気信号が出力される。また、使用
者が便座16から離れれば、係合爪54bは近接スイッ
チ92の正面から離れるので、電気信号は出力されなく
なる。
【0093】この近接スイッチ92は、脱臭装置84と
接続されており、上記の電気信号はこの脱臭装置84に
入力される。そして、脱臭装置84は、この電気信号を
入力するとオンして、便器本体12のボール内の空気の
吸引と、オゾナイザーでのオゾン発生とを開始し、当該
電気信号が未入力の状態ではオフして、吸引並びにオゾ
ン発生を行なわないよう構成されている。なお、近接ス
イッチ92を上記した制御装置に接続しておき、この近
接スイッチ92からの電気信号を入力する制御装置によ
り、脱臭装置84をオン/オフするよう構成することも
できる。
【0094】以上説明したように第2実施例の衛生洗浄
装置80によっても、洗浄水吐水に関しては、上記の衛
生洗浄装置10と同様の既述した以下の効果を奏するこ
とができる。 未着座状態ではハンドル50の回転操作を通した洗浄
水吐水を実行不可とし、着座状態ではハンドル50の回
転操作を通した洗浄水吐水並びにその流量調整を実行可
能とすることで、便座16への着座動作をインターロッ
クとして人体局部の洗浄水による洗浄と、その際の流量
調整とを行なうことができる。 便座16への使用者の着座検知に電気的な機器構成が
不要となり、その組み付け工数の低減並びにコスト低減
を図ることができる。 着座検知に関しての電気的な不具合は起きないので、
便座への着座動作を確実なインターロックとして人体局
部を洗浄水で洗浄することができる。 使用者が便座16から離れると、それまでなされてい
た人体局部の洗浄水吐水を、ハンドル50の回転操作
(反転操作)を経ることなく停止することができ、使い
勝手を向上させることができる。 中央シャフト48とピニオン42の同軸配置を通して
省スペース化と衛生洗浄装置の小型化を図ることができ
る。
【0095】また、第2実施例の衛生洗浄装置80で
は、局部乾燥に関しても、上記の洗浄水吐水の場合と同
様にして、以下の効果を奏することができる。
【0096】便座16に使用者が着座していない未着座
状態では、便座16をスプリング34の付勢力により持
ち上げておき、ハンドル87の側の第2の着座検知機構
85にあっても、ラック40に噛み合ったピニオン42
を回転させない。そして、この未着座状態では、係合爪
54a,54bと係合片53a,53bとの当接を通し
て中央シャフト88の回転を規制し(図8参照)、ハン
ドル87を回転操作不可とする。この際には、オン/オ
フスイッチ90は、オフ信号を出力しているので、乾燥
装置86は停止しており温風が吹き出されることはな
い。
【0097】その一方、使用者が便座16に着座する
と、スプリング34の付勢力を受ける便座16,ヒンジ
軸20およびラック40は、この付勢力に抗して押し下
げられる。そして、第2の着座検知機構85の側でのラ
ック40の押し下げ,ピニオン42の回転並びに係合片
53a,53bと係合爪54a,54bの係合の解除を
通して、それまで規制されていた中央シャフト88の回
転を許容し、ハンドル87の回転操作を可能とする。こ
のため、ハンドル87が回転操作されると、中央シャフ
ト88が連結されたオン/オフスイッチ90は、内蔵す
る回転体を回転させオン信号を出力するので、乾燥装置
86から人体局部に向けて温風が吹き出される。
【0098】この結果、第2実施例の衛生洗浄装置80
によれば、未着座状態ではハンドル87の回転操作を通
した温風吹き出しを実行不可とし、着座状態ではこの温
風吹き出しを実行可能とすることができる。よって、着
座状態の場合に限って、乾燥装置86からの温風吹き出
しを可能とするので、便座16への着座動作をインター
ロックとして人体局部の乾燥を行なうことができる。
【0099】また、第2実施例の衛生洗浄装置80で
は、便座への着座動作を局部乾燥に関してのインターロ
ックとして用いるに当たり、係合円盤44における係合
爪54a,54bとフランジ52における係合片53
a,53bとの係合並びにストッパー55による中央シ
