JPH10146390A - ガイドワイヤー - Google Patents

ガイドワイヤー

Info

Publication number
JPH10146390A
JPH10146390A JP9335387A JP33538797A JPH10146390A JP H10146390 A JPH10146390 A JP H10146390A JP 9335387 A JP9335387 A JP 9335387A JP 33538797 A JP33538797 A JP 33538797A JP H10146390 A JPH10146390 A JP H10146390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core material
guide wire
main body
tip
distal end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9335387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3288619B2 (ja
Inventor
Eiji Obitsu
英士 帯津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18287983&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH10146390(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP33538797A priority Critical patent/JP3288619B2/ja
Publication of JPH10146390A publication Critical patent/JPH10146390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3288619B2 publication Critical patent/JP3288619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • A61M2025/09058Basic structures of guide wires
    • A61M2025/09083Basic structures of guide wires having a coil around a core
    • A61M2025/09091Basic structures of guide wires having a coil around a core where a sheath surrounds the coil at the distal part
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • A61M2025/09166Guide wires having radio-opaque features

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】リシェイプが反復できる。 【構成】超弾性芯材10は曲げ癖がほとんどつかないの
でX線造影性金属コイル20の変形のみで別の形状に変
更ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、治療または検査のため
に目的部位にカテーテルを導入するために用いられるガ
イドワイヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、心臓疾患等の検査、治療のため
に、血管内へのカテーテルの導入が行われている。この
ようなカテーテルを体内の目的部位に導入するにあた
り、カテーテル内にガイドワイヤーを挿通し、ガイドワ
イヤーの先端部を先行させる。ガイドワイヤーの先端部
を目的部位に到達させ、その後にカテーテルを目的部位
まで誘導する。
【0003】特に、経皮経管的冠動脈形成術(PTC
A)においては、X線透視下に冠動脈の分枝を選択しな
がら、目的部位である狭窄部に到達させ、さらに通過さ
せて、その後に先端にバルーンを備えた拡張カテーテル
をガイドワイヤーに沿わせて、拡張カテーテルのバルー
ンを狭窄部に位置させ、拡張させて狭窄部を押し広げて
血流量を確保して狭心症等の治療とする。
【0004】ガイドワイヤーを冠動脈の分岐部の所望の
分枝へ進めるためには、ガイドワイヤーの先端部分を分
岐部の形状に合わせたの形状に形状付け(リシェイプ)
を手指によって行う。特に、末梢側の冠動脈に挿入する
場合には、従来の予備成型されたアングル型やJ型の先
端形状では所望の分枝を選択できず、ガイドワイヤー先
端を所望形状にして、再挿入することが多々ある。形状
が合わない場合は、カテーテルからガイドワイヤーを抜
去して、再度形状付けをして挿入する。
【0005】また、所望の方向へガイドワイヤーの先端
を向けるために、手元で回転させる力が先端まで伝わる
ことが肝心となる。また、それらの操作をするためにX
線を照射してガイドワイヤーの先端の位置を確認し、間
欠的に造影剤を冠動脈に注入して冠動脈のX線像を視認
する。それゆえにガイドワイヤーの先端はX線造影性の
優れるものが望まれる。
【0006】さらに、ガイドワイヤーを大腿動脈から挿
入して大動脈、大動脈弓、冠動脈口から冠動脈へと進め
るためには、血管に追従するための柔軟性とともに手元
部分の押し込みの力が先端部分に伝わることとが必要と