ャフト88の回転規制と、係合爪と係合片との係合の解
除を通した中央シャフト88の回転規制の解除並びに回
転の許容とを行なうに過ぎない。よって、便座16への
使用者の着座検知に電気的な検知手法を要しないので、
電気的な機器構成が不要となり、その組み付け工数の低
減並びにコスト低減を図ることができる。更に、着座検
知に関しての電気的な不具合は起きないので、第2実施
例の衛生洗浄装置80によれば、便座への着座動作を確
実なインターロックとして人体局部を乾燥させることが
できる。
【0100】しかも、この衛生洗浄装置80では、着座
した使用者が便座16から離れれば、便座16並びにヒ
ンジ軸20をスプリング34の付勢力により持ち上げ、
これに伴って第2の着座検知機構85におけるラック4
0も上昇させて、ピニオン42を反転して元の初期位置
に復帰させる。そして、この際に、ハンドル87の回転
操作により中央シャフト88が回転済みで温風吹き出し
が実行されていれば、係合片53bへの係合爪54bの
係合を経て中央シャフト88を強制的に反転させて初期
の規制位置に復帰させる。このため、この中央シャフト
88の規制位置復帰によりオン/オフスイッチ90も元
の位置に復帰してオフ信号を出力するので、使用者が便
座16から離れると、それまでなされていた人体局部の
乾燥を、ハンドル87の回転操作(反転操作)を経るこ
となく停止することができる。よって、使い勝手を向上
させることができる。
【0101】更に、第2実施例の衛生洗浄装置80によ
れば、第2の着座検知機構85においても、ピニオン4
2を中央シャフト88で軸支して、この両部材の同軸配
置を通してその設置箇所の省スペース化を図ることがで
き、衛生洗浄装置の小型化を図ることができる。このた
め、第1の着座検知機構35での省スペース化とも相俟
って、機器収納本体13における貯留タンクや乾燥装置
86のヒータ並びに送風ファンの設置スペースを確保で
きる。
【0102】次に、第3実施例について説明する。この
第3実施例の衛生洗浄装置100は、便座16への使用
者の着座を検出する着座検知装置を有し、洗浄水吐水並
びに温風乾燥を、スイッチ操作に基づき実行する点で、
第2実施例の衛生洗浄装置80とその構成が相違する。
【0103】第3実施例の衛生洗浄装置100は、図1
5の外観図に示すように、便器本体12の後部に装着さ
れた機器収納本体13を有し、この機器収納本体13に
は、洗浄設定部82Aと脱臭装置84とを有する。洗浄
設定部82Aは、第2実施例の洗浄設定部82と同様に
洗浄水温度や局部乾燥の際の温風温度等を設定するため
の種々の設定ボタンを有するほか、ノズル装置の洗浄用
ノズルのノズル位置(お尻洗浄位置,ビデ位置)の設定
とその位置での吐水を開始する吐水ボタン(お尻洗浄ボ
タン,ビデ洗浄ボタン),温風を吹き出して乾燥を開始
する乾燥ボタン,吐水並びに乾燥を停止する停止ボタン
等を有する。
【0104】また、衛生洗浄装置100は、上記の衛生
洗浄装置10,80と異なる構成の洗浄機構と、衛生洗
浄装置80と同様の乾燥装置86とを有する。この洗浄
機構は、衛生洗浄装置10,80におけるノズル装置1
4に替わるノズル装置102と、洗浄設定部82Aの上
記の種々のスイッチの操作に基づいて温水吐水およびノ
ズル位置を制御する温水/ノズル制御装置114とを備
えている。
【0105】この温水/ノズル制御装置114は、図1
6に示すように、分岐金具120を介して外部水源と接
続されており、この外部水源から連結管121を経て給
水を受ける。なお、外部水源は、便器本体12のボール
面に流す洗浄水を貯留する洗浄水タンク(図示省略)に
も分岐配管されている。
【0106】温水/ノズル制御装置114は、上流側か
ら、給水アダプタ122、減圧弁123、電磁弁12
4、安全弁125からなるバルブユニット126と、供
給された水を温水用サーミスタ128aにより温度検出
しつつ洗浄用ヒータ129で適温まで加熱する熱交換器
130および吐水状態を検出するフロートスイッチ13
1とからなる熱交換器ユニット132と、逆止弁13
3、流調モータ134により駆動される流調弁135を
備えた流調ユニット136と、第1開閉弁137aおよ
び第2開閉弁137bを有する開閉弁ユニット137と
を備え、その先端には、ノズル装置102が接続されて
いる。ノズル装置102は、洗浄用ノズル140を軸方
向に駆動するための駆動装置141等から構成されてい
る。
【0107】次に、各ユニット等の大まかな動作を説明
する。便座16に使用者が着座すると、後述の着座検知
装置150(図17参照)から着座信号が出力される。
その後、使用者が洗浄設定部82Aを操作して、例えば
お尻洗浄ボタン83aを押すと(図18参照)、駆動装
置141を駆動して洗浄用ノズル140を一体的に洗浄
位置まで前進し、バルブユニット126の第1開閉弁1
37aを開いて、洗浄水の噴出を開始する。
【0108】そして、洗浄終了後、洗浄設定部82Aの
停止ボタン83c(図18参照)を押して洗浄の終了を
指示すると、洗浄用ヒータ129への通電を終了すると
共に、第1開閉弁137aを閉じて洗浄水の噴出を終了
する。その後、駆動装置141を逆転して洗浄用ノズル
140を収納位置に退避する。なお、ビデ洗浄ボタン8
3bを押すと、ビデ洗浄位置まで洗浄用ノズル140が
進出して第2開閉弁137bを開いて洗浄水の噴出を開
始し、停止ボタン83cの押し下げにより洗浄を終了す
る。
【0109】また、この衛生洗浄装置100にあって
も、ヒンジ軸20による便座16の保持並びにスプリン
グ34による便座16,ヒンジ軸20の持ち上げは、上
記の衛生洗浄装置10,80と同様に行なわれている。
【0110】衛生洗浄装置100は、衛生洗浄装置10
と同様における第1の着座検知機構35とほぼ同様に構
成された着座検知装置150を有する。この着座検知装
置150は、図17に示すように、第1の着座検知機構
35と同様に、ヒンジ軸20の一方の脚26aの側面に
上下方向に亘って設けられたラック40と、これに噛み
合いラック40の上下動に伴って回転するピニオン42
とを有する。このピニオン42は、一方に回転円盤15
2を有する中空シャフト154に嵌合・固定されてい
る。そして、中空シャフト154の中央貫通孔154a
には中央シャフト48が挿入されているので、ピニオン
42は、中空シャフト154並びに回転円盤152と一
体となって中央シャフト48の回りに正逆回転可能であ
る。この中央シャフト48は、機器収納本体13の下部
ケーシング13bに図示しない軸支部材により回転自在
に支持されている。
【0111】回転円盤152は、その外周縁に外側に突
出した検知対象片153を有し、便座16に使用者が着
座していない未着座状態では、検知対象片153が図示
する上方の位置にあるよう、ラック40とピニオン42
の噛み合わせが調整されている。また、着座検知装置1
50は、検知対象片153を検知対象物とする近接スイ
ッチ156を有する。この近接スイッチ156は、後述
の電子制御装置160に接続されており、その正面に検
知対象片153が接近すると電気信号(着座信号)をこ
の電子制御装置160に出力する。そして、便座16に
使用者が着座してラック40が押し下げられ回転円盤1
52がピニオン42と一体となって時計回り方向Bの方
向に回転して回転位置に達すると、検知対象片153が
近接スイッチ156の正面に接近するように、この近接
スイッチ156は設置されている。このため、使用者が
便座16に着座すると、検知対象片153の回転を通し
て近接スイッチ156から着座信号が出力される。ま
た、使用者が便座16から離れれば、回転円盤152が
反転して検知対象片153は近接スイッチ156の正面
から離れるので、着座信号は出力されなくなる。つま
り、この着座検知装置150からは、ラック40の押し
下げおよびピニオン42,回転円盤152の回転を通し
て、便座16への使用者の着座の有無を検知する。
【0112】次に、上記した衛生洗浄装置100の種々
の制御機器(洗浄用ヒータ129,電磁弁124等)を
制御する電子制御装置160について説明する。電子制
御装置160は、図18に示すように、予め設定された
制御プログラムに従って洗浄水の温度等を制御するため