なる。さらに、拡張カテーテルのバルーンが狭窄部(ま
たは閉塞部)に位置させて拡開させるために、ガイドワ
イヤーの先端が狭窄部を通過することが重要である。こ
のような狭窄部や閉塞部にガイドワイヤーの先端部を通
過させる場合には、ガイドワイヤーの手元をゆっくりと
回転させながら押し込むので、ガイドワイヤー先端部の
回転も手元の回転と同調するように滑らかである必要が
あり、手元の一定速度の回転に対して先端部において間
欠的な回転(いわゆる、はねかえり)を起こすと、狭窄
部の通過が困難となる。
【0007】この種のガイドワイヤーとしては、特開昭
59−77866号公報や特開平2−180277号公
報に示されるものがある。前者のガイドワイヤーは、主
ワイア部材の先端部分を、先端に行くに従ってテーパー
状に細径化し、その部分のみにばね部材を固定したもの
である。また、後者のガイドワイヤーは、内芯の先端部
をテーパー状にし、その最先端に高X線造影部を設けた
ものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭59−
77866号公報に示されたガイドワイヤーは、一旦リ
シェイプをすると、再度形状付けすることが困難にな
る。すなわち、主ワイヤ部材がリシェイプによって塑性
変形して、別の形状にリシェイプすることが困難にな
り、新しいガイドワイヤーを用意する必要がある。さら
に先端のばね部材が露出しており、表面の凹凸が狭窄部
の通過の抵抗になる。特に狭窄部がガイドワイヤー先端
の外径より小さく狭い場合、わずかな表面の凹凸によっ
ても挿入抵抗があり、先端が非常に柔軟で湾曲しやすけ
ればしやすいほど、ばね部材の挿入抵抗により通過が難
しくなる。
【0009】また、特開平2−180277号公報に示
されたガイドワイヤーは、内芯の最先端の高X線造影部
として高X線造影性を有するバネ部材を備えているが、
このバネ部材は高X線造影性を確保するために設けられ
たものであり、寸法的にリシェイプすることは実質上困
難である。
【0010】本発明はかかる課題に鑑みてなされたもの
で、リシェイプが可能で、さらに複数回のリシェイプに
おいても所望の形状が形成でき、視認性が良好で、狭窄
部を容易に通過できるガイドワイヤーを提供することを
目的とする。さらに、手元での回転がガイドワイヤ本体
部からトルクとして先端部に滑らかに伝達できるガイド
ワイヤーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のガイドワイヤーは、本体部と、該本
体部よりも細径の先端部と、該本体部と該先端部の間の
移行部とからなる超弾性芯材と、該芯材の先端部に密着
して設けられたX線造影性金属コイルと、該芯材と該造
影部材を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成
樹脂製被覆部材と、該合成樹脂製被覆部材を覆う親水性
潤滑層とから構成される。
【0012】さらに本発明のガイドワイヤーは、本体部
と、該本体部よりも細径の先端部と、該本体部と該先端
部の間の移行部とからなるNiTi芯材と、該芯材の先
端部に密着して設けられたX線造影性金属コイルと、該
芯材と該造影部材を被覆して実質的に平滑な外表面を形
成する合成樹脂製被覆部材と、該合成樹脂製被覆部材を
覆う親水性潤滑層とから構成される。
【0013】先端部がほぼ均一な外径を有していること
で、軸方向にほぼ同じ柔軟性を有する。また先端部は移
行部と本体部と比較して最も柔軟性が高い部分である。
移行部は、その基端から先端方向に向かって縮径してい
る部分である。一定の割合でテーパー状に細径化してい
るもの(テーパー部とも言い換えることができる)、段
階的に径が小さく変化するもの、もしくは後述する合成
樹脂製被覆部材によって先端部と本体部の曲がりやすさ
を連続的または段階的に移行させているもの等、先端部
と本体部の剛性の物性を急激に変化させることないよう
なものであればどのような構成でもかまわない。移行部
を備えることにより局所的に応力が集中せずに折れ曲が
る(キンク)ようなことがない。本体部は、移行部の基
端側に延びる部分であり、先端部よりも太い。これは、
手元で加えたトルクや、ガイドワイヤーを挿入するため
に手元で加えた軸方向への力(押し込み力)を最大限に
先端部へ伝えるためである。
【0014】芯材の各サイズはガイドワイヤーの用途に
よって異なるが、先端部・移行部・本体部を備えるPT
CA用ガイドワイヤーの場合を例示的に挙げると次の通
りである。先端部の外径は0.06〜0.10mm、長
さは10〜50mm、移行部の長さとしては50〜60
0mmである。本体部の外径0.26〜0.50mm、
長さは1000〜3000mmである。
【0015】芯材は、先端移行部と本体部で構成されて
いてもかまわない。この場合の先端移行部は本体部から
連続して設けられていることになるので、一定外径の本
体部の外径と同じ外径から先端に行くに従ってテーパ状
に縮径する構造となる。X線造影部材は先端移行部に所
定間隔を持って設けられることになる。この他、芯材は
先端から基端まで一定外径であっても良い。
【0016】芯材の材料としては、血管の追従性を備え
た適度な柔軟性、先端までトルクを伝達でき、手元での
押し込み力を先端まで伝える剛性を備える超弾性材料で
形成されている。超弾性材料としては、Ni−Ti合
金、Cu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,A
l,Ga)、Ni−Al合金であり、好ましくはNi−
Ti合金である。Ni−Ti合金にCoやFeなどの第
3元素を加えても良い。