の各種演算処理を実行するCPU162と、CPU16
2で各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラム
や制御データ等が予め格納されたROM164と、同じ
くCPU162で各種演算処理を実行するのに必要な各
種データが一時的に読み書きされるRAM166と、非
通電状態でも種々のデータを記憶しているバックアップ
RAM167と、各センサからの検出信号やスイッチか
らの信号を入力してCPU162の処理可能な信号に変
換する入力処理回路168と、CPU162での演算結
果に応じて電磁弁124等に信号を出力する出力処理回
路169等を備えている。
【0113】図18に示すように、洗浄設定部82Aの
種々のボタン、即ち、お尻洗浄ボタン83a,ビデ洗浄
ボタン83b,停止ボタン83c,乾燥ボタン83d
や、温風温度の調節用の温風温度設定ボタン83e,吐
水温度の調節用の吐水温設定ボタン83g,水量調節用
の水量調節ボタン83hは、入力処理回路168に接続
されている。そして、これらボタンが操作されると、こ
のボタンに該当する信号(例えば、お尻洗浄ボタン83
aであれば洗浄オン信号)が電子制御装置160に入力
され、電子制御装置160での制御に用いられる。
【0114】また、上記した着座検知装置150におけ
る近接スイッチ156や、温水用サーミスタ128a,
フロートスイッチ131も入力処理回路168に接続さ
れており、電子制御装置160は、これらスイッチから
の信号を常時入力している。そして、この電子制御装置
160は、入力した信号に基づいて、吐水温度を所定の
温度に制御したり、水量維持を図ったりする。
【0115】出力処理回路169には、温水吐水に関す
る電磁弁124,流調モータ134等のほか、脱臭装置
84と乾燥装置86が接続されており、電子制御装置1
60は、上記入力した信号に基づいてこれらを駆動制御
する。
【0116】次に、電子制御装置160により実行され
る処理について、図19以降のフローチャートを用いて
説明する。
【0117】図19は、人体局部の洗浄と乾燥を行なう
吐水・乾燥ルーチンの処理内容を示すフローチャートで
あり、この吐水・乾燥ルーチンでは、まず、着座検知装
置150の近接スイッチ156からの着座信号の有無に
より便座16に使用者が着座しているか否かを判断する
(ステップS200)。便座16に着座されていなけれ
ば、着座検知装置150におけるピニオン42は回転せ
ず、検知対象片153は近接スイッチ156の検知範囲
にない。よって、未着座状態であれば、このステップS
200では否定判断されて本ルーチンを終了する。一
方、着座状態であれば、ラック40の押し下げおよびピ
ニオン42,回転円盤152の回転並びに検知対象片1
53の近接スイッチ156への接近を通して、この近接
スイッチ156から着座信号が入力されるので、ステッ
プS200では肯定判断される。
【0118】ステップS200での肯定判断に続いて
は、お尻洗浄ボタン83a,ビデ洗浄ボタン83b,乾
燥ボタン83dのいずれかのボタンがオンされているか
否かを判断し(ステップS210)、いずれのボタンも
オンされていなければ、本ルーチンを終了する。一方、
いずれかのボタンがオンされていれば、該当するボタン
に応じて吐水又は乾燥を実行する(ステップS22
0)。例えば、お尻洗浄ボタン83aがオンされていれ
ば洗浄用ノズル140をお尻洗浄位置まで進出させて、
第2開閉弁137bを開き洗浄水を吐水する。また、ビ
デ洗浄ボタン83bであれば、洗浄用ノズル140をビ
デ洗浄位置まで進出させて洗浄水吐水を行ない、乾燥ボ
タン83dであれば、乾燥装置86からの温風吹き出し
を実行する。
【0119】その後は、停止ボタン83cがオンされて
いるか否かを判断し(ステップS230)、このボタン
がオンされるまでステップS220の処理を継続する。
そして、停止ボタン83cがオンされれば、洗浄水吐水
又は温風吹き出しを停止し(ステップS240)、本ル
ーチンを終了する。
【0120】次に、便器本体12のボール内を脱臭する
脱臭ルーチンについて、図20に示すフローチャートに