【0017】超弾性芯材は、先端部、移行部および本体
部の全部が同じ物性を備えていても良く、先端部のみ違
う物性であっても良い。また本体部のみ違う物性であっ
ても良い。たとえば先端部に塑性変形できる物性にする
と、先端部がリシェイプ可能となるが,これは所定の熱
処理により超弾性特性を劣化させることによって達成で
きる。また、芯材本体部は、40℃における剛性が20
℃における剛性の1.5倍以上であるよう熱処理を施さ
れていることがトルクの伝達性という点において好まし
い。
【0018】X線造影性金属コイルは、超弾性芯材の先
端部に密着して設けられている。X線透視下で視認でき
る材料として金、白金、銀、ビスマス、タングステンま
たこれらのうち2種類以上の合金(例えば、白金−タン
グステン)、もしくは他の金属との合金(例えば、金−
イリジウム、白金−イリジウム)などが挙げられる。造
影部材の表面にさらに別の材料をメッキしてもよい。こ
の金属コイルの外径は、後述するリシェイプ性やガイド
ワイヤーの操作性およびX線造影性を満たしていれば特
に制限は無いが、造影部材の外径が大きい程X線造影性
が優れる。また、金属コイルの外径は、芯材の外径と同
じか小さいことでトルク伝達が容易になる。前述のよう
な先端部・移行部・本体部の三つの部分をもつ芯材の場
合は、最も太い外径の本体部の外径と比較して造影部材
の外径が同じか小さくなる。金属コイルの軸方向の長さ
は、リシェイプできる程度の長さを有しており、10〜
40mmが好ましい。
【0019】X線造影性金属コイルと芯材の密着は、芯
材にX線造影性金属線を巻き付けて密着させることや、
予め芯材の外径とほぼ同等の内径を有するX線造影性金
属コイルを用意して、芯材先端部を金属コイルに挿入す
ることで可能である。金属コイルの両端は、接着剤や半
田付け等で芯材に固定することが好ましい。また、金属
コイルの両端を溶解させて芯材に固定しても良い。さら
に、芯材の最先端を金属コイルの内径よりも大きい球状
等の膨出部を形成して、金属コイルの先端側を当接させ
て固定すると、より確実に固定できる。球状の膨出部は
芯材を溶融して形成することにより、芯材の他の部分と
一体的に形成できて好ましい。
【0020】超弾性芯材にX線造影性金属コイルと密着
させて設けることにより、金属コイルの塑性変形でリシ
ェイプが可能となる。ただし、芯材は超弾性であるの
で、塑性変形はしておらず、金属コイルの形状が変わる
だけで真直状に戻すことも、他の形状に戻すことも可能
になるものである。
【0021】芯材と密着させたX線造影性金属コイル
は、その外側から合成樹脂製被覆部材が被覆される。被
覆部材は金属コイルとその周辺のみ被覆するだけでもか
まわない。すなわち、先端と基端を有する合成樹脂製被
覆部材の先端が金属コイル先端より先端側に位置して、
基端は該コイル基端より基端側にて終端している。その
場合被覆部材の無い部分の芯材にはシリコーンを塗布す
ることが好ましい。
【0022】合成樹脂製被覆部材は、芯材とX線造影性
金属コイルを被覆して実質的に平滑な外表面を形成する
ことを目的としている。被覆部材が被覆したガイドワイ
ヤーは、外径が先端から基端までほぼ均一であることが
好ましいが、細径化による微小血管の挿入が容易により
先端部分の柔軟性が増大するので、血管の狭窄部分を通
過させることや微細血管に挿入するために先端部分がそ
れ以外の部分よりも外径を細くしてもかまわない。ま
た、先端部のみを合成樹脂製被覆部材で被覆してもかま
わない。
【0023】被覆部材としては、その被覆の容易さと後
述する外表面の処理の容易さから合成樹脂で構成される
ことが好ましい。そして合成樹脂製被覆部材は、芯材の
湾曲の妨げにならない程度に柔軟であり、外表面は実質
的に凹凸のない滑らかな表面となっている。合成樹脂製
被覆部材を形成する合成樹脂中に微粉末状X線造影物質
を混合することも可能である。微粉末状X線造影物質と
しては、タングステン、ビスマス、バリウム等がある。
X線造影物質含有合成樹脂製被覆部材を芯材の一部また
は全部の表面に被覆することで、ガイドワイヤー全体も
しくは一部が視認できる。特に、X線造影物質含有合成
樹脂製被覆部材をガイドワイヤー先端部分に適用するこ
とで、視認性がさらに向上する。
【0024】また、合成樹脂製被覆部材は芯材の柔軟性
に応じてその被覆部材の柔軟性を変化させても良い。す
なわち先端部,移行部および本体部を有する芯材のそれ
ぞれの部分に合わせて材料を変えることである。例とし
ては、先端部には血管に挿入し管壁に接触することもあ
るので最も柔軟性のある材料を選択し、本体部には芯材
自体のねじり剛性や曲げ剛性を補強するためにより剛性
の高い材料を選択できる。移行部にはその中間の剛性の
材料を選択することが可能である。また、剛性の異なる
2種類の樹脂を先端に行くに従って剛性の低い樹脂の配
分が多くなるように連続的に変化させることは、ねじり
剛性の変化が極端にならないために好ましい。
【0025】さらに、合成樹脂製被覆部材は、2層もし
くはそれ以上の複数層としても良い。例えば、芯材の本
体部には剛性を付与する為にポリイミドなどの比較的剛
性の高い樹脂を被覆し、その外層には後述する親水性潤
滑層が固定しやすいような反応基を多くもつ樹脂層を設
け、親水性材料等の潤滑層を当該樹脂層に固定するとい
うことである。また、超弾性芯材と樹脂との接着性を高
めてトルク伝達性を向上させるために、アイオノマー等
の接着性樹脂を内層にして、外層には前述した反応基を
多くもつ潤滑層を固定するための層を設けることも可能
である。また、低摩擦性の樹脂を被覆部材の外側に備え
ても良い。低摩擦性の樹脂はたとえばフッ素系樹脂があ
る。
【0026】合成樹脂製被覆部材の材料としては、ポリ
ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、フッ
素系樹脂、シリコーンもしくは各々のエラストマー(例
えば、ポリエステルエラストマー)およびそれらの複合
材料が好適に使用できる。
【0027】合成樹脂製被覆部材を覆う親水性潤滑層
は、湿潤時に親水性を示して潤滑性が向上するものであ
り、カテーテル内表面や血管との摩擦抵抗を減少させ
て、良好な摺動性を得ることができる。このような潤滑
層は、合成樹脂製被覆部材に固定されていれば良く、イ
オン結合や共有結合等の化学結合の他に物理的結合で固
定されていてもよい。被覆部材に固定されている親水性
潤滑層は、親水性潤滑物質によって形成されており、水
溶性高分子物質が好ましい。また、親水性潤滑物質は、
湿潤時に含水して潤滑性を発現するものが好ましい。ま
た、親水性潤滑層は前記ガイドワイヤーの先端部分のみ
形成されていても良い。
【0028】親水性潤滑物質として、−OH,−CON
,−COOH,−NH,−COO,−SO3−
などの親水性基を有しているものが好ましく、具体的に
は無水マレイン酸系としては、メチルビニルエーテル無
水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレ
イン酸ソーダ、メチルビニルエーテル無水マレイン酸ア
ンモニウム塩、無水マレイン酸エチルエステル共重合
体、ポリアルキンオキサイド系としてはポリエチレンオ
キサイド、ポリアルキレングリコール系としてはポリエ
チレングリコール、アクリル酸系としてはポリアクリル
酸ソーダが好適である。
【0029】また、親水性潤滑層は、親水性化合物と疎
水性化合物のコポリマーであることが望ましい。さらに
親水性化合物と疎水性化合物のブロックコポリマーであ
ることが望ましい。このような親水性化合物と疎水性化
合物のブロックコポリマーとしては、ポリグリシジルメ
タクリレート(PGMA)ージメチルアクリルアミド
(DMAA),メタクリル酸クロリドーDMAA,メタ
クリロイルオキシエチルイソシアネートーDMAA,ポ
リグリシジルアクリレート−無水マレイン酸等がある。
疎水性化合物が基材である被覆部材と反応結合して、親
水性化合物が含水膨潤して低摩擦性を実現する。
【0030】
【実施例】本発明のガイドワイヤーの実施例を図面を参
照して説明する。図1は、本発明のガイドワイヤーの第
1の実施例を示す断面図、図2は、図1の実施例の先端
部を示す断面図である。
【0031】図1に示されるように、本発明の第1の実
施例ガイドワイヤー1は、本体部12と、本体部12よ
りも細径の先端部14と、本体部12と先端部14の間
の移行部16とからなる超弾性芯材10と、芯材10の
先端部14に密着して設けられたX線造影性金属コイル
20と、芯材10と金属コイル20を被覆して実質的に
平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材30と、合
成樹脂製被覆部材30を覆う親水性潤滑層40とから構
成されている。
【0032】本発明のガイドワイヤー1は、全長180
cmで外径は約0.35mmである。ガイドワイヤー1
の全長としては80〜500cmの範囲で適用でき、外
径はその用途にも異なるが、PTCAにおいては0.5
mm以下が好ましい。
【0033】超弾性芯材10は、先端部14と移行部1
6および本体部12からなる。先端部14はほぼ均一な
外径を有しており、柔軟性もほぼ同じで後述する移行部
16と本体部12と比較して最も柔軟性が高い部分であ
る。芯材10の先端部14の外径は約0.1mm、長さ
は20mmである。移行部16は、その基端から先端方
向に向かって縮径している部分で本実施例では一定の割
合でテーパー状に細径化しているもので、テーパー部と
も言い換えることができる。移行部16の長さ300m
mである。移行部16を有することにより外径の異なる
本体部23と先端部21の曲がり易さ(柔軟性)を先端
に行くに従って大きくできる、すなわち柔らかくするこ
とができて、急激に曲がり易さが変化することがなく柔
軟性が先端に行くに連れて連続的に高くなり、局部的に
折れ曲がる(キンク)することがない。本体部12は、
移行部16の基端側に延びる部分であり、その外径はほ
ぼ均一で、約0.3mm、長さ約1500mmである。
この本体部12は先端部14よりも太い。手元で加えた
トルクと、ガイドワイヤー1を挿入するために手元で加
えた軸方向への力(押し込み力)を先端部14へ伝える
ためである。
【0034】芯材10の先端部14,移行部16および
本体部12は、同一材料の一体物である。一体物である
ことで折れや破損がなくて好ましい。このような超弾性
芯材10は超弾性合金であるNi−Ti合金線である。
超弾性合金線であることで曲がり癖がつかず、蛇行した
血管を挿通させた状態でトルクを与えてもその力がスム
ーズに先端に伝わりトルク伝達性に富む。
【0035】超弾性芯材10の引張試験による荷重−歪
み曲線を図4に示す。芯材径は0.343mmで40℃
にて芯材を5%引張試験したものである。実線は本実施
例における芯材10の荷重−歪み曲線であり、破線は、
同様の超弾性線における参考例である。図4に示すよう
に、芯材10の降伏荷重および復元荷重は参考例の芯材
より低くなっている。さらに、芯材10は、降伏点が曲
線状でなく、弾性域直線が降伏点に至ると角度を変えて
超弾性域直線となっており、弾性域が広くなる。このよ
うな芯材10は、熱処理を450〜550℃にて30秒
〜2分程度施すことにより達成される。