基づき説明する。この脱臭ルーチンでは、まず、着座検
知装置150の近接スイッチ156からの着座信号の有
無により便座16に使用者が着座しているか否かを判断
する(ステップS300)。未着座状態であれば、この
ステップS300では否定判断されて本ルーチンを終了
する。一方、着座状態であれば、上記したように着座検
知装置150の近接スイッチ156から着座信号が入力
されるので、ステップS300では肯定判断され、その
後は、脱臭装置84を駆動して脱臭を実行する(ステッ
プS310)。具体的には、脱臭装置84により、便器
本体12のボール内の空気の吸引を行なうと共に、オゾ
ナイザーでのオゾン発生を行ない、ボール内を脱臭す
る。
【0121】次いで、便座16から使用者が離れたか否
かを着座検知装置150からの着座信号の入力状態によ
り判断し(ステップS320)、ここで肯定判断するま
で上記した脱臭を実行する。一方、便座16から使用者
が離れれば、ラック40の上昇復帰,ピニオン42と回
転円盤152の反転を経て検知対象片153が近接スイ
ッチ156から離れるので、着座信号は入力されなくな
る。よって、この場合には、ステップS320では肯定
判断されるので、脱臭装置84を停止して脱臭を止め
(ステップS330)、本ルーチンを終了する。
【0122】以上説明したように第3実施例の衛生洗浄
装置100における着座検知装置150では、便座16
に使用者が着座すると、便器本体上面から持ち上げられ
ていた便座16とラック40の押し下げと、このラック
40の押し下げに伴うピニオン42と回転円盤152の
回転、並びに、検知対象片153の近接スイッチ156
への接近を通して、便座16への着座を検知してその旨
の着座信号を出力する。また、着座した使用者が便座1
6から離れれば、便座16並びにラック40の持ち上げ
を経てピニオン42,回転円盤152を反転させて元の
状態に復帰させ、着座信号の出力を止める。従って、便
座16への着座の有無をピニオン42,回転円盤152
の回転位置の変化を通して検知できる。このため、この
着座検知装置150によれば、ラック40とピニオン4
2の噛み合わせを確保と検知対象片153に対する近接
スイッチ156の設置位置を確保するだけで、便座16
への着座を高い信頼性で検知することができる。
【0123】そして、高い信頼性での着座検知ができる
ことから、便座16への着座動作を、洗浄水吐水や温風
乾燥を行なう際の確実なインターロックとすることがで
きる。
【0124】また、この衛生洗浄装置100では、便座
16に使用者が着座すると、着座検知装置150の近接
スイッチ156から確実に着座信号を出力し、この着座
信号により速やかに脱臭装置84を駆動して、ボール面
内の脱臭を行なう。よって、この第3実施例の衛生洗浄
装置100によれば、使用者の便座16への着座と同時
にボール内の脱臭を開始して、使用者の不快感を解消す
ることができる。
【0125】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0126】例えば、ストッパー55によりフランジ5
2の半時計回り方向Aの方向への回転を規制している
が、未着座時には弁体67が半時計回り方向Aの方向に
回転しないよう、弁体67自体に回り止めを設けてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の衛生洗浄装置10を装着した洋式
便器を示す外観図。
【図2】この衛生洗浄装置10と便座16との連結の様
子を説明するための要部斜視図。
【図3】衛生洗浄装置10の概略分解斜視図。
【図4】図2の4−4線概略断面図。
【図5】洋式便器の概略側面図。
【図6】図3における6−6線断面図。
【図7】第1の着座検知機構35におけるフランジ52
と係合円盤44との関係を示す概略分解斜視図。
【図8】この係合円盤44とフランジ52との組み付け
状態を表わす概略斜視図。
【図9】便座16に使用者が着座した場合におけるフラ
ンジ52と係合円盤44との関係を示す概略斜視図。
【図10】ノズル装置14の概略断面図。