【0036】図5は、超弾性芯材10のトルク伝達性を
表す線図である。内径6mmの塩ビチューブを曲率30
mmのU字形状にして、その内部に20℃の水を充填し
て、外径0.5mmのNiTi線(超弾性芯材)の基部
を1.5rpmにて回転させたときの基部回転角(横
軸)に対する先端回転角(縦軸)を表したものである。
破線は基部回転角と先端回転角が同じである理想線であ
る。図5(a)は、熱処理を施したものであり、図5
(b)は未処理のものである。未処理芯材は理想線に対
して最大45度程度の開きがあるのに対して、熱処理済
み超弾性NiTi線は、ほとんど理想線に沿って回転し
ていることがわかる。このことは手元での回転が、はね
かえりなく先端にスムーズに伝わることを意味するもの
である。
【0037】図6は、超弾性芯材10の剛性を示す線図
である。外径0.5mmのNiTi線の未処理のもの
(A)と熱処理済みのもの(B)を用意し、温槽内でス
パーン25mmの中心に荷重を加え、2mm押し下げた
(5mm/min)時の荷重を測定した。図6による
と、20℃ではほぼ変わらない剛性を示したが、40℃
では熱処理済みのものは剛性が高くなっており、40℃
における剛性は20℃における剛性よりも1.5倍以上
であることがわかる。これは、体温近傍である血管に導
入された部分で剛性が高く、トルク伝達性と押し込み性
が向上する。
【0038】超弾性芯材10の先端部14にはX線造影
性金属コイル20が密着して設けられている。X線造影
性金属コイル20は金にて形成されており、金属コイル
20の軸方向の長さは20mmである。金属コイル20
の線径は約0.1mmであり、芯材10に密着して巻き
付けられて、コイル20同士の間隔も実質的に密着して
設けられている。芯材10の先端部14に設けられた金
属コイル20の外径は、芯材10の本体部12と略同一
外径である。金属コイル20の先端部と基端部には芯材
10の先端部14と固定するための固着部22が設けら
れている。固着部22は接着剤を使用している。
【0039】合成樹脂製被覆部材30は、芯材10とX
線造影性金属コイル20を被覆して実質的に平滑な外表
面を形成するように被覆されている。被覆部材30が被
覆したガイドワイヤー1は、外径が先端から基端までほ
ぼ均一である。被覆部材30としては、その被覆の容易
さと後述する外表面の処理の容易さから合成樹脂で構成
され、芯材10の湾曲の妨げにならない程度に柔軟であ
り、外表面は実質的に凹凸のない滑らかな表面となって
いる。被覆材30は、略密着した金属コイル20の外表
面を覆って、コイル20の動きを規制している。コイル
20と芯材10はコイル20の両端以外は固定されてい
ないので、ある程度移動が可能となる。合成樹脂として
は熱可塑性樹脂がその製造の簡便さから好ましい。ガイ
ドワイヤー1の被覆部材30としてはポリウレタンが用
いられている。
【0040】さらに、合成樹脂製被覆部材30を形成す
る合成樹脂中にはX線造影物質としてのタングステンが
45重量%含有されている。X線造影物質含有合成樹脂
製被覆部材30を芯材10の表面に被覆することにより
ガイドワイヤー全体もしくは一部が視認できる。
【0041】親水性潤滑層40は合成樹脂製被覆部材3
0の外表面を覆っている。被覆部材8の外表面全体であ
れば、血管内の進行が容易になり、さらにカテーテル内
のルーメンとの摺動性が高まる。特に狭窄部の通過を目
的とする場合は、先端部分のみ親水性潤滑層40が形成
されていても良い。
【0042】潤滑層40を形成する潤滑性物質として
は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールな
どのポリアルキレングリコール系、メチルビニルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体などの無水マレイン酸系な
どが挙げられる。合成樹脂製被覆部材30の外表面に
は、親水性潤滑層40の他にヘパリン、ウロキナーゼ等
の抗凝固剤もしくはシリコーンゴム、ウレタンとシリコ
ーンのブロック共重合体、ヒドロキシエチルメタクレー
ト−スチレン共重合体等の抗血栓性材料をコーティング
してもよい。
【0043】図2は、本発明のガイドワイヤーの第2の
実施例を示す断面図である。図1と同じ構成は同一符号
で示す。図2に示されるガイドワイヤー11は、本体部
12と、本体部12よりも細径の先端部14と、本体部
12と先端部14の間の移行部16とからなる超弾性芯
材10と、芯材10の先端部14に密着して設けられた
X線造影性金属コイル20と、芯材10と金属コイル2
0を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹脂
製被覆部材30と、合成樹脂製被覆部材30を覆う親水
性潤滑層40とから構成されている。さらに、先端部1
4の最先端は、膨出部14aが形成されている。
【0044】本発明のガイドワイヤー1は、全長180
cmで外径は約0.35mmである。ガイドワイヤー1
の全長としては80〜500cmの範囲で適用でき、外
径はその用途にも異なるが、PTCAにおいては0.5
mm以下が好ましい。
【0045】超弾性芯材10は、本体部12、移行部1
6、先端部14および先端部14の最先端の膨出部14
aからなる。先端部14はほぼ均一な外径を有してお
り、柔軟性もほぼ同じで後述する移行部16と本体部1
2と比較して最も柔軟性が高い部分である。芯材10の
先端部14の外径は約0.08mm、長さは20mmで
ある。膨出部14aは球状をなしており、芯材10を溶
解して球状に形成してなる。膨出部14aの径は後述す
る金属コイル20の内径よりも大きく、先端部14の外
径よりも大きいので金属コイル20の芯材10への固定
が確実になる。膨出部14はコイル20を芯材10に挿
入して、突出した芯材10を溶融させて形成する。移行
部16は、その基端から先端方向に向かって縮径してい
る部分で本実施例では一定の割合でテーパー状に細径化
しているもので、テーパー部とも言い換えることができ
る。移行部16の長さ300mmである。移行部16を
有することにより外径の異なる本体部23と先端部21
の曲がり易さ(柔軟性)を先端に行くに従って大きくで
きる、すなわち柔らかくすることができて、急激に曲が
り易さが変化することがなく柔軟性が先端に行くに連れ
て連続的に高くなり、局部的に折れ曲がる(キンク)す
ることがない。本体部12は、移行部16の基端側に延
びる部分であり、その外径はほぼ均一で、約0.3m
m、長さ約1500mmである。この本体部12は先端
部14よりも太い。これは、手元で加えたトルクと、ガ
イドワイヤー1を挿入するために手元で加えた軸方向へ
の力(押し込み力)を先端部14へ伝えるためである。
【0046】芯材10の膨出部14a、先端部14,移
行部16および本体部12は、同一材料の一体物であ
る。一体物であることで折れや破損がなくて好ましい。
このような超弾性芯材10は超弾性合金であるNi−T
i合金線である。超弾性合金線であることで曲がり癖が
つかず、蛇行した血管を挿通させた状態でトルクを与え
てもその力がスムーズに先端に伝わりトルク伝達性に富
む。 超弾性芯材10の先端部14にはX線造影性金属
コイル20が密着して設けられている。X線造影性金属
コイル20は白金92%とイリジウム8%の合金にて形
成されており、X線造影性とともに適度な剛性を有して
いる。適度な剛性により塑性変形における形状保持が可
能であり、ガイドワイヤ先端部の所望形状に形成しやす
い。金属コイル20の軸方向の長さは20mmである。
金属コイル20の線径は約0.1mmであり、芯材10
に密着して巻き付けられて、コイル20同士の間隔も実
質的に密着して設けられている。芯材10の先端部14
に設けられた金属コイル20の外径は、芯材10の本体
部12よりも小さな外径である。金属コイル20の先端
部と基端部には芯材10の先端部14と固定するための
固着部22が設けられている。固着部22は接着剤を用
いている。
【0047】合成樹脂製被覆部材30は、芯材10とX
線造影性金属コイル20を被覆して実質的に平滑な外表
面を形成するように被覆されている。被覆部材30が被
覆したガイドワイヤー1は、外径が先端から基端までほ
ぼ均一である。被覆部材30としては、その被覆の容易
さと後述する外表面の処理の容易さから合成樹脂で構成
され、芯材10の湾曲の妨げにならない程度に柔軟であ
り、外表面は実質的に凹凸のない滑らかな表面となって
いる。被覆材30は、略密着した金属コイル20の外表
面を覆って、コイル20の動きを規制している。コイル
20と芯材10はコイル20の両端以外は固定されてい
ないので、ある程度移動が可能となる。合成樹脂として
は熱可塑性樹脂がその製造の簡便さから好ましい。被覆
部材30としてはメタクリル酸変成ポリエチレンが用い
られている。
【0048】さらに、合成樹脂製被覆部材30を形成す
る合成樹脂中にはX線造影物質としてのタングステンが
45重量%含有されている。X線造影物質含有合成樹脂
製被覆部材30を芯材10の表面に被覆することにより
ガイドワイヤー全体もしくは一部が視認できる。
【0049】親水性潤滑層40は合成樹脂製被覆部材3
0の外表面を覆っている。被覆部材8の外表面全体であ
れば、血管内の進行が容易になり、さらにカテーテル内
のルーメンとの摺動性が高まる。特に狭窄部の通過を目
的とする場合は、先端部分のみ親水性潤滑層40が形成
されていても良い。潤滑層40を形成する潤滑性物質
は、親水性化合物と疎水性化合物のブロック共重合体で
あるポリグリシジルメタクリレート(PGMA)―ジメ
チルアクリルアミド(DMAA)のブロック共重合体で
ある。
【0050】合成樹脂製被覆部材30の外表面には、親
水性潤滑層40の他にヘパリン、ウロキナーゼ等の抗凝
固剤もしくはシリコーンゴム、ウレタンとシリコーンの
ブロック共重合体、ヒドロキシエチルメタクレート−ス
チレン共重合体等の抗血栓性材料をコーティングしても
よい。
【0051】図3は、本発明のガイドワイヤーの第2の
実施例を示す断面図である。図1と同じ構成は同一符号
で示す。図3に示されるガイドワイヤー100は、本体
部12と、本体部12よりも細径の先端部14と、本体
部12と先端部14の間の移行部16とからなる超弾性
芯材10と、芯材10の先端部14に密着して設けられ
たX線造影性金属コイル20と、芯材10と金属コイル
20を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹
脂製被覆部材30と、合成樹脂製被覆部材30を覆う親
水性潤滑層40とから構成されている。さらに、芯材1
0の先端部14が室温乃至体温近傍において変形した形
状を維持できる物性である。
【0052】本発明のガイドワイヤー1は、全長180
cmで外径は約0.35mmである。超弾性芯材10
は、本体部12、移行部16、先端部14からなる。先
端部14はほぼ均一な外径を有しており、柔軟性もほぼ
同じで後述する移行部16と本体部12と比較して最も
柔軟性が高い部分である。芯材10の先端部14の外径
は約0.08mm、長さは20mmである。
【0053】先端部14に用いられる芯材10の引張試
験による荷重−歪み曲線を図6に示す。芯材径は約0.