【図11】衛生洗浄装置10の有する洗浄水バルブ体6
0の概略断面図。
【図12】第2実施例の衛生洗浄装置80を装着した洋
式便器を示す外観図。
【図13】第2の着座検知機構85の要部断面図。
【図14】第2実施例の衛生洗浄装置80における第1
の着座検知機構35の係合円盤44とフランジ52との
組み付け状態を表わす概略斜視図。
【図15】第3実施例の衛生洗浄装置100を装着した
洋式便器を示す外観図。
【図16】この衛生洗浄装置100における温水/ノズ
ル制御装置114の構成を示すブロック図。
【図17】衛生洗浄装置100における着座検知装置1
50の概略斜視図。
【図18】衛生洗浄装置100における電子制御装置1
60を中心とした制御系のブロック図。
【図19】人体局部の洗浄と乾燥を行なう吐水・乾燥ル
ーチンを示すフローチャート。
【図20】便器本体12のボール内を脱臭する脱臭ルー
チンを示すフローチャート。
【符号の説明】
10…衛生洗浄装置 12…便器本体 13…機器収納本体 13a…上部ケーシング 13b…下部ケーシング 14…ノズル装置 14a…ノズルシリンダ 14b…洗浄用ノズル 14h…吐水口 16…便座 16a,16b…脚 20…ヒンジ軸 26a,26b…脚 30a,30b…ガイド軸 34…スプリング 35…第1の着座検知機構 40…ラック 42…ピニオン 44…係合円盤 46…中空シャフト 48…中央シャフト 50…ハンドル 52…フランジ 53a,53b…係合片 54a,54b…係合爪 55…ストッパー 60…洗浄水バルブ体 61…ベース 65…調圧弁 66…バルブ本体 66b…弁室 67…弁体 68…逆流防止弁 69…ノズル給水管 80…衛生洗浄装置 82,82A…洗浄設定部 84…脱臭装置 85…第2の着座検知機構 86…乾燥装置 87…ハンドル 88…中央シャフト 90…オン/オフスイッチ 92…近接スイッチ 100…衛生洗浄装置 102…ノズル装置 114…温水/ノズル制御装置 140…洗浄用ノズル 141…駆動装置 150…着座検知装置 152…回転円盤 153…検知対象片 154…中空シャフト 156…近接スイッチ 160…電子制御装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洋式便器の便座への着座を検出する着座
    検知装置であって、 前記便座に上向きの付勢力を及ぼし、前記便座を、便器
    本体上面から持ち上げて保持する保持手段と、 前記便座への着座時に前記便座と共に前記付勢力に抗し
    て押し下げられるラックと、 回転自在に軸支され、前記ラックに噛み合うピニオン
    と、 を備えることを特徴とする着座検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の着座検知装置であって、 前記ピニオンの回転に伴って、前記便座が非着座状態で
    あることを示す第1の状態と、前記便座が着座状態であ
    ることを示す第2の状態とを選択的に取る状態指示手段
    を有する、着座検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の着座検知装置であって、 前記状態指示手段が前記第2の状態を取ったときに、着
    座信号を出力する出力手段を有する、着座検知装置。
  4. 【請求項4】 人体局部に洗浄水を吐水して該人体局部
    を洗浄する洗浄機構を有する衛生洗浄装置であって、 洋式便器の便器本体上面に装着される便座と、 該便座に上向きの付勢力を及ぼし、前記便座を、便器本
    体上面から持ち上げて保持する保持手段と、 前記便座への着座時に前記便座と共に前記付勢力に抗し
    て押し下げられるラックと、 回転自在に軸支され、前記ラックに噛み合うピニオン
    と、 前記洗浄機構において洗浄水流量を調整する弁体と連結
    され、該弁体を駆動する弁体駆動シャフトと、 前記ピニオンと一体に回転するよう設けられ、前記便座
    が前記便器本体上面から持ち上げられて保持されている
    ときの初期位置と、前記便座への着座時に前記ピニオン