335mmで40℃にて芯材を5%引張試験したもので
ある。5%荷重した後除荷した場合、約1.8%の歪が
残っていることがわかる。先端部14においては手指で
リシェイプが可能となっている。
【0054】移行部16は、その基端から先端方向に向
かって縮径している部分で本実施例では一定の割合でテ
ーパー状に細径化しているもので、テーパー部とも言い
換えることができる。移行部16の長さ300mmであ
る。移行部16を有することにより外径の異なる本体部
23と先端部21の曲がり易さ(柔軟性)を先端に行く
に従って大きくできる、すなわち柔らかくすることがで
きて、急激に曲がり易さが変化することがなく柔軟性が
先端に行くに連れて連続的に高くなり、局部的に折れ曲
がる(キンク)することがない。本体部12は、移行部
16の基端側に延びる部分であり、その外径はほぼ均一
で、約0.3mm、長さ約1500mmである。この本
体部12は先端部14よりも太い。これは、手元で加え
たトルクと、ガイドワイヤー1を挿入するために手元で
加えた軸方向への力(押し込み力)を先端部14へ伝え
るためである。
【0055】芯材10の先端部14,移行部16および
本体部12は、同一材料の一体物である。一体物である
ことで折れや破損がなくて好ましい。このような超弾性
芯材10は超弾性合金であるNi−Ti合金線である。
超弾性合金線であることで曲がり癖がつかず、蛇行した
血管を挿通させた状態でトルクを与えてもその力がスム
ーズに先端に伝わりトルク伝達性に富む。
【0056】超弾性芯材10の先端部14にはX線造影
性金属コイル20が密着して設けられている。X線造影
性金属コイル20は白金92%とイリジウム8%の合金
にて形成されており、X線造影性とともに適度な剛性を
有している。適度な剛性により塑性変形における形状保
持が可能であり、ガイドワイヤ先端部の所望形状に形成
しやすい。金属コイル20の軸方向の長さは20mmで
ある。金属コイル20の線径は約0.1mmであり、芯
材10に密着して巻き付けられて、コイル20同士の間
隔も実質的に密着して設けられている。芯材10の先端
部14に設けられた金属コイル20の外径は、芯材10
の本体部12よりも小さな外径である。金属コイル20
の先端部と基端部には芯材10の先端部14と固定する
ための固着部22が設けられている。固着部22は接着
剤を用いている。合成樹脂製被覆部材30や親水性潤滑
層40は実施例1のものと同一である。
【0057】
【作用】本発明のガイドワイヤーの作用をPTCAの例
で説明する。
【0058】まず、ガイディングカテーテルを大動脈を
経由して冠動脈口に進めて、狭窄部のある冠動脈の目的
部位を確認するために、ガイディングカテーテル先端か
ら造影剤を吐出させて冠動脈造影を行う。次に、狭窄部
を拡張するためのバルーンが先端に設けられた拡張カテ
ーテルのガイドワイヤールーメンに本発明のガイドワイ
ヤーを挿通して準備する。この際、目的血管に到達する
ために、血管分岐に適合した形状にガイドワイヤーの先
端をリシェイプしておく。本発明のガイドワイヤーは曲
げ癖のつかない又はつきにくい超弾性芯材に塑性変形す
る金属コイルを設けているので、金属コイルの形状維持
の力が勝って、所望の形(例えば、先端5mmが60度
ほど曲がった形状)にリシェイプできる。
【0059】そのようなガイドワイヤーが挿通された拡
張カテーテルをガイディングカテーテルに挿入してい
く。ガイディングカテーテル先端部分に達したところで
拡張カテーテルの挿入を止め、冠動脈へはガイドワイヤ
ーのみを適宜造影を行いながら押し進めて行く。本発明
のガイドワイヤーは芯材の先端部にX線造影性金属コイ
ルが設けられているのでX造影下でガイドワイヤーの先
端が確認しやすい。
【0060】所定血管分岐に挿入しにくい場合、または
別の分枝を選択したいときには、一旦ガイドワイヤーを
カテーテルより抜去して、再度リシェイプを行うことが
できる。本発明のガイドワイヤーは、芯材ば超弾性であ
るので曲げ癖がつかないか、ほとんどつかないので金属
コイルの変形のみで別の形状に変更が可能となる。すな
わちリシェイプの反復が可能になる。合成樹脂製被覆部
材が金属コイルの外表面より被覆しており、金属コイル
と芯材は金属コイルの両端以外は固着されていない。従
って、ガイドワイヤー先端をリシェイプするために湾曲
させた時は、被覆部材がコイルの移動を抑えようとする
が、一旦さらに形状付けのために指や器具でしごくよう
に曲げると、湾曲の外側のコイルはその間隔が広がり、
内側は少し重なり合うように移動して、コイル自体の塑
性変形と被覆部材の弾性によって、その形状は維持され
る。さらに、金属コイルと芯材は密着しているので、芯
材に力が伝わりやすい。一度付いた形状は、再度カテー
テルに挿入するようなことではとれずに、所望血管の選
択を容易にする。
【0061】ガイドワイヤーが狭窄部に達した後、通過
させる際に、ガイドワイヤーの先端を回転させながら押
し進めると狭窄部を通過しやすい。そこで、手元におい
てゆっくりと回転させながら押しこむのであるが、トル
ク伝達良好な超弾性芯材本体部と、実質的に平滑な外表
面を形成する合成樹脂製被覆部材とその外表面の親水性
潤滑層で潤滑性を付与していることにより、手元の滑ら
かな回転がほぼ先端の滑らかな回転となるので、ガイド
ワイヤー先端の跳ね返りがなく狭窄部の通過が容易にな
る。
【0062】次に、拡張カテーテルをガイドワイヤーに
沿って押し進め、拡張カテーテルのバルーンが狭窄部の
中央に来ていることを確認し、バルーン内に造影剤を注
入・加圧して拡張させることで、狭窄部を拡張させる。
拡張が終了したのち、拡張カテーテルを抜去して終了す
る。
【0063】なお、本発明のガイドワイヤーは、PTC
Aのほか、脳や腹部などの血管造影用や治療用のカテー
テル挿入に使用可能である。
【0064】
【発明の効果】本発明のガイドワイヤーは、本体部と、
該本体部よりも細径の先端部と、該本体部と該先端部の
間の移行部とからなる超弾性芯材と、該芯材の先端部に
密着して設けられたX線造影性金属コイルと、該造影性
金属コイルと該芯材の少なくとも一部を被覆して実質的
に平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材と、該合
成樹脂製被覆部材の副無くとも一部を覆う親水性潤滑層
とからなるので、リシェイプが可能で、さらに複数回の
リシェイプにおいても所望の形状が形成でき、視認性が
良好で、狭窄部を容易に通過できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のガイドワイヤーの第1の実施
例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明のガイドワイヤーの第2の実施
例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明のガイドワイヤーの第3の実施
例を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明のガイドワイヤーの超弾性芯材
の引張試験による荷重−歪み曲線を示す線図である。
【図5】図5は、本発明のガイドワイヤーの超弾性芯材
のトルク伝達性を示す線図である。
【図6】図6は、本発明のガイドワイヤーの超弾性芯材
の剛性を示す線図である。
【図7】図7は、本発明のガイドワイヤーの第3の実施
例における先端部に用いられる芯材の引張試験による荷
重−歪み曲線を示す線図である。
【符号の説明】
ガイドワイヤー 1 超弾性芯材 10 本体部 12 先端部 14 移行部 16 X線造影性金属コイル 20 合成樹脂製被覆部材 30 親水性潤滑層 40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体部と、該本体部よりも細径の先端部
    と、該本体部と該先端部の間の移行部とからなる超弾性
    芯材と、該芯材の先端部に密着して設けられたX線造影
    性金属コイルと、該造影性金属コイルと該芯材の少なく
    とも一部を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合
    成樹脂製被覆部材と、該合成樹脂製被覆部材の少なくと
    も一部を覆う親水性潤滑層とからなることを特徴とする
    ガイドワイヤー。
  2. 【請求項2】 前記芯材の先端部がほぼ均一な外径を有
    していることを特徴とする請求項1記載のガイドワイヤ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記X線造影性金属コイルの軸方向の長
    さが、10〜40mmであることを特徴とする請求項1
    記載のガイドワイヤー。
  4. 【請求項4】 前記親水性潤滑層が前記ガイドワイヤー
    の先端部分のみ形成されていることを特徴とする請求項
    1記載のガイドワイヤー。
  5. 【請求項5】 前記芯材の40℃における剛性は20℃
    における剛性の1.5倍以上であることを特徴とする請
    求項1記載のガイドワイヤー。
JP33538797A 1997-12-05 1997-12-05 ガイドワイヤー Expired - Lifetime JP3288619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33538797A JP3288619B2 (ja) 1997-12-05 1997-12-05 ガイドワイヤー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33538797A JP3288619B2 (ja) 1997-12-05 1997-12-05 ガイドワイヤー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10146390A true JPH10146390A (ja) 1998-06-02
JP3288619B2 JP3288619B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=18287983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33538797A Expired - Lifetime JP3288619B2 (ja) 1997-12-05 1997-12-05 ガイドワイヤー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3288619B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0982046A1 (en) 1998-08-28 2000-03-01 Piolax Inc. Clinical guide wire and method for producing the same
US7641622B2 (en) 2007-02-09 2010-01-05 Terumo Kabushiki Kaisha Guide wire
US7744545B2 (en) 2006-12-28 2010-06-29 Terumo Kabushiki Kaisha Guide wire
JP2013005963A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Asahi Intecc Co Ltd ダイレータ及びダイレータを用いたカテーテル組立体
JP2013240562A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Trs:Kk 医療用ガイドワイヤー
WO2014162390A1 (ja) 2013-04-01 2014-10-09 テルモ株式会社 コイル、ガイドワイヤおよびコイルの製造方法
CN111012998A (zh) * 2020-02-25 2020-04-17 深圳麦普奇医疗科技有限公司 一种介入治疗医用微导丝及其制作方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0982046A1 (en) 1998-08-28 2000-03-01 Piolax Inc. Clinical guide wire and method for producing the same
US7744545B2 (en) 2006-12-28 2010-06-29 Terumo Kabushiki Kaisha Guide wire
US7641622B2 (en) 2007-02-09 2010-01-05 Terumo Kabushiki Kaisha Guide wire
JP2013005963A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Asahi Intecc Co Ltd ダイレータ及びダイレータを用いたカテーテル組立体
JP2013240562A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Trs:Kk 医療用ガイドワイヤー
WO2014162390A1 (ja) 2013-04-01 2014-10-09 テルモ株式会社 コイル、ガイドワイヤおよびコイルの製造方法
US10625056B2 (en) 2013-04-01 2020-04-21 Terumo Kabushiki Kaisha Coil, guide wire, and coil manufacturing method
CN111012998A (zh) * 2020-02-25 2020-04-17 深圳麦普奇医疗科技有限公司 一种介入治疗医用微导丝及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3288619B2 (ja) 2002-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0737199U (ja) ガイドワイヤー
EP2632528B1 (en) Nickel-titanium core guidewire
JP4166321B2 (ja) 成形可能な先端を備えた超弾性ガイドワイヤ
US5836893A (en) Intravascular guidewire
EP1543857A1 (en) Guide wire
JP3288619B2 (ja) ガイドワイヤー
JP5473677B2 (ja) ガイドワイヤ
JP3998918B2 (ja) ガイドワイヤー
JPH0728562U (ja) ガイドワイヤー
JP4376048B2 (ja) ガイドワイヤ
WO2010060889A1 (en) Microcatheter
JP2006175241A (ja) ガイドワイヤー
WO2022158417A1 (ja) カテーテル
WO2022158418A1 (ja) カテーテル
JP2895464B2 (ja) カテーテル用ガイドワイヤー
JP2003334253A (ja) ガイドワイヤー
JP3962652B2 (ja) ガイドワイヤ
CN219721653U (zh) 一种导丝及延长导管***
JP2895463B2 (ja) カテーテル用ガイドワイヤー
JP3683236B2 (ja) ガイドワイヤ
JP3683237B2 (ja) ガイドワイヤ
JP2006051386A (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP2006296893A (ja) ガイドワイヤ
JP4685218B2 (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP2023116319A (ja) カテーテル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080315

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090315

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100315

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100315

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110315

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120315

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130315

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130315

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140315

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term