    と一体に回転した回転位置とを取る第1ピニオン回転体
    とを有し、 該第1ピニオン回転体は、 前記初期位置にある場合に前記弁体駆動シャフトと係合
    して、前記弁体が全閉位置を維持するよう前記弁体駆動
    シャフトの動作を規制する規制手段と、前記初期位置か
    ら前記回転位置に回転すると前記規制手段の規制を解
    き、前記弁体が開位置に駆動するように前記弁体駆動シ
    ャフトの動作を許容する許容手段とを有することを特徴
    とする衛生洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の衛生洗浄装置であって、 前記第1ピニオン回転体は、 前記弁体駆動シャフトが動作して前記弁体を開位置の側
    に駆動させていると、前記回転位置から前記初期位置に
    反転する際に前記弁体駆動シャフトと係合して、前記弁
    体が前記開位置から全閉位置に駆動するように前記弁体
    駆動シャフトを逆に動作させる反転手段を有する、衛生
    洗浄装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の衛生洗浄装
    置であって、 前記弁体駆動シャフトは、前記ピニオンを回転自在に軸
    支してなる衛生洗浄装置。
  7. 【請求項7】 吐水された洗浄水で濡れた人体局部を乾
    燥させる乾燥機構を有する衛生洗浄装置であって、 洋式便器の便器本体上面に装着される便座と、 該便座に上向きの付勢力を及ぼし、前記便座を、便器本
    体上面から持ち上げて保持する保持手段と、 前記便座への着座時に前記便座と共に前記付勢力に抗し
    て押し下げられるラックと、 回転自在に軸支され、前記ラックに噛み合うピニオン
    と、 前記乾燥機構におけるオン/オフスイッチと連結され、
    該スイッチにおけるオン位置とオフ位置との切り換えを
    行なうスイッチ駆動シャフトと、 前記ピニオンと一体に回転するよう設けられ、前記便座
    が前記便器本体上面から持ち上げられて保持されている
    ときの初期位置と、前記便座への着座時に前記ピニオン
    と一体に回転した回転位置とを取る第2ピニオン回転体
    とを有し、 該第2ピニオン回転体は、 前記初期位置にある場合に前記スイッチ駆動シャフトと
    係合して、前記スイッチがオフ位置を維持するよう前記
    スイッチ駆動シャフトの動作を規制する規制手段と、前
    記初期位置から前記回転位置に回転すると前記規制手段
    の規制を解き、前記スイッチがオン位置に切り換えられ
    るように前記スイッチ駆動シャフトの動作転を許容する
    許容手段とを有することを特徴とする衛生洗浄装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の衛生洗浄装置であって、 前記第2ピニオン回転体は、 前記スイッチ駆動シャフトが動作して前記スイッチをオ
    ン位置の側に切り換えていると、前記回転位置から前記
    初期位置に反転する際に前記スイッチ駆動シャフトと係
    合して、前記スイッチがオン位置からオフ位置に切り換
    えられるように前記スイッチ駆動シャフトを逆に動作さ
    せる反転手段を有する、衛生洗浄装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8記載の衛生洗浄装
    置であって、 前記スイッチ駆動シャフトは、前記ピニオンを回転自在
    に軸支してなる衛生洗浄装置。
  10. 【請求項10】 使用者の着座時と非着座時で上下移動
    自在に配設された便座と、 使用者の体重によって生じる便座の上下の移動力を回転
    運動に変換する変換手段と、 該変換手段により変換された回転に伴って、前記便座が
    非着座状態であることを示す第1の状態と、前記便座が
    着座状態であることを示す第2の状態とを選択的に取る
    状態指示手段と、 を備えたことを特徴とする着座検知装置。
  11. 【請求項11】 人体局部に洗浄水を吐水して該人体局
    部を洗浄する洗浄機構を有する衛生洗浄装置であって、 洋式便器の便器本体上面に装着され、使用者の着座時と
    非着座時で上下移動自在な便座と、 使用者の体重によって生じる便座の上下の移動力を回転
    運動に変換し、非着座時に前記便座が上方位置で保持さ
    れているときの第1の位置と、着座時に前記便座が下方
    位置で保持されているときの第2の位置とを取る変換手
    段と、 前記洗浄機構において洗浄水流量を調整する弁体と連結
    され、該弁体を駆動する弁体駆動シャフトと、を備え、 前記変換手段は、 前記第1の位置にある場合に前記弁体駆動シャフトと係
    合して、前記弁体が全閉位置を維持するように前記弁体
    駆動シャフトの動作を規制する規制手段と、前記第1の
    位置から前記第2の位置に変位すると前記規制手段の規
    制を解き、前記弁体が開位置に駆動するように前記弁体
    駆動シャフトの動作を許容する許容手段とを備えたこと
    を特徴とする衛生洗浄装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の衛生洗浄装置であっ
    て、 前記変換手段は、 前記弁体駆動シャフトが動作して前記弁体を開位置の側
    に駆動させていると、前記第2の位置から前記第1の位
    置に反転する際に前記弁体駆動シャフトと係合して、前
    記弁体が前記開位置から前記閉位置に駆動するように前
    記弁体駆動シャフトを逆に動作させる反転手段と、を備
    えた衛生洗浄装置。
  13. 【請求項13】 吐水された洗浄水で漏れた人体局部を
    乾燥させる乾燥機構を有する衛生洗浄装置であって、 洋式便器の便器本体上面に装着され、使用者の着座時と
    非着座時で上下移動自在な便座と、 使用者の体重によって生じる便座の上下の移動力を回転
    運動に変換し、非着座時に前記便座が上方位置で保持さ
    れているときの第1の位置と、着座時に前記便座が下方
    位置で保持されているときの第2の位置とを取る変換手
    段と、 前記乾燥機構におけるオン/オフスイッチと連結され、
    該スイッチにおけるオン位置とオフ位置との切り換えを
    行うスイッチ駆動シャフトと、を備え、 前記変換手段は、 前記第1の位置にある場合に前記スイッチ駆動シャフト
    と係合して、前記スイッチがオフ位置を維持するように
    前記スイッチ駆動シャフトの動作を規制する規制手段
    と、前記第1の位置から前記第2の位置に回転すると前
    記規制手段の規制を解き、前記スイッチがオン位置に駆
    動するように前記スイッチ駆動シャフトの動作を許容す
    る許容手段とを備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の衛生洗浄装置であっ
    て、 前記変換手段は、前記スイッチ駆動シャフトが動作して
    前記スイッチをオン位置の側に切り換えていると、前記
    第2の位置から前記第1の位置に反転する際に前記スイ
    ッチ駆動シャフトと係合して、前記スイッチがオン位置
    からオフ位置に切り換えられるように前記スイッチ駆動
    シャフトを逆に動作させる反転手段と、を備えた衛生洗
    浄装置。
JP19560196A 1996-07-04 1996-07-04 着座検知装置と衛生洗浄装置 Pending JPH1014820A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006008938A1 (ja) * 2004-07-23 2006-01-26 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha 人体局部洗浄装置
CN110409580A (zh) * 2019-07-27 2019-11-05 蔡庆财 一种新型智能马桶盖

